本発明は、表面に静電潜像が形成される感光体ドラムを含む電子写真方式の画像形成装置に装着される現像装置であって、表面に現像剤を担持して回転し、感光体ドラム表面の静電潜像にトナーを供給して現像する現像ローラと、現像ローラ表面の現像剤の担持量を規制する規制部材と、現像ローラの上方であって、感光体ドラムと規制部材との間に設けられて現像装置内部からのトナー飛散を防止するカバー部材と、カバー部材の下部に設けられ、感光体ドラムの回転にともなって振動するシール部材とを備える。
このように、カバー部材の下部近傍ではなく、カバー部材の下部に設けられるシール部材の下部近傍にトナーを付着蓄積させるようにし、さらにシール部材が感光体ドラムの回転にともなって振動するように構成されることによって、トナーが堆積して塊となる前に、シール部材の振動にともなってトナーを現像ローラ表面の現像剤層中に少しずつ落下させることができる。これによって、凝集力の高い小粒径トナーを用いて現像を行った場合においても、シール部材の下部近傍においてトナーが付着蓄積し、それらが塊となって現像ローラ表面の現像剤層中に落下することを防ぐことができる。
したがって、本発明の現像装置は、カバー部材およびシール部材によって現像装置内部からのトナー飛散を防ぎ、かつかぶりや画像むらのない高画質画像を形成することができる。
以下に実施の形態を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り特に限定されるものではない。
〔現像装置〕
図1は、現像装置1の構成を模式的に示す断面図であり、図2は、図1に示す現像装置1の一部を拡大して示す断面図であり、図3は、図1に示す現像装置1の構成部材の1つである現像ローラ2に含まれるマグネットローラ12における各磁極の磁力分布を示す図である。
現像装置1は、図1および図2に示すように、表面に現像剤を担持して回転し、感光体ドラム20表面の静電潜像にトナーを供給して現像する現像ローラ2と、現像ローラ2表面の現像剤の担持量を規制する規制部材3と、現像ローラ2の上方であって、感光体ドラム20と規制部材3との間に設けられて現像装置1内部からのトナー飛散を防止するカバー部材4と、カバー部材4の下部に設けられ、感光体ドラム20の回転にともなって振動するシール部材5とを備える。さらに、現像ローラ2および後述する撹拌部材を回転自在に支持するとともに、その内部空間に現像剤を貯留する現像槽6と、現像槽6内の現像剤を均一に撹拌して現像ローラ2に向けて搬送する攪拌部材である第1撹拌部材7、第2撹拌部材8および搬送部材9と、現像槽6内における現像剤が円滑に流れるようにする流し板10と、現像槽6内部に収容されるトナーの濃度を検知するトナー濃度検知センサ11とを備える。本実施形態において、現像剤はトナーと磁性体粉であるキャリアとを含む2成分現像剤である。
現像ローラ2は少なくとも一部が現像槽6に回転自在に支持され、図示しない駆動手段によって軸心回りに回転駆動するローラ状部材である。また、現像ローラ2は、現像槽6の開口6aを介して感光体ドラム20に対向する。現像ローラ2は、感光体ドラム20に対して間隙を有して離隔するように設けられ、最近接部分が現像ニップ部である。現像ニップ部において、現像ローラ2表面の図示しない現像剤層から感光体ドラム20表面の静電潜像にトナーが供給される。現像ニップ部では、現像ローラ2に接続される図示しない電源から現像ローラ2に対して現像バイアス電圧が印加され、現像ローラ2表面の現像剤層から感光体ドラム20表面の静電潜像へのトナーの移行が円滑に進行する。
現像ローラ2は、マグネットローラ12とスリーブ13とを含む。マグネットローラ12は、その長手方向の両端部が現像槽6の現像槽壁によって支持され、現像ローラ2の周方向位置に断面形状が長方形の複数の棒磁石である磁極N1,N2,N3,N4および磁極S1,S2,S3が互いに離隔して現像ローラ2の半径方向に放射状に配置される多極着磁型マグネットローラである。
各磁極は、現像ローラ2(スリーブ13)の回転方向とは逆方向に、磁極N1、磁極S1、磁極N2、磁極S2、磁極N3、磁極N4および磁極S3の順番に設けられる。
マグネットローラ12において、磁極N3は、磁極S2から現像ローラ2の回転方向上流側(以下、特に断わらない限り単に「上流側」とする)において、特定の角度範囲に設けられることが好ましい。ここで、特定の角度範囲を規定するための角度とは、磁極S2が配置される現像ローラ2の断面における半径(以下「半径S2」とする)と、磁極N3が配置される現像ローラ2の断面における半径(以下「半径N3」とする)とが成す角θの角度である。すなわち、角θの角度範囲は、33°以上であり、かつ半径S2と、現像ローラ2の軸心と第1撹拌部材7の軸心とを結ぶ直線とが成す角の角度(以下「第1撹拌部材7の設置角度」とする)以下であることが好ましい。角θの角度範囲が33°未満では画像濃度むらなどの画像不良が発生し易くなる。また、角θの角度範囲が第1撹拌部材7の設置角度を超えると、半径N3の延長線が第1撹拌部材7の軸心よりも鉛直方向下方に延びることになる。その結果、第1撹拌部材7の現像ローラ2への現像剤汲み上げ能力が低下し、画像濃度の低下、画像濃度むらなどの画像不良が発生しやすくなる。
また、マグネットローラにおける各磁極の配置は、本実施形態では次の通りである。磁極N1(磁束密度のピーク値=105.8mT)は感光体ドラム20に対向する位置において、現像ローラ2の軸心と感光体ドラム20の軸心とを結ぶ直線上に設けられる。磁極S1(磁束密度のピーク値=−87.0mT)は磁極N1から上流側50.55°の位置に設けられる。この角度は、磁極S1が配置される現像ローラ2の断面における半径S1と磁極N1が配置される現像ローラ2の断面における半径N1とが成す角の角度である。以下同様とする。磁極N2(磁束密度のピーク値=39.3mT)は磁極N1から上流側111.33°の位置に設けられる。磁極S2(磁束密度のピーク値=−46.9mT)は磁極N1から上流側153.73°の位置に設けられる。磁極N3(磁束密度のピーク値=52.8mT)は磁極N1から上流側199.40°の位置、また磁極S2から上流側45.67°(角θ)の位置に設けられる。磁極N4(磁束密度のピーク値=46.8mT)は磁極N1から上流側272.40°の位置に設けられる。磁極S3(磁束密度のピーク値=−83.2mT)は磁極N1から上流側314.80°の位置に設けられる。図3に、マグネットローラ12における各磁極の磁力分布を示す。
スリーブ13は、マグネットローラ12に外嵌され、現像槽6および図示しない支持部材によって回転自在に支持され、図示しない駆動手段によって回転可能に設けられる円筒状部材である。スリーブ13は、非磁性材料を用いて形成される。本実施形態では、スリーブ13は反時計回りに回転し、感光体ドラム20は時計回りに回転する。したがって、現像ニップ部においてスリーブ13と感光体ドラム20とは逆方向に回転する。
規制部材3は現像ローラ2の軸線方向に平行に延びる板状部材であり、現像ローラ2の鉛直方向上方において、その短手方向の一端部が現像槽6とカバー部材4とによって支持され、かつ他端部が現像ローラ2表面に対して間隙を有して離隔するように設けられる。本実施形態では、規制部材3は現像ローラ2の半径方向(現像ローラ2の半径の延長線)上に設けられ、該延長線と、磁極N1が配置される現像ローラ2の断面における半径N1とが成す角の角度が90°になるように設けられる。規制部材3は、たとえば、ステンレス鋼、アルミニウムなどの弾性を有する非磁性金属、合成樹脂などによって形成される。本実施形態では、規制部材3には薄板状のステンレス鋼を使用する。規制部材3は、現像ローラ2表面に担持される現像剤層から余分な現像剤を取り除き、現像剤層の層厚を一定に規制することによって、現像剤の搬送量を調整する。また、規制部材3は、短手方向の他端部と現像剤層との摺擦によって、現像剤層に含まれる帯電が不充分な現像剤に電荷を付与し、現像剤層に含まれる現像剤を充分に帯電させる。
カバー部材4は、現像ローラ2の上方であって、感光体ドラム20と規制部材3との間に設けられ、現像槽6とともに規制部材3を支持する。具体的には、規制部材3の短手方向の一端部およびその近傍部分を、カバー部材4と現像槽6とによって挟持するようにして支持する。カバー部材4は、たとえば、合成樹脂、金属などの材料によって形成される。本実施形態では、合成樹脂から形成される。カバー部材4は、規制部材3により規制された現像剤中のトナーが、規制部材3と感光体ドラム20との間に存在する隙間から現像装置外部に飛散して、後述する画像形成装置100内部を汚染してしまうことを防止する。
シール部材5は、厚さ0.1mm〜0.2mmの略長方形状の弾性を有する板状部材であり、カバー部材4の下部、すなわち現像ローラ2側に設けられる。シール部材5の規制部材3に近い側の一端部、すなわち短手方向一端部は、両面テープ5aによってカバー部材4に固定される。このように、シール部材5は、短手方向一端部のみが基端部としてカバー部材4に固定されることが好ましい。これによって、シール部材5の他端部は遊端部として自由に動くことができるため、より振動しやすくなる。したがって、より効果的にトナーを現像ローラ2表面の現像剤層中に落下させることができ、より一層かぶりや画像むらの少ない高画質画像を形成することができる。
また、遊端部となっているシール部材5の他端部は、感光体ドラム20表面に接触するように設けられる。このように、シール部材5の他端部は、感光体ドラム20表面に接触することで振動するように構成されることが好ましい。これにより、感光体ドラム20の回転に起因する摩擦力を利用してシール部材5を振動させることができるため、より簡単にトナーを現像ローラ2表面の現像剤層中に落下させることができ、より一層かぶりや画像むらの少ない高画質画像を形成しやすくできる。
シール部材5の構成材料は、特に限定されるものではなく弾性を有するものであればよいが、ウレタンゴムであることが好ましい。このように、シール部材5がウレタンゴムから構成されることにより、耐久性に優れるシール部材5を得ることができ、長期にわたって、現像装置1内部からのトナー飛散を防ぎ、かつかぶりや画像むらのない高画質画像を形成することができる。
また、シール部材5が高抵抗材料から構成される場合、シール部材5は帯電しやすくなるため静電気力によってトナーを吸着しやすくなる。これによりシール部材5の下部近傍においてトナーが付着蓄積しやすくなり、トナーの塊が生じやすくなるおそれがある。したがって、シール部材5は、感光体ドラム20と接触しない部分が導電性を有することが好ましい。これにより、シール部材5が帯電しにくくなるため、静電気力によってトナーを吸着してしまうことを防ぐことができる。したがって、シール部材5の下部近傍においてトナーが付着蓄積することを防ぐことができ、より一層かぶりや画像むらの少ない高画質画像を形成することができる。
シール部材5に導電性を付与する方法としては、4級アンモニウム塩などの導電剤をシール部材5を構成する材料と混合させて混ぜ込む方法や、含浸などによって表面に塗布する方法などが挙げられる。
シール部材5において感光体ドラム20と接触しない部分のみを導電性とする理由としては、感光体ドラム20表面に保持される電荷がシール部材5にリークするのを防止するためである。これにより、静電潜像に乱れが生じることを防止することができ、静電潜像の乱れに起因する画像ぼけのない高画質画像を形成することができる。
シール部材5は、ショアーA硬さ(Hs)が75°〜85°であることが好ましい。これによって、シール部材5はより振動しやすくなるため、より効果的にトナーを現像ローラ2表面の現像剤層中に落下させることができる。したがって、より一層かぶりや画像むらの少ない高画質画像を形成することができる。なお、上記ショアーA硬さ(Hs)は、JISK6253に準じて測定される値を示す。
本実施形態では、シール部材5として、厚さ0.1〜0.2mmでショアーA硬さ(Hs)75〜85°のウレタンゴムシート(商品名:エスマーURS、日本マタイ株式会社製)であって、感光体ドラム20と接触しない部分に4級アンモニウム塩(商品名:トリメチルラウリルアンモニウムクロライド、和光純薬工業社製)を塗布したものを使用する。
図4は、現像装置1において、シール部材5の下部近傍にトナーTが付着蓄積する様子を示す概略図であり、図5は、現像装置1において、シール部材5の下部近傍に付着蓄積したトナーTがシール部材5の振動により落下する様子を示す概略図である。
図4に示すように、比較的剛性が高いため振動しにくいカバー部材4の下部近傍ではなく、シール部材5の下部近傍にトナーTが付着蓄積し、これによりトナーTがカバー部材4に付着蓄積することを防止できる。また、図5に示すように、感光体ドラム20が回転すると、感光体ドラム20とシール部材5との間に働く摩擦力によってシール部材5が感光体ドラム20の回転方向に変位する。そして、上記摩擦力よりもシール部材5が元の形に戻ろうとする反発力(ばね力)が大きくなると、シール部材5は変位が小さくなるように変位して、元の形に戻る。上述の動作を繰り返すことでシール部材5は振動する。
このように、感光体ドラム20の回転に起因する摩擦力によってシール部材5は振動する。特に、感光体ドラム20の回転駆動開始時には大きな振動が起こる。その結果、シール部材5の下部近傍に付着蓄積したトナーTは、堆積して塊となる前に、現像ローラ2表面の現像剤層中に少しずつ落下する。これによって、凝集力の高い小粒径トナーを用いて現像を行った場合においても、シール部材5の下部近傍においてトナーTが付着蓄積し、それらが塊となって現像ローラ2表面の現像剤層中に落下することを防ぐことができる。したがって、本発明の現像装置1は、カバー部材4およびシール部材5によって現像装置1内部からのトナー飛散を防ぎ、かつかぶりや画像むらのない高画質画像を形成することができる。
現像槽6は内部空間を有するほぼ角柱状の容器部材であり、現像ローラ2、第1撹拌部材7、第2撹拌部材8および搬送部材9を回転自在に支持し、規制部材3、流し板10などを直接的または間接的に支持し、内部空間に現像剤を収容する。また、現像槽6には、現像装置1を後述する電子写真方式の画像形成装置100に装着する場合に、該画像形成装置100が備える感光体ドラム20を臨む側面に開口6aが形成される。また、現像槽6の鉛直方向上面には、トナー補給口6bが形成される。
現像槽6の鉛直方向上方にはトナーカートリッジ(図示せず)およびトナーホッパ(図示せず)が設けられる。より詳しくは、鉛直方向上方から下方に向けて、トナーカートリッジ、トナーホッパおよび現像槽6の順番で設けられる。トナーカートリッジは円筒状容器部材であり、その内部空間にトナーを収容する。トナーカートリッジは現像装置1が装着される後述する画像形成装置100本体に対して着脱可能に設けられる。また、トナーカートリッジは、画像形成装置100に設けられる駆動手段(図示せず)によって軸線回りに回転駆動する。トナーカートリッジの長手方向側面には長手方向に延びる細長い開口が形成され、トナーカートリッジの回転にともなって前記細長い開口からトナーが落下してトナーホッパに供給される。
トナーホッパは、たとえば、その鉛直方向底面に形成される開口であるトナー供給口が、現像槽6の鉛直方向上面に形成される開口であるトナー補給口6bと鉛直方向に連通するように設けられる。トナーホッパ内において、トナー供給口の鉛直方向上方には、トナー補給ローラ(図示せず)が設けられる。トナー補給ローラはトナーホッパによって回転自在に支持され、図示しない駆動手段によって回転駆動する。トナー補給ローラの回転駆動は、トナー濃度検知センサ11による現像槽6内のトナー濃度の検知結果に応じて、画像形成装置100に設けられる図示しない制御手段により制御される。トナー補給ローラの回転駆動によって、トナー供給口およびトナー補給口6bを介して、現像槽6内にトナーが補給される。
第1撹拌部材7および第2撹拌部材8は、いずれも、現像槽6によって回転自在に支持され、かつ図示しない駆動手段によって軸心回りに回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。本実施形態では、第1撹拌部材7は反時計回りに回転し、第2撹拌部材8は時計回りに回転する。第1撹拌部材7は、現像ローラ2を介して感光体ドラム20に対向し、かつ現像ローラ2よりも鉛直方向下方になる位置に設けられる。本実施形態では、半径S2と、現像ローラ2の軸心と第1撹拌部材7の軸心とを結ぶ直線とが成す角の角度である第1撹拌部材7の設置角度は54°である。第2撹拌部材8は、第1撹拌部材7を介して現像ローラ2に対向し、かつ現像ローラ2よりも鉛直方向下方になる位置に設けられる。第1撹拌部材7および第2撹拌部材8は、現像槽6内に貯留される現像剤を撹拌してトナーに均一な電荷を付与するとともに、帯電状態にある現像剤を汲み上げて現像ローラ2の周囲に送給する。
搬送部材9は、現像槽6によって回転自在に支持されかつ図示しない駆動手段によって回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。搬送部材9は、第2撹拌部材8を介して第1撹拌部材7に対向し、かつトナー補給口6bの鉛直方向下方に設けられる。搬送部材9は、トナー補給口6bを介して現像槽6内に補給されるトナーを、第2撹拌部材8の周囲に搬送する。
流し板10は、現像槽6内において、現像ローラ2の回転方向における規制部材3よりも上流側であって、第1撹拌部材7および第2撹拌部材8の鉛直方向上方に設けられる板状部材である。流し板10は、短手方向の一端が現像ローラ2表面に対向して間隙を有して離隔し、他端が現像ローラ2から離反する方向に延びる。本実施形態では、流し板10の鉛直方向上面は、流し板10の短手方向における現像ローラ2側の端部およびその近傍部分では水平方向に対して平行になり、それ以外の部分では現像ローラ2から離反するにつれて鉛直方向下方に下降するように設けられる。流し板10は、その鉛直方向下部において流し板10の長手方向に貫通するように形成され貫通口に挿通される支持部材10aによって支持される。流し板10を設けることによって、現像槽6内における現像剤の円滑な流れが発生し、トナーの不均一な帯電、トナーのブロッキングなどの発生が防止される。詳しくは、規制部材3によって現像ローラ2表面から取り除かれる現像剤は一時的に現像ローラ2上方の空間に滞留するが、量が多くなると流し板10の鉛直方向上面を現像ローラ2から離反する方向に流過し始める。現像剤は流し板10の上面に沿って流過し、流し板10の短手方向における現像ローラ2側とは反対側の端部から第2撹拌部材8に向けて落下する。落下した現像剤は第1撹拌部材7および第2撹拌部材8によって他の現像剤および新しく供給されるトナーと均一に混合され、現像ローラ2に向けて搬送される。
トナー濃度検知センサ11は、たとえば、第2撹拌部材8の鉛直方向下方の現像槽6底面に装着され、センサ面が現像槽6の内部に露出するように設けられる。トナー濃度検知センサ11は図示しない制御手段に電気的に接続される。トナー濃度検知センサ11は現像槽6内部に収容されるトナーの濃度を検知し、制御手段はトナー濃度検知センサ11による検知結果に応じて、トナーカートリッジ(図示せず)およびトナー補給ローラを回転駆動させ、トナーホッパ(図示せず)を介して現像槽6内部にトナーを補給するように制御する。すなわち、制御手段はトナー濃度検知センサ11による検知結果がトナー濃度設定値よりも低いと判定すると、トナーカートリッジおよびトナー補給ローラを回転駆動させる駆動手段に制御信号を送り、トナーカートリッジおよびトナー補給ローラを回転駆動させる。トナー濃度検知センサ11には一般的なトナー濃度検知センサを使用でき、たとえば、透過光検知センサ、反射光検知センサ、透磁率検知センサなどが使用され、これらの中でも、透磁率検知センサを使用することが好ましい。本実施形態では、トナー濃度検知センサ11として透磁率検知センサを使用し、透磁率検知センサには図示しない電源が接続される。電源は、透磁率検知センサを駆動させるための駆動電圧およびトナー濃度の検知結果を制御手段に出力するための制御電圧を透磁率検知センサに印加する。電源による透磁率検知センサへの電圧の印加は、制御手段によって制御される。透磁率検知センサは、制御電圧の印加を受けてトナー濃度の検知結果を出力電圧値として出力する型式のセンサであり、基本的に出力電圧の中央値近傍の感度がよいため、その付近の出力電圧が得られるような制御電圧を印加して用いられる。このような型式の透磁率検知センサは市販されており、たとえば、TS−L、TS−A、TS−K(以上いずれも商品名、TDK株式会社製)などが挙げられる。
制御手段は、現像装置1専用のものを設けてもよく、また現像装置1が装着される画像形成装置100に設けられる制御手段を兼用してもよい。制御手段は、たとえば、記憶部と演算部と制御部とを含む。記憶部には、各種センサによる検知結果、設定値、画像情報、テーブルデータ、プログラムなどが書き込まれる。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。演算部は、記憶部に入力される各種データ(印刷指令、検知結果、画像情報など)および各種制御を実施するためのプログラムを取り出し、各種検知や判定を行う。制御部は、演算部における判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は、たとえば、中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路である。制御手段は、記憶部、演算部および制御部とともに主電源を含む。
なお、規制部材3、第1撹拌部材7、第2撹拌部材8、搬送部材9、流し板10の寸法は、現像ローラ2の寸法に応じて、適切な範囲から適宜決定される。
本発明の現像装置1によれば、現像槽6に貯留される現像剤が、第1撹拌部材7および第2撹拌部材8の回転によって第1撹拌部材7の鉛直方向上方に搬送され、現像ローラ2表面に供給される。現像ローラ2は、その表面に現像剤層を担持して回転し、規制部材3による現像剤層の層厚規制および現像剤の帯電を受けた後、現像ニップ部で感光体ドラム20上の静電潜像にトナーを供給して現像する。現像終了後、現像ローラ2はさらに回転して再度現像剤の供給を受ける。一方、規制部材3によって現像ローラ2表面から取り除かれる現像剤は、流し板10の鉛直方向上面を現像ローラ2から離反する方向に流過し、第2撹拌部材8と搬送部材9との間に戻され、そこで他の現像剤と再度混合され、現像ローラ2に向けて搬送される。現像槽6内では、前記のような現像剤の循環が起こる。また、搬送部材9は、トナー濃度検知センサ11による検知結果に応じて現像槽6内に補給されるトナーを第2撹拌部材8の周囲に搬送する。
また、シール部材5の下部近傍にはトナーが付着蓄積し、これによってトナーがカバー部材4に付着蓄積することが防止される。そして感光体ドラム20が回転すると、この回転に起因する摩擦力によってシール部材5は振動する。その結果、シール部材5の下部近傍に付着蓄積したトナーは、堆積して塊となる前に、現像ローラ2表面の現像剤層中に少しずつ落下する。これによって、凝集力の高い小粒径トナーを用いて現像を行った場合においても、シール部材5の下部近傍においてトナーが付着蓄積し、それらが塊となって現像ローラ2表面の現像剤層中に落下することを防ぐことができる。
したがって、本発明の現像装置1は、カバー部材4およびシール部材5によって現像装置1内部からのトナー飛散を防ぎ、かつかぶりや画像むらのない高画質画像を形成することができる。
なお、現像装置1において、シール部材5の長さ、特に両面テープ5aから感光体ドラム20表面に接触する他端部までの距離は、感光体ドラム20とシール部材5との間に生じる摩擦力やシール部材5の反発力などを考慮して、適宜調整されればよい。
以下に本発明の実施形態である現像装置14について説明する。本発明の実施形態の現像装置14においては、シール部材5の構成の一部が異なる点および上部シール部材15が設けられる点以外は、現像装置1と同様の構成である。以下、現像装置1と同一のものには同一の符号を付し、同一構成のものについては説明を省略する。
図6は、本発明の実施形態である現像装置14の一部を拡大して示す断面図である。現像装置14には、図6に示すように、上部シール部材15が設けられる。上部シール部材15は、厚さ0.1mm〜0.2mmの略長方形状の弾性を有する板状部材であり、カバー部材4の上部、すなわち現像ローラ2に対して反対側に設けられる。上部シール部材15の規制部材3に近い側の一端部、すなわち短手方向一端部は、両面テープ15aによってカバー部材4に固定される。このように、上部シール部材15は、短手方向一端部のみが基端部としてカバー部材4に固定されることが好ましい。これによって、上部シール部材15の他端部は遊端部として自由に動くことができるため、より振動しやすくなる。
また、遊端部となっている上部シール部材15の他端部は感光体ドラム20表面に接触するように設けられ、さらに、遊端部となっているシール部材5の他端部は上部シール部材15に接触するように設けられる。このように、上部シール部材15の他端部が感光体ドラム20表面に接触することで振動するように構成され、シール部材5の他端部は、上部シール部材15に接触することで振動するように構成されることが好ましい。
これにより、上部シール部材15が感光体ドラム20の回転に起因する摩擦力を利用して振動し、この振動が伝わることによりシール部材5を振動させることができるため、より簡単にトナーを現像ローラ20表面の現像剤層中に落下させることができ、より一層かぶりや画像むらの少ない高画質画像を形成しやすくできる。
また上述のように、感光体ドラム20の回転前、すなわちシール部材5および上部シール部材15の変位が0の状態において、シール部材5と上部シール部材15とが接触するように構成されることによって、より効果的にシール部材5を振動させることができる。したがって、より一層上述の効果を得やすくできる。
また、上部シール部材15は、シール部材5と比較してその面積をより大きくすることができるため、現像装置1内部からのトナー飛散をより効果的に防止できる。したがって、上部シール部材15とシール部材5とを2重に設けることにより、現像装置1内部からのトナー飛散をより確実に防止できる。
また、上部シール部材15を構成する材料が低抵抗の材料であると、感光体ドラム20表面に保持される電荷が上部シール部材15にリークして、静電潜像を乱すおそれがある。したがって、上部シール部材15の構成材料は、高抵抗の材料、たとえば体積固有抵抗率が1012Ω・cm以上の材料であることが好ましい。また耐久性に優れる点を考慮すると、ウレタンゴムであることが好ましい。
このように、上部シール部材15は、高抵抗の材料から構成されること、すなわち絶縁性を有することが好ましい。これにより、感光体ドラム20表面に保持される電荷が上部シール部材15にリークすることを防止できるため、静電潜像に乱れが生じることを防止することができる。したがって、静電潜像の乱れに起因する画像ぼけのない高画質画像を形成することができる。
上部シール部材15は、ショアーA硬さ(Hs)が75°〜85°であることが好ましい。これによって、上部シール部材15はより振動しやすくなるため、より効果的にトナーを現像ローラ2表面の現像剤層中に落下させることができる。したがって、より一層かぶりや画像むらの少ない高画質画像を形成することができる。
本実施形態では、上部シール部材15として、厚さ0.1〜0.2mmでショアーA硬さ(Hs)75〜85°のウレタンゴムシート(商品名:エスマーURS、日本マタイ株式会社製)を使用した。
図7は、本発明の実施形態である現像装置14において、シール部材5の下部近傍にトナーTが付着蓄積する様子を示す概略図であり、図8は、本発明の実施形態である現像装置14において、シール部材5の下部近傍に付着蓄積したトナーTがシール部材5の振動により落下する様子を示す概略図である。
図7に示すように、比較的剛性が高いため振動しにくいカバー部材4の下部近傍ではなく、シール部材5の下部近傍にはトナーTが付着蓄積し、これによりトナーTがカバー部材4に付着蓄積することを防止できる。また、カバー部材の上部には、面積の大きい上部シール部材15が設けられるので、現像装置14内部からのトナー飛散をより効果的に防止できる。さらに、図8に示すように、感光体ドラム20が回転すると、感光体ドラム20と上部シール部材15との間に働く摩擦力によって上部シール部材15が感光体ドラム20の回転方向に変位する。そして、上記摩擦力よりも上部シール部材15が元の形に戻ろうとする反発力(ばね力)が大きくなると、上部シール部材15は変位が小さくなるように変位して、元の形に戻る。上述の動作を繰り返すことで上部シール部材15は振動する。
このように、感光体ドラム20の回転に起因する摩擦力によって上部シール部材15が振動し、この振動が伝わることによりシール部材5が振動する。特に、感光体ドラム20の回転駆動開始時には大きな振動が起こる。その結果、シール部材5の下部近傍に付着蓄積したトナーTは、堆積して塊となる前に、現像ローラ2表面の現像剤層中に少しずつ落下する。これによって、凝集力の高い小粒径トナーを用いて現像を行った場合においても、シール部材5の下部近傍においてトナーTが付着蓄積し、それらが塊となって現像ローラ2表面の現像剤層中に落下することを防ぐことができる。
したがって、本発明の現像装置14は、現像装置14内部からのトナー飛散を防ぎ、かつかぶりや画像むらのない高画質画像を形成することができる。
なお、現像装置14において、上部シール部材15の長さ、特に両面テープ15aから感光体ドラム20表面に接触する他端部までの距離、およびシール部材5の長さ、特に両面テープ5aから上部シール部材15に接触する他端部までの距離は、感光体ドラム20とシール部材15との間に生じる摩擦力やシール部材5の反発力などを考慮して、適宜調整されればよい。
上述したように、本発明の現像装置1(14)は、感光体ドラム20表面の静電潜像にトナーを供給して現像する現像ローラ2と、現像ローラ2表面の現像剤の担持量を規制する規制部材3と、現像ローラ2の上方であって、感光体ドラム20と規制部材3との間に設けられて現像装置1(14)内部からのトナー飛散を防止するカバー部材4と、カバー部材4の下部に設けられ、感光体ドラム20の回転にともなって振動するシール部材5とを備える。
このように、カバー部材4の下部近傍ではなく、カバー部材4の下部に設けられるシール部材5の下部近傍にトナーを付着蓄積させるようにし、さらにシール部材5が感光体ドラム20の回転にともなって振動するように構成されることによって、トナーが堆積して塊となる前に、シール部材5の振動にともなってトナーを現像ローラ2表面の現像剤層中に少しずつ落下させることができる。これによって、凝集力の高い小粒径トナーを用いて現像を行った場合においても、シール部材5の下部近傍においてトナーが付着蓄積し、それらが塊となって現像ローラ2表面の現像剤層中に落下することを防ぐことができる。したがって、本発明の現像装置1(14)は、カバー部材4、シール部材5および上部シール部材15によって現像装置1(14)内部からのトナー飛散を防ぎ、かつかぶりや画像むらのない高画質画像を形成することができる。
〔画像形成装置〕
図9は、本発明の画像形成装置100の構成を模式的に示す断面図である。画像形成装置100は複写モードと印刷モードとを有し、複写モードでは後記するスキャナ部29において読み取られる原稿の画像情報に応じて原稿の複写物を印刷し、印刷モードでは画像形成装置100にネットワークを介して接続される外部機器からの画像情報に応じてそれに対応する画像を印刷するデジタル複写機である。画像形成装置100は、感光体ドラム20と、帯電装置21と、露光装置22と、現像装置1(14)と、転写装置23と、クリーニング装置24と、定着装置25と、給紙トレイ28と、スキャナ部29と、排紙トレイ30とを含む。
感光体ドラム20は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に支持され、その表面に静電潜像ひいてはトナー像が形成される感光膜を有するローラ状部材である。感光体ドラム20には、たとえば、図示しない導電性基体と、導電性基体表面に形成される図示しない感光膜とを含むローラ状部材を使用できる。導電性基体には、円筒状、円柱状、シート状などの導電性基体を使用でき、その中でも円筒状導電性基体が好ましい。感光膜としては、有機感光膜、無機感光膜などが挙げられる。有機感光膜としては、電荷発生物質を含む樹脂層である電荷発生層と、電荷輸送物質を含む樹脂層である電荷輸送層との積層体、1つの樹脂層中に電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む樹脂層などが挙げられる。無機感光膜としては、酸化亜鉛、セレン、アモルファスシリコンなどから選ばれる1種または2種以上を含む膜が挙げられる。導電性基体と感光膜との間には、下地膜を介在させてもよく、感光膜の表面には主に感光膜を保護するための表面膜(保護膜)を設けてもよい。
帯電装置21は、感光体ドラム20に圧接するように設けられるローラ状部材である。帯電装置21には図示しない電源が接続され、帯電装置21に電圧を印加する。帯電装置21は電源から電圧の印加を受けて、感光体ドラム20表面を所定の極性および電位に帯電させる。本実施形態では、チャージャー型帯電器を用いるが、これに限定されず、帯電ブラシ型帯電器、ローラ状帯電器、鋸歯型帯電器、イオン発生装置、磁気ブラシなどの接触方式の帯電器などを使用できる。
露光装置22は、スキャナ部29において読み取られる原稿の画像情報または外部機器からの画像情報が入力され、画像情報に応じた信号光を、帯電状態にある感光体ドラム20表面に照射する。これによって、感光体ドラム20表面に、画像情報に応じた静電潜像が形成される。露光装置22には光源を含むレーザスキャニング装置が用いられる。レーザスキャニング装置は、たとえば、光源、ポリゴンミラー、fθレンズ、反射ミラーなどを組合せた装置である。光源としては、たとえば、半導体レーザ、LEDアレイ、エレクトロルミネッセンス(EL)素子などを使用できる。
現像装置1(14)は、現像装置1または現像装置14である。
転写装置23は、図示しない支持部材によって回転自在に支持されかつ図示しない駆動手段によって回転可能に設けられ、かつ感光体ドラム20に圧接するように設けられるローラ状部材である。転写装置23には、たとえば、直径8mm〜10mmの金属製芯金と、金属製芯金の表面に形成される導電性弾性層とを含むローラ状部材が用いられる。金属製芯金を形成する金属としては、ステンレス鋼、アルミニウムなどを使用できる。導電性弾性層としては、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、発泡EPDM、発泡ウレタンなどのゴム材料にカーボンブラックなどの導電材を配合したゴム材料を使用できる。感光体ドラム20と転写装置23との圧接部(転写ニップ部)に、感光体ドラム20の回転によってトナー像が搬送されるのに同期して、給紙トレイ28から図示しないピックアップローラおよびレジストローラを介して記録媒体が1枚ずつ供給される。
記録媒体が転写ニップ部を通過することによって、感光体ドラム20表面のトナー像が記録媒体に転写される。転写装置23には図示しない電源が接続され、トナー像を記録媒体に転写する際に、トナー像を構成するトナーの帯電極性とは逆極性の電圧を転写装置23に印加する。これによって、トナー像が記録媒体に円滑に転写される。転写装置23によれば、感光体ドラム20表面のトナー像を記録媒体に転写する。
クリーニング装置24は、図示しないクリーニングブレードと、図示しないトナー貯留槽とを含む。クリーニングブレードは、感光体ドラム20の長手方向に平行に延びて設けられ、かつその短手方向の一端が感光体ドラム20表面に当接するように設けられる板状部材である。クリーニングブレードは、記録媒体にトナー像を転写した後に感光体ドラム20表面に残留するトナー、紙粉などを感光体ドラム20表面から取り除く。トナー貯留槽は内部空間を有する容器状部材であり、クリーニングブレードによって除去されるトナーを一時的に貯留する。クリーニング装置24によって、トナー像を転写した後の感光体ドラム20表面が清浄化される。
定着装置25は、定着ローラ26と、加圧ローラ27とを含む。定着ローラ26は、図示しない支持部材によって回転自在に支持され、かつ図示しない駆動手段によって軸線回りに回転可能に設けられるローラ状部材である。定着ローラ26は、その内部に図示しない加熱部材を有し、転写ニップ部から搬送される記録媒体に担持される未定着トナー像を構成するトナーを加熱し、溶融させて記録媒体に定着させる。定着ローラ26としては、たとえば、芯金と、弾性層とを含むローラ状部材を使用する。芯金は、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属によって形成される。弾性層は、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの弾性材料で形成される。加熱部材は図示しない電源から電圧印加を受けて発熱する。加熱部材にはハロゲンランプ、赤外線ランプなどを使用できる。
加圧ローラ27は回転自在に支持されかつ図示しない加圧部材によって定着ローラ26に対して圧接するように設けられるローラ状部材である。加圧ローラ27は定着ローラ26の回転に従動回転する。定着ローラ26と加圧ローラ27との圧接部が定着ニップ部である。加圧ローラ27は、定着ローラ26によるトナー像の記録媒体への加熱定着に際し、溶融状態にあるトナーを記録媒体に対して押圧することによって、トナー像の記録媒体への定着を促進する。加圧ローラ27には、定着ローラ26と同じ構成のローラ状部材を使用できる。加圧ローラ27の内部にも加熱部材を設けてもよい。加熱部材には定着ローラ26内部の加熱部材と同様のものを使用できる。
定着装置25によれば、トナー像が転写された記録媒体を定着ニップ部に通過させ、トナー像を構成するトナーを溶融させるとともに記録媒体に押圧することによって、トナー像を記録媒体に定着させ、画像を印刷する。画像が印刷された記録媒体は、図示しない搬送手段によって、画像形成装置100の鉛直方向側面に設けられる排紙トレイ30に排出され、積載される。
給紙トレイ28は、普通紙、コート紙、カラーコピー用紙、OHPフィルムなどの記録媒体を収容するトレイである。給紙トレイ28は複数設けられ、それぞれの給紙トレイ28にサイズの異なる記録媒体が収容される。記録媒体のサイズには、A3、A4、B5、B4などがある。また、複数の給紙トレイ28に同じサイズの記録媒体を収容してもよい。図示しないピックアップローラと、搬送ローラと、レジストローラとによって、感光体ドラム20表面のトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、記録媒体が1枚ずつ送給される。
スキャナ部29には図示しない原稿セットトレイ、自動原稿搬送装置(RADF、
Reversing Automatic Document Feeder)などが設けられるとともに、図示しない原稿読み取り装置が設けられる。自動原稿搬送装置は、原稿セットトレイに載置される原稿を、原稿読み取り装置の原稿載置台に搬送する。原稿読み取り装置は、原稿載置台と、原稿走査装置と、反射部材と、光電変換素子(Charge Coupled Device、以下「CCD」と記す)ラインセンサなどを含み、原稿載置台に載置される原稿の画像情報を複数ライン毎、たとえば10ライン毎に読み取る。原稿載置台は、画像情報を読み取る原稿を載置するためのガラス製板状部材である。原稿走査装置は図示しない光源と第1の反射ミラーとを含み、原稿載置台の鉛直方向下面に沿って平行に一定速度Vで往復移動し、原稿載置台に載置される原稿の画像形成面に光を照射する。光の照射によって反射光像が得られる。光源は原稿載置台に載置される原稿に照射する光の光源である。第1の反射ミラーは反射光像を反射部材に向けて反射する。反射部材は、図示しない第2の反射ミラーと第3の反射ミラーと光学レンズとを含み、原稿走査装置で得られる反射光像を光電変換素子ラインセンサ上で結像させる。反射部材は原稿走査装置の往復移動に追随してV/2の速度で往復移動する。第2,第3の反射ミラーは反射光像が光学レンズに向うように反射光像を反射させる。光学レンズは反射光像を光電変換素子ラインセンサ上に結像させる。CCDラインセンサは、光学レンズによって結像される反射光像を電気信号に光電変換する図示しないCCD回路を含み、画像情報である電気信号を制御手段の中の画像処理部に出力する。画像処理部は、原稿読み取り装置またはパーソナルコンピュータなどの外部装置から入力される画像情報を電気信号に変換し、露光装置22に出力する。
このように、本発明の画像形成装置100は、本発明の現像装置1(14)を備えることによって、現像装置1(14)内部からのトナー飛散による画像形成装置100内部の汚染を防ぎ、かつかぶりや画像むらの少ない高画質画像を形成することができる。