はじめに、本発明の実施形態である現像装置200を備える画像形成装置100について説明する。図1は、画像形成装置100の構成を示す模式図である。画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体上にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する。画像形成装置100は、コピアモード(複写モード)、プリンタモード、およびファクシミリモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録媒体、メモリ装置を用いた外部機器などからの印刷ジョブの受信に応じて、図示しない制御ユニット部によって、印刷モードが選択される。
画像形成装置100は、トナー像形成部20と、転写部30と、定着部40と、記録媒体供給部50と、排出部60と、図示しない制御ユニット部とを含む。トナー像形成部20は、感光体ドラム21b,21c,21m,21yと、帯電部22b,22c,22m,22yと、露光ユニット23と、現像装置200b,200c,200m,200yと、クリーニングユニット25b,25c,25m,25yと、トナーカートリッジ300b,300c,300m,300yと、トナー供給パイプ250b,250c,250m,250yとを含む。転写部30は、中間転写ベルト31と、駆動ローラ32と、従動ローラ33と、中間転写ローラ34b,34c,34m,34yと、転写ベルトクリーニングユニット35と、転写ローラ36とを含む。
感光体ドラム21、帯電部22、現像装置200、クリーニングユニット25、トナーカートリッジ300、トナー供給パイプ250、および中間転写ローラ34は、カラー画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)、およびイエロー(y)の各色の画像情報に対応するために、それぞれ4つずつ設けられる。本明細書中において、各色に応じて4つずつ設けられる各部材を区別する場合は、各部材を表す数字の末尾に各色を表すアルファベットを付して参照符号とし、各部材を総称する場合は、各部材を表す数字のみを参照符号とする。
感光体ドラム21は、図示しない駆動部によって軸線回りに回転可能に支持され、図示しない導電性基体と、この導電性基体の表面に形成される光導電層とを含む。導電性基体は種々の形状を採ることができ、たとえば、円筒状、円柱状、薄膜シート状などを挙げることができる。光導電層は、光を照射されることで導電性を示す材料によって形成される。感光体ドラム21としては、たとえば、アルミニウムで形成された円筒状部材(導電性基体)と、この円筒状部材の外周面上に形成される、アモルファスシリコン(a−Si)、セレン(Se)、または有機光半導体(OPC)からなる薄膜(光導電層)とを含むものを用いることができる。
帯電部22、現像装置200、およびクリーニングユニット25は、感光体ドラム21の回転方向回りに、この順序で配置され、帯電部22は、現像装置200およびクリーニングユニット25よりも鉛直方向下方に配置される。
帯電部22は、感光体ドラム21表面を所定の極性および電位に帯電させる装置である。帯電部22は、感光体ドラム21に臨む位置に、感光体ドラム21の長手方向に沿って設置される。接触帯電方式の場合、帯電部22は、感光体ドラム21表面に接するように設置される。非接触帯電方式の場合、帯電部22は、感光体ドラム21表面から離隔するように設置される。
帯電部22は、現像装置200、クリーニングユニット25などとともに、感光体ドラム21の周囲に設置される。帯電部22は、現像装置200、クリーニングユニット25などよりも、感光体ドラム21に近い位置に設置されることが好ましい。これによって、感光体ドラム21の帯電不良の発生を確実に防止することができる。
帯電部22としては、ブラシ型帯電装置、ローラ型帯電装置、コロナ放電装置、イオン発生装置などを使用できる。ブラシ型帯電装置およびローラ型帯電装置は、接触帯電方式の帯電装置である。ブラシ型帯電装置には、帯電ブラシを用いるもの、磁気ブラシを用いるものなどがある。コロナ放電装置およびイオン発生装置は、非接触帯電方式の帯電装置である。コロナ放電装置には、ワイヤ状の放電電極を用いるもの、鋸歯状の放電電極を用いるもの、針状の放電電極を用いるものなどがある。
露光ユニット23は、露光ユニット23から出射される光が、帯電部22と現像装置200との間を通過して感光体ドラム21の表面に照射されるように配置される。露光ユニット23は、帯電状態にある感光体ドラム21b,21c,21m,21y表面に、各色の画像情報に対応するレーザ光をそれぞれ照射することによって、感光体ドラム21b,21c,21m,21yそれぞれの表面に、各色の画像情報に対応する静電潜像を形成する。露光ユニット23には、たとえば、レーザ照射部および複数の反射ミラーを備えるレーザスキャニングユニット(LSU)を使用できる。露光ユニット23としては、LED(Light Emitting Diode)アレイ、液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットなどを用いてもよい。
現像装置200は、感光体ドラム21上に形成された静電潜像をトナーによって現像することで、感光体ドラム21上にトナー像を形成する装置である。現像装置200の鉛直方向上部には、筒状部材であるトナー供給パイプ250が接続される。現像装置200の詳細については後述する。
トナーカートリッジ300は、現像装置200よりも鉛直方向上方に配され、未使用のトナーを貯蔵する。トナーカートリッジ300の鉛直方向下部にはトナー供給パイプ250が接続される。トナーカートリッジ300は、トナー供給パイプ250を介して、現像装置200へトナーを供給する。トナーカートリッジ300の詳細については後述する。
クリーニングユニット25は、感光体ドラム21から中間転写ベルト31にトナー像が転写された後に、感光体ドラム21の表面に残留するトナーを除去し、感光体ドラム21の表面を清浄化する部材である。クリーニングユニット25としては、たとえば、トナーを掻き取るための板状部材と、掻き取ったトナーを回収する容器状部材とが用いられる。
トナー像形成部20によれば、帯電部22によって均一な帯電状態にある感光体ドラム21の表面に、露光ユニット23から画像情報に応じたレーザ光が照射されて静電潜像が形成される。感光体ドラム21上の静電潜像に現像装置200からトナーが供給されることでトナー像が形成される。このトナー像は後述する中間転写ベルト31に転写される。トナー像が中間転写ベルト31に転写された後に、感光体ドラム21表面に残留するトナーは、クリーニングユニット25によって除去される。
中間転写ベルト31は、感光体ドラム21の鉛直方向上方に配置される無端ベルト状部材である。中間転写ベルト31は、駆動ローラ32と従動ローラ33とによって張架されてループ状の経路を形成し、矢符A4方向に移動する。
駆動ローラ32は、図示しない駆動部によってその軸線回りに回転可能に設けられる。駆動ローラ32は、その回転によって、中間転写ベルト31を矢符A4方向へ移動させる。従動ローラ33は、駆動ローラ32の回転に従動して回転可能に設けられ、中間転写ベルト31が弛まないように、中間転写ベルト31に一定の張力を発生させる。
中間転写ローラ34は、中間転写ベルト31を介して感光体ドラム21に圧接し、かつ図示しない駆動部によってその軸線回りに回転可能に設けられる。中間転写ローラ34としては、たとえば、直径8mm〜10mmの金属(たとえば、ステンレス)ローラの表面に、導電性の弾性部材が形成されたものを用いることができる。中間転写ローラ34は、転写バイアスを印加する図示しない電源が接続され、感光体ドラム21表面のトナー像を中間転写ベルト31に転写する機能を有する。
転写ローラ36は、中間転写ベルト31を介して駆動ローラ32に圧接し、図示しない駆動部によって軸線回りに回転可能に設けられる。転写ローラ36と駆動ローラ32との圧接部(転写ニップ部)において、中間転写ベルト31に担持されて搬送されるトナー像は、後述する記録媒体供給部50から送給される記録媒体に転写される。
転写ベルトクリーニングユニット35は、中間転写ベルト31を介して従動ローラ33に対向し、中間転写ベルト31のトナー像担持面に接触するように設けられる。転写ベルトクリーニングユニット35は、記録媒体へのトナー像の転写後に、中間転写ベルト31表面のトナーを除去し回収するために設けられる。記録媒体へのトナー像の転写後に中間転写ベルト31にトナーが付着したまま残っていると、中間転写ベルト31の移動によって、残留トナーが転写ローラ36に付着するおそれがある。転写ローラ36にトナーが付着すると、そのトナーは、次に転写する記録媒体の裏面を汚染してしまう。
転写部30によれば、中間転写ベルト31が感光体ドラム21に接しながら移動するとき、中間転写ローラ34に、感光体ドラム21表面のトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加され、感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像は、中間転写ベルト31上へ転写される。感光体ドラム21y、感光体ドラム21m、感光体ドラム21c、感光体ドラム21bでそれぞれ形成される各色のトナー画像が、中間転写ベルト31上に、この順番で順次重ねて転写されることによって、フルカラートナー像が形成される。中間転写ベルト31に転写されたトナー像は、中間転写ベルト31の移動によって転写ニップ部に搬送され、転写ニップ部において、記録媒体に転写される。トナー像が転写された記録媒体は、後述する定着部40に搬送される。
記録媒体供給部50は、給紙ボックス51と、ピックアップローラ52a,52bと、搬送ローラ53a,53bと、レジストローラ54と、給紙トレイ55とを含む。給紙ボックス51は、画像形成装置100の鉛直方向下部に設けられ、画像形成装置100内部において記録媒体を貯留する容器状部材である。給紙トレイ55は、画像形成装置100外壁面に設けられ、画像形成装置100外部において記録媒体を貯留するトレイ状部材である。記録媒体としては、普通紙、カラーコピー用紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート、葉書などがある。
ピックアップローラ52aは、給紙ボックス51に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路A1に送給する部材である。搬送ローラ53aは互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、用紙搬送路A1において記録媒体をレジストローラ54に向けて搬送する。ピックアップローラ52bは、給紙トレイ55に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路A2に送給する部材である。搬送ローラ53bは互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、用紙搬送路A2において記録媒体をレジストローラ54に向けて搬送する。
レジストローラ54は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材であり、搬送ローラ53a,53bから送給される記録媒体を、中間転写ベルト31に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。
記録媒体供給部50によれば、中間転写ベルト31に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、給紙ボックス51または給紙トレイ55から記録媒体が転写ニップ部に送給され、この記録媒体にトナー像が転写される。
定着部40は、加熱ローラ41および加圧ローラ42を備える。加熱ローラ41は、所定の定着温度となるように制御される。加圧ローラ42は、加熱ローラ41に圧接するローラである。加熱ローラ41は、加圧ローラ42とともに記録媒体を加熱しながら挟持することにより、トナー像を構成するトナーを溶融させて記録媒体上に定着させる。トナー像が定着した記録媒体は、後述する排出部60に搬送される。
排出部60は、搬送ローラ61と、排出ローラ62と、排出トレイ63とを含む。搬送ローラ61は、定着部40よりも鉛直方向上方において、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材である。搬送ローラ61は、画像が定着した記録媒体を排出ローラ62に向けて搬送する。
排出ローラ62は、互いに圧接するように設けられる一対のローラ状部材である。排出ローラ62は、片面印刷の場合、片面の印刷が完了した記録媒体を排出トレイ63に排出する。排出ローラ62は、両面印刷の場合、片面の印刷が完了した記録媒体を、用紙搬送路A3を介してレジストローラ54へ搬送し、両面の印刷が完了した記録媒体を排出トレイ63に排出する。排出トレイ63は、画像形成装置100の鉛直方向上面に設けられ、画像が定着した記録媒体を貯留する。
画像形成装置100は、図示しない制御ユニット部を含む。制御ユニット部は、たとえば、画像形成装置100の内部空間における鉛直方向上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。記憶部には、画像形成装置100の鉛直方向上面に配置される図示しない操作パネルを介した各種設定値、画像形成装置100内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの画像情報などが入力される。また、記憶部には、各種処理を実行するプログラムが書き込まれる。各種処理とは、たとえば、記録媒体判定処理、付着量制御処理、定着条件制御処理などである。
記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置100に電気的に接続可能な電気、電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビジョン受像機器、ビデオレコーダ、DVD(Digital Versatile
Disc)レコーダ、HDDVD(High-Definition Digital Versatile Disc)レコーダ、
ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。
演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種処理のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて画像形成装置100に設けられる各装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。
制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマ
イクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御ユニット部は、この処理回路とともに主電源を含み、電源は制御ユニット部だけでなく、画像形成装置100に設けられる各装置にも電力を供給する。
図2は、トナーカートリッジ300の構成を示す模式図である。図3は、図2に示す線A−Aを切断面線とするトナーカートリッジ300の断面図である。トナーカートリッジ300は、トナー供給パイプ250を介して、現像装置200へトナーを供給する装置である。トナーカートリッジ300は、トナー収容容器301と、トナー汲み上げ部材302と、トナー排出部材303と、トナー排出容器304とを含む。
トナー収容容器301は、略半円柱状の内部空間を有する容器状部材であり、その内部空間において、トナー汲み上げ部材302を回転自在に支持し、未使用のトナーを収容する。トナー排出容器304は、トナー収容容器301の長手方向に沿って設けられる略半円柱状の内部空間を有する容器状部材であり、その内部空間において、トナー排出部材303を回転自在に支持する。トナー収容容器301の内部空間とトナー排出容器304の内部空間とは、トナー収容容器301の長手方向に沿って形成される連通口305を介して連通する。トナー排出容器304は、その鉛直方向下部に、排出口306が形成される。トナー排出容器304には、排出口306において、トナー供給パイプ250が接続される。
トナー汲み上げ部材302は、回転軸302aと、基体302bと、摺動部302cとを含む。回転軸302aは、トナー収容容器301の長手方向に沿って延びる円柱状の部材である。基体302bは、トナー収容容器301の長手方向に沿って延びる板状の部材であり、その幅方向および厚さ方向の中央部において、回転軸302aに取り付けられる。摺動部302cは、基体302bの幅方向両端部に取り付けられる可撓性を有する部材であり、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)から形成される。トナー汲み上げ部材302は、回転軸302aがその軸線回りに回転するのに伴って基体302bが回転運動し、これによって基体302bの幅方向両端部に設けられる摺動部302cがトナー収容容器301の内壁面を摺擦することで、トナー収容容器301内のトナーを、トナー排出容器304へ汲み上げる。
トナー排出部材303は、トナー排出容器304内のトナーを排出口306に向けて搬送する部材である。トナー排出部材303は、トナー排出回転軸303aと、このトナー排出回転軸303aを取り巻いて設けられるトナー排出羽根303bとを含む、オーガスクリュー状部材である。
トナーカートリッジ300によれば、トナー収容容器301内の未使用トナーが、トナー汲み上げ部材302によってトナー排出容器304に汲み上げられる。そして、トナー排出容器304に汲み上げられたトナーは、トナー排出部材303によって排出口306に搬送される。排出口306に搬送されたトナーは、この排出口306からトナー排出容器304外へ排出され、トナー供給パイプ250を介して、現像装置200に供給される。
図4は、現像装置200の構成を示す模式図である。図5は、図4に示す線B−Bを切断面線とする現像装置200の断面図である。図6は、図4に示す線C−Cを切断面線とする現像装置200の断面図である。図7は、図5に示す線D−Dを切断面線とする現像装置200の断面図である。図8は、図5に示す線E−Eを切断面線とする現像装置200の断面図である。現像装置200は、感光体ドラム21の表面にトナーを供給することで、感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像を現像する装置である。現像装置200は、現像槽201と、第1現像剤搬送部202と、第2現像剤搬送部203と、現像ローラ204と、現像槽カバー205と、ドクターブレード206と、隔壁207と、トナー濃度検知センサ208と、2つの引上磁石209と、2つの現像剤引寄防止壁210とを含む。
現像槽201は、内部空間を有する部材であり、その内部空間に現像剤を貯留する。本発明において用いられる現像剤としては、強磁性体を含むトナーからなる1成分現像剤が挙げられる。また本発明において用いられる現像剤としては、強磁性体を含む2成分現像剤、すなわち、強磁性体を含むトナーと従来公知のキャリアとからなる2成分現像剤、従来公知のトナーと強磁性体を含むキャリアとからなる2成分現像剤、または、強磁性体を含むトナーと強磁性体を含むキャリアとからなる2成分現像剤が挙げられる。
現像槽201には、その鉛直方向上方に現像槽カバー205が設けられ、内部空間に、第1現像剤搬送部202、第2現像剤搬送部203、現像ローラ204、ドクターブレード206、隔壁207、引上磁石209、および現像剤引寄防止壁210が設けられる。また、現像槽201の鉛直方向下部(底部)には、トナー濃度検知センサ208が設けられる。さらに、現像槽201は、感光体ドラム21と現像ローラ204との間に開口部が設けられている。
現像槽201の長手方向における長さL1は、350mm〜400mm程度である。また、現像槽201の幅方向における長さL2は、50mm〜70mm程度である。
現像ローラ204は、マグネットローラを含み、現像槽201内の現像剤を表面に担持して、担持した現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム21へ供給する。現像ローラ204には、図示しない電源が接続され、現像バイアス電圧が印加される。現像ローラ204に担持されたトナーは、感光体ドラム21近傍において、現像バイアス電圧による静電気力によって、感光体ドラム21へ移動する。
ドクターブレード206は、現像ローラ204の軸線方向に延びる板状部材であり、その幅方向の一端が現像槽201に固定され、かつ他端が現像ローラ204の表面に対して間隙を有するように設けられる。ドクターブレード206は、現像ローラ204の表面に対して間隙を有して設けられることで、現像ローラ204に担持される現像剤の量を所定量に規制する。ドクターブレード206の材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、合成樹脂などを使用できる。
隔壁207は、現像槽201の幅方向略中央部において、現像槽201の長手方向に沿って延びる長手形状の部材である。隔壁207は、現像槽201の底部と現像槽カバー205との間に設けられ、かつ、長手方向両端部が現像槽201の内壁面から離間するように設けられる。隔壁207によって、現像槽201の内部空間は、第1搬送路Pと、第2搬送路Qと、第1連通路Rと、第2連通路Sとに区分されている。
第2搬送路Qは、隔壁207の長手方向に沿って延びる略半円柱状の空間であって、現像ローラ204に臨む空間である。第1搬送路Pは、隔壁207の長手方向に沿って延びる略半円柱状の空間であって、隔壁207を挟んで第2搬送路Qに対向する空間である。第1連通路Rは、隔壁207の長手方向一端部207a側において、第1搬送路Pと第2搬送路Qとを連通する空間である。第2連通路Sは、隔壁207の長手方向他端部207b側において、第1搬送路Pと第2搬送路Qとを連通する空間である。
現像槽カバー205は、現像槽201の鉛直方向上方に着脱自在に設けられ、供給口205aを有する。現像槽カバー205には、供給口205aにおいて、トナー供給パイプ250が接続される。供給口205aは、現像槽201にトナーを供給するための開口が形成される開口部であり、トナーカートリッジ300に収容されているトナーは、トナー供給パイプ250およびこの開口を経て、現像槽201内に供給される。
供給口205aは、第1搬送路Pの鉛直方向上方において第2連通路Sの近傍に形成される。供給口205aに形成される開口は、長辺の長さが20mm〜30mm程度、短辺の長さが15mm〜20mm程度の略矩形状である。
第1現像剤搬送部202は、第1搬送路P内に設けられる。第1現像剤搬送部202は、隔壁207の長手方向他端部207b側から長手方向一端部207a側へ向けて、現像槽201内の現像剤を搬送する。以下では、第1現像剤搬送部202による現像剤の搬送方向を、搬送方向Xと称する。
第1現像剤搬送部202は、内螺旋羽根202aと、回転筒202bと、上流側螺旋羽根202cと、下流側螺旋羽根202dと、2つの支持部材202eと、第1ギア202fとを含む。第1現像剤搬送部202は、搬送方向Xに延びており、搬送方向Xにおける上流側および下流側に、円柱形状の支持部材202eをそれぞれ有している。2つの支持部材202eのうち、搬送方向X上流側の支持部材202eは、現像槽201の内壁に回転自在に支持される。2つの支持部材202eのうち、搬送方向X下流側の支持部材202eは、現像槽201の外側において第1ギア202fと接続される。
内螺旋羽根202aは、搬送方向Xに延びる仮想的な円柱の側面を取り巻く形状であり、支持部材202eおよび第1ギア202fを介して、モータなどの駆動部によって、この仮想的な円柱の軸線を中心として、60rpm〜180rpmで、回転方向G1に回転運動する。内螺旋羽根202aの回転運動により、第1搬送路Pに貯留される現像剤は、全体として、搬送方向X下流側に搬送される。上述したように、現像槽カバー205の供給口205aは、第1搬送路Pの鉛直方向上方において第2連通路Sの近傍に形成されるので、トナーカートリッジ300内の未使用のトナーは、まず、第1搬送路Pに供給され、その後、第1現像剤搬送部202によって、第1搬送路Pの搬送方向X下流側に搬送されることになる。
回転筒202bは、内螺旋羽根202aの外周部を取り囲み、内螺旋羽根202aとともに回転運動する部材である。回転筒202bは、搬送方向Xに延び、搬送方向Xにおける上流側および下流側が開口している。
上流側螺旋羽根202cは、内螺旋羽根202aの搬送方向X上流側に連なり、内螺旋羽根202aとともに回転運動することによって、回転筒202bの外側にある現像剤、より詳細には、回転筒202bの搬送方向X上流側の開口付近の現像剤を、搬送方向X下流側に搬送する。これによって、上流側螺旋羽根202cは、回転筒202bの外側にある現像剤を、回転筒202bの搬送方向X上流側の開口へと案内する。開口へと案内された現像剤は、内螺旋羽根202aによって搬送方向X下流側に搬送されることになる。
下流側螺旋羽根202dは、内螺旋羽根202aの搬送方向X下流側に連なり、内螺旋羽根202aとともに回転運動することによって、回転筒202bの外側にある現像剤、より詳細には、回転筒202bの搬送方向X下流側の開口付近の現像剤を、搬送方向X下流側に搬送する。これによって、下流側螺旋羽根202dは、回転筒202bの外側にある現像剤を、第1連通路Rへと案内する。第1連通路Rへと案内された現像剤は、第1連通路Rを経て、第2搬送路Qへ移動することになる。
第2現像剤搬送部203は、第2搬送路Q内に設けられる。第2現像剤搬送部203は、隔壁207の長手方向一端部207a側から長手方向他端部207b側へ向けて、現像槽201内の現像剤を搬送する。以下では、第2現像剤搬送部203による現像剤の搬送方向を、搬送方向Yと称する。
第2現像剤搬送部203は、第2螺旋羽根203aと回転軸部材203bと4つの周方向回転板203cと第2ギア203dとを含む。回転軸部材203bは、搬送方向Yに延びる円柱形状の部材であり、その長手方向の一端が現像槽201の外側において第2ギア203dと接続され、その長手方向の他端が現像槽201の内壁に回転自在に支持される。
第2螺旋羽根203aは、回転軸部材203bの側面を取り巻く形状であり、回転軸部材203bおよび第2ギア203dを介して、モータなどの駆動部によって、回転軸部材203bの軸線を中心として、60rpm〜180rpmで、回転方向G2に回転運動する。第2螺旋羽根203aの回転運動により、第2搬送路Qに貯留される現像剤は、搬送方向Y下流側に搬送される。
4つの周方向回転板203cは、同一形状の矩形平板からなり、その長辺部分が回転軸部材203bに固定される。4つの周方向回転板203cは、隣り合う2つの周方向回転板203cの主面が互いに直交するように回転軸部材203bに固定されており、第2螺旋羽根203aとともに回転方向G2に回転運動する。第2搬送路Qにおいて搬送方向Y上流側から搬送されてくる現像剤は、周方向回転板203cの回転運動によって第2連通路S側へ押し出されて第1搬送路Pへ移動することになる。なお、本発明の他の実施形態としては、第2現像剤搬送部203は、周方向回転板203cを有さないオーガスクリュー状部材であってもよい。
回転軸部材203bの軸線から最も遠い第2螺旋羽根203a上の点までの距離の2倍の値を、この第2螺旋羽根203aの外径L3と称する。また、回転軸部材203bの軸線から最も近い第2螺旋羽根203a上の点までの距離の2倍の値を、この第2螺旋羽根203aの内径L4と称する。第2螺旋羽根203aの外径L3は、20mm以上40mm以下の範囲内で適宜設定され、第2螺旋羽根203aの内径L4は、5mm〜10mm以下の範囲内で適宜設定される。また、第2螺旋羽根203aの厚さL5は、1mm以上3mm以下の範囲内で適宜設定される。周方向回転板203cの長辺部分の長さL6は、20mm〜40mm以下の範囲内で適宜設定され、短辺部分の長さL7は、5mm〜20mm以下の範囲内で適宜設定される。
引上磁石209は、回転筒202bの鉛直方向上方に設けられ、回転筒202b内の現像剤の少なくとも一部を、鉛直方向上方に引き上げる。引上磁石209によって引き上げられた現像剤は、回転筒202bの内側において、この回転筒202bの鉛直方向上部に接触することになる。本実施形態では、引上磁石209は、第1搬送路P内において、隔壁207と隔壁207に対向する現像槽201の内壁とに接着剤などで固定される。なお、本発明の他の実施形態としては、引上磁石209は、隔壁207および現像槽201の内壁の代わりに、現像槽カバー205に固定されてもよい。
引上磁石209としては、たとえば、フェライト磁石などの永久磁石が用いられる。本実施形態では、株式会社マグファイン製の角型異方性フェライト磁石(長さ12mm、幅12mm、厚さ2mm、磁束密度70mT)を、回転筒202bの軸線上の点に対して鉛直方向上方に12mm離間させ、この磁石の磁極をこの点に向けて配置することで、この点に50mT程度の磁束密度の磁場を発生させている。なお、引上磁石209によって発生させる磁場の磁束密度の値はこの値に限られず、磁石の強さや配置を適宜変更することで、回転筒202bの軸線上の点に30mT〜100mT程度の磁束密度の磁場を発生させてもよい。
本実施形態では、引上磁石209は、搬送方向Xに所定の間隔を空けて2個設けられる。搬送方向X上流側の引上磁石209と回転筒202bの搬送方向X上流側の端部との間の、搬送方向Xにおける最短距離L22は50mm〜100mm程度であり、搬送方向X上流側の引上磁石209と搬送方向下流側の引上磁石209との間の、搬送方向Xにおける最短距離L23は150mm〜220mm程度である。
現像剤引寄防止壁210は、回転筒202bの外側にある現像剤が引上磁石209に引き寄せられることを防止する部材である。現像剤引寄防止壁210は、樹脂やアルミニウムなどの磁化し難い材料から形成されるか、または、銅などの反磁性体を含む磁気遮蔽部材から形成される。
本実施形態では、現像剤引寄防止壁210は、厚さ1mm〜3mm程度の矩形平板状部材であり、搬送方向Xにおける回転筒202bの両端部の鉛直方向上方に設けられる。また本実施形態では、現像剤引寄防止壁210は、第1搬送路P内において、隔壁207と隔壁207に対向する現像槽201の内壁とに固定される。なお、本発明の他の実施形態としては、現像剤引寄防止壁210は、隔壁207および現像槽201の内壁の代わりに、現像槽カバー205に固定されてもよい。
搬送方向X上流側の現像剤引寄防止壁210と回転筒202bとの間の、鉛直方向における距離は、1mm〜3mm程度に設定される。搬送方向X下流側の現像剤引寄防止壁210と回転筒202bとの間の、鉛直方向における距離は、1mm〜3mm程度に設定される。
トナー濃度検知センサ208は、現像槽201の底部において、第2現像剤搬送部203の鉛直方向下方に装着され、センサ面が第2搬送路Qに露出するように設けられる。トナー濃度検知センサ208は、図示しないトナー濃度制御部に電気的に接続される。
トナー濃度制御部は、トナー濃度検知センサ208が検知するトナー濃度検知結果に応じて、トナー排出部材303を回転させ、現像槽201内にトナーを供給する制御を行う。より具体的には、トナー濃度制御部は、トナー濃度検知センサ208によるトナー濃度検知結果が所定の設定値よりも低いか否か判断し、低いと判断した場合に、トナー排出部材303を回転させる駆動部に制御信号を送り、トナー排出部材303を所定の期間回転させる。
トナー濃度検知センサ208には、図示しない電源が接続される。電源は、トナー濃度検知センサ208を駆動させるための駆動電圧、およびトナー濃度検知結果をトナー濃度制御部に出力するための制御電圧を、トナー濃度検知センサ208に印加する。電源によるトナー濃度検知センサ208への電圧の印加は、図示しない制御部によって制御される。
トナー濃度検知センサ208としては、一般的なトナー濃度検知センサを使用でき、たとえば、透過光検知センサ、反射光検知センサ、透磁率検知センサなどを使用できる。これらのトナー濃度検知センサの中でも、透磁率検知センサを使用することが好ましい。透磁率検知センサとしては、たとえば、TS−L(商品名、TDK株式会社製)、TS−A(商品名、TDK株式会社製)、TS−K(商品名、TDK株式会社製)などが挙げられる。
以下では、現像槽201の底部のうち、第1搬送路Pに臨む部分を第1搬送路底部201aと称し、第2搬送路Qに臨む部分を第2搬送路底部201bと称し、第1連通路Rに臨む部分を第1連通路底部201cと称し、第2連通路Sに臨む部分を第2連通路底部201dと称する。
第1搬送路底部201aの鉛直方向上方の面である第1搬送路底面201aaは、搬送方向X上流側の部分よりも搬送方向X下流側の部分が鉛直方向上方となるように傾斜して形成されている。第1搬送路底面201aaの搬送方向X上流側の端と搬送方向X下流側の端との間の、鉛直方向における距離L24は、10mm以上30mm以下の範囲内で適宜設定される。なお、内螺旋羽根202aが取り巻く仮想的な円柱の軸線は、第1搬送路底面201aaに沿って延びており、水平方向に対して傾斜している。また、第1搬送路底面201aaの長手方向長さは、後述する回転筒202bの軸線方向の長さL12と同程度である。傾斜して形成される第1搬送路底面201aaに対して、第2搬送路底部201bの鉛直方向上方の面は、略水平に形成されている。
第1連通路底部201cの鉛直方向上方の面である第1連通路底面201caは、第2搬送路Q側の部分よりも第1搬送路P側の部分が鉛直方向上方となるように傾斜して形成されている。第1連通路底面201caの第2搬送路Q側の端と第1搬送路P側の端との間の、鉛直方向における距離L25は、5mm以上15mm以下の範囲内で適宜設定される。第2連通路底部201dの鉛直方向上方の面である第2連通路底面201daは、第1搬送路P側の部分よりも第2搬送路Q側の部分が鉛直方向上方となるように傾斜して形成されている。第2連通路底面201daの第1搬送路P側の端と第2搬送路Q側の端との間の、鉛直方向における距離L26は、5mm以上15mm以下の範囲内で適宜設定される。
また、現像槽201の底部のうち、第1搬送路Pの搬送方向X上流側部分に臨む部分を第1搬送路上流側底部201eと称する。第1搬送路上流側底部201eの鉛直方向上方の面である第1搬送路上流側底面201eaは、搬送方向X下流側の部分よりも搬送方向X上流側の部分が鉛直方向上方となるように傾斜して形成されている。第1搬送路上流側底面201eaの搬送方向X下流側の端と搬送方向X上流側の端との間の、鉛直方向における距離L27は、3mm以上10mm以下の範囲内で適宜設定される。
また、現像槽201の底部のうち、第1搬送路Pの搬送方向X下流側部分に臨む部分を第1搬送路下流側底部201fと称し、この第1搬送路下流側底部201fと第1搬送路底部201aとの間の部分を障壁部201gと称する。障壁部201gは、第1搬送路下流側底部201fよりも搬送方向X上流側においてこの第1搬送路下流側底部201fに隣接している。また、障壁部201gは、第1搬送路下流側底部201fよりも、鉛直方向上方に突出して形成される。第1搬送路下流側底部201fと障壁部201gとの間の、鉛直方向における距離L28は3mm以上10mm以下の範囲内で適宜設定される。
このように構成される現像装置200によれば、現像槽201内において、現像剤は、第1搬送路P、第1連通路R、第2搬送路Q、第2連通路S、という順序で循環搬送される。このように循環搬送される現像剤のうちの一部は、第2搬送路Qにおいて、現像ローラ204の表面に担持され、担持された現像剤中のトナーは、感光体ドラム21へと移動して順次消費される。所定量のトナーが消費されたことをトナー濃度検知センサ208が検知すると、未使用のトナーがトナーカートリッジ300から第1搬送路Pへ供給される。供給されたトナーは、第1搬送路P内で搬送されながら、現像剤中に拡散する。
以下では、第1現像剤搬送部202について詳細に説明する。図9は、第1現像剤搬送部202の全体を示す模式図である。図10は、回転筒202bの内側を示す模式図である。図11は、第1現像剤搬送部202を分解して示す図である。第1現像剤搬送部202は、上述したように、内螺旋羽根202aと、回転筒202bと、上流側螺旋羽根202cと、下流側螺旋羽根202dと、支持部材202eと、第1ギア202fとを含んでいる。
内螺旋羽根202a、回転筒202b、上流側螺旋羽根202c、下流側螺旋羽根202d、支持部材202e、および第1ギア202fは、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂)などの材料から形成される。内螺旋羽根202a、回転筒202b、上流側螺旋羽根202c、下流側螺旋羽根202d、支持部材202e、および第1ギア202fの材質が同じである場合、第1現像剤搬送部202は一体成形されることが好ましい。
本実施形態では、内螺旋羽根202aは、一続きの一般螺旋羽根である。本発明において、「一般螺旋羽根」とは、概略的にはいわゆるオーガスクリューの羽根部分であり、より詳細には一般螺旋羽根面を主面とする所定の厚さの部材である。一般螺旋羽根面は、曲線である螺線に対応する曲面であり、その詳細については後述する。
本発明において、「螺線」とは、仮想的な円柱の側面上の連続した空間曲線であって、この仮想的な円柱の周方向のうちの一方向に進みながらこの仮想的な円柱の軸線方向のうちの一方向に進む空間曲線である。仮想的な円柱の軸線方向のうちの一方向に見た場合において、螺旋が、この仮想的な円柱の軸線方向のうちの一方向に進みながら、この仮想的な円柱の周方向のうちの右回りの方向に進むとき、右回りの螺旋であると称し、左回りの方向に進むとき、左回りの螺旋であると称する。
また、螺線のうち、螺線上のすべての点においてリード角が一定となる螺線を特に、「一般螺線」と称する。ここで、螺線上のある点におけるこの螺線の接線と、この螺線が取り巻く仮想的な円柱の軸線方向に対して垂直な面へこの接線を射影してできる直線と、がなす角度が、その点における「リード角」である。リード角は、0°より大きく90°より小さい角度である。
本発明において、「一般螺旋羽根面」とは、仮想円柱K1(以下では、半径をr1とする)の側面上の1つの一般螺線C1(以下では、リード角をθ1とする)に沿って、仮想円柱K1の外部にある1つの線分J1を、仮想円柱K1の径方向におけるこの線分J1の長さm1、および取付角度αを保ったまま、仮想円柱K1の軸線に平行な一方向D1に移動させたときの、この線分J1の軌跡がなす面である。ここで、「取付角度α」とは、仮想円柱K1の軸線と線分J1とを含む面において、線分J1と、この線分J1と仮想円柱K1との接点から一方向D1に延びる半直線と、のなす角度であって、0°より大きく180°より小さい角度である。
以下に、一般螺旋羽根面の一例として、1周期分の一般螺線に沿って線分を移動させたときの一般螺旋羽根面(以下では、「1周期分の一般螺旋羽根面」と表す)を示す。図12は、1周期分の一般螺旋羽根面について説明するための図である。図12(a)は、仮想円柱K1の側面と、仮想円柱K1の側面上の右回りの一般螺線C1と、一般螺線C1上を一方向D1に移動する線分J1の開始位置および終了位置と、を示している。図12(a)の紙面において最も下側に示す線分J1は移動の際の開始位置を示し、最も上側に示す線分J1は終了位置を示している。図12(a)に示すように、仮想円柱K1の径方向における線分J1の長さm1と、取付角度α(図12ではα=90°)とを一定に保ちながら、一般螺線C1に沿って一方向D1に、線分J1を移動させるとき、この線分J1の軌跡は図12(b)に示す一般螺旋羽根面n1となる。図12(b)において斜線部で示す面が、一般螺旋羽根面n1である。
図12(b)に示すように、一般螺旋羽根面n1の外周部は、仮想円柱K1と軸線が一致する仮想円柱K2の側面上を一方向D1に進む右回りの一般螺線となる。ここで、一般螺旋羽根面n1の外周部とは、一般螺旋羽根面n1において仮想円柱K1の軸線から最も遠い部分である。仮想円柱K2の半径R1は、仮想円柱K1の半径r1と、仮想円柱K1の径方向における線分J1の長さm1と、の和に等しい。
このような一般螺旋羽根面を主面とする部材が一般螺旋羽根である。本実施形態のように内螺旋羽根202aとして用いられる場合、一般螺旋羽根は、一般螺旋羽根面n1が搬送方向X下流側になるように設けられ、この一般螺旋羽根面n1によって現像剤が搬送方向X下流側に搬送される。ここで、本実施形態では、回転方向G1は、搬送方向Xに見たときに左回りである。よって、一般螺旋羽根面n1によって現像剤を搬送方向X下流側に搬送するために、一般螺旋羽根は、右回りの一般螺線に沿って線分を移動させたときに形成される一般螺旋羽根面を主面とする部材、すなわち、右回りの一般螺旋羽根である必要がある。
また、内螺旋羽根202aとして一般螺旋羽根が用いられる場合、内螺旋羽根202a(一般螺旋羽根)の内径L8は、図12(a)に示す仮想円柱K1の半径r1の2倍の値となり、外径L9は、図12(b)に示す仮想円柱K2の半径R1の2倍の値となる。ここで、内螺旋羽根202a(一般螺旋羽根)の内径L8とは、内螺旋羽根202a(一般螺旋羽根)の内周部と仮想円柱K1の軸線との間の距離の2倍の値であり、この内周部は、仮想円柱K1の軸線に垂直な断面において、この仮想円柱K1の軸線からの距離が最も近くなる内螺旋羽根202a(一般螺旋羽根)上の一部分である。また、内螺旋羽根202a(一般螺旋羽根)の外径L9とは、内螺旋羽根202a(一般螺旋羽根)の外周部と仮想円柱K1の軸線との間の距離の2倍の値であり、この外周部は、仮想円柱K1の軸線に垂直な断面において、この仮想円柱K1の軸線からの距離が最も遠くなる内螺旋羽根202a(一般螺旋羽根)上の一部分である。
内螺旋羽根202aの内径L8は、たとえば、0mm以上5mm以下の範囲内で適宜設定でき、外径L9は、たとえば、20mm以上30mm以下の範囲内で適宜設定できる。また、たとえば、取付角度αは90°でなくともよく、30°以上150°以下の範囲内で適宜設定できる。リード角θ1は、たとえば、20°以上70°以下の範囲内で適宜設定できる。また、内螺旋羽根202aの厚さL10は、1mm以上3mm以下の範囲内で適宜設定でき、内螺旋羽根202aの長手方向長さL11は、280mm以上320mm以下の範囲内で適宜設定できる。
このような内螺旋羽根202aの外周部には、この外周部を取り囲むように、回転筒202bが固定されている。回転筒202bは、内螺旋羽根202aに固定されているので、この内螺旋羽根202aとともに回転運動する。
回転筒202bは、搬送方向Xに延びる円筒形状の部材である。回転筒202bの軸線方向の長さL12は、搬送方向Xにおける第1搬送路Pの長さよりも第1連通路Rの長さ分程度短い長さであり、たとえば、280mm以上320mm以下の範囲内で適宜設定できる。また、回転筒202bの厚さL13は、一様であり、たとえば、1mm以上3mm以下の範囲内で適宜設定できる。
回転筒202bは、搬送方向X上流側に、流入開口部202baが設けられている。また、回転筒202bは、搬送方向X下流側に、流出開口部202bbが設けられている。
流入開口部202baは、円筒形状の回転筒202bの軸線方向一端部に設けられ、この回転筒202bの内側の空間と外側の空間とを連通する略円形状の開口が形成されている。現像槽201内において回転筒202bの外側にある現像剤は、流入開口部202baに形成される開口を経て、この回転筒202bの内側に流入する。
流出開口部202bbは、円筒形状の回転筒202bの軸線方向他端部に設けられ、この回転筒202bの内側の空間と外側の空間とを連通する略円形状の開口が形成されている。回転筒202bの内側にある現像剤は、流出開口部202bbに形成される開口を経て、この回転筒202bの外側に流出する。
このような回転筒202bの外側に、上流側螺旋羽根202cおよび下流側螺旋羽根202dが設けられる。上流側螺旋羽根202cは、内螺旋羽根202aの搬送方向X上流側に連続的に設けられる。下流側螺旋羽根202dは、内螺旋羽根202aの搬送方向X下流側に連続的に設けられる。
上流側螺旋羽根202cは、内螺旋羽根202aとともに回転運動し、この回転運動によって、回転筒202bの外側における流入開口部202ba付近の現像剤を、流入開口部202baへと案内する。上流側螺旋羽根202cは、内径が一定で、かつ、搬送方向X上流側に向かうにつれて外径が連続的に小さくなる形状である。
本実施形態では、上流側螺旋羽根202cは、一続きの錐状一般螺旋羽根である。本発明において、「錐状一般螺旋羽根」とは、概略的には、一般螺旋羽根を、その内径を一定に保ちながら、その外径を連続的に変化させた形状の部材である。より詳細には、以下に説明する錐状一般螺旋羽根面を主面とする所定の厚さの部材である。
本発明において、「錐状一般螺旋羽根面」とは、仮想円柱K3(以下では、半径をr2とする)の側面上の1つの一般螺線C2(リード角をθ2とする)に沿って、仮想円柱K3の外部にある1つの線分J2を、取付角度βを保ったまま、仮想円柱K3の径方向におけるこの線分J2の長さm2を連続的に大きくなるように変化させながら、仮想円柱K3の軸線に平行な一方向D2に移動させたときの、この線分J2の軌跡がなす面である。ここで、「取付角度β」とは、仮想円柱K3の軸線と線分J2とを含む面において、線分J2と、この線分J2と仮想円柱K3との接点から一方向D2に延びる半直線と、のなす角度であって、0°より大きく180°より小さい角度である。
以下に、錐状一般螺旋羽根面の一例として、1周期分の一般螺線に沿って線分を移動させたときの錐状一般螺旋羽根面(以下では、「1周期分の錐状一般螺旋羽根面」と表す)を示す。図13は、1周期分の錐状一般螺旋羽根面について説明するための図である。図13(a)は、仮想円柱K3の側面と、仮想円柱K3の側面上の右回りの一般螺線C2と、一般螺線C2上を一方向D2に移動する線分J2の開始位置および終了位置と、を示している。図13(a)の紙面において最も下側に示す線分J2は移動の際の開始位置を示し、最も上側に示す線分J2は終了位置を示している。図13(a)に示すように、取付角度β(図13ではβ=90°)を一定に保ちつつ、仮想円柱K3の径方向における線分J2の長さm2を連続的に大きくなるように変化させながら、一般螺線C2に沿って一方向D2に線分J2を移動させるとき、この線分J2の軌跡が錐状一般螺旋羽根面となる。
図13(b)〜図13(d)に示すように、錐状一般螺旋羽根面の外周部は、仮想円柱K3と軸線が一致する仮想錐台の側面に内接する。ここで、本発明において「錐台」とは、面積の異なる2つの底面を有し、軸線がこの2つの底面を通り、かつ、軸線方向のうちの一方向に向かうにつれて外径が連続的に大きくなる立体である。線分J2の長さm1の変化のさせ方によって、錐状一般螺旋羽根面が内接する仮想錐台の形状は異なる。また、本発明において、錐状一般螺旋羽根面の外周部とは、錐状一般螺旋羽根面において仮想錐台の軸線から最も遠い部分である。
図13(b)は、仮想直円錐台K4に内接する錐状一般螺旋羽根面n2を示している。本発明において、「直円錐台」とは、直円錐を底面に平行な平面で二分して得られる立体のうち、円錐ではない方の立体である。一般螺線C2に沿った単位移動距離当たりの線分J2の長さm2の変化量が一定のとき、線分J2の軌跡は、図13(b)において斜線部で示す錐状一般螺旋羽根面n2となり、その外周部は、仮想直円錐台K4の側面に内接する。
図13(c)は、仮想圧縮直円錐台K5に内接する錐状一般螺旋羽根面n3を示している。本発明において、「圧縮直円錐台」とは、直円錐台の側面を、軸線に近付く向きに湾曲させた形状の立体である。一方向D2に進むにつれて一般螺線C2に沿った単位移動距離当たりの線分J2の長さm2の変化量が次第に大きくなるとき、線分J2の軌跡は、図13(c)において斜線部で示す錐状一般螺旋羽根面n3となり、その外周部は、仮想圧縮直円錐台K5の側面に内接する。
図13(d)は、仮想膨張直円錐台K6に内接する錐状一般螺旋羽根面n4を示している。本発明において、「膨張直円錐台」とは、直円錐台の側面を、軸線から離れる向きに湾曲させた形状の立体である。一方向D2に進むにつれて一般螺線C2に沿った単位移動距離当たりの線分J2の長さm2の変化量が次第に小さくなるとき、線分J2の軌跡は、図13(d)において斜線部で示す錐状一般螺旋羽根面n4となり、その外周部は、仮想膨張直円錐台K6の側面に内接する。
このような錐状一般螺旋羽根面を主面とする部材が錐状一般螺旋羽根である。本実施形態のように上流側螺旋羽根202cとして用いられる場合、錐状一般螺旋羽根は、錐状一般螺旋羽根面n2,n3,n4が搬送方向X下流側になるように設けられ、この錐状一般螺旋羽根面n2,n3,n4によって現像剤が搬送方向X下流側に搬送される。ここで、本実施形態では、回転方向G1は、搬送方向Xに見たときに左回りである。よって、錐状一般螺旋羽根面n2,n3,n4によって現像剤を搬送方向X下流側に搬送するために、錐状一般螺旋羽根は、右回りの一般螺線に沿って線分を移動させたときに形成される錐状一般螺旋羽根面を主面とする部材、すなわち、右回りの錐状一般螺旋羽根である必要がある。
また、上流側螺旋羽根202cとして錐状一般螺旋羽根が用いられる場合、上流側螺旋羽根202c(錐状一般螺旋羽根)の内径L14は、図13(a)に示す仮想円柱K3の半径r2の2倍の値となり、外径L15は、図13(b)〜図13(c)に示すように、搬送方向X下流側に向かうにつれて、2m2の最小値+2r2から、2m2の最大値+2r2まで、連続的に変化する。ここで、上流側螺旋羽根202c(錐状一般螺旋羽根)の内径L14とは、上流側螺旋羽根202c(錐状一般螺旋羽根)の内周部と仮想円柱K3の軸線との間の距離の2倍の値であり、この内周部は、仮想円柱K3の軸線に垂直な断面において、この仮想円柱K3の軸線からの距離が最も近くなる上流側螺旋羽根202c(錐状一般螺旋羽根)上の一部分である。また、上流側螺旋羽根202c(錐状一般螺旋羽根)の外径L15とは、上流側螺旋羽根202c(錐状一般螺旋羽根)の外周部と仮想円柱K3の軸線との間の距離の2倍の値であり、この外周部は、仮想円柱K3の軸線に垂直な断面において、この仮想円柱K3の軸線からの距離が最も遠くなる上流側螺旋羽根202c(錐状一般螺旋羽根)上の一部分である。
上流側螺旋羽根202cの内径L14は、たとえば、5mm以上15mm以下の範囲内で適宜設定できる。上流側螺旋羽根202cの外径L15の最小値は、たとえば、6mm以上18mm以下の範囲内で適宜設定でき、最大値は、たとえば、20mm以上40mm以下の範囲内で適宜設定できる。また、たとえば、取付角度βは90°でなくともよく、30°以上150°以下の範囲内で適宜設定できる。リード角θ2は、たとえば、20°以上70°以下の範囲内で適宜設定できる。また、上流側螺旋羽根202cの厚さL16は、1mm以上3mm以下の範囲内で適宜設定でき、上流側螺旋羽根202cの長手方向長さL17は、20mm以上50mm以下の範囲内で適宜設定できる。
なお、本実施形態では、上流側螺旋羽根202cの外径L15の最大値は、内螺旋羽根202aの外径L9に等しく、かつ、上流側螺旋羽根202cの内径L14は、内螺旋羽根202aの内径L8に等しく設定されており、上流側螺旋羽根202cと内螺旋羽根202aとは滑らかに連なる。また、本実施形態では、上流側螺旋羽根202cの内周部に、搬送方向X上流側の支持部材202eが固定され、この支持部材202eの外径と上流側螺旋羽根202cの内径L14とが等しく設定されている。
下流側螺旋羽根202dは、内螺旋羽根202aとともに回転運動し、この回転運動によって、回転筒202bの外側における流出開口部202bb付近の現像剤を、第1連通路Rへと案内する。
本実施形態では、下流側螺旋羽根202dは、一続きの右回りの一般螺旋羽根であり、一般螺旋羽根面n1が搬送方向X下流側になるように設けられる。下流側螺旋羽根202dの内径L18は、たとえば、5mm以上15mm以下の範囲内で適宜設定でき、外径L19は、たとえば、22mm以上46mm以下の範囲内で適宜設定できる。また、たとえば、図12を用いて説明した取付角度αは、30°以上150°以下の範囲内で適宜設定できる。リード角θ1は、たとえば、20°以上70°以下の範囲内で適宜設定できる。また、下流側螺旋羽根202dの厚さL20は、1mm以上3mm以下の範囲内で適宜設定でき、下流側螺旋羽根202dの長手方向長さL21は、10mm以上30mm以下の範囲内で適宜設定できる。
なお、本実施形態では、下流側螺旋羽根202dの外径L19は、内螺旋羽根202aの外径L9よりも大きく設定されている。また、本実施形態では、下流側螺旋羽根202dの内周部に、搬送方向X下流側の支持部材202eが固定され、この支持部材202eの外径と下流側螺旋羽根202dの内径L18とが等しく設定されている。
このように構成される第1現像剤搬送部202を備える現像装置200によれば、現像槽201における第1搬送路P内の現像剤は、搬送方向X上流側において、回転筒202bの流入開口部202baを経てこの回転筒202bの内側に流入する。そして、現像剤は、回転筒202bの内側の内螺旋羽根202aによって搬送方向X下流側へ搬送され、回転筒202bの流出開口部202bbを経て回転筒202bの外側に流出することになる。このとき、回転筒202bは内螺旋羽根202aとともに回転運動しており、この回転運動によって、内螺旋羽根202aにより搬送される現像剤と回転筒202bの内周壁との間に摩擦が生じ、その結果、現像剤が帯電する。
さらに、回転筒202b内の現像剤は、内螺旋羽根202aによって搬送方向X下流に搬送されるとき、引上磁石209の鉛直方向下方において、回転筒202b内で鉛直方向上方へ引き上げられる。その後、現像剤は、内螺旋羽根202aによってさらに搬送方向X下流に搬送されて、自重よりも引上磁石209による鉛直方向上方に向かう磁力が小さくなる位置まで移動することで、鉛直方向下方へ落下する。このように、現像剤は、回転筒202b内で鉛直方向上下に移動するので、内螺旋羽根202aや回転筒202bとの間で摩擦が生じる機会が増え、より確実に帯電する。
よって、本発明に係る現像装置200は、現像剤を充分に帯電させて、第1搬送路P内を搬送することができ、画像形成装置100によって長期に亘って安定して良好な画像を形成することができる。また、現像装置200は、トナーカートリッジ300から現像槽201に供給されたばかりのトナーであっても、引上磁石209によって、迅速かつ充分に帯電させることができる。
なお、現像槽201に貯留される現像剤がトナーとキャリアとからなる2成分現像剤である場合、2成分現像剤が内螺旋羽根202aにより搬送されるとき、2成分現像剤と回転筒202bの内周壁との間の摩擦によって、2成分現像剤は攪拌される。また、2成分現像剤は、引上磁石209によって、回転筒202b内で鉛直方向上下に移動することでさらに攪拌される。したがって、現像装置200によれば、トナーとキャリアとを充分に混合することができる。また、現像装置200は、トナーカートリッジ300から現像槽201に供給されたばかりのトナーであっても、引上磁石209によって、迅速かつ充分に、キャリアと混合することができる。
現像装置200において、引上磁石209によって引き上げられていない現像剤は、回転筒202bの内側において、この回転筒202bの鉛直方向下部に接触する。このとき、現像剤は、自重によって回転筒202bの鉛直方向下部を押している状態である。そして、この状態で、現像剤が搬送方向Xに搬送されることで、現像剤と回転筒202bとの間に摩擦が生じ、現像剤が帯電する。これに対して、引上磁石209によって引き上げられた現像剤は、回転筒202bの内側において、この回転筒202bの鉛直方向上部に接触する。このとき、現像剤が回転筒202bの鉛直方向上部を押す力が現像剤の自重よりも大きな荷重であれば、現像剤と回転筒202bとの間の摩擦力はより大きくなり、現像剤はより帯電し易くなる。したがって、引上磁石209による磁力は、現像剤が回転筒202bの鉛直方向上部を押す力が現像剤の自重よりも大きな荷重となるように設定されることが好ましく、現像剤が回転筒202bの鉛直方向上部を押す力が現像剤の自重の2倍以上の荷重となるように設定されることがより好ましい。
また本実施形態では、引上磁石209は、搬送方向Xに所定の間隔を空けて複数個(2個)設けられる。したがって、引上磁石209による現像剤の鉛直方向上下移動は複数回生じる。よって、本実施形態では、現像剤と内螺旋羽根202aや回転筒202bとの間で摩擦が生じる機会をさらに増やすことができ、現像剤をさらに確実に帯電させることができる。なお、本発明の他の実施形態としては、引上磁石209が1個であってもよく、3個以上であってもよい。
また本実施形態では、回転筒202bの搬送方向X両端部の鉛直方向上方に、現像剤引寄防止壁210が設けられる。したがって、回転筒202bの外側にある現像剤が引上磁石209に引き寄せられることを防止することができ、引上磁石209に現像剤が付着することを防止することができる。なお、本発明の他の実施形態としては、現像剤引寄防止壁210が設けられなくてもよい。
また本実施形態では、第1搬送路底部201aは、搬送方向X上流側の部分よりも搬送方向X下流側の部分が鉛直方向上方となるように傾斜して形成されている。したがって、第1搬送路底部201a上の現像剤は、自重によって、搬送方向X上流側へ移動しようとする。これによって、現像装置200は、搬送方向Xにおける中間位置において、第1現像剤搬送部202と現像槽201の底部との間に現像剤が滞留することを抑えることができる。
また、第1連通路底部201cは、第2搬送路Q側の部分よりも第1搬送路P側の部分が鉛直方向上方となるように傾斜して形成されている。したがって、第1連通路底部201c上の現像剤は、自重によって、第2搬送路Q側へ移動しようとする。これによって、現像装置200は、第1連通路Rにおいて現像剤が滞留することを抑えることができる。また、第2連通路底部201dは、第1搬送路P側の部分よりも第2搬送路Q側の部分が鉛直方向上方となるように傾斜して形成されている。したがって、第2連通路底部201d上の現像剤は、自重によって、第1搬送路P側へ移動しようとする。これによって、現像装置200は、第2連通路Sにおいて現像剤が滞留することを抑えることができる。
このように、本実施形態では、第1搬送路P、第1連通路R、および第2連通路Sにおける現像剤の滞留を抑えることができるので、現像剤を円滑に搬送することができ、その結果、現像剤に生じるストレスを抑えることができる。なお、本発明の他の実施形態としては、第1搬送路底部201a、第1連通路底部201c、および第2連通路底部201dが、略水平に形成されていてもよい。
また本実施形態では、第1搬送路下流側底部201fよりも搬送方向X上流側において第1搬送路下流側底部201fに隣接し、かつ、第1搬送路下流側底部201fよりも、鉛直方向上方に突出する障壁部201gが形成されている。これによって、現像装置200は、第1現像剤搬送部202と現像槽201の内壁との間に、搬送方向X下流側から現像剤が入り込むことを抑えることができる。なお、本発明の他の実施形態としては、障壁部201gが形成されていなくてもよい。
また本実施形態では、第1現像剤搬送部202は、内螺旋羽根202aの搬送方向X下流側に、下流側螺旋羽根202dを有している。下流側螺旋羽根202dによって、回転筒202bの流出開口部202bb付近に現像剤が滞留するのを抑えることができ、第1連通路R付近における現像剤の流れを滑らかにすることができる。その結果、現像剤に生じるストレスを抑えることができる。
また本実施形態では、下流側螺旋羽根202dの外径L19は、内螺旋羽根202aの外径L9よりも大きい。これによって、回転筒202bの流出開口部202bb付近に現像剤が滞留するのをより抑えることができ、第1連通路R付近における現像剤の流れをより滑らかにすることができる。なお、本発明の他の実施形態としては、下流側螺旋羽根202dの搬送方向X下流側において、支持部材202eに周方向回転板が固定されていてもよい。
また本実施形態では、内螺旋羽根202aの長手方向中央部では、この内螺旋羽根202aの内側には何も設けられておらず、この内側の空間は、現像剤の移動空間として利用される。すなわち、内螺旋羽根202aの内側の空間に存在する現像剤は、この内螺旋羽根202aによって押されないので、搬送方向Xに進まずにその場に留まろうとする。その結果、内螺旋羽根202aの内側の空間に留まる現像剤は、搬送方向Xに進む現像剤を基準とすれば、搬送方向Xとは逆方向に進むように見える。したがって、本実施形態では、回転筒202bの内側において、現像剤は相対的に2つの方向に移動しようとし、現像剤同士が反発する。これにより、現像剤の一部は、搬送方向X以外の方向、たとえば鉛直方向に移動し易くなる。したがって、現像剤と内螺旋羽根202aや回転筒202bとの間で摩擦が生じる機会が増え、現像剤がより確実に帯電する。また、内螺旋羽根202aの内側に何も設けられていないので、より多くの現像剤を、現像槽201内に貯留することができる。なお、本発明の他の実施形態としては、内螺旋羽根202aの長手方向中央部において、この内螺旋羽根202aの内側に円柱状部材が設けられてもよい。
また本実施形態では、第1現像剤搬送部202は、内螺旋羽根202aの搬送方向X上流側に連なり、内径が一定で、かつ、搬送方向X上流側に向かうにつれて外径が連続的に小さくなる形状(すなわち、搬送方向X下流側に向かうにつれて外径が連続的に大きくなる形状)の上流側螺旋羽根202cを含む。したがって、上流側螺旋羽根202cによる搬送方向X下流側への現像剤の搬送量は、搬送方向X下流側へ向かうにつれて次第に大きくなる。これによって、回転筒202bの流入開口部202ba付近の現像剤の搬送量を大きく保ちながら、上流側螺旋羽根202c全体による現像剤の搬送速度を緩やかにすることができる。その結果、回転筒202bの内側まで現像剤をより確実に案内することができる。
なお、上記のように、全体的な現像剤の搬送速度を抑えつつ、流入開口部202ba付近の現像剤の搬送量を大きくするために、上流側螺旋羽根202cは、図13(c)に示した、仮想圧縮直円錐台K5に内接する錐状一般螺旋羽根面n3を有する錐状一般螺旋羽根であることが好ましい。また、本発明の他の実施形態としては、上流側螺旋羽根202cが設けられなくてもよい。
また本実施形態では、第1現像剤搬送部202は、搬送方向Xにおける上流側および下流側に、支持部材202eをそれぞれ有している。これによって、支持部材202eを介して第1現像剤搬送部202を駆動することができるので、現像装置200の駆動機構を簡素化することができる。なお、本発明の他の実施形態としては、支持部材202eを介さずに第1現像剤搬送部202が支持されてもよい。
また本実施形態では、第1搬送路上流側底部201eは、搬送方向X下流側の部分よりも搬送方向X上流側の部分が鉛直方向上方となるように傾斜して形成されている。したがって、第1搬送路上流側底部201e上の現像剤は、自重によって、搬送方向X下流側へ移動しようとする。これによって、現像装置200は、第1搬送路Pにおける搬送方向X上流側の現像剤を、回転筒202bの流入開口部202baへ円滑に搬送することができ、その結果、現像剤に生じるストレスを抑えることができる。さらに、第1搬送路上流側底部201eが傾斜していることにより、上流側螺旋羽根202cが第1搬送路上流側底部201eに沿うことになるので、現像剤をより円滑に、回転筒202bの流入開口部202baへ搬送することができる。
また本実施形態では、回転筒202bには、現像剤が流入する開口部として、1つの流入開口部202baが設けられているけれども、本発明の他の実施形態としては、現像剤が流入する開口部が2つ以上であってもよい。また、本実施形態では、回転筒202bには、現像剤が流出する開口部として、1つの流出開口部202bbが設けられているけれども、本発明の他の実施形態としては、現像剤が流出する開口部が2つ以上であってもよい。
上記の実施形態では、引上磁石209として永久磁石が用いられているけれども、本発明としては、永久磁石の代わりに電磁石が用いられてもよい。以下では、引上磁石209として電磁石を用いる場合について説明する。
電磁石は、鉄芯と、鉄芯を取り巻くコイルと、コイルに電流を印加する電流源とから構成される。引上磁石209として電磁石を用いる場合は、コイルの巻き数や電流値を適宜変更することで、回転筒202bの軸線上の点に30mT〜100mT程度の磁束密度の磁場を発生させ、この磁場によって、現像剤を鉛直方向上方に引き上げる。
引上磁石209として電磁石を用いる場合、永久磁石とは異なり、状況に応じて発生させる磁場の強さを変更することができるので、より効率的に現像剤を帯電させることができる。たとえば、トナーカートリッジ300から現像槽201にトナーが供給された場合において、トナーの供給量が多いときは強い磁場を発生させ、トナーの供給量が少ないときは弱い磁場を発生させるというような、トナーの供給量に応じた磁場の調節を行うことができる。
また、引上磁石209として電磁石を用いる場合は、磁場を発生させるタイミングを調節することもできる。たとえば、引上磁石209として電磁石を用いる現像装置200によれば、現像槽201の外部からこの現像槽201の内部へ現像剤が供給された時点から所定時間経過時点までの期間中にのみ、引上磁石209(電磁石)を作動させて現像剤を引き上げるとともに、内螺旋羽根202aによって現像剤を搬送することで、現像剤を攪拌しつつ搬送することが可能である。本実施形態では、供給口205aが第1搬送路Pの鉛直方向上方において第2連通路Sの近傍に形成されるので、上記所定時間は10秒程度である。
このように、現像槽201へ現像剤が供給された時点から所定時間経過時点までの期間中にのみ引上磁石209(電磁石)を作動させることで、この期間中にのみ、現像剤を鉛直方向上方に引き上げる磁場を発生させることができる。これによって、新規の現像剤が供給されたときには、引上磁石209によって現像剤を迅速に帯電させることができるとともに、新規の現像剤が供給されていないときには、現像剤に生じるストレスを抑えることができる。
現像槽201へ現像剤が供給された時点から所定時間経過時点までの期間中にのみ引上磁石209(電磁石)を作動させる場合、この期間中に引上磁石209(電磁石)を連続的に作動させてもよいけれども、引上磁石209(電磁石)を断続的に作動させることが好ましい。引上磁石209(電磁石)を断続的に作動させることによって、引上磁石209(電磁石)による現像剤の鉛直方向上下移動が活発になるので、現像剤をより確実に帯電させることができる。引上磁石209(電磁石)を断続的に作動させる場合、周波数が0.2Hz〜1Hz程度の矩形波電流や正弦波電流を、引上磁石209(電磁石)のコイルに印加すればよい。