JP4972844B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下有機ELとも略記する)素子に関し、具体的には、発光型のマルチカラーまたはフルカラーディスプレイ、表示パネルなど、民生用や工業用の表示機器に好適に用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発光型の電子ディスプレイデバイスとして、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)がある。ELDの構成要素としては、無機エレクトロルミネッセンス素子や有機エレクトロルミネッセンス素子が挙げられる。無機エレクトロルミネッセンス素子は平面型光源として使用されてきたが、発光素子を駆動させるためには交流の高電圧が必要である。有機エレクトロルミネッセンス素子は、発光する化合物を含有する発光層を、陰極と陽極で挟んだ構成を有し、発光層に電子及び正孔を注入して、再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光する素子であり、数V〜数十V程度の電圧で発光が可能であり、さらに、自己発光型であるために視野角依存性に富み、視認性が高く、薄膜型の完全固体素子であるために省スペース、携帯性等の観点から注目されている。
【0003】
しかしながら、今後の実用化に向けた有機EL素子には、さらなる低消費電力で効率よく高輝度、長寿命に発光する有機EL素子の開発が望まれている。
【0004】
これまでに、様々な有機EL素子が報告されているが、現在のところモノカラー、もしくは、エリアカラーでしか実用化がなされていない。
【0005】
従来の有機EL素子のフルカラー化方式の一つに、青(B)、緑(G)、赤(R)の各画素を直接パターニングする方式が考えられるが、これは発光素子を三色に塗り分ける必要があるため、製造時の歩留まりが悪く、また、色純度の高い赤色発光材料が見出されていないことも実用化の障害になっている。
【0006】
また、特開平7−220871号等に記載の白色発光とカラーフィルターを組み合わせる方式では、光の利用効率が低いことや、白色の発光素子が寿命や発光効率が低いという欠点を有している。
【0007】
さらに、特開平3−152897号等に記載の青色発光材料を用いて、その青色を吸収して緑、または赤に発光する色変換層を塗設する方式では、発光素子を三色に塗り分ける必要がなく、製造時の歩留まりは改善される。さらに、原理的には光の利用効率も高い。しかし、青色にEL発光する材料を使用し、色変換により赤色を出そうとすると、その色純度が悪いという欠点を有していた。これは、色変換する化合物としてストークスシフトの小さい有機化合物を複数使用しているため、青色から赤色に色変換するさいに、複数回の色変換を行う必要があるためと推定される。
【0008】
このようなフルカラー化に際しての不具合を解消するために、我々は新しいフルカラー化方式について鋭意検討してきた。例えば、EP1,067,165A号、特開2001−143869に記載されているように青紫〜近紫外のEL発光を利用して、この光を蛍光体によって波長変換し、BGRの光を取り出す方式をすでに考案している。
【0009】
この方式では発光が青紫〜近紫外であるために、Eu3+錯体やEu3+を含有する無機蛍光体のようなストークスシフトの大きい無機化合物を使用できる可能性があり、一回の変換で赤色が出せ、他の方式よりも赤色の色純度や発光効率を高くすることができると予想される。
【0010】
この方式を採用する場合、青紫〜近紫外に発光する材料が必要であるが、従来青紫〜近紫外に高輝度、長寿命に発光する材料は見出されていない。特開平3−152897号では、p−クオーターフェニルを含有する有機エレクトロルミネッセンス素子が、420nmに発光することが報告されているが、発光輝度が低く十分なものではなかった。
【0011】
また、特開平11−26159号等に開示されているポリシラン系化合物を使用すると比較的容易に紫外から近紫外の発光を得ることができるが、ポリシラン系化合物は一般に不安定であり、室温でこの発光を維持するのは難しく、室温下で発光するものも最近発見されているがその発光効率は低く、また、有機EL素子として用いた場合には、発光寿命が極めて短いという欠点を有していた。
【0012】
また、単に青紫〜近紫外に蛍光発光を有する材料を有機EL素子として使用し、従来知られている正孔注入層、または、正孔輸送層を積層するだけでは、所望の青紫〜近紫外の発光を得ることができないことが分かった。
【0013】
正孔注入層に、4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(m−MTDATA)等、正孔輸送層に、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD)、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(α−NPD)等、の従来知られている材料を用いて正孔注入層、または、正孔輸送層とし有機EL素子に使用すると、発光層にそれよりも短波な青紫〜近紫外に発光する材料を用いても、正孔注入層や正孔輸送層の化合物からの発光が得られてしまい、青色の発光しか得られないことがわかった。
【0014】
TPDは従来正孔輸送層の材料として知られているが、蛍光発光を有するため発光材料としての用途も考えられる。しかし、その発光色は青色であり我々の目的には発光波長が長波すぎ適合しないものであった。
【0015】
さらに、TPD類似の化合物の記載のある特開平10−88119号では、テトラアリールベンジジンの中央のビフェニル部位にメチル基や塩素原子を導入したベンジジン誘導体が開示されている。また、特開平8−48656号では、同様にジメチルアミノ基や塩素原子を導入したベンジジン誘導体が開示されている。しかし、これらのベンジジン誘導体では、それぞれ2個、4個の外側のアリール基をビフェニル基に置き換えているため、発光色は長波化し青から青緑の発光色となるため、我々の目的には発光波長が長波すぎるために適合しないものであり、さらに短波化する手段が求められる。また、これらのベンジジン誘導体は、熱安定性が不十分なため有機EL素子としての耐久性に劣るものであった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、有機エレクトロルミネッセンス素子としては、発光波長の短波な青紫〜近紫外に発光する長寿命で、高輝度な有機EL素子が求められている。又、それに適応できる新規な発光性化合物が求められている。
【0017】
本発明は上記状況に鑑みてなされたものである。
本発明の目的は、青紫〜近紫外に高輝度かつ長寿命に発光する新規な化合物、高輝度に発光する有機エレクトロルミネッセンス素子、長寿命である有機エレクトロルミネッセンス素子、製造が容易な有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも1つを提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は以下に示すに発明より達成される。
【0019】
1.前記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子
【0020】
【化3】
Figure 0004972844
【0021】
式中、 5 乃至R 13 又はR 24 乃至R 28 はそれぞれ水素原子、メチル基、t−ブチル基、メトキシ基、t−ブトキシカルボニル基、又は、メチル基、メトキシ基、t−ブトキシ基を置換基として有しても良いフェニル基を表す。R 14 乃至R 23 は水素原子、メチル基、t−ブチル基、メトキシ基、t−ブトキシカルボニル基、又は、メチル基、t−ブチル基、メトキシ基、t−ブトキシ基を置換基として有してもよいフェニル基を表すが、R 14 乃至R 18 の少なくとも一つ且つR 19 乃至R 23 の少なくとも一つはメチル基、t−ブチル基、メトキシ基、t−ブトキシ基を置換基として有しても良いフェニル基を表す。R 1 、R 2 、R 3 、及びR 4 はそれぞれメチル基、塩素原子又はトリフルオロメチル基を表す。
【0025】
2.下記一般式(II)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子
【0026】
【化4】
Figure 0004972844
【0027】
式中、 55 乃至R 78 はそれぞれ水素原子、メチル基、又は、t−ブチル基を置換基として有しても良いフェニル基を表す。R 51 、R 52 、R 53 及びR 54 は水素原子、ジフェニルアミノ基、無置換のフェニル基、シクロアルキル基、アシルアミノ基を表すが、少なくとも一つはジフェニルアミノ基、無置換のフェニル基、シクロアルキル基、アシルアミノ基を表す。
【0038】
以下に、本発明を詳細に説明する。
図1を用いて、有機EL素子の構造を説明する。
【0039】
有機EL素子は、発光層1と、陽極2と陰極3より構成される電極、発光層と陽極の間に正孔輸送層7、同じく発光層と陰極との間に電子輸送層6が配置されて構成され、発光層1が陽極2および陰極3に狭持された構造をとっている。尚5はガラス基板である。電極に電流を流すことにより、発光層1に含有される有機化合物が発光する。これは、陰極3と陽極2から正負のキャリアが注入され、有機層内で、キャリアが移動し再結合することにより、化合物の一重項励起状態が形成され、この一重項励起状態から基底状態に失活する過程で、化合物が発光するものと考えられている。有機EL素子は、さらに、色変換層4を設け、この色変換層4により、発光層に含有される化合物の光を波長の異なる光に変換することができる。図1に示すように、波長領域の異なる色変換層を3層設けることによってフルカラー化を可能にすることができる。
【0040】
我々は、青紫〜近紫外光に蛍光発光を有する材料としてTPDに注目し、そのテトラフェニルベンジジンのビフェニル部位をねじることによる短波化について鋭意検討を行った。その結果、本発明の化合物を使用することにより、青紫〜近紫外に高輝度かつ長寿命に発光する有機エレクトロルミネッセンス素子を作製することができた。
【0041】
本発明の化合物は、特に、正孔輸送材料として用いた場合、及び発光材料として用いた場合にその効果が顕著であった。
【0042】
本発明のように青紫色〜近紫外光に蛍光発光を有する材料を正孔輸送材料として有機EL素子に使用すると、発光層の材料の蛍光発光が青紫色〜近紫外光であれば、そのまま青紫色〜近紫外光の発光を得ることができるし、発光層の材料の蛍光発光がより長波な青〜赤色の場合は、基本的にその発光色が得られる。
【0043】
本明細書でいう発光層は、広義の意味では、陰極と陽極からなる電極に電流を流した際に発光する層のことを指す。具体的には、陰極と陽極からなる電極に電流を流した際に発光する有機化合物を含有する層のことを指す。通常、発光層は一対の電極の間に発光層を挾持する構造をとる。本発明の有機EL素子は、必要に応じ発光層の他に、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層および電子輸送層を有し、陰極と陽極で狭持された構造をとる。
【0044】
具体的には、
(i)陽極/発光層/陰極
(ii)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
(iii)陽極/発光層/電子注入層/陰極
(iv)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
(v)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
などの構造がある。
【0045】
さらに、電子注入層と陰極との間に、陰極バッファー層(例えば、フッ化リチウム、等)を挿入しても良い。また、陽極と正孔注入層との間に、陽極バッファー層(例えば、銅フタロシアニン、等)を挿入しても良い。
【0046】
上記発光層は、発光層自体に、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層および電子輸送層等を設けてもよい。即ち、発光層に(1)電界印加時に、陽極又は正孔注入層により正孔を注入することができ、かつ陰極又は電子注入層より電子を注入することができる注入機能、(2)注入した電荷(電子と正孔)を電界の力で移動させる輸送機能、(3)電子と正孔の再結合の場を発光層内部に提供し、これを発光につなげる発光機能、のうちの少なくとも1つ以上の機能を有してもよく、この場合は、発光層とは別に正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層および電子輸送層の少なくとも1つ以上は設ける必要がなくなることになる。また、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層および電子輸送層等に発光する化合物を含有させることで、発光層としての機能を付与させてもよい。尚、発光層は、正孔の注入されやすさと電子の注入されやすさに違いがあってもよく、また、正孔と電子の移動度で表される輸送機能に大小があってもよいが、少なくともどちらか一方の電荷を移動させる機能を有するものが好ましい。
【0047】
上記材料を用いて発光層を形成する方法としては、例えば蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の方法により薄膜化することにより形成することができるが、特に分子堆積膜であることが好ましい。ここで、分子堆積膜とは、上記化合物の気相状態から沈着され形成された薄膜や、該化合物の溶融状態又は液相状態から固体化され形成された膜のことである。通常、この分子堆積膜はLB法により形成された薄膜(分子累積膜)と凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区別することができる。
【0048】
また、この発光層は、特開昭57−51781号に記載されているように、樹脂などの結着材と共に上記発光材料を溶剤に溶かして溶液としたのち、これをスピンコート法などにより薄膜化して形成することができる。このようにして形成された発光層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常は5nm〜5μmの範囲である。
【0049】
本明細書の請求項1記載の発光性化合物について説明する。
置換基の立体障害の大きさを数値化したものに、タフト等が定義したES値が知られている[American Chemical Society Professional Reference Book,’Exploring QSAR’,C.Hansh A.Leoら著、S.R.Hell編集]。我々は、さまざまなベンジジン誘導体について鋭意検討した結果、このES値が特定の範囲にある置換基を、ベンジジン誘導体の中央のビフェニル部位に導入することにより、短波化を達成できることを見出した。
【0050】
以下、ES値について説明する。
1、R2、R3、R4の置換基の立体パラメーターES値の総和は、−7以上−2.5以下である。ここで、ES値とは化学反応性より誘導された立体パラメーターであり、この値が小さければ小さいほど立体的に嵩高い置換基ということができる。
【0051】
又、ES値がこの範囲に入らない場合でも、特定の置換基により充分に高輝度、長寿命が達成できることが見いだされた。特定の置換基の効果は、置換基の立体的効果は勿論のこと、電子的効果がより大きな場合と推定できる。
【0052】
以下、ES値について説明する。
一般に、酸性条件下でのエステルの加水分解反応においては、置換基が反応の進行に対して及ぼす影響は立体障害だけと考えてよいことが知られており、この事を利用して置換基の立体障害を数値化したものがES値である。
【0053】
置換基XのES値は、次の化学反応式
X−CH2COORx+H2O→X−CH2COOH+RxOH
で表わされる、酢酸のメチル基の水素原子1つを置換基Xで置換したα位モノ置換酢酸から誘導されるα位モノ置換酢酸エステルを酸性条件下で加水分解する際の反応速度定数kXと、次の化学反応式
CH3COORy+H2O→CH3COOH+RyOH
(RyはRxと同じである)
で表わされる、上記のα位モノ置換酢酸エステルに対応する酢酸エステルを酸性条件下で加水分解する際の反応速度定数kHから、次の式で求められる。
【0054】
S=log(kX/kH)
置換基Xの立体障害により、反応速度は低下し、その結果kX<kHとなるので、ES値は通常負となる。
【0055】
実際にES値を求める場合には、上記の二つの反応速度定数kXとkHを求め、上記の式により算出する。
【0056】
S値の具体的な例は、Unger,S.H.,Hansch,C.,Prog.Phys.Org.Chem.,12,91(1976)に詳しく記載されている。また、『薬物の構造活性相関』(化学の領域増刊122号、南江堂)、「American Chemical Society Professional Reference Book,’Exploring QSAR’p.81 Table 3−3」にも、その具体的な数値の記載がある。次にその一部を示す。
【0057】
【表1】
Figure 0004972844
【0058】
ここで、注意するのは、本明細書で定義するところのEs値は、メチル基のそれを0として定義したのではなく、水素原子を0としたものであり、メチル基を0としたES値から1.24を差し引いたものであることである。
【0059】
一般式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28はそれぞれ水素原子、または、置換基を表す。
【0060】
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は、各々独立して、水素原子、または、置換基を表すが、R1〜R28で表される置換基としては、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−t−ブチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、アルコキシ基(例えばエトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)等が挙げられる。これらの基はさらに置換されていてもよく、前記置換基としては、ハロゲン原子、水素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ジベンジルアミノ基、ジアリールアミノ基等が挙げられる。R14乃至R18の少なくとも1つは置換基を有して良いフェニル基であり、且つR19乃至R23の少なくとも1つは置換基を有して良いフェニル基であり、更にR1、R2、R3及びR4の置換基の立体パラメーターES値の総和は、−7以上、−2.5以下である。
【0061】
一般式(I)において、R1、R2、R3、R4としては、アルキル基が好ましく、中でも、R1、R2、R3、R4の四つがメチル基であることがもっとも好ましい。
【0065】
本明細書の請求項2記載の化合物では、一般式(II)において、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、R61、R62、R63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R70、R71、R72、R73、R74、R75、R76、R77及びR78はそれぞれ水素原子、または、置換基を表し、これらの置換基としてはR1〜R38で表される置換基と同義のものを挙げることができる。又、一般式(II)において、R51、R52、R53、R54の置換基の少なくとも一つが、アリールアミノ基(例えば、ジフェニルアミノ基、3−メチルジフェニルアミノ基、等)、フェニル基、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えばビニル基、プロペニル基等)、カルボキシル基、アミド基(例えば、メチルアミド基、ベンズアミド基、アセトアミド基等)、トリフルオロメチル基、または、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、等)である。
【0066】
これらの置換基のなかでも、アリールアミノ基、フェニル基が好ましい。
特に、好ましくはアリールアミノ基であり、アリールアミノ基の中でも最も好ましくは、ジアリールアミノ基である。
【0067】
これらの基は、さらに置換基を有していても良く、具体的には、ハロゲン原子、水素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ジベンジルアミノ基、ジアリールアミノ基等が好ましく挙げられる。
【0068】
又、一般式(II)において、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、R61、R62、R63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R70、R71、R72、R73、R74、R75、R76、R77及びR78がそれぞれ水素原子、または、前記置換基であり、R51、R52、R53、及びR54の少なくとも二つが、アリールアミノ基、フェニル基、シクロアルキル基、アルケニル基、カルボキシル基、アミド基、トリフルオロメチル基、または、アルコキシカルボニル基である場合が好ましい。
【0069】
一般式(II)において、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、R61、R62、R63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R70、R71、R72、R73、R74、R75、R76、R77及びR78は各々独立して、水素原子、または、R1〜R28で表される置換基と同義のものを表すが、好ましくはR59乃至R63の少なくとも1つは置換基を有して良いフェニル基であり、且つR69乃至R73の少なくとも1つは置換基を有して良いフェニル基であり、更にR51、R52、R53、及びR54の置換基の少なくとも一つが、アリールアミノ基、フェニル基、シクロアルキル基、アルケニル基、カルボキシル基、アミド基、トリフルオロメチル基、または、アルコキシカルボニル基である。
【0070】
又、R51、R52、R53、及びR54の少なくとも二つが、アリールアミノ基、フェニル基、シクロアルキル基、アルケニル基、カルボキシル基、アミド基、トリフルオロメチル基、または、アルコキシカルボニル基である場合が好ましい。
【0071】
一般式(I)及び(II)で表される化合物は、蛍光性を有していても、有していなくてもよいが、蛍光性を有している方が好ましい。本発明において、蛍光性化合物は、その化合物のもつ吸収スペクトルの範囲の波長の光を照射すること、又は電場を与えることにより励起され、蛍光発光する化合物であり、溶液中で測定した蛍光量子収率が0.001以上である。溶液は、特に限定しないが、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド等である。
【0072】
本明細書の有機化合物が発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(ミノルタ製)で測定した結果をCIE色度座標に当てはめたときの色で決定され、測定結果がCIE色度座標の紫青の領域である「Purplish Blue」、青紫の領域である「Bluish Purple」、または、紫の領域である「Purple」に入ることを言う。
【0073】
一般式(I)、(II)で表される化合物は、ガラス転位温度(Tg)が高いことから、有機エレクトロルミネッセンス素子の材料としての熱安定性も十分にある。Tgは100度以上であることが好ましい。
【0074】
一般式(I)、(II)で表される化合物は、高輝度に発光する化合物であることから、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層に含有させる発光する化合物として有用であることはもちろんのこと、他にも上記性質を利用して、蛍光発光を利用した医薬品用の標識化合物等の材料としても用いることができる。
【0075】
一般式(I)、(II)で表される化合物の分子量は500〜2000の範囲内であることが好ましい。この範囲内の分子量であると発光層を真空蒸着法により容易に作製することができ、有機EL素子の製造が容易になる。さらに、有機EL素子中における有機化合物の熱安定性もよくなる。
【0076】
一般式(I)、(II)で表される化合物は、有機EL素子の発光層の他に、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層および電子輸送層のいずれの層にも用いることができる。好ましくは、発光層、または、正孔注入層、正孔輸送層である。
【0077】
以下に、本発明の一般式(I)、(II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0078】
一般式(I)化合物の具体例
【0079】
【化5】
Figure 0004972844
【0080】
【化6】
Figure 0004972844
【0081】
【化7】
Figure 0004972844
【0082】
【化8】
Figure 0004972844
【0083】
【化9】
Figure 0004972844
【0084】
【化10】
Figure 0004972844
【0085】
【化11】
Figure 0004972844
【0086】
【化12】
Figure 0004972844
【0087】
【化13】
Figure 0004972844
【0088】
一般式(II)化合物の具体例
【0089】
【化14】
Figure 0004972844
【0090】
【化15】
Figure 0004972844
【0091】
【化16】
Figure 0004972844
【0092】
【化17】
Figure 0004972844
【0093】
【化18】
Figure 0004972844
【0094】
【化19】
Figure 0004972844
【0095】
【化20】
Figure 0004972844
【0096】
【化21】
Figure 0004972844
【0097】
【化22】
Figure 0004972844
【0098】
【化23】
Figure 0004972844
【0099】
【化24】
Figure 0004972844
【0100】
【化25】
Figure 0004972844
【0101】
次に正孔注入層および電子注入層について説明する。
正孔注入層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、この正孔注入層を陽極と発光層の間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入され、そのうえ、発光層に陰極又は電子注入層より注入された電子は、発光層と正孔注入層の界面に存在する電子の障壁により、発光層内の界面に累積され発光効率が向上するなど発光性能の優れた素子となる。この正孔注入層の材料(以下、正孔注入材料という)については、前記の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、従来、光導伝材料において、正孔の電荷注入輸送材料として慣用されているものやEL素子の正孔注入層に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
【0102】
上記正孔注入材料は、正孔の注入、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。この正孔注入材料としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマーなどが挙げられる。正孔注入材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
【0103】
上記芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)ビフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには、米国特許第5,061,569号に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などが挙げられる。
【0104】
また、p型−Si、p型−SiCなどの無機化合物も正孔注入材料として使用することができる。この正孔注入層は、上記正孔注入材料を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔注入層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度である。この正孔注入層は、上記材料の一種又は二種以上からなる一層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
【0105】
電子注入層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。この電子注入層に用いられる材料(以下、電子注入材料という)の例としては、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。また、特開昭59−194393号公報に記載されている一連の電子伝達性化合物は、該公報では発光層を形成する材料として開示されているが、本発明者らが検討の結果、電子注入材料として用いうることが分かった。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子注入材料として用いることができる。また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)など、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も電子注入材料として用いることができる。その他、メタルフリー若しくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基などで置換されているものも電子注入材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も電子注入材料として用いることができるし、正孔注入層と同様にn型−Si、n型−SiCなどの無機半導体も電子注入材料として用いることができる。
【0106】
この電子注入層は、上記化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。電子注入層としての膜厚は特に制限はないが、通常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。この電子注入層は、これらの電子注入材料一種又は二種以上からなる一層構造であってもよいし、あるいは同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
【0107】
次に、有機EL素子を作製する好適な例を説明する。例として、前記の陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極からなるEL素子の作製法について説明すると、まず適当な基板上に、所望の電極物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは10nm〜200nmの範囲の膜厚になるように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させ、陽極を作製する。次に、この上に素子材料である正孔注入層、発光層、電子注入層の材料からなる薄膜を形成させる。
【0108】
さらに、陽極と発光層または正孔注入層の間、および、陰極と発光層または電子注入層との間にはバッファー層(電極界面層)を存在させてもよい。
【0109】
バッファー層とは、駆動電圧低下や発光効率向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(第123頁〜第166頁)に詳細に記載されており、陽極バッファー層と陰極バッファー層とがある。
【0110】
陽極バッファー層は、特開平9−45479号、同9−260062号、同8−288069号等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
【0111】
陰極バッファー層は、特開平6−325871号、同9−17574号、同10−74586号等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。
【0112】
上記バッファー層はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるが、その膜厚は0.1〜100nmの範囲が好ましい。
【0113】
さらに上記基本構成層の他に必要に応じてその他の機能を有する層を積層してもよく、例えば特開平11−204258号、同11−204359号、および「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層などのような機能層を有していても良い。
【0114】
バッファー層は、陰極バッファー層または陽極バッファー層の少なくとも何れか1つの層内に本発明の化合物の少なくとも1種が存在して、発光層として機能してもよい。
【0115】
次に有機EL素子の電極について説明する。有機EL素子の電極は、陰極と陽極からなる。
【0116】
この有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAuなどの金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnOなどの導電性透明材料が挙げられる。
【0117】
上記陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選ばれる。
【0118】
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属などが挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化などに対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物などが好適である。上記陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光を透過させるため、有機EL素子の陽極又は陰極のいずれか一方が、透明又は半透明であれば発光効率が向上し好都合である。
【0119】
次に有機EL素子の作製方法について説明する。
薄膜化の方法としては、前記の如くスピンコート法、キャスト法、蒸着法などがあるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくいなどの点から、真空蒸着法が好ましい。薄膜化に、真空蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は、使用する化合物の種類、分子堆積膜の目的とする結晶構造、会合構造などにより異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10-6〜10-3Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
【0120】
これらの層の形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を、1μm以下好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば蒸着やスパッタリングなどの方法により形成させ、陰極を設けることにより、所望の有機EL素子が得られる。この有機EL素子の作製は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、発光層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。このようにして得られた有機EL素子に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧5〜40V程度を印加すると、発光が観測できる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れずに発光は全く生じない。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が+、陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
【0121】
次に色変換層について説明する。
本明細書でいう色変換層は、広義の意味では有機EL素子の発光層から発せられる光を、異なる波長の光に変換する層のことを言う。具体的には、発光層から発せられる光を吸収して異なる波長の光を発する物質を含有する層のことを言う。
【0122】
本明細書の請求項12に記載の有機EL素子は、色変換層として、発光層中の化合物の発光波長で励起して400〜500nmの範囲内に極大発光波長を有して発光する無機化合物を含有する色変換層、発光層中の化合物の発光波長で励起して501〜600nmの範囲内に極大発光波長を有して発光する無機化合物を含有する色変換層、発光層中の化合物の発光波長で励起して601〜700nmの範囲内に極大発光波長を有して発光する無機化合物を含有する色変換層の少なくともいずれか一つ、有しているのが好ましい。
【0123】
色変換層に含有させる色変換材料を全て無機化合物にすることにより、フルカラー化された有機EL素子において、長寿命で消費電力の小さい有機EL素子を提供することができる。
【0124】
また、効率よくフルカラー化が達成されるのであれば、色変換層を4層以上有していても構わない。
【0125】
本発明の有機EL素子の色変換層に含有する無機化合物は、無機系蛍光体または希土類錯体系蛍光体が好ましい。
【0126】
無機系蛍光体の組成は特に制限はないが、結晶母体であるY22S、Zn2SiO4、Ca5(PO43Cl等に代表される金属酸化物及びZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物に、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属のイオンやAg、Al、Mn、In、Cu、Sb等の金属のイオンを賦活剤または共賦活剤として組み合わせたものが好ましい。
【0127】
晶母体を更に詳しく説明すると、結晶母体としては金属酸化物が好ましく、例えば、(X)3Al1627、(X)4Al1425、(X)3Al2Si210、(X)4Si28、(X)2Si26、(X)227、(X)225、(X)5(PO43Cl、(X)2Si38−2(X)Cl2〔ここで、Xはアルカリ土類金属を表す。なお、Xで表されるアルカリ土類金属は単一成分でも2種類以上の混合成分でもよく、その混合比率は任意でよい〕のようなアルカリ土類金属で置換された酸化アルミニウム、酸化ケイ素、リン酸、ハロリン酸等が代表的な結晶母体として挙げられる。
【0128】
その他の好ましい結晶母体としては、亜鉛の酸化物および硫化物、イットリウムやガドリウム、ランタン等の希土類金属の酸化物およびその酸化物の酸素の一部を硫黄原子に換えた(硫化物)もの、および希土類金属の硫化物およびそれらの酸化物や硫化物に任意の金属元素を配合したもの等が挙げられる。
【0129】
結晶母体の好ましい例を以下に列挙する。
Mg4GeO5.5F、Mg4GeO6、ZnS、Y22S、Y3Al512、Y2SiO10、Zn2SiO4、Y23、BaMgAl1017、BaAl1219、(Ba、Sr、Mg)O・aAl23、(Y、Gd)BO3、(Zn、Cd)S、SrGa24、SrS、GaS、SnO2、Ca10(PO46(F、Cl)2、(Ba、Sr)(Mg、Mn)Al1017、(Sr、Ca、Ba、Mg)10(PO46Cl2、(La、Ce)PO4、CeMgAl1119、GdMgB510、Sr227、Sr4Al1425、Y2SO4、Gd22S、Gd23、YVO4、Y(P,V)O4等である。
【0130】
以上の結晶母体及び賦活剤または共賦活剤は、同族の元素と一部置き換えたものでも構わないし、とくに元素組成に制限はなく、紫外領域の光または紫色領域の光を吸収して可視光を発するものであればよい。
【0131】
本発明において、無機蛍光体の賦活剤、共賦活剤として好ましいものは、La、Eu、Tb、Ce、Yb、Pr等に代表されるランタノイド元素のイオン、Ag、Mn、Cu、In、Al等の金属のイオンであり、そのドープ量は母体に対して0.001〜100モル%が好ましく、0.01〜50モル%がさらに好ましい。
【0132】
賦活剤、共賦活剤は結晶母体を構成するイオンの一部を上記ランタノイドのようなイオンに置き換えることでその結晶の中にドープされる。
【0133】
蛍光体結晶の実際の組成は、厳密に記載すれば以下のような組成式になるが、賦活剤の量の大小は本質的な蛍光特性に影響を及ぼさないことが多いので、以下特にことわりのない限り下記xやyの数値は記載しないこととする。例えばSr4-xAl1425:Eu2+ xは、本発明においてはSr4Al1425:Eu2+と表記する。
【0134】
以下に代表的な無機系蛍光体(結晶母体と賦活剤によって構成される無機蛍光体)の組成式を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。(BazMg1-z3-x-yAl1627:Eu2+ x,Mn2+ y、Sr4-xAl1425:Eu2+ x、(Sr1-zBaz1-xAl2Si28:Eu2+ x、Ba2-xSiO4:Eu2+ x、Sr2-xSiO4:Eu2+ x、Mg2-xSiO4:Eu2+ x、(BaSr)1-xSiO4:Eu2+ x、Y2-x-ySiO5:Ce3+ x,Tb3+ y、Sr2-x25:Eu2+ x、Sr2-x27:Eu2+ x、(BayCazMg1-y-z5-x(PO43Cl:Eu2+x、Sr2-xSi38−2SrCl2:Eu2+ x[x,yおよびzはそれぞれ1以下の任意の数を表す。]
以下に本発明に好ましく使用される無機蛍光体を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
[青色発光 無機系蛍光体]
(BL−1) Sr227:Sn4+
(BL−2) Sr4Al1425:Eu2+
(BL−3) BaMgAl1017:Eu2+
(BL−4) SrGa24:Ce3+
(BL−5) CaGa24:Ce3+
(BL−6) (Ba,Sr)(Mg,Mn)Al1017:Eu2+
(BL−7) (Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu2+
(BL−8) BaAl2SiO8:Eu2+
(BL−9) Sr227:Eu2+
(BL−10) Sr5(PO43Cl:Eu2+
(BL−11) (Sr,Ca,Ba)5(PO43Cl:Eu2+
(BL−12) BaMg2Al1627:Eu2+
(BL−13) (Ba,Ca)5(PO43Cl:Eu2+
(BL−14) Ba3MgSi28:Eu2+
(BL−15) Sr3MgSi28:Eu2+
[緑色発光 無機系蛍光体]
(GL−1) (Ba,Mg)Al1627:Eu2+,Mn2+
(GL−2) Sr4Al1425:Eu2+
(GL−3) (Sr,Ba)Al2Si28:Eu2+
(GL−4) (Ba,Mg)2SiO4:Eu2+
(GL−5) Y2SiO5:Ce3+,Tb3+
(GL−6) Sr227−Sr225:Eu2+
(GL−7) (Ba,Ca,Mg)5(PO43Cl:Eu2+
(GL−8) Sr2Si38−2SrCl2:Eu2+
(GL−9) Zr2SiO4、MgAl1119:Ce3+,Tb3+
(GL−10) Ba2SiO4:Eu2+
(GL−11) Sr2SiO4:Eu2+
(GL−12) (Ba,Sr)SiO4:Eu2+
(GL−13) SrGa24:Eu2+
[赤色発光 無機系蛍光体]
(RL−1) Y22S:Eu3+
(RL−2) YAlO3:Eu3+
(RL−3) Ca22(SiO46:Eu3+
(RL−4) LiY9(SiO462:Eu3+
(RL−5) YVO4:Eu3+
(RL−6) CaS:Eu3+
(RL−7) Gd23:Eu3+
(RL−8) Gd22S:Eu3+
(RL−9) Y(P,V)O4:Eu3+
(RL−10) Mg4GeO5.5F:Mn4+
(RL−11) Mg4GeO6:Mn4+
上記無機蛍光体は、必要に応じて表面改質処理を施してもよく、その方法としてはシランカップリング剤等の化学的処理によるものや、サブミクロンオーダーの微粒子等の添加による物理的処理によるもの、さらにはそれらの併用によるもの等が挙げられる。
【0135】
本発明で用いられるシランカップリング剤としては、日本ユニカー株式会社発行(1997年8月2日)の「NUCシリコーン シランカップリング剤」カタログに記載されているものがそのまま使え、その具体例としては、例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシ−n−プロピルトリ−n−プロピルオキシシラン、γ−メタクリロイルオキシ−n−プロピル−n−プロピルオキシシラン、ジ(γ−アクリロイルオキシ−n−プロピル)ジ−n−プロピルオキシシラン、アクリロイルオキシジメトキシエチルシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0136】
本発明で用いられる微粒子としては、無機微粒子であることが好ましく、例えば、シリカ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛等の微粒子が挙げられる。
【0137】
希土類錯体系蛍光体としては、希土類金属としてCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等を有するものが挙げられ、錯体を形成する有機配位子としては、芳香族系、非芳香族系のどちらでも良く、下記一般式(B)で表される化合物が好ましい。
【0138】
一般式(B)
Xa−(Lx)−(Lyn−(Lz)−Ya
式中、Lx、Ly、Lzはそれぞれ独立に2個以上の結合手をもつ原子を表わし、nは0または1を表わし、XaはLxの隣接位に配位可能な原子を有する置換基を表わし、YaはLZの隣接位に配位可能な原子を有する置換基を表わす。さらにXaの任意の部分とLxとは互いに縮合して環を形成してもよく、Yaの任意の部分とLzとは互いに縮合して環を形成してもよく、LxとLzとは互いに縮合して環を形成してもよく、さらに分子内に芳香族炭化水素環または芳香族複素環が少なくとも一つ存在する。ただし、Xa−(Lx)−(Lyn−(Lz)−Yaがβ−ジケトン誘導体やβ−ケトエステル誘導体、β−ケトアミド誘導体又は前記ケトンの酸素原子を硫黄原子又は−N(R201)−、(R201は水素原子、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を表す)に置き換えたもの、クラウンエーテルやアザクラウンエーテルまたはチアクラウンエーテルまたはクラウンエーテルの酸素原子を任意の数硫黄原子または−N(R201)−に置き換えたクラウンエーテルを表わす場合には芳香族炭化水素環または芳香族複素環は無くてもよい。
【0139】
一般式(B)において、XaおよびYaで表される配位可能な原子とは、具体的には酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子であり、特に酸素原子、窒素原子、硫黄原子であることが好ましい。
【0140】
一般式(B)において、Lx、Ly、Lzで表される2個以上の結合手をもつ原子としては、特に制限はないが、代表的には炭素原子、酸素原子、窒素原子、シリコン原子、チタン原子等が挙げられるが、好ましいものは炭素原子である。
【0141】
以下に一般式(B)で表される希土類錯体系蛍光体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。具体的には特開2001−143869に記載のRE−1からRE−29及びRF−1からRF−21があげられる。
【0142】
【化26】
Figure 0004972844
【0143】
【化27】
Figure 0004972844
【0144】
【化28】
Figure 0004972844
【0145】
【化29】
Figure 0004972844
【0146】
【化30】
Figure 0004972844
【0147】
【化31】
Figure 0004972844
【0148】
【化32】
Figure 0004972844
【0149】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0150】
実施例1 化合物の合成
合成例1−1 化合物(1)の合成
脱気後、窒素雰囲気下で、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム0.20gとトリ−tert−ブチルホスフィン0.1mlを脱水トルエン40mlに溶解した。その後、m−トルイジン3.6g、ブロモビフェニル8.4g、ナトリウム−tert−ブトキシド4.8gを添加し、室温で4時間加温攪拌した。その後、反応液に、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、水を加えてけいそう土で濾過した後、有機層を抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、酢酸エチルとヘキサンの比が1:14のカラムクロマトグラフィーで精製した後、アセトニトリルで再結晶し、化合物(1−1)を4.7g得た(収率60%)。
【0151】
【化33】
Figure 0004972844
【0152】
3,5−ジメチルニトロベンゼン20g、亜鉛粉末50gを、100mlのエタノール中で加熱し、還流したところで加熱を止めてから30%NaOH水溶液100mlを滴下した。沸騰がおさまったら加熱を再開し、そのまま5時間還流を行った。不溶物を濾過したあと、不溶物にはもう1度エタノール50mlを加えて還流し、濾過した濾液をまとめてエタノールを留去した。残査に酢酸エチル100ml、30%酢酸−0.5mol/L重亜硫酸ナトリウム水溶液50mlを加えて分液し、水50mlで3回洗浄後、酢酸エチルを留去して14.0gの橙色の粗製物を得た。さらにヘキサン中で再結晶を行うことにより、11.0gの化合物(1A−2)を得た。
【0153】
化合物(1A−2)11.0gを、脱気した10%塩酸500mlに溶解し、6時間還流した。放冷後、浮遊物を濾過し、20%水酸化ナトリウム溶液を白濁するまで加え、中和した。酢酸エチル200mlを加えて抽出し、硫酸マグネシウムで有機相を脱水後、酢酸エチルを留去し、10.0gの赤紫色の粗製物を得た。ヘキサン:トルエン=2:1溶液で再結晶を行い、暗赤色の粉末7.1gを得た(収率65%)。NMR、マススペクトルおよびアミン発色試薬により化合物(1A−3)であることを確認した。
【0154】
化合物(1A−3)3.4gを、30mlの10%塩酸に溶解し、氷浴中で亜硝酸ナトリウム2.14gを水21mlに溶解した溶液を撹拌しながら滴下した。滴下後1時間撹拌した後、10%臭化銅(I)−48%臭化水素溶液214ml中に注いだ。さらに50℃に加熱して4時間撹拌した。放冷後、酢酸エチル150mlで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、酢酸エチルとヘキサンの比が1:5のカラムクロマトグラフィーで精製して化合物(1A−4)を2.4g得た(収率53%)。
【0155】
脱気後、窒素雰囲気下で、酢酸パラジウム0.23gとトリ−tert−ブチルホスフィン1.0mlを脱水キシレン20mlに溶解した。その後、(1A−4)を2g、化合物(1−1)を3g、ナトリウム−tert−ブトキシド1.2gを添加し、120度で4時間加温攪拌した。その後、反応液に、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、水を加えてけいそう土で濾過した後、有機層を抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、トルエンとシクロヘキサンの比が1:4のカラムクロマトグラフィーで精製した後、トルエンで再結晶し、目的の化合物(1)を1.8g得た(収率46%)。
【0156】
NMRおよびマススペクトルにより、目的化合物(1)であることを確認した。
【0157】
【化34】
Figure 0004972844
【0158】
合成例1−2 化合物(2)の合成
脱気後、窒素雰囲気下で、ヨードデュレン2.6gを脱水キシレン20mlに溶解し、銅粉1.6g、炭酸カリウム6gを添加した。この反応液を250℃で加熱攪拌を6時間行った。反応終了後、酢酸エチルと1mol/l塩酸を加えて分液し、有機層を抽出した。硫酸マグネシウムで脱水後、溶媒を留去してビデゥレン(2A−1)を0.8g得た。
【0159】
ビデゥレン0.8gを塩化メチレン20mlに溶解し、臭素0.4mlを塩化メチレンで10倍に希釈した溶液を氷冷下で滴下した。そのまま2時間氷冷下で攪拌後、塩化メチレンを留去して淡黄色の粗製物を得た。これをアセトニトリルで再結晶を行うことにより、化合物(2A−2)を0.8gを得た(収率62%)。
【0160】
酢酸パラジウム0.1gとトリ−tert−ブチルホスフィン0.3mlを脱水キシレン15mlに溶解した。その後、(2A−2)を0.8g、化合物(1−1)を1.0g、ナトリウム−tert−ブトキシド0.4gを添加し、120度で4時間加温攪拌した。その後、反応液に、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、水を加えてけいそう土で濾過した後、有機層を抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、トルエンとシクロヘキサンの比が1:7のカラムクロマトグラフィーで精製した後、トルエンで再結晶して、化合物(2)を0.7g得た(収率45%)。
【0161】
NMRおよびマススペクトルにより、目的化合物(2)であることを確認した。
【0162】
【化35】
Figure 0004972844
【0163】
合成例1−3 化合物(5−9)の合成
2,5−ジブロモニトロベンゼン12g、銅粉6gを80mlのジメチルホルムアミドに溶解し2時間、120℃で加熱攪拌した。反応液を冷却後、けいそう土でろ過した。ろ液に水を注ぎ、再度ろ過し、得られた結晶にテトラヒドロフランと酢酸エチルと水を加えて有機層を抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去してからエタノールで再結晶させ6gの4,4′−ジブロモ−2,2′−ジニトロビフェニルを得た(収率70%)。
【0164】
4,4′−ジブロモ−2,2′−ジニトロビフェニル4gと濃塩酸20mlを溶解した50mlのエタノール溶液に、スズ4.7gを徐々に加えていった。反応液を30分加熱還流させた後、氷水にあけ、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和した。酢酸エチルを加えてから有機層を抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去してからエタノールで再結晶させ3gの4,4′−ジブロモ−2,2′−ジアミノビフェニルを得た(収率95%)。
【0165】
脱気後、窒素雰囲気下で、4,4′−ジブロモ−2,2′−ジアミノビフェニルを2g、ヨードベンゼンを10g、銅2g、炭酸カリウム6.4gを添加し、200℃で12時間加温攪拌した。その後、反応液に、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、水を加えてけいそう土で濾過した後、有機層を抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、テトラヒドロフランで再結晶し、化合物(5A−1)を1.9g得た(収率51%)。
【0166】
脱気後、窒素雰囲気下で、酢酸パラジウム0.08gとトリ−tert−ブチルホスフィン0.3mlを脱水キシレン30mlに溶解した。その後、化合物(5A−1)を1g、化合物(1−1)を1.0g、ナトリウム−tert−ブトキシド0.4gを添加し、120℃で4時間加温攪拌した。その後、反応液に、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、水を加えてけいそう土で濾過した後、有機層を抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、トルエンとヘキサンの比が1:3のカラムクロマトグラフィーで精製した後、酢酸エチルで再結晶し、目的の化合物(5−9)を0.8g得た(収率61%)。
【0167】
【化36】
Figure 0004972844
【0168】
NMRおよびマススペクトルにより、目的化合物(5−9)であることを確認した。
【0169】
合成例1−4 化合物(5−21)の合成
合成例1−3において、化合物(1−1)を3―メチルジフェニルアミンに代えた以外は、全く同様にして目的化合物(5−21)を得た。溶媒を減圧留去した後は、トルエンとヘキサンの比が1:3のカラムクロマトグラフィーで精製した後、酢酸エチルで再結晶し、化合物(5−21)を0.8g得た。
【0170】
NMRおよびマススペクトルにより、化合物(5−21)であることを確認した。融点は175〜177℃だった。
【0171】
実施例2 エレクトロルミネッセンス素子No.2−1〜2−18の作製
〈有機EL素子の作製〉
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を150nm成膜した基板(NHテクノグラス社製NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行なった。
【0172】
この透明支持基板を、市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートに、m−MTDATXA200mgを入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートに比較化合物(1)を200mg入れ、さらに別のモリブデン製抵抗加熱ボートにバソキュプロイン(BC)を200mg入れ、真空蒸着装置に取付けた。次いで、真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、m−MTDATXAの入った前記加熱ボートに通電して、220℃まで加熱し、蒸着速度0.1〜0.3nm/secで透明支持基板に蒸着し、膜厚33nmの正孔輸送層を設けた。さらに、比較化合物(1)の入った前記加熱ボートに通電して220℃まで加熱し、蒸着速度0.1〜0.3nm/secで前記正孔輸送層上に蒸着して膜厚33nmの発光層を設けた。なお、蒸着時の基板温度は室温であった。さらに、BCの入った前記加熱ボートに通電して250℃まで加熱し、蒸着速度0.1nm/secで前記発光層の上に蒸着して膜厚33nmの電子注入層を設けた。なお、蒸着時の基板温度は室温であった。
【0173】
次に、真空槽をあけ、電子注入層の上にステンレス鋼製の長方形穴あきマスクを設置し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにマグネシウム3gを入れ、タングステン製の蒸着用バスケットに銀を0.5g入れ、再び真空槽を2×10-4Paまで減圧した後、マグネシウム入りのボートに通電して蒸着速度1.5〜2.0nm/secでマグネシウムを蒸着し、この際、同時に銀のバスケットを加熱し、蒸着速度0.1nm/secで銀を蒸着し、前記マグネシウムと銀との混合物からなる対向電極とすることにより、比較用の有機EL素子2−1を作製した。
【0174】
上記で使用したm−MTDATXA、BC、比較化合物(1)の構造を以下に示す。
【0175】
【化37】
Figure 0004972844
【0176】
上記において、発光層の比較化合物(1)を表2に示す化合物に置き換えた以外は全く同じ方法で、比較の有機EL素子2−2〜2−6及び2−15を、又、本発明の有機EL素子2−7〜2−14及び2−16〜2−18を作製した。
【0177】
有機EL素子2−1〜2−18に、素子のITO電極を陽極、マグネシウムと銀からなる対向電極を陰極として最高放射エネルギー、発光寿命の評価を行った。
【0178】
比較の有機EL素子2−1〜2−6及び2−15では、発光層の化合物からの青色、または、紫青の発光が観測された。
【0179】
本発明の有機EL素子2−7では、初期駆動電圧5Vで電流が流れ始め、発光層の化合物からの青紫色の発光を示した。最高放射エネルギーが9Vにおいて、6.7W/Sr・m2であった。2−7の最高放射エネルギーを100としたときの有機EL素子試料それぞれの最高放射エネルギーの比の値(相対値)を表2に示す。
【0180】
また、2−7の素子を窒素ガス雰囲気中にて寿命試験を行った結果、初期放射エネルギー1W/Sr・m2の半減期は1320時間であった。
【0181】
有機EL素子No.2−7の発光寿命を100とした時の有機EL素子試料それぞれの発光寿命の比の値(相対値)を表2に示す。
【0182】
【表2】
Figure 0004972844
【0183】
【化38】
Figure 0004972844
【0184】
【化39】
Figure 0004972844
【0185】
表2から明らかなように、本発明の化合物を発光層に用いたエレクトロルミネッセンス素子は、最高放射エネルギーが高く、発光寿命が長いことから、有機EL素子として非常に有用であることが判明した。
【0186】
なお、発光色によって、視感度が大きく異なるため、輝度ではなく最高放射エネルギーで比較を行った。
【0187】
実施例3
実施例2において、発光層に使用する化合物をDMPhenとし、正孔輸送層に使用する化合物を表3に記載の化合物として、実施例2と同様にして、有機エレクトロルミネッセンス素子No.3−1〜3−15を作製した。
【0188】
【化40】
Figure 0004972844
【0189】
本発明の有機EL素子3−7では、初期駆動電圧5Vで電流が流れ始め、青紫色の発光を示した。最高放射エネルギーが11Vにおいて、18.3W/Sr・m2であった。3−7の最高放射エネルギーを100としたときの有機EL素子試料それぞれの最高放射エネルギーの比の値(相対値)を表3に示す。
【0190】
また、3−7の素子を窒素ガス雰囲気中にて寿命試験を行った結果、初期放射エネルギー1W/Sr・m2の半減期は440時間であった。
【0191】
最高放射エネルギー、発光寿命は有機EL素子3−7の値を100とした時の相対値で表した。結果を表3に示す。
【0192】
【表3】
Figure 0004972844
【0193】
表3から明らかなように、本発明の化合物を正孔輸送層に用いたエレクトロルミネッセンス素子は、最高放射エネルギーが高く、発光寿命が長いことから、有機EL素子として非常に有用であることが判明した。
【0194】
実施例4 有機エレクトロルミネッセンス素子4−1〜4−33の最高到達輝度および連続発光後の輝度半減時間の評価
〈無機系蛍光体を用いた色変換フィルターの作製〉
平均粒径5nmのエアロジル0.16gにエタノール15gおよびγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン0.22gを加えて開放系室温下1時間攪拌した。この混合物と(RL−10)20gとを乳鉢に移し、よくすり混ぜた後、70℃のオーブンで2時間、さらに120℃のオーブンで2時間加熱し、表面改質した(RL−10)を得た。
【0195】
同様にして、(GL−13)、(BL−3)の表面改質も行った。
上記の表面改質を施した(RL−10)10gに、トルエン/エタノール=1/1の混合溶液(300g)で溶解されたブチラール(BX−1)30gを加え、攪拌した後、ウエット膜厚200μmでガラス上に塗布した。得られた塗布済みガラスを100℃のオーブンで4時間加熱乾燥して、本発明の色変換フィルター(F−R)を作製した。
【0196】
また、これと同じ方法で(GL−13)、(BL−3)を塗設した色変換フィルター(F−G)、(F−B)を作製した。
【0197】
実施例2で作製した有機EL素子2−1〜2−18及び実施例3で作製した有機EL素子3−1〜3−15の基板上に、青色変換層として、色変換フィルター(F−B)、緑色変換層として色変換フィルター(F−G)、赤色変換層として色変換フィルター(F−R)をそれぞれ1.5mm間隔でそれぞれ貼り付けて、有機EL素子No.4−1〜4−33を作製した。
【0198】
有機EL素子4−1〜4−33の各々に、温度23℃、乾燥窒素ガス雰囲気下で9V直流電圧を印加し、各青、緑、赤の発光輝度、色度座標、および輝度の半減する時間をミノルタ製CS−1000を用いて測定した。最高到達輝度、発光寿命は有機EL素子4−7の最高到達輝度,発光寿命を100とした時の相対値で表した。結果を表4に示す。
【0199】
尚、有機EL素子の4−1〜4−33について赤色、緑色、青色の発光極大波長はそれぞれ、660nm、515nm、432nmであった。
【0200】
【表4】
Figure 0004972844
【0201】
表4より明らかなように、本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、最高到達輝度,発光寿命が高く色的にも極めて望ましいものであることから、有機EL素子として非常に有用であることが判明した。
【0202】
【発明の効果】
本発明によって、青紫〜近紫外で発光する高輝度で長寿命の有機EL素子を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機エレクトロルミネッセンス素子の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 発光層
2 陽極
3 陰極
4 色変換層
5 ガラス基板
6 電子輸送層
7 正孔輸送層

Claims (2)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004972844
    〔式中、R 5 乃至R 13 又はR 24 乃至R 28 はそれぞれ水素原子、メチル基、t−ブチル基、メトキシ基、t−ブトキシカルボニル基、又は、メチル基、メトキシ基、t−ブトキシ基を置換基として有しても良いフェニル基を表す。R 14 乃至R 23 は水素原子、メチル基、t−ブチル基、メトキシ基、t−ブトキシカルボニル基、又は、メチル基、t−ブチル基、メトキシ基、t−ブトキシ基を置換基として有してもよいフェニル基を表すが、R 14 乃至R 18 の少なくとも一つ且つR 19 乃至R 23 の少なくとも一つはメチル基、t−ブチル基、メトキシ基、t−ブトキシ基を置換基として有しても良いフェニル基を表す。R 1 、R 2 、R 3 、及びR 4 はそれぞれメチル基、塩素原子又はトリフルオロメチル基を表す。〕
  2. 下記一般式(II)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004972844
    〔式中、R 55 乃至R 78 はそれぞれ水素原子、メチル基、又は、t−ブチル基を置換基として有しても良いフェニル基を表す。R 51 、R 52 、R 53 及びR 54 は水素原子、ジフェニルアミノ基、無置換のフェニル基、シクロアルキル基、アシルアミノ基を表すが、少なくとも一つはジフェニルアミノ基、無置換のフェニル基、シクロアルキル基、アシルアミノ基を表す。〕
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