JP3278975B2 - クマリン誘導体 - Google Patents
クマリン誘導体Info
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Description
ルミネッセンス(EL)素子等の発光材料に関するもの
で、詳しくは新規なクマリン誘導体に関するものであ
る。
に着目し、有機化合物のEL性能を利用した素子の研究
は古くから行われている。例えば、ヘルフリッシュとウ
ィリアムス(W.Helfrish.and Dresmer.Williams)らはア
ントラセン結晶を用い、青色発光を得ている(ジャーナ
ル オブ ケミカル フィジックス、44巻、2902
ページ、1966年 J.Chem.Phys.,44,2902(1966))。
また、タンとバンスライク(C.W.Tangand S.A.Vanslyke
)はオキシン錯体を用いて、緑色の発光を得ている
(アプライド フィジックス レター、51巻、21ペ
ージ、1987年 Appl.Phys.Lett.,51(12),21(198
7))。しかしいずれも実用化するために充分な条件を備
えていない。例えば、前者では駆動電圧が高い、後者で
は発光層が正孔注入能を持っていないために正孔注入層
を含む積層構造を必要とし、さらに電子注入能を持つ8
−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体(Alq3 )の
発光波長より短波長の発光を得る事が難しいなどの問題
点があった。一方、クマリン誘導体をEL素子に応用し
た報告がある(特開平4−300991)。しかしなが
ら、一般にクマリン誘導体は固体では濃度消光を起こ
し、蛍光の強度は低いという欠点を持つ。そこで、本発
明者等は新規クマリン誘導体、特にEL素子の1成分と
して有効に機能(電荷の注入機能と輸送機能、発光機能
および良好な薄膜特性等)する新規な化合物を開発すべ
く鋭意研究を重ねた。
ルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アルカ
ノイルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリー
ル基、シアノ基、アルカノイル基またはトリフルオロメ
チル基を示し、XはOまたはNY(Yはアルキル基また
はアリール基を示す)を示し、nは1,2,3または4
を示す]で表されるクマリン誘導体がEL素子の1成分
として有用であることを見い出し、本発明を完成した。
以上の記述から明らかなように、本発明の目的は、EL
素子の成分として有用な新規化合物、特に電荷注入およ
び輸送能を持ち、良好な薄膜特性を示す発光材料を提供
する事である。
し(2)の各構成を有する。(1)一般式
ルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アルカ
ノイルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリー
ル基、シアノ基、アルカノイル基またはトリフルオロメ
チル基を示し、XはOまたはNY(Yはアルキル基また
はアリール基を示す)を示し、nは1,2,3または4
を示す]で表されるクマリン誘導体。(2)前記第1項
記載の化合物を用いた電界発光素子。
る。本発明の化合物の具体例としては、下記の化合物を
挙げる事ができる。
は、以下のようにして製造できる。すなわち、[化1
3]で表されるクマリン誘導体(式中、R1 ,R2 ,R
3 ,R4 ,R5 およびXは前記と同じ)と[化14]で
表されるカルバゾール誘導体(nは前記と同じであり、
Zは塩素、臭素、沃素、トシルオキシ基、メシルオキシ
基またはトリフルオロメシルオキシ基を表す)を塩基の
存在下に反応させる事によって本発明の化合物を得る事
ができる。ここで用いられる溶媒としては、特に制限が
なく、基質を溶解し得るものならば良い。また、用いら
れる塩基としても特に制限がなく通常用いられる物で良
い。例えば、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水素化ナ
トリウム、トリアルキルアミン、芳香族アミン等があげ
られる。
圧で高輝度の発光が可能なEL素子の1成分として有効
に利用できるものである。特に固体状態においても、ア
ルキルカルバゾリル基を導入したために、濃度消光など
による蛍光強度の低下がほとんど見られない。また、本
発明の化合物は、電荷注入または電荷輸送能を持つ。こ
れは、クマリン骨格自体が有する性質に加えて、アルキ
ルカルバゾリル基を導入した効果があらわれたことによ
る。
は、各種の態様があるが、基本的には一対の電極(陽極
と陰極)間に、前記発光層を挟持した構成とし、これに
必要に応じて、正孔注入層や電子注入層を介在させれば
よい。具体的には(1)陽極/発光層/陰極、(2)陽
極/正孔注入層/発光層/陰極、(3)陽極/発光層/
電子注入層/陰極、(4)陽極/正孔注入層/発光層/
電子注入層/陰極などの構成を挙げることができる。該
正孔注入層や電子注入層は、必ずしも必要ではない。ま
た、前記構成の素子においては、いずれも基板に支持さ
れていることが好ましく、該基板については特に制限は
なく、従来EL素子に慣用されているもの、例えばガラ
ス、透明プラスチック、石英などから成るものを用いる
ことができる。
層として有用である。この発光層は、例えば蒸着法、ス
ピンコート法、キャスト法等の公知の方法によって、
[化12]の化合物を薄膜化する事により形成すること
ができるが、特に分子堆積膜とすることが好ましい。こ
こで分子堆積膜とは、該化合物の気相状態から沈着され
形成された薄膜や、該化合物の溶液状態または液相状態
から固体化され形成された膜のことであり、例えば、蒸
着膜などを示すが、通常この分子堆積膜はLB法により
形成された薄膜(分子累積膜)とは区別することができ
る。また、該発光層は、特開昭59−194393号公
報などに開示されているように、樹脂などの結着剤と該
化合物とを、溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピ
ンコート法などにより薄膜化し、形成することができ
る。
ついては特に制限はなく、適宜状況に応じて選ぶことが
できるが、通常2nmないし5000nmの範囲で選定
される。この様にして作製された本発明の化合物よりな
る発光層は、置換基の位置、種類または数によりその色
を様々に変化させることができる。例えば実施例1で示
される化合物は青色に発光し、実施例4で示される化合
物は橙色に発光する。
関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化
合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好まし
く用いられる。このような電極物質の具体例としてはA
uなどの金属、CuI,ITO,SnO2 ,ZnOなど
の誘電性透明材料が挙げられる。該陽極は、これらの電
極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜
を形成させることにより作製することができる。この電
極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大
きくすることが望ましく、また、電極としてのシート抵
抗は数百Ω/mm以下が好ましい。さらに膜厚は材料に
もよるが、通常10nmないし1μm、好ましくは10
〜200nmの範囲で選ばれる。
(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれ
らの混合物を電極物質とするものが用いられる。このよ
うな電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウ
ム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシ
ウム/銅混合物、Al/A102 、インジウムなどが挙
げられる。該陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッ
タリングなどの方法により、薄膜を形成させることによ
り、作製することができる。また、電極としてのシート
抵抗は数百Ω/mm以下が好ましく、膜厚は通常10n
mないし1μm、好ましくは50〜200nmの範囲で
選ばれる。なお、このEL素子においては、該陽極また
は陰極のいずれか一方が透明または半透明であること
が、発光を透過するため、発光の取出し効率がよく好都
合である。
は、前記したように、各種の態様があり、前記(2)ま
たは(4)の構成のEL素子における正孔注入層(正孔
注入輸送層)は、正孔伝達化合物からなる層であって、
陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有
し、この正孔注入層を陽極と発光層との間に介在させる
ことにより、より低い電界で多くの正孔が発光層に注入
され、その上、発光層に陰極または電子注入層より注入
された電子は、発光層と正孔注入層の界面に存在する電
子の障壁により、この発光層内の界面付近に蓄積され発
光効率が向上するなど、発光性能の優れた素子となる。
前記正孔注入層に用いられる正孔伝達化合物は、電界を
与えられた2個の電極間に配置されて陽極から正孔が注
入された場合、該正孔を適切に発光層へ伝達しうる化合
物であって、例えば、104 〜106 V/cmの電界印
加時に、少なくとも10-6cm2 /V・秒の正孔移動度
をもつものが好適である。このような正孔伝達化合物に
ついては、前記の好ましい性質を有する物であれば特に
制限はなく、本発明の化合物ばかりでなく、従来、光導
電材料において、正孔の電荷輸送材料として慣用されて
いるものやEL素子の正孔注入層に使用される公知のも
のの中から任意のものを選択して用いることができる。
ール誘導体(米国特許第3,112,197号明細書な
どに記載のもの)、オキサジアゾール誘導体(米国特許
第3,189,447号明細書などに記載のもの)、イ
ミダゾール誘導体(特公昭37−16096号公報など
に記載のもの)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特
許第3,615,402号明細書、同3,820,98
9号明細書、同3,542,544号明細書、特公昭4
5−555号公報、同51−10983号公報、特開昭
51−93224号公報、同55−17105号公報、
同56−4148号公報、同55−108667号公
報、同55−156953号公報、同56−36656
号公報などに記載のもの)、ピラゾリン誘導体及びピラ
ゾロン誘導体(米国特許第3,180,729号明細
書、同4,278,746号明細書、特開昭55−88
064号公報、同55−88065号公報、同49−1
05537号公報、同55−51086号公報、同56
−80051号公報、同56−88141号公報、同5
7−45545号公報、同54−112637号公報、
同55−74546号公報などに記載のもの)、フェニ
レンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404号
明細書、特公昭51−10105号公報、同46−37
12号公報、同47−25336号公報、特開昭54−
53435号公報、同54−110536号公報、同5
4−119925号公報などに記載のもの)、アリール
アミン誘導体(米国特許第3,567,450号明細
書、同3,180,703号明細書、同3,240,5
97号明細書、同3,658,520号明細書、同4,
232,103号明細書、同4,175,961号明細
書、同4,012,376号明細書、特公昭49−35
702号公報、同39−27577号公報、特開昭55
−144250号公報、同56−119132号公報、
同56−22437号公報、西独特許第1,110,5
18号明細書などに記載のもの)、アミノ置換カルコン
誘導体(米国特許第3,526,501号明細書などに
記載のもの)、オキサゾール誘導体(米国特許第3,2
57,203号明細書などに記載のもの)、スチリルア
ントラセン誘導体(特開昭56−46234号公報など
に記載のもの)、フルオレノン誘導体(特開昭54−1
10837号公報などに記載のもの)、ヒドラゾン誘導
体(米国特許第3,717,462号明細書、特開昭5
4−59143号公報、同55−52063号公報、同
55−52064号公報、同55−46760号公報、
同55−85495号公報、同57−11350号公
報、同57−148749号公報などに記載されている
もの)、スチルベン誘導体(特開昭61−210363
号公報、同61−228451号公報、同61−146
42号公報、同61−72255号公報、同62−47
646号公報、同62−36674号公報、同62−1
0652号公報、同62−30255号公報、同60−
93445号公報、同60−94462号公報、同60
−174749号公報、同60−175052号公報に
記載のもの)などを挙げることができる。
用することができるが、次に示すポリフィリン化合物
(特開昭63−295695号公報などに記載のもの)
及び芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合
物(米国特許第4,127,412号明細書、特開昭5
3−27033号公報、同54−58445号公報、同
54−149634号公報、同54−64299号公
報、同55−79450号公報、同55−144250
号公報、同56−119132号公報、同61−295
558号公報、同61−98353号公報、同63−2
95695号公報などに記載のもの)、特に該芳香族第
三級アミン化合物を用いることが好ましい。
ポリフィリン;5,10,15,20−テトラフェニル
−21H,23H−ポリフィリン銅(II);5,10,
15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポリフ
ィリン亜鉛(II);5,10,15,20−テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)−21H,23H−ポリフ
ィリン;シリコンフタロシアニンオキシド;アルミニウ
ムフタロシアニンクロリド;フタロシアニン(無金
属);ジリチウムフタロシアニン;銅テトラメチルフタ
ロシアニン;銅フタロシアニン;クロムフタロシアニ
ン;亜鉛フタロシアニン;鉛フタロシアニン;チタニウ
ムフタロシアニンオキシド;マグネシウムフタロシアニ
ン;銅オクタメチルフタロシアニン;などが挙げられ
る。
ミン化合物の代表例としては、N,N,N’,N’−テ
トラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル;N,
N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニ
ル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TPD);2,
2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパ
ン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニ
ル)シクロヘキサン;N,N,N’,N’−テトラ−p
−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル;1,1−ビ
ス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニ
ルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メ
チルフェニル)フェニルメタン;N,N’−ジフェニル
−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−
ジアミノビフェニル;N,N’−テトラフェニル−4,
4’−ジアミノビフェニルエーテル;4,4’−ビス
(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N
−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルア
ミン)−4’−[4(ジ−p−トリルアミン)スチリ
ル]スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2
−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4’−
N,N−ジフェニルアミノスチルベン;N−フェニルカ
ルバゾールなどが挙げられる。
れらの正孔伝達化合物一種または二種以上からなる一層
で構成されてもよいし、あるいは、前記層とは別種の化
合物からなる正孔注入層を積層したものであってもよ
い。前記(3)または(4)の構成のEL素子における
電子注入層(電子注入輸送層)は、電子伝達化合物から
なるものであって、陰極より注入された電子を発光層に
伝達する機能を有している。このような電子伝達化合物
について特に制限はなく、本発明の化合物ばかりでな
く、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用
いる事ができる。該電子伝達化合物の好ましい例として
は、
ント(Polymer Preprints ),ジャパン」37,9,681(198
8)]などに記載のもの、あるいは
のもの]や、アントラキノジメタン誘導体(特開昭57
−149259号公報、同58−55450号公報、同
61−225151号公報、同61−233750号公
報、同63−104061号公報などに記載のもの)、
フルオレニリデンメタン誘導体(特開昭60−6965
7号公報、同61−143764号公報、同61−14
8159号公報などに記載のもの)、アントロン誘導体
(特開昭61−225151号公報、同61−2337
50号公報などに記載のもの)などを挙げることができ
る。
作製する好適な方法の例を各構成の素子それぞれについ
て説明する。前記の陽極/発光層/陰極からなるEL素
子の作製法について説明すると、まず適当な基板上に、
所望の電極物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を、1
μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚に
なるように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形
成させ、陽極を作製したのち、この上に発光材料である
一般式(I)で表される化合物の薄膜を形成させ、発光
層を設ける。該発光材料の薄膜化の方法としては、例え
ば、スピンコート法、キャスト法、蒸着法などがある
が、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成し
にくいなどの点から蒸着法が好ましい。
する場合、その蒸着条件は、使用する発光層に用いる有
機化合物の種類、分子累積膜の目的とする結晶構造、会
合構造などにより異なるが、一般にボート加熱温度50
〜400℃、真空度10-5〜10-3Pa、蒸着速度0.
01〜50nm/sec、基板温度−50〜+300
℃、膜厚5nmないし5μmの範囲で適宜選ぶ事が望ま
しい。次にこの発光層の形成後、その上に陰極用物質か
らなる薄膜を、1μm以下、例えば蒸着やスパッタリン
グ等の方法により形成させ、陰極を設けることにより、
所望のEL素子が得られる。なお、このEL素子の作製
においては、作製順序を逆にして、陰極、発光層、陽極
の順に作製することも可能である。
らなるEL素子の作製法について説明すると、まず、陽
極を前記のEL素子の場合と同様にして形成した後、そ
の上に、正孔伝達化合物からなる薄膜を蒸着法などによ
り形成し、正孔注入層を設ける。この際の蒸着条件は、
前記発光材料の薄膜形成の蒸着条件に準じれば良い。次
に、この正孔注入層の上に、順次発光層及び陰極を、前
記EL素子の作製の場合と同様にして設けることによ
り、所望のEL素子が得られる。なお、このEL素子の
作製においても、作製順序を逆にして、陰極、発光層、
正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。ま
た、陽極/発光層/電子注入層/陰極からなるEL素子
の作製法について説明すると、まず、陽極を前記のEL
素子の場合と同様にして形成した後、その上に、前記の
蒸着条件に準じ発光材料からなる薄膜を形成し、発光層
を設ける。次に、この発光層の上に、電子伝達化合物か
らなる薄膜を蒸着法等により形成し、電子注入層を設
け、ついでこの上に、陰極を前記EL素子の作製の場合
と同様にして設けることにより、所望のEL素子が得ら
れる。なお、このEL素子の作製においても、作製順序
を逆にして、陰極、電子注入層、発光層、陽極の順に作
製することも可能である。さらに、陽極/正孔注入層/
発光層/電子注入層/陰極からなるEL素子の作製法に
ついて説明すると、前記のEL素子の場合と同様にし
て、陽極、正孔注入層、発光層、電子注入層、陰極を順
次設けることにより所望のEL素子が得られる。なお、
このEL素子の作製においても、作製順序を逆にして、
陰極、発光層、正孔注入層、陽極の順に作製することも
可能である。
電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性と
して電圧5〜40V程度を印加すると、発光が透明また
は半透明の電極側より観測できる。また、逆の極性で電
圧を印加しても電流は流れずに発光は全く生じない。さ
らに、交流電圧を印加する場合には、陽極が+、陰極が
−の状態になったときのみ発光する。なお印加する交流
の波形は任意でよい。次に、該EL素子の発光メカニズ
ムについて、陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰極の構
成の場合を例にあげて説明する。前記陽極を+、陰極を
−の極性として電圧を印加すると、該陽極より正孔注入
層内に電界により注入される。この注入された正孔は、
該正孔注入輸送層内を発光層との界面に向けて輸送さ
れ、この界面から発光機能が発現される領域(例えば発
光層)に注入または輸送される。一方、電子は、陰極か
ら発光層内に電界により注入され、さらに輸送され、正
孔のいる領域、すなわち、発光機能が発現される領域で
正孔と再結合する(この意味で、前記領域は再結合領域
といってもよい)。この再結合が行われると、分子、そ
の会合体または結晶などの励起状態が形成され、これが
光に変換される。なお、再結合領域は、正孔注入輸送層
と発光層との界面でもよいし、発光層と陰極との界面で
もよく、あるいは両界面より離れた発光層中央部であっ
てもよい。これは使用する化合物の種類、その会合や結
晶構造により変わる。
に詳しく説明する。 実施例1 4−メチル−7−(2−カルバゾリルエチ
ル)ウンベリフェロンの合成 4−メチルウンベリフェロン0.88gと炭酸カリウム
1.38gのアセトン溶液にN−(2−トシルオキシエ
チル)カルバゾール2.74gのアセトン溶液を加え
た。5時間還流後、固体をろ別してアセトンを留去し
た。トルエンと水をそれぞれ50ml加え有機層に抽出
後、さらに2回水洗し硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し
た。酢酸エチルで再結晶し、真空下で乾燥した。収量は
0.24gであった。この化合物のクロロホルム中での
蛍光のλmaxは424nmであった。
(2−カルバゾリルエチル)ウンベリフェロンの合成 実施例1で用いた4−メチルウンベリフェロンを4−ト
リフルオロメチルウンベリフェロンに代えて、実施例1
に準ずる方法で合成した。
(2−カルバゾリルエチル)ウンベリフェロンの合成 実施例1で用いた4−メチルウンベリフェロンを3−エ
トキシカルボニルウンベリフェロンに代えて、実施例1
に準ずる方法で合成した。この化合物のクロロホルム中
での蛍光のλmaxは497nmであった。
(2−カルバゾリルエチル)ウンベリフェロンの合成 実施例1で用いた4−メチルウンベリフェロンを3−ベ
ンゾオキサゾリルウンベリフェロンに代えて、実施例1
に準ずる方法で合成した。この化合物のクロロホルム中
での蛍光のλmaxは462nmであった。
(2−カルバゾリルエチル)ウンベリフェロンの合成 実施例1で用いた4−メチルウンベリフェロンを3−ベ
ンゾチアゾリルウンベリフェロンに代えて、実施例1に
準ずる方法で合成した。
(2−カルバゾリルエチル)ウンベリフェロンの合成 実施例1で用いた4−メチルウンベリフェロンを3−ベ
ンゾイミダゾリルウンベリフェロンに代えて、実施例1
に準ずる方法で合成した。
(2−カルバゾリルエチル)ウンベリフェロンの合成 実施例1で用いた4−メチルウンベリフェロンを3,
4,8−トリメチルウンベリフェロンに代えて、実施例
1に準ずる方法で合成した。
ゾリルエチル)−4,6−ジメチル−7−アミノクマリ
ンの合成 実施例1で用いた4−メチルウンベリフェロンをN−エ
チル−4,6−ジメチル−7−アミノクマリンに代え
て、実施例1に準ずる方法で合成した。
Oを蒸着法にて50nmの厚さで製膜したもの(東京三
容真空(株)製)を透明支持基板とした。この透明支持
基板を市販の蒸着装置(真空機工(株)製)の基板ホル
ダーに固定し、石英製のるつぼにTPDを入れ、また別
のるつぼに実施例1で得られた化合物をそれぞれ別に入
れて真空槽を1×10-4Paまで減圧した。その後TP
D入りの前記るつぼを加熱し、TPDを蒸着速度0.1
〜0.2nm/秒で透明支持基板上に蒸着して、膜厚5
0nmの正孔注入層を製膜させた。次いで、これを真空
槽より取り出す事なく、正孔注入層の上に、もう一つの
るつぼより実施例1で得られた化合物を発光層として5
0nm蒸着した。蒸着速度は0.1〜0.2nm/秒で
あった。これを真空槽より取り出し、上記発光層の上に
アルミニウム製のマスクを設置し、再び基板ホルダーに
固定した。次に、グラファイト製のるつぼにマグネシウ
ムを入れ、また別のるつぼに銀を装着した。その後真空
槽を2×10-4Paまで減圧してから、マグネシウムを
1.2〜2.4nm/秒の蒸着速度で、同時にもう一方
のるつぼから銀を0.1〜0.2nm/秒の蒸着速度で
蒸着した。上記条件でマグネシウムと銀の混合金属電極
を発光層の上に200nm積層蒸着して対向電極とし、
素子を形成した。ITO電極を陽極、マグネシウムと銀
の混合電極を陰極として、得られた素子に、直流電圧1
1Vを印加すると電流が10mA/cm2 程度流れ、青
色の発光を得た。
Oを蒸着法にて100nmの厚さで製膜したもの(東京
三容真空(株)製)を透明支持基板とした。この透明支
持基板を市販の蒸着装置(真空機工(株)製)の基板ホ
ルダーに固定し、石英製のるつぼにTPDを入れ、また
別のるつぼに実施例4で得られた化合物をそれぞれ別に
入れて真空槽を1×10-4Paまで減圧した。その後T
PD入りの前記るつぼを加熱し、TPDを蒸着速度0.
1〜0.2nm/秒で透明支持基板上に蒸着して、膜厚
50nmの正孔注入層を製膜させた。次いで、これを真
空槽より取り出す事なく、正孔注入層の上に、もう一つ
のるつぼより実施例4で得られた化合物を発光層として
50nm蒸着した。蒸着速度は0.1〜0.2nm/秒
であった。これを真空槽より取り出し、上記発光層の上
にアルミニウム製のマスクを設置し、再び基板ホルダー
に固定した。次に、グラファイト製のるつぼにマグネシ
ウムを入れ、また別のるつぼに銀を装着した。その後真
空槽を2×10-4Paまで減圧してから、マグネシウム
を1.2〜2.4nm/秒の蒸着速度で、同時にもう一
方のるつぼから銀を0.1〜0.2nm/秒の蒸着速度
で蒸着した。上記条件でマグネシウムと銀の混合金属電
極を発光層の上に200nm積層蒸着して対向電極と
し、素子を形成した。ITO電極を陽極、マグネシウム
と銀の混合電極を陰極として、得られた素子に、直流電
圧12Vを印加すると電流が10mA/cm2 程度流
れ、橙色の発光を得た。
および数を変えることにより、様々な発光色が得られる
ためEL素子の発光層の1成分として適している。ま
た、電荷輸送性に優れることからEL素子の電荷輸送層
として適している。さらに固体状態においても、蛍光の
強度が強いため、これらを用いることにより、フルカラ
ーディスプレー等の高効率な発光素子が作成できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 [式中、R1 〜R5 はそれぞれ独立に水素、フッ素、ア
ルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アルカ
ノイルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリー
ル基、シアノ基、アルカノイル基またはトリフルオロメ
チル基を示し、XはOまたはNY(Yはアルキル基また
はアリール基を示す)を示し、nは1,2,3または4
を示す]で表されるクマリン誘導体。 - 【請求項2】 請求項第1項記載の化合物を用いた電界
発光素子。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP11399093A JP3278975B2 (ja) | 1993-04-16 | 1993-04-16 | クマリン誘導体 |
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Family
ID=14626302
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Country Status (1)
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-
1993
- 1993-04-16 JP JP11399093A patent/JP3278975B2/ja not_active Expired - Lifetime
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