JP4972246B2 - 熱可塑性加硫ゴム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性エラストマー組成物であって、当該組成物のエラストマー成分をヒドロシリル化架橋して調製した組成物に関する。熱可塑性エラストマー組成物は、一般に、従来の熱可塑性物質と同様の方法で加工され得且つ再利用され得、その上、使用温度において加硫されたゴムと同様の性質及び機能を有する、ポリマー又はポリマー類のブレンドとして定義される。高度に加硫されたゴム様ポリマーが熱可塑性マトリックス内に十分に親和して分散されている高性能熱可塑性エラストマー組成物は、一般に、熱可塑性加硫ゴムとして知られている。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性と弾性の性質両者の組み合わせを有するポリマー・ブレンドは、一般に、熱可塑性の連続相中に、エラストマー成分が不連続微粒子相として十分に親和して且つ均一に分散されるような方法で、熱可塑性樹脂をエラストマー組成物と組み合わせることによって得られる。加硫されたゴム成分を用いた早期の研究は、米国特許第3,037,954号中に見られる。この特許は、ゴムの静的加硫も動的加硫の技術(当該技術においては、加硫可能なエラストマーが、溶融樹脂状熱可塑性ポリマー中に分散され、且つ、それらのブレンドが連続的に混合され且つ剪断されつつ、エラストマーが硬化される)も、両者共に開示している。結果として得られる組成物は、熱可塑性ポリマーの未硬化のマトリックス中における、硬化したエラストマーのミクロゲル分散物である。
【0003】
米国特許再審査第32,028号には、オレフィン熱可塑性樹脂及びオレフィン共重合体を含むポリマー・ブレンドであって、ゴムが部分硬化の状態まで動的に加硫されているものが記載されている。結果として得られる組成物は、再加工可能である。更に、米国特許第4,130,534号及び同第4,130,535号は、それぞれ、ブチルゴム及びポリオレフィン樹脂を含む熱可塑性加硫ゴム及びオレフィンゴム及びポリオレフィン樹脂を含む熱可塑性加硫ゴムを開示する。これらの組成物は、動的加硫によって調製され、且つ、ゴム成分は、従来の溶剤に本質的に不溶性であるという程度まで硬化される。架橋又は硬化の程度、ゴムの加硫のための剤(過酸化物類、硫黄類、フェノール樹脂類、放射線等を包含する)は、初期の技術に記載されている。
【0004】
米国特許第4,803,244号は、ヒドロシリル化によって熱可塑性エラストマーのゴム成分を架橋するための剤として、触媒と共に多官能有機珪素化合物を使用することを一般的に論じている。ヒドロシリル化は、しばしば遷移金属触媒を用いる、多重結合への水素化珪素の付加を包含する。この特許は、34%(熱可塑性相についての補正後)までのゲル含有率を有する熱可塑性エラストマーを生ずるための、ポリプロピレンとのブレンド中におけるEPDMゴムのロジウムで触媒されたヒドロシリル化を記載している。この加硫の程度は、触媒を高レベルで用いたときのみ達成された。
【0005】
熱可塑性エラストマー組成物中におけるゴムのヒドロシリル化架橋の更なる改良が、欧州特許出願公開公報(A2)第0,776,937号及び同第0,651,009号中で論じられている。ゴムに対してある親和性を有する成分と熱可塑性樹脂に対してある親和性を有する成分とを同じ分子中に含む相溶化剤が、組成物に組込まれ、且つ、凝集を防ぐために、ゴムと樹脂との間の付着を改良すると言われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、機械的特性に優れた熱可塑性加硫ゴムの提供を目的とする。また、本発明は、ヒドロシリル化架橋剤を用いてゴムを動的加硫し、熱可塑性加硫ゴムを製造するための、改良された方法の提供を目的とする。更に、本発明は、機械的特性に優れた熱可塑性加硫ゴムを提供するための、ヒドロシリル化架橋を通じたゴムの動的加硫方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱可塑性エラストマー組成物中のゴムのヒドロシリル化架橋のための方法が、低重合度(即ち、30まで)のヒドロシリル化架橋剤を用いるか、当該組成物にヒドロシリル化架橋剤を添加する前に油中に当該架橋剤を希釈するか、あるいはこれらの組み合わせによって改良され得る、という発見に基づく。これらの組み合わせを採用すると、エラストマーを十分に加硫された状態にするために、急速な架橋が提供されるが、一方で、硬化を達成するために、ヒドロシリル化架橋剤及び触媒について、意外なほど低い濃度しか要求されない。本発明においては、優れた機械特性を有する組成物(熱可塑性加硫ゴム)を製造するために、相溶化剤は要求されない。
【0008】
本発明の更なる態様においては、添加剤類(これらは、熱可塑性エラストマー組成物中において、残存する水素化珪素官能基と反応する)が、工程中に組込まれる。これは、更に改良された、長期にわたって耐熱老化特性を示す組成物をもたらす。
【0009】
改良された方法によって製造された組成物は、種々様々な用途において、特に、成形又は押出しが含まれており、熱可塑性と弾性の性質の組合わせが利点を提供する場合に、熱硬化性ゴム化合物の代替品としての有用性を有する。典型的な用途は、自動車のボンネットの下の部品のための成形品類、工業及び建築材料類、機械のゴム製品類、ホース、チューブ及びガスケットのような工業部品類、電気用途及び家庭用品類を包含する。
【0010】
即ち、本発明は、熱可塑性加硫ゴムの製造方法であって、a)熱可塑性樹脂とゴムを溶融状態でブレンドし、それらのブレンドを作る;b)油で希釈されたヒドロシリル化(hydrosilylation)架橋剤を、前記熱可塑性樹脂、前記ゴム又はそれらのブレンドに添加する;c)ヒドロシリル化触媒を、前記熱可塑性樹脂、前記ゴム又はそれらのブレンドに添加する;及びd)前記ブレンド中において、前記ゴムを前記ヒドロシリル化架橋剤で架橋させることを含む方法を提供する。
【0011】
また、本発明は、a)架橋されたゴム;b)前記ゴムとブレンドされた熱可塑性樹脂;及びc)任意に、充填剤、エキステンダー油及び可塑剤からなる群から選択された一種以上を含む熱可塑性加硫ゴムであって、前記の架橋されたゴムは、ヒドロシリル化触媒の存在下において、前記ゴム中の残存不飽和炭素−炭素二重結合と反応した20以下の重合度を有するヒドロシリル化架橋剤の反応生成物である架橋を含むものである熱可塑性加硫ゴムを提供する。
【0012】
更に、本発明は、熱可塑性の相の存在下において、ヒドロシリル化架橋を通じてゴムを動的加硫する方法であって、a)溶融熱可塑性樹脂とゴムとを混合する;b)20以下の重合度を有するヒドロシリル化架橋剤とヒドロシリル化触媒を、前記溶融熱可塑性樹脂、前記ゴム又はそれらの組み合せに添加する;及びc)前記ゴムを前記ヒドロシリル化架橋剤で架橋することを含む方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
熱可塑性エラストマー組成物は、一般に、熱可塑性樹脂とゴムをブレンドし、その後、熱可塑性成分を溶融させ、ブレンドが均質になるまでその溶融物を混合することによって調製され得る。熱可塑性マトリックス中に加硫されたゴムが存在する組成物が望まれるならば、ブレンドに架橋剤(硬化剤又は加硫剤とも称される)を添加すれば、混合の間に架橋が生じる。この後者のプロセスは、動的加硫と記載される。
【0014】
広範囲の熱可塑性樹脂及びゴム、及び/又はそれらの混合物が、熱可塑性エラストマーの調製に使用される。熱可塑性樹脂の例には、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、極低密度ポリエチレン(VLDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、環状オレフィンのホモポリマー類、コポリマー類、オレフィン性ブロックコポリマー類、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド及びエチレン・プロピレンコポリマー(EP)が包含される。エラストマーの例には、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、様々なイソブチレンコポリマー類及び天然ゴム(NR)が包含される。エラストマー成分が架橋される場合、硫黄、過酸化物類、フェノール性化合物類及びイオン性化合物類のような剤が、しばしば使用される。
【0015】
ヒドロシリル化架橋剤
ヒドロシリル化は、架橋方法としても開示されている。この方法では、熱可塑性樹脂とヒドロシリル化触媒の存在下で、その分子中に少なくとも二つのSi−H基を有する水素化珪素化合物が、熱可塑性エラストマー組成物の不飽和ゴム成分の炭素−炭素多重結合(少なくとも二つの炭素−炭素二重結合を含む)と反応する。本発明の方法に有用な水素化珪素化合物は、メチル水素ポリシロキサン類、メチル水素・ジメチルシロキサンコポリマー類、アルキルメチルポリシロキサン類、ビス(ジメチルシリル)アルカン類及びビス(ジメチルシリル)ベンゼンを包含する。
【0016】
好ましい水素化珪素化合物は、次の式(1)によって表される。
【0017】
【化2】
【0018】
式中、各Rは、独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基及びアリール基からなる群から選択される。各Rが、独立に、炭素数1〜12のアルキル基類からなる群から選択されるのが好ましい。更に好ましくは、Rはメチルである。
【0019】
式(1)において、各R’は、独立に、水素原子もしくは炭素数1〜24のアルキル又はアルコキシル基を表し、且つ、各R”は、独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基又はアリール基を表す。
【0020】
式(1)において、Dは、基
【化3】
を、D′は、基
【化4】
を、そしてTは、基
【化5】
をそれぞれ表す。
【0021】
式(1)において、mは1〜50の範囲の値を有する整数であり、nは1〜50の範囲の値を有する整数であり、且つ、pは0〜6の範囲の値を有する整数である。mとnとpの合計は、重合度と定義される。好ましい重合度は、30までであり、より好ましくは約2〜約20又は30であり、最も好ましくは約2又は3〜約10又は15である。ここにおいて、各分子は、平均で少なくとも二つのSi−H結合を有する。
【0022】
特に好ましいポリオルガノシロキサンは、水素化珪素官能基の珪素原子が、ヘテロ原子類/孤立電子対を有する原子類によって結合されているものである。好ましいポリオルガノシロキサンは、反応媒体中に溶解することを可能にする適切な官能基によって、置換され得もする。この官能化の一つのタイプは、米国特許第4,046,930号に記載されている。この特許は、ポリオルガノシロキサンのアルキル化を教示している。アルキル化の重量百分率は、立体拘束によって、架橋反応速度を遅くする又は妨害するレベルを超えるべきではない。
【0023】
ゴム相中におけるより高いゲル含有率及び、低い圧縮永久歪み、低い残留伸び及び低い油膨潤のようなより良い物性が、ヒドロシリル化架橋剤を熱可塑性エラストマー組成物(架橋前のもの)の成分に添加する前に、当該架橋剤を油のような不活性で流動性の成分中に希釈することによって達成され得ることが、発見された。油は、熱可塑性エラストマー組成物のゴム部分での架橋剤の移動性又は拡散速度を高めると信じられている。ヒドロシリル化架橋剤は、望ましくは20〜約80重量%、より望ましくは約25〜約75重量%、更により好ましくは約40〜約60重量%、最も好ましくは約45〜55重量%が活性な架橋剤で残部が実質的に油となるように、油中に前以って希釈される。前記したように、油は、ゴム(類)中でのヒドロシリル化架橋剤(水素化珪素化合物)の移動性を高め、その結果、架橋剤はよりよく分散され且つ架橋を生じるのにより効果的となる。
【0024】
より低分子量のヒドロシリル化架橋剤が、熱可塑性エラストマー組成物の成分中により効率的に分散され、そのようなヒドロシリル化架橋剤の使用が、より高いゲル含有率及び/又はより効率的なゴム成分の架橋をもたらすことも又、発見された。よく知られたヒドロシリル化架橋剤は、次の化学構造を有するダウ・コーニング社の製品DC2−2822である。
【0025】
【化6】
式中、m+nは、重合度として定義され、且つ、平均で約42に等しく、そして、m+n単位の約30モル%がn単位である。
【0026】
下付きのnを有する繰り返し単位は、下付きのmを有する繰り返し単位をアルキル化することによって生ぜしめられ得る。下付きのnを有する繰り返し単位は、架橋剤を炭化水素ゴムに対してより溶解性にする。重合度が6又は8の水素化珪素架橋剤は、Si−H濃度が等量の時、重合度がより高い水素化珪素架橋剤よりも有効であることが、発見された。架橋剤の重合度は、望ましくは30まで、より望ましくは約2〜約20又は30、そして好ましくは約2又は3〜約10又は15である。
【0027】
本発明の方法に有用な水素化珪素化合物の量は、熱可塑性エラストマー組成物のゴム成分中の炭素−炭素二重結合あたり、一般的にはSi−Hが約0.1〜約10.0モル当量の範囲にわたることができ、好ましくは約0.5〜約5.0モル当量の範囲内である。
【0028】
熱可塑性樹脂
本発明によって製造される組成物に有用な熱可塑性樹脂は、結晶質ポリオレフィン・ホモポリマー類及びコポリマー類を包含する。それらは、望ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等の炭素数2〜20のモノオレフィン・モノマー(プロピレンが好ましい)から調製され、また、それらは、線状及び環状オレフィン類から得られるコポリマー類であってもよい。本明細書において用いる場合、ポリプロピレンという用語は、プロピレンのホモポリマー類及びコポリマー類、そして約1〜約20重量%のエチレン又は炭素数4〜20のオレフィン・コモノマー又はそれらの混合物を含有することができるポリプロピレンの反応体コポリマー類をも包含する。ポリプロピレンは、結晶質、アイソタクチック又はシンジオタクチック・ポリプロピレンであり得る。市販のポリオレフィン類が、本発明の実施に使用され得る。ゴム、水素化珪素及びヒドロシリル化触媒に対して実質的に不活性な他の熱可塑性樹脂類も、適切であろう。熱可塑性樹脂のブレンドも、使用され得る。
【0029】
有用な組成物を提供するために見出された熱可塑性樹脂の量は、一般に、ゴム及び樹脂(総ポリマー)の重量に基づいて、約5〜約90重量%である。好ましくは、熱可塑性樹脂含有率は、総ポリマーの約20〜約80重量%の範囲に亘るであろう。
【0030】
ゴム類
本発明の熱可塑性加硫ゴムを調製するために有用な不飽和ゴムは、二種以上のモノオレフィン類の非極性のゴム様コポリマー類(EPRゴム)、好ましくは少なくとも一種のポリエン(通常はジエン)と共重合されたもの(EPDMゴム)を含む、モノオレフィン・コポリマー・ゴム類を包含する。EPDMは、エチレン、プロピレン及び一種以上の非共役ジエン(類)のポリマーであり、モノマー成分は、中でもチグラー・ナッタ又はメタロセンの触媒作用を受ける反応を用いて重合され得る。典型的には、EPDMゴムは、ポリマーの重量に基づいて約0.5〜約6又は10重量%のジエンを有し、且つ、エチレン対プロピレン=25:75〜75:25の繰り返し単位のモル比を有する。満足のいく非共役ジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン(HD)、5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、1,6−オクタジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)等、及びそれらの組合わせを包含する。
【0031】
本発明の一態様においては、ある構造(当該構造においては、ジエン・モノマーが、著しくは妨害されていない炭素−炭素多重結合、即ち、末端又はペンダントの二重結合のような立体的に障害されていない結合、を有する)を有するゴムが、本発明のヒドロシリル化硬化方法において、著しく改良された硬化速度を提供することが見出された。この態様に包含されるのは、結合が普通は妨害されていないか又は容易に異性化されて立体的に妨害されていない二重結合を形成する構造であり、その構造は、その後急速にヒドロシリル化される。例えば、1,4−ヘキサジエン又はENBに由来する構造である。この改良は、十分に硬化されたゴム成分が望まれる場合に、特に重要である。ジエン成分が5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン及び5−ビニル−2−ノルボルネンからなる群から選択されるゴムの使用は、好ましい。5−ビニル−2−ノルボルネンに由来する構造は、そのようなゴムのジエン成分として、特に好ましい。
【0032】
本発明の組成物において、ブチルゴムも有用である。本明細書において用いる場合、ブチルゴムという用語は、イソオレフィンと共役モノオレフィンとのコポリマー類、イソオレフィン、共役モノオレフィン及びジビニル芳香族モノマー類とのターポリマー類、及びそのようなコポリマー類及びターポリマー類のハロゲン化誘導体類を包含する。有用なブチルゴム・コポリマーは、大部分を占めるイソオレフィン及び少量、普通は30重量%未満、の共役マルチオレフィンを含む。好ましいコポリマーは、約85〜99.5重量%のイソブチレンのようなC4−7イソオレフィンと、約15〜0.5重量%のイソプレン、ブタジエン、ジメチルブタジエン、4−メチル−1,4−ペンタジエン及びピペリレンのような炭素数が4〜14のマルチオレフィンを含む。本発明に有用な市販のブチルゴムは、イソブチレンと少量のイソプレンとのコポリマーである。他のブチル・コポリマー又はターポリマー・ゴムは、米国特許第4,916,180号中の説明によって例証されている。イソブチレン/ジビニルベンゼン、そしてクロロブチル及びブロモブチルのようなブチルゴムのハロゲン化誘導体類が、ヒドロシリル化架橋に適するエラストマーとして、特に好ましい。
【0033】
イソブチレン(イソオレフィン)及び芳香族ジビニルモノマー類を含むコポリマー類及びターポリマー類は、芳香族ジビニルモノマーに由来する残存炭素−炭素二重結合の架橋に対するより大きな反応性のために、ヒドロシリル化架橋に適するエラストマーとして、特に好ましい。
【0034】
非常に好ましいブチルゴムの種類は、架橋反応に対して、共役ジエンに由来する残存炭素−炭素二重結合を用いて一般的に達成される反応性と比べて、より大きな反応性を有する炭素−炭素二重結合を有するような類のブチルゴムである。これらの二重結合の例は、イソブチレンとの共重合後の、ジビニルベンゼン・モノマーのような芳香族ジビニル化合物中における残存二重結合である。
【0035】
少なくともイソオレフィンと芳香族ジビニル・モノマーとのコポリマーは、望ましくは、約80〜約99.8重量%の炭素数が4〜7のイソオレフィン(例えばイソモノオレフィン)に由来する繰返し単位と、約0〜約19.8重量%の炭素数が4〜14の脂肪族ポリエン(例えばジエン)に由来する繰返し単位と、約0.2〜約5重量%の下記式(2)で表される前記脂肪族ポリエン以外の芳香族ジビニル化合物に由来する繰返し単位とを含む:
【0036】
【化7】
式中、符号Xは、芳香族核を表し、符号Rは、同一又は異なり、水素原子又は炭素数が1〜5のアルキル基を表す。
【0037】
式(2)中において、芳香族核Xは、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、及びそれらのモノ又はポリアルキル置換体によって表されるものを包含して、何れの芳香族基であってもよい。好ましいイソオレフィンは、イソブチレンであり、好ましいポリエンは、イソプレンであり、好ましい芳香族ジビニル化合物は、ジビニルベンゼンである。米国特許第3,584,080号は、コポリマーのより詳細な説明のために、参照により組込まれる。好ましくは、ポリエンに由来する繰返し単位は、コポリマーの約0.1〜約5重量%である。好ましくは、芳香族ジビニル化合物に由来する繰返し単位は、コポリマーの約0.2〜4重量%(2,000〜40,000ppm)であり、より好ましくは約0.5〜約3重量%(5,000〜30,000ppm)である。芳香族ジビニル化合物に由来する不飽和繰返し単位の大部分は、重合の間の反応中に費消され、ヒドロシリル化架橋のための不飽和単位として利用できない(例えば、それらは飽和単位に転化されるため)ことに注意しなさい。
【0038】
従って、好ましいブチルゴムは、少なくともイソオレフィンと芳香族ジビニル化合物とのコポリマーを含む。当該コポリマー中の芳香族ジビニル化合物に由来する残存不飽和を有する繰返し単位は、望ましくは約50〜約5,000ppm(ブチルゴムの総量に基づいて約0.005〜約0.5重量%)存在し、より望ましくは約200〜約2,500ppm存在する。イソオレフィンに由来する繰返し単位は、望ましくは、約85〜99.5重量%であり、炭素数が4〜14のマルチオレフィン(ポリエン)に由来する繰返し単位は、不存在であることができ、或いは、ブチルゴム・コポリマー中の繰返し単位の総量に基づいて、約0.5〜約15重量%の量で存在し得る。ジビニルベンゼンに由来する繰返し単位は、残存不飽和のない繰返し単位として存在し得る。芳香族ジビニル化合物(例えばジビニルベンゼン)に由来する繰返し単位が、架橋に対して非常に反応性であるときには、前節において説明したより従来のブチルゴムを用いてイソブチレンと芳香族ジビニル化合物とのコポリマーを希釈することが、時には望ましい。イソブチレンとジビニルベンゼンとのコポリマーの市販品の例は、バイエル(Bayer)社から購入可能なPolysar Butyl XL 10000である。前記Polysar Butyl XL 10000は、60〜75のムーニー粘度(1+8、125℃にて)を有し、ポリマーの約20〜30重量%がシクロヘキサンに可溶である。XL 10000は、ジビニルベンゼンに由来する約2000ppmの不飽和繰返し単位で始まる。ブチルゴムは、バイエルから、ジビニルベンゼンに由来する約1500ppmの不飽和繰返し単位と59〜75のムーニー粘度を有するXL 68102として、また、ジビニルベンゼンに由来する約600ppmの不飽和繰返し単位と約67〜83のムーニー粘度を有するXL 30102としても入手可能である。XL 68102及びXL 30102という名称の製品は、二種類の異なるブチルゴムのブレンドであると信じられている。その二種類の中の一種は、ジビニルベンゼンに由来する繰返し単位を有し、他の一種は、そのような繰返し単位を有さない(例えば、イソブチレンと共役ジエンとのブチルゴム)。
【0039】
芳香族ジビニル化合物に由来する不飽和繰返し単位は、望ましくは、次の構造を有するであろう:
【0040】
【化8】
式中、X及びRは先に定義した通りである。
【0041】
この繰返し単位の綿密な試験は、炭素−炭素二重結合が、殆ど立体障害を有さず且つポリマー主鎖に関して動き易さを有し、これらが当該二重結合のヒドロシリル化架橋剤との反応を促進し得ることを明らかにした。
【0042】
他の好ましいゴムは、少なくともイソブチレン及びパラメチルスチレンのアクリル又はアルカクリル基で官能化された(官能基を付加することによって修飾された)コポリマーである。アクリル又はアルカクリル基の用語により、出願人は、アクリル又はアルカクリル又はそれらの組合わせを意味する。アルカクリルの用語は、アクリルが炭素数1〜5のアルキル又はアルケニル置換基、好ましくはメチル又はエチル、を有することができることを表すことが意図されている。官能化反応は、欧州特許公報第0344021号に記載されているように、イソブチレンとパラメチルスチレンとのコポリマーを(好ましくはブロム化によって)ハロゲン化し、その後、以下に説明されているように、そのブロム化ポリマーをR2R3C=CR1COO−M+と反応させることを含む。
【0043】
【化9】
式中、R1及びR2は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキルであり、R3は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル又はアルケニルであり、M+は、H+、Na+、K+等の対イオンである。ポリマー鎖当りのアクリル又はアルカクリル基の量は、所望の性質に応じて変わり得る。アクリル又はアルカクリル、又は両者が存在するならばそれらの組み合わせのモル数は、繰返し単位の総モル数に基づいて、望ましくは約0.1〜約5モル%であり、より望ましくは約0.3〜約1.5モル%である。
【0044】
望ましくは、イソブチレンとパラメチルスチレンとのコポリマーは、少なくともイソブチレン及びパラメチルスチレンに由来する繰返し単位を含む。他の共重合可能なモノマーは、少量で存在し得る。イソブチレンに由来する繰返し単位の量は、望ましくは約80〜約99重量%であり、より望ましくは約89〜約98重量%であり、そして、パラメチルスチレンに由来する繰返し単位の量は、望ましくは約1〜約20重量%であり、より望ましくは約2〜約11重量%である。
【0045】
好ましい態様は、全ゴム成分として、アクリル又はアルカクリル基又はそれらの組み合わせで官能化された、イソブチレンとパラメチルスチレンとのコポリマーを用いているけれども、前記コポリマーとここに記載されたゴムとのブレンドを使用することが可能である。望ましくは、コポリマーと他のゴムとのブレンドにおいて、コポリマーは、熱可塑性加硫ゴム中の全ゴムの重量の大部分である。
【0046】
本発明において適切な更なるゴムは、天然ゴムである。天然ゴムの主成分は、線状ポリマーであるシス−1,4−ポリイソプレンである。それは、普通は、いぶされたシート又はクレープゴムの形態で、市場において入手可能である。合成ポリイソプレンも使用され得る。特に好ましい合成ポリイソプレン・エラストマーは、主ポリマー鎖から垂れ下がったビニル官能基、即ち1,2−付加型構造、を含むものである。
【0047】
ポリブタジエンもまた、ヒドロシリル化硬化に適切なエラストマーであり、ビニル官能基を含むポリブタジエンが、最も好ましい。
【0048】
単一のオレフィン系ゴムよりはむしろ、上記ゴム類中のいずれかのブレンドが使用され得る。
【0049】
本発明の組成物の調製において、ゴムの量は、ゴムと熱可塑性樹脂(総ポリマー)の重量に基づいて、一般的には約95〜約10重量%の範囲内である。好ましくは、ゴム含有率は、総ポリマーの約80〜約20重量%の範囲内であろう。
【0050】
ヒドロシリル化触媒
ゴムの炭素−炭素結合のヒドロシリル化反応に触媒作用を及ぼすであろう何れかの触媒又はその場で触媒を生成し得る触媒前駆体が、使用され得ることは、以前より理解されている。そのような触媒は、パラジウム、ロジウム、白金等のVIII族遷移金属(これらの金属の錯体を含んで)を包含する。米国特許第4,803,244号及び欧州特許出願番号第651,009号において、有用な触媒として、塩化白金酸が開示されている。これらそれぞれは、更に、触媒が、5〜10,000重量部/ゴム1,000,000重量部の濃度で(上記米国特許)、100〜200,000重量部/ゴム1,000,000重量部の濃度で(上記欧州特許出願)使用され得ることを開示している。
【0051】
本発明の方法において、反応速度及び架橋効率の両者について改良が得られて、白金含有触媒について著しく低い濃度が使用され得ることが見出されている。白金金属で表現して約0.01又は0.1〜約10、20又は40重量部/ゴム1,000,000重量部の範囲内の触媒濃度が、熱可塑性樹脂とゴムとのブレンドを動的加硫する方法において、ゴムを急速に且つ完全に硬化するのに有効である。これらの低い触媒濃度は、顕著には立体的に障害されていない炭素−炭素多重結合を有するジエン含有ゴムとの組み合わせにおいて、特に有効である。白金金属で表現して約0.1〜約4又は25重量部/ゴム1,000,000重量部の触媒濃度が、特に好ましい。
【0052】
本発明の方法に有用な白金含有触媒は、例えば、米国特許第4,578,497号、同第3,220,972号及び同第2,823,218号(これら全ては、参照によりここに組込まれる)に記載されている。これらの触媒は、塩化白金酸、塩化白金酸六水和物、塩化白金酸とsym−ジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金(II)、cis−ジクロロビス(アセトニトリル)白金(II)、ジカルボニルジクロロ白金(II)、塩化白金及び酸化白金を包含する。米国特許第3,775,452号、同第3,814,730号及び同第4,288,345号(これら全ては、参照によりここに組込まれる)に記載されているように、カーステット(Karstedt)の触媒等のゼロ価白金金属錯体が、特に好ましい。
【0053】
動的加硫環境において触媒が最も効率的に機能するために、触媒が本質的に熱に安定であること、又は、急速すぎる反応又は触媒の分解を防止するために触媒の活性が抑制されていることが重要である。高温において白金触媒を安定化するのに適切な触媒阻害剤は、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン及びそのより高分子量の類似体(ビニル環状五量体等)、を包含する。しかしながら、165℃超で安定な他のオレフィン類も有用である。これらは、マレイン酸エステル又は塩類、フマル酸エステル又は塩類及び環状五量体を包含する。本発明において、反応媒体に可溶なままの触媒を使用するのも、特に好ましい。
【0054】
添加剤
熱可塑性エラストマー組成物は、ヒドロシリル化及び硬化の前、その最中又はその後のいずれかにおいて、熱可塑性樹脂、ゴム又はブレンド中において、当該組成物に導入され得る、従来の添加剤を含有することができる。そのような添加剤の例は、抗酸化剤、加工助剤、強化及び非強化充填剤、顔料、ロウ、ゴムプロセス油、エキステンダー油、粘着防止剤、帯電防止剤、紫外線安定剤、可塑剤(エステル類を包含する)、発泡剤、難燃剤及びゴム配合分野において公知の他の加工助剤を包含する。そのような添加剤は、最終的な熱可塑性エラストマー生成物(熱可塑性加硫ゴム)中において、ゴムと熱可塑樹脂の総重量に基づいて、約0.1〜約300重量%の量で含有し得る。使用され得る充填剤及びエキステンダー類は、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、タルク、二酸化チタン、カーボンブラック等の従来の無機物を包含する。ヒドロシリル化を妨げ得る添加剤、充填剤又は他の化合物は、硬化が所望のレベルに到達した後に添加されるべきである。
【0055】
エキステンダー油
熱可塑性エラストマー組成物中で使用されるゴムのプロセス油又はエキステンダー油は、一般的には、石油画分に由来するパラフィン系、ナフテン系又は芳香族油である。その種類は、組成物中に存在する特定のゴム又はゴム類と共に普通に使用されるものであり、その量は、ゴム100重量部当りゼロ〜数百重量部の範囲に亘り得る。触媒効率に重要であるのは、油及び他の添加剤が、触媒阻害剤であるか又は触媒の活性を妨げる化合物を、含まないか又は非常に低い濃度でのみ含むということである。これらの化合物は、ホスフィン類、アミン類、スルフィド類、チオール類、及びルイス塩基に分類され得る他の化合物類を包含する。ルイス塩基、又は供与に利用できる電子対を有する他の化合物は、白金触媒と反応し、その活性を事実上中和するであろう。そのような化合物の存在は、熱可塑性エラストマー組成物のゴム成分の動的加硫におけるヒドロシリル化硬化に、驚く程有害な影響を有することが発見された。硫黄又は窒素を含有する化合物のような、ルイス塩基の化学反応性を有する化合物の濃度が、硫黄については約1000ppm未満、窒素については約300ppm未満を与える量以下に維持されるならば、動的加硫におけるヒドロシリル化硬化を効率的に促進するために必要とされる白金触媒の量は、ゴムの硬化状態又は熱可塑性エラストマー生成物の引張り特性に影響を与えることなく、普通は約4ppm以下の範囲まで、実質的に低減され得る。硫黄が約500ppm未満、窒素が約200ppm未満の濃度が、より好ましく、硫黄が約30ppm未満、窒素が約100ppm未満の濃度が、最も好ましい。硫黄及び窒素の濃度が最も好ましい範囲内であるならば、0.25ppmもの低い触媒濃度でさえ、エラストマーの十分な硬化が達成され得ることが、発見された。
【0056】
ゴム工業のための大部分のパラフィン系石油は、原油蒸留流れから得られる。典型的な精製履歴は、流動点を低下させるためのある種の脱ロウ、芳香族化合物を物理的に除去するための溶剤抽出、及び芳香族構造を化学的に修飾するための水素化処理工程を包含する。抽出と水素化処理の両者は、飽和炭化水素構造の正味の増加と、芳香族、硫黄及び窒素含有化合物の総濃度の正味の減少をもたらす。油中のこれらの化合物の濃度の低下の程度は、採用した精製方法の種類及び厳格さ、及び原油の性質に依存する。ホワイト油及びパラフィン油は、芳香族油及びナフテン油よりも著しく処理されており、芳香族、硫黄及び/又は窒素化合物をより低濃度で含有するであろう。これらの化合物の正確な化学構造を解明するのは、それらの複雑さのために困難である。油の白金で触媒されるヒドロシリル化を妨害する傾向は、リン、錫、砒素、アルミニウム及び鉄を含有する化合物と同様に、硫黄及び窒素含有化合物の濃度に直接的に関係する。
【0057】
加工
熱可塑性エラストマー組成物のゴム成分は、熱可塑性樹脂に対するゴムの量によっては、そして、ゴムの硬化の程度によっては、共連続の形態又は転相も可能であるけれども、一般的には、連続する熱可塑性樹脂のマトリックス中の小さい(即ちミクロサイズの)粒子として存在する。ゴムは、望ましくは、少なくとも部分的には架橋されており、好ましくは、完全に又は十分に架橋されている。ゴムが、動的加硫方法によって架橋されているのが好ましい。本明細書において使用するとき、「動的加硫」という用語は、熱可塑性樹脂とブレンドされたゴムの、加硫又は硬化方法(ここにおいて、ゴムは、混合物が流動するであろう温度において、せん断条件下に加硫される)を意味する。上記したように、他の形態が存在し得るが、ゴムは、このように、架橋されると同時に熱可塑性樹脂マトリックス中に微粒子として分散される。動的加硫は、ロール・ミル、バンバリー・ミキサー、ブラベンダー・ミキサー、連続混合機、混合押出し機等のような従来の混合装置中において、熱可塑性エラストマー組成物の成分を高温にて混合することによって行われる。動的に硬化された組成物の独特の特徴は、ゴム成分は部分的又は完全に硬化されているという事実にもかかわらず、組成物が、押出し、射出成形及び圧縮成形のような従来のプラスチック加工技術によって、加工され得且つ再加工され得るということである。屑あるいはばりが、取り出され得且つ再加工され得る。
【0058】
本明細書において使用するとき、「十分に加硫された」及び「十分に硬化された」あるいは「十分に架橋された」という用語は、熱可塑性エラストマー組成物はさておき、加硫されるゴム成分が、架橋されたゴムの弾性の性質がゴムの従来の加硫状態における弾性の性質と同様である状態まで、硬化又は架橋されたことを意味する。硬化の程度は、ゲル含有率で、あるいは逆に、抽出可能成分量で記載され得る。ゲル百分率(架橋可能なゴムの重量に基づく)として報告されたゲル含有率は、試料を室温にて48時間有機溶剤に浸漬し、乾燥残渣の重量を量り、組成物についての知識に基づいて適切な補正を行なうことにより、不溶性ポリマーの量を決定することを含む手順により、決定される。このようにして、初めの重量から、硬化されることが意図されていない生成物のゴム成分同様、エキステンダー油、可塑剤及び有機溶剤に可溶の当該組成物の成分のような、加硫されるゴム以外の可溶性成分の重量を引くことにより、補正された初めの及び最終的な重量が得られる。不溶性ポリオレフィン、顔料、充填剤等が、初めの及び最終的な重量の両者から引かれる。ヒドロシリル化によって硬化され得るゴムの約5%未満(好ましくは3%未満)のみが、熱可塑性エラストマー生成物(熱可塑性加硫ゴム)からそのゴムの溶剤によって抽出可能であるとき、ゴム成分は、十分に硬化したとして記載され得る。代わりに、硬化の程度は、架橋密度に換算して表現され得る。これらの説明の全ては、例えば米国特許第4,593,062号、同第5,100,947号及び同第5,157,081号(これら全ては、参照により、ここに十分に組込まれる)に記載されているように、当該技術分野で周知である。
【0059】
次の一般的な手順を、実施例に示した本発明の方法による熱可塑性エラストマー生成物(熱可塑性加硫ゴム)の調製において使用した。熱可塑性樹脂及び油で展延されたゴムを、ヒドロシリル化架橋剤及びヒドロシリル化触媒と共に、加熱された密閉式ミキサー中に置いた。ヒドロシリル化架橋剤及びヒドロシリル化触媒は、適切な技術により、例えば油溶液としての又は成分そのままでの注入により(薄いヒドロシリル化架橋剤の油溶液及び薄い触媒溶液が好ましいけれども)、組成物に組込み得る。抗酸化剤、紫外線安定剤及び充填剤等の添加剤も、油中のスラリーとして添加し得る。ブレンド工程を容易にするために、成分のマスターバッチも調製し得る。混合物を、熱可塑性成分を溶解させるのに十分な温度まで加熱し、そして、混合物を、所望によりプロセス油を添加して、混合トルクの最大値が加硫が行われたことを示すまで、どろどろにした。混合は、所望の加硫度が達成されるまで続けた。
【0060】
ヒドロシリル化架橋剤及びヒドロシリル化触媒の添加順序は、重要であることが見出された。最大の触媒効率は、ヒドロシリル化架橋剤が初めにブレンドに添加され、その後にヒドロシリル化触媒が添加された時に、得られた。熱可塑性エラストマー生成物(熱可塑性加硫ゴム)の機械特性は、硬化の程度同様、この添加順序が守られた時に改良された。
【0061】
本発明は、以下の実施例(これらは、本発明の方法を例証するためのものであり、本発明の方法を限定するためのものではない)を参照することにより、よりよく理解されるであろう。実施例においては、熱可塑性エラストマー生成物の性質を決定するために、以下の試験方法を使用した。
【0062】
【0063】
実施例に従って調製した組成物において使用したゴム成分は、更に、次のように特定される。
【0064】
【0065】
【実施例】
実施例1
一般的には上述した本発明の方法により、ポリプロピレン樹脂と様々なジエン成分を含むEPDMゴムとを用い、組成物を調製した。熱可塑性樹脂及びゴム成分を、ポリプロピレン樹脂が溶融するまで、ブラベンダー・ミキサーで180℃にて溶融混合した。その溶融混合物に、水素化珪素化合物(アルキル化メチル水素ポリシロキサン)を滴下し、その後、白金[2,4,6,8−テトラエテニル−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンとの、白金酸塩(II)ヘキサクロロジヒドロ反応生成物]を含む油溶液を添加した。そのブレンドを最大トルクに達するまで混合することにより、ゴムを動的加硫した。生成物を、ミキサーから取り出し、その後、ミキサーに戻し、180℃にて更に1分間素練りした。動的加硫の生成物を、200℃にて厚さが60ミルとなるように圧縮成形し、加圧下にて冷却することにより、プラック(飾り板)を調製した。物性は、これらのプラックを用いて測定した。生成物すべてが、ASTM D1566で定義して弾性であった。即ち、すべてが、50%未満の残留伸び値を有していた。組成及びそれらの特性を、表Iに示す。
【0066】
米国特許第4,803,244の実施例1は、白金触媒を用いて架橋された数種のEPDMゴムの比較を示している。この比較例(米国特許第4,803,244の実施例1)では、同様の樹脂及びゴム成分を、ヒドロシリル化によって動的加硫した。しかし、触媒として、ロジウム金属35ppmと等価のロジウム触媒を使用した。
【0067】
【表1】
【0068】
ゴムA、B、F及びG(それぞれ、ENBを2.1%、HDを5%、VNBを3%及びENBを5.5%含有するEPDMゴム)のヒドロシリル化架橋において、触媒としてロジウムを用いる場合と比べてかなり少ない量の白金触媒の使用により、(ゲル含有率で反映される)架橋レベルの驚くべき増加と、熱可塑性エラストマー生成物における引張り特性の改良がもたらされたことが、理解され得る。
【0069】
実施例2
エキステンダー油の影響を研究するために、ポリプロピレン樹脂とEPDMゴムとを用い、一般的には上述したようにして、組成物を調製した。三種の異なるエキステンダー油(徐々に、芳香族画分を減らし、且つ、徐々に硫黄及び窒素濃度を低下させた)を含む、ゴムのマスターバッチを調製した。マスターバッチの組成は、ゴム100部、エキステンダー油100部、クレー42部、酸化亜鉛2部及びロウ5部であった。ゴム“K”のこのマスターバッチに、ポリプロピレン(41部)を添加し、ブラベンダー・ミキサー中で、180℃にて、ポリプロピレンが溶融するまで混合した。その混合物に、水素化珪素化合物(3部)を滴下し、その後、様々な量で白金触媒を含む油溶液を添加した。そのブレンドを最大トルクに達するまで混合することにより、ゴムを動的加硫した。硬化後に、追加のプロセス油(30部)を添加した。生成物をミキサーから取り出し、その後、ミキサーに戻し、180℃にて更に1分間素練りした。試験用試料を、その生成物を200℃にて圧縮成形することにより、調製した。油膨潤特性を、ASTMD471の試験方法により、IRM903油を用い、125℃、24時間の条件にて測定した。試料の膨潤百分率(又は重量増加)として表された結果を、表IIに示す。
【0070】
【表2】
【0071】
油中における相対膨潤度は、加硫ゴムの架橋密度を表す(即ち、ゴム中におけるより高い架橋密度は、より小さい油膨潤値をもたらす)。表IIのデータは、硫黄量及び窒素量が少ないエキステンダー油(その場合、触媒中の白金に対する硫黄又は窒素のモル比が小さい)を用いて調製した材料が、ヒドロシリル化によってずっと効率的に架橋された熱可塑性エラストマー生成物をもたらすことを、明瞭に示している。この効果は、触媒濃度が著しく小さい場合でさえも見られる。
【0072】
実施例3
次の表IIIは、ヒドロシリル化架橋剤を油中に予め希釈しておくことの利益を例証するものである。
【0073】
【表3】
【0074】
熱可塑性エラストマー組成物のマスターバッチは、重量で測定して、100部のEPDM、41部のポリプロピレンA、100部の油、42部のクレー、2部の酸化亜鉛及び5部のロウを含んでいた。このマスターバッチ53.4gを、表3に記載の処方を用い、ブラベンダー・ミキサー中で加工した。
【0075】
EPDMは、約3〜3.5重量%のエチリデン・ノルボルネンに由来する繰返し単位と、約0.25重量%のビニリデン・ノルボルネンに由来する繰返し単位とを含んでいた。
【0076】
実施例1−6は、濃縮されたヒドロシリル化架橋剤を単に添加すると、ゲル含有率は約90%となるが、当該架橋剤を油中に予め希釈しておくと、約96%のゲル含有率が得られ、他の特性においても望ましい変化が得られることを例証している。50%又は25%活性油溶液にてヒドロシリル化架橋剤が添加された組成物は、その架橋剤が75%活性の油溶液として添加された組成物よりも、より高いゲル含有率を有していた。
【0077】
実施例4
以下の表IVは、ゴムLと油のブレンドを、重合度(DP)が異なるヒドロシリル化架橋剤(水素化珪素化合物)を用いてヒドロシリル化架橋した際の、振動円盤粘度計(オシレイティング・ディスク・レオメータ)の測定結果を示す。ゴムは、100重量部存在し、油は100重量部存在する。組成物は、ゴム100部あたり2部(2phr)の水素化珪素化合物と、フィラデルフィア近郊のユナイテッド・ケミカル・テクノロジーから入手した触媒としての白金0.75ppm(ゴムの合計量に対する白金金属量で表している)とを含む。この実施例の結果は、熱可塑性樹脂相が存在しないとして、ゴム相とのみ関連付けられている。より低分子量の水素化珪素化合物(重合度6及び8)を用いて調製した組成物は、より高分子量の水素化珪素化合物(重合度42及び54)を用いる場合と比べて、より短いTS1時間及びより大きいトルクの上昇によって示される、より急速な架橋とより大きな架橋密度とを示す。この実施例の組成物は、早すぎる架橋を防止するために、ゴムと添加剤とを、ブラベンダー・ミキサー中で70℃を超えない温度で混合することによって調製した。振動円盤粘度計は、200℃にて操作した。
【0078】
【表4】
【0079】
実施例5
熱可塑性加硫ゴムを、重量基準で、100部のEPDMゴムL、41部のポリプロピレン、100部の油、42部のクレー及び0.75ppmの白金触媒(ゴム1,000,000重量部あたりの白金金属の重量部として表されている)から調製した。ヒドロシリル化架橋剤の量は、水素化珪素結合を、重合度が42の架橋剤がゴム100重量部あたり2重量部の量で存在する場合と同じ当量数で含む量であった。表V中のこれらの結果は、重合度が6の水素化珪素化合物及び重合度が8の水素化珪素化合物を使用して得られる組成物は、油膨潤試験において、重量増加がより小さく、且つ又、圧縮永久歪みもより小さいことを示している。これらの試験の両者は、反応性Si−H結合が等価の量である場合には、重合度が42の水素化珪素物質及び重合度が97の水素化珪素物質を用いて達成される架橋のレベルと比べて、重合度が6の水素化珪素物質及び重合度が8の水素化珪素物質を用いると、一般的に架橋がより高いレベルとなることを示している。油膨潤値対水素化珪素の重合度も又、図1中に示す。
【0080】
【表5】
【0081】
実施例6
100部のEPDMゴムL、50部のポリプロピレンA、168部の油、42部のクレー及び0.9ppmの白金触媒から、熱可塑性加硫ゴムを調製した。部は、重量部である。ヒドロシリル化架橋剤の量と種類は、表VIに示すように変化させた。
【0082】
表VIでは、物性(ショアA、M100、UE、UTS及びTS)は、それ程変化しなかったけれども、油膨潤重量増加、ESR及びACRは、ヒドロシリル化架橋剤の重合度がより低いときに、改良された。ESRは、押出し表面等級試験ASME D46.1である(この試験では、より小さい値はより滑らかな表面を示す)。ACRは、ASTM D3835−96と似ており、自動式毛管粘度計を表す。より小さいACR値は、特定の量の熱可塑性加硫ゴムを特定のオリフィス径を通して押出すのに必要な時間がより短いことを示す。より小さいESR及びACR値を示す処方が望ましい。履歴的には、熱可塑性エラストマー組成物のゴム相がよりしっかりと架橋されるに従って、ESR及びACR特性は劇的に悪化した(即ち、それらの値が大きくなった)。表VIからわかるように、重合度が8又は42の架橋剤の量が増加したとき、ESR及びACR値は更に悪くなっている(大きくなっている)。重合度が8の架橋剤を用いて調製した組成物と重合度が42の架橋剤を用いて調製した組成物との間の比較から、油膨潤値は、重合度が8の架橋剤から調製した組成物の方がより小さいことが明らかである。重合度が8の架橋剤で架橋された試料がより小さい油膨潤値を示したということは、熱可塑性加硫ゴムのゴム相における架橋密度がより大きいことを示している。従って、重合度が8の架橋剤で架橋された試料では、より大きいACR値及びESR値が期待されるであろう。全く予期に反して、このような状況は観察されなかった。実際、重合度が8の架橋剤(2phr)で架橋された試料は、より小さい油膨潤値(より大きな架橋密度)を示したにもかかわらず、それらのACR値及びESR値は、重合度が42の架橋剤(2phr)で架橋された試料のACR値及びESR値よりも、約30%小さかった。
【0083】
【表6】
【0084】
実施例7
この実施例は、ジエンとして5−ビニル−2−ノルボルネンを含むEPDMゴムLを100部、ポリプロピレンA30部、油115部、クレー10部、白金触媒の形で白金を0.89ppm、及び重合度が42又は8のヒドロシリル化架橋剤を2、2.5又は3phr含む、ゴム含有率が多い組成物から調製された熱可塑性加硫ゴムである。物性は、重合度が8のヒドロシリル化架橋剤は、重量基準で、重合度が42の物質よりも効率的であることを示している。ショアA値は、一般的により大きく、M100はより大きく、UEはより小さく、残留伸びは同等か又はより小さく、且つ、圧縮永久歪みはより小さい。より劇的な改良は、ESRとACRに見られる。ESRの改良は、重合度が8の架橋剤を用いると、表面平滑度を犠牲にすることなく、より弾性の化合物が調製され得ることを示している。ACRの改良は、重合度が8の架橋剤を用いて架橋された組成物は、同量のゴムを用いる場合よりも、より早く押出されることを示している。
【0085】
【表7】
【0086】
実施例8
イソブチレンとジビニルベンゼンとのコポリマー(ブチルゴムM及びN)を、重合度が6のヒドロシリル化架橋剤(表VIII参照)で架橋した。重合度が42の架橋剤を用いた対照(7)は、比較のために表VIII中に含まれている。
【0087】
組成物8−11を組成物7に対して比較すると、組成物8−11の重合度が6のヒドロシリル化架橋剤は、組成物7の重合度が42のヒドロシリル化架橋剤よりもずっと効率的であることが例証されている。また、ヒドロシリル化架橋剤及びヒドロシリル化触媒の量は、組成物9、10、11において、それぞれ3/4及び1/2の係数で徐々に低下させた。組成物12では、ポリプロピレンの相対量を増やし、それがより硬く且つより弾性の低い組成物をもたらしたので、その物性が変化した。組成物13では、ブチルゴムMをブチルゴムNに変えたために、その物性が変化した。ブチルゴムMは、ポリサー(Polysar)から入手できるブチル XL 10,000ゴムであり、ブチルゴムNは、ポリサーから入手できるブチル XL 30,102ゴムである。触媒は、パラフィン油中に1重量%活性に希釈された、ダウ・コーニング(Dow−Corning)から入手できるPC−085である。ポリブテン油は、エクソン(Exxon)から入手できるParapol 450である。
【0088】
【表8】
【0089】
本発明の最良の形態及び好適態様は、特許法令に従って記載されているけれども、本発明の範囲は、それらに限定されず、請求項によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、熱可塑性加硫ゴムの油膨潤値と、使用した水素化珪素化合物の重合度との関係をプロットしたグラフである。
Claims (1)
- 熱可塑性加硫ゴムの製造方法であって、
a) 熱可塑性樹脂とゴムを溶融状態でブレンドし、それらのブレンドを作る;
b) 油で希釈されたヒドロシリル化(hydrosilylation)架橋剤を、前記熱可塑性樹脂、前記ゴム又はそれらのブレンドに添加し、前記ヒドロシリル化架橋剤が、その架橋剤の油溶液であって、その架橋剤をその油溶液の40〜60重量%の量で含む油溶液の形態で添加され、前記ヒドロシリル化架橋剤が、3〜10の重合度を有するものである;
c) ヒドロシリル化触媒を、前記熱可塑性樹脂、前記ゴム又はそれらのブレンドに添加する;及び
d) 前記ブレンド中において、前記ゴムを前記ヒドロシリル化架橋剤で架橋させる;
ことを含む、方法。
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