JP4841826B2 - 架橋可能なゴム組成物の製造方法、押し出し成形体の製造方法および押し出し成形体架橋物の製造方法 - Google Patents

架橋可能なゴム組成物の製造方法、押し出し成形体の製造方法および押し出し成形体架橋物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、架橋可能なゴム組成物の製造方法、押し出し成形体の製造方法および押し出し成形体架橋物の製造方法に関し、より詳しくは、良質な押し出し成形体を製造し得るゴム組成物の効率的な製造方法、該ゴム組成物を用いた良質な押し出し成形体の効率的な製造方法、および該押し出し成形体を用いた良質な押し出し成形体架橋物の効率的な製造方法に関する。
ゴムの成形においては、原料ゴムに必要な補強剤および増量剤等の充填剤、助剤、添加剤、架橋剤、架橋促進剤を添加・混練して架橋可能なゴム組成物とし、これを所定形状に成形して加熱架橋する技術が使用される。架橋可能なゴム組成物を製造する方法としては、原料ゴムに対して反応性を有しない成分である充填剤、助剤、添加剤等をバンバリーミキサー等の混練装置を使用して混練してマスターバッチとし、得られたマスターバッチを冷却した後、混練ロール、ニーダー等を使用して架橋剤、架橋促進剤等の架橋反応性のゴム薬品を添加、混練する技術が公知である。
しかし上記の製法では、架橋剤および架橋促進剤を混練する工程はバッチ法でしか行うことができず、大量に使用する未架橋ゴム組成物を製造するには大きな混練装置が必要であり、少量しか使用しない未架橋ゴム組成物を製造するには小さな混練装置を必要とするので経済的ではない。大量に使用する未架橋ゴム組成物を小さな混練装置を使用して混練すると、バッチが多くなり、工程に時間が掛かる。またバッチ方式による製造には、その混練装置に見合った量の混練が必要であるため、消費量と一致せずに未架橋ゴム組成物の在庫が増加する場合があり、その管理に費用と工数を要するという問題がある。
特許文献1(特開2003−181828号公報)には、混練押出機に少なくとも原料ゴムと、加硫剤と、加硫促進剤とを供給して混練し、加硫剤と加硫促進剤とを含む未加硫ゴム組成物を連続して製造する方法が記載されており、この方法では、加硫剤および加硫促進剤を充填剤と混合して造粒し、得られた粒子を定量供給装置により供給している。この製法によれば、消費量に見合った未架橋ゴム組成物の混練を行うことができる。
しかしながら、特許文献1には、連続混練後に連続押出成形することと、押出成形後さらに連続架橋することは開示されていない。また、連続押出成形後に連続架橋を行っても、上記の未加硫ゴム組成物では架橋速度が遅いため、連続架橋時間が極めて長くなる。このため、連続架橋装置が極めて長いものになってしまい、また、単位時間あたりの生産性も良好ではないことが分かった。
ゴム製品を製造する現場で、必要な材料を、大掛かりな前処理やマスターバッチ化などをすることなく必要量だけ用意すれば、押し出し成形などに好適な組成物を製造することができ、さらに直接押し出し成形ができ、さらには架橋体まで成形できる、ということになれば、その工業的な意義は計り知れないほど大きいが、これまではそのような手法は見出されていなかった。
なお、特許文献2(国際公開WO00/55251号パンフレット)には、特定のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体と、SiH化合物とを用いた、連続架橋が可能であり且つ架橋速度の速い組成物が開示されている。しかしながら、該組成物を連続混練によって製造すること、さらに連続的に押し出し成形し、連続的に架橋することは
開示されていない。
さらに、特許文献3(WO04/83299号パンフレット)には、特定のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ペレットと、SiH化合物とを用いた組成物を、2軸押出機で動的架橋することが開示されている。しかしながら、該組成物を連続混練によって製造することは具体的には開示されておらず、さらに連続的に押し出し成形し、連続的に架橋することは開示されていない。
特開2003−181828号公報 国際公開WO00/55251号パンフレット WO04/83299号パンフレット
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、良質な押し出し成形体を効率的に得ることができる架橋可能なゴム組成物の製造方法、当該ゴム組成物を用いて良質な押し出し成形体を効率的に得ることができる押し出し成形体の製造方法、当該押し出し成形体を用いて良質な押し出し成形体架橋物を効率的に得ることができる押し出し成形体架橋物の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の架橋可能なゴム組成物の連続的製造方法は、
ゴム(A)とSiH基含有化合物(B)と触媒(C)とを含む架橋可能なゴム組成物を製造する方法であって、
連続混練機のバレルの基部側からゴム(A)のペレットを連続的に供給する工程と、
連続混練機のバレルの任意の位置からSiH基含有化合物(B)を連続的に供給する工程と、
連続混練機のバレルの任意の位置から触媒(C)を連続的に供給する工程と、を含むことを特徴とする。
上記の製造方法において、前記触媒(C)を、連続混練機のバレルの先端部側の位置から連続的に供給することが好ましい。
上記の製造方法において、前記SiH基含有化合物(B)を、触媒(C)を供給する前の位置から連続的に供給することが好ましい。
上記の製造方法において、ゴム組成物の硫黄原子の含量が5000ppm以下であることが好ましい。
上記の製造方法において、前記ペレットのゴム(A)が、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)であることが好ましい。
上記の製造方法において、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)が、下記式[I]で表わされる少なくとも一種の非共役ポリエンから導かれる構成単位を有するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A2)であることが好ましい。
Figure 0004841826
(式[I]中、nは0〜10の整数であり、R1は水素原子または炭素原子数1〜10の
アルキル基であり、R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である)。
本発明の押し出し成形体の製造方法は、前記製造方法で得られた架橋可能なゴム組成物を、押し出し成形工程に連続的に供給することを特徴としている。
本発明の押し出し成形体架橋物の製造方法は、前記製造方法で得られた押し出し成形体を、架橋工程に連続的に供給することを特徴としている。
本発明の架橋可能なゴム組成物の連続的製造方法によれば、架橋性に優れ、押し出し成形体を連続的に製造し得る組成物を効率的に製造することができる。特に、触媒(C)およびSiH基含有化合物(B)を特定の位置から供給した場合には、得られる押し出し成形体の外観等に優れる。
本発明の押し出し成形体の製造方法によれば、押し出し成形体を効率的に製造することができる。
本発明の押し出し成形体架橋物の製造方法によれば、押し出し成形体架橋物を効率的に製造することができる。
<ゴム(A)>
本発明の方法により得られるゴム組成物の原料であるゴム(A)としては、特に制限はないが、分子中に少なくとも1個のビニル基を含有する有機重合体を構成成分とするものが好ましい。また、分岐指数が0.3〜0.95であるものが特に好ましい。従来公知の方法によりゴム(A)をペレットにすることができるが、好ましい方法として、例えば、WO04/083299号パンフレットに記載の方法が挙げられる。
ペレット状のゴム(A)として、各種の主鎖骨格を有するものを使用することができる。このような主鎖骨格の具体例としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体などのポリエーテル系重合体;
テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸などの2塩基酸またはその酸無水物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどのグリコールとの縮合またはラクトン類の開環重合で得られるポリエステル系共重合体;
ポリイソブチレン;イソブチレンとイソプロピレンとの共重合体;ポリクロロプレン;ポリイソプレン;イソプレンと、ブタジエン、アクリロニトリル、スチレンなどとの共重合体;ポリブタジエン;ブタジエンと、スチレン、アクリロニトリルなどとの共重合体;
ポリブタジエン;イソプレンまたはブタジエンと、アクリロニトリル、スチレンなどとの共重合体を水素添加して得られるポリオレフィン系重合体;エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのモノマーをラジカル重合して得られるポリアクリル酸エステル;エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリル酸エステルと、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メチルメタクリレ−ト、スチレンなどとのアクリル酸エステル系共重合体;上記の有機重合体中でビニルモノマーを重合して得られるグラフト重合体;ポリサルファイド系重合体;ビスフェノールAと、塩化カルボニルとを縮重合して製造されたポリカーボネート系重合体が挙げられる。
中でも、ポリエステル系重合体、ポリエーテル系重合体、アクリル酸エステル系重合体、アクリル酸エステル系共重合体、炭化水素系重合体が好ましく、特に炭化水素系重合体が好ましい。
炭化水素系重合体としては、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリイソブチレンが好ましく、中でもエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が好ましい。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)>
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)の分岐指数は、0.3〜0.95であることが好ましく、より好ましくは0.3〜0.90、さらに好ましくは0.3〜0.85、さらにより好ましくは0.35〜0.85であり、特に0.40〜0.80、特に0.40〜0.75、特に0.40〜0.70、特に0.40〜0.65、特に0.45〜0.65、特に0.5〜0.65が好ましく、最も好ましくは0.5〜0.60である。
分岐指数が上記の範囲にあると、結晶化度が低く、しかもブロッキングしないペレットとなる。この理由は定かではないが、長鎖分岐生成によりペレット同士がブロッキングしにくくなるためであると推測される。また、分岐指数が上記の範囲にあると、後述するような各種ゴム用補強材などの分散性に優れた組成物を得ることができる。
なお、分岐指数は、後述する実施例に記載した方法により測定することができる。ペレットに可塑剤が入っている場合には、可塑剤を抽出により除去することによりGPC測定および[η]の測定をすることができる。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)としては、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンと、非共役ポリエンとのランダム共重合体が好ましい。
このような炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、具体的には、例えばプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンが挙げられる。中でも、炭素原子数3〜10のα−オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが好ましく用いられる。これらのα−オレフィンは、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンと、非共役ポリエンとのランダム共重合体であるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)の中でも、下記式[I]で表わされる少なくとも1種の非共役ポリエンから導かれる
構成単位を有するエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A2)が好ましい。
Figure 0004841826
式[I]において、nは0〜10の整数であり、R1は水素原子または炭素原子数1〜
10のアルキル基であり、R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。
1の炭素原子数1〜10のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基が挙げられる。
2の炭素原子数1〜5のアルキル基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基が挙げられる。
上記式[I]で表わされる末端ビニル基含有ノルボルネン化合物としては、具体的には、例えば5-ビニル-2-ノルボルネン、5-(2-プロペニル)-2-ノルボルネン、5-(3-ブテニル)-2-ノルボルネン、5-(1-メチル-2-プロペニル)-2-ノルボルネン、5-(4-ペンテニ
ル)-2-ノルボルネン、5-(1-メチル-3-ブテニル)-2-ノルボルネン、5-(5-ヘキセニル
)-2-ノルボルネン、5-(1-メチル-4- ペンテニル)-2-ノルボルネン、5-(2,3-ジメチル-3-ブテニル)-2-ノルボルネン、5-(2-エチル-3-ブテニル)-2-ノルボルネン、5-(6-ヘプテニル)-2-ノルボルネン、5-(3-メチル-5-ヘキセニル)-2-ノルボルネン、5-(3,4-
ジメチル-4-ペンテニル)-2-ノルボルネン、5-(3-エチル-4-ペンテニル)、5-(7-オク
テニル)-2-ノルボルネン、5-(2-メチル-6-ヘプテニル)-2-ノルボルネン、5-(1,2-ジ
メチル-5-ヘキセシル)-2-ノルボルネン、5-(5-エチル-5-ヘキセニル)-2-ノルボルネン、5-(1,2,3-トリメチル-4-ペンテニル)-2-ノルボルネンが挙げられる。
中でも、5-ビニル-2-ノルボルネン、5-(2-プロペニル)-2-ノルボルネン、5-(3-ブテニル)-2-ノルボルネン、5-(4-ペンテニル)-2-ノルボルネン、5-(5-ヘキセニル)-2-
ノルボルネン、5-(6-ヘプテニル)-2-ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2-ノルボルネンが好ましい。これらのノルボルネン化合物は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのノルボルネン化合物であれば、ゴム(A)の分岐指数を0.3〜0.95に制御し易く、また、得られた架橋可能なゴム組成物は、後述するようなゴム用補強材等の分散性に優れる。また、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A2)得られた架橋可能なゴム組成物は架橋反応性が高く、得られた架橋体の耐圧縮永久歪み性
などに優れる。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A1)は、以下のような特性を有していることが好ましい。
(i)エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとのモル比(エチレン/α−オレフィン)
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A1)は、(a)エチレンで導かれる単位と、(b)炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位とを、40/60〜95/5、好ましくは50/50〜90/10、より好ましくは55/45〜85/15、さらに好ましくは60/40〜80/20、特に好ましくは60/40〜78/22、最も好ましくは60/40〜76/24のモル比[(a)/(b)]で含有している。
このモル比[(a)/(b)]が上記範囲内にあると、ペレット状になり易く、本発明の方法において連続混練した際の分散性が良好になる。また、耐熱老化性、強度特性およびゴム弾性に優れるとともに、耐寒性および加工性に優れた架橋ゴム成形体が得られる。(ii)ヨウ素価
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A1)のヨウ素価は、特に制限はないが、好ましくは0.5〜30(g/100g)、より好ましくは0.8〜10(g/100g)、さらに好ましくは1〜6(g/100g)、特に好ましくは1〜4(g/100g)である。
このヨウ素価が上記範囲内にあると、架橋ゴムに用いた場合は架橋密度の高いゴム組成物が得られ、耐圧縮永久歪み性に優れるとともに、耐環境劣化性(=耐熱老化性)に優れた架橋ゴム成形体が得られる。
(iii)極限粘度
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A1)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、特に制限はないが、好ましくは1〜10dl/g、より好ましくは1.5〜8dl/g、さらに好ましくは2〜6dl/g、特に好ましくは2.5〜5dl/g、最も好ましくは3〜4.5dl/gである。
この極限粘度[η]が上記範囲内にあると、ペレット状でもブロッキングしないものが得られ、本発明の方法において連続混練を行った際に分散性に優れたゴム組成物を得ることができる。また、強度特性および加工性とのバランスに優れる架橋ゴム成形体を提供できるゴム組成物が得られる。
(iv)分子量分布(Mw/Mn)
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A1)のGPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は、特に制限はないが、好ましくは3〜100、より好ましくは3.3〜75、さらに好ましくは3.5〜50である。
この分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲内にあると、ペレット状でもブロッキングしないものが得られ、連続混練でも分散性に優れた組成物を得ることができる。また、架橋ゴムに用いた場合は加工性に優れるとともに、強度特性に優れた架橋ゴム成形体を提供できるゴム組成物が得られる。
上記式[I]で表わされるノルボルネン化合物を非共役ポリエンとして用いたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A2)は、下記化合物(H)および(I)を主成分として含有する触媒の存在下に、重合温度30〜60℃、好ましくは30〜59℃、重合圧力4〜12kgf/cm2、好ましくは5〜8kgf/cm2、非共役ポリエンとエチレンとの供給量のモル比(非共役ポリエン/エチレン)0.01〜0.2の条件で、エチレンと、炭素原子数3〜20のα−オレフィンと、上記式[I]で表
わされるノルボルネン化合物とをランダム共重合することにより得られる。共重合は、炭化水素媒体中で行なうのが好ましい。
ここで、化合物(H)は、VO(OR)n3-n(式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、nは0または1〜3の整数である)で表わされる可溶性バナジウム化合物、またはVX4(Xはハロゲン原子である)で表わされる可溶性バナジウム化合物で
ある。
可溶性バナジウム化合物(H)は、重合反応系の炭化水素媒体に可溶性の成分であり、具体的には、一般式VO(OR)abまたはV(OR)cd(式中、Rは炭化水素基であり、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4)で表わされるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与体付加物を挙げることができる。
より具体的には、VOCl3、VO(OC25)Cl2、VO(OC252Cl、VO
(O−iso−C37)Cl2、VO(O−n−C49)Cl2、VO(OC253、VOB
3、VCl4、VOCl3、VO(O−n−C493、VCl3・OC612OHなどを挙
げることができる。
また、化合物(I)は、R'mAlX'3-m(R’は炭化水素基であり、X’はハロゲン原子であり、mは1〜3の整数である)で表わされる有機アルミニウム化合物である。
この有機アルミニウム化合物(I)としては、具体的には、
トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシド等のアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
10.5Al(OR1)0.5等で表わされる平均組成を有する、部分的にアルコキシ化さ
れたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハライドなどの、部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキルアルミニウムジヒドリドなどの、部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの、部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムを挙げることができる。
VOCl3で表わされる可溶性バナジウム化合物(H)と、上記化合物(I)のブレン
ド物:Al(OC252Cl/Al2(OC253Cl3(ブレンド比は1/5以上)を触媒成分として使用すると、ソックスレー抽出(溶媒:沸騰キシレン、抽出時間:3時間、メッシュ:325)後の不溶解分が1%以下であるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A2)が得られる。
また、上記式[I]で表わされるノルボルネン化合物を非共役ポリエンとして用いたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A2)を製造する際に、共重合に使用する触媒として、いわゆるメタロセン触媒、例えば特開平9−40586号公報に記載されているメタロセン触媒を用いてもよい。
なお、式[I]で表わされるノルボルネン化合物の含量、重合温度、重合圧力、ポリマー濃度等を調整することにより、分岐指数を制御することができる。
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A1)は、極性モノマー、例えば不飽和カルボン酸またはその誘導体(例えば酸無水物、エステル)でグラフト変性されていてもよい。
<ゴムペレットの製造方法>
ゴム(A)のペレットは、国際公開WO2004/083299号パンフレットに記載の方法で製造することができる。ビニル基を含有するペレットは、ゴム(A)、例えばエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A1)を含む溶液における有機溶媒(D)の含有量を、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A1)100重量部に対して0〜10重量部となるように調整し、さらに必要に応じて、熱可塑性樹脂を添加して得られたゴム組成物(Z)を、多段ベント付押出機の供給部より押出機内に導入することにより得ることができる。
本発明で使用するペレットには可塑剤が含まれていてもよい。可塑剤の配合は、押出機に供給する前のゴム(A)、例えばエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A1)に上記有機溶媒(D)を共存させた状態で行ってもよく、あるいは押出機の途中で可塑剤を注入することにより行ってもよい。
上記有機溶媒(D)としては、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)を溶液重合法において調製する際に用いられる従来公知の炭化水素溶媒が挙げられる。具体的には、国際公開WO04/083299号パンフレットに記載されているものが挙げられる。
ゴム組成物(Z)の導入とともに、不活性ガス雰囲気下で、必要に応じて熱可塑性樹脂を他の供給部よりこの押出機内部に導入して、ゴム組成物(Z)と熱可塑性樹脂とを混練、必要に応じて脱溶媒することにより、ゴム(A)、例えばエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A1)と、可塑剤と、必要に応じて配合された熱可塑性樹脂と、を含むゴム組成物が得られ、その際に、押出機の先端に取り付けたペレタイザー(図示せず)で造粒すれば、本発明で使用されるゴム(A)のペレットが得られる。
本発明では、上記の熱可塑性樹脂は、ゴム(A)100重量部に対して0〜30重量部、好ましくは0〜10重量部の範囲でペレットに含有されていてもよいが、架橋ゴムの物性の点からはこの熱可塑性樹脂はペレットに含有されていない方が望ましい。ペレットには、上記したように可塑剤が含有されていてもよく、その含有量は、好ましくはゴム(A)100重量部に対して1〜150重量部である。
本発明で用いられるゴム(A)のペレットは、その形状について特に制限はないが、好ましくは球状、円柱状、角柱状、またはスポンジ状であり、そのアスペクト比は、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは1〜2、特に好ましくは1〜1.5である。
ペレットの大きさについても特に制限はないが、通常は0.1〜50mm程度の大きさであり、好ましくは0.5〜30mm、より好ましくは1〜10mm、さらに好ましくは
3〜8mmである。ここで、ペレットの大きさは、任意に選んだ10個のペレットのそれぞれについて、その最大長さLmaxと最小長さLminとをノギスを用いて測定し、これらを平均した値である:
ペレットの大きさ=(Lmax1+Lmax2+Lmax3+Lmax4+Lmax5+Lmax6+Lmax7+Lmax8+Lmax9+Lmax10+Lmin1+Lmin2+Lmin3+Lmin4+Lmin5+Lmin6+Lmin7+Lmin8+Lmin9+Lmin10)/20
本発明で用いるゴム(A)のペレットには、粉体などのブロッキング防止を目的とする添加剤がペレット表面に存在していてもよいが、上述した方法で得られたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A2)のペレットは、このようなブロッキング防止剤が存在しなくても、取り扱い性に優れている。
また、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A2)のペレットを用いれば、得られたゴム組成物中の、補強剤、可塑剤などの配合薬品の分散性も優れており、押し出し成形体の性質も安定したものとなる。
<SiH基含有化合物(B)>
本発明で用いられるSiH基含有化合物(B)は、その分子構造に特に制限はなく、従来公知である例えば線状、環状、分岐状構造の化合物、あるいは三次元網目状構造の樹脂状物などがSiH基含有化合物(B)として使用できるが、ケイ素原子に直結した水素原子、即ちSiH基が、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上含まれていることが必要である。これらの中でも液体のSiH基含有化合物が、連続混練する際に連続供給の定量性が非常に良好であり、しかも分散性に優れるために好ましい。
本発明で好ましく用いられるSiH基含有化合物(B)として、下記組成式:
4 bcSiO(4-b-c)/2 …(B−1)
で表わされる化合物(B−1)を挙げることができる。
上記組成式において、R4は、炭素原子数1〜10、好ましくは炭素原子数1〜8の置
換または非置換の1価炭化水素基(脂肪族不飽和結合を有するものを除く。炭化水素の水素原子が適当な置換基で置換されていてもよい)であり、このような1価炭化水素基としては、具体的には、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、トリフロロプロピル基などのハロゲン置換されたアルキル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、トリフルロロプロピル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
上記組成式において、bは、0≦b<3、好ましくは0.6<b<2.2、より好ましくは1.5≦b≦2である。cは、0<c≦3、好ましくは0.002≦c<2、より好ましくは0.01≦c≦1である。b+cは、0<b+c≦3、好ましくは1.5<b+c≦2.7である。
このSiH基含有化合物(B−1)は、1分子中のケイ素原子数が好ましくは2〜1000個、より好ましくは2〜300個、さらに好ましくは4〜200個のオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、具体的には、例えば、
1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7-テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8-ペンタメチルペンタシクロシロキサン等のシロキサンオリゴマー;
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体
、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、R4 2(H)SiO1/2 単位とSiO4/2 単位とからなり、任意にR4 3SiO1/2 単位、R4 2SiO2/2 単位、R4(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2 またはR4SiO3/2単位を含み得るシリコーンレジンなどを挙げることができる。
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば下式で表される化合物、あるいは下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物が挙げられる。
(CH3)3SiO-(-SiH(CH3)-O-)d-Si(CH3)3
[式中、dは2以上の整数である。]
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、例えば下式で表される化合物、あるいは下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物が挙げられる。
(CH3)3SiO-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(CH3)-O-)f-Si(CH3)3
[式中、eは1以上の整数であり、fは2以上の整数である。]
分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば下式で表される化合物、あるいは下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物が挙げられる。
HOSi(CH3)2O-(-SiH(CH3)-O-)2-Si(CH3)2OH
分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、例えば下式で表される化合物、あるいは下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物が挙げられる。
HOSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(CH3)-O-)f-Si(CH3)2OH
[式中、eは1以上の整数であり、fは2以上の整数である。]
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンとしては、例えば下式で表される化合物、あるいは下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物が挙げられる。
HSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-Si(CH3)2
[式中、eは1以上の整数である。]
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば下式で表される化合物、あるいは下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物が挙げられる。
HSi(CH3)2O-(-SiH(CH3)-O-)e-Si(CH3)2
[式中、eは1以上の整数である。]
分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体としては、例えば下式で表される化合物、あるいは下式においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等で置換した化合物が挙げられる。
HSi(CH3)2O-(-Si(CH3)2-O-)e-(-SiH(CH3)-O-)h-Si(CH3)2
[式中、eおよびhは、それぞれ1以上の整数である。]
これらのなかでも、分子鎖の末端にSiH基を有しないものが、連続混練工程、連続押出工程における耐スコ−チ性に優れるため、好ましい。このような化合物の一例として、実施例1で使用した式(1)であらわされる化合物などを挙げることができる。
上記の化合物は、公知の方法により製造することができ、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンおよび/またはテトラメチルシクロテトラシロキサンと、ヘキサメチルジシロキサンおよび1,3-ジハイドロ-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンなどの、トリオル
ガノシリル基またはジオルガノハイドロジェンシロキシ基を含んだ末端基となり得る化合物とを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に、−10℃〜40℃程度の温度で平衡化させることによって容易に得ることができる。
SiH基含有化合物(B)は、ゴム(A)100重量部に対して、0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜40重量部、より好ましくは0.1〜30重量部、さらに好ましくは0.2〜20重量部、さらにより好ましくは0.2〜15重量部、特に好ましくは0.5〜10重量部、最も好ましくは0.5〜5重量部の割合で用いられる。上記範囲内の割合で用いると、耐圧縮永久歪み性に優れるとともに、架橋密度が適度で強度特性および伸び特性に優れた架橋ゴム成形体を形成できるゴム組成物が得られる。また、本発明の方法において連続混練する際に、連続供給の定量性、および分散性も良好になる。
また、ゴム(A)の架橋に関与する脂肪族不飽和基に対するSiH基の割合(SiH基/脂肪族不飽和基)は、好ましくは0.2〜20、より好ましくは0.5〜10、さらに好ましくは0.7〜5である。
<触媒(C)>
本発明で用いられる触媒(C)は付加反応触媒であり、SiH基含有化合物によるヒドロシリル化反応を促進するために用いられる。溶液にしたものを使用することが、連続混練する際に、連続供給の定量性が非常に良好で、しかも分散性に優れるために好ましい。
このような触媒(C)としては、上記ゴム(A)成分に含まれるビニル基と、SiH基含有化合物(B)のSiH基との付加反応(アルケンのヒドロシリル化反応)を促進するものであれば特に制限はなく、具体的には、例えば白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金族元素からなる付加反応触媒(周期律表8族金属、8族金属錯体、8族金属化合物等の8族金属系触媒)を挙げることができる。中でも、白金系触媒が好ましい。
白金系触媒は、付加硬化型の硬化に使用される公知のものを用いることができ、具体的には、例えば米国特許第2,970,150号明細書に記載の微粉末金属白金触媒、米国特許第2,823,218号明細書に記載の塩化白金酸触媒、米国特許第3,159,601号公報明細書および米国特許第159,662号明細書に記載の白金と炭化水素との錯化合物、米国特許第3,516,946号明細書に記載の塩化白金酸とオレフィンとの錯化合物、米国特許第3,775,452号明細書および米国特許第3,814,780号明細書に記載の白金とビニルシロキサンとの錯化合物が挙げられる。より具体的には、例えば白金の単体(白金黒)、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、アルミナ、シリカ等の担体に白金の担体を担持させたものが挙げられる。
パラジウム系触媒としては、具体的には、例えばパラジウム、パラジウム化合物、塩化パラジウム酸が挙げられる。
ロジウム系触媒としては、具体的には、例えばロジウム、ロジウム化合物、塩化ロジウム酸が挙げられる。
これらの中でも、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体が、塩素を含んでいないことから耐金属腐蝕性に優れ、また連続混練工程、連続押出工程における耐スコ−チ性に優れるため好ましい。
触媒(C)は、ゴム(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜100,000重量ppm、より好ましくは0.1〜10,000重量ppm、さらに好ましくは1〜5,000重量ppmの割合で用いられる。
上記範囲内の割合で触媒(C)用いると、架橋速度が適度である。100,000重量ppmを超える割合で触媒(C)を用いると、架橋速度が速すぎ、連続混練中に架橋が進行してしまい、その後の成形が困難となることに加え、コスト的に不利になる。
<反応抑制剤(E)>
本発明では、任意成分として反応抑制剤(E)がゴム組成物に配合される。このような反応抑制剤(E)としては、具体的には、例えばベンゾトリアゾール、エチニル基含有アルコール(例えばエチニルシクロヘキサノール等)、アクリロニトリル、アミド化合物(例えばN,N-ジアリルアセトアミド、N,N-ジアリルベンズアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-o-フタル酸ジアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-m-フタル酸ジアミド、N,N,N',N'-テトラアリル-p-フタル酸ジアミド等)、イオウ、リン、窒素、アミン化合物、イオウ化合物、リン化合物、スズ、スズ化合物、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン、ハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。
これらの中でも、液体のもの、あるいは溶液にしたものが、連続混練する際に、連続供給の定量性が非常に良好で、しかも分散性に優れるために好ましい。
反応抑制剤(E)は、ゴム(A)100重量部に対して、0〜50重量部、好ましくは0.0001〜50重量部、より好ましくは0.0001〜30重量部、さらに好ましくは0.0001〜20重量部、特に好ましくは0.0001〜10重量部、最も好ましくは0.0001〜5重量部の割合で用いられる。
50重量部以下の割合で反応抑制剤(E)を用いると、架橋が始まるまでの誘導期間と架橋速度とのバランスに優れ、連続混練中に架橋が進行することを抑制できる。50重量部を超える割合で反応抑制剤(E)を用いると、架橋速度が遅くなり過ぎることに加え、コスト的に不利になる。
本発明において、ゴム組成物中には、意図する架橋物の用途等に応じて、従来公知のゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、加硫促進剤、有機過酸化物、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤、着色剤、分散剤、難燃剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。これらの中でも、アルケンのヒドロシリル化反応を阻害しないものが好ましい。
上記ゴム補強剤は、架橋ゴムの引張強度、引き裂き強度、耐摩耗性などの機械的性質を高める。このようなゴム補強剤としては、具体的には、例えばSRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、FT,MT等のカーボンブラック、シランカップリング剤などにより表面処理が施されているこれらのカーボンブラック、微粉ケイ酸、シリカが挙げられる。
シリカの具体例としては、煙霧質シリカ、沈降性シリカが挙げられる。これらのシリカは、ヘキサメチルジシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等の反応性シランあるいは低分子量のシロキサン等で表面処理されていてもよい。また、これらシリカの比表面積(BED法)は、好ましくは50m2/g以上、より好ましくは100〜400m2/gである。
ゴム補強剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、その配合量は通
常、ゴム(A)100重量部に対して、300重量部以下、好ましくは200重量部以下である。
上記無機充填剤としては、具体的には、例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーが挙げられる。
これらの無機充填剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、その配合量は通常、ゴム(A)100重量部に対して300重量部以下、好ましくは200重量部以下である。
上記軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。具体的には、例えばプロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;トール油;サブ;蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質を挙げることができる。中でも石油系軟化剤が好ましく、特にプロセスオイルが好ましい。これらの軟化剤の配合量は、架橋物の用途により適宜選択される。
上記老化防止剤としては、具体的には、例えばアミン系、ヒンダードフェノール系、またはイオウ系の老化防止剤が挙げられる。これらの老化防止剤は、上述したように、本発明の目的を損なわない範囲で用いられる。
アミン系老化防止剤としては、具体的には、例えばジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類が挙げられる。
ジフェニルアミン類としては、具体的には、例えばp−(p−トルエン・スルホニルアミド)−ジフェニルアミン、4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、4,4’−ジオクチル・ジフェニルアミン、ジフェニルアミンとアセトンとの高温反応生成物、ジフェニルアミンとアセトンとの低温反応生成物、ジフェニルアミンとアニリンとアセトンとの低温反応物、ジフェニルアミンとジイソブチレンとの反応生成物、オクチル化ジフェニルアミン、ジオクチル化ジフェニルアミン、p,p’−ジオクチル・ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミンが挙げられる。
フェニレンジアミン類としては、具体的には、例えばN,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、n−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン類が挙げられる。
これらの中でも、4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンが好ましい。
これらの化合物は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
ヒンダードフェノール系老化防止剤としては、従来公知のものが使用できるが、具体的には、例えばテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4−8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンが挙げられる。
イオウ系老化防止剤としては、通常ゴムに使用されるイオウ系老化防止剤が用いられる。具体的には、例えば2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルイミダゾールの亜鉛塩等のイミダゾール系老化防止剤;
ジミリスチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)等の脂肪族チオエーテル系老化防止剤が挙げられる。これらの中でも、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)が好ましい。
上記の加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される化合物を使用することができる。具体的には、例えばリシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸の塩;リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸のエステル類が挙げられる。
このような加工助剤は、通常、ゴム(A)100重量部に対して10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
<連続混練方法>
本発明のゴムの連続混練方法は、連続混練機のバレルの基部側よりゴム(A)のペレットを連続的に供給する工程と、SiH基含有化合物(B)を当該バレルの任意の位置から連続的に供給する工程と、触媒(C)を当該バレルの任意の位置から連続的に供給する工程と、を含む。
連続混練機としては、公知のものを使用できるが、例えば、特開2000−43032号公報、特開2003−170423号公報、特開2003−181828号公報に記載された連続混練機を使用できる。多軸または単軸のスクリュー式連続混練機を使用できるが、バレルを開放でき、掃除が容易で、ゴムの連続混練用として取扱いが容易な点で単軸のスクリュー式連続混練機が好ましい。
ニーディングスクリューおよびバレルには通常、それぞれに温度調節機能が設けられている。
スクリュー温度は、好ましくは10℃〜100℃、さらに好ましくは10〜80℃、特に好ましくは、10〜60℃、最も好ましくは10〜40℃である。また、バレル温度は好ましくは10℃〜100℃、さらに好ましくは10〜80℃、特に好ましくは、10〜60℃、最も好ましくは10〜40℃である。スクリュー温度とバレル温度は同じであっても、異なっていてもよい。
連続混練機の好ましい具体例として、ニーディング部(混練部)を有するものが挙げられる。例えばスクリューにニーディングブロックが設けられているもの、あるいは、ニーディングスクリューが、スクリュー羽根が連続した送りスクリュー部と、スクリュー羽根が切り欠かれてセグメント化されたニーディング部とからなり、バレル内で一方向に回転しながら軸方向に1ピッチ相当の距離を往復し、ニーディング部を囲むバレル内面に剪断ピンが突設されてスクリュー羽根の間に入るようにしたものが挙げられる。後者の連続混練機として、例えばBUSS社製「コニーダー」が市販されており、この連続混練機では、ニーディング部のゴム組成物が、後戻りしたり、セグメント化されたスクリュー羽根の縁や剪断ピンで分断されたりすることで混練能率が向上する。
ゴム(A)のペレットは、ゴム供給装置から連続混練機へ供給することができる。このようなゴム供給装置としては、ペレットゴムを連続的に定量供給できるものであればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの汎用的なペレット樹脂の供給用に用いられる公知の供給装置を使用することができる。
ゴム(A)は、カーボンブラック等を予め混練したマスターバッチとして供給してもよい。
本発明では、連続混練機のバレルの基部側よりゴム(A)のペレットが連続的に供給される。ここで「バレルの基部側」とは、バレルの駆動装置側のことであり、より具体的には、バレルの長さを100Lとした場合にバレルの基部側末端(駆動装置側末端)から0〜30L、好ましくは0〜20Lの範囲にある部位を意味する。
本発明では、SiH基含有化合物(B)と、触媒(C)とが、連続混練機のバレルの任意の位置から連続的に供給される。
必要に応じて、前述した反応抑制剤(E)を連続混練機におけるバレルの任意の位置から連続的に供給してもよい。反応抑制剤(E)は、SiH基含有化合物(B)および触媒(C)とは別々のバレルの位置から供給してもよく、また、予め調製したSiH基含有化合物(B)と反応抑制剤(E)との混合物、触媒(C)と反応抑制剤(E)との混合物を連続混練機へ供給してもよい。
SiH基含有化合物(B)、触媒(C)、および反応抑制剤(E)を供給するにあたり、SiH基含有化合物(B)とゴムに用いられる充填剤とを混合して造粒した粒子状物、触媒(C)とゴムに用いられる充填剤とを混合して造粒した粒子状物、反応抑制剤(E)とゴムに用いられる充填剤とを混合して造粒した粒子状物、SiH基含有化合物(B)と反応抑制剤(E)とゴムに用いられる充填剤を混合して造粒した粒子状物、触媒(C)と反応抑制剤(E)とゴムに用いられる充填剤とを混合して造粒した粒子状物、のうち少なくとも1つを、定量供給装置を使用して供給してもよい。
この場合、造粒に使用する充填剤は、目的とするゴム成形品の構成材料として使用する充填剤であってもよく、別の種類の充填剤であってもよいが、目的とするゴム成形品の構成材料である充填剤の一部を造粒に使用することが、ゴム成形品の特性を損なうおそれがない点で好ましい。
SiH基含有化合物(B)、触媒(C)、必要に応じて用いられる反応抑制剤(E)は、これらを別々に造粒し、複数の定量供給装置を使用して供給してもよい。
上記の造粒粒子は、SiH基含有化合物(B)、触媒(C)、反応抑制剤(E)のち少
なくとも1種が5〜50重量%含有されていることが好ましい。
造粒粒子中におけるこれらの成分の含有量が5重量%未満である場合、必要成分の濃度が低下し、供給時の定量性は良好ではあるが大きな定量供給装置が必要となる等の問題が生じる。一方、これらの成分の含有量が50重量%を超えると充填剤の比率が低下し、造粒後の粒子の強度が十分ではなく、供給過程で粉末が生じる場合があり、供給時の定量性が低下するので好ましくない。
造粒に使用する造粒機は公知の造粒機が限定なく使用可能であり、例えば圧縮式造粒機、押出式造粒機、高速回転式造粒機などが例示される。
本発明のゴムの連続混練方法においては、定量供給装置の性能を考慮すると造粒後の前記粒子の粒子径が1mm〜5mmであることが好ましい。
本発明において、SiH基含有化合物(B)、触媒(C)、必要に応じて用いられる反応抑制剤(E)は、それぞれ液体または溶液となっているものが好ましい。それぞれの液体または溶液を、定量供給装置を使用して供給すると、連続混練する際に、連続供給の定量性が非常に良好で、しかも、ゴムへの分散性に優れるために特に好ましい。
触媒(C)は、連続混練機のバレルの先端部側の位置から連続的に供給することが好ましい。ここで「バレルの先端部側の位置」とは、バレルの全長を100Lとした場合、バレルの基部側末端(駆動装置側)から50L以上離れた位置のことを示し、好ましくはバレルの基部側末端から70L〜100Lの範囲にある位置であり、より好ましくは80L〜100Lの範囲にある位置であり、さらに好ましくは90L〜100L、特に好ましくは90L−99Lの範囲にある位置である。
この範囲であれば得られた架橋可能なゴム組成物を押し出し成形した場合に、良好な外観を有する押し出し成形体が得られる。ここで、触媒(C)を供給する位置は以下のように決定することが望ましい。
即ち、連続混練機の基部から先端部へ向かう方向に平行な方向を流れ方向とし、供給のためにバレルに設けた開口部の、流れ方向の開口部長さをkとしたときに、開口部の始まり、(より基部に近い方を始まりとする)から、流れ方向にk/2の長さだけ隔たった点を、触媒(C)を供給する位置とする。つまり開口部の流れ方向に沿った中点を、触媒(C)を供給する位置とする。
SiH基含有化合物(B)は、連続混練機のバレルの触媒(C)を供給する前の位置から連続的に供給することが好ましい。即ち、SiH基含有化合物(B)を触媒(C)よりも先に連続混練機中のゴム(A)に供給することが好ましい。この場合、押し出し肌などの外観に優れ、しかも、連続架橋時に速やかに架橋する押し出し成形体を得ることができるゴム組成物が得られる。
また、必要に応じて用いられる反応抑制剤(E)は、連続混練機のバレルの触媒(C)を供給する前の位置から連続的に供給することが好ましい。この場合、押し出し肌などの外観に優れ、しかも、連続架橋時に速やかに架橋する押し出し成形体を得ることができるゴム組成物が得られる。
また、SiH基含有化合物(B)、触媒(C)、および必要に応じて用いられる抑制剤(E)は、ゴム(A)のペレットを供給する位置よりも、後の位置で供給することが好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法では、ゴム(A)のペレットの供給口、補強剤などの添加剤の供給口、可塑剤の供給口、SiH基含有化合物(B)の供給口、反応抑制剤(E)の供給口、触媒(C)の供給口の順に各供給口を設け、ゴム(A)のペレットの供給口に定量ギヤーポンプを介してペレットゴム供給装置を接続し、その他の供給口に定量供給装置を接続した構造とすることが好ましい。この構造において、ゴム(A)のペレットは、ペレットゴム供給装置からペレットゴム供給口を経て連続混練機に所定量ずつ供給される。
連続混練機に供給されたゴム(A)のペレットは、連続混練機を通過する間に、好ましくは、補強剤などの添加剤、可塑剤、SiH基含有化合物(B)、反応抑制剤(E)、触媒(C)の順に添加され、いわゆるファイナルゴム混練が行われるが、従来のバッチ式と異なり、ゴムが少量ずつ連続的に混練され、しかも連続混練機に供給されるゴム量を制御することにより、連続混練機のバレル内に未架橋ゴム組成物が充満するのを防ぎ、混練に伴う熱の発生が抑制され、焼けが発生しない。
本発明では、連続混練機内のゴムを大気圧下で混練する方が好ましいが、連続混練機内のゴムに圧力が負荷されていてもよい。
なお、本発明の架橋可能なゴム組成物においては、ゴム組成物の硫黄原子の含量が5000ppm以下であると、当該ゴム組成物から押し出し成形体を製造し、直ちに架橋工程に連続的に供給する製造工程を実現するにあたって、架橋速度の点でより一層好ましい。なお、硫黄原子は、例えば前記したカーボンブラック中、あるいはオイル中にも含まれていることがある。硫黄原子の混入が少ないカーボンブラックやオイルを使用すること、および/または加硫剤に硫黄を用いないことなどでゴム組成物中の硫黄原子の量を5000ppm以下とすることができる。
<押し出し成形体の製造方法>
本発明の押し出し成形体の製造方法では、上記方法で得られた架橋可能なゴム組成物を連続的に押し出し成形工程に供給する。本発明では上記方法で得られた架橋可能なゴム組成物を、一旦取り出して冷却してから、次工程である押し出し成形に改めて供給してもよい。しかし本発明においては特に、上記方法で得られた架橋可能なゴム組成物を、取り出すことなく連続的に押し出し成形工程に供給することが、効率的な押し出し成形体の生産という点から好ましい。
好ましい連続押出方法としては、連続混練機の先端(ヘッド)に意図する押出形状の口金を取り付けて、連続混練により架橋可能なゴム組成物を得る工程と、このゴム組成物を連続押出成形する工程とを同時に行う方法と、連続混練機に連続押出機を追加して接続し、連続混練してゴム組成物を得た直後に連続押出を行う方法が挙げられる。
連続混練機と連続押し出し機とを接続する場合、ゴム組成物が混練機の外に取り出されることなく連続押し出し機へ直接に供給されるように接続される。この連続押し出し機は、ニーディング部を含まない構造であることが好ましい。このような構成は、例えば特開2000−43032号公報に開示されている。
この連続混練機と連続押し出し機とを接続した構成では、連続混練機でファイナルゴム混練されながら、ゴム組成物が連続混練機の先端部(吐出側端部)に送られ、さらにこの吐出側端部から押し出し機および定量ギヤーポンプの一方または両者を介して押し出し用ダイヘッドに送られ、ゴム組成物が所望の断面形状に成形されて吐出される。
そして、混練で得られた未架橋ゴム組成物が直ちに押し出し機または定量ギヤーポンプ
の少なくとも一方を介してダイヘッドに送られるので、ゴム物性の経時変化が起きず、未架橋ゴムのムーニー粘度、スコーチが安定し、押し出し品のプロファイル精度が向上する。なお、連続混練機とダイヘッド間に押し出し機および定量ギヤーポンプを順に配設し、これにより押し出し機の吐出側のゴム圧力が一定になるように押し出し機の速度を制御することもでき、この場合、押し出し精度が向上する。
連続混練機の吐出側端部に接続される押し出し機または定量ギヤーポンプは、連続混練機から吐出されるゴム組成物の所定量をダイヘッドに連続して供給できるものであればよく、押し出し機および定量ギヤーポンプを直列に接続して用いることもできる。押し出し機としては、1本または2本のスクリューを用いたスクリューフィーダーが好ましい。
また、押し出し機または定量ギヤーポンプに送られるゴムの圧力を一定に制御して連続混練機内のゴムを大気圧下で混練することが好ましい。
スクリュー温度は、好ましくは10℃〜100℃、より好ましくは10〜80℃、さらに好ましくは10〜60℃、特に好ましくは10〜40℃である。また、バレル温度は好ましくは10℃〜100℃、より好ましくは10〜80℃、さらに好ましくは10〜60℃、特に好ましくは10〜40℃である。スクリュー温度とバレル温度は同じであっても、異なっていてもよい。
<押し出し成形体架橋体の製造方法>
本発明の押し出し成形体架橋体の製造方法では、上記の製造方法で得られた押し出し成形体を、架橋工程に連続的に供給する。特に上記の製造方法で得られた押し出し成形体を、直ちに架橋工程に連続的に供給することが、効率的な押し出し成形体架橋体の製造という点からは好ましい。供給された押し出し成形体は連続的に架橋され、押し出し成形体架橋物となる。連続的に架橋する方法としては、従来公知の連続的架橋方法を用いることができる。連続押し出し後に、従来公知の架橋槽にて架橋することにより、連続架橋を行うことができる。従来公知の架橋槽としては、HAV(Hot Air Vulcanization)、UHF
(Ultra High Frequency Vulcanization)、HFB(Horizonted Fluid bed Continuous Vulcanization)、LCM(Liquid Curing Medium)、赤外線を利用した架橋槽などが挙
げられる。
中でも、特願2002−207279号に示された架橋槽を用いることが好ましい。通常のゴム組成物であれば、押し出し成形体を製造した後、連続的に架橋工程に供給しようとしても、架橋時間が長いため架橋工程が非現実的な長さとなるか、あるいは押し出し速度を非常に遅くする必要があり、押し出し成形後直ちに連続的に架橋工程に供することはできなかった。しかし本発明では、上記の製造方法で得られた押し出し成形体を一旦製造ラインから取り出して、改めて架橋工程に供給する必要もなく、直ちに連続的に架橋工程に供給できる。
以下、本発明に使用する装置の一例を具体的に説明する。
図1において、2は公知のスクリュー式連続混練機(BUSS社製「コニーダー」)のニーディングスクリューであり、温度調節が可能な円筒状のバレルを貫通してスクリュー駆動装置1に片持ち状に支持され、所定の速度で一方向に回転しながら軸方向にスクリュー羽根の1ピッチ相当距離を往復する。連続混練機25の先端部(吐出側端部)の開口部には、連続押し出し機26の基部が接続される。
一方、バレルの上面には、原料ゴム供給口、補強剤などの添加剤供給口、可塑剤供給口、SiH基含有化合物供給口、抑制剤供給口、触媒供給口が設けられている。
ペレット状の原料ゴムのホッパー3から原料ゴム定量供給制御装置4を介して、原料ゴム供給口から、ペレット状の原料ゴムが定量的に、且つ連続的に供給され、連続混練機スクリュー2の回転によって前方に先端部側に向かって原料ゴムが送られ、その間に回転と同期して1ピッチ相当距離を往復し、混練される。
そして、フィラー(1)ホッパー5、フィラー(2)ホッパー7からフィラー(1)定量供給制御装置6、フィラー(2)定量供給装置8を介して、定量的に、且つ連続的に混練・定量供給制御装置9で均一に混ぜ合わされたフィラー混合物が、フィラー供給口から、定量的に、且つ連続的に供給され、スクリュー2の回転により送られてきた原料ゴムと接触する。
さらに、可塑剤ホッパー11から可塑剤定量供給制御装置12を介して、可塑剤供給口から可塑剤が定量的に、且つ連続的に供給され、原料ゴムとフィラー混合物と可塑剤とが混練される。この際、原料ゴムとフィラー混合物との混練が十分に進んだ状態で可塑剤を供給されると可塑剤が取り込まれにくくなるため、原料ゴムに、フィラー混合物と可塑剤とを同時に供給するか、あるいはフィラー混合物が供給された直後に可塑剤を供給することが好ましい。具体的には、連続混練機25のバレル長さを100Lとした場合に、フィラー供給口と可塑剤供給口との間の距離が0〜20Lであることが好ましく、より好ましくは、この距離は0〜10Lである。
さらに、連続混練機スクリュー2の回転によって混合物が先端部側へ向かって前方に送られ、SiH基含有化合物ホッパー13からSiH基含有化合物定量供給制御装置14を介して、SiH基含有化合物が定量的に、且つ連続的にSiH基含有化合物供給口から供給され、混練される。
さらに、連続混練機スクリュー2の回転によって混合物が先端部側へ向かって前方に送られ、反応抑制剤ホッパー15から反応抑制剤定量供給制御装置16を介して、反応抑制剤が定量的に、且つ連続的に反応抑制剤供給口から供給され、混練される。
さらに、連続混練機スクリュー2の回転によって混合物が先端部側へ向かって前方に送られ、触媒ホッパー17から触媒定量供給制御装置18を介して、触媒が定量的に、且つ連続的に触媒供給口から供給され、混練される。これにより、目的とするゴム組成物が得られる。
次いで、ゴム組成物は、連続押し出し機26の基部に吐出され、連続押し出し機スクリュー20でヘッド21、ダイス22へ送られ、意図する押し出し形状に押し出される。これにより、押し出し成形体が得られる。
次いで、得られた押し出し成形体を連続架橋槽23にて連続架橋し、ゴム製品(押し出し成形体架橋物24)が得られる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
1.エチレン・プロピレン・5-ビニル-2-ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)
の製造
攪拌羽根を備えた実質内容積100リットルのステンレス製重合器(攪拌回転数=250rpm)を用いて、連続的にエチレンとプロピレンと5-ビニル-2-ノルボルネンとの三
元共重合を行なった。
重合器側部より液相へ毎時、ヘキサンを60リットル、エチレンを3.8kg、プロピレンを7.7kg、5-ビニル-2-ノルボルネンを180gの速度で、また、水素を40リ
ットル、触媒としてVO(OEt)Cl2を10ミリモル、Al(Et)1.5Cl1.5を70ミリモルの速度で連続的に供給した。
以上に述べたような条件で共重合反応を行なうと、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2-ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−1)が均一な溶液状態で得られた。
その後、重合器下部から連続的に抜き出した重合溶液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にて重合体を溶媒から分離したのち、55℃で48時間真空乾燥を行なった。
上記のようにして得られたエチレン・プロピレン・5-ビニル-2-ノルボルネンランダム
共重合体ゴム(A−1)の物性を表1に示す。
(1)共重合体ゴムの組成
共重合体ゴムの組成は13C−NMR法で測定した。
(2)共重合体ゴムのヨウ素価
共重合体ゴムのヨウ素価は、滴定法により求めた。
(3)極限粘度[η]
共重合体ゴムの極限粘度[η]は、135℃デカリン中で測定した。
(4)分岐指数
分岐指数は、平均分岐指数(BI)であり、下記の3種類の実験により得られた数値から算出した。
(i)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の後に、小角光散乱法(low angle light scattering;LALLS)を用いて測定された重
量平均分子量(MwLALLS
GPC装置に接続されたLALLS検出器を用いて測定した。
〔測定条件〕
装置:Waters 150C
検出器:Chromatix KMX−6
カラム:Shodex UT−806M(30cm×2本)、UT−807(30cm×1本)
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
温度:135℃
流速:0.764ml/分
濃度:0.03〜0.07%(w/v)
注入量:300μl
(ii)GPC装置に接続された示差屈折計(DRI)を用いて測定された重量平均分子量(MwDRI)および粘度平均分子量(MvDRI
〔測定条件〕
装置:Waters 150C
検出器:DRI(150C内蔵)
カラム:Shodex UT−806MLT(50cm×1本)
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
温度:135℃
流速:1ml/分
濃度:0.2%(w/v)
注入量:160μl
各種平均分子量は、EPDMの換算値で計算した。換算に用いた粘度式は下記のとおりである。
極限粘度[η]=2.92×10-4Mw0.726
(iii)135℃のデカリン中で測定された極限粘度(IV)(=[η])
ウベローデ粘度計を用いる多点法により、濃度調整4点の粘度を測定し、各測定点の関係を濃度ゼロに外挿した。
前記(i)および(ii)の測定値は、ポリマーの濾過された希釈1,2,4−トリクロロベンゼン溶液を用いるGPCにより得た。
平均分岐指数(BI)は、次式のように定義される。
BI=(Mvbr×MwDRI)/(MwLALLS×MvDRI
上記式中、Mvbr=k(IV)1/aであり、Mvbrは、分岐状ポリマーの粘度平均分子
量であり、aはマーク−ホーウィンク(Mark−Houwink)定数であり、kは、Mark−Houwink−Sakuradaの式の係数Kから求められる定数である。aは例えばポリマーハンドブックを参照することにより得られる。kは、Mark−Houwink−Sakuradaの式
[η]=KMva
における係数Kを用いて、k=(1/K)1/aで求められる値である。
ここで、Polymer Handbook fourth edition(Wiley−Interscience社刊)に記載されている、EPDMのMark−Houwink−Sakuradaの式におけるaは0.75であり、Kは53.1×103
mL/g)である。ここでa,Kの値は40℃、シクロヘキサン中での値である。この値からk=5.01×10-7を導き出して実施例でのBI値の算出に使用した。なおここでは40℃、シクロヘキサン中での値を用いた。
上記重合で得られたゴム(A−1)溶液に、ゴム(A−1)100重量部に対し可塑剤[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセスオイルTMPW−380]が20重量部となるように可塑剤を添加し、次いでヘキサン溶媒含有量を、このゴム(A−1)100重量部に対して7重量部の量となるように調製し、ヘキサン溶媒を含むゴム組成物127重量部を得た。
このゴム組成物を、二軸三段ベント式押し出し機に導入して溶媒を除去し、得られたゴムを押し出し機の先端でペレット状に切断し、共重合体ゴム(A−1)のペレット(A−1−1)を得た。
Figure 0004841826
2.架橋可能なゴム組成物、押し出し成形体、押し出し成形体架橋物の製造
上記ペレット(A−1−1)を用いて、各供給口を開口した混練機(BUSS社製「コニーダー」、図1)を用い、回転数50rpm、スクリュー温度およびバレル温度が50℃の条
件で連続混練を行った。ペレット(A−1−1)は、連続混練機の原料ゴム供給口より、50kg/hで供給し、フィラー供給口からカーボンブラック[旭#60G、旭カーボン
株式会社製]を、可塑剤供給口から可塑剤[PW−380、出光興産株式会社製]を、Si
H基含有化合物供給口から以下の式(1)で示されるSiH基含有化合物[信越化学工業
(株)製]:
(CH3)3SiO-[-SiH(CH3)-O-]6-[-Si(CH3)2-O-]1-[-Si(C6H5)2-O-]1-Si(CH3)3 …(1)
を、反応抑制剤供給口から反応抑制剤1−エチニル−1−シクロヘキサノールを、触媒供給口から触媒として白金−1、3,5,7-テトラビニル1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシ
ロキサン錯体:2%白金(0価)濃度の1、3,5,7-テトラビニル1,3,5,7-テトラメチルシ
クロテトラシロキサン錯体−IPA溶液0.075重量部[エヌ.イーケム・キャット(
株)製]を、得られる組成物が下記表2の配合割合(重量比)になるように定量供給した。
Figure 0004841826
原料ゴム供給口はバレル基部側(バレルの全長を100Lとした場合、バレルの基部末端から10Lの位置)に開口し、触媒供給口はバレル先端部側の位置(バレルの基部末端から90Lの位置(バレル先端から10Lの位置)に開口した。
連続押し出し機としては、図1に示すものを用い、回転数30rpm、スクリュー温度およ
びバレル温度が50℃の条件で連続押し出しした。口金は長さ20mm、高さ2mmのものを用い
た。
連続架橋装置は、図1に示すHAV[ミクロ電子工業製]23を用いて、250℃で3分の条件で連続架橋した。この架橋ゴム物性を測定した。
また、連続押出機に送り込まれる直前のゴム組成物を取り出し、分散性、配合ゴム粘度、スコーチ時間を測定した。
さらに、連続押し出しされた押し出しゴム組成物の押出肌を観察した。
(1)配合ゴム粘度、スコーチ時間測定方法
JIS K6300(1994)に従い、最低ムーニー粘度Vm、ム−ニ−スコ−チ時間t5を125℃にて測定した。
(2)混練状態把握指数(M)
特開2002−322327に記載された方法で混練状態把握指数(M)を測定し、ゴム中の分散状態の指標とした。より具体的には、特開2002−322327の実施例1から[0056]および[0063]から[0063]と同じ測定方法を用いて測定し、[0035]に記載する式から、混練状態把握指数(M)を求めた。
(3)押出肌
連続押出された押出ゴム組成物の押出肌を観察し、下記の3点評価を行った。
1点:表面肌が凸凹しており、光沢がない
2点:表面肌が良好
3点:表面肌が非常に良好であり、光沢がある
口羽の長さ方向に対して、押し出し形状を1m当たり1回測定し、合計20回測定した平均値を算出した。
(4)架橋ゴム物性測定方法
(a)引張強度、引張破断伸び
JIS K6251(1993)に従い、測定した。
(b)圧縮永久歪
JIS K6262(1997)に従い、150℃×24hの条件にて、圧縮永久歪を測定した。
[実施例2]
実施例1で、触媒供給口の開口位置を、バレルの基部末端から65Lの位置(バレル先端から35Lの位置)に変更した以外は実施例1と同様に連続混練、連続押し出しを行い、上記の各物性を測定した。
[実施例3]
実施例1で、共重合体A−1のペレット(A−1−1)の代わりに共重合体A−2のペレット(A−2−1)を使用した以外は、実施例1と同様に行った。なおペレット(A−
2−1)は、次のようにして得た。すなわち実施例1の共重合体ゴム(A−1)の製造において、表1に示すような条件に変更した以外は実施例1と同様にして得られたエチレン・プロピレン・5-ビニル-2-ノルボルネンランダム共重合体ゴム(A−2)を、実施例1
と同様の方法でペレット化することによりペレット(A−2−1)を得た。
[比較例1]
実施例1で、ゴムペレットとして、共重合体A−1のペレット(A−1−1)の代わりに、共重合体A−3のペレット(A−3−1)を用い、実施例1で用いた架橋剤、触媒、および反応抑制剤の代わりに、JIS K6395(1997)に記載のイオウを1.5重量部、加硫促進剤TMTDを1重量部、加硫促進剤MBTを0.5重量部配合することに代えた以外は実施例1と同様に連続混練、連続押し出しを行い、上記の各物性を測定した。なおペレット(A−3−1)は、次のようにして得た。すなわち実施例1の共重合体ゴム(A−1)の製造において、表1に示すような条件に変更した以外は実施例1と同様にして得られたエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネンランダム共重合体
ゴム(A−3)を、実施例1と同様の方法でペレット化することによりペレット(A−3−1)を得た。
実施例1〜3および比較例1における物性の測定結果を表3に示した。
Figure 0004841826
図1は、本発明に使用される装置の一例を説明する図である。
符号の説明
1 連続混練機駆動装置
2 連続混練機スクリュー
3 原料ゴムホッパー
4 原料ゴム定量供給制御装置
5 フィラー(1)ホッパー
6 フィラー(1)定量供給制御装置
7 フィラー(2)ホッパー
8 フィラー(2)定量供給装置
9 混練・定量供給制御装置
10 スクリュー装置
11 可塑剤ホッパー
12 可塑剤定量供給制御装置
13 SiH基含有化合物ホッパー
14 SiH基含有化合物定量供給制御装置
15 反応抑制剤ホッパー
16 反応抑制剤定量供給制御装置
17 触媒ホッパー
18 触媒定量供給制御装置
19 連続押し出し機駆動装置
20 連続押し出し機スクリュー
21 ヘッド
22 ダイス
23 連続架橋槽
24 押し出し成形体架橋物
25 連続混練機
26 連続押し出し機

Claims (6)

  1. ゴム(A)とSiH基含有化合物(B)と触媒(C)と反応抑制剤(E)を含む架橋可能なゴム組成物を製造する方法であって、
    連続混練機のバレルの基部側からゴム(A)のペレットを連続的に供給する工程(1)と、
    連続混練機のバレルの任意の位置からSiH基含有化合物(B)を連続的に供給する工程(2)と、
    連続混練機のバレルの任意の位置から反応抑制剤(E)を連続的に供給する工程(3)と、
    連続混練機のバレルの基部側(連続押出機駆動装置側)末端から70L〜100Lの範囲にある位置(ただし、バレルの全長を100Lとする)から触媒(C)を連続的に供給する工程(4)を含み、かつ、
    該SiH基含有化合物(B)、該触媒(C)および該反応抑制剤(E)は、該ゴム(A)のペレットを供給する位置よりも、後の位置で供給し、
    該反応抑制剤(E)を、該SiH基含有化合物(B)を供給する後の位置で、かつ、該触媒(C)を供給する前の位置から供給する
    ことを特徴とする架橋可能なゴム組成物の連続的製造方法。
  2. ゴム組成物の硫黄原子の含量が5000ppm以下であることを特徴とする請求項に記載の架橋可能なゴム組成物の連続的製造方法。
  3. 前記ペレットのゴム(A)が、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)であることを特徴とする請求項1または2に記載の架橋可能なゴム組成物の連続的製造方法。
  4. 前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A1)が、下記式[I]で表わされる少なくとも一種の非共役ポリエンから導かれる構成単位を有するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A2)であることを特徴とする請求項に記載の架橋可能なゴム組成物の連続的製造方法;
    Figure 0004841826
    (式[I]中、nは0〜10の整数であり、R1は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、R2は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である)。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法で得られた架橋可能なゴム組成物を、押し出し成形工程に連続的に供給することを特徴とする架橋可能なゴム組成物からなる押し出し成形体の製造方法。
  6. 請求項に記載の製造方法で得られた押し出し成形体を、架橋工程に連続的に供給することを特徴とする押し出し成形体架橋物の製造方法。
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