JP4967018B2 - 熱電モジュール及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、恒温槽、冷蔵庫、自動車用のシートクーラー、半導体製造装置、レーザーダイオード等の温度制御等に好適に使用される熱電モジュールに関するものである。
ペルチェ効果を利用した熱電モジュールは、電流を流すことにより一端が発熱するとともに他端が吸熱するため、冷却用の部材として用いられている。この熱電モジュールは、構造が簡単であって取扱いが容易であるだけでなく、安定した特性を維持することが比較的容易である。そのため、上記の技術分野のみならず、広範囲にわたる利用が期待されている。
このような熱電素子を利用した熱電モジュールには、より高い熱電特性を有するものが求められている。一方で熱電モジュールの熱電特性が高いと、使用時に熱電モジュールの一端側と他端側で大きな温度差が発生する。そして、熱電素子の発熱側の端部と電極とを接合する接合部との接合面付近が外気に触れることにより、この接合面付近における熱電素子の組成が変化して、接合部と熱電素子との接合性が低下する可能性があった。
そこで、上記課題を解決する手段の一つとして、素子の側面を一定の厚みの絶縁材によりコーティングしたものが提案されている(特許文献1)。特許文献1では、各熱電素子の表面のうち、電極との接合面以外の部分に絶縁材による被膜を形成することで、素子端部における組成の変化を抑えている。
特開2000−164942号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている方法により、熱電素子の側面全体を被覆した場合、この被膜を介して発熱面の熱が吸熱面に流入してしまう。そのため、発熱面と吸熱面との間に大きな温度差を発生させることが難しく、要求される熱電モジュールの性能を満たすためには不十分であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高い熱電特性を有すると同時に熱電素子の端部における組成の変化が抑制された熱電モジュールを提供することを目的とする。
本発明に係る熱電モジュールは、それぞれ第1の端部と第2の端部とを有する複数の熱電素子と、隣り合う前記熱電素子の前記第1の端部間を接続する第1の電極と、隣り合う前記熱電素子の前記第2の端部間を接続する第2の電極と、を備える。そして、前記熱電素子は、前記第1の端部側の外周に、前記第2の端部から離れて設けられた第1の被覆層を有している。
以上のように構成された本発明に係る熱電モジュールは、熱電素子の第1の端部側の外周に、第2の端部から離れて設けられた第1の被覆層を有する。そのため、発熱により組成が変化しやすい熱電素子の第1の端部側において、組成の変化を抑制することができる。さらに、熱電素子を被覆する部材を介しての発熱面側と吸熱面側との間での熱の移動を抑制することができる。したがって、本発明に係る熱電モジュールによれば、高い熱電特性を有すると同時に熱電素子の第1の端部における組成の変化が抑制された熱電モジュールを提供することができる。
本発明の第1の実施形態にかかる熱電モジュールの斜視図である。 図1に示す実施形態の熱電モジュールにおける熱電素子と接合部との接合部分の拡大断面図である。 図1に示す実施形態の熱電モジュールにおける第1の変形例であって、熱電素子と接合部との接合部分の拡大断面図である。 図1に示す実施形態の熱電モジュールにおける第2の変形例であって、熱電素子と接合部との接合部分の拡大断面図である。 図1に示す実施形態の熱電モジュールにおける第3の変形例であって、熱電素子と接合部との接合部分の拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態にかかる熱電モジュールの熱電素子と接合部との接合部分の拡大断面図である。 熱電モジュールの酸化物層を形成するための酸化物層形成装置の一例を模式的に示すブロック図である。 図5に示す領域Aの断面図である。 本発明の第3の実施形態にかかる熱電モジュールの斜視図である。
符号の説明
1 熱電モジュール、3 熱電素子、3a N型熱電素子、3b P型熱電素子、5a 第1の電極、5b 第2の電極、7 接合部、7a 第1の接合部、7b 第2の接合部、9 第1の被覆層、9a 第1の素子被覆層、9b 第1の接合部被覆層、10 第2の被覆層、10a 第2の素子被覆層、10b 第2の接合部被覆層、11 被覆領域、13 露出領域、15 支持板、17 酸化物層形成装置、19 第1のガス供給口、21 第2のガス供給口、23 外部電源、25 ガス供給口、27 ガス排出口、29 第1のガスポンプ、31 パイプ、33 第2のガスポンプ、35 凹部、37a 第1の中間層、37b 第2の中間層、39 基板、39a 第1の基板、39b 第2の基板、41 取出電極。
以下、本発明の各実施形態にかかる熱電モジュールについて図面を用いて詳細に説明する。
図1、2に示すように、本実施形態の熱電モジュール1は、複数の熱電素子3と、熱電素子3の第1の端部と電気的に接続される第1の電極5aと、熱電素子3の第2の端部と電気的に接続される第2の電極5bと、熱電素子3の第1の端部と第1の電極5a及び熱電素子3の第2の端部と第2の電極5bをそれぞれ接合する一対の接合部7(第1の接合部7a及び第2の接合部7b)と、熱電素子3における第1の端部側の側面及び第2の端部側の側面をそれぞれ被覆するとともに互いに離隔する一対の被覆層(第1の被覆層9及び第2の被覆層10)と、を備えている。
具体的には、本実施形態においては、熱電素子3は、複数のN型熱電素子3aと複数のP型熱電素子3bからなる。各熱電素子3は、それぞれ第1の端部と第2の端部とを有する。第1の電極5aは、隣り合う熱電素子3の第1の端部間を接続している。第2の電極5bは、隣り合う熱電素子3の第2の端部間を接続している。また、一対の被覆層のうち、第1の被覆層9は、熱電素子3の第1の端部側の外周に、第2の端部から離れて設けられている。
以上のように構成された実施形態の熱電モジュール1は、以下のような従来にない特有の効果を有している。
すなわち、熱電素子3は、第1の接合部7aとの接合面付近が外気に触れることにより、この接合面に近い部分の組成が変化して第1の接合部7aとの接合性が低下することがある。言い換えれば、熱電素子3の第1の端部が外気に触れることにより、この第1の端部における組成が変化して第1の接合部7aとの、或いは第1の電極5aとの接合性が低下することがある。
一方、図1、2に示すように、本実施形態にかかる熱電モジュール1は、第1の接合部7aとの接合面付近である、熱電素子3の第1の端部側の外周に、第2の端部から離れて設けられた第1の被覆層9を有している。そのため、発熱により外気と反応しやすい熱電素子3の第1の端部側において、組成の変化を抑制することができる。これにより、熱電素子3と第1の接合部7aの接合性の低下が抑制される。
また、既に示したように、熱電素子3の側面全体に一定の厚みの被覆層が形成されている場合には、被覆層を介して発熱面の熱が吸熱面に流入しやすいので、発熱面と吸熱面との間に大きな温度差を発生させることが難しくなる。しかしながら、本実施形態の熱電モジュール1においては、第1の被覆層9が第2の端部から離れて設けられているため、被覆層を介しての発熱面側と吸熱面側との間での熱の移動を抑制することができる。
また、本実施形態の熱電モジュール1は、熱電素子3の第1の端部と第2の電極5bとを接続する第1の接合部7aを有している。そして、第1の被覆層9は、第1の接合部7aの外周及び第1の接合部7aと第1の端部との接合面の周縁を覆うように位置する。これにより、第1の接合部7a自体の組成の変化や第1の接合部7aを介しての第1の端部における組成の変化が抑制される。結果として、熱電素子3の第1の端部と第1の接合部7aとの接合面に近い部分における熱電素子3の組成の変化を抑制することができる。
また、本実施形態においては、第2の接合部7bとの接合面付近である、熱電素子3の第2の端部側の外周に、第1の被覆層9から離れて設けられた第2の被覆層10を有している。これにより、熱電素子3の第2の端部側において、組成の変化を抑制することができるので、熱電素子3と第2の接合部7bの接合性の低下が抑制される。
特に、熱電モジュール1の通電方向を反転させて使用する場合には、熱電素子3の第1の端部側だけでなく、第2の端部側も発熱する場合があるので、第2の端部においても発熱により組成が変化しやすくなる。そのため、発熱により組成が変化しやすい熱電素子3の第1の端部及び第2の端部における組成の変化を抑制することができる本実施形態の形状が有効となる。
また、本実施形態の熱電モジュール1は、熱電素子3の第2の端部と第2の電極5bとを接続する第2の接合部7bを有している。そして、第2の被覆層10は、第2の接合部7bの外周及び第2の接合部7bと第2の端部との接合面の周縁を覆うように位置する。これにより、第2の接合部7b自体の組成の変化や第2の接合部7bを介しての第2の端部における組成の変化が抑制される。結果として、熱電素子3の第2の端部と第2の接合部7bとの接合面に近い部分における組成の変化を抑制することができる。
また、本実施形態の熱電モジュール1は、第1の被覆層9及び第2の被覆層10からなる被覆層が熱電素子3の側面の全面には形成されておらず、互いに離隔した一対の被覆層となっている。そのため、熱電素子3と被覆層の熱膨張差に起因する応力を低減することができる。
次に、本発明の実施形態にかかる熱電モジュールを、違った側面から見た構成を、図1、2を用いて説明する。すなわち、図1、2に示すように、本実施形態の熱電モジュール1は、複数の熱電素子3と、熱電素子3の第1の端部と電気的に接続される第1の電極5aと、熱電素子3の第2の端部と電気的に接続される第2の電極5bと、熱電素子3の第1の端部と第1の電極5a及び熱電素子3の第2の端部と第2の電極5bをそれぞれ接合する一対の接合部7(第1の接合部7a及び第2の接合部7b)と、熱電素子3の側面の一部を被覆する被覆層(第1の被覆層9及び第2の被覆層10)と、を備えている。そして、熱電素子3の側面が、第1の端部側及び第2の端部側にそれぞれ位置し被覆層に被覆される一対の被覆領域11と、これら一対の被覆領域11に挟まれて熱電素子3の表面が露出する露出領域13と、を有している。
図1、2に示すように、本実施形態にかかる熱電モジュール1は、第1の端部側に位置して第1の被覆層9に被覆される領域を有している。そのため、熱電素子3と第1の接合部7aの接合性の低下を抑制することができる。また、第2の端部側に位置して第2の被覆層10に被覆される領域を有している。そのため、熱電素子3と第2の接合部7bの接合性の低下を抑制することもできる。
また、本実施形態の熱電モジュール1は、熱電素子3の側面に一対の被覆層に挟まれた露出領域13を有しているため、被覆層を介しての発熱面側と吸熱面側との間の熱の移動に関して、この露出領域13により熱の移動が阻害される。結果、熱電モジュール1の発熱面側と吸熱面側の温度差を大きくすることができる。
また、本実施形態の熱電モジュール1では、被覆層が熱電素子3の側面の全面には形成されておらず、上記のように被覆領域11と露出領域13とを有している。これにより、熱電素子3と被覆層の熱膨張差に起因する応力を低減することができる。
また、第1の被覆層9は熱電素子3の側面を一周するように形成されていることが好ましい。第1の被覆層9をこのように形成することにより、熱電素子3の接合面に近い部分での組成の変化を抑制する効果を高めることができるからである。同様に、第2の被覆層10は熱電素子3の側面を一周するように形成されていることが好ましい。
本実施形態において熱電素子3は、図1に示すように、熱起電力がマイナスを示すN型熱電素子3aとプラスを示すP型熱電素子3bの両方が用いられる。これらのN型熱電素子3a及びP型熱電素子3bは、それぞれ柱状であって、互いに離隔するよう間隔をあけて交互に配列される。また、各熱電素子3の第1の端部及び第2の端部は、メタライズされている。また、図2に示すように、熱電素子3と第1の接合部7aとの間には、熱電素子3を構成する成分と第1の接合部7aを構成する成分とを有する第1の中間層37aが形成されている。熱電素子3と第2の接合部7bとの間には、熱電素子3を構成する成分と第2の接合部7bを構成する成分とを有する第2の中間層37bが形成されている。
熱電素子3の材料としては、熱電特性が高いものが好ましく、具体的には、Bi、Sb、Te、Seの群から選択される2種以上の元素を含む合金が好適である。
第1の電極5a及び第2の電極5bとしては低抵抗金属を用いることができ、例えば、Cu、Alを用いることができる。腐食を避けるとともに、半田等による熱電素子3との接合時の濡れ性を高めるため、第1の電極5a及び第2の電極5bにNiメッキ、Auメッキ等のメッキ処理を施すことが好ましい。
また、熱電モジュール1は、互いに対向する第1の基板及び第2の基板39bを有している。このような第1の基板及び第2の基板39bを備えていることにより、外力に対する熱電モジュール1の耐久性を向上させることができる。第2の基板39bには、複数の第2の電極5bが所定の間隔で配置されている。
第1の基板39aには、隣接するN型熱電素子3aとP型熱電素子3b間が1つ置きに接続されるように、複数の第1の電極5aが所定の間隔で配置される。また、第1の基板39aには、一対の取出電極41が配置されている。そして、第1の電極5aに第1の端部がそれぞれ対向するようにN型熱電素子3aとP型熱電素子3bが接続される。
また、第2の基板39bには、第1の基板39a側が第1の電極5aによって接続されていない隣接するN型熱電素子3aとP型熱電素子3b間を接続するような位置に、複数の第2の電極5bが所定の間隔で配置されている。そして、第2の電極5bに第2の端部がそれぞれ対向するようにN型熱電素子3aとP型熱電素子3bが第2の基板39b上に交互に配列される。
第1の基板39a及び第2の基板39bとしては絶縁性を有するものを用いることができ、例えば、アルミナ、窒化アルミ、ガラスセラミックス、耐熱プラスチックを用いることができる。特に、安価であり、熱伝素子との熱膨張率の差を小さくするため、アルミナ基板を用いることが好ましい。また、第1の電極5a及び第2の電極5bの第1の基板及び第2の基板39bへの接着方法としては、例えば、メッキ法、メタライズ法、コーティング法を用いることができる。また、グリース等による接着や熱圧着であっても構わない。
接合部7としては、例えば、Au、Sn、Ag、Cu、Zn、Sb、Pb、In及びBiからなる群の少なくとも一種を含有する半田、Ag、Cu、Zn、Ti及びAlからなる群の少なくとも一種を含有するロウ材、Agペーストなどを含む導電性接着剤等を用いることができる。
特に、上記の部材のうち、接合部7としては相対的に融点の低い半田が好ましい。熱電モジュール1は両面に大きな温度差を発生させるために熱応力が発生しやすく、この熱応力は特に接合部7に集中しやすい。しかし、接合部7に変形しやすいはんだを用いることで冷熱の繰り返しに対する耐久性を高めることが可能となるからである。
更に、Sn、Bi、Ag、Cu、Au、ZnおよびInからなる群より選ばれる少なくとも一種を主成分とする半田を用いることがより好ましい。接合強度を高め、耐久性を高めることができるからである。具体的なはんだ組成としては、Sn−Bi、Sn−Sb、Sn−Ag、Sn−In、Sn−Ag−Cu、Au−Sn、Sn−Znを用いることができる。
以上のようにして、第1の基板39aと第2の基板39bの間にN型熱電素子3aとP型熱電素子3bとが交互に直列接続された回路が構成される。尚、熱電素子3のうち、直列接続の最も端に位置する2つの熱電素子3は、各々の第1の端部が第1の基板39a上に形成された取出電極41に接続される。この取出電極41を介して、熱電素子3は外部電源23と電気的に接続される。
以下、本実施形態の熱電モジュール1に関して、より好ましい形態について説明する。
まず、第1の被覆層9は、熱電素子3の側面の少なくとも一部を被覆する第1の素子被覆層9aと第1の接合部7aの側面の少なくとも一部を被覆する第1の接合部被覆層9bとを有していることが好ましい。このように第1の被覆層9が形成されていることにより、熱電モジュール1の熱応力に対する強度をさらに向上させることができる。これは、熱応力の集中しやすい熱電素子3と第1の接合部7aとの接合面付近の第1の接合部7aの側面に第1の接合部被覆層9bがあるため、第1の接合部7aの耐久性を向上させることができるからである。
このように、第1の素子被覆層9aは、熱電素子3の側面を被覆するものであり、第1の接合部被覆層9bは、第1の接合部7aの側面を被覆するものであるが、具体的には、第1の素子被覆層9a及び第1の接合部被覆層9bは、以下に示す部分を意味する。
第1の素子被覆層9aと第1の接合部被覆層9bとが同じ成分からなる場合、第1の素子被覆層9aは熱電素子3の側方に位置し、熱電素子3を被覆する層を意味する。また、第1の接合部被覆層9bは第1の被覆層9のうちで第1の素子被覆層9aを除く部分を意味する。
また、第1の素子被覆層9aと第1の接合部被覆層9bとが異なる成分からなる場合、第1の素子被覆層9aは、主として熱電素子3を被覆する層を意味し、第1の接合部被覆層9bは、第1の素子被覆層9aよりも第1の電極5a側に位置し、主として第1の接合部7aを被覆する層を意味する。そのため、第1の素子被覆層9aは熱電素子3のみを被覆する層であって、かつ、第1の接合部被覆層9bは第1の接合部7aのみを被覆する層である、という形態に特に限られるものではない。
また、第1の電極5aと第1の接合部被覆層9bとが接合していることがより好ましい。これにより、第1の接合部7aと第1の電極5aとの接合性を高めることができるからである。また、第1の接合部7aが第1の接合部被覆層9bに被覆され、外気から遮断されていることが好ましい。これにより、外気に触れることによる第1の接合部7aの劣化をより効果的に抑制することができるからである。
さらに、第1の素子被覆層9aが、第1の接合部7aと第1の端部との接合面の周縁を覆うように位置することがより好ましい。言い換えれば、第1の素子被覆層9aが、熱電素子3と第1の接合部7aとの接合面の周縁部分を被覆していることがより好ましい。このように第1の素子被覆層9aが形成されている場合には、熱電素子3と第1の接合部7aとの接合面の周縁部分が外気に触れることが抑えられるからである。結果、熱電素子3と第1の接合部7aとの接合性を高め、熱電素子3の第1の接合部7aからの剥離をより確実に抑制することができる。
或いは、第1の接合部被覆層9bが、第1の接合部7aと第1の端部との接合面の周縁を覆うように位置していることも好ましい。言い換えれば、第1の接合部被覆層9bが、熱電素子3と第1の接合部7aとの接合面の周縁部分を被覆していてもよい。このように第1の接合部被覆層9bが形成されている場合にも、熱電素子3と第1の接合部7aとの接合面の周縁部分が外気に触れることが抑えられるからである。結果、熱電素子3と第1の接合部7aとの接合性を高め、熱電素子3の第1の接合部7aからの剥離をより確実に抑制することができる。
また、熱電素子3と第1の接合部7aとの間に熱電素子3を構成する成分と第1の接合部7aを構成する成分とを有する第1の中間層37aが形成されている場合には、第1の素子被覆層9aが、熱電素子3と第1の中間層37aとの界面の周縁部分を被覆していることが好ましい。このように第1の素子被覆層9aが形成されている場合には、熱電素子3と第1の中間層37aとの界面の周縁部分が外気に触れる可能性が抑えられるからである。
また、第1の接合部被覆層9bが、第1の接合部7aと第1の中間層37aとの界面の周縁部分を被覆していることが好ましい。このように第1の接合部被覆層9bが形成されている場合には、第1の接合部7aと第1の中間層37aとの界面の周縁部分が外気に触れる可能性が抑えられるからである。
また、第1の素子被覆層9aが第1の接合部被覆層9bを覆うことが好ましい。このように第1の素子被覆層9aが形成されていることにより、熱電素子3と第1の接合部7aとの接合面に近い部分が外気に触れる可能性をより小さくすることができる。そのため、熱電素子3と第1の接合部7aの接合性をさらに高めることができる。
また、第1の素子被覆層9aは、熱電素子3に含有される成分の酸化物を主成分として有することが好ましい。第1の素子被覆層9aの主成分が、上記の酸化物であることにより、熱電素子3と第1の素子被覆層9aの接合性を高めることができるからである。また、酸化物で被覆されていることにより熱電素子3の劣化を抑制することも可能となる。
また、第1の接合部被覆層9bは、第1の接合部7aに含有される成分の酸化物を主成分として有することが好ましい。第1の接合部被覆層9bの主成分が、上記の酸化物であることにより、第1の接合部7aと第1の接合部被覆層9bの接合性を高めることができるからである。また、酸化物層で被覆されていることにより第1の接合部7aの劣化を抑制することも可能となる。
また、熱電モジュール1が上記の第2の被覆層10を有している場合、第2の被覆層10は、熱電素子3の側面の少なくとも一部を被覆する第2の素子被覆層10aと第2の接合部7bの側面の少なくとも一部を被覆する第2の接合部被覆層10bとを有していることが好ましい。第1の被覆層9の場合と同様に、このように第2の被覆層10が形成されていることにより、熱電モジュール1の熱応力に対する強度をさらに向上させることができるからである。
第2の素子被覆層10aは、熱電素子3の側面を被覆するものであり、第2の接合部被覆層10bは、第2の接合部7bの側面を被覆するものであるが、具体的には、第2の素子被覆層10a及び第2の接合部被覆層10bは、以下に示す部分を意味する。
第2の素子被覆層10aと第2の接合部被覆層10bとが同じ成分からなる場合、図3Aに示すように、第2の素子被覆層10aは熱電素子3の側方に位置し、熱電素子3を被覆する層を意味する。また、第2の接合部被覆層10bは第2の被覆層10のうちで第2の素子被覆層10aを除く部分を意味する。
また、第2の素子被覆層10aと第2の接合部被覆層10bとが異なる成分からなる場合、図3B、図3Cに示すように、第2の素子被覆層10aは、主として熱電素子3を被覆する層を意味し、第2の接合部被覆層10bは、第2の素子被覆層10aよりも第2の電極5b側に位置し、主として第2の接合部7bを被覆する層を意味する。そのため、第2の素子被覆層10aは熱電素子3のみを被覆する層であって、かつ、第2の接合部被覆層10bは第2の接合部7bのみを被覆する層である、という形態に特に限られるものではない。
また、第2の電極5bと第2の接合部被覆層10bとが接合していることがより好ましい。これにより、第2の接合部7bと第2の電極5bとの接合性を高めることができるからである。また、第2の接合部7bが第2の接合部被覆層10bに被覆され、外気から遮断されていることが好ましい。これにより、外気に触れることによる第2の接合部7bの劣化をより効果的に抑制することができるからである。
さらに、第2の素子被覆層10aが、第2の接合部7bと第2の端部との接合面の周縁を覆うように位置することがより好ましい。言い換えれば、第2の素子被覆層10aが、熱電素子3と第2の接合部7bとの接合面の周縁部分を被覆していることがより好ましい。このように第2の素子被覆層10aが形成されている場合には、熱電素子3と第2の接合部7bとの接合面の周縁部分が外気に触れる可能性が抑えられる。
或いは、第2の接合部被覆層10bが、第2の接合部7bと第2の端部との接合面の周縁を覆うように位置していることも好ましい。言い換えれば、第2の接合部被覆層10bが、熱電素子3と第2の接合部7bとの接合面の周縁部分を被覆していてもよい。このように第2の接合部被覆層10bが形成されている場合にも、熱電素子3と第2の接合部7bとの接合面の周縁部分が外気に触れる可能性が抑えられる。
また、熱電素子3と第2の接合部7bとの間に熱電素子3を構成する成分と第2の接合部7bを構成する成分とを有する第2の中間層37bが形成されている場合には、図3Bに示すように、第2の素子被覆層10aが、熱電素子3と第2の中間層37bとの界面の周縁部分を被覆していることが好ましい。このように第2の素子被覆層10aが形成されている場合には、熱電素子3と第2の中間層37bとの界面の周縁部分が外気に触れる可能性が抑えられる。
また、図3Cに示すように、第2の接合部被覆層10bが、第2の接合部7bと第2の中間層37bとの界面の周縁部分を被覆していることが好ましい。このように第2の接合部被覆層10bが形成されている場合には、第2の接合部7bと第2の中間層37bとの界面の周縁部分が外気に触れる可能性が抑えられる。
次に、本発明の第2の実施形態にかかる熱電モジュールについて図面を用いて説明する。
図4に示すように、本実施形態の熱電モジュール1においては、第2の素子被覆層10aが第2の接合部被覆層10bを覆っている。このように第2の素子被覆層10aが形成されていることにより、熱電素子3と第2の接合部7bの接合性をさらに高めることができる。
また、第2の素子被覆層10aは、熱電素子3に含有される成分の酸化物を主成分として有することが好ましい。第2の素子被覆層10aの主成分が、上記の酸化物であることにより、熱電素子3と第2の素子被覆層10aの接合性を高めることができる。
また、第2の接合部被覆層10bは、第2の接合部7bに含有される成分の酸化物を主成分として有することが好ましい。第2の接合部被覆層10bの主成分が、上記の酸化物であることにより、第2の接合部7bと第2の接合部被覆層10bの接合性を高めることができる。
第1の被覆層9及び第2の被覆層10としては、少なくとも熱電素子3よりも絶縁性の高いものであればよい。具体的には、上記したような熱電素子3及び接合部7を構成する成分の酸化物、並びに、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂及びエポキシ樹脂のような樹脂が耐腐食性の点から好ましい。特に、熱電素子3及び接合部7と被覆層との接合性の点から、熱電素子3及び接合部7に含まれる物質の酸化物を主成分とする層(以下、酸化物層ともいう)であることが好ましい。また、被覆層が上記酸化物である場合には、被覆層を容易に形成することもできる。
上記の酸化物を主成分とする第1の被覆層9及び第2の被覆層10の形成方法としては、例えば、スパッタ法、蒸着法、CVD法が挙げられる。これらの薄膜形成法を用い、マスキングをすることで熱電素子3に上記のような被覆層を形成することができる。また、レーザー光を用いた方法であっても良い。具体的には、熱電素子3の側面のうち、第1の端部側にレーザー光を照射することにより、酸化物による第1の被覆層9を形成することができる。同様に、熱電素子3の側面のうち、第2の端部側にレーザー光を照射することにより、酸化物による第2の被覆層10を形成することができる。また、酸化物粉末を含むスラリーを熱電素子3の所望の部位に塗布し、熱処理をすることによって酸化物層を形成することもできる。
次に、本発明の実施形態に係る熱電モジュールの製造方法の一例について、図面を用いて説明する。なお、図5に示す酸化物層形成装置17の詳細については後述する。
本実施形態の熱電モジュール1の製造方法は、熱電モジュール1を一対の支持板15で狭持する工程と、一対の支持板1の間にガスを供給する工程と、熱電モジュール1の一方向に通電する工程と、を備えている。
本実施形態の熱電モジュール1の製造方法によれば、熱電モジュール1への通電時においては、熱電モジュール1の発熱面側の接合部7の温度が最も高くなるため、この接合部7に近い熱電素子3の第1の端部側の側面が酸化され易い。つまり、熱電モジュール1への通電中に熱電素子3の端部付近を局所的に加熱することができるので、熱電素子3側面のうち第1の端部の外周部分を集中的に熱酸化処理することができる。
特に、熱電モジュール1の一方向に通電する工程に代えて、熱電モジュール1に通電して所定時間毎に通電方向を反転させる工程(以下、反転通電処理ともいう)を備えていることが好ましい。通電方向を反転させることにより熱電モジュール1の発熱面を反転させ、第2の端部側の側面も酸化させられる。すなわち、熱電素子3の一方及び第2の端部とそれぞれ接合する一対の接合部7のそれぞれの温度を所定時間毎に交互に高くさせることができる。これにより、熱電素子3の第1の端部側及び第2の端部側を被覆する第1の被覆層9及び第2の被覆層10を形成することができる。
また、一対の支持板15の間に熱電モジュール1を配設し、一対の支持板15の間にガスを供給することにより、熱電素子3の側面に、一対の被覆領域11に挟まれて熱電素子3の表面が露出する露出領域13を形成することができる。これは、上記の空間に供給されたガスは、一対の支持板15に挟まれた空間のうち、支持板15に近い部分では比較的流れにくく、この流れにくい部分に挟まれた、支持板15から離れた中心部分では比較的流れやすいからである。
つまり、支持板15から離れた中心部分では、上記のガスが流れやすく比較的多量のガスが供給されるため、ガスによる熱電素子3の冷却がされやすいが、支持板15に近い部分では、上記のガスが流れにくく比較的少量のガスしか供給されないため、ガスによる熱電素子3の冷却がされにくい。そのため、支持板15に近い部分に位置する熱電素子3の側面には、第1の素子被覆層9a及び第2の素子被覆層10aに被覆される被覆領域11が形成され、上記中心部分に位置する熱電素子3の側面には、露出領域13が形成される。
また、通電処理を用いた熱電モジュール1の製造方法は、次の理由から上記した他の方法と比較して、酸化物層を形成する方法として好ましい。
通電時において、熱電モジュール1内の各熱電素子3は、熱電素子3の配置状態および密集状態によって、それぞれの熱電素子3の加熱状態にばらつきがある。また、この加熱状態のばらつきを予測することは困難である。そのため、上記した他の方法では、上記のばらつきに対応するように各熱電素子3を被覆する第1の被覆層9の厚みを対応させることが容易ではない。
一方、通電処理を用いた熱電モジュール1の製造方法においては、第1の被覆層9が形成されていない熱電素子3を用いて熱電モジュール1として組み立てたあとに通電処理をするため、上記のばらつきに対応するように第1の被覆層9を形成することが容易にできる。これは、通電処理により、熱電モジュール1内の各熱電素子3のうち、より高温になる熱電素子3にはより厚い第1の被覆層9が形成されるからである。結果として、各熱電素子3の加熱状態に応じてそれぞれの厚みの第1の被覆層9が形成されるので、より耐久性の優れた熱電モジュール1とすることができる。
ここで、上記のガスとしては、例えば、N、O、Ar、He、Ne、CO及び空気を用いることができる。特に、N、Ar、Neのような不活性ガスを主成分とすることが好ましい。これらのガスは安定性が高いため、熱電素子3の側面の中央部における酸化物層の形成を抑制することができる。
具体的には、支持板15に近い部分では、ガスが流れにくいため、供給された不活性ガスの比率が低く、不活性ガスを供給する前から存在する空気の比率が高いが、支持板15から離れた中心部分では、ガスが流れやすいため、供給される不活性ガスの比率が高く、空気の比率が低い。そのため、支持板15に近い部分に位置する熱電素子3の第1の端部側の側面及び第2の端部側の側面に、空気中の酸素によって酸化物層が形成されやすい一方で、支持板15から離れた中心部分に位置する熱電素子3の側面は、不活性ガスによって酸化物層の形成が抑制され、より多くの露出領域13を形成することができる。
また、上記のガスを第1のガスとして、支持板15の温度調整をするために、支持板15の熱電モジュール1を挟持する面と対向する面に第2のガスを吹き付ける工程を備えることが好ましい。
さらに、第1のガスが支持板15を介して第2のガスから遮断されていることが好ましい。第2のガスは支持板15の温度調整をするために支持板15に吹き付けられるものであるので本来、不活性ガスである必要性はない。しかしながら、第1のガスが支持板15を介して第2のガスから遮断されていない時に、第1のガスとして不活性ガスを用いる場合、この不活性ガスの効果を十分に得るためには、第2のガスも不活性ガスであることが求められる。
一方、第1のガスが支持板15を介して第2のガスから遮断されている場合には、第1のガスとして不活性ガスを用いたとしても、第2のガスとして不活性ガス以外の任意のガスを用いることができる。そのため、第2のガスとして、不活性ガス以外の、例えば空気などを用いることができるので、製造コストを下げることができる。
酸化物層形成装置17は、具体的には、図5、6に示すように、複数の熱電素子3を備えた熱電モジュール1を挟持する一対の支持板15と、複数の熱電素子3間に第1のガスを供給する第1のガス供給口19と、一対の支持板15の熱電モジュール1を挟持する面と対向する面にそれぞれ第2のガスを供給する第2のガス供給口21と、複数の熱電素子3のそれぞれと電気的に接続された外部電源23と、を備えている。
本実施形態にかかる酸化物層形成装置17は、上記の構成を備えているため、熱電素子3の側面に、第1の端部側及び第2の端部側にそれぞれ位置して第1の素子被覆層9a及び第2の素子被覆層10aに被覆される被覆領域11とこの被覆領域11に挟まれて露出する露出領域13を効率よく形成することができる。
また、本実施形態の支持板15は、第1のガスが供給されるガス供給口25と、第1のガスが排出されるガス排出口27と、を備えている。また、本実施形態にかかる酸化物層形成装置17は、第1のガス供給口19に第1のガスを供給する第1のガスポンプ29と、パイプ31を通してそれぞれの第2のガス供給口21に第2のガスを供給する第2のガスポンプ33と、を備えている。
本実施形態にかかる酸化物層形成装置17は、例えば以下のようにして用いればよい。まず、一対の支持板15の間に熱電モジュール1を固定する。そして、外部電源23より熱電モジュール1に通電処理をすると同時に、第1のガス供給口19より第1のガスを供給し、第2のガス供給口21より第2のガスを供給する。これにより、熱電素子3の側面に、第1の端部側及び第2の端部側にそれぞれ位置して第1の素子被覆層9a及び第2の素子被覆層10aに被覆される被覆領域11とこの被覆領域11に挟まれて露出する露出領域13を形成することができる。
なお、外部電源23に所定時間毎に電流方向を反対にするスイッチング機能を持たせることにより、複数の熱電素子3に所定時間毎に通電方向を反転させる反転通電をすることができる。
また、一対の支持板15には、凹部35が形成されており、この凹部35に熱電モジュール1を固定することが好ましい。このような凹部35に熱電モジュール1を固定することにより、熱電モジュール1の安定した位置決めを図ることができる。
なお、上記実施形態では、熱電素子3における第1の端部側の側面を被覆する第1の被覆層9と第2の端部側の側面を被覆する第2の被覆層10とが完全に離隔している場合を例に挙げて説明したが、第1の被覆層9と第2の被覆層10が部分的に繋がっている構成であってもよい。この構成の場合でも、被覆層を介しての発熱面側と吸熱面側との間での熱の移動を抑制するという効果を得ることができる。
また、第1の被覆層9と第2の被覆層10の間に、これらの被覆層よりも熱伝導性の低い材料からなる層を設けてもよい。これにより、被覆層を介しての発熱面側と吸熱面側との間での熱の移動を抑制するという効果を得ることができる。
また、熱電素子3の側面が、連続した被覆層で被覆された被覆領域11と部分的に露出した露出領域13とを有する構成、具体的には、被覆層が形成された領域内に複数の露出領域13が互いに離隔して存在している(点在している)構成であっても、被覆層を介しての発熱面側と吸熱面側との間での熱の移動を抑制するという効果が得られる。
また、露出領域13は、例えば四角柱形状の熱電素子3の場合、熱電素子3の4つの側面のうち、少なくとも2つの側面に設けることが好ましい。また、熱電素子3の側面全体に対して露出領域13が占める割合は、特に限定されるものではないが、好ましくは全体の半分以上の面積を占めることがより好ましい。
また、熱電素子3の側面の全部が被覆層で被覆されており、被覆層の厚みを、第1の端部側及び第2の端部側よりも中央部付近の方が小さくなるようにする、言い換えれば、第1の被覆層9と第2の被覆層10の間に、第1の被覆層9及び第2の被覆層10よりも厚みの小さい第3の被覆層をさらに有することによっても、被覆層を介しての発熱面側と吸熱面側との間の熱の移動を抑制することができる。
変形例.
以上の実施形態の熱電モジュール1は、対向する第1の基板39aと第2の基板39bの間に、N型熱電素子3aとP型熱電素子3bを交互に配置して構成した。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、1つの基板上に熱電素子3を配列して構成してもよい。
次に、本発明の第3の実施形態にかかる熱電モジュールについて図面を用いて説明する。
すなわち、図7に示す実施形態にかかる熱電モジュール1は、第2の基板39bを用いていない点を除いては、図1及び図2に示す実施形態の熱電モジュール1と同様に構成される。この変形例の熱電モジュール1において、第2の電極5bは、例えば、金属箔又は金属板によって構成される。
この場合、被覆層は、第1の端部の外周のみに形成するようにしても良いし、第1の端部の外周と第2の端部の外周の両方に形成するようにしてもよい。特に、第1の接合層7及び熱電素子3の第1の端部の外周を覆う被覆層を設けることにより、熱応力に対する優れた耐久性が得られる。これは、第1の基板39aと熱電素子3との熱膨張差により比較的大きい熱応力がかかる第1の接合層7の接合性を高く維持できるからである。
なお、熱電素子3の側面における第1の端部側の外周及び第2の端部側の外周にそれぞれ第1の被覆層及び第2の被覆層10を形成することがより好ましい。この場合、第2の電極5b側の、例えば、金属板と熱電素子3との熱膨張差により生じる熱応力がかかる第2の接合部7の接合性を高く維持でき、より優れた耐久性が得られる。
上記の実施形態にかかる熱電モジュールを以下のようにして作製した。
まず、N型熱電素子3aとして、BiTe2.85Se0.15組成にSbI粉末を0.06質量%添加したインゴットを、P型熱電素子3aとして、Bi0.5Sb1.5Te組成であるインゴットを準備した。そして、各々のインゴットを、縦0.5mm、横0.5mm、高さ1.0mmの寸法にスライスすることにより、N型熱電素子3a及びP型熱電素子3bを作製した。
次に、第1の基板39a及び第2の基板39bとして、縦12.2mm、横8mm、高さ0.36mmの寸法のアルミナ基板を準備した。また、第1の電極5a及び第2の電極5bとして、縦1.8mm、横0.8mm、高さ60μmの寸法のCu−Auを準備した。
また、これらの基板39間に、N型熱電素子3a及びP型熱電素子3bを、互いに離隔するよう間隔をあけて交互に配列した。またこの時、隣り合うN型熱電素子3aとP型熱電素子3bを第1の電極5aと第2の電極5bを用いて電気的に直列になるように接続した。第1の接合部7a及び第2の接合部7bとして半田を用い、この半田を介して第1の電極5a及び第2の電極5bと熱電素子3とを接合した。そして、第1の電極5aを半田により第1の基板39aに固定し、第2の電極5bを半田により第2の基板39bに固定した。このようにして試料番号1〜6の熱電モジュール1を作製した。
さらに、表1の試料番号2〜6に示す熱電モジュール1は、以下に示す反転通電処理を行い、熱電素子3の表面の一部に酸化物層を形成した。
一対の支持板15に形成された凹部35に上記の熱電モジュール1を固定する。そして、熱電モジュール1に一定時間毎に通電方向を反転させる反転通電をすると同時に、第1のガス供給口19より第1のガスを供給し、また、第2のガス供給口21より第2のガスを供給することで、熱電素子3の側面に、第1の端部側及び第2の端部側にそれぞれ位置し、第1の被覆層9及び第2の被覆層10に被覆される一対の被覆領域11とこの被覆領域11に挟まれて露出する露出領域13を形成した。
反転通電としては、表1に示す印加電流を7.5秒切替えで反転するように印加した。反転のサイクル数は、試料番号2〜4では72回、試料番号5では五千回、また、試料番号6では百万回とした。また、第1のガスとして、Nを用い、第2のガスとして、空気を用いた。また、第1のガスの流量は、試料番号2〜6のいずれも2[L/min]として、第2のガスの流量(Air流量)は、表1に示すように、試料番号2では2[L/min]、試料番号3では5[L/min]、また、試料番号4〜6では10[L/min]とした。
試料番号1〜6の熱電モジュール1の最大温度差(ΔT)をそれぞれ測定し、反転通電処理を行わなかった試料番号1のΔTと反転通電処理を行った試料番号2〜6のΔTをそれぞれ比較することにより、熱電モジュール1の冷却性能を評価した。
なお、放熱面をヒートシンクなどで一定の温度(例えば27℃)に固定して、電流を印加し、放熱面と冷却面の間の温度差が最大値を示したときの温度差を熱電モジュール1の最大温度差(ΔT)とした。
さらに、試料番号1〜6のそれぞれの熱電モジュール1の冷却性能を評価した後、熱電モジュール1にガスを供給することなく、上記の反転通電と同様に熱電モジュール1に通電する通電試験を行った。五万サイクル、及び、百万サイクルの上記の通電試験後の熱電モジュール1の内部抵抗(R)をそれぞれ測定し、通電試験前の内部抵抗値と通電試験後の内部抵抗値をそれぞれ比較することにより、熱電モジュール1の耐久性を評価した。
ここで、表1の抵抗変化率とは、(通電試験前の内部抵抗値−通電試験後の内部抵抗値)/(通電試験前の内部抵抗値)である。内部抵抗の測定方法は、熱電モジュール1の熱起電力の影響をなくするために、交流の4端子法による測定を用いた。また、このとき再現性を良くするため、温度は±1.0℃、以内の範囲で測定した。
Figure 0004967018
試料番号2〜6の熱電モジュール1はいずれも試料番号1の熱電モジュール1よりもΔTが増加しており、反転通電処理を行うことにより冷却性能が向上していることが分かる。
また、試料番号2〜4をそれぞれ比較すると、電流の印加量、或いは、Air流量を大きくすることにより、ΔTがより増加し、冷却性能が更に向上していることが分かる。これは、印加電流値を大きくすることにより、熱電素子3の端部での発熱量を増加させることができるので、熱電素子3の端部側面に厚い酸化物層を形成することができたからである。厚い酸化物層が形成されたことにより、熱電素子3の劣化を防止する効果が高くなるので、冷却性能が向上している。
また、エア(Air)流量を大きくすることにより、反転通電処理中に熱電モジュール1全体の温度が上昇することを抑制して、中央部側面に酸化物層が形成されることをより確実に抑制しつつ、端部側面に厚い酸化物層を形成することができたからである。これにより、被覆層を介しての熱電素子3の発熱面側と吸熱面側との間での熱の移動が効果的に抑制されている。
また、試料番号4〜6をそれぞれ比較すると、反転通電のサイクル数を増やすことにより、ΔTがより増加し、冷却性能が更に向上していることが分かる。これは、反転通電のサイクル数を増加することにより、熱電素子3の端部により厚い酸化物層を形成することができたからである。
通電試験後の抵抗値に関しては、試料番号1は、百万サイクルの通電試験中に、熱電素子3と接合部7との接合面付近にクラックが生じ、通電不可となった。これは、試料番号1の熱電モジュールは、反転通電処理を行わなかったため、熱電素子3の第1の端部側及び第2の端部側の側面に酸化物層などの被覆層を備えていなかったためである。そのため、熱電素子3の端部にかかる応力を吸収しきれなかったと考えられる。
一方、反転通電処理により熱電素子3の端部側面に酸化物層が形成された試料番号2〜6は、通電試験後において、いずれも異常が発見されず、内部抵抗値の低下が抑えられていた。
また、試料番号2〜6をそれぞれ比較すると、電流の印加量、或いは、Air流量を大きくすることにより、五万サイクル、及び百万サイクルの通電試験後のいずれも抵抗変化率が小さく抑えられ、優れた冷却性能が得られたことが分かる。

Claims (8)

  1. それぞれ第1の端部と第2の端部とを有する複数の熱電素子と、
    隣り合う前記熱電素子の前記第1の端部間を接続する第1の電極と、
    隣り合う前記熱電素子の前記第2の端部間を接続する第2の電極と、を備えた熱電モジュールであって、
    前記熱電素子の前記第1の端部と前記第1の電極とを接続する第1の接合部と、
    前記熱電素子の前記第1の端部側の外周に、前記第2の端部から離れて設けられ、前記第1の接合部の外周及び前記第1の接合部と前記第1の端部との接合面の周縁を覆う第1の被覆層とを有し、
    前記第1の被覆層は、前記第1の接合部と前記第1の端部との接合面の周縁を覆うように設けられ、前記熱電素子の側面の少なくとも一部を被覆する第1の素子被覆層と、前記第1の接合部の側面の少なくとも一部を被覆する第1の接合部被覆層とを有し、
    前記第1の素子被覆層が、前記第1の接合部被覆層を覆っており、
    前記第1の素子被覆層は、前記熱電素子に含有される成分の酸化物を主成分として有することを特徴とする熱電モジュール。
  2. 前記熱電素子の前記第2の端部側の外周に、前記第1の被覆層から離れて設けられた第2の被覆層を有することを特徴とする請求項1に記載の熱電モジュール。
  3. 前記熱電素子の前記第2の端部と前記第2の電極とを接続する第2の接合部を有し、
    前記第2の被覆層は、前記第2の接合部の外周及び前記第2の接合部と前記第2の端部との接合面の周縁を覆うように位置することを特徴とする請求項記載の熱電モジュール。
  4. 前記第2の被覆層は、前記熱電素子の側面の少なくとも一部を被覆する第2の素子被覆層と、前記第2の接合部の側面の少なくとも一部を被覆する第2の接合部被覆層とを有し、
    前記第2の素子被覆層が、前記第2の接合部と前記第2の端部との接合面の周縁を覆うように位置することを特徴とする請求項記載の熱電モジュール。
  5. 前記第2の被覆層は、前記熱電素子の側面の少なくとも一部を被覆する第2の素子被覆層と、前記第2の接合部の側面の少なくとも一部を被覆する第2の接合部被覆層とを有し、
    前記第2の接合部被覆層が、前記第2の接合部と前記第2の端部との接合面の周縁を覆うように位置することを特徴とする請求項記載の熱電モジュール。
  6. 前記第2の素子被覆層が、前記第2の接合部被覆層を覆うことを特徴とする請求項記載の熱電モジュール。
  7. 前記第1の被覆層と前記第2の被覆層の間に、前記第1の被覆層及び前記第2の被覆層よりも厚みの小さい第3の被覆層をさらに有することを特徴とする請求項記載の熱電モジュール。
  8. 前記第1被覆層と前記第2被覆層の間において、前記熱電素子の表面が露出している請求項記載の熱電モジュール。
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