JP4890323B2 - 熱電モジュール及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、空調機、冷温庫、半導体等の発熱体の冷却等に好適に使用される熱電モジュール及びその製造方法に関する。
従来より、ペルチェ効果を利用した熱電素子は、電流を流すことにより一端が発熱するとともに他端が吸熱するため、冷却用の熱電素子として用いられている。特に、熱電モジュールとしてレーザーダイオードの温度制御、小型で構造が簡単でありフロンレスの冷却装置、冷蔵庫、恒温槽、光検出素子、半導体製造装置等の電子冷却素子、レーザーダイオードの温度調節等への幅広い利用が期待されている。
この熱電素子を利用した熱電モジュールは、図5に示されるように、一対の支持基板1a,1bの間に複数の熱電素子3が直列に接続されることにより構成されており、支持基板1a,1bに形成された端子電極及びリード線4を介して熱電素子3に通電することにより、一方の支持基板側が発熱部となり、他方の支持基板側が冷却部となる。このことを利用して、熱電モジュールは、冷却素子又は発熱素子として利用される。
しかしながら、熱電モジュールには発熱部と冷却部があって熱変形によるストレスが熱電素子にかかるが、熱電素子には比較的機械的強度が低いという問題があった。そこで、特許文献1には、比較的機械的強度が低い熱電素子を保護するために、基板の間に樹脂材を注入して熱電素子間に充填することが開示されている。
特開2000−183409号公報
しかしながら、上記従来の熱電モジュールのように、複数ある熱電素子間の全てに樹脂材を充填すると、熱電モジュールの耐久性は向上させることができるが、熱電モジュールでは支持基板の一方が発熱側となり他方が吸熱側(冷却側)となるので、複数ある熱電素子間の全てに樹脂材を充填するとその充填された樹脂材を通じて支持基板間で熱が伝達されて冷発熱特性が悪化するという問題があった。
そこで、本発明は、高い冷却特性を有しかつ耐久性の高い熱電モジュールを提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明に係る熱電モジュールは、対向して配置された一対の支持基板と、前記一対の支持基板間に配列された複数の熱電素子とを備え、前記一対の支持基板の対向面にそれぞれ形成された接続電極によって前記熱電素子が接続されてなる熱電モジュールにおいて、前記配列された熱電素子のうち、最も外側にある熱電素子間の少なくとも1つに前記一対の支持基板間に亘って形成された充填部と、前記一対の支持基板間に空隙を有する空隙部とを備えた熱電モジュールであって、前記充填部は、樹脂材からなり、かつ前記充填部からその充填部の両側にある熱電素子の外表面に連続してその充填部と同一樹脂材からなる塗装部が形成されており、前記塗装部は、前記支持基板に平行な断面において中央部がその両側より薄いことを特徴とする。
また、本発明に係る熱電モジュールにおいて、前記充填部は樹脂材からなることが好ましい。
さらに、本発明に係る熱電モジュールにおいて、前記配列された熱電素子のうち、最も外側にある熱電素子間の少なくとも1つに前記充填部を設けることが好ましい。
また、本発明に係る熱電モジュールにおいて、前記充填部は、その充填部が設けられた当該熱電素子間において、外側に偏って形成されていてもよく、また、その充填部が設けられた当該熱電素子間全体に亘って偏ることなく形成してもよい。
また、本発明に係る熱電モジュールにおいて、前記充填部からその充填部の両側にある熱電素子の外表面に連続してその充填部と同一樹脂材からなる塗装部が形成されることが好ましく、前記充填部と塗装部は、前記配列された熱電素子のうち、最も外側にある熱電素子間及び外表面に連続して繋がって設けられて熱電素子を密封する密閉空間を構成していることがさらに好ましい。また、本発明に係る熱電モジュールにおいて、前記一対の支持基板間に、前記充填部と前記塗装部と熱電素子とによって密封された空間が構成されていてもよい。
さらに、本発明に係る熱電モジュールにおいて、前記塗装部は、塗装部の熱電素子側一端から支持基板の外周側他端までの厚みは、前記充填部の支持基板内側一端から支持基板の外周側他端までの厚みより薄いことが好ましい。
またさらに、本発明に係る熱電モジュールにおいて、前記塗装部は、前記支持基板に平行な断面において中央部がその両側より薄いことが好ましく、前記塗装部は、前記支持基板に垂直な断面において中央部がその両側より薄いことが好ましい。
また、本発明に係る熱電モジュールにおいて、前記充填部は、前記支持基板に垂直な断面において中央部がその両側より薄いことが好ましい。
また、本発明に係る熱電モジュールにおいて、前記支持基板は、略多角形であり、前記支持基板の一辺に沿って形成された充填部と塗装部とは第1樹脂材からなり、前記一辺に隣り合う辺に沿って形成された充填部と塗装部とは前記第1樹脂材とは異なる第2樹脂材からなっていてもよい。
また、本発明に係る熱電モジュールにおいて、前記支持基板は、前記一辺を長辺とする長方形であり、前記第1樹脂材の硬度が、前記第2樹脂材の硬度よりも低いことが好ましい。前記第2樹脂材はエポキシ樹脂であることが好ましく、前記第1樹脂材はシリコン樹脂であることが好ましい。
本発明に係る熱電モジュールの製造方法は、対向して配置された一対の支持基板と、前記一対の支持基板間に配列された複数の熱電素子とを備える熱電モジュールの製造方法において、
前記支持基板の外周に沿って前記一対の支持基板の間に樹脂材を塗布する塗布工程と、
冶具を前記一対の支持基板の外周を移動させることにより、塗布した樹脂材を前記外周に沿って配列された熱電素子間に充填する充填工程と、
該熱電素子間に充填された前記樹脂材を硬化させる硬化工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る熱電モジュールの製造方法において、前記冶具は、一方に突出する突出部を有しており、この突出部を前記一対の支持基板間に配置した状態で、前記支持基板の外周を移動させることが好ましい。
さらに、本発明に係る熱電モジュールの製造方法において、前記充填工程後、所定時間放置してから前記樹脂材を硬化させることが好ましい。
本発明に係る熱電モジュールは、複数ある熱電素子間は、該熱電素子間の少なくとも一部に一対の支持基板間に亘って形成された充填部と、前記一対の支持基板間に空隙を有する空隙部とをともに備えることにより、高い冷却特性を有しかつ耐久性の高い熱電モジュールを提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施形態の熱電モジュールについて説明する。
実施の形態
本発明に係る実施の形態の熱電モジュールは、一対の支持基板1a,1bの間に複数の熱電素子3が直列に接続されることにより構成され、さらに、図1に示すように、熱電素子3が配列された領域を囲み、かつ、最も外側に配列された熱電素子3に接するようにシール材5が形成されている。尚、熱電素子3は、N型熱電素子3a及びP型熱電素子3bからなり、支持基板1a,1bの間において、N型熱電素子3aとP型熱電素子3bが交互に接続された直列回路が構成される。
そして、本実施の形態の熱電モジュールでは、シール材5は、熱電素子3間の一部を一対の支持基板間に亘って埋めるように形成された充填部5aと、その充填部5aから熱電素子3の外表面に連続して同一樹脂材から形成された塗装部5bとを有しており、充填部5aと塗装部5bが配列された熱電素子3の最も外側にある熱電素子間及び外表面に連続して繋がって熱電素子を密封する密閉空間を構成している。また、充填部5aが設けられていない箇所は空隙となっており、熱電素子間のうち、前記空隙となっている箇所が本発明の空隙部となる。
このように構成された本実施の形態の熱電モジュールでは、熱電素子3間の少なくとも一部を埋めるように形成された充填部5aによって熱電素子に対する応力耐性を向上させて熱電モジュールの耐久性を向上させている。ここで、特に、本実施の形態の熱電モジュールでは、複数ある熱電素子間のうちの最も外側の熱電素子間に、充填部5aを設けているので、より効果的に熱電モジュールの耐久性を向上させることができる。
すなわち、複数ある熱電素子のうちの最も外側にある熱電素子には、反転通電を繰り返したときの支持基板の湾曲による応力を最も受けやすい部分であり、熱電素子又は熱電素子と支持基板側の接続電極との接合部で破損しやすい。しかしながら、本実施の形態のように、複数ある熱電素子間のうちの最も外側の熱電素子間に充填部を形成するようにすると、熱電素子とその接合部にかかる支持基板の変形による力が充填部によって分散されるので、熱電素子及び熱電素子と支持基板側の接続電極との接合部での破損を抑えることができる。
また、本実施の形態の熱電モジュールでは、複数ある熱電素子間のうちの一部の熱電素子間に充填部5aを設けている、換言すると、一対の支持基板間に充填部5aと空隙部をともに備えているので、充填部5aを形成したことによる熱電モジュールの冷発熱特性に対する影響を小さくできる。例えば、複数ある熱電素子間の全てに樹脂材を充填すると熱電モジュールの耐久性は向上させることができるが、熱電モジュールでは支持基板の一方が発熱側となり他方が吸熱側(冷却側)となるので、複数ある熱電素子間の全てに樹脂材を充填するとその充填された樹脂材を通じて支持基板間で熱が伝達されて冷発熱特性が悪化する。しかしながら、複数ある熱電素子間のうちの一部の熱電素子間に充填部5aを設けるようにすると、支持基板間における熱の伝達が抑えられて冷発熱特性に対する影響を小さくできる。
また、本実施の形態では、塗装部の熱電素子側から支持基板の外周側までの厚みは、前記充填部の熱電素子間側から支持基板の外周側までの厚みより薄くなっているので、塗装部における支持基板間の熱伝達が抑えられて熱電モジュールの冷発熱特性に対する影響を小さくできる。さらに、本実施の形態では、塗装部は、図2に示すように、支持基板に平行な横断面において中央部がその両側より薄くなっていることが好ましい。これにより、塗装部における支持基板間の熱伝達がより効果的に抑えられて熱電モジュールの冷発熱特性に対する影響を小さくできる。また、塗装部は、図3に示すように、支持基板に垂直な縦断面において中央部がその両側より薄くなっていてもよく、このようにしても、塗装部における支持基板間の熱伝達がより効果的に抑えられて熱電モジュールの冷発熱特性に対する影響を小さくできる。
また、充填部は、支持基板に垂直な縦断面において中央部がその両側より薄くなっていると、充填部における支持基板間の熱伝達が効果的に抑えられて熱電モジュールの冷発熱特性に対する影響を小さくできる。
以上の実施の形態において、支持基板の一辺に沿って形成された充填部と塗装部とを、その一辺に隣り合う辺に沿って形成された充填部と塗装部とは、異なる樹脂材で構成されていてもよい。
このように、異なる樹脂材を用いる場合、長辺に沿った充填部と塗装部を構成する第1樹脂材の硬度が、短辺に沿った充填部と塗装部を構成する第2樹脂材の硬度よりも低いことが好ましい。長辺側の第1樹脂材の硬度を、短辺側の硬度よりも低くして長辺側の剛性を下げることで、長辺側全体にかかる応力と短辺側全体にかかる応力との間に釣り合いがとれ、長辺側又は短辺側の一方に応力が集中するのを避けることができる。例えば、前記第1樹脂材をシリコン樹脂とし、第2樹脂材をエポキシ樹脂とすると、長辺側又は短辺側の一方への応力集中を避けることができる。
以上の実施の形態では、充填部は、熱電素子間において、外側に偏って設けられているが(図4における5a)、本発明はこれに限られるものではなく、充填部は、熱電素子間全体に亘って偏ることなく樹脂材を充填して形成してもよいし(図4における51a)、内側に偏って設けてもよい(図4における52a)。
以下、本実施の形態の熱電モジュールの製造方法について説明する。
本製造方法では、まず、支持基板の外周に沿って支持基板間に、注射器形状のディスペンサーなどにより、シール材(充填部及び塗装部)となる樹脂材を熱電素子表面に均一な厚みになるように塗布する。
次に、この樹脂材を加工するための冶具を準備する。この冶具は、樹脂材と反応しない材料であれば特に限定はないが、例えば、ポリプロピレンなどの加工性の高い樹脂材から形成される。当該冶具を、支持基板の外周を移動させることにより、塗布した樹脂材が前記外周に沿って配列された熱電素子間に充填され、かつ、熱電素子の表面に広がるように変形させる。
そして、熱電素子間に充填され熱電素子の表面に引き伸ばされた樹脂材を硬化させる。
本製造方法において、冶具は、一方に突出する突出部を有しており、この突出部を前記一対の支持基板間に配置した状態で、前記支持基板の外周を移動させることが好ましい。また、当該突出部は、先端にR加工が施されていることが好ましい。これにより、素子間に樹脂材が挿入され、さらに表面に付着した樹脂材が凹形状を形成することが可能となり、支持基板と熱電素子の固定強度と維持しながら支持基板間の熱の伝わりを低減でき、その結果、前述したような冷却性能を保持しながら耐久特性を高めることが可能になる。
また、本製造方法では、樹脂材を充填する工程後、所定時間放置してから樹脂材を硬化させることが好ましく、これにより、充填部及び塗装部の凹部のR形状をより大きくすることが可能となり、冷却特性の低下をさらに抑制できる。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は該実施例に限定されるものではない。
まず、一度溶融させて固化したBi、TeおよびSeからなるN型の熱電材料、ならびに、BiSbおよびTeからなるP型の熱電材料を、ブリッジマン法により一方向に凝固させ、断面が一辺1.6mm正方形の棒状のN型熱電材料及びP型熱電材料を準備した。
それらの側面に、メッキが付着することを防止するレジストをコーティングしたのち、ワイヤーソーにて1.4mm幅で切断し、N型熱電素子及びP型熱電素子を得た。得られたN型熱電素子及びP型熱電素子に電解メッキで切断面のみにニッケル層を形成し、その上にAu層を配設し、レジストを溶解液で剥離してN型熱電素子及びP型熱電素子を得た。
一辺が40mmの大きさの両面が銅でメタライズ処理されたアルミナフィラーを添加したエポキシ樹脂絶縁基板を準備し、その接続電極上に、メタルマスクを用いて95Sn−5Sbの半田ペーストを塗布した。この半田ペースト上に、N型熱電素子及びP型熱電素子が127対で電気的に直列になるようにパーツフィーダーを使用して各熱電素子を配設した。
以上のように配列したN型熱電素子とP型熱電素子を2枚の支持基板で挟み込むようにし、上下面に圧力をかけながらリフロー炉で加熱処理した。この熱電素子と支持基板が接合されたモジュールを洗浄液に浸積して熱電素子及び支持基板に付着しているはんだペーストに含まれていたフラックスを洗浄した。その後、熱電モジュールの周縁部より先端が細いディスペンサーを用いて熱電素子間に樹脂材を挿入した。
樹脂材を挿入後、一部の実施例にかかるモジュールは支持基板の外周の樹脂材を冶具を用いて移動させ表面の状態を変化させた。その後、加熱処理を施し樹脂材を硬化させた。さらに、熱電モジュールに電流を流すためのリード線を取り付け、No.1〜No.25の熱電モジュールを作製した。樹脂材が充填された面積を熱電素子間及び外周部の素子表面部分より算出し、さらに樹脂材の形状、位置についてもモジュールの断面を切断加工して観察した。そして、作製した熱電モジュールに対して、以下の冷却性能評価と耐久特性評価を行った。
(テスト1:冷却性能測定)
まず、評価ケースの中に熱交換器を配置して、電流を流したときに放熱側となる面に熱伝導グリースを塗布した熱電モジュールを準備し、熱交換器をその熱電モジュールの高温側の支持基板に、熱伝導グリースを用いて熱交換器を取り付けた。熱交換器は内部に水が流れる流路が設けてあり、その流路に40℃の水を流すことによって熱電モジュールの高温側の支持基板を一定温度に維持するものである。上記評価ケースを閉じて窒素ガスをフローして評価ケース内が結露しない環境にして、熱電モジュールに電流を流して、冷却面の温度と放熱面の温度との差が最大になる温度を最大冷却温度として測定した。
(テスト2:耐久特性評価)
テスト2として、同じモジュールをもちいて評価ケースの中に熱交換器を配置して、両面に熱伝導グリースを塗布した熱電モジュールを準備し、その熱電モジュールの高温側の支持基板を熱交換器に熱伝導グリースを用いて取り付け、低温側の支持基板側に被処理物として、熱電モジュールと同じ大きさで厚みが5mmのアルミ製の金属ブロックを、熱伝導グリースを用いて配置した。上記評価ケースを閉じて窒素ガスをフローして評価ケース内が結露しない環境にして、被処理物の温度が−30℃になるように熱電モジュールの制御を行い、−30℃を約1分間キープして、1分間電流をOFFする通電試験を最大10000サイクル行った。熱電モジュールは随時、内部抵抗を測定し、内部抵抗の変化率が5%を超えるサイクル数を故障サイクル数として評価した。
評価結果を以下の表に示す。
表1には、No.1〜No.10の試料の構成上の特徴と評価結果を示している。尚、表1において、No.1〜No.3の試料は、本発明の範囲外のものである。
また、No.4〜No.10の試料は、本発明の範囲内のものである。
表1中に示した、モジュール外周部の素子間0パーセントとは、モジュール素子間全てに対して樹脂材が挿入されていない状態を意味し、素子表面が0パーセントとは、モジュール外周部の素子の外周方向の表面に樹脂材が付着していない状態を意味する。したがって、全素子間の10%とは、例えば127対モジュールにおいて、外周部分の素子間となる58箇所の中で約10%である6箇所の素子間に樹脂材が充填されている状態を意味する。
表1において、充填部材質の欄に記載された記号は、次の材料を表わしている。
R1:1液性エポキシ樹脂(硬度80)、
R2:2液性エポキシ樹脂(硬度90)、
R3:RTVシリコン(硬度50)、
R4:ウレタンゴム(硬度30)、
R5:アクリル樹脂(硬度60)、
C1:セメント材、
C2:セラミック混合セメント。
Figure 0004890323
<比較例>
試料No.1は、樹脂を全く形成していないものであり、素子強度が弱く、最も故障サイクル数が低くなっている。
試料No.2は、すべての熱電素子間に樹脂材を充填したものであり、故障に至るサイクル数は十分であったが、冷却性能が最も低下した。
試料No.3は、熱電素子間に樹脂材を充填することなく、素子の外側に樹脂材を設けて密封したものであり、故障サイクルがNo.1より向上したが、まだ、十分ではなかった。
<実施例>
これに対して、本発明に係る実施例であるNo.4〜10は、故障に至るサイクル数及び冷却性能とも満足できるものであり、本発明により、冷却特性と耐久性を兼ね備えた熱電モジュールを提供できることが確認された。
また、この評価結果から、硬度50以上の樹脂材を用いることにより、故障に至るサイクル数をより高くできることが確認された。試料No.7の硬度30のウレタンゴムでは、充填部が柔らかく、素子間の強度が十分に向上されにくいものと考えられる。また、
試料No.9のセメント材や、試料No.10のセラミック混合セメントでは、素子より硬いため、かえって素子に応力がかかる結果となって他の実施例に比較して多少劣る結果になった。
表2には、No.4,11〜15の試料(すべて本発明の範囲内)の構成上の特徴と評価結果を示している。表2中にある内側とは、素子間に充填する樹脂材の表面位置が、素子幅の半分より奥に充填されている状態であり、外側とは充填された樹脂材の表面が素子幅の半分よりも外側にある状態を指す。全充填とは素子間の全ての位置に樹脂材が充填された状態である。また、表2における充填部の厚みは、素子間の中央部の厚みで示し、縦断面及び横断面形状がフラットとは、厚みの差が0.05mm以内であることを示している。
No.4,11〜15の試料では、充填部材質は、R1、すなわち1液性エポキシ樹脂(硬度80)とした。
Figure 0004890323
以上の表2に示したように、全素子に対する樹脂材が充填された素子間の割合が大きくなるほど、耐久性が向上することがわかる。また、充填された素子間の割合が30%以下であると、冷却性能はほとんど劣化しないことがわかる。
No.13とNo.14を比較することにより、モジュール外周部の素子間の充填位置が外側にあると、耐久性が向上することがわかる。
充填部を形成する各素子間の全範囲に樹脂材を充填すると(図4の51aに示す構造)、耐久性は変わらないが、冷却性能が下がる傾向にあることがわかる(No.15)。
表3には、No.16〜20の試料(すべて本発明の範囲内)の構成上の特徴と評価結果を示している。ここで、使用冶具Aとは、樹脂材に沿って移動させた際に樹脂表面が平坦になるような直方体形状の先端部が突出していないポリプロピレン製の冶具であり、使用冶具Bとは、樹脂材に沿って移動させた際に凹部分ができるような先端がR形状に突出したポリプロピレン製のものである。
なお、表3における試料の全素子間における充填部の位置は外側でありる。
また、充填部の厚みの測定箇所およびフラットの意味は表2と同様であり、凹と表示したものは、中央部がへこんでいることを示す。
No.16〜20の試料では、充填部材質は、R1、すなわち1液性エポキシ樹脂(硬度80)とした。
Figure 0004890323
以上のように、例えば、No16,17を比較することにより、外周側素子表面部の厚みが大きくなると、冷却性能が低下する傾向があることがわかる。また、No17,18を比較することにより、外周側素子の素子間や素子表面の充填物の縦断面形状の中央部をへこますと、いわゆる熱ひけ(支持基板間の熱伝導)が抑制され、冷却性能が向上する傾向があることがわかる。
また、No18,19を比較することにより、外周側素子の素子間や素子表面の充填物の横断面形状の中央部をへこませても、熱ひけが抑制され、冷却性能が向上する傾向にあることがわかる。また、No19,20を比較することにより、外周側素子の表面部の中心部を凸に膨らますと、熱ひけが促進され、冷却性能が低下する傾向にあることがわかる。
表4には、No.21〜25の試料(すべて本発明の範囲内)の構成上の特徴と評価結果を示している。No.21〜25の試料は、図1に示す充填部と塗装部とを有する本発明の最も好ましい形態に属するものである。尚、表4中に示した各項目の意味は、表1〜3の項目の意味と同様である。
Figure 0004890323
以上のように、例えば、No21,22を比較することにより、短辺側の充填剤を長辺より硬くすると、変形が大きい長辺側素子の応力を緩和できるため耐久性が向上する傾向にあることがわかる。
また、No21,23を比較することにより、長辺側の充填剤を短辺より硬くすると、変形が大きい長辺側素子の応力が増加して耐久性が低下する傾向にあることがわかる。
さらに、No23,24を比較することにより、長辺側の充填剤を短辺より柔らかくしていくと、変形が大きい長辺側素子の応力を緩和しやすくなるので、耐久性が低下向上する傾向にあることがわかる。
本発明に係る実施の形態の熱電モジュールの構成を示す横断面図である。 実施の形態の熱電モジュールにおける塗装部の好ましい形態構成を示す横断面図である。 実施の形態の熱電モジュールにおける塗装部の好ましい形態構成を示す縦断面図である。 実施の形態の熱電モジュールにおける充填部の異なる形態を示す横断面図である。 通常の熱電モジュールを示す斜視図である。
符号の説明
1a,1b 支持基板、2 接続電極、2a 第1接続電極、2b 第2接続電極、3 熱電素子、3a N型熱電素子、3b P型熱電素子、4 リード線、5 シール材、5a 充填部、5b 塗装部。

Claims (12)

  1. 対向して配置された一対の支持基板と、前記一対の支持基板間に配列された複数の熱電素子とを備え、前記一対の支持基板の対向面にそれぞれ形成された接続電極によって前記熱電素子が接続されてなる熱電モジュールにおいて、
    前記配列された熱電素子のうち、最も外側にある熱電素子間の少なくとも1つに前記一対の支持基板間に亘って形成された充填部と、前記一対の支持基板間に空隙を有する空隙部とを備えた熱電モジュールであって、
    前記充填部は、樹脂材からなり、かつ前記充填部からその充填部の両側にある熱電素子の外表面に連続してその充填部と同一樹脂材からなる塗装部が形成されており、
    前記塗装部は、前記支持基板に平行な断面において中央部がその両側より薄いことを特徴とする熱電モジュール。
  2. 前記充填部は、その充填部が設けられた当該熱電素子間において、外側に偏って形成されている請求項1に記載の熱電モジュール。
  3. 前記充填部は、その充填部が設けられた当該熱電素子間全体に亘って偏ることなく形成されている請求項1に記載の熱電モジュール。
  4. 前記充填部と塗装部は、前記配列された熱電素子のうち、最も外側にある熱電素子間及び外表面に連続して繋がって設けられて熱電素子を密封する密閉空間を構成している請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の熱電モジュール。
  5. 前記一対の支持基板間に、前記充填部と前記塗装部と熱電素子とによって密封された空間が構成された請求項4に記載の熱電モジュール。
  6. 前記塗装部の熱電素子側一端から支持基板の外周側他端までの厚みは、前記充填部の支持基板内側一端から支持基板の外周側他端までの厚みより薄い請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の熱電モジュール。
  7. 前記塗装部は、前記支持基板に垂直な断面において中央部がその両側より薄い請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の熱電モジュール。
  8. 前記充填部は、前記支持基板に垂直な断面において中央部がその両側より薄い請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の熱電モジュール。
  9. 前記支持基板は、略多角形であり、前記支持基板の一辺に沿って形成された充填部と塗装部とは第1樹脂材からなり、前記一辺に隣り合う辺に沿って形成された充填部と塗装部とは前記第1樹脂材とは異なる第2樹脂材からなる請求項1〜8のうちのいずれか1つに記載の熱電モジュール。
  10. 前記支持基板は、前記一辺を長辺とする長方形であり、前記第1樹脂材の硬度が、前記第2樹脂材の硬度よりも低いことを特徴とする請求項9に記載の熱電モジュール。
  11. 前記第2樹脂材はエポキシ樹脂である請求項10に記載の熱電モジュール。
  12. 前記第1樹脂材はシリコン樹脂である請求項10又は請求項11に記載の熱電モジュール。
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