JP4890323B2 - 熱電モジュール及びその製造方法 - Google Patents
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Description
前記支持基板の外周に沿って前記一対の支持基板の間に樹脂材を塗布する塗布工程と、
冶具を前記一対の支持基板の外周を移動させることにより、塗布した樹脂材を前記外周に沿って配列された熱電素子間に充填する充填工程と、
該熱電素子間に充填された前記樹脂材を硬化させる硬化工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る実施の形態の熱電モジュールは、一対の支持基板1a,1bの間に複数の熱電素子3が直列に接続されることにより構成され、さらに、図1に示すように、熱電素子3が配列された領域を囲み、かつ、最も外側に配列された熱電素子3に接するようにシール材5が形成されている。尚、熱電素子3は、N型熱電素子3a及びP型熱電素子3bからなり、支持基板1a,1bの間において、N型熱電素子3aとP型熱電素子3bが交互に接続された直列回路が構成される。
本製造方法では、まず、支持基板の外周に沿って支持基板間に、注射器形状のディスペンサーなどにより、シール材(充填部及び塗装部)となる樹脂材を熱電素子表面に均一な厚みになるように塗布する。
次に、この樹脂材を加工するための冶具を準備する。この冶具は、樹脂材と反応しない材料であれば特に限定はないが、例えば、ポリプロピレンなどの加工性の高い樹脂材から形成される。当該冶具を、支持基板の外周を移動させることにより、塗布した樹脂材が前記外周に沿って配列された熱電素子間に充填され、かつ、熱電素子の表面に広がるように変形させる。
そして、熱電素子間に充填され熱電素子の表面に引き伸ばされた樹脂材を硬化させる。
まず、一度溶融させて固化したBi、TeおよびSeからなるN型の熱電材料、ならびに、Bi、SbおよびTeからなるP型の熱電材料を、ブリッジマン法により一方向に凝固させ、断面が一辺1.6mm正方形の棒状のN型熱電材料及びP型熱電材料を準備した。
まず、評価ケースの中に熱交換器を配置して、電流を流したときに放熱側となる面に熱伝導グリースを塗布した熱電モジュールを準備し、熱交換器をその熱電モジュールの高温側の支持基板に、熱伝導グリースを用いて熱交換器を取り付けた。熱交換器は内部に水が流れる流路が設けてあり、その流路に40℃の水を流すことによって熱電モジュールの高温側の支持基板を一定温度に維持するものである。上記評価ケースを閉じて窒素ガスをフローして評価ケース内が結露しない環境にして、熱電モジュールに電流を流して、冷却面の温度と放熱面の温度との差が最大になる温度を最大冷却温度として測定した。
テスト2として、同じモジュールをもちいて評価ケースの中に熱交換器を配置して、両面に熱伝導グリースを塗布した熱電モジュールを準備し、その熱電モジュールの高温側の支持基板を熱交換器に熱伝導グリースを用いて取り付け、低温側の支持基板側に被処理物として、熱電モジュールと同じ大きさで厚みが5mmのアルミ製の金属ブロックを、熱伝導グリースを用いて配置した。上記評価ケースを閉じて窒素ガスをフローして評価ケース内が結露しない環境にして、被処理物の温度が−30℃になるように熱電モジュールの制御を行い、−30℃を約1分間キープして、1分間電流をOFFする通電試験を最大10000サイクル行った。熱電モジュールは随時、内部抵抗を測定し、内部抵抗の変化率が5%を超えるサイクル数を故障サイクル数として評価した。
また、No.4〜No.10の試料は、本発明の範囲内のものである。
表1中に示した、モジュール外周部の素子間0パーセントとは、モジュール素子間全てに対して樹脂材が挿入されていない状態を意味し、素子表面が0パーセントとは、モジュール外周部の素子の外周方向の表面に樹脂材が付着していない状態を意味する。したがって、全素子間の10%とは、例えば127対モジュールにおいて、外周部分の素子間となる58箇所の中で約10%である6箇所の素子間に樹脂材が充填されている状態を意味する。
表1において、充填部材質の欄に記載された記号は、次の材料を表わしている。
R1:1液性エポキシ樹脂(硬度80)、
R2:2液性エポキシ樹脂(硬度90)、
R3:RTVシリコン(硬度50)、
R4:ウレタンゴム(硬度30)、
R5:アクリル樹脂(硬度60)、
C1:セメント材、
C2:セラミック混合セメント。
試料No.1は、樹脂を全く形成していないものであり、素子強度が弱く、最も故障サイクル数が低くなっている。
試料No.2は、すべての熱電素子間に樹脂材を充填したものであり、故障に至るサイクル数は十分であったが、冷却性能が最も低下した。
試料No.3は、熱電素子間に樹脂材を充填することなく、素子の外側に樹脂材を設けて密封したものであり、故障サイクルがNo.1より向上したが、まだ、十分ではなかった。
これに対して、本発明に係る実施例であるNo.4〜10は、故障に至るサイクル数及び冷却性能とも満足できるものであり、本発明により、冷却特性と耐久性を兼ね備えた熱電モジュールを提供できることが確認された。
試料No.9のセメント材や、試料No.10のセラミック混合セメントでは、素子より硬いため、かえって素子に応力がかかる結果となって他の実施例に比較して多少劣る結果になった。
No.4,11〜15の試料では、充填部材質は、R1、すなわち1液性エポキシ樹脂(硬度80)とした。
No.13とNo.14を比較することにより、モジュール外周部の素子間の充填位置が外側にあると、耐久性が向上することがわかる。
充填部を形成する各素子間の全範囲に樹脂材を充填すると(図4の51aに示す構造)、耐久性は変わらないが、冷却性能が下がる傾向にあることがわかる(No.15)。
なお、表3における試料の全素子間における充填部の位置は外側でありる。
また、充填部の厚みの測定箇所およびフラットの意味は表2と同様であり、凹と表示したものは、中央部がへこんでいることを示す。
No.16〜20の試料では、充填部材質は、R1、すなわち1液性エポキシ樹脂(硬度80)とした。
また、No18,19を比較することにより、外周側素子の素子間や素子表面の充填物の横断面形状の中央部をへこませても、熱ひけが抑制され、冷却性能が向上する傾向にあることがわかる。また、No19,20を比較することにより、外周側素子の表面部の中心部を凸に膨らますと、熱ひけが促進され、冷却性能が低下する傾向にあることがわかる。
また、No21,23を比較することにより、長辺側の充填剤を短辺より硬くすると、変形が大きい長辺側素子の応力が増加して耐久性が低下する傾向にあることがわかる。
さらに、No23,24を比較することにより、長辺側の充填剤を短辺より柔らかくしていくと、変形が大きい長辺側素子の応力を緩和しやすくなるので、耐久性が低下向上する傾向にあることがわかる。
Claims (12)
- 対向して配置された一対の支持基板と、前記一対の支持基板間に配列された複数の熱電素子とを備え、前記一対の支持基板の対向面にそれぞれ形成された接続電極によって前記熱電素子が接続されてなる熱電モジュールにおいて、
前記配列された熱電素子のうち、最も外側にある熱電素子間の少なくとも1つに前記一対の支持基板間に亘って形成された充填部と、前記一対の支持基板間に空隙を有する空隙部とを備えた熱電モジュールであって、
前記充填部は、樹脂材からなり、かつ前記充填部からその充填部の両側にある熱電素子の外表面に連続してその充填部と同一樹脂材からなる塗装部が形成されており、
前記塗装部は、前記支持基板に平行な断面において中央部がその両側より薄いことを特徴とする熱電モジュール。 - 前記充填部は、その充填部が設けられた当該熱電素子間において、外側に偏って形成されている請求項1に記載の熱電モジュール。
- 前記充填部は、その充填部が設けられた当該熱電素子間全体に亘って偏ることなく形成されている請求項1に記載の熱電モジュール。
- 前記充填部と塗装部は、前記配列された熱電素子のうち、最も外側にある熱電素子間及び外表面に連続して繋がって設けられて熱電素子を密封する密閉空間を構成している請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の熱電モジュール。
- 前記一対の支持基板間に、前記充填部と前記塗装部と熱電素子とによって密封された空間が構成された請求項4に記載の熱電モジュール。
- 前記塗装部の熱電素子側一端から支持基板の外周側他端までの厚みは、前記充填部の支持基板内側一端から支持基板の外周側他端までの厚みより薄い請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の熱電モジュール。
- 前記塗装部は、前記支持基板に垂直な断面において中央部がその両側より薄い請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の熱電モジュール。
- 前記充填部は、前記支持基板に垂直な断面において中央部がその両側より薄い請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の熱電モジュール。
- 前記支持基板は、略多角形であり、前記支持基板の一辺に沿って形成された充填部と塗装部とは第1樹脂材からなり、前記一辺に隣り合う辺に沿って形成された充填部と塗装部とは前記第1樹脂材とは異なる第2樹脂材からなる請求項1〜8のうちのいずれか1つに記載の熱電モジュール。
- 前記支持基板は、前記一辺を長辺とする長方形であり、前記第1樹脂材の硬度が、前記第2樹脂材の硬度よりも低いことを特徴とする請求項9に記載の熱電モジュール。
- 前記第2樹脂材はエポキシ樹脂である請求項10に記載の熱電モジュール。
- 前記第1樹脂材はシリコン樹脂である請求項10又は請求項11に記載の熱電モジュール。
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