JP6286845B2 - 熱電素子搭載モジュール及びその製造方法 - Google Patents

熱電素子搭載モジュール及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6286845B2
JP6286845B2 JP2013059967A JP2013059967A JP6286845B2 JP 6286845 B2 JP6286845 B2 JP 6286845B2 JP 2013059967 A JP2013059967 A JP 2013059967A JP 2013059967 A JP2013059967 A JP 2013059967A JP 6286845 B2 JP6286845 B2 JP 6286845B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoelectric element
thermoplastic resin
resin sheet
thermoelectric
mounting module
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013059967A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014187124A (ja
Inventor
中川 香苗
香苗 中川
鈴木 貴志
貴志 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2013059967A priority Critical patent/JP6286845B2/ja
Publication of JP2014187124A publication Critical patent/JP2014187124A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6286845B2 publication Critical patent/JP6286845B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Battery Mounting, Suspending (AREA)

Description

本発明は、熱電素子搭載モジュール及びその製造方法に関するものであり、全固体二次電池が埋め込まれた形で搭載された半導体装置とこれを用いた電子機器に関する。
近年、センサーネットワーク構想とともに、新たな環境発電技術の取り組みが活発になっている。環境発電技術は、1988年にキネテイックと呼ばれる振動を利用した技術が初めて時計において実用化され、その後、温度差や太陽光を利用した技術も実用化されており、μWオーダの電力供給が果たされている。
さらに、欧米或いは日本で、エレクトレット、電磁波などを利用した技術の開発が行われており、最近では、環境発電(エネルギーハーベスト)と無線技術とを組み合わせた新たなシステムの適用拡大も進められている。
このようなモバイル機器に搭載した環境発電素子により発電した電力を有効利用するためには、発電した電力を二次電池に蓄える必要があり、モバイル機器用化学電池の代表格はリチウムイオン二次電池である。しかし、リチウムイオン二次電池は、安全上において、膨張、破裂、発火などの危険性も有している。
そこで、リチウムイオン二次電池の安全性や適応性の向上を狙いとして、有機電解液に代えて、固体電解質を用いる全固体型薄膜リチウムイオン二次電池の開発が進められている。この全固体型薄膜リチウムイオン二次電池は、安全、高耐熱、軽量、フレキシブルといった特徴を持つため、超小型の電子機器やロボット、マイクロセンサー、無線ICタグ、医療用体内埋め込み機器などのエネルギー源として期待されている。
環境発電素子と全固体二次電池を一体化して、センサーネットワーク機器の電源とすることも考えられており、環境発電としては、太陽光の他、温度差があれば発電できる熱電素子が有力である(例えば、特許文献1或いは特許文献2参照)。
この熱電素子は、主に複数のp型熱電半導体およびn型熱電半導体から構成されており、熱エネルギーを電気エネルギーに、また電気エネルギーを熱エネルギーに直接変換する機能を持つ。その熱電素子の両端に温度差を与えると、ゼーベック効果により電圧を発生する。この電圧を電気エネルギーとして取り出すようにしたものが熱電発電装置である。
この様な熱電発電装置によって、熱エネルギーから電気エネルギーへの直接エネルギー変換が可能となり、廃熱利用に代表されるような熱エネルギーの有効な利用方法の一つとして注目を浴びている。
一般的な熱電素子は、ほぼ同じ長さで柱状のp型熱電半導体とn型熱電半導体を交互に規則的に配置してその両端部で対にして熱電対を作り、その熱電対を複数個平面的に並べて、その熱電対を電気的に直列に接続している。
この熱電対は、Siやセラミックからなる電気伝導性をもたず、熱伝導性に優れた2枚の基板の間で、p型熱電半導体/n型熱電半導体及びそれらを接続する電極の厚さ分の隙間を有して、向かい合う構造になっている。また、互いに隣接するp型熱電半導体とn型熱電半導体との間には何もなく空気になっている。
特開平11−284235号公報 特開2011−066976号公報
熱電素子は、センサーネットワーク機器の電源として、様々な状況或いは様々なシーンで適用できるように検討が進められている。また、独立した電源デバイスとして、様々なセンサーデバイスや無線デバイスに適用できるよう、二次電池や熱電素子を埋め込み実装し、通常のプリント基板への実装よりも、より小型に、より環境適応性を向上させることが検討されている。
埋め込みに使用する材料は、様々な形状に成形可能な樹脂材料が検討されている。モールド樹脂材料は、加熱軟化・液状化させ、減圧下で二次電池や熱電素子等を配置した金型に投入し成形することでモジュールを形成している。樹脂材料の内、熱可塑性樹脂は軟化温度が300℃以上になることもあり、二次電池や熱電素子等にダメージを与える恐れがある。そこで、熱硬化性樹脂、例えば、熱硬化温度が150℃〜200℃程度で諸特性に優れるエポキシ樹脂が多く検討されている。
しかし、どちらの場合にも、モールディング工程で樹脂を加熱軟化、液状化させ、減圧下で素子を封止する必要があるため、数μmというわずかな隙間にも、樹脂が入り込む場合がある。前述のとおり、熱電素子は、熱伝導性の基板が空隙を有しており、その隙間は数十μmもしくはそれ以上あるため、モールディング時に、熱電半導体周りが樹脂で完全に塞がれるので、この事情を図7及び図8を参照して説明する。
図7は、樹脂封止モジュールの製造工程の説明図であり、まず、図7(a)に示すように、ガラス等の支持基板51上に粘着テープ52を貼り付け、この粘着テープ52に全個体型二次電池53、コンデンサ54、抵抗素子55及び熱電素子60等を仮固定する。なお、熱電素子60は、p型熱電材料部材61とn型熱電材料部材62を交互に規則的に配置してその両端部で対にして熱電対を作り、その熱電対を複数個平面的に並べて、その熱電対を電気的に直列に接続している。また、この熱電対は2枚の熱伝導性基板63,64に挟まれて支持されている。
次いで、図7(b)に示すように、熱硬化性樹脂56をモールドして、減圧下で加熱・加圧して成形する。次いで、図7(c)に示すように、モールド体を粘着テープ52から剥離したのち、樹脂の硬化温度で加熱して熱硬化性樹脂57を硬化させる。
次いで、図7(d)に示すように、粘着テープ52に粘着していた側をグライディング処理して熱電素子60の一方の熱伝導性基板63を露出させる。次いで、図7(e)に示すように、各素子間を再配線58によって相互接続することによってモジュールが完成する。
図8は、樹脂モールドに伴う問題点の説明図であり、図8(a)は完成したモジュールにおける熱電素子の状態を示す断面図であり、図8(b)は、モールド前の熱電素子の状態を示す断面図である。図8(a)に示すように、モールド後の熱電素子60は、p型熱電材料部材61とn型熱電材料部材62との間に熱硬化性樹脂57が侵入する。なお、図における符号65はp型熱電材料部材61とn型熱電材料部材62とを上下で交互に接続して直列接続構造を形成する接続電極であり、また、符号66は電力を外部に取り出す引出電極である。
樹脂の熱伝導率は、空気の熱伝導率より高く、例えば、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂の場合は、0.2W/km〜0.3W/kmと空気の熱伝導率0.257W/kmより10倍以上大きい。したがって、モールド後は熱電素子全体の熱抵抗が低下し、同じ温度差から得られる電力が、図8(b)に示したモールドしない場合のように空気59が介在する場合よりも少なくなってしまい、熱電素子としての特性が劣化するという問題がある。
したがって、熱電素子搭載モジュール及びその製造方法において、柱状熱電材料部材間へのモールド樹脂の侵入を防止することを目的とする。
開示する一観点からは、二枚の熱伝導性基板の間に挟まれた複数の柱状熱電材料部材を備えるとともに、隣接する前記柱状熱電材料部材間が空隙である熱電素子と、前記熱電素子の全側面を覆う空気透過性を有し、粘着性を有さない熱可塑性樹脂シートと、電気部品と、前記電気部品及び前記熱可塑性樹脂シートを介して前記熱電素子を覆う熱硬化性樹脂とを有し、前記熱可塑性樹脂シートの軟化温度が、前記熱硬化性樹脂の熱硬化温度よりも低いことを特徴とする熱電素子搭載モジュールが提供される。
また、開示する別の観点からは、支持基板上に、二枚の熱伝導性基板の間に挟まれた複数の柱状熱電材料部材を備えるとともに、隣接する前記柱状熱電材料部材間が空隙である熱電素子と電気部品を固定する工程と、前記熱電素子の露出表面を覆うように空気透過性を有し、粘着性を有さない熱可塑性樹脂シートを仮固定する工程と、前記熱可塑性樹脂シートの軟化温度より低い温度で熱硬化性樹脂をモールドする工程と、前記熱可塑性樹脂シートの軟化温度より高い温度で前記熱硬化性樹脂を硬化する工程とを有することを特徴とする熱電素子搭載モジュールの製造方法が提供される。
開示の熱電素子搭載モジュール及びその製造方法によれば、柱状熱電材料部材間へのモールド樹脂の侵入を防止することが可能になる。
本発明の実施の形態の熱電素子搭載モジュールの説明図である。 本発明の実施の形態の熱電素子搭載モジュールのモールド工程の説明図である。 本発明の実施例1の熱電素子搭載モジュールの製造工程の途中までの説明図である。 本発明の実施例1の熱電素子搭載モジュールの製造工程の図3以降の説明図である。 本発明の実施例2の熱電素子搭載モジュールの製造工程の途中までの説明図である。 本発明の実施例2の熱電素子搭載モジュールの製造工程の図5以降の説明図である。 樹脂封止モジュールの製造工程の説明図である。 樹脂モールドに伴う問題点の説明図である。
ここで、図1及び図2を参照して、本発明の実施の形態の熱電素子搭載モジュールを説明する。図1は、本発明の実施の形態の熱電素子搭載モジュールの説明図であり、熱電素子3の側面を空気透過性を有する熱可塑性樹脂シート9で覆った状態で他の電子部品7,8とともに、熱硬化性樹脂10によって一体にモールドする。この熱電素子3自体は、従来の熱電素子と同様に、二枚の熱伝導性基板6の間に挟まれた複数の柱状熱電材料部材4,5が、接続電極によって直列接続されている。
本発明の実施の形態においては、熱電素子3の側面を熱可塑性樹脂シート9で覆っているので、隣接する柱状熱電材料部材4,5の間に熱硬化性樹脂10が侵入することがなく、空隙のままになる。この事情を図2を参照して説明する。
図2は、本発明の実施の形態の熱電素子搭載モジュールのモールド工程の説明図であり、ここでは、説明を簡単にするために、熱電素子の近傍のみを図示する。まず、図2(a)に示すように、表面に粘着性シート2を設けた支持基板1に各種の電子部品とともに、熱電素子3を固定する。次いで、熱電素子3の側面と頂面を空気透過性を有するとともに粘着性を有さない熱可塑性樹脂シート9で覆い、粘着性シート2により仮固定する。
この場合、
モールド工程における加熱温度<熱可塑性樹脂シート9の軟化温度<熱硬化性樹脂10の硬化温度
とすることが必須である。なお、図2(a)の左側の平面図に示すように熱可塑性樹脂シート9の四隅に切り欠き部を設けても良い。また、安定に仮固定するためには、内枠のサイズが熱電素子3の外周とほぼ同じサイズの型枠を用いて熱可塑性樹脂シート9を押さえ込むようにして仮固定することが望ましい。
次いで、図2(b)に示すように、金型にデバイスを固定した支持基板1をセットし、次いで封止樹脂となる熱硬化性樹脂を投入する。上金型をセットした後、減圧しつつ熱可塑性樹脂シート9の軟化温度より低い80℃〜140℃で加熱することにより、脱泡しつつ、熱硬化性樹脂10の粘度を一旦下げて熱電素子3の周りを封止し、加熱を続けることにより成形する。この時、熱電素子3の内部空間の空気は熱可塑性樹脂シート9を通じて抜けて熱可塑性樹脂シート9と密着するが、熱硬化性樹脂10が入り込むことはない。なお、この時点では、熱電素子3と熱可塑性樹脂シート9は密着しているが接着はしていない。
次いで、図2(c)に示すように、金型より取り出しモールド体を粘着性シート2から剥離したのち、オーブン等で30分〜1時間程度より高温の熱硬化性樹脂10の硬化温度で加熱して熱硬化性樹脂10を硬化する。この硬化温度は熱可塑性樹脂シート9の軟化温度より高いので、熱可塑性樹脂シート9は軟化して熱電素子3に接着する。軟化した熱可塑性樹脂シート9は、熱硬化性樹脂10の加熱硬化後の冷却で、再び硬化する。
次いで、図2(d)に示すように、モールド成形体の粘着性シート2に対する粘着面と反対側からグライディング処理を行って熱硬化性樹脂10及び熱可塑性樹脂シート9を研削して熱電素子3を露出させることによって、図1に示した構造が得られる。
粘着性を有する樹脂シートや未硬化樹脂シートは、ベースフィルムと共に用いられることもあり、熱電素子全体に密着して密封することは困難である。そのため、本発明の実施の形態においては、粘着性を有さない熱可塑性樹脂からなるシートを密封材として用い、モールド時の加圧・脱気を利用してシートと素子を密着させている。これにより、密閉とモールド封止を同時に成立させ、一括して実現できる。
モールド樹脂である熱硬化性樹脂10として、エポキシ樹脂を選択した場合、エポキシ樹脂の熱硬化温度は150℃〜200℃である。この温度帯を軟化点とする熱可塑性樹脂として、高密度ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリスチレンアクリロニトリル、或いは、ポリブタジエンスチレン等が適用可能である。
この時の加熱温度は、モールド樹脂の主成分であるエポキシ樹脂の硬化温度よりは低く、また、熱可塑性樹脂の軟化点よりも低く、熱可塑性樹脂シートは熱電素子に接着しない。
以上のように、本発明の実施の形態においては、熱電素子3の柱状熱電材料部材4,5の周囲を熱抵抗の高い空気に保ったまま、つまり高い発電効率を維持したまま、熱電素子や蓄電池、受動素子などを封止一体化した、エネルギーハーベスティングモジュールを提供することが可能となる。
なお、柱状熱電材料部材4,5としては、n型熱電材料部材のみでも良いし、p型熱電材料部材のみでも良いが、熱電変換効率の観点からは、n型熱電材料部材とp型熱電材料部材とを交互に接続した構造が望ましい。また、支持基板1としては、PETフィルムでもガラス基板でもステンレス基板でも良く、固定工程に耐える強度を有するものであれば良い。粘着性シート2としては、粘着性が高く且つ剥離が容易なシートが望ましく、例えば、紫外線の照射により粘着性が急減に低下するUVテープ等が望ましい。
熱電素子3とともに搭載する電気部品7,8としては、コンデンサや抵抗素子等の受動部品や、熱電素子3で発電した電力を蓄える全個体型二次電池が典型的なものである。また、電気部品7,8として熱、光或いは振動等を検知するセンサを搭載すれば、モジュールだけでセンシングシステムを構築することができる。
次に、図3及び図4を参照して、本発明の実施例1の熱電変換搭載モジュールの製造工程を説明する。まず、図3(a)に示すように、支持基板11上に設けたUVテープ12の粘着面に熱電素子20、全個体型リチウムイオン電池13、コンデンサ14及び抵抗素子16等を固定する。なお、図における符号15はコンデンサ14の電極であり、符号17は抵抗素子16の電極である。
熱電素子20としては、サイズが3.4mm×2.5mmで、高さが1.09mmのMicropelt社製MPG−D651を用いる。この熱電素子20は、高さが0.025mmのp型熱電材料部材21とn型熱電材料部材22が、厚さが0.5mmの2枚のシリコンチップ25の間に各々0.03mm〜0.035mm厚さの接続電極23及び引出電極24を介して挟まれた構造となっている。
次いで、図3(b)に示すように、5.5mm×4.5mmで厚さが0.1mmのポリアミド樹脂シート31を熱電素子20上から被せたのち、内枠のサイズが3.5mm×2.6mmのテフロン(登録商標)からなるシート状の型枠32で上から押さえる。これにより、ポリアミド樹脂シート31はできるだけピッタリ熱電素子20に密着することになり、かつ余分なポリアミド樹脂シート31はUVテープ12の粘着面に接着して仮固定される。
次いで、図4(c)に示すように、支持基板11にデバイスを固定した状態で、モールド金型にセットし、モールド樹脂となるエポキシ樹脂33を投入する。上金型を固定し、120℃で5分〜10分間加熱しつつ脱泡する。
次いで、図4(d)に示すように、金型からモールド成形体を取り出し、UVテープ12に紫外線を照射して剥離したのち、180℃のオーブンで1時間加熱し、エポキシ樹脂34を加熱硬化する。ポリアミド樹脂シート31の軟化点は170℃〜180℃であるので、この段階でポリアミド樹脂シート31は熱電素子20と接着し、エポキシ樹脂34の加熱硬化後に冷却することにより再硬化する。これにより熱電素子20とモールド成形体が一体化する。
次いで、図4(e)に示すように、モールド成形体のUVテープ12に対する粘着面と反対側からグライディング処理を行ってエポキシ樹脂34及びポリアミド樹脂シート31を研削して熱電素子20のシリコンチップ25を露出させる。
次いで、図4(f)に示すように、再配線35により、熱電素子20、全個体型リチウムイオン電池13、コンデンサ14及び抵抗素子16を適宜接続することによって実施例1の熱電素子搭載モジュールが完成する。
本発明の実施例1においては、粘着性を有しない熱可塑性樹脂シートで熱電素子を密閉し、密閉した素子をモールド樹脂でモールディングするときの加圧・脱気によりシートと素子を密着させている。また、モールド樹脂を加熱硬化するときの熱で熱可塑性樹脂を軟化させることによりシートと熱電素子を接着させているので、熱電素子内部へのモールド樹脂の侵入を防止することができ、それによって、熱電素子の出力低下を抑制することができる。
次に、図5及び図6を参照して、本発明の実施例2の熱電変換搭載モジュールの製造工程を説明する。まず、図5(a)に示すように、支持基板11上に設けたUVテープ12の粘着面に熱電素子40、全個体型ナトリウムイオン電池18、コンデンサ14及び抵抗素子16等を固定する。なお、図における符号15はコンデンサ14の電極であり、符号17は抵抗素子16の電極である。
熱電素子40としては、サイズが3.3mm×3.1mmで、高さが0.6mmのnextreme社製eTEGTMHV56を用いる。この熱電素子40は、高さが0.1mmのp型熱電材料部材とn型熱電材料部材が、厚さが0.25mmの2枚のシリコンチップ41の間に接続電極及び引出電極を介して挟まれた構造となっている。
次いで、図5(b)に示すように、5.0mm×4.5mmで厚さが0.1mmのポリカーボネート樹脂シート42を熱電素子40上から被せたのち、内枠のサイズが3.4mm×3.2mmのテフロン(登録商標)からなるシート状の型枠43で上から押さえる。これにより、ポリカーボネート樹脂シート42はできるだけピッタリ熱電素子40に密着することになり、かつ余分なポリカーボネート樹脂シート42はUVテープ12の粘着面に接着して仮固定される。
次いで、図5(c)に示すように、支持基板11にデバイスを固定した状態で、モールド金型にセットし、モールド樹脂となるエポキシ樹脂33を投入する。上金型を固定し、120℃で5分〜10分間加熱しつつ脱泡する。
次いで、図6(d)に示すように、金型からモールド成形体を取り出し、UVテープ12に紫外線を照射して剥離したのち、200℃のオーブンで1時間加熱し、エポキシ樹脂34を加熱硬化する。ポリカーボネート樹脂シート42の軟化点は190℃であるので、この段階でポリカーボネート樹脂シート42は熱電素子40と接着し、エポキシ樹脂34の加熱硬化後に冷却することにより再硬化する。これにより熱電素子40とモールド成形体が一体化する。
次いで、図6(e)に示すように、モールド成形体のUVテープ12に対する粘着面と反対側からグライディング処理を行ってエポキシ樹脂34及びポリカーボネート樹脂シート42を研削して熱電素子40のシリコンチップ41を露出させる。
次いで、図6(f)に示すように、再配線35により、熱電素子40、全個体型ナトリウムイオン電池18、コンデンサ14及び抵抗素子16を適宜接続することによって実施例2の熱電素子搭載モジュールが完成する。
本発明の実施例2においては、実施例1と同様に粘着性を有しない熱可塑性樹脂シートで熱電素子を密閉し、密閉した素子をモールド樹脂でモールディングするときの加圧・脱気によりシートと素子を密着させている。また、モールド樹脂を加熱硬化するときの熱で熱可塑性樹脂を軟化させることによりシートと熱電素子を接着させているので、熱電素子内部へのモールド樹脂の侵入を防止することができ、それによって、熱電素子の出力低下を抑制することができる。
また、実施例2においては、薄型の熱電素子を用いているので、モジュール全体の厚さも薄型になり、薄型化が要請されるモバイル機器等への搭載が容易になる。
ここで、実施例1及び実施例2を含む本発明の実施の形態に関して、以下の付記を付す。
(付記1)二枚の熱伝導性基板の間に挟まれた複数の柱状熱電材料部材を備えるとともに、隣接する前記柱状熱電材料部材間が空隙である熱電素子と、前記熱電素子の全側面を覆う空気透過性を有し、粘着性を有さない熱可塑性樹脂シートと、電気部品と、前記電気部品及び前記熱可塑性樹脂シートを介して前記熱電素子を覆う熱硬化性樹脂とを有し、前記熱可塑性樹脂シートの軟化温度が、前記熱硬化性樹脂の熱硬化温度よりも低いことを特徴とする熱電素子搭載モジュール。
(付記2)前記空気透過性を有する熱可塑性樹脂シートが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリスチレンアクリロニトリル、或いは、ポリブタジエンスチレンのいずれかからなることを特徴とする付記1に記載の熱電素子搭載モジュール。
(付記3)前記電気部品として、少なくとも全個体型二次電池と、熱エネルギー、光エネルギー或いは振動エネルギーの少なくとも一つのエネルギーを感知するセンサとを搭載していることを特徴とする付記1または付記2に記載の熱電素子搭載モジュール。
(付記4)支持基板上に、二枚の熱伝導性基板の間に挟まれた複数の柱状熱電材料部材を備えるとともに、隣接する前記柱状熱電材料部材間が空隙である熱電素子と電気部品を固定する工程と、前記熱電素子の露出表面を覆うように空気透過性を有し、粘着性を有さない熱可塑性樹脂シートを仮固定する工程と、前記熱可塑性樹脂シートの軟化温度より低い温度で熱硬化性樹脂をモールドする工程と、前記熱可塑性樹脂シートの軟化温度より高い温度で前記熱硬化性樹脂を硬化する工程とを有することを特徴とする熱電素子搭載モジュールの製造方法。
(付記5)前記熱硬化性樹脂を硬化させた後、前記熱硬化性樹脂を研削して前記熱可塑性樹脂シートで覆われていた前記熱伝導性基板を露出させる工程をさらに有することを特徴とする付記4に記載の熱電素子搭載モジュールの製造方法。
(付記6)前記熱電素子及び電気部品を支持基板に固定する工程が、前記支持基板上に粘着性シートを用いて固定する工程であることを特徴とする付記4または付記5に記載の熱電素子搭載モジュールの製造方法。
(付記7)前記熱可塑性樹脂シートを仮固定する工程が、内枠のサイズが前記熱電素子の外周より大きな型枠を用いて、前記熱可塑性樹脂シートを前記粘着性シートに仮固定する工程であることを特徴とする付記6に記載の熱電素子搭載モジュールの製造方法。
1 支持基板
2 粘着性シート
3 熱電素子
4,5 柱状熱電材料部材
6 熱伝導性基板
7,8 電気部品
9 熱可塑性樹脂シート
10 熱硬化性樹脂
11 支持基板
12 UVテープ
13 全個体型リチウムイオン電池
14 コンデンサ
15 電極
16 抵抗素子
17 電極
18 全個体型ナトリウムイオン電池
20 熱電素子
21 p型熱電材料部材
22 n型熱電材料部材
23 接続電極
24 引出電極
25 シリコンチップ
31 ポリアミド樹脂シート
32,43 型枠
33,34 エポキシ樹脂
35 再配線
40 熱電素子
41 シリコンチップ
42 ポリカーボネート樹脂シート
51 支持基板
52 粘着テープ
53 全個体型二次電池
54 コンデンサ
55 抵抗素子
56,57 熱硬化性樹脂
58 再配線
59 空気
60 熱電素子
61 p型熱電材料部材
62 n型熱電材料部材
63,64 熱伝導性基板
65 接続電極
66 引出電極

Claims (5)

  1. 二枚の熱伝導性基板の間に挟まれた複数の柱状熱電材料部材を備えるとともに、隣接する前記柱状熱電材料部材間が空隙である熱電素子と、
    前記熱電素子の全側面を覆う空気透過性を有し、粘着性を有さない熱可塑性樹脂シートと、
    電気部品と、
    前記電気部品及び前記熱可塑性樹脂シートを介して前記熱電素子を覆う熱硬化性樹脂と
    を有し、
    前記熱可塑性樹脂シートの軟化温度が、前記熱硬化性樹脂の熱硬化温度よりも低いことを特徴とする熱電素子搭載モジュール。
  2. 前記空気透過性を有する熱可塑性樹脂シートが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリスチレンアクリロニトリル、或いは、ポリブタジエンスチレンのいずれかからなることを特徴とする請求項1に記載の熱電素子搭載モジュール。
  3. 前記電気部品として、少なくとも全個体型二次電池と、熱エネルギー、光エネルギー或いは振動エネルギーの少なくとも一つのエネルギーを感知するセンサとを搭載していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱電素子搭載モジュール。
  4. 支持基板上に、二枚の熱伝導性基板の間に挟まれた複数の柱状熱電材料部材を備えるとともに、隣接する前記柱状熱電材料部材間が空隙である熱電素子と電気部品を固定する工程と、
    前記熱電素子の露出表面を覆うように空気透過性を有し、粘着性を有さない熱可塑性樹脂シートを仮固定する工程と、
    前記熱可塑性樹脂シートの軟化温度より低い温度で熱硬化性樹脂をモールドする工程と、
    前記熱可塑性樹脂シートの軟化温度より高い温度で前記熱硬化性樹脂を硬化する工程とを有することを特徴とする熱電素子搭載モジュールの製造方法。
  5. 前記熱硬化性樹脂を硬化させた後、前記熱硬化性樹脂を研削して前記熱可塑性樹脂シートで覆われていた前記熱伝導性基板を露出させる工程をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の熱電素子搭載モジュールの製造方法。
JP2013059967A 2013-03-22 2013-03-22 熱電素子搭載モジュール及びその製造方法 Active JP6286845B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013059967A JP6286845B2 (ja) 2013-03-22 2013-03-22 熱電素子搭載モジュール及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013059967A JP6286845B2 (ja) 2013-03-22 2013-03-22 熱電素子搭載モジュール及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014187124A JP2014187124A (ja) 2014-10-02
JP6286845B2 true JP6286845B2 (ja) 2018-03-07

Family

ID=51834433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013059967A Active JP6286845B2 (ja) 2013-03-22 2013-03-22 熱電素子搭載モジュール及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6286845B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6485206B2 (ja) * 2014-06-03 2019-03-20 株式会社デンソー 熱流分布測定装置
WO2019003581A1 (ja) * 2017-06-27 2019-01-03 株式会社村田製作所 熱電変換モジュールおよび電子部品モジュール
WO2019003582A1 (ja) * 2017-06-27 2019-01-03 株式会社村田製作所 熱電変換モジュールおよび電子部品モジュール
KR102333422B1 (ko) * 2020-05-20 2021-11-30 차진환 벌크형 열전 소자 및 그 제조방법

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0759662B2 (ja) * 1986-06-17 1995-06-28 日清紡績株式会社 熱可塑性エラストマ−樹脂の製造方法
JPH06244352A (ja) * 1993-02-19 1994-09-02 Shinko Electric Ind Co Ltd リードフレーム及び半導体装置の製造方法
JPH07245368A (ja) * 1994-03-07 1995-09-19 Hitachi Cable Ltd 半導体装置用リードフレーム及びその製造方法
JPH09260730A (ja) * 1996-03-19 1997-10-03 Kubota Corp 熱電モジュールの製造方法及び熱電モジュール
JPH10313134A (ja) * 1997-05-14 1998-11-24 Kubota Corp 熱電モジュールの製造方法
JP4828673B2 (ja) * 1999-05-10 2011-11-30 日東電工株式会社 非多孔質樹脂膜の製造方法及び脱気装置
JP2001185769A (ja) * 1999-12-22 2001-07-06 Matsushita Electric Works Ltd ペルチェモジュールとその製造方法
JP2001308398A (ja) * 2000-04-25 2001-11-02 Matsushita Electric Works Ltd 熱電モジュールの製造方法
JP2001352012A (ja) * 2000-06-05 2001-12-21 Hitachi Chem Co Ltd 電気・電子部品
JP2002184908A (ja) * 2000-12-19 2002-06-28 Sony Corp 電子回路装置
JP4277271B2 (ja) * 2003-12-11 2009-06-10 セイコーエプソン株式会社 気体吸収装置及びその製造方法並びに液体容器
JP2007535662A (ja) * 2004-04-02 2007-12-06 カミンズ,チモシー 統合電子センサ
JP2005340479A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 半導体装置及びその製造方法
JP2007228719A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Toshiba Corp ハイブリッド発電素子、ハイブリッド発電素子を用いた電源装置、及びハイブリッド発電素子の設置方法
JP4890323B2 (ja) * 2007-03-30 2012-03-07 京セラ株式会社 熱電モジュール及びその製造方法
JPWO2009063805A1 (ja) * 2007-11-13 2011-03-31 株式会社村田製作所 蓄電機能付き熱電発電装置
JP5537202B2 (ja) * 2010-03-23 2014-07-02 京セラ株式会社 熱電変換モジュール
CN103299417B (zh) * 2011-01-12 2016-10-19 株式会社村田制作所 树脂密封型模块
JP5640800B2 (ja) * 2011-02-21 2014-12-17 ソニー株式会社 無線電力供給装置及び無線電力供給方法
JP2012187549A (ja) * 2011-03-11 2012-10-04 Ube Nitto Kasei Co Ltd 細径脱気チューブ及びその製造方法
WO2012153642A1 (ja) * 2011-05-09 2012-11-15 日本電気株式会社 位置検出装置
JP2014086330A (ja) * 2012-10-25 2014-05-12 Fujitsu Ltd 小型電源モジュール及び半導体モジュール
WO2014147709A1 (ja) * 2013-03-18 2014-09-25 富士通株式会社 電子デバイスとその製造方法、及びネットワークシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014187124A (ja) 2014-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6286845B2 (ja) 熱電素子搭載モジュール及びその製造方法
US10903135B2 (en) Chip package structure and manufacturing method thereof
JP6038883B2 (ja) 分極を防止するための太陽電池モジュール構造及び製造方法
CN102804404A (zh) 光伏模块制造
JP2023530763A (ja) 光起電力セルの適合した位置決めを含む湾曲した光起電力モジュールの製造方法
JP2014086330A (ja) 小型電源モジュール及び半導体モジュール
TW201711211A (zh) 太陽能電池用封裝膜及其製造方法、與太陽光電模組封裝結構
JP5876226B2 (ja) 太陽電池用集電シート及びそれを用いた太陽電池モジュール
JP2010040769A (ja) 太陽電池モジュールの製造方法
JP5342281B2 (ja) 太陽電池ユニットの製造方法
JP2016039206A (ja) 半導体装置の製造方法及び同半導体装置
WO2023194210A1 (en) Method for fabricating a photovoltaic module using in-mould labeling with specific temperature management
US11075312B2 (en) Solar cell module and method for manufacturing solar cell module
JP6318726B2 (ja) 集光型太陽光発電モジュール、集光型太陽光発電パネル及び集光型太陽光発電モジュール用フレキシブルプリント配線板
JP4509213B1 (ja) 太陽電池モジュールの製造方法
JP2017134960A (ja) ラミネート型蓄電素子およびラミネート型蓄電素子の製造方法
CN105810661A (zh) 集成电源模块的封装件
TWI572133B (zh) 凹緣集線式太陽能電池模組陣列及其凹緣集線式太陽能電池模組
JP2011054721A (ja) 被接合部材の接合方法および接合構造体
KR101148455B1 (ko) 층상구조 기판을 이용한 플라스틱 태양전지 제조방법, 이에 따라 제조된 플라스틱 태양전지
JP5025592B2 (ja) 太陽電池モジュールの製造方法
KR102187498B1 (ko) 전자 소자의 제조 방법
JP6047389B2 (ja) 太陽電池およびその製造方法
JP2012109415A (ja) 太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法
JP2002111021A (ja) 太陽電池の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6286845

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150