JP4967006B2 - フィルタの異常判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関から排出された排ガス中のパティキュレートを捕集することによって、排ガスを浄化するフィルタの異常判定装置に関する。
従来のフィルタの異常判定装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。このフィルタは、排気通路に設けられており、この排気通路には、フィルタの上流側と下流側に差圧パイプが接続されている。この差圧パイプには、差圧センサが設けられており、この差圧センサにより、フィルタの上流側の圧力と下流側の圧力との差圧が検出される。
この異常判定装置では、検出された大気温度が所定温度以下で、かつ検出された排ガス温度が所定温度以下のときに差圧パイプが凍結状態であると判定する。そして、差圧パイプが凍結状態でないと判定され、かつ差圧センサで検出された差圧が所定の範囲内にないときに、フィルタに異常が生じていると判定する。そのような場合には、警告灯を点灯することによって、運転者にフィルタの異常を通知する。一方、差圧パイプが凍結状態であると判定された場合において、検出された差圧が所定の範囲内にないときには、差圧が所定の範囲内にない原因がフィルタの異常ではなく、差圧パイプの凍結であるとして、フィルタに異常が生じていないと判定する。
また、この異常判定装置では、差圧が所定の範囲内にないときには、差圧パイプの凍結状態の判定結果にかかわらず、フェールセーフアクションを実行する。このフェールセーフアクションは、フィルタに堆積したパティキュレートが燃焼しないように、エンジンの運転を制御するものであり、燃料噴射量およびエンジン回転数を制限することによって、行われる。
特開2007−2694号公報
以上のように、従来の異常判定装置では、大気温度が所定温度以下で、かつ排ガス温度が所定温度以下のときに差圧パイプが凍結状態であると判定するにすぎないため、差圧パイプが実際には凍結状態でなくても、凍結状態であると誤判定されることがある。また、従来の異常判定装置では、凍結状態と判定される限り、差圧が所定の範囲内になくても、フィルタの異常であるとは判定されない。したがって、差圧パイプが実際には凍結状態でなく、フィルタが異常である場合でも、異常と判定されないことがあり、その場合、フィルタの異常が運転者に通知されないことで、運転者はフィルタの異常に対する適切かつ迅速な対応をとることができなくなる。
さらに、従来の異常判定装置では、差圧が所定の範囲内にないときには、凍結状態とは無関係に、フェールセーフアクションを実行する。このため、フィルタに異常が生じていなくても、フェールセーフアクションが実行されることがあり、その場合には、燃料噴射量およびエンジン回転数が不要に制限されてしまい、それにより、ドライバビリティが悪化してしまう。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、差圧パイプの凍結状態を適切に判定することにより、フィルタの異常の判定精度を向上させることができるフィルタの異常判定装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、排気通路6に設けられ、内燃機関3から排出された排ガス中のパティキュレートを捕集することによって、排ガスを浄化するフィルタ8の異常判定装置1であって、排気通路6のフィルタ8の上流側と下流側に接続された差圧パイプ6aと、差圧パイプ6aに設けられ、フィルタ8の上流側の圧力と下流側の圧力との差圧を検出する差圧検出手段(実施形態における(以下、本項において同じ)差圧センサ23)と、検出された差圧DPに基づいて、フィルタ8が異常であるか否かを判定する異常判定手段(ECU2、図2のステップ1〜4)と、内燃機関3がイグニッションスイッチのオフ直後で機関回転数が値0になるアフターラン状態にあるか否かを判定するアフターラン状態判定手段(ECU2、図3のステップ11)と、アフターラン状態判定手段により内燃機関3がアフターラン状態にあると判定されているときに、アフターランの開始から差圧が安定したと推定される第1所定時間TREF1が経過したタイミングで検出された差圧DPに基づいて、差圧パイプ6aが凍結状態であるか否かを判定する凍結状態判定手段(ECU2、図3のステップ14,15,19)と、凍結状態判定手段により差圧パイプ6aが凍結状態であると判定されたときに、異常判定手段によるフィルタ8が異常であるという判定を禁止する判定禁止手段(ECU2、図2のステップ1)と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、内燃機関から排出された排ガス中のパティキュレート(以下「PM」という)が、フィルタによって捕集される。この異常判定装置によれば、排気通路のフィルタよりも上流側と下流側に差圧パイプが接続されており、この差圧パイプに設けられた差圧検出手段によって、フィルタの上流側の圧力と下流側の圧力との差圧を検出する。また、この差圧に基づいて、フィルタが異常であるか否かを判定する。
差圧パイプの凍結は、その下流側において発生しやすいことが確認された。また、差圧パイプが凍結し、氷や霜などによって塞がれた場合、内燃機関の運転状態に応じて差圧の挙動が変化することが確認された。これは、以下の理由による。
図9は、フィルタが正常な場合において、内燃機関がアイドル運転から通常運転に移行したときの差圧の推移を示している。同図の実線は、差圧パイプが凍結していない場合を示しており、破線は、差圧パイプが凍結している場合を示している。図10は、差圧センサがダイアフラムを有する場合における、差圧パイプ内の気体の挙動の例を示している。
図9に実線で示すように、アイドル運転時において、差圧パイプが凍結していないときには、上流側と下流側との差圧が比較的小さなほぼ一定の正値になるのに対し、差圧パイプが凍結しているときには、差圧が負値になるという特性がある。これは、差圧パイプが凍結している場合には、アイドル運転時の車速が0であるため、走行風による差圧パイプの冷却度合いが低く、差圧パイプが排ガスによって暖められやすいことによって、ダイアフラムとその下流側の氷によって形成された空間に閉じ込められた気体が膨張し(図10(a))、下流側の圧力が上昇するためである。また、気体の状態方程式から、気体の温度と下流側の圧力は比例関係にある。このため、アイドル運転時間が長いほど、気体の温度がより高められることによって、下流側の圧力はより大きくなる。さらに、気体の温度が上昇し、氷が溶け始めると、氷は、差圧パイプ内の下流側に移動し、差圧がほぼ0になる位置で停止する(図10(b))。この状態で、差圧パイプが暖められると、ダイアフラムと氷との間の空間に閉じ込められた気体が再び膨張し、差圧が負値になる。さらに排ガスによって差圧パイプが暖められると、氷は差圧がほぼ0になる位置まで再び移動する。このような挙動が繰り返されることにより、図9に破線で示すように、アイドル運転時には、差圧は0以下の範囲でのこぎり状に変化する。
一方、通常運転時において、差圧パイプが凍結しているときには、同図に破線で示すように、差圧が過大な正値になるという特性がある。これは、通常運転中には、走行風による差圧パイプの冷却度合いが高いため、ダイアフラムと氷との間の空間に閉じ込められた気体が収縮する(図10(c))ことによって、ダイアフラムよりも下流側の圧力が負圧になるためである。以上のように、内燃機関がアイドル運転のような特定の運転状態にあるときには、フィルタの差圧が差圧パイプの凍結状態に応じて異なる挙動を示すことがある。また、内燃機関がイグニッションスイッチのオフ直後で機関回転数が値0になるアフターラン状態にあるときには、差圧パイプに流入する気体の流量が少ないとともに、燃焼が行われないため、排ガスの熱により差圧パイプ内の気体が膨張することがなく、また、車両が停止しているため、走行風により熱が奪われ、気体が収縮することもない。
以上から、内燃機関がアフターラン状態にある場合において、アフターランの開始から差圧が安定したと推定される第1所定時間が経過したタイミングでは、差圧が安定しているはずである。このような観点に基づき、本発明によれば、内燃機関がアフターラン状態にあると判定されているときに、アフターランの開始から差圧が安定したと推定される第1所定時間が経過したタイミングで検出された差圧に基づいて、差圧パイプが凍結状態であるか否かを判定するので、差圧パイプの凍結状態を適切に判定することができる。また、凍結状態であると判定されたときには、フィルタが異常であるという判定を禁止する。これにより、凍結状態にあるときの差圧に基づくフィルタの異常の誤判定を回避できる結果、異常の判定精度を向上させることができる。このため、例えば、異常であるとの誤判定に基づく運転者への誤った通知や、内燃機関の運転の不要な制限を回避することが可能になり、それにより、ドライバビリティを向上させることができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載のフィルタ8の異常判定装置1において、フィルタ8に堆積したパティキュレートを燃焼させることによりフィルタ8を再生する再生動作を実行する再生動作実行手段(ECU2、図5のステップ32)と、凍結状態判定手段により差圧パイプ6aが凍結状態であると判定された直後に、再生動作実行手段とは別個にフィルタ8の再生動作を強制的に実行する再生動作強制実行手段(ECU2、図5のステップ35,36)と、をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、再生動作実行手段による再生動作により、フィルタに捕集され、堆積されたPMを燃焼させることによって、フィルタが再生される。また、再生動作強制実行手段により、フィルタの再生動作を強制的に実行することによって、フィルタが再生される。再生動作実行手段によってフィルタの再生が行われているので、凍結状態であると判定された直後には、フィルタに堆積するPMは比較的少ない。このため、凍結直後にフィルタの再生を強制的に実行しても、PMの燃焼による熱暴走が生じるおそれはない。また、このようなフィルタの強制的な再生によって、PMの堆積量をほぼ0にできるので、凍結状態が長時間継続しても、その後の内燃機関の運転に伴って堆積するPMの堆積量を抑制することができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載のフィルタ8の異常判定装置1において、差圧パイプ6aが凍結状態であると判定されたときに、差圧パイプ6aが凍結状態でないと判定されるまでの間、再生動作実行手段によるフィルタ8の再生動作を禁止する再生動作禁止手段(ECU2、図5のステップ31)をさらに備えることを特徴とする。
前述したように、差圧パイプが凍結状態であると判定されたときには、フィルタが異常であるという判定は行われないので、フィルタにPMが過剰に堆積するような異常が生じたとしても、その判定は行われない。本発明によれば、差圧パイプが凍結状態であると判定されたときには、その後、凍結状態でないと判定されるまでの間、フィルタの再生動作を禁止する。これにより、フィルタにPMが過剰に堆積している場合でも、再生動作が禁止されるので、フィルタに過剰に堆積したPMの急激な燃焼による熱暴走によってフィルタが過熱状態になるのを防止でき、フィルタの亀裂や溶損などを防止することができる。また、前述したように、凍結状態であると判定された直後にフィルタの再生を強制的に行うので、凍結状態でないと判定されるまでの間、フィルタの再生動作を禁止しても、フィルタに堆積するPMの堆積量を抑制できることによって、凍結状態でないと判定されたときに実行されるフィルタの再生による熱暴走を回避することができる。
請求項に係る発明は、請求項1ないしのいずれかに記載のフィルタ8の異常判定装置1において、差圧パイプ6aが凍結状態であると判定されたときに、差圧パイプ6aが凍結状態でないと判定されるまでの間、内燃機関3のトルク(要求トルクPMCMD)を制限するトルク制限手段(ECU2、図5のステップ31,38,39)をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、差圧パイプが凍結状態であると判定されたときには、内燃機関のトルクを制限する。これにより、排ガスの昇温を防止でき、PMが自然に燃焼するのを防止することができる。その結果、フィルタにPMが過剰に堆積している場合におけるPMの自然燃焼による熱暴走を防止することができる。
請求項に係る発明は、請求項1ないしのいずれかに記載のフィルタ8の異常判定装置1において、内燃機関3の始動前の停止時間を取得する停止時間取得手段(第2タイマ2b)をさらに備え、凍結状態判定手段は、差圧パイプ6aが凍結状態であると判定した場合において、取得された内燃機関の停止時間(第2タイマ値TM2)が第2所定時間TREF2よりも長く、かつ、その後の内燃機関3の始動時に、所定の圧力(第2所定圧DPREF2)と差圧DPとの差が所定値DREFよりも小さいときに、差圧パイプ6aの凍結状態が解除されたと判定することを特徴とする。
内燃機関の停止時間が長ければ、エンジンルーム内の温度およびフィルタ周辺の温度は外気温にほぼ一致した状態で安定していることで、差圧は安定している。このような安定した状態において、内燃機関の始動時には、凍結の影響が差圧に顕著に現れるため、差圧パイプが凍結状態であるか否かの判定を正確に行うことができる。以上のような観点に基づき、本発明によれば、差圧パイプが凍結状態であると判定された場合、取得された内燃機関の停止時間が所定時間よりも長く、かつ、その後の内燃機関の始動時に、所定の圧力と差圧との差が所定値よりも小さいときに、差圧パイプの凍結状態を解除するので、フィルタ周辺の温度が差圧に与える影響を排除しながら、差圧パイプの凍結状態を適切に解除することができる。
本発明を適用した内燃機関の構成を概略的に示す図である。 フィルタの異常判定処理を示すメインフローである。 差圧パイプの凍結状態の判定処理を示すサブルーチンである。 環境条件の判定処理を示すサブルーチンである。 フィルタの再生制御処理を示すメインフローである。 凍結状態の判定処理の変形例を示すサブルーチンである。 アイドル運転の判定処理を示すサブルーチンである。 差圧の最大値および最小値の算出処理を示すサブルーチンである。 フィルタが正常な場合において、内燃機関がアイドル運転から通常運転に移行したときの差圧の推移を示す図である。 差圧パイプ内の気体の挙動を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態による異常判定装置1、およびこれを適用した内燃機関(以下「エンジン」という)3の概略構成を示している。エンジン3は、車両(図示せず)に搭載された、例えば4気筒のディーゼルエンジンである。
エンジン3のシリンダヘッド3aには、燃料噴射弁(以下「インジェクタ」という)4が、燃焼室3bに臨むように取り付けられている。このインジェクタ4の開弁時間および開弁タイミングは、ECU2からの駆動信号によって制御され、それにより、燃料噴射量QINJおよび燃料噴射時期が制御される。
吸気通路5には、吸気温センサ21が設けられている。吸気温センサ21は、吸気通路5内の温度(以下「吸気温」という)TAを検出し、それを表す検出信号をECU2に出力する。
また、エンジン3には、クランク角センサ22が設けられている。このクランク角センサ22は、クランクシャフト3cの回転に伴い、パルス信号であるCKR信号およびTDC信号をECU2に出力する。
CRK信号は、所定クランク角(例えば30°)ごとに出力される。ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。また、TDC信号は、いずれかの気筒においてピストン3dが吸気行程の開始時の上死点よりも若干、手前の所定のクランク角位置にあることを表す信号であり、本実施形態のようにエンジン3が4気筒の場合には、クランク角180゜ごとに出力される。
排気通路6には、上流側から順に、酸化触媒7およびフィルタ8が設けられている。酸化触媒7は、表面にゼオライト(図示せず)を担持した金属製のハニカムコア(図示せず)で構成されている。ゼオライトは、炭化水素(以下「HC」という)を捕捉する特性を有している。以上の構成により、燃焼室3bから排気通路6に排出された排ガス中の未燃燃料に含まれるHCが、酸化触媒7を通過する際にゼオライトに捕捉されるとともに、酸化触媒7において排ガス中の酸素と酸化反応する。この酸化反応によって発生する反応熱で排ガスの温度が高められ、さらに、そのように温度が高められた排ガスによって下流側のフィルタ8が昇温される。
フィルタ8は、多孔質セラミックなどで構成されたハニカムコア(図示せず)を有しており、排ガス中の煤などのPMを捕集することによって、大気中に排出されるPMの量を低減する。また、フィルタ8の温度が所定温度以上のときに、フィルタ8に堆積したPMが燃焼し、それにより、フィルタ8が再生される。
また、排気通路6には、酸化触媒7とフィルタ8の間とフィルタ8の下流側とをつなぎ、フィルタ8をバイパスする差圧パイプ6aが接続されている。この差圧パイプ6aには差圧センサ23が設けられている。差圧センサ23は、差圧室23a内の上下流部間を仕切るダイアフラム23bを有するダイアフラム式のものであり、排気通路6内のフィルタ8の上流側と下流側との間の差圧DPを検出し、その検出信号をECU2に出力する。
ECU2には、アクセル開度センサ24から、車両のアクセルペダル(図示せず)の踏み込み量(以下「アクセル開度」という)APを表す検出信号が、車速センサ25から車速VPを表す検出信号が、それぞれ出力される。さらに、ECU2には、フィルタ8が異常であることを運転者に警告するための警告灯26が接続されている。
ECU2は、CPU、RAM、ROMおよびI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などから成るマイクロコンピュータで構成されている。また、ECU2は、アップカウント式の第1および第2タイマ2a,2bを備えている。ECU2は、前述した各種のセンサ21〜25の検出信号などに応じて、エンジン3の運転状態を判別するとともに、判別した運転状態に応じて、燃料噴射量QINJおよび燃料噴射時期を制御する燃料噴射制御処理などの各種の制御処理を実行する。燃料噴射量QINJおよび燃料噴射時期は、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、それぞれの所定のマップ(いずれも図示せず)を検索することによって、算出される。この要求トルクPMCMDは、エンジン回転数NEおよびアクセル開度APに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、算出される。
また、ECU2は、フィルタ8の異常判定処理を実行するとともに、フィルタ8を再生するための再生動作を制御する再生制御を実行する。
なお、本実施形態では、ECU2が、異常判定手段、アフターラン状態判定手段、凍結状態判定手段、判定禁止手段、再生動作実行手段、再生動作強制実行手段、再生動作禁止手段およびトルク制限手段に相当する。
図2は、上述したフィルタ8の異常判定処理を示すフローチャートである。本処理は、TDC信号の発生に同期して実行される。本処理では、まずステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、凍結フラグF_FRZが「1」であるか否かを判別する。この凍結フラグF_FRZは、差圧パイプ6aが凍結状態であると判定されたときに「1」にセットされるものであり、その判定処理については後述する。
この判別結果がNOで、差圧パイプ6aが凍結状態でないと判定されているときには、差圧センサ23で検出された差圧DPが第1所定圧DPREF1以上であるか否かを判別する(ステップ2)。この判別結果がNOのときには、フィルタ8にPMが過剰に堆積しておらず、フィルタ8が正常であるとして、そのことを表すために、異常フラグF_DPFNGを「0」にセットし(ステップ3)、本処理を終了する。
一方、ステップ2の判別結果がYESで、差圧DPが第1所定圧DPREF1以上のときには、フィルタ8にPMが過剰に堆積しているとして、そのことを表すために、異常フラグF_DPFNGを「1」にセットする(ステップ4)。次に、警告灯26を点灯させ(ステップ5)、本処理を終了する。この警告灯の点灯は、フィルタ8にPMが過剰に堆積したことを運転者に警告するとともに、そのような過堆積状態でPMが燃焼することによる熱暴走を回避するために、例えば工場に車両を持ち込むことを促すものである。
また、ステップ1の判別結果がYESのとき、すなわち、差圧パイプ6aが凍結状態であると判定されているときには、フィルタ8の異常判定を行うことなく、そのまま本処理を終了する。
図3は、前述した差圧パイプ6aの凍結状態の判定処理を示すサブルーチンである。本処理では、まずステップ11において、アフターランフラグF_AFTが「1」であるか否かを判別する。このアフターランフラグF_AFTは、イグニッションスイッチ(図示せず)がOFFされた後の、エンジン回転数NEが値0で、かつそれまでの走行情報をECU2に書き込んでいる期間であるアフターラン状態のときに「1」にセットされるものである。
このステップ11の判別結果がYESで、エンジン3がアフターラン状態のときには、環境条件フラグF_ENVが「1」であるか否かを判別する(ステップ12)。この環境条件フラグF_ENVは、差圧パイプ6aの凍結状態を判定するための環境条件が成立しているときに「1」にセットされるものであり、その判定処理については後述する。
このステップ12の判別結果がNOで、差圧パイプ6aの凍結状態を判定するための環境条件が成立していないときには、凍結状態の判定を行うことなく、本処理をそのまま終了する。
一方、ステップ12の判別結果がYESで、環境条件が成立しているときには、第1タイマ2aの第1タイマ値TM1が第1所定時間TREF1(例えば0.3〜0.5sec)以上であるか否かを判別する(ステップ13)。なお、第1タイマ値TM1は、アフターランの開始時に値0にリセットされる。
このステップ13の判別結果がNOのとき、すなわち、アフターランの開始後、第1所定時間TREF1が経過していないときには、フィルタ8の差圧が安定していないとして、凍結状態の判定を行うことなく、本処理を終了する。
一方、ステップ13の判別結果がYESのときには、差圧が安定したとして、第2所定圧DPREF2と差圧DPとの差の絶対値(=|DPREF2−DP|)が所定値DREF以上であるか否かを判別する(ステップ14)。この第2所定圧DPREF2は、フィルタ8が正常な場合において、差圧パイプ6aが凍結していないときに得られるべき差圧に相当する。
前述したように、エンジン3がアフターラン状態では、差圧DPは、安定しているとともに、差圧パイプ6aが凍結状態でなければ、第2所定圧DPREF2付近の値を示すはずである。このため、前記ステップ14の判別結果がYESで、|DPREF2−DP|≧DREFのときには、第2所定圧DPREF2に対して差圧DPが大きくずれており、差圧パイプ6aが凍結状態であると判定して、そのことを表すために、凍結フラグF_FRZを「1」にセットし(ステップ15)、本処理を終了する。
一方、前記ステップ11の判別結果がNOで、エンジン3がアフターラン状態でないときには、凍結フラグF_FRZが「1」であるか否かを判別する(ステップ16)。この判別結果がNOのときには、本処理を終了する。
また、ステップ16の判別結果がYESのときには、前記ステップ14に進み、第2所定圧DPREF2と差圧DPとの差の絶対値が所定値DREF以上であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、差圧パイプ6aの凍結状態が継続しているとして、前記ステップ15に進み、凍結フラグF_FRZを「1」にセットし、本処理を終了する。
一方、ステップ14の判別結果がNOのときには、イグニッションスイッチ(IGSW)が前回と今回の間でONされたか否かを判別する(ステップ17)。この判別結果がNOのときには、本処理を終了する。
また、ステップ17の判別結果がYESで、イグニッションスイッチがONされた直後のときには、第2タイマ2bの第2タイマ値TM2が第2所定時間TREF2(例えば6〜7時間)よりも大きいか否かを判別する(ステップ18)。なお、第2タイマ値TM2は、イグニッションスイッチがOFFされたときに値0にリセットされるようになっており、したがって、イグニッションスイッチのON直後の値は、エンジン3の始動前の停止時間を表す。このステップ18の判別結果がNOのとき、すなわち、エンジン3の停止時間が第2所定時間TREF2以下のときには、本処理を終了する。
一方、ステップ18の判別結果がYESで、エンジン3の停止時間が第2所定時間TREF2よりも長いときには、差圧パイプ6aの凍結状態が解除されたとして、そのことを表すために、凍結フラグF_FRZを「0」にセットし(ステップ19)、本処理を終了する。
図4は、前述した環境条件の判定処理を示すサブルーチンである。本処理では、まずステップ21において、前記ステップ3または4でセットされた異常フラグF_DPFNGが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、フィルタ8が異常と判定されていることで、差圧パイプ6aの凍結状態の判定を行うための環境条件が成立していないとして、そのことを表すために、環境条件フラグF_ENVを「0」にセットし(ステップ22)、本処理を終了する。
一方、ステップ21の判別結果がNOのときには、再生フラグF_DPFが「1」であるか否かを判別する(ステップ23)。この再生フラグF_DPFは、後述するフィルタ8の通常の再生動作の実行中に「1」にセットされるものである。この判別結果がYESで、フィルタ8の通常再生動作の実行中のときには、それに伴って差圧DPが安定していないおそれがあるため、環境条件が成立していないとして、前記ステップ22を実行し、環境条件フラグF_ENVを「0」にセットした後、本処理を終了する。
また、ステップ23の判別結果がNOのときには、凍結フラグF_FRZが「1」であるか否かを判別する(ステップ24)。この判別結果がYESのときには、差圧パイプ6aがすでに凍結していると判定されており、環境条件が成立していないとして、前記ステップ22を実行し、本処理を終了する。
一方、ステップ24の判別結果がNOのときには、吸気温TAが所定温度TAREF(例えば−20℃)以下であるか否かを判別する(ステップ25)。この判別結果がNOのときには、差圧パイプ6aが凍結する可能性が低く、凍結状態を判定する必要がないため、環境条件が成立していないとして、前記ステップ22を実行し、本処理を終了する。
また、ステップ25の判別結果がYESで、吸気温TAが所定温度TAREF以下のときには、差圧パイプ6aが凍結する可能性が高く、環境条件が成立しているとして、そのことを表すために、環境条件フラグF_ENVを「1」にセットし(ステップ26)、本処理を終了する。
図5は、前述したフィルタ8の再生制御処理を示すフローチャートである。本処理は、TDC信号の発生に同期して実行される。本処理では、まずステップ31において、凍結フラグF_FRZが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、差圧パイプ6aが凍結状態でないと判定されているときには、通常の再生制御を実行し(ステップ32)、本処理を終了する。
この通常再生制御は、以下のようにして行われる。まず、エンジン回転数NEおよび燃料噴射量QINJに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、エンジン3から排出されるPMの排出量を算出する。次に、このPM排出量を、前回までに算出されたPM堆積量に加算することによって、今回のPM堆積量MSOOTを算出する。そして、このPM堆積量が所定値以上のときに、通常の燃料噴射に加え、付加的に燃料を噴射することによって、通常再生動作が実行される。また、この通常再生動作は、PM堆積量から再生動作に伴って燃焼されたPMの燃焼量を減算した値がほぼ0になったときに、終了される。
一方、前記ステップ31の判別結果がYESで、凍結状態であると判定されているときには、PM堆積量MSOOTが所定値MSOOTREF以上であるか否かを判別する(ステップ33)。この判別結果がYESのときには、凍結フラグF_FRZが前回と今回の間で「0」から「1」に変化したか否かを判別する(ステップ34)。この判別結果がYESのとき、すなわち、差圧パイプ6aが凍結状態であると判定された直後のときには、フィルタ8の強制再生動作を実行するものとして、強制再生フラグF_DPFCを「1」にセットする(ステップ35)とともに、強制再生動作を実行し(ステップ36)、本処理を終了する。
また、前記ステップ34の判別結果がNOで、凍結状態と判定された後の2回目以降のループでは、強制再生フラグF_DPFCが「1」であるか否かを判別する(ステップ37)。この判別結果がYESのときには、前記ステップ36に進み、強制再生動作を継続する。
この強制再生動作の実行により、PM堆積量MSOOTが所定値MSOOTREFを下回ると、前記ステップ33の判別結果がNOになり、その場合には、フィルタ8に堆積したPMのほとんどが燃焼したことで、強制再生動作を終了するものとして、そのことを表すために、強制再生フラグF_DPFCを「0」にセットした(ステップ40)後、前記ステップ37に進む。このステップ40の実行により、ステップ37の判別結果がNOになり、その場合には、要求トルクPMCMDが、上限値PMLMT以上であるか否かを判別する(ステップ38)。
この判別結果がNOのときには、本処理を終了する一方、ステップ38の判別結果がYESのときには、要求トルクPMCMDを上限値PMLMTに制限し(ステップ39)、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、エンジン3がアフターラン状態にあると判定された場合(ステップ11:YES)において、第2所定圧DPREF2と差圧DPとの差の絶対値(=|DPREF2−DP|)が所定値DREF以上のとき(ステップ14:YES)に、差圧パイプ6aが凍結状態であると判定するので、安定した状態にある差圧DPに基づいて、凍結状態を適切に判定することができる。
また、凍結状態と判定されたときには、差圧DPに基づく異常判定を禁止する(ステップ1:YES)ので、凍結状態にあるときの差圧DPに基づくフィルタ8の異常の誤判定を回避できる結果、異常の判定精度を向上させることができる。それにより、異常であることの誤判定に基づく運転者への誤った警告を回避することができる。
また、凍結状態と判定された後には、凍結状態でないと判定されるまでの間、フィルタ8の通常再生動作を禁止するので、フィルタ8にPMが過剰に堆積している場合でも、フィルタ8に過剰に堆積したPMの急激な燃焼による熱暴走によってフィルタ8が過熱状態になるのを防止でき、フィルタ8の亀裂や溶損などを防止することができる。
さらに、凍結状態と判定された直後に、フィルタ8の強制再生動作を実行する(ステップ35)ので、PM堆積量MSOOTをほぼ0にでき、それにより、凍結状態が長時間継続しても、その後のエンジン3の運転に伴って堆積するPM堆積量MSOOTを抑制することができる。このため、凍結状態でないと判定されるまでの間、フィルタ8の通常再生動作を禁止しても、フィルタ8に堆積するPM堆積量MSOOTを抑制できることによって、凍結状態でないと判定されたときに実行される通常再生動作による熱暴走を回避することができる。
また、凍結状態と判定されたときには、要求トルクPMCMDを制限する(ステップ38,39)ので、それに応じて燃料噴射量QINJが制限されることにより、排ガスの昇温を防止でき、PMが自然に燃焼するのを防止することができる。その結果、フィルタ8にPMが過剰に堆積している場合のPMの自然燃焼による熱暴走を防止することができる。
さらに、差圧パイプ6aが凍結状態であると判定された場合、エンジン3の始動前の停止時間である第2タイマ値TM2が第2所定時間TREF2よりも長く、かつ第2所定圧DPREF2と差圧DPとの差の絶対値(=|DPREF2−DP|)が所定値DREFよりも小さいときに、差圧パイプ6aの凍結状態を解除するので、フィルタ8周辺の温度が差圧に与える影響を排除しながら、差圧パイプ6aの凍結状態を適切に解除することができる。
図6は、凍結判定処理の変形例を示している。なお、この変形例では、図3と同様の実行内容については、同じ参照番号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。本処理では、まずステップ12において、環境条件フラグF_ENVが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、凍結状態を判定するための環境条件が成立していないとして、凍結状態の判定を行うことなく、そのまま本処理を終了する一方、ステップ12の判別結果がYESのときには、アイドル運転フラグF_IDLが「1」であるか否かを判別する(ステップ41)。このアイドル運転フラグF_IDLは、エンジン3がアイドル運転状態であると判定されたときに「1」にセットされるものであり、その判定処理については、後述する。
この判別結果がNOで、アイドル運転状態でないときには、本処理を終了する。一方、ステップ41の判別結果がYESのときには、差圧DPの最大値DPMAXと最小値DPMINとの差(=DPMAX−DPMIN)が所定値ΔDPREF以上であるか否かを判別する(ステップ42)。これらの最大値DPMAXおよび最小値DPMINの算出処理については、後述する。前述したように、アイドル運転状態において、差圧パイプ6aが凍結していないときには、差圧DPはほぼ一定であるのに対し、差圧パイプ6aが凍結しているときには、差圧DPが大きく変化するため、その最大値DPMAXと最小値DPMINとの差はより大きくなる。このため、前記ステップ42の判別結果がYESで、DPMAX−DPMIN≧ΔDPREFのときには、差圧パイプ6aが凍結状態であると判定して、そのことを表すために、凍結フラグF_FRZを「1」にセットし(ステップ43)、本処理を終了する。一方、ステップ42の判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。
図7は、前述したアイドル運転判定処理のサブルーチンを示す。本処理では、まずステップ51〜53において、エンジン回転数NEが所定の下限値NEIDLLと所定の上限値NEIDLHの間にあるか否か、燃料噴射量QINJが所定の下限値QINJLと上限値QINJHの間にあるか否か、車速VPが所定値VPREFよりも小さいか否かをそれぞれ判別する。これらの判別結果のうちのいずれかがNOのときには、アップカウント式の第3タイマ(図示せず)の第3タイマ値TM3を値0にリセットする(ステップ56)とともに、エンジン3がアイドル運転状態でないとして、アイドル運転フラグF_IDLを「0」にセットし(ステップ57)、本処理を終了する。
一方、ステップ51〜53の判別結果のすべてがYESのときには、第3タイマ値TM3が第3所定時間TREF3以上であるか否かを判別する(ステップ54)。この判別結果がNOのときには、前記ステップ57を実行し、本処理を終了する。
また、ステップ54の判別結果がYESで、前記ステップ51〜53の条件が、第3所定時間TREF3以上、継続して成立しているときには、エンジン3がアイドル運転状態であるとして、アイドル運転フラグF_IDLを「1」にセットし(ステップ55)、本処理を終了する。
図8は、前述した差圧DPの最大値DPMAXおよび最小値DPMINの算出処理のサブルーチンを示している。本処理では、まずステップ61において、アイドル運転フラグF_IDLが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、アップカウント式の第4タイマ(図示せず)の第4タイマ値TM4をリセットし(ステップ67)、本処理を終了する。
一方、ステップ61の判別結果がYESのときには、第4タイマ値TM4が第4所定時間TREF4以下であるか否かを判別する(ステップ62)。この判別結果がYESのときには、差圧DPが最大値DPMAXよりも大きいか否かを判別する(ステップ63)。この最大値DPMAXは、アイドル運転の開始時に所定の負値に初期化される。このステップ63の判別結果がNOで、DP≦DPMAXのときには、後述するステップ65に進む。
また、ステップ63の判別結果がYESで、差圧DPが最大値DPMAXよりも大きいときには、差圧DPを最大値DPMAXとして設定する(ステップ64)ことによって、最大値DPMAXを更新した後、ステップ65に進む。
このステップ65では、差圧DPが最小値DPMINよりも小さいか否かを判別する。この最小値DPMINは、アイドル運転の開始時に所定の正値に初期化される。このステップ65の判別結果がNOで、DP≧DPMINのときには、そのまま本処理を終了する。
また、ステップ65の判別結果がYESのときには、差圧DPを最小値DPMINとして設定する(ステップ66)ことによって、最小値DPMINを更新した後、本処理を終了する。
一方、前記ステップ62の判別結果がNOで、アイドル運転の開始時から第4所定時間TREF4が経過したときには、最大値DPMAXを算出することなく、前記ステップ65に進み、最小値DPMINの算出を行った後、本処理を終了する。
以上のように、この変形例によれば、エンジン3がアイドル運転状態であると判定された場合において、差圧DPの最大値DPMAXと最小値DPMINとの差(=DPMAX−DPMIN)が所定値ΔDPREF以上のときに、差圧パイプ6aが凍結状態であると判定するので、凍結状態を適切に判定することができ、前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、差圧パイプ6aの凍結状態の判定を実行するエンジン3の特定の運転状態として、アフターラン状態またはアイドル運転状態が設定されているが、これに限らず、差圧パイプの凍結状態と非凍結状態との間で差圧の挙動が明確に異なるときの他の運転状態を、特定の運転状態として設定してもよい。
また、実施形態では、差圧パイプ6aが凍結状態であるか否かの判定を、エンジン3がアフターラン状態において、第2所定圧DPREF2と差圧DPとの差に基づいて行っているが、これに代えて、あるいはこれとともに、エンジン3が始動状態のときに行ってもよい。この場合のエンジン3の始動状態とは、イグニッションスイッチをONした後、エンジン3のクランキングが開始されるまでの状態、またはエンジン3のクランキング状態である。
さらに、実施形態では、差圧パイプ6aが凍結状態であると判定されたときに、フィルタ8の異常判定自体を禁止しているが、これに限らず、凍結状態と判定されたときに、フィルタ8が異常であるという判定が禁止されればよく、例えば、フィルタ8の異常判定を行う一方で、異常であるという判定を保留するようにしてもよい。
また、実施形態では、フィルタ8の差圧DPを、単一の差圧センサ23で検出しているが、フィルタ8の上流側の圧力と下流側の圧力を別個のセンサでそれぞれ検出し、それらの検出値から算出してもよい。
さらに、実施形態は、本発明を車両に搭載されたディーゼルエンジンに適用した例であるが、本発明は、これに限らず、ディーゼルエンジン以外のガソリンエンジンなどの各種のエンジンに適用してもよく、また、車両用以外のエンジン、例えば、クランク軸を鉛直に配置した船外機などのような船舶推進機用エンジンにも適用可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 異常判定装置
2 ECU(異常判定手段、アフターラン状態判定手段、凍結状態判定手段、判定禁 止手段、再生動作実行手段、再生動作強制実行手段、再生動作禁止手段およびト ルク制限手段)
2a 第2タイマ(停止時間取得手段)
3 エンジン
6 排気通路
6a 差圧パイプ
8 フィルタ
23 差圧センサ(差圧検出手段)
DP 差圧
PMCMD 要求トルク(内燃機関のトルク)
DPREF2 第2所定圧(所定の圧力)
DREF 所定値
DPMAX 最大値
DPMIN 最小値
ΔDPREF 所定値
TM2 第2タイマ値(内燃機関の停止時間)
TREF1 第1所定時間
TREF2 第2所定時

Claims (5)

  1. 排気通路に設けられ、内燃機関から排出された排ガス中のパティキュレートを捕集することによって、排ガスを浄化するフィルタの異常判定装置であって、
    前記排気通路の前記フィルタの上流側と下流側に接続された差圧パイプと、
    当該差圧パイプに設けられ、前記フィルタの上流側の圧力と下流側の圧力との差圧を検出する差圧検出手段と、
    当該検出された差圧に基づいて、前記フィルタが異常であるか否かを判定する異常判定手段と、
    前記内燃機関がイグニッションスイッチのオフ直後で機関回転数が値0になるアフターラン状態にあるか否かを判定するアフターラン状態判定手段と、
    当該アフターラン状態判定手段により前記内燃機関が前記アフターラン状態にあると判定されているときに、当該アフターランの開始から前記差圧が安定したと推定される第1所定時間が経過したタイミングで検出された前記差圧に基づいて、前記差圧パイプが凍結状態であるか否かを判定する凍結状態判定手段と、
    当該凍結状態判定手段により前記差圧パイプが凍結状態であると判定されたときに、前記異常判定手段による前記フィルタが異常であるという判定を禁止する判定禁止手段と、
    を備えることを特徴とするフィルタの異常判定装置。
  2. 前記フィルタに堆積したパティキュレートを燃焼させることにより当該フィルタを再生する再生動作を実行する再生動作実行手段と、
    前記凍結状態判定手段により前記差圧パイプが凍結状態であると判定された直後に、前記再生動作実行手段とは別個に前記フィルタの再生動作を強制的に実行する再生動作強制実行手段と、
    をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタの異常判定装置。
  3. 前記差圧パイプが凍結状態であると判定されたときに、前記差圧パイプが凍結状態でないと判定されるまでの間、前記再生動作実行手段による前記フィルタの再生動作を禁止する再生動作禁止手段をさらに備えることを特徴とする、請求項に記載のフィルタの異常判定装置。
  4. 前記差圧パイプが凍結状態であると判定されたときに、前記差圧パイプが凍結状態でないと判定されるまでの間、前記内燃機関のトルクを制限するトルク制限手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のフィルタの異常判定装置。
  5. 前記内燃機関の始動前の停止時間を取得する停止時間取得手段をさらに備え、
    前記凍結状態判定手段は、前記差圧パイプが凍結状態であると判定した場合において、前記取得された前記内燃機関の停止時間が第2所定時間よりも長く、かつ、その後の前記内燃機関の始動時に、所定の圧力と前記差圧との差が所定値よりも小さいときに、前記差圧パイプの凍結状態が解除されたと判定することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のフィルタの異常判定装置。
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