JP4966602B2 - 色素増感型光電変換素子および色素増感型光電変換素子モジュール - Google Patents

色素増感型光電変換素子および色素増感型光電変換素子モジュール Download PDF

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Description

本発明は、色素増感型光電変換素子および色素増感型光電変換素子モジュールに関するものである。
化石燃料に代るエネルギー源として太陽電池が注目され、種々の研究が行われている。現在実用化されている太陽電池の主流は単結晶、多結晶、および非結晶シリコンからなるシリコン系太陽電池であるが、これらは材料コストや製造プロセスにおけるエネルギーコストが高く、太陽電池の普及の大きな障害となっている。
そのため、低コストでの製造可能性がある太陽電池として色素増感太陽電池が注目されている。
色素増感太陽電池とは半導体(多孔質であることが好ましい)に色素を吸着した光電極を用いた湿式太陽電池であり、光増感の原理(この場合は紫外光領域に吸収を持つ半導体に対し、可視光や近赤外光領域に吸収を持つ色素を吸着させることで、半導体の吸収領域よりも長波長側の光により光電変換を行なわせること)を光電変換素子に応用して太陽電池としたものである。
このような色素増感型光電変換素子の発電原理を図8に示すエネルギーダイアグラムを用いて説明する。
図8において、2は色素が吸着された多孔質半導体からなる光電極、3は対極、4は電解質を示しており、801は入射光、802は色素のHOMOレベル、803は色素のLUMOレベル、804は多孔質半導体の伝導帯エネルギー準位、805は電界質4中に含まれる酸化還元対(R/R−)の酸化還元準位を、それぞれ示している。
以下、hν(hはプランク定数、νは光の振動数)なるエネルギーを持つ光が、光電極2に入射した場合を考える。
入射光801のエネルギーhνが、色素のHOMO―LUMOエネルギーギャップ(LUMOレベル803−HOMOレベル802)以上であれば、入射光が吸収され、色素が励起される。励起した色素中の電子は多孔質半導体の伝導帯エネルギーレベル804へと注入される。この電子は、外部回路806を経由して対極3へと達する。
一方、電子を失った色素は、電解質4中に含まれる酸化還元対の還元状態R−から電子を受け取り、基底状態へと戻る。
さらに色素に電子を渡して酸化された酸化還元対の酸化状態Rが、対極3へと達した電子を受け取って還元状態R−へと戻ることで1サイクルの電子の流れが完成する。
このような色素増感型光電変換素子はシリコンを用いた光電変換素子に比べて大型設備(シリコンの溶融設備など)が必要ない、材料の高度な精製が不要などの点において低コスト化が可能であるという利点を持つ反面、色素の吸収波長がシリコンに比べて限定されてしまうために、入射光(例えば太陽光、以下同じ)の利用効率が低く、シリコン系光電変換素子と比較して光電交換効率が低いという問題があった。
そこで、入射光の有効利用(ここでは主に、従来の色素では吸収されなかった長波長側の光を発電に利用すること)のために、吸収ピーク波長をより長波長側とした色素の開発が行なわれている(例えば非特許文献1)。
また、入射光の有効利用(ここでは主に、単一の色素では吸収されない波長域の光を複数の色素を組み合わせることで吸収し、より広い波長域の光を発電に利用すること)のために、異なる色素を光電極中に用いた色素増感型光電変換セルを積層した構造を持つタンデム型光電変換素子が提案されている。
例えば特許文献1には、タンデム型光電変換素子において長波長側吸収波長端が互いに異なる光電極を用いることが開示されている。ただし特許文献1においては長波長側吸収波長端を「吸収ピーク波長における吸光度の10%の吸光度を示す長波長側の波長」と定義しているが、この定義は一般的なものではない。一般的に長波長側吸収波長端とは「色素が吸収する最小エネルギーの光の波長」のことであり、この意味での吸収波長端は色素のバンドギャップエネルギーに相当する。
以下、本明細書において単に吸収波長端と述べるときには、上記一般的な意味での長波長側吸収波長端を示すものとする。
また、本発明においては色素が多孔質半導体に吸着された光電極の吸収スペクトルを測定し、ある波長範囲内において吸収値が最も高い値を示す波長を、該当する色素の吸収ピーク波長と定義する。
また、図8を用いて説明したように色素増感型光電変換素子では、励起した色素中の電子は半導体の伝導帯に注入される。
しかし、伝導帯エネルギー準位は半導体固有の値であり、正確な測定には真空中でのUPS測定などの比較的大掛かりな測定装置が必要となる。そこで、色素増感型光電変換素子における半導体のエネルギー状態を表す、伝導帯エネルギーよりも好ましいファクターとして、半導体のフラットバンド準位を考える。
フラットバンド準位とは、電解液と接した際に半導体内部にわたって水平なバンド状態となる時の電極電位であり、電極界面のインピーダンス測定から比較的簡単に求めることができる。
すなわち、微分容量Cと電極電位Eとの間には、Mott−schottkyの式が成り立つので、1/C2をEに対してプロットすると直線関係が得られ、その直線の切片からフラットバンド準位が求められる。また、フラットバンド準位は伝導帯エネルギー準位とほぼ同等の値をとることが知られている。従って、本発明ではこれ以降、伝導帯エネルギー準位の代わりにフラットバンド準位を用いることとする。
なお、本発明におけるフラットバンド準位は、電解液に0.2MのLiClO4水溶液、対極に白金線、参照電極にAg/AgClを用いてインピーダンス測定を行い、Mott−schottkyの式によって求めた値である。
Chem.Commun.,p1705−1706,1997 特開2001−319698号
特許文献1における吸収波長端や一般的な意味での吸収波長端は、複数の色素が吸着された半導体からなる光電極を用いた色素増感型光電変換素子において、入射光を有効利用できる色素の組み合わせを得るための目安とはなるものの、必ずしも有効であるとはいえない。
また、入射光の有効利用のためにタンデム型光電変換素子を用いることは好ましい手法であるものの、タンデム型光電変換素子の最も単純な構成(複数の光電変換セルを直列接続する構成)においては、各光電変換セルの出力電流が大きく異なる場合に、タンデム型光電変換素子全体の出力電流値(一般に短絡電流値Iscまたは短絡電流密度Jscで表される)が低下するという問題があった。
よって本発明は上記問題に鑑み、異なる吸収ピーク波長を有する複数の色素を組み合わせることにより、入射光の有効利用が可能な色素増感型光電変換素子を提供することを目的としている。
また本発明は異なる吸収ピーク波長を有する複数の色素を組み合わせることにより、入射光の有効利用を可能としたタンデム型光電変換素子において、従来の課題であった出力電流値の低下を抑制し、これによって実用的な光電変換効率を示す色素増感型光電変換素子を提供することを目的としている。
特許文献1に開示されている光電変換素子には、吸収波長端が異なる色素が用いられている。しかし、このような従来例においては図10に示すように、吸収波長端付近では色素の吸光度が低いため、十分に入射光を利用することができない場合が生じる。なお、図10は吸収波長端が異なって吸収ピーク波長がほぼ一致する2種の色素の吸収スペクトルSa,Sbを示している。
これに対し、入射光をより有効に利用するためには、図9に示すように吸収ピーク波長が異なること(本発明)が重要となる。なお、図9は吸収ピーク波長が異なっている2種の色素の吸収スペクトルSx,Syを示している。
本発明の色素増感型光電変換素子は、入射光により励起電子を生成する、異なる吸収ピーク波長を有する複数の色素が吸着された光電極を具備する色素増感型光電変換素子である。
各色素の吸収ピーク波長のうち、それぞれ最も長波長側にある吸収ピーク波長同士が異なっていることが好ましく、少なくとも1つの色素の吸収波長端が近赤外域にあることが特に好ましい。なお、本発明における「近赤外域」や「近赤外光」とは、700nmより長く、2500nm以下の波長域または波長光をいうものとする。また、本発明において吸収ピーク波長が異なるとは、それぞれの色素の吸収スペクトルにおいてピーク位置の差が10nm以上異なることとする。
本発明の好ましい実施の形態としては、異なる吸収ピーク波長を有する複数の色素が吸着された光電極を有する、複数の光電変換セルが入射光に対して交差する方向に積層されている、いわゆるタンデム型光電変換素子を挙げることができる。
本発明の特に好ましい実施の形態としては、上記タンデム型光電変換素子において、各光電変換セルの出力電流の差を減少するための電流値調整手段を設けることを挙げることができる。
また、好ましい電流値調整手段としては、いずれかの光電変換セルを構成する光電極のヘイズ率を、最も入射光側にある光電変換セル(以下、トップセルと表記)を構成する光電極のヘイズ率よりも大きくすることを挙げることができる。
なお、本発明におけるヘイズ率とは、可視光領域および/または近赤外領域にスペクトルを有する光線(例えば、標準光源D65や標準光源C)を測定サンプルに入射した際の拡散透過率を全光線透過率で割った値である。これは通常0〜1の間の値もしくは0〜100%の百分率で表示される。
本発明によれば、吸収ピーク波長が異なる複数の色素を用いることにより入射光の有効利用が可能な色素増感型光電変換素子を得ることができる。
また本発明によれば、各光電変換セル間の電流値の差を小さくすることにより、出力電流値の低下を抑制したタンデム型光電変換素子を得ることができる。
本発明の色素増感型光電変換素子は、吸収ピーク波長の異なる複数の色素が吸着された光電極を有する。
このような光電極は一般に、異なる色素が吸着された複数の光電極である(図1参照)が、これに限るものではなく、複数の色素を混合して吸着した一層の光電極(図2参照)、または領域別に複数の色素を吸着した多層の光電極(図3参照)であっても良い。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示す色素増感型光電変換素子100は、第1色素が吸着された第1多孔質半導体からなる第1光電極2−1を、第1透明導電層111付きの第1支持体110上に形成し、これと対向配置した第1対極3−1(第2支持体120の入射光側に形成されている)との間に第1電解質4−1を保持してなる第1光電変換セル101と、第2色素が吸着された第2多孔質半導体からなる光電極2−2を、第2透明導電層121付きの第2支持体120上に形成し、これと対向配置した第2対極3−2(第3支持体130の入射光側に形成されている)との間に第2電解質4−2を保持してなる第2光電変換セル102とを、入射光140方向に交差する方向に積層して、(電気的な)接続手段150によって第1対極3−1と第2透明導電層121とを直列接続した色素増感型光電変換素子である。
このように光電変換セルを積層した、いわゆるタンデム型光電変換素子においては本来、各光電変換セルをいかなる接続手段で(電気的に)接続しても構わない。
ただし、本実施形態ならび以下の実施例においては最も単純な接続方法として、入射光側光電変換セルを構成する対極と非入射光側光電変換セルを構成する光電極とを直列接続する方法を採用している。
また、本発明の色素増感型光電変換素子は図2や図3に示すように積層構造ではない光電変換セルからなっていてもよい。なお、この場合には単層の多孔質半導体に異なる吸収ピーク波長を有する複数の色素を混合して吸着する(図2)か、またはそれぞれ異なる吸収ピーク波長を有する色素を吸着した多孔質半導体を多層構造(図3)にして色素増感型光電変換素子とすればよい。
以下、本発明における色素増感型光電変換素子の構成要素について説明する。
<色素>
色素増感型光電変換素子には、可視光領域および/または近赤外光領域に吸収をもつ種々の色素を用いることができる。
本発明に用いる色素は吸収ピーク波長が異なる複数の色素であり、好ましくは、それらの中に吸収ピーク波長の差が90nm以上である色素の組み合わせを含んでいる。
またそれぞれの吸収ピーク波長のうち、最も長波長側にある吸収ピーク波長同士が異なっていることが好ましく、最も長波長側にある吸収ピーク波長同士の差が90nm以上である組み合わせを含むことが特に好ましい。より長波長(例えば近赤外域)に吸収波長端を持つ色素を選択することにより、入射光の利用効率がより高い色素増感型光電変換素子とすることができるからである。
さらに、吸収ピーク波長が異なる色素の組み合わせを選んだ場合、各々の色素が、それぞれ異なるLUMO−HOMOエネルギーギャップを持っていることが好ましく、そのLUMO−HOMOエネルギーギャップの差が0.3eV以上であることが特に好ましい。
HOMO−LUMOエネルギーギャップが異なっているとは、吸収波長端が異なっていることである。このとき、各々の色素における吸収ピーク波長の大小関係と、吸収波長端の大小関係は異なっていてもよい。
また、分子中にカルボン酸基、カルボン酸無水基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基等のインターロック基が存在する色素であることが好ましい。これらインターロック基の中でも、カルボン酸基及びカルボン酸無水基がより好ましい。なお、ここでいう「インターロック基」とは、励起状態の色素と(多孔質)半導体の伝導帯との間の電子移動を容易にする電気的結合を提供する官能基である。
これらインターロック基を含有する色素としては、例えばピリジン系ルテニウム錯体色素、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポリフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ベリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素等が挙げられる。
ピリジン系ルテニウム錯体としては、シス−ジチオシアナト−ビス(4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジン)ルテニウム(原子価2)錯体(通称:N3色素、化合物E)や、シス−ジチオシアナト−ビス(4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビピリジン)ルテニウム(原子価2)ビス−テトラブチルアンモニウム錯体(通称:N719色素)、トリチオシアナト(4,4’,4’’−トリカルボキシ−2,2’:6’,2’’−ターピリジン)ルテニウム(原子価2)トリ−テトラブチルアンモニウム錯体(通称:ブラックダイ、化合物B)、シス−ジチオシアナト−ビス(4,4’−ジカルボキシル−2,2’−ビキノリン)ルテニウム(原子価2)錯体(化合物I)など公知の物質を用いることができる。
ここで、ビピリジン系ルテニウム錯体は、たとえば、公知文献J.Am.Chem.Soc.115(1993)6382.に記載の方法を参照して合成することができる。また、ターピリジン系ルテニウム錯体は、公知文献J.Am.Chem.Soc.123(2001)1613.を参照して合成することができる。ビキノリン系ルテニウム錯体は、Inorganica Chimica Acta.322(2001)7.等に記載の方法を参照して合成することができる。
また、本発明には特開平11−163378号、特開平11−167937号、特開平11−214731号、特開2000−106224号、特開2001−052766号、特開2004−235052号、特開2004−234953号、特開2005−19252号、特開2005−129429号、特開2005−129430号、特開2005−209359号、特開2006−156212号、特開2006−156213号およびこれらの明細書中に引用された文献に記載された従来公知の方法を参考にして合成した、いわゆる有機色素を使用することができる。本発明における有機色素の具体例としては、たとえば下記の化合物A、C、D、F、G、Hを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
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<多孔質半導体>
本発明における多孔質半導体の材料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化スズ、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、硫化カドミウム等の公知の半導体を1種類または2種類以上組み合わせて用いることができる。
多孔質半導体を支持体上に形成する方法としては、種々の公知の方法を使用することができる。具体的にはスクリーン印刷法、インクジェット法などによって支持体上に半導体粒子を含有するペースト(以下、懸濁液と表記する場合がある)を塗布し、焼成する方法を好ましく挙げることができる。
この場合の半導体粒子としては、適当な平均粒径、例えば1nm〜500nm程度の平均粒径を有する単一又は化合物半導体の粒子を好ましく用いることができる。
また、本発明において用いる多孔質半導体は、同種の半導体からなっていても良いし、異種の半導体からなっていても良いが、異種の半導体からなることが好ましい。
ここで言う「異種の半導体」には、異なる化合物(例えば酸化チタンと酸化スズ)である場合と、同じ化合物で結晶系が異なる場合(例えば酸化チタンにおけるルチル型とアナターゼ型)とを含んでいる。なお、少なくとも一方の多孔質半導体がコア−シェル構造(例えば酸化亜鉛粒子を酸化チタンの薄膜でコートした構造)からなる場合には、各々の表面(色素と直接接触している面)が異種であれば、一方のコアを構成する半導体が、他方の多孔質半導体と同一材料からなっていても構わない。
本実施形態における好ましい構成として、第2色素のLUMO−HOMOエネルギーギャップが第1色素のLUMO−HOMOエネルギーギャップより小さく、第2多孔質半導体のフラットバンド準位が第1多孔質半導体のフラットバンド準位より低い(正方向にある)ことを挙げることができる。
また、多孔質半導体のフラットバンド準位は吸着した色素のLUMOレベルよりも正であればよく、色素のLUMOレベルと多孔質半導体のフラットバンド準位との差の値が0.1eV以上0.6eV以下であることが好ましく、0.2eV以上0.4eV以下であれば、さらに好ましい。
また本実施形態における好ましい構成として、第1多孔質半導体および/または第1光電極のヘイズ率よりも、第2多孔質半導体および/または第2光電極のヘイズ率が大きいことを挙げることができる。
ここで、多孔質半導体および/または光電極のヘイズ率の測定方法について説明する。
一般に、ある試料のヘイズ率を得るためには、その試料に光を入射したときの全光線透過率および拡散透過率を測定すればよい。これら透過率は、光源と光量測定部を有する装置(例えば、測定試料に密着した積分球と、積分球の測定試料と反対側にライトトラップ(暗箱)もしくは標準板を備えた装置)があれば簡単に測定することができる。すなわち、標準板をセットした状態において、試料が無い場合の入射光線の光量T1、試料が有る場合の全光線透過光の光量T2を測定し、ライトトラップをセットした状態において、試料が無い場合の装置からの拡散光の光量T3、試料が有る場合の拡散透過光の光量T4を測定し、全光線透過率Tt=T2/T1、拡散透過率Td=[T4−T3(T2/T1)]/T1を計算することで、ヘイズ率H=Td/Ttが得られる。
<光電極>
光電極2の作製方法、すなわち多孔質半導体への色素吸着法としては、例えば多孔質半導体を形成した支持体を、色素を溶解した溶液(色素吸着用溶液)に浸漬する方法が挙げられる。
色素吸着用溶液に用いる溶媒としては、色素を溶解するものであれば特に限定されない。具体的には、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル等の窒素化合物類、クロロホルム等のハロゲン化脂肪族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル等のエステル類、水等を挙げることができる。これらの溶媒は2種類以上を混合して用いることもできる。
色素吸着用溶液中の色素濃度は、使用する色素や溶媒の種類により適宜調整することができるが、吸着機能を向上させるためにはできるだけ高濃度である方が好ましい。例えば、1×10-5モル/リットル以上であることが好ましく、5×10-5モル/リットル以上1×10-2モル/リットル以下であることが特に好ましい。
また、本発明における光電極のヘイズ率とは、光電極に吸着した色素を脱離したものを測定対象とし、そのヘイズ率を測定したものとする。色素を脱離する方法としては、アルカリ性の水溶液中に光電極を浸漬させる方法や、その水溶液を試料に滴下する方法などが挙げられる。アルカリ性の水溶液としては水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などが好ましく用いられ、取り扱いが比較的容易な水酸化ナトリウム水溶液がより好ましい。その水溶液の濃度としては、ペーハー(pH)が大きいものであれば特に限定されないが、好ましくはpH10〜14がよい。
<支持体>
本発明における支持体(第1支持体110,第2支持体120など。光電変換セルの積層数が増加すれば、それにつれて増加する)は、多孔質半導体を形成するときに必要なプロセス温度に対する耐熱性(例えば120℃以上、一般には180℃以上)を有した透明材料からなる基板またはフィルムである。
例えばソーダガラス、石英ガラスなどのガラス基板やポリエステル、ポリアクリル、ポリイミド、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の有機高分子からなるフィルム(可撓性を持つことが好ましいが、それに限るものではない)を挙げることができる。
さらに、入射光方向から最も遠い支持体(本実施形態においては第3支持体130)は、必ずしも透明である必要が無いため、上記材料に加えてシリカ、アルミナなどのセラミックやカーボン、金属などを使用しても構わない。また、第3支持体130には多孔質半導体の形成が必要ないため、第1支持体110、第2支持体120に使用する有機高分子より耐熱性が低い(例えば90℃以上120℃未満程度の)有機高分子も使用できる。
なお、本明細書で述べる「透明」とは、少なくとも可視光領域(波長が400nm以上700nm以下の光)における透過率の平均が10%以上であることをいい、一般的には50%以上、好ましくは70%以上であることをいう。
<透明導電層>
本実施形態における第1透明導電層111と第2透明導電層121は、光電極2で発生した電子を集め、外部回路に輸送する機能を有するものである。
透明導電層は導電性材料からなり、加えて電解質4中にヨウ素等の腐食力の強い成分を有する場合、少なくともその表面には耐食性の強い材料を用いることが好ましい。ここでいう耐食性とは、電解質による腐食に抗する材料特性を持つということである。
よって、透明導電層として、ITO(インジウム−スズ複合酸化物)、フッ素がドープされた酸化スズ、ボロンまたはガリウムまたはアルミニウムがドープされた酸化亜鉛、ニオブがドープされた酸化チタン等の透明導電性金属酸化物を好ましく用いることができ、金、銀、アルミニウム、チタン、インジウムなどの金属を薄膜としたものも用いることができる。さらに、これらを組み合わせて使用することもできる。
透明導電層の形成方法としては真空蒸着法、メッキ法、スパッタ法、PVD法、塗布法など、任意の公知方法を挙げることができる。
<対極>
対極3は、光電極2と共に一対の電極を構成するものであり、外部回路から取り入れた電子を輸送する働きと、さらにこの電子を電解質4へと輸送する酸化還元反応を促進する働き(触媒機能)を持つ。触媒機能を持つ材料としては白金やカーボン(カーボンブラック、グラファイト粒子など)が好ましく用いられる。
対極3の形成には上記透明導電層の形成方法と同様の公知方法(真空蒸着法、メッキ法、スパッタ法、PVD法、塗布法など)が用いられる。
また本発明において、対極3の非入射光側に光電変換セルを設置する場合には、この対極3は光を透過することが好ましい。このときの透過率としては少なくとも10%以上あることが好ましく、さらに好ましくは65%以上である。透過率を調整する手段としては、対極3を薄く形成する方法、対極3に開口部を設ける方法がある。
対極3を薄く形成するには、対極3の形成時(上記の公知方法)において条件を調整すればよい。
対極3に開口部を設ける方法としては、対極3をストライプ状、格子状など種々の形状に形成すればよい。この場合、開口部より入射光をセル内部へ取り込むことができるため、対極3そのものは不透明であってもよい。
<電解質>
電解質4は、光電極2(これを構成する多孔質半導体の空孔中を含む)と、対極3との間に配置され、酸化還元対とこれを保持可能な媒体からなる。媒体として液体(溶媒)を用いれば電解液となり、高分子ゲルを用いればゲル電解質となる。
酸化還元対としては一般に、鉄系、コバルト系など金属類や塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン物質が用いられ、好ましくはヨウ素が用いられる。その中でも、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化カルシウム等の金属ヨウ化物とヨウ素との組み合わせが最も好ましい。さらに、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイド等のイミダゾール塩等を混入しても良い。
また、溶媒としてはプロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、アセトニトリル等のニトリル化合物、エタノール等のアルコール類、その他、水や非プロトン極性物質等が用いられるが、その中でも、カーボネート化合物やニトリル化合物が好ましく用いられる。これらの溶媒は2種類以上を混合して用いることもできる。一方、溶媒の揮発が問題となる場合は、溶融塩を溶媒の代わりに用いても良い。
なお、電解質4中の酸化還元対の濃度は、酸化還元対材料と媒体の種類により適宜選択されるが、媒体が液体(溶媒)または溶融塩の場合、一般的には0.01モル/リットル以上1.5モル/リットル以下の範囲が好ましい。
<接続部>
接続部150は、第2支持体120の入射光方向に形成した第1対極3−1と非入射光方向に形成した第2透明導電層121とを、金属ペーストや金属ワイヤーなどで外部接続する、第2支持体120の側面に形成した導電層で接続する、第2支持体120として導電性と透明性を合わせ持つ材料を使用する(例えば導電性高分子など。なお、この場合には第2透明導電層121は必ずしも必要ではない)等を挙げることができる。
<封止部>
封止部160は、一般的には光電変換素子の周縁部に形成され、一対の支持体間を接合することで素子内部を封止する領域および/または部材をいう。
封止部160の材料としては、一般にシリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソブチレン系樹脂などの有機高分子が用いられる。これらは単独で、または2種類以上の材料を組み合わせて用いることができる。
また、封止部160としてペースト状樹脂を用いた場合にはディスペンサやスクリーン印刷などの方法によってパターン形成することができる。また、シート状樹脂を用いた場合は、そのシート状樹脂をカッターやレーザー等を用いて切断し、パターン化すればよい。
<電流値調整手段>
タンデム型光電変換素子において図1に示すような直列接続方法は、最も単純であるために好ましい接続方法といえる。
しかし、各光電変換セルの出力電流値が大きく異なる場合には、各セルの出力電流値中で最も低い出力電流値がボトルネックとなることで色素増感型光電変換素子全体の出力電流値を下げてしまうという問題があった。
よって、これを回避するために本発明においては、各光電変換セルの出力電流値の差を小さくするための電流値調整手段を設けることを好ましい手法として挙げることができる。
具体的な電流値調整手段としては、光電極の光学的厚みを変えた光電変換セルを適宜配置する、電解質中の酸化還元対濃度を変えた光電変換セルを適宜配置する、光電変換セル中の透明導電層や光電極、対極を分割し、それら分割数を光電変換セル間で異ならせるなどの方法を挙げることができるが、好ましい電流値調整手段としては、異なるヘイズ率を持つ光電極を備えた光電変換セルを設け、これらを組み合わせる方法、または異なる透過率を持つ複数の光電変換セル(例えば、対極または支持体の透過率を変える事による)を設け、これらを組み合わせる方法を挙げることができる。
異なるヘイズ率を持つ光電極を備えた光電変換セルの組み合わせとしては、トップセルを構成する光電極よりも大きなヘイズ率を持つ光電極をトップセル以外の光電変換セルに用いる例を示すことができる。ここで、トップセルを構成する光電極のヘイズ率は30%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。ヘイズ率の高い光電極をトップセルに用いると、トップセルで光が散乱され、非入射光側に位置する光電変換セルへ照射される光量が低下するため、タンデム型光電変換素子における光電変換効率の向上率があまり大きくならないからである。
一方、非入射光側に位置する光電変換セルを構成する光電極のヘイズ率は特に限定されるものではないが、トップセルを構成する光電極のヘイズ率よりも大きいことが好ましく、好ましくはヘイズ率60%以上、より好ましくは80%〜95%が好ましい。
なお、トップセルを構成する光電極よりも大きなヘイズ率を持つ光電極としては、異なる粒径の半導体微粒子により構成された複層構造を採る光電極を挙げることができる。この例を図4に示す。
すなわち図4における第2光電極2―2は、その後方(非入射光側)に形成された、第2多孔質半導体2−2よりも大きな平均粒径を持つ半導体(例えばルチル型の酸化チタンなどからなる)微粒子により形成された多孔質層170と共に複層構造を採っている。
また、異なる透過率を持つ複数の光電変換セルの組み合わせとして、トップセルを構成する対極の透過率を、非入射光側にある光電変換セルを構成する対極の透過率よりも高くする例を好ましく挙げることができる。ここでトップセルを構成する対極の透過率は65%以上であることがより好ましい。
透過率の高い対極を得る方法としては、対極の膜厚を薄くする方法や、相対的に透過率の高い対極を用いる、対極に開口部を設ける等の方法を挙げることができる。またこれらの方法を組み合わせて用いてもよい。トップセルの対極に白金を用いる場合には、白金の膜厚は0.1nm〜30nmが好ましく、より好ましくは0.5nm〜20nmである。
また、対極に開口部を形成する場合、開口部より入射光をセル内部へ取り込むことができるため、対極は不透明であってもよい。従って、対極の膜厚を十分厚くすることができるため、電気抵抗が低く、形状因子(FF)の低下を抑えることができる。この場合、対極は、65%〜99%、好ましくは75%〜97.5%の開口率を有するのが好ましい。
対極の開口率が65%未満の場合には、単位面積当たりの透過光強度の大幅な向上が得られないので好ましくない。また、対極の開口率が99%を超える場合には、電極としての機能が低下し、酸化還元反応に利用できる対極の触媒能が低下し、酸化還元反応がスムーズに行われず、高い光電変換効率が望めないので好ましくない。
また、開口部を制御することにより、各光電変換セルの出力電流を調整することができる。
対極の形状は、開口部を有する形状であれば特に限定されないが、細線状であるのが好ましく、ストライプ形状および/または格子形状であるのが特に好ましい。
対極がストライプ形状であれば、開口率に対する酸化還元対の移動距離が短くなり、光電変換効率が向上するので好ましい。
また、対極が格子形状であれば、一部に断線故障が発生しても電流を取り出すことができる、すなわち断線故障による影響を軽減できるので好ましい形状である。
ストライプ形状は、線幅0.1〜50μm、好ましくは1〜30μmおよび間隔1〜200μm、好ましくは5〜100μmの細線からなるのが好ましい。
ストライプの線幅が0.1μm未満の場合には、抵抗が高くなるので好ましくない。また、ストライプの線幅が50μmを超える場合には、開口率が低くなりすぎるため好ましくない。
一方、ストライプの間隔が狭い場合には、線幅を細くしなければ開口率が小さくなり、線幅を細くし過ぎると抵抗が大きくなるので、間隔は1μm以上が好ましい。また、ストライプの間隔が広い場合には、酸化還元対が移動し難くなり、抵抗が増大するので、例えば、酸化還元対であるヨウ素の移動距離の観点から、間隔は200μm以下が好ましい。
格子形状は、間隔5〜250μm、好ましくは20〜150μm、線幅0.1〜50μm、好ましくは1〜30μmおよび交差角度80〜100°、好ましくは85〜95°の細線からなるのが好ましい。
細線で囲まれる格子の形状は、平行四辺形、ひし形、長方形、正方形など、いかなる形状であってもよい。
格子の線幅および間隔は、ストライプと同様の理由により好ましく設定される。
また、交差角度、すなわち細線の接する二辺間の角は、酸化還元対の対極まで移動距離を短くし、開口率を大きくするために、上記の範囲に設定するのが好ましい。
対極を構成する材料としては、後述する電解質の酸化還元反応を活性化させるものであればよく、例えば、白金、パラジウム、カーボン(カーボンブラック、グラファイト、ガラス炭素、アモルファス炭素、ハードカーボン、ソフトカーボン、カーボンホイスカー、カーボンナノチューブ、フラーレン)などが挙げられ、これらの中でも、触媒機能と導電率の観点から白金が特に好ましい。
また、異なる透過率を持つ光電変換セルの組み合わせを得る方法は対極の透過率変更に限るものではなく、中間層(入射光側光電変換セルの対極と非入射光側光電変換セルの透明導電層とを兼ねた領域のこと)の構成部のうち、いずれか1種以上の透過率を変更すれば良い。
中間層の構成例としては、単一の支持体の入射光側に対極(白金やカーボンからなる)を形成し、同じ支持体の非入射光側に透明導電層(フッ素ドープされた酸化スズなど)を形成した例を挙げることができる。
中間層に用いられる支持体の透過率は、トップセルの入射光側に位置する支持体の透過率よりも高いことが好ましい。例えば、中間層の支持体の厚さが、トップセルの入射光側に用いられる支持体の厚さよりも薄いことが好ましい。中間層に用いる支持体の好ましい厚さは0.1μm〜5mmであり、より好ましくは0.2μm〜1mmである。
中間層に用いる支持体の厚さが5mm以上になると、光電変換素子の重量が増し可搬性に劣る他、支持体自身の光吸収などにより光電変換効率の向上率が減少するおそれがあり、中間層に用いる支持体の厚さが0.1μm以下となると、強度不足や支持体厚の不均一に起因した光電変換効率のばらつきが起こるおそれがあるからである。
また、中間層の支持体の非入射光側に形成される透明導電層の透過率が、トップセルの入射光側に位置する支持体上に形成される透明導電層の透過率よりも高いことがより好ましい。具体的には、中間層の透明導電層に、相対的に導電率の高い(同じ導電率を得るために必要な膜厚が薄くてすむために透過率が高い)材料を用いる、中間層の透明導電層の層厚を相対的に薄くするなどの方法を挙げることができる。
<色素増感型光電変換素子モジュール>
本実施形態においては2個の光電変換セルから構成されたタンデム型光電変換素子の例を示したが、本発明の色素増感型光電変換素子は3個以上の光電変換セルからなるタンデム型光電変換素子であっても構わない。
3個の光電変換セルとして、例えば入射光側から酸化ジルコニウムや酸化タンタルなどを用いた第1光電変換セル、酸化チタンなどを用いた第2光電変換セル、酸化スズや酸化タングステンなどを用いた第3光電変換セルを組み合わせる例を挙げることができる。
また、本発明の色素増感型光電変換素子は複数のタンデム型光電変換素子を接続(一般的には直列接続であるが、並列接続が含まれていても構わない)した、色素増感型光電変換素子モジュールを包含する。
図5には3個のタンデム型光電変換素子を直列接続した色素増感型光電変換素子モジュール500を示す。図5中の501は外部回路(負荷)を示す。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳しく説明する。
<実施例1>
1・支持体の準備
まず、図6に示すように、ガラスからなる透明基板の片面にフッ素をドープした酸化スズからなる透明導電層を形成した第1支持体110と第3支持体130、及び両面に透明導電層を形成した第2支持体120を準備した。
ここで、第1支持体110片面の透明導電層は第1透明導電層111である。また、第2支持体120の一方の透明導電層は第2透明導電層121であり、他方の透明導電層は白金薄膜(後述)と共に第1対極3−1となる。また、第3支持体130片面の透明導電層は後述する白金薄膜と共に第2対極3−2となる。
2・多孔質半導体の形成
次に、第1支持体110の第1透明導電層111が形成された面と、第2支持体120の第2透明導電層121が形成された面に、それぞれ多孔質半導体を以下の方法で形成した。
チタンイソプロポキシド(キシダ化学株式会社製)125mL、pH調製剤である0.1M硝酸水溶液(キシダ化学株式会社製)750mLを混合し、80℃で8時間加熱することにより、チタンイソプロポキシドの加水分解反応を進行させ、ゾル液を調製した。次に、チタン製オートクレーブにて230℃で11時間、粒子成長させた。
次に、超音波分散を30分間行なうことで、平均粒径15nmの酸化チタン粒子を含む溶液(コロイド溶液I)の作製を行い、5000rpmにて遠心分離を行なうことにより酸化チタン粒子を沈殿させた。次にこの粒子と1000mLのエタノールを混合し、酸化チタン粒子を遠心分離により沈殿させる操作を3回繰り返して、酸化チタン粒子を作製した。なお、コロイド溶液に含まれる酸化チタン粒子の平均粒径は、光散乱光度計(大塚電子株式会社製)をもちいて、レーザー光の動的光散乱を解析することにより求めた。
次に、平均粒径が400nmの酸化チタン粒子(触媒化成株式会社製、HPW−400C)を準備した。この酸化チタン粒子を含むコロイド溶液をコロイド溶液II(以下で調整)とする。
上述2種の酸化チタン粒子をそれぞれ洗浄した後、エチルセルロース(キシダ化学株式会社製)とテルピネオール(キシダ化学株式会社製)を無水エタノールに溶解させたものを加え、攪拌することにより酸化チタン粒子を分散させた。その後、40mbarの減圧下、50℃にてエタノールを蒸発させ、コロイド溶液I〜IIから酸化チタンペースト(懸濁液I〜II)の作製を行った。なお、最終的な組成として、酸化チタン固体濃度20wt%、エチルセルロース10wt%、テルピネオール64wt%となるように濃度調整を行った。
まず、懸濁液Iをスクリーン印刷法により、10mm×10mmの面積で、第1支持体110及び第2支持体120上に塗布し,80℃で30分間予備乾燥した後、500℃、30分間空気中で焼成した。この工程を繰り返すことで、第1支持体110及び第2支持体120上に厚さ10μmの多孔質半導体を形成した。第1支持体110上の多孔質半導体αを図6中に第1多孔質半導体1−1で示す。さらに第2支持体120上に形成した多孔質半導体上に、懸濁液IIを用いて同様の方法で多孔質半導体を形成した。得られた第2支持体120上の多孔質半導体βを図6中に第2多孔質半導体1−2で示す。多孔質半導体βの膜厚は15μmであった。
次に、第2支持体120の多孔質半導体を形成していない面の透明導電層と、第3支持体130の透明導電層とに白金をそれぞれ20nm、100nmスパッタすることにより、第1対極3−1と第2対極3−2を形成した。ここで、第1対極3−1の透過率は65%、第2対極3−2の透過率は5%であった。
なお、多孔質半導体αと多孔質半導体βを別途フッ素ドープ酸化スズ付きのガラス基板上に形成し、それらのヘイズ率を紫外−可視分光光度計(株式会社島津製作所製、UV−3150)を用いて測定した結果、それぞれ、3.1%、78.2%(測定波長は700nm)を得た。
3・色素の吸着
化合物A及び化合物Bをそれぞれ無水エタノールに濃度4×10-4モル/リットルで溶解し、色素吸着用溶液Aと色素吸着用溶液Bをそれぞれ作製した。この色素吸着用溶液Aに多孔質半導体αを浸漬し、色素吸着用溶液Bに多孔質半導体βを浸漬し、室温下で20時間放置した後、引き上げてエタノールで洗浄し、乾燥させて第1光電極2−1と第2光電極2−2をそれぞれ作製した。
4・電解液の注入
次に、図7に示すように、第1支持体110と第3支持体130とを、第2支持体120を介してエポキシ系樹脂(封止部160となる)を用いて貼り合わせた。第1支持体110と第3支持体130には、予め電解液注入用の注入孔を形成しておく(非図示)。
次に、アセトニトリル(キシダ化学株式会社製)に濃度0.1モル/リットルのヨウ化リチウムと濃度0.05モル/リットルのヨウ素と濃度0.6モル/リットルの1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドと0.5モル/リットルの4−tert−ブチルピリジンを溶解した電解液Xと、アセトニトリル(キシダ化学株式会社製)に濃度0.1モル/リットルのヨウ化リチウムと濃度0.03モル/リットルのヨウ素と濃度0.6モル/リットルの1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイドと0.5モル/リットルの4−tert−ブチルピリジンを溶解した電解液Yをそれぞれ調製した。
次に、第1光電極2−1からなる光電変換セルには電解液Yを、第2光電極2−2からなる光電変換セルには電解液Xをそれぞれ注入して第1電解質4−1と第2電解質4−2を形成した後、エポキシ系樹脂を用いて注入孔を封止した。
第2支持体120の両面を銀ペースト(藤倉化成株式会社製、商品名ドータイト)を塗布することにより電気的に接続し、色素増感型光電変換素子400を作製した。
作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、短絡電流密度(以下、Jsc)8.1mA/cm2、開放電圧(以下、Voc)1.32V、形状因子(以下、FF)0.75を示し、光電変換効率は、8.0%であった。
<実施例2>
実施例1に用いた化合物Aの代わりに化合物Cを用いた以外は、実施例1に準じて色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、Jsc=8.0mA/cm2、Voc=1.31V、FF=0.74を示し、光電変換効率は、7.8%であった。
<実施例3>
酸化スズ(アルドリッチ社製、粒径18.3nm)を用い、実施例1に準じて酸化スズペーストIII(懸濁液III)を調整した。
実施例1において多孔質半導体βを形成する際に用いた懸濁液Iの代わりに、懸濁液IIIを用いた以外は多孔質半導体βと同様にして多孔質半導体γを形成した。多孔質半導体γのヘイズ率は前述と同様に測定した結果、75.4%であった。
多孔質半導体γを多孔質半導体βの代わりに用い、化合物Bの代わりに化合物Dを用いた以外は、実施例1に準じて色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、Jsc=8.7mA/cm2、Voc=1.20V、FF=0.74を示し、光電変換効率は、7.7%であった。
<実施例4>
実施例3における多孔質半導体αの膜厚を7μmとし、化合物Aの代わりに化合物Eを用い、電解質をいずれも電解液Xにより形成した以外は、実施例3に準じて色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、Jsc=6.8mA/cm2、Voc=1.35V、FF=0.75を示し、光電変換効率は、6.9%であった。
<実施例5>
実施例1における多孔質半導体αの膜厚を7μmとし、化合物Aの代わりに化合物Fを用い、電解質をいずれも電解液Xにより形成した以外は、実施例1に準じて色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、Jsc=6.5mA/cm2、Voc=1.25V、FF=0.74を示し、光電変換効率は、6.0%であった。
<実施例6>
実施例3における化合物Dの代わりに化合物Gを用いた以外は、実施例3に準じて色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、Jsc=8.1mA/cm2、Voc=1.18V、FF=0.75を示し、光電変換効率は、7.2%であった。
<実施例7>
実施例1における多孔質半導体βを、多孔質半導体αと同じ構成の多孔質半導体とした以外は、実施例1に準じて色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、Jsc=6.2mA/cm2、Voc=1.34V、FF=0.76を示し、光電変換効率は、6.3%であった。
<実施例8>
実施例3における酸化スズの代わりに、酸化タングステン(アルドリッチ製、30〜50nm)を用いた以外は実施例3に準じて色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、Jsc=7.2mA/cm2、Voc=1.28V、FF=0.73を示し、光電変換効率は、6.7%であった。
<実施例9>
実施例1における化合物Bの代わりに化合物Fを用いた以外は、実施例1に準じて色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、変換効率を測定した。その色素増感型光電変換素子は、Jsc=8.5mA/cm2、Voc=1.08V、FF=0.75を示し、光電変換効率は、6.9%であった。
<実施例10>
実施例4における化合物Dの代わりに化合物Iを用いたこと以外は、実施例4に準じて色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、Jsc=8.2mA/cm2、Voc=1.31V、FF=0.74を示し、光電変換効率は、7.9%であった。
<実施例11>
実施例3で調整した酸化スズ(アルドリッチ社製、粒径18.3nm)を含む酸化スズペーストIII(懸濁液III)に、酸化マグネシウム粉末(キシダ化学株式会社製)を酸化スズに対して10wt%混入し、塩酸でpHを1程度に調整し、10分間攪拌した後、超音波分散を10分間行なうことにより、酸化マグネシウムを酸化スズペースト中に分散させた懸濁液IVを得た。多孔質半導体βを形成する際に用いた懸濁液Iの代わりに、懸濁液IVを用いた以外は多孔質半導体βと同様にして多孔質半導体δを形成した。多孔質半導体δのヘイズ率は前述と同様に測定した結果、78.1%であった。
形成した多孔質半導体δを多孔質半導体γの代わりに用いた以外は、実施例10に準じて色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、Jsc=7.8mA/cm2、Voc=1.37V、FF=0.75を示し、光電変換効率は、8.0%であった。
<実施例12>
実施例1における多孔質半導体αを、多孔質半導体βと同じ構成の多孔質半導体とした以外は、実施例1に準じて色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、Jsc=5.1mA/cm2、Voc=1.30V、FF=0.75を示し、光電変換効率は、5.0%であった。
<実施例13>
実施例1における第1対極3−1上の白金膜厚を変更し、第1対極の透過率を50%とする以外は、実施例1に準じて色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、Jsc=5.9mA/cm2、Voc=1.31V、FF=0.75を示し、光電変換効率は、5.8%であった。
<実施例14>
実施例1の第1対極3−1において、白金をストライプ状に形成した(対極形状は、線間隔76μm、開口率:75%であった。)以外は、実施例1に準じて色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、Jsc=7.9mA/cm2、Voc=1.32V、FF=0.76を示し、光電変換効率は、7.9%であった。
<実施例15>
実施例1における多孔質半導体αに、化合物A及び化合物Bを同時に吸着させた光電極を形成した第1支持体110と、第2対極3−2を形成した第3支持体130をエポキシ樹脂により封止し、実施例1において用いた電解液Xを注入して光電変換素子を作製した。
具体的には、まず、化合物A及び化合物Bをそれぞれ濃度4×10-4モル/リットルとなるように無水エタノールに溶解させ、色素吸着用溶液A&Bを作製した。この色素吸着用溶液A&Bに多孔質半導体αを浸漬し、室温下で20時間放置した後、引き上げてエタノールで洗浄し、乾燥させて光電極を作製した。それ以外の方法は実施例1に記載の方法と同様である。
作製した光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この光電変換素子は、Jsc=12.1mA/cm2、Voc=0.62V、FF=0.72を示し、光電変換効率は、5.4%であった。
<比較例1>
実施例1における第1支持体110(多孔質半導体αに化合物Aを吸着させた)と第3支持体130(第2対極3−2を形成した)とをエポキシ樹脂により封止し、電解液Xを注入して色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、Jsc=8.1mA/cm2、Voc=0.54V、FF=0.72を示し、光電変換効率は、3.2%であった。
<比較例2>
実施例1に用いた化合物Aと化合物Bの代わりに化合物Eを用いた以外は、実施例1に準じて色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、Jsc=3.4mA/cm2、Voc=1.42V、FF=0.75を示し、光電変換効率は、3.6%であった。
<比較例3>
実施例1に用いた化合物Aと化合物Bの代わりに化合物Eと化合物Hをそれぞれ用いた以外は、実施例1に準じて色素増感型光電変換素子を作製した。作製した色素増感型光電変換素子に、1kW/m2の強度の光(AM1.5ソーラーシミュレータ)を照射して、光電変換効率を測定した。この色素増感型光電変換素子は、Jsc=3.8mA/cm2、Voc=1.32V、FF=0.74を示し、光電変換効率は、3.7%であった。
上記の実施例と比較例の結果一覧を以下の表1に示す。
Figure 0004966602
これらの結果から、下記の結果が明確となった。
1・単一の光電変換セルを用いた場合(実施例14と比較例1との比較)においては、色素(化合物A、化合物B)を単独で用いるよりも異なる吸収波長ピークを有する色素(化合物A、化合物B)を混合し(あるいは多層として)用いた方が高い光電変換効率を得ることができる。
2・複数の光電変換セルを用いた場合、異なる吸収ピーク波長を持つ色素を用いる必要がある(実施例1〜13と比較例2,3との比較)。それらの中でも吸収ピーク波長の差が90nm以上であることが好ましい(実施例1、5と実施例9との比較)。なお、本実施例および比較例における吸収ピーク波長のデータは、各吸収スペクトル中で最も長波長側にある吸収ピーク波長であるが、これに限るものではない。
3・複数の光電変換セルを用いた場合、光の利用効率の観点から、異なるヘイズ率を持つ光電極を用いることが好ましいことが分かる。特に、トップセルを構成する光電極のヘイズ率が他の光電変換セルを構成する光電極のヘイズ率よりも低いことが好ましいことが分かる(実施例1、7、12の比較)。
4.複数の光電変換セルを用いた場合、光の利用効率の観点から、トップセルを構成する対極の透過率が他の光電変換セルを構成する対極の透過率よりも高いことが好ましいことが分かる(実施例1と13の比較)。
本発明の色素増感型光電変換素子の一例である、タンデム型光電変換素子の断面概略図である。 本発明の色素増感型光電変換素子の一例である、単層の多孔質半導体に異なる吸収ピーク波長を有する複数の色素を混合して吸着した例を示す断面概略図である。 本発明の色素増感型光電変換素子の一例である、異なる吸収ピーク波長を有する色素を吸着した多孔質半導体を多層構造にした例を示す断面概略図である。 本発明の色素増感型光電変換素子の一例を示す断面概略図である。 本発明の色素増感型光電変換素子モジュールの一例を示す断面概略図である。 本発明の色素増感型光電変換素子の一例を示す構成図である。 本発明の色素増感型光電変換素子の一例を示す断面概略図である。 従来の色素増感型光電変換素子の動作原理を示すエネルギーダイアグラムである。 本発明の色素増感型光電変換素子に使用する、異なる吸収ピークを持つ色素の組み合わせの一例を示すスペクトルである。 従来の色素増感型光電変換素子に使用する、異なる吸収波長端を持つ色素の組み合わせの一例を示すスペクトルである。
符号の説明
1 多孔質半導体(1−1,1−2として示す)
2 光電極
3 対極
4 電解質

Claims (12)

  1. 入射光により励起電子を生成する、異なる吸収ピーク波長を有する複数の色素が吸着された光電極を具備し、
    前記異なる吸収ピーク波長を有する複数の色素が吸着された光電極の組み合わせを有する複数の光電変換セルが前記入射光に対して交差する方向に積層され、
    前記複数の光電変換セルの少なくとも1つに、各光電変換セルの出力電流の差を減少させるための電流値調整手段が設けられ、
    前記電流値調整手段、異なるヘイズ率を持つ光電極を含む複数の光電変換セル設けられてなることを特徴とする色素増感型光電変換素子。
  2. 前記電流値調整手段が、前記最も入射光側にある光電変換セルを構成する光電極のヘイズ率よりも大きなヘイズ率を持つ光電極を含む光電変換セルを設けたことである請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
  3. 前記最も入射光側にある光電変換セルを構成する光電極のヘイズ率よりも大きなヘイズ率を持つ光電極が、異なる粒径の半導体微粒子により構成された複層構造からなる請求項2に記載の色素増感型光電変換素子。
  4. 前記最も入射光側にある光電変換セルを構成する光電極のヘイズ率が10%以下である請求項1〜3のいずれか1つに記載の色素増感型光電変換素子。
  5. 入射光により励起電子を生成する、異なる吸収ピーク波長を有する複数の色素が吸着された光電極を具備し、
    前記異なる吸収ピーク波長を有する複数の色素が吸着された光電極の組み合わせを有する複数の光電変換セルが前記入射光に対して交差する方向に積層され、
    前記光電変換セルが、透明導電層が形成された入射光側支持体と、対極が形成された非入射光側支持体とを含み、
    前記複数の光電変換セルの少なくとも1つに、各光電変換セルの出力電流の差を減少させるための電流値調整手段が設けられ、
    前記電流値調整手段、異なる透過率を持つ対極を含む複数の光電変換セル設けられてなることを特徴とする色素増感型光電変換素子。
  6. 前記電流値調整手段が、前記最も入射光側にある光電変換セルを構成する対極の透過率が、非入射光側にある光電変換セルを構成する対極の透過率よりも高いことである請求項に記載の色素増感型光電変換素子。
  7. 前記最も入射光側にある光電変換セルを構成する対極の透過率が65%以上である請求項に記載の色素増感型光電変換素子。
  8. 前記最も入射光側にある光電変換セルを構成する対極と、前記最も入射光側にある光電変換セルの非入射光側に位置する光電変換セルの透明導電層とを兼ねた中間層を設けた請求項5〜7のいずれか1つに記載の色素増感型光電変換素子。
  9. 前記中間層が、入射光側に対極が形成され、かつ非入射光側に透明導電層が形成された支持体であり、前記中間層を構成する支持体の透過率が、前記最も入射光側にある光電変換セルの入射光側に位置する支持体の透過率よりも高いことを特徴とする請求項に記載の色素増感型光電変換素子。
  10. 前記中間層を構成する支持体の厚さが、前記最も入射光側にある光電変換セルの入射光側に位置する支持体の厚さよりも薄い請求項に記載の色素増感型光電変換素子。
  11. 前記中間層を構成する支持体上の透明導電層の透過率が、前記最も入射光側にある光電変換セルの入射光側に位置する支持体上に形成される透明導電層の透過率よりも高い請求項または10に記載の色素増感型光電変換素子。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つに記載の色素増感型光電変換素子が直列接続された色素増感型光電変換素子モジュール。
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