JP5533722B2 - タンデム型色素増感太陽電池及びその製造方法 - Google Patents

タンデム型色素増感太陽電池及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、タンデム型色素増感太陽電池及びその製造方法に関する。
化石燃料に代るエネルギー源として太陽光を利用する太陽電池が注目され、種々の研究が行われてきた。近年、新しいタイプの太陽電池として、金属錯体の光誘起電子移動を応用した色素増感型太陽電池等が開発されている。また、薄膜シリコン系やCdTe/CdS等の半導体太陽電池等についても多くの研究がされている。
色素増感型太陽電池としては、例えば透明電極と触媒を担持させた導電層を備える対向電極との間に、色素を担持した酸化チタン等からなる半導体層(光電変換層)と電解質層とを設け、周囲を樹脂等の封止材料で封止してなる構成の色素増感型太陽電池が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、透明電極上に、色素を担持してなる同じく酸化チタン等からなる半導体層(光電変換層)、絶縁層、触媒層及び導電層を順次に積層してなる構成の色素増感型の太陽電池が知られている(例えば、特許文献2参照)。
太陽電池の高性能化に対しては、従来のシリコン等を用いた半導体太陽電池の場合、光吸収領域が異なる半導体層をタンデム構造にすることで光の利用効率を上げている。具体的には、アモルファスシリコン/結晶シリコン積層型太陽電池やGaInP/GaAs/Ge積層型太陽電池等が挙げられる。
色素増感太陽電池においても担持する色素の種類を変えて利用する光波長領域を分別することで、上記半導体太陽電池同様のことが提案されている。例えば、特許文献3では、互いにラミネートされてそれらの間に混合層を形成する第1半導体層と第2半導体層とを含み、これら第1半導体層と第2半導体層の少なくとも一部が、当該混合層の両面に残存する構造の多層光起電素子が開示されている。
また、特許文献4では、少なくとも2つの区画を含み、それぞれの区画は、透明基板、透明導電性酸化物、半導体ブロッキング層、多孔性層、電荷移動剤、および30%以上の光透過率を有する半透明電極である対向電極を含む積層型光起電素子が開示されている。
しかしながら、特許文献3で開示された方法ではセルを構成するために4枚の導電性基板が必要になりコスト高である。また、基板同士の位置合わせの煩雑さもあり生産性の面で実用的ではない。特許文献4に記載の素子は基板が3枚必要としており、コストの面で不利である。
これらの点に考慮して導電性基板を2枚用いる形のものが提案されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。この方式によればアノード電極とカソード電極にそれぞれ別のn型半導体とp型半導体を用い、色素も別々の色素を用いることができるとされている。しかしながら、良好なp型半導体がないこと、カソード側に適している色素がないことから実用化にはいたっていない。また、位置合わせの問題も解決していない。
特開2005−228594号公報 特開2003−142171号公報 米国特許第6,340,789号明細書 欧州特許出願公開第1513171A1号明細書 Solar Energy Materials & Solar Cells,62,265(2000) Journal of Physical Chemistry B,103,8940(1999)
以上から、本発明は、コストが低く、生産性が高く、かつ発電効率の良好なタンデム型色素増感太陽電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明者は、少なくとも2つ半導体層(光電変換層)が積層されてなるタンデム型の色素増感太陽電池において、特定の透明導電性緻密層を第1の半導体層と第2の半導体多孔質層との間に設けることで、使用する基板の枚数を低減することで低コスト化させながらも、発電効率の良好な色素増感太陽電池を生産性よく得られることを見出し本発明に想到した。すなわち、本発明は下記の通りである。
[1] 透明基板上に透明導電層が形成された透明導電性基板と、前記透明導電層上に、色素が吸着した多孔質半導体からなる第1の半導体多孔質層及び第2の半導体多孔質層とを有し、第1の半導体多孔質層と第2の半導体多孔質層との間に、透明多孔質絶縁層、透明触媒層、及び透明導電性緻密層が前記第1の半導体多孔質層側からこの順で形成されてなり、少なくともこれらの層を囲繞するように封止材が設けられてなり、該封止材の内側に電解質が注入されてなるタンデム型色素増感太陽電池であって、前記透明導電性緻密膜がインジウムドープ酸化錫(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、及びアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)からなる群から選択される導電性酸化物からなり、かつ前記色素の吸着を阻害する疎水処理が施されてなるタンデム型色素増感太陽電池。
[2] 前記第1の半導体多孔質層、前記透明多孔質絶縁層、前記透明触媒層、前記透明導電性緻密層及び前記第2の半導体多孔質層が塗布により形成されてなる[1]に記載のタンデム型色素増感太陽電池。
[3] 上記[1]又は[2]に記載のタンデム型色素増感太陽電池を製造する方法であって、透明基板上に透明導電層が形成された透明導電性基板の前記透明導電層上に、多孔質半導体からなる第1の半導体多孔質層と、透明多孔質絶縁層と、透明触媒層と、透明導電性緻密層と、第2の半導体多孔質層とをこの順にそれぞれ印刷法にて形成するタンデム型色素増感太陽電池の製造方法。
本発明によれば、コストが低く、生産性が高く、かつ発電効率の良好なタンデム型色素増感太陽電池及びその製造方法を提供することができる。
本発明の色素増感太陽電池の一例を示す概略断面図である。
本発明のタンデム型色素増感太陽電池は図1に例示するように、透明基板1上に透明導電層2が形成された透明導電性基板3と、透明導電層2上に、色素が吸着した多孔性半導体からなる第1の半導体多孔質層4及び第2の半導体多孔質層9とを有し、第1の半導体多孔質層4と第2の半導体多孔質層9との間に、透明多孔質絶縁層5、透明触媒層6、及び透明導電性緻密層7、透明導電層8が第1の半導体多孔質層4側からこの順で形成されてなる。そして、これらの層を囲繞するように封止材13が設けられてなり、封止材13の内側には電解質15が注入されてなる。上記した第1の半導体多孔質層、透明多孔質絶縁層、透明触媒層、透明導電性緻密層及び第2の半導体多孔質層は塗布により形成されてなることが好ましい。
本発明のタンデム型色素増感太陽電池においては、透明絶縁性多孔質層5、透明触媒層6と透明導電性緻密層7とを始めとする各層が基板として導入されていないので、第1の半導体多孔質層4と第2の半導体多孔質層9と間にいわゆる基板が存在しない。従って、太陽電池全体のコストを低くすることが可能となる。また、基板を用いることによる位置合わせといった煩雑な工程が省かれるため、生産性が高く発電効率の良好なタンデム型色素増感太陽電池とすることができる。
なお、本明細書において「基板」とは、塗布等で形成される種々の層とは異なり、ある程度の厚みと剛性のあるフィルム状の部材をいう。
図1に示すように、透明導電性緻密層7上には透明導電層8と第2の半導体多孔質層9とが形成されてなる。第1の半導体多孔質層4と透明多孔質絶縁層5と透明触媒層6とからなる積層構造の一側面部には、絶縁性緻密層14が形成されてなる。絶縁性緻密層14の外側、透明導電性緻密層7と透明導電層8と半導体多孔質層9との積層部の一側面部、及び第2の半導体多孔質層9の上部を覆うように多孔質絶縁層10が設けられ、その上に触媒層11が形成されている。多孔質絶縁層10の外側、及び触媒層11を覆うように導電層12が設けられ、透明触媒層6と透明導電性緻密層7と透明導電層8と半導体多孔質層9と多孔質絶縁層10と触媒層11と導電層12とからなる積層部の一側面部には、絶縁性緻密層14が形成されてなる。このような構成の直列タンデムセル電極の外側には封止材による封止部材が設けられ、直列タンデムセル電極と封止部材との間には電解質15が注入されてなる。
透明導電性緻密層7は、ITO、ATO、及びAZOからなる群から選択される導電性酸化物からなり、かつ既述の色素の吸着を阻害する疎水処理が施されてなる。
透明導電性緻密層7は第1の半導体多孔質層4と第2の半導体多孔質層7とを電解質を介して直接電気的に短絡しないようにするためのものである。また、色素の吸着を阻害する疎水処理が施されているので、多孔性半導体(例えば、酸化チタン)に吸着されるべき色素が透明導電性緻密層7に吸着することが抑制される。その結果、不要な箇所へ吸着した色素による光のロスがなくなるため、入射した太陽光の利用効率を向上させることができる。
ここで、色素の吸着を阻害する疎水処理について以下説明する。まず、透明導電性緻密層7は、導電性酸化物とシリカ重合体を含むペーストから形成されるが、一般的にシリカ重合体の表面には多数の水酸基が存在する。そのため、この水酸基をトリアルキルシリコンアルコキシドと加水分解によって反応させることで、反応部位の末端基をアルキル基とする。このようにしてアルキル基が表面に存在することによって、シリカ重合体は疎水性を呈するようになるので、当該シリカ重合体を含む透明導電性緻密層7も疎水性を有することになる。その結果、透明導電性緻密層7を色素溶液に浸漬した場合においても、透明導電性緻密層7への色素の吸着を抑制することができる。
シリカ重合体の表面官能基におけるアルキル基の割合は40〜90モル%の範囲であることが好ましい。この範囲とすることで、透明導電性緻密層7に対して十分な疎水性を付与することができる。
シリカ重合体の分子量は特に限定されないが、ポリエステル換算での重量平均分子量が1000〜4000の範囲であることが好ましく、1000〜2000であることがより好ましい。当該範囲にあることで、シリカ重合体を含むペーストを用いて層を形成した場合に、その含有効果を良好に発揮することができる。
また、ペースト中のシリカ重合体の含有割合は、焼成後のSiO2の重量として、導電性酸化物100質量部に対し0.1〜100質量部であることが好ましい。当該範囲にあることで、透明導電性緻密層7を均一な膜として形成することが可能で、透明導電性緻密層7の透明性を良好に維持することができる。
透明導電性緻密層7の厚さは、0.03〜100μmであることが好ましく、0.10〜10μmであることがより好ましい。0.03μm以上であるとピンホール等を抑制することができる。100μm以下であると抵抗成分が低くなるため、電池特性の低下を抑えることができる。
図1に示すタンデム型色素増感太陽電池では、透明基板1側から太陽光が入射すると、第1の半導体層4に吸着している色素と第2の半導体層9に吸着した色素にそれぞれに応じた光が吸収されることによって電子を生成する。生成された電子は、第1の半導体と第2の半導体それぞれに注入される。第1の半導体に注入された電子は、透明導電層2を通して外部回路に取り出される。一方、第2の半導体に注入された電子は、透明導電性緻密層7を通じて透明触媒層6に達し、電解質15を通して励起された第1の半導体層4の励起された色素へ電子を補償される。一方、外部回路を通った後、導電層12、触媒層11、電解質15を通して第2の半導体層9の励起された色素へ電子が補償され、電池内反応として連続的に反応することが可能となる。
なお、電解質15は第1及び第2のそれぞれの層で別の組成であってもよい。
以下、各層や材料の詳細について説明する。
まず、透明導電性基板3は、透明基板1と透明導電層2とからなる。透明基板1は、石英ガラスなどの透明ガラス基板、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンフタレート(PET)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、フェノキシ樹脂等からなる可撓性フィルムから構成することができる。
透明導電層2としては、上述したITOの他、酸化錫にフッ素をドープした複合酸化物(FTO)や、酸化錫にアンチモンをドープした複合酸化物(ATO)、酸化亜鉛にアルミニウムをドープした複合酸化物(AZO)などを挙げることができる。
透明触媒層6及び触媒層11は、Pt、Au、Ru、Os、Ti、Ni、Cr、Cu、Ag、Pd、In、Zn、Mo、Al、Ir、CoおよびCからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素(これらの単体、合金あるいは化合物)とすることができる。
透明導電層2の導電性は、10Ω/□以下であり、光の透過率が85%以上にすることが好ましい。
第1の半導体多孔質層4に用いられる半導体は従来知られている酸化物半導体でよく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ニオブ等が挙げられる。これらの粒径は、1〜100nmであることが好ましく、5〜50nmであることがより好ましい。また、第2の半導体多孔質層9は第1の半導体多孔質層と同じくn型半導体でよく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ニオブ等を用いることができる。
これらの層の厚さは、1〜30μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。
色素は後述の各層を形成した後に多孔質半導体に吸着させるが、当該色素は既存に知られている増感作用を示すものであれば特に制限はない。
例えば、ローダミンB、ローズベンガル、エオシン、エリスロシン等のキサンテン系色素、キノシアニン、クリプトシアニン等のシアニン系色素、フェノサフラニン、カブリブルー、チオシン、メチレンブルー等の塩基性染料、クロロフィル、亜鉛ポルフィリン、マグネシウムポルフィリン等のポルフィリン系化合物、その他アゾ色素、フタロシアニン化合物、クマリン系化合物、メロシアニン系化合物、Ruビピリジン錯化合物、アントラキノン系色素、多環キノン系色素等が挙げられる。この中でも、Ruビピリジン錯化合物は量子収率が高く特に好ましいが、これに限定されるものではなく、単独もしくは2種類以上混合して用いることができる。
なお、色素の吸着方法としては、各層を形成した後で色素を含有する溶液に含浸すればよい。
透明性多孔質絶縁層5は、上述したように表面官能基の少なくとも一部がアルキル基で置換されてなるシリカ重合体が3次元的に結合した多孔性絶縁膜から構成される。
透明性多孔質絶縁層5の厚さは、0.03〜100μmであることが好ましく、0.10〜10μmであることがより好ましい。0.03μm以上であるとピンホール等を抑制することができる。100μm以下であると多孔質中の電解液抵抗成分が低くなるため、電池特性の低下を抑えることができる。
多孔質絶縁層10は、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどから構成することができる。多孔質絶縁層10の厚さは、0.03〜100μmであることが好ましく、0.10〜10μmであることがより好ましい。0.03μm以上であるとピンホール等を抑制することができる。100μm以下であると多孔質中の電解液抵抗成分が低くなるため、電池特性の低下を抑えることができる。
導電層12は、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、チタン及びカーボンなどから構成することができる。この材料については電解液に腐食性を有する場合には耐腐食性を有する材料が好ましい。導電層12の導電性は、10Ω/□以下にすることが好ましい。
また、封止材13は、熱硬化性樹脂、ガラス等から構成することができる。封止材13は、素子全体を覆うことが望ましい。
絶縁性緻密層14は、透明導電性緻密層7を形成する際に用いたペースト内容物のうち、導電性材料を絶縁性材料に変化させることによって得ることができる。絶縁性緻密層14は、透明触媒層6、透明導電性緻密層7、透明導電層8、第2の半導体多孔質層9、多孔質絶縁層10、触媒層11、導電層12を積層した厚みおよび封止材に到達するまでの厚さの総和以上が必要となる。
電解質15は、ヨウ素と金属ヨウ化物もしくは有機ヨウ化物との組み合わせ、臭素と金属臭化物あるいは有機臭化物との組み合わせのほか、フェロシアン酸塩/フェリシアン酸塩やフェロセン/フェリシニウムイオンなどの金属錯体、ビピリジン、ターピリジンを含む各種ピリジン系の金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール/アルキルジスルフィドなどのイオウ化合物、ビオロゲン色素、ヒドロキノン/キノン等を用いることができる。
次に、本発明のタンデム型色素増感太陽電池の製造方法について説明する。当該タンデム型色素増感太陽電池は、透明基板上に透明導電層が形成された透明導電性基板の透明導電層上に、多孔質半導体からなる第1の半導体多孔質層と、透明多孔質絶縁層と、透明触媒層と、透明導電性緻密層と、第2の半導体多孔質層とをこの順にそれぞれ印刷法にて形成して製造される。
印刷法としては、各層を構成する材料のペースト組成物を例えば、スクリーン印刷する方法が挙げられる。印刷後は、大気圧下で450〜550℃、30〜60分間加熱処理を施すことで、有機物を除去する。
なお、スクリーン印刷を採用する場合は、スクリーン版のメッシュを変えることで各層の厚みを制御することができる。
ここでペースト組成物に樹脂などの重合物(有機物)を除去した際に、空隙を形成することがある。この重合物の分子量を変化させることで、多孔質体の細孔径をコントロールすることができる。一方、緻密膜を得る場合には、重合物を極力添加しないことが必要となる。そのため、粘度調整剤としてテルペン系溶剤を添加することが好ましい。テルペン系溶剤は、低多量体であるモノテルペン系化合物、セスキテルペン系化合物及びそれらの誘導体の中から選ばれる少なくとも一種が用いられる。
モノテルペン系化合物としては、非環式テルペンとして、例えばシトロネロール、ロジノール、ゲラニオール、リナロール、ジヒドロリナロール、ミルセノールなどが挙げられ、2環式テルペンとして、例えばミルテノール、ピノカルベオール、ボルネオール、イソボルネオールなどが挙げられ、誘導体として、例えばイソボルニルシクロヘキサノールなどが挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ペーストの作製)
図1に示すタンデム型色素増感太陽電池を作製するため、主な層を形成するためのペーストを下記のようにして作製した。
(a)第1及び第2の半導体多孔質層用ペースト
酸化チタンのナノ粒子(粒径:5〜30nm)が25質量%、エチルセルロースが5質量%、ターピネオールが70質量%の割合となるように混合した第1及び第2の半導体多孔質層用ペーストを作製した。
なお、使用したナノ粒子は事前にビーズミル分散の工程を経て高分散状態にした後ペースト化している。ペーストを印刷し焼成した後に形成された膜が透光性を有していることも確認している。
(b)透明多孔質絶縁層用ペースト(多孔質絶縁層用ペースト)
まず、テトラメトキシシラン12.67質量部、エタノール50質量部に氷冷中で混合攪拌し、別に氷冷していた1規定硝酸4.16質量部と純水24.5質量部の混合液を氷冷中で10分間混ぜ合わせた後、60℃にて2.5時間攪拌し、シリカ重合体(分子量:1000〜4000)を作製した。この後、トリメチルメトキシシランを8.67質量部添加して10分間加熱攪拌し、シリカ重合体の表面のSiの水素をメチル基で置換した。過度に置換するとバインダーとしての機能が損なわれるために、その後、室温まで放冷し低温条件で12時間反応させ、トリメチルシリコン部分置換シリカ重合体を得た。
その後、ペースト中に残存すると塗布性劣化の原因につながる未反応トリメチルメトキシシランおよびその2両体等を除去するため、エバポレータを用いて精製した。
次いで、十分にトリメチルシリコン置換されていない水溶性のシリカ重合体と触媒として添加していた硝酸を除去するために、純水を添加後、固液分離した。純水を添加した際に、十分に置換されているシリカ重合体は全体として疎水性になっているために、置換されていないシリカ重合体と分離することができる。触媒である硝酸は純水に溶けている状態であるから、未置換シリカ重合体および硝酸を除去することが可能となり、これを繰り返すことで置換したシリカ重合体のみに精製することが可能となる。
なお、得られた置換シリカ重合体を、核磁気共鳴測定装置(NMR)を用いてSiのスピン状態を検討した結果、反応可能な水酸基の41.3%がトリメチルシリコン基で置換されていることが分かった。残りの58.7%が加熱焼成時に縮合に寄与し、構造体の強度を向上させる。つまり、表面官能基におけるメチル基の割合は67.6%であり、32.4%が重合体同士を結合させるために使われる反応可能な水酸基となる。
次いで、上述のようにして得たトリメチルシリコン部分置換シリカ重合体をSiO2換算で1重量%、粒径100nmのSiO2を20重量%、エチルセルロースを5重量%及びα−テルピオネールを75重量%の割合となるように配合し、透明多孔質絶縁層用ペースト(多孔質絶縁層用ペースト)を作製した。
(c)透明触媒層用ペースト
粒径20nm以下のインジウムドープ酸化錫にPtナノ粒子コロイド(粒径:1〜5nm)をITOに対して5質量%添加した透明触媒層用ペースト(インジウムドープ酸化錫:10質量% 分散媒:α−テルピオネール)を作製した。
(d)透明導電性緻密層用ペースト
既述のトリメチルシリコン部分置換シリカ重合体をSiO2換算で15質量%とし、SiO2粒子の替わりにITO(粒径10〜30nm)を用い、エチルセルロースの代わりにモノテルペン誘導体であるイソボルニルシクロヘキサノールを添加した以外は「透明多孔質絶縁層用ペースト」と同様にして透明導電性緻密層用ペーストを作製した。
(e)透明導電層用ペースト
粒径20nm以下のインジウムドープ酸化錫を含有する透明導電層用ペースト(インジウムドープ酸化錫:20質量% 分散媒:α−テルピオネール)を作製した。
(f)触媒層用ペースト及び導電層用ペースト
導電性高分子(PEDOT−PSS)をカーボン重量に対して30wt%含有する市販カーボンペースト(フジクラ社製 ドータイト)を触媒層用ペースト及び導電層用ペーストとして用いた。
(g)絶縁緻密膜層用ペースト
エチルセルロースの代わりにモノテルペン誘導体であるイソボルニルシクロヘキサノールを添加した以外は「透明多孔質絶縁層用ペースト」と同様にして絶縁性緻密膜層用ペーストを作製した。
(タンデム型色素増感太陽電池の作製及び評価)
透明導電性ガラス基板(ガラス基板の厚さ:1mm、透明導電層:FTOで厚さ:100μm)に、第1の半導体多孔質層用ペーストをスクリーン印刷し、500℃で焼成して第1の半導体多孔質層4(厚さ:7μm)を形成した。その後、透明多孔質絶縁層用ペーストを第1の半導体多孔質層4上にスクリーン印刷し、120℃で乾燥して透明多孔質絶縁層5(厚さ:2μm)を形成した。その上に電解質の酸化還元触媒を含有する透明触媒層用ペーストをスクリーン印刷し、500℃で乾燥して透明触媒層6(厚さ:1μm)を形成した。絶縁性緻密層用ペーストを用いて隔壁を設けるようスクリーン印刷し、500℃で乾燥して絶縁性緻密層14(厚さ:10μm)を形成した。
次いで、透明導電性緻密層用ペーストを、透明触媒層6及び絶縁性緻密層14の上端面にスクリーン印刷し、500℃で焼成して透明導電性緻密層7(厚さ:3μm)を形成した。透明導電性緻密層7上に透明導電層用ペーストをスクリーン印刷し、500℃で焼成して透明導電層8(厚さ:2μm)を形成した。この透明導電層8上に第2の半導体多孔質層用ペーストをスクリーン印刷し、500℃で乾燥して第2の半導体多孔質層9(厚さ:7μm)を形成した。
絶縁性緻密層14の外側、透明導電性緻密層7と透明導電層8と半導体多孔質層9との積層部の一側面部、及び第2の半導体多孔質層9の上部を覆うように多孔質絶縁層用ペーストをスクリーン印刷し、500℃で焼成して多孔質絶縁層10(厚さ:3μm)を形成した。透明触媒層6と透明導電性緻密層7と透明導電層8と半導体多孔質層9と多孔質絶縁層10とからなる積層部の一側面部に、絶縁性緻密層用ペーストをスクリーン印刷し、500℃で焼成して絶縁性緻密層14形成した。
多孔質絶縁層10の上部に触媒層用ペーストをスクリーン印刷し、120℃で乾燥して触媒層11(厚さ:3μm)を形成した。多孔質絶縁層10の外側、及び触媒層11を覆うように導電層用ペーストをスクリーン印刷し、120℃で乾燥して導電層12(厚さ:12μm)を形成した。なお、触媒層11および導電層12は多孔質性を有していた。このようにして、直列タンデンムセル電極を作製した。
得られた電極をRu金属錯体増感色素(Solarnix社製、Z907Ru)溶液(濃度0.3mmol/L、溶媒:アセトニトリル)に18時間浸漬させて第1の半導体多孔質層用ペーストに色素を吸着させ、電解液注入口を備えてなるカバーガラスと熱硬化性樹脂(組成:アイオノマー樹脂)を封止材13として用いることで図1に示すように封止処理を行なった。ヨウ素電解液を注入口より入れ最後に注入口を封じることでタンデム・モノリシック型色素増感太陽電池を作製した。
作製した太陽電池について光電変換特性を測定した結果、Vocが1.15Vと単セル時の0.72Vよりも大幅に向上していることが分かった。これはセル内で光電変換層が透明絶縁性多孔質層、触媒層、透明導電緻密層を介して直列に接合していることを示している。
また、実施例に係るタンデム型色素増感太陽電池は、使用する基板の枚数は1枚だけであるため、太陽電池のコストの低減化を実現することができる。さらに、各層の形成を印刷法により行なうことができるため、生産性が高く実用的であるといえる。
1・・・透明基板
2・・・透明導電層
3・・・透明導電性基板
4・・・第1の半導体多孔質層/第1の増感色素
5・・・透明性多孔質絶縁層
6・・・透明触媒層
7・・・透明導電性緻密層
8・・・透明導電層
9・・・第2の半導体多孔質層/第2の増感色素
10・・・多孔質絶縁層
11・・・触媒層
12・・・導電層
13・・・封止材
14・・・絶縁性緻密層
15・・・電解質

Claims (3)

  1. 透明基板上に透明導電層が形成された透明導電性基板と、前記透明導電層上に、色素が吸着した多孔質半導体からなる第1の半導体多孔質層及び第2の半導体多孔質層とを有し、
    第1の半導体多孔質層と第2の半導体多孔質層との間に、透明多孔質絶縁層、透明触媒層、及び透明導電性緻密層が前記第1の半導体多孔質層側からこの順で形成されてなり、少なくともこれらの層を囲繞するように封止材が設けられてなり、該封止材の内側に電解質が注入されてなるタンデム型色素増感太陽電池であって、
    前記透明導電性緻密層がインジウムドープ酸化錫(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、及びアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)からなる群から選択される導電性酸化物からなり、かつ前記色素の吸着を阻害する疎水処理が施されてなるタンデム型色素増感太陽電池。
  2. 前記第1の半導体多孔質層、前記透明多孔質絶縁層、前記透明触媒層、前記透明導電性緻密層及び前記第2の半導体多孔質層が塗布により形成されてなる請求項1に記載のタンデム型色素増感太陽電池。
  3. 請求項1に記載のタンデム型色素増感太陽電池であって、
    透明基板上に透明導電層が形成された透明導電性基板の前記透明導電層上に、多孔質半導体からなる第1の半導体多孔質層と、透明多孔質絶縁層と、透明触媒層と、透明導電性緻密層と、第2の半導体多孔質層とをこの順にそれぞれ印刷法にて形成するタンデム型色素増感太陽電池の製造方法。
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