JP4966340B2 - 媒体処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動改札装置として適用される媒体処理装置に関する。
近年、鉄道等の交通機関の駅には、乗車券媒体の自動改札処理をする自動改札装置が設置されている。自動改札装置では、投入された媒体に記録されている磁気等の情報を読み取り、通過の可否を判断するとともに、必要に応じて媒体に穿孔し、或いは、印刷等の処理を施すようにしている。
通行の判断が不適であれば、自動改札装置の扉を閉じて通行を阻止するとともに、表示パネルや音声案内等により利用者に注意を促している。
この自動改札装置では、媒体に対して情報処理を施すための磁気ヘッドをローラ或いはベルト等からなる搬送経路に取付けている。磁気ヘッドは媒体が磁気ヘッドを通過する際の磁界変化により磁気情報を読取り、また、情報書込磁界を制御することにより、媒体に情報を書き込むようにしている。
媒体に対し良好に磁気情報処理するには、磁気ヘッドのコアを媒体に密着させる必要がある。このため、磁気ヘッドに対し搬送経路を介して媒体の搬送速度と同速度の周速度で回転するゴムローラを取付け、磁気ヘッドとゴムローラとの間に媒体の厚さより狭い隙間を形成し、媒体の通過時に媒体をゴムローラにより押し付けて磁気ヘッドに密着させている。
ところで、上記した磁気ヘッドとゴムローラはベースに直接取付けられている。
しかしながら、上記した取付け方式では磁気ヘッドとゴムローラとの間の隙間調整をする場合には、ベースに取付けた磁気ヘッドまたは、ゴムローラを直接搬送経路と垂直方向に位置調整しなければならない。このため、磁気ヘッドとゴムローラをその隙間調整を予め完了したユニットとして自動改札装置内に組み込むことができず、保守工程が増えてしまうという問題があった。
また、磁気ヘッドとゴムローラとの間の隙間を媒体が通過する時には、媒体の厚さより狭い隙間を媒体が通過するため、ゴムローラに荷重がかかり、撓みが発生する。この場合、磁気ヘッドとゴムローラのベース側の固定部から遠い部位程、変形量が大きく、媒体の進行方向の左右位置でのヘッドコアとの密着度合いが変わる。このため、磁気の読取出力等に差が発生し、磁気処理に不具合が発生していた。
そこで、磁気ヘッドとゴムローラを予め支持部材により支持し、この支持部材により支持された磁気ヘッドとゴムローラをベースに固定する方式が考えられている。
この方式は、予め、磁気ヘッドとゴムローラとの間の隙間を予め調整したものを自動改札装置内に取付けることができるため、保守工数の削減が可能となった。
しかしながら、この方式でも、磁気ヘッドとゴムローラとの間の隙間を媒体が通過するときは、磁気ヘッドとゴムローラの支持部材から遠い部位程、変形量が大きく、媒体の進行方向の左右位置でのヘッドコアとの密着度合いが変わる。このため、上記した方式と同様に磁気の読取出力等に差が発生し、磁気処理に不具合が発生していた。
一方、自動改札装置には、媒体に穿孔するためのパンチ装置が備えられている。媒体の穿孔は利用情報を告知するために行われるもので、媒体のように固定した位置に穿孔する場合と、SF券のように任意の場所に穿孔する場合がある。
任意の位置に穿孔する場合、パンチ精度を確保するため、従来は複数のストッパを設け、媒体を複数の特定の場所に停止させて穿孔する方法、または、媒体の搬送をモータ制御により任意の位置に制御して穿孔する方法などがある。
しかしながら、複数のストッパを設けて必要な位置に媒体を停止させて穿孔する方式では、構造、制御が複雑になるという問題があった。
また、モータ制御だけで任意の位置に媒体を停止させる方式では、構造、制御は簡素化できたが、早い搬送速度で搬送している媒体をパンチするために停止するためには、媒体停止までの搬送距離が長く必要となり、装置を小型化とすることが困難であった。
自動改札機の搬送部の寸法は、駅の設置環境、人間の動作速度等から一定の長さに規定され、媒体を減速するための長い搬送路を形成することは困難であった。
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、長い搬送路を必要とすることなく、媒体の搬送速度を減速させて穿孔位置に停止でき、小型化を図ることができるようにした媒体処理装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、一定位置に穿孔される第1の媒体及び任意の位置に穿孔される第2の媒体を搬送する搬送手段と、磁気ヘッドとこの磁気ヘッドに前記媒体の厚さより狭い隙間を存して対向するローラを有し、前記搬送手段によって搬送される第1或いは第2の媒体を前記磁気ヘッドとローラとの間の隙間に通過させて磁気処理を施す磁気処理部と、この磁気処理部で磁気処理された第1或いは第2の媒体に穿孔する穿孔手段と、この穿孔手段により穿孔された前記第1或いは第2の媒体に情報を印刷する印刷手段と、前記搬送手段によって搬送される第1の媒体を当接させることにより前記穿孔手段に対向する穿孔位置に停止させる第1のストッパと、この第1のストッパで前記第1の媒体が停止されたのち、前記第1の媒体が前記印刷手段での印刷が可能となる速度まで前記搬送手段の搬送速度を減速させる第1の制御手段と、この第1のストッパの媒体搬送方向上流側に設けられ、前記搬送手段によって搬送される第2の媒体を当接させて停止させる第2のストッパと、この第2のストッパで前記第2の媒体が停止されたのち、前記第2の媒体が前記穿孔手段に対向する穿孔位置で停止可能な速度になるまで前記搬送手段の搬送速度を減速させる第2の制御手段とを具備する。
請求項2記載の発明は、一定位置に穿孔される第1の媒体及び任意の位置に穿孔される第2の媒体を搬送ベルトにより挟持して搬送する搬送手段と、磁気ヘッドとこの磁気ヘッドに前記媒体の厚さより狭い隙間を存して対向するローラを有し、前記搬送手段によって搬送される第1或いは第2の媒体を前記磁気ヘッドとローラとの間の隙間に通過させて磁気処理を施す磁気処理部と、この磁気処理部で磁気処理された第1或いは第2の媒体に穿孔する穿孔手段と、この穿孔手段により穿孔された前記第1或いは第2の媒体に情報を印刷する印刷手段と、前記搬送手段によって搬送される第1の媒体を当接させることにより前記穿孔手段に対向する穿孔位置に停止させる第1のストッパと、この第1のストッパで前記第1の媒体が停止されたのち、前記第1の媒体が前記印刷手段での印刷が可能となる速度まで前記搬送手段の搬送速度を減速させる第1の制御手段と、この第1のストッパの媒体搬送方向上流側に設けられ、前記搬送手段によって搬送される第2の媒体を当接させて停止させる第2のストッパと、この第2のストッパで前記第2の媒体が停止されたのち、前記第2の媒体が前記穿孔手段に対向する穿孔位置で停止可能な速度になるまで前記搬送手段の搬送速度を減速させる第2の制御手段と、前記搬送手段の搬送ベルトが前記穿孔手段で穿孔しない媒体を挟持搬送する場合、或いは第1及び第2のストッパで停止された媒体を再度、挟持搬送する場合、前記搬送ベルトを押圧してその媒体挟持力を高める押圧手段とを具備する。
本発明によれば、長い搬送路を必要とすることなく、媒体の搬送速度を減速させて穿孔位置に停止でき、小型化を図ることができる。
この発明の一実施の形態である自動改札装置を示す斜視図。 自動改札装置の内部構成を示す概略的構成図。 自動改札装置の制御系を示すブロック図。 磁気処理部を示す斜視図。 磁気処理部を示す正断面図。 磁気処理部を示す側断面図。 支軸とベースの係合孔との係合状態を示す図。 撮み部の係合状態を示す図。 パンチ装置を示す構成図。 パンチ装置の制御系を示すブロック図。 媒体の処理動作を示すタイミングチャート図。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
以下、この発明を図面に示す一実施の形態を参照して詳細に説明する。
図1は、媒体処理装置としての自動改札装置を示す概略図である。
自動改札装置の本体10には、駅構内への入場時または駅構内からの出場時に乗車券媒体が投入される投入口12と、この投入口12で受入れられた乗車券媒体を排出する排出口14とがそれぞれ設けられている。
投入口12の近傍には、乗車券媒体の投入を阻止するためのシャッタ(図2参照)が設けられている。このシャッタは、乗車券媒体が投入されてから所定時間後に他の乗車券媒体の投入を所定期間禁止する。このシャッタの働きにより、引き続く利用者により別の乗車券媒体が連続して投入されるのを防ぐ。
投入口12の前方には、利用者に対して種々の案内を表示する投入口側表示部16が設けられている。この投入口側表示部16は、例えば、プリペイドカード等の残額を表示する。
排出口14の前方には、利用者に対して種々の案内を表示する排出口側表示部18が設けられている。
自動改札装置2の本体10の側面部には、閉じることにより乗車券媒体の投入者の通行を阻止するドア部20が設けられている。
自動改札装置2の本体10の上部には、自動改札装置本体10に対応する通路を区分する仕切となるフレーム22が設けられている。このフレーム22には、小児券の投入、無効券(後述)または異常券(後述)が投入されたこと、および機器の異常を知らせるための表示器26が設けられている。
本体10の側面部とフレーム22には、利用者が通過したことおよび通過中の動作を検知する検知センサ24が複数設けられている。検知センサ24は、利用者の通過を検知するものであり、例えば透過型や反射型等が用いられる。
磁気シートである乗車券媒体は、普通乗車券、定期券、特急券、回数券、乗継券等の媒体とプリペイドカード等のシート状のカード類とに分類される。このような乗車券媒体には所定の情報、例えば有効期限情報および乗車可能区間情報が所定の形式で磁気記録されている。
また、これらの乗車券媒体は、発券される際に、その表面または裏面に発券駅名、発券日時、有効期限等の情報が印刷される。なお、上述した乗車券媒体の中には、自動改札装置を通過する際、すなわち、利用者により自動改札装置に投入され、所定の処理が施されて排出される際に、例えば、入場記録(乗車駅情報)等の所定情報が(自動改札装置2内で)印刷されるものがある。すなわち、プリペイドカードに代表される料金一括先払い方式の乗車券媒体には、自動改札装置により、使用日時、自動改札装置を通過した駅名、プリペイドカードの残額等の情報が印刷される。また、回数券には、使用日時、改札処理時に自動改札装置を通過した駅名等の情報が印刷される。また、乗継券には、乗継時に自動改札装置を通過した乗継駅の駅名、途中下車際入場可能な旨のメッセージ等の情報が印刷される。
なお、無効券とは、他の乗車券媒体と組み合わせても使用できない券のことであり、例えば、有効期限切れの乗車券媒体がこれに該当する。また、異常券とは、自動改札装置で読み取ることができない券であり、例えば、記録形式の異なるクレジットカード、磁気記録が施されていない乗車券がこれに該当する。
図2は、図1に示した自動改札装置2の内部機構を示す概略図である。
投入口12の下流側近傍には、所定期間の間、引き続く利用者からの投入口12への新たな乗車券媒体の投入を禁止するシャッタ28及び乗車券媒体の投入を検知するセンサ57が設けられている。シャッタ28の下流側には乗車券媒体を一枚ずつ分離するための分離機構30が設けられている。分離機構30と排出口14との間には、分離機構30により分離された乗車券媒体を排出口14に搬送する主搬送路32が形成されている。
主搬送路32には、乗車券媒体を搬送する搬送手段として機能する複数の搬送ローラおよび搬送ベルトが配置されている。なお、搬送ローラおよび搬送ベルトは、後述するメインモータ59によって駆動される。主搬送路32には、分離機構30により1枚ずつに分離されて主搬送路32に沿って搬送される乗車券媒体を整列する整列部34が設けられている。整列部34は、投入口12に投入された乗車券媒体の所定方向を搬送方向とし、かつ任意の辺を基準として乗車券媒体を整列させる。
整列部34の下流側には、乗車券媒体が、乗車券媒体の入場駅情報や料金情報等が印刷処理される表面を上に向けて、または表面が下に向いた状態のいづれの状態で投入された場合であっても記録されている磁気情報を読み取るための磁気処理部を構成する第1および第2(主搬送路32を挟む一対)の読取ヘッド36a,36bが主搬送路32に沿って設けられている。すなわち、乗車券媒体が表面投入された場合には乗車券媒体の磁気記録部が主搬送路32の下を向くため、主搬送路32の下方に設けられた読取ヘッド36bによって磁気情報が読み取られる。また、乗車券媒体が裏面投入された場合には、乗車券媒体の磁気記録部が主搬送路32の上を向くため、主搬送路32の上方に設けられた読取ヘッド36aによって磁気情報が読み取られる。
読取ヘッド36aおよび36bの下流側には、後段に設けられる1組の印字ヘッドによる所定事項の書き込みを可能とするために搬送路32により搬送されている乗車券媒体の表裏を揃えるために利用される反転部38を含み、複数枚の組み合わせによる乗車券媒体の有効性、例えば、乗車可能区間が連続しているか否かをチェックするために、投入口12(分離機構30)に投入された全ての乗車券媒体を一時的に保留する第1保留部38aが設けられている。
第1保留部38aの下流側には、第1保留部38aから放出された乗車券媒体の裏面に設けられている磁気記録領域に所定の磁気情報を記録する磁気処理部を構成する書込ヘッド40、書込ヘッド40で記録された情報を確認する読取ヘッド42、乗車券媒体に穴を開けるパンチ装置46、乗車券媒体に乗車駅名等を印刷する熱転写式の印刷手段としてのサーマルヘッド44等が順に配置されている。
主搬送路32のさらに下流側には、排出口14に向けて搬送される乗車券媒体を一括して排出口14に排出するために、主搬送路32を搬送される全ての乗車券媒体を一時的に保持する第2保留部48が設けられている。
なお、第2保留部48には、詳述しない保留部、振分ゲート80、券検知センサ等が設けられ、排出口14に排出すべき全ての乗車券媒体が一時的に保留される一方で、回収すべき、例えば普通乗車券あるいは回数乗車券等は、後段に引き続く詳述しない回収部への搬送路50に向けて分岐される。
図3は自動改札装置の制御系を示すブロック図である。
図中55はCPUで、このCPU55には検知回路56を介してセンサ57、搬送制御回路58を介してメインモータ59、通過検知回路61を介して人間検知センサ24がそれぞれ接続されている。
また、CPU55には、ドア制御回路62及びドア開閉機構63を介してドア部20、表示制御回路64を介して表示部16、表示制御回路65を介して表示器26がそれぞれ接続されている。さらに、CPU55には、パンチ処理制御回路66を介してパンチ処理部46、シャッタ制御回路67を介してシャッタ28、一括プール制御回路68を介して一括プール部38aが接続されている。
一方、CPU55にはROM68、RAM69、及び運賃メモリ70が接続されている。また、CPU55には読取回路72を介して読取ヘッド36a(36b)、書込回路73を介して書込ヘッド40、読取回路74を介して読取ヘッド42がそれぞれ接続されている。さらに、CPU55には振分け制御回路76を介して振分けゲート80、サーマルヘッド制御回路77を介してサーマルヘッド44がそれぞれ接続されている。また、CPU55には監視盤インターフェース79を介して監視盤80が接続されている。
図4は上記した磁気処理部を示す斜視図で、図4はその縦断正面図、図5はその縦断側面図である。
磁気処理部は全て同様に構成されるため、磁気ヘッド36aを有する磁気処理部について説明する。
磁気処理部は支持部材81を介してベース82に取付けられている。支持部材81は側板部83と天板部84とからなり、磁気ヘッド36aとゴムローラ87が支持されている。磁気ヘッド36aとゴムローラ87との間には媒体の厚さよりも狭い隙間が形成され、この隙間に媒体が通過される。支持部材81の天井部84にはゴムローラ87に対し平行に規制手段としての軸89が挿通され、この軸89はバネ90によりベース82方向に付勢されている。軸89の挿入端側は図7に示すように針状に形成され、ベース82に穿設された係合孔91内に挿入されている。この軸89とベース82の係合孔91との係合により、磁気ヘッド36aとゴムローラ87との間の隙間に媒体が通過してゴムローラ87が押し上げれても撓むことがないように規制されるようになっている。
ゴムローラ87はコ字状をなす保持部93に保持軸94を介してベアリング支持されている。コ字状の保持部93は支軸95を介して支持部材81の天井部84に回動自在に支持されている。
保持軸94の一端部は支持部材81の側板83から突出され、この突出部にはその軸方向にスライド自在に撮み部97が取付けられている。撮み部97の内部にはバネ98が設けられ、このバネ98により、撮み部97はゴムローラ87の方向に付勢されている。撮み部97の端部には図8に示すように山形の切欠部100が形成されている。支持部材81の側板部83には山形の突起部99が突設され、この突起部99は撮み部97の切欠部100に嵌め込まれている。
撮み部97をバネ98の付勢力に抗して引出すと、撮み部97の端部の切欠部100が側板部83の突起部99から離脱し、この状態から撮み部97を矢印方向に移動させると、ゴムローラ87が支軸95を中心にして回動し、磁気ヘッド36aに対向する第1の位置から対向しない第2の位置に退避される。
一方、支軸95はバネ材101,101により下方に付勢され、この付勢によりゴムローラ87が磁気ヘッド86に向って付勢されるようになっている。支軸95の両端部は保持レバー103により保持されている。保持レバー103の一端側は支軸ピン104により回動自在に支持され、他端側は調整ネジ105により支持されている。これにより、ゴムローラ87の保持部93は吊り下げられた構造をなしている。この構造により、ゴムローラ87は常に、磁気ヘッド86方向に付勢され、保持部93で磁気ヘッド86とゴムローラ87間の隙間寸法を任意に調整することが可能となる。
また、磁気ヘッド86とゴムローラ87との間にバネ101,101で支持された力より大きな荷重がかかった場合には、磁気ヘッド86とゴムローラ87との間の隙間が開く方向にゴムローラ87が移動し、噛み込みなどの故障を防ぐことができるようになっている。
図9はパンチ装置46を詳細に示すもので、磁気処理部及び印刷部に対し直列に配置されている。
パンチ装置46は媒体を穿孔するパンチ部107及びこのパンチ部107に媒体を挟持搬送する上下部の搬送ベルト108,109を備えている。
パンチ部107の下方部には媒体を停止させてパンチ部107に対向させる第1のストッパとしてのパンチストッパ111が設けられ、このパンチストッパ111の媒体搬送方向上流側には媒体を停止させる第2のストッパとしての減速ストッパ112が設けられている。減速ストッパ112の上部側には上下動自在に押圧手段としてのグリップローラ115が設けられ、グリップローラ115により上下部の搬送ベルト108,109の挟持力が高められるようになっている。
また、主搬送路32中には磁気処理された媒体のベリファイ後の媒体を検知するベリファイ後検知センサ117、媒体のパンチ前の位置を検知するパンチ前位置センサ118、パンチ後の媒体を検知するパンチ後検知センサ119、印刷前の媒体を検知する印刷前検知センサ120が配設されている。
図10はパンチ装置46の制御系を示すブロック図、図11はそのタイミングチャート図である。
図中122は制御手段で、この制御手段122に信号路を介して磁気ベリファイ後検知センサ117、パンチ前検知センサ118、パンチ後検知センサ119及び印刷前検知センサ120が接続されている。また、制御手段122には制御回路を介して搬送ベルト108,109の駆動モータ123、パンチストッパ111の第1の駆動ソレノイド125、減速ストッパ112の第2の駆動ソレノイド126が接続されている。
さらに、制御手段122には制御回路を介してサーマルヘッド44の第3の駆動ソレノイド127及びパンチ部107が接続されている。
次に、媒体に対するパンチ動作について説明する。
(1)普通乗車券等のエドモンソン券にパンチする場合について説明する。
普通乗車券が駆動モータ123により通常の速度で走行される搬送ベルト108,109の走行により挟持搬送され、パンチ前検知センサ118により検知されると、制御手段122により、第1の駆動ソレノイド125を励磁される。この励磁によりパンチストッパ111が動作されて搬送路32中に突出される。これにより、普通乗車券はパンチストッパ111に当接して上下部の搬送ベルト108,109間で滑ることにより停止される。この停止後、パンチ部107が動作されて普通乗車券を穿孔する。普通乗車券に対する穿孔後、搬送ベルト108,109の走行速度を印刷可能な速度まで減速し、しかるのち、第1の駆動ソレノイド125を消磁してパンチストッパ111を搬送路32から退避させる。これにより、普通乗車券が搬送されてパンチ後検知センサ119により検知されると、サーマルヘッド押圧信号が出され、印刷前検知センサ120により検知されると、所定のタイミングで第3の駆動ソレノイド127が励磁されてサーマルヘッド44が動作されて普通乗車券に押圧され、ついで、サーマルヘッド44が発熱されて印字が行われる。
(2)SFカードを穿孔する場合について説明する。
SFカードが磁気ベリファイ後検知センサ117により検知されると、制御手段122により搬送ベルト108,109が通常の速度で走行されるとともに、第2の駆動ソレノイド126が励磁されて減速ストッパ112が動作されて搬送路32中に突出される。これにより、SFカードは減速ストッパ112に当接して上下部の搬送ベルト108,109間で滑ることにより停止される。この停止後、パンチ位置にSFカードが停止可能となる速度まで搬送ベルト108,109の走行速度を減速させる。この減速により、SFカードがパンチ位置に停止可能な速度に到達したら、第2の駆動ソレノイド125を消磁させて減速ストッパ112を搬送路32から退避させてSFカードを搬送させる。この搬送によりSFカードが所望する任意の位置に達したら停止させ、パンチ部107を動作させてSFカードを穿孔する。この穿孔後、搬送ベルト108,109の走行速度を印刷速度まで加速してSFカードを搬送し、パンチ後検知センサ119により検知されると、サーマルヘッド押圧信号が出され、印刷前検知センサ120により検知されると、所定のタイミングで第3の駆動ソレノイド127が励磁される。これにより、サーマルヘッド44が動作されてSFカードに押圧され、ついで、サーマルヘッド44が発熱されて印字が行われる。
ところで、この実施の形態では、搬送経路が媒体先端をパンチストッパ111、或いは減速ストッパ112に当接させることにより、保留部として機能されるため、搬送ベルト108,109で媒体を挟持する力を強くできない。
しかし、媒体を搬送する場合、つまり、パンチ処理をしない媒体、或いは、パンチのために保留した媒体を再度、搬送させる場合には、搬送ベルト108,109と媒体との間の挟持力を確保する必要がある。
そこで、この実施の形態では、減速ストッパ112の上流側にグリップローラ115を設け、このグリップローラ115により、搬送ベルト108,109を押圧することにより、媒体の搬送力を確保するようにしている。グリップローラ115は専用のアクチュエータで動作される。
上記したように、この実施の形態によれば、磁気ヘッド36aとゴムローラ87との間を媒体が通過する際、ゴムローラ87の一端側が磁気ヘッド36aから離間する方向へ撓むことを規制する規制軸89を備えるから、磁気ヘッド36aとゴムローラ87との間の隙間寸法の変化を極力抑えることができ、磁気処理を良好に行うことができる。
また、ゴムローラ87を磁気ヘッド36aに向って弾性的に付勢する逃がし手段としてのバネ材101,101を有し、磁気ヘッド36aとゴムローラ87との間に導入される媒体の厚さに応じてバネ材101,101の付勢力に抗してローラ87を磁気ヘッド36aから離間する方向へ逃がすから、磁気ヘッド36aとゴムローラ87との間に媒体を噛み込んでしまうことを防止することができる。
また、ゴムローラ87を磁気ヘッド36aに対向する第1の位置と磁気ヘッド36aに対向しない第2の位置との間で移動自在に支持する支軸95を備えるから、清掃等の点検時等にはゴムローラ87を第2の位置に移動させて退避でき、作業性を向上させることができる。
また、減速ストッパ112で普通乗車券を停止させて、普通乗車券が穿孔手段に対向する穿孔位置で停止可能な速度になるまで搬送ベルト108,109の搬送速度を減速させるから、短い搬送距離で、所望する穿孔位置に普通乗車券を搬送して停止でき、小型化を図ることができる。
さらに、搬送ベルト108,109を押圧してその媒体挟持力を高めるグリップローラ115を備えるから、搬送ベルト108,109がパンチ部107で穿孔しない媒体を搬送する場合、或いはパンチストッパ111、減速ストッパ112で停止された媒体を再度搬送する場合等には、媒体を確実に搬送することができる。
32…主搬送路、36a…磁気ヘッド(磁気処理部)、44…印刷ヘッド(印刷手段)、46…パンチ装置(穿孔手段)、81…支持部材、82…ベース、87…ゴムローラ
89…軸(規制手段)、90…バネ、91…係合孔、3…保持部、94…保持軸、95…支軸、98…バネ、101…バネ材(付勢部材)、105…調整ネジ(調整手段)、107…パンチ部、108…搬送ベルト(搬送手段)、109…搬送ベルト(搬送手段)、111…パンチストッパ(第1のストッパ)、112…減速ストッパ(第2のストッパ)、
115…グリップローラ(押圧手段)、122…制御手段。

Claims (2)

  1. 一定位置に穿孔される第1の媒体及び任意の位置に穿孔される第2の媒体を搬送する搬送手段と、
    磁気ヘッドとこの磁気ヘッドに前記媒体の厚さより狭い隙間を存して対向するローラを有し、前記搬送手段によって搬送される第1或いは第2の媒体を前記磁気ヘッドとローラとの間の隙間に通過させて磁気処理を施す磁気処理部と、
    この磁気処理部で磁気処理された第1或いは第2の媒体に穿孔する穿孔手段と、
    この穿孔手段により穿孔された前記第1或いは第2の媒体に情報を印刷する印刷手段と、
    前記搬送手段によって搬送される第1の媒体を当接させることにより前記穿孔手段に対向する穿孔位置に停止させる第1のストッパと、
    この第1のストッパで前記第1の媒体が停止されたのち、前記第1の媒体が前記印刷手段での印刷が可能となる速度まで前記搬送手段の搬送速度を減速させる第1の制御手段と、
    この第1のストッパの媒体搬送方向上流側に設けられ、前記搬送手段によって搬送される第2の媒体を当接させて停止させる第2のストッパと、
    この第2のストッパで前記第2の媒体が停止されたのち、前記第2の媒体が前記穿孔手段に対向する穿孔位置で停止可能な速度になるまで前記搬送手段の搬送速度を減速させる第2の制御手段と、
    を具備することを特徴とする媒体処理装置。
  2. 一定位置に穿孔される第1の媒体及び任意の位置に穿孔される第2の媒体を搬送ベルトにより挟持して搬送する搬送手段と、
    磁気ヘッドとこの磁気ヘッドに前記媒体の厚さより狭い隙間を存して対向するローラを有し、前記搬送手段によって搬送される第1或いは第2の媒体を前記磁気ヘッドとローラとの間の隙間に通過させて磁気処理を施す磁気処理部と、
    この磁気処理部で磁気処理された第1或いは第2の媒体に穿孔する穿孔手段と、
    この穿孔手段により穿孔された前記第1或いは第2の媒体に情報を印刷する印刷手段と、
    前記搬送手段によって搬送される第1の媒体を当接させることにより前記穿孔手段に対向する穿孔位置に停止させる第1のストッパと、
    この第1のストッパで前記第1の媒体が停止されたのち、前記第1の媒体が前記印刷手段での印刷が可能となる速度まで前記搬送手段の搬送速度を減速させる第1の制御手段と、
    この第1のストッパの媒体搬送方向上流側に設けられ、前記搬送手段によって搬送される第2の媒体を当接させて停止させる第2のストッパと、
    この第2のストッパで前記第2の媒体が停止されたのち、前記第2の媒体が前記穿孔手段に対向する穿孔位置で停止可能な速度になるまで前記搬送手段の搬送速度を減速させる第2の制御手段と、
    前記搬送手段の搬送ベルトが前記穿孔手段で穿孔しない媒体を挟持搬送する場合、或いは第1及び第2のストッパで停止された媒体を再度、挟持搬送する場合、前記搬送ベルトを押圧してその媒体挟持力を高める押圧手段と、
    を具備することを特徴とする媒体処理装置。
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