JP4960804B2 - インクジェット式画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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本発明は、インクジェット式画像形成装置及び画像形成方法に関する。
最近の画像形成装置には、モータや部分加熱器などの発熱部品が多く用いられており、装置全体又は一部部品の温度が上がりすぎてしまう傾向にある。この為、ほとんどの画像形成装置には、冷却装置が備えられており、装置全体又は一部部品の温度が上がりすぎて使用不能になったり、画像形成機能が低下したりしないように配慮されている。
画像形成装置の冷却装置としては、発熱部品により暖められた装置内の熱い空気をファンを用いて装置外に放出する方法と、装置内の熱い部分にファンを用いて装置外の空気を吹き付ける方法が一般的である。冷却を必要とする部分が装置内に複数あったり、ファンの風量が不十分であったりする場合には、複数のファンを装着したり、ダクトをファンに連結して特定の部分の冷却を実施する装置もある。
例えば、特許文献1においては、電子写真式の画像形成装置(電子写真プリンタと略称する。)に装着されている熱定着器の印刷状態と待機状態における温度を測定して、それぞれ基準温度を超えて上がったり下がったりしたら、冷却ファンの回転停止を制御する冷却ファン制御方法が提案されている。
特許文献2には、電子写真プリンタの運転状態、すなわち記録材のサイズの違いに起因する熱低着用回転体の局部的な温度上昇を防止するため、冷却用の吸気ダクトの吸気領域や吸気量の調整を行う吸熱装置を備えた電子写真プリンタが提案されている。
特許文献3には、ブラックの現像系統とイエロ、シアン、マゼンタの3系統のカラー現像系統の冷却ファンをそれぞれに設けて、白黒印刷のときとカラー印刷のときで冷却部位を変更できる電子写真プリンタが提案されている。この電子写真プリンタにおいては、装置の小型化、低コスト化及び電力消費の低減、騒音の低下などが達成できるとしている。
特許文献4には、複数の冷却部を冷却する複数のファンを備えた画像形成装置用の冷却装置で、それぞれの冷却部とファンの連通状態を切り替えて多様な冷却態様への対応が可能な冷却装置を開示している。この冷却装置を備えた画像形成装置においては、ダクトを具備した隣り合う2つのファンのダクト内に切り替え弁を設け、必要に応じて2つのファンで1つのダクトの吸排気をしたり、1つのファンで2つのダクトの吸排気を実施したりすることで冷却装置のコストや騒音を上げることなく、効率よく画像形成装置の冷却を行うことができる。
特許2781076号公報 特開2000−267495号公報 特開2003−280496号公報 特開2007−17906号公報
上述のように、画像形成装置の冷却には多くの提案がなされている。しかし、画像形成装置が高速化したり、フルカラー化したりすることにより、発熱部品の数や発熱量は増加し、冷却装置も能力アップが図られている。冷却装置の能力アップにつれ、ファンやダクトが大型化したりファンの回転数を上げたりする必要があり、冷却装置のコストアップや騒音の増加という問題があった。
さらに、同じような画像形成装置でも、記録ヘッドからインクを吐出しながら画像形成を行うインクジェット式画像形成装置(インクジェットプリンタと略称する。)では、特有の問題もあった。例えば、インクジェットプリンタ内部の温度、特に記録ヘッド周辺の温度が上昇すると、記録ヘッド内のノズル付近のインクが乾燥してしまい、不吐出や噴射曲がりといった現象が発生することがあった。その対策として、インクジェットプリンタ本体に、冷却用の排気ファンを設け、プリンタの動作開始から停止して待機状態となるまでの間は、排気ファンを連続して稼動しておく方法が知られていた。しかし、インクジェットプリンタの動作中、ファンを連続して稼動する方法では、記録ヘッドの周辺温度が十分に下がる前に、インクジェットプリンタが待機状態に移行してしまった場合、ファンが停止してしまい、記録ヘッド内のノズル付近のインクの乾燥が進んでしまうという問題があった。逆に、必要以上に排気ファンを稼動し続けた場合には、インクジェットプリンタ内部に浮遊しているインクミストをインクジェットプリンタの外部へ排出してしまい、インクジェットプリンタの外壁や設置場所近辺を汚してしまうという問題があった。
本発明の目的は、上記課題を踏まえ、記録ヘッド内のノズル付近のインクの乾燥を防ぎ、且つインクミストの装置外への飛散を抑制するインクジェット式画像形成装置及びインクジェット式の画像形成方法を提供することである。
上記課題を解決するため本発明者は、以下の発明を完成した。
本発明は、画像情報に基づいて記録媒体上に印刷インクを噴射して画像を形成するインクジェット式画像形成装置であって、冷却が成される冷却部位の温度を検出する温度検出手段と、前記冷却部位は少なくとも記録ヘッドと装置本体であり、前記冷却部位毎に冷却する冷却手段と、温度検出手段により検出された冷却部位の温度と所定の設定温度とを比較する比較手段と、比較手段により得られた比較結果に基づいてそれぞれの冷却部位を冷却する冷却手段毎に制御する制御手段とを備えており、前記冷却部位は、少なくとも記録ヘッドを含むことを特徴とするインクジェット式画像形成装置である。
そして、本発明は、前記比較手段は、少なくともひとつの冷却部位に対し複数の設定温度を有し、前記冷却手段は、少なくとも記録ヘッド冷却手段と本体冷却手段を備え、前記記録ヘッド冷却手段は前記記録ヘッドを冷却し、前記本体冷却手段は装置本体を冷却し、前記制御手段は、装置がエラー状態で待機中においては、前記記録ヘッド冷却手段は停止し、前記本体冷却手段は、前記記録ヘッドがキャッピングされているときには停止し、前記記録ヘッドがキャッピングされていないときには駆動、停止を繰り返すように制御することを特徴とするインクジェット式画像形成装置である。
好ましい本発明は、前記装置がエラー状態でなく、前記記録ヘッドがキャッピングされていないときは、前記記録ヘッド冷却手段は、前記温度検出手段により検出された前記記録ヘッドの温度と前記複数の設定温度に基づいて駆動又は停止することを特徴とする前記インクジェット式画像形成装置である。
好ましい本発明は、前記記録ヘッド冷却手段は前記記録ヘッドに近い位置にあり、前記本体冷却手段は前記記録ヘッドから離れた位置にあることを特徴とする前記インクジェット式画像形成装置である。
好ましい本発明は、前記記録ヘッド冷却手段及び前記本体冷却手段は、それぞれ冷却部位を冷却する気流を発生させるファンを備えことを特徴とする前記インクジェット式画像形成装置である。
参考の発明は、前記比較手段が少なくともひとつの冷却部位に対し複数の設定温度を有していることを特徴とする前記インクジェット式画像形成装置である。
参考の発明は、前記冷却手段は複数の冷却部位をそれぞれの冷却部位毎に冷却し、制御手段はそれぞれの冷却部位を冷却する冷却手段毎に制御する前記インクジェット式画像形成装置である。
参考の発明は、前記冷却手段が冷却部位を冷却する気流を発生させるファンと、冷却部位を冷却するための気流を案内するダクトと、ダクト内の気流の流通経路を制御するバルブとを備え、制御手段がそれぞれファン及びバルブを制御することを特徴とする前記インクジェット式画像形成装置である。
参考の発明は、画像情報に基づいて記録媒体上に印刷インクを噴射して画像を形成するインクジェット式の画像形成方法であって、冷却が成される冷却部位の温度を検出する温度検出工程と、冷却部位を冷却する冷却工程と、温度検出工程において検出された冷却部位の温度と所定の設定温度とを比較する比較工程と、比較工程における比較結果に基づいて冷却工程における冷却部位の冷却状態を制御する制御工程とを備えており、前記冷却部位は、少なくとも記録ヘッドを含むことを特徴とする画像形成方法である。
本発明は、画像情報に基づいて記録媒体上に印刷インクを噴射して画像を形成するインクジェット式画像形成装置による画像形成方法であって、冷却が成される冷却部位の温度を検出する温度検出工程と、前記冷却部位は少なくとも記録ヘッドと装置本体であり、冷却部位毎に冷却する冷却工程と、温度検出工程において検出された冷却部位の温度と所定の設定温度とを比較する比較工程と、比較工程における比較結果に基づいて冷却工程における冷却部位毎の冷却をそれぞれ制御する制御工程とを備えており、前記冷却部位は、少なくとも記録ヘッドと装置本体を含み、前記比較工程においては、少なくともひとつの冷却部位の温度を複数の設定温度と比較し、前記制御工程において、装置がエラー状態で待機中は、前記記録ヘッドの冷却は停止し、前記装置本体の冷却は、前記記録ヘッドがキャッピングされているときには停止し、前記記録ヘッドがキャッピングされていないときには駆動、停止を繰り返すように制御することを特徴とする画像形成方法である。
本発明によれば、記録ヘッド内のノズル付近のインクの乾燥を防ぎ、且つインクミストの装置外への飛散を抑制するインクジェット式画像形成装置及びインクジェット式の画像形成方法を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態を必要に応じて図面を参照にして説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明の好ましい形態における例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明は、画像情報に基づいて記録媒体上に印刷インクを噴射して画像を形成するインクジェット式画像形成装置(インクジェットプリンタと略称する。)に関する。本発明に係るインクジェットプリンタは、冷却部位の温度を検出する温度検出手段、例えば温度センサと、冷却が成される冷却部位を冷却する冷却手段、例えば排気ファン、排気ダクト、冷気吹き付け装置と、温度検出手段により検出された冷却部位の温度と所定の設定温度とを比較する比較手段、例えば設定温度記憶部と測定温度と設定温度の比較部とを有する記憶演算装置と、比較手段により得られた比較結果に基づいて冷却手段を制御する制御手段と、例えば排気ファンのオンオフ信号発生装置、排気ダクトの開閉バルブの開閉信号発生装置を備えている。そして、本発明に係るインクジェットプリンタにおいては、冷却手段により冷却されるべき冷却部位として少なくとも記録ヘッドを含んでいる。記録ヘッドのうちでも、特にノズル付近を冷却部位として含むことが好ましい。その他の冷却部位としては、何処でもよいが、自身が発熱する部位や温度上昇によって画像形成機能が低下したり、使用されている部品が劣化したりする部位が挙げられる。例えば、インクジェットプリンタのケーシングに収まっている本体全体や記録ヘッドや記録材の駆動モータ、記録材の乾燥部などが冷却部位として挙げられる。
本発明の好ましい態様のインクジェットプリンタとして、比較手段が少なくともひとつの冷却部位に対し複数の設定温度を有しており、それぞれの設定温度と対象となる冷却部位の温度との比較により冷却手段を制御する制御手段を備えている。このように複数の設定温度を有しておれば、例えば冷却手段としての排気ファンを稼働させる温度、停止させる温度、さらには排気ファンの排気能力を複数段階に切り替えるための温度などを設定できる。
また、本発明の好ましい態様として、冷却手段は複数の冷却部位をそれぞれの冷却部位毎に冷却し、制御手段はそれぞれの冷却部位を冷却する冷却手段毎に制御するインクジェットプリンタがある。例えば、ケーシングの中に収まっているプリンタ本体を冷却する冷却手段と、その中でも特に記録ヘッドのノズル部近辺を冷却する冷却手段を備えており、温度検出手段も記録ヘッドのノズル部とそれ以外のプリンタ本体の温度を検出して、それぞれの温度に基づいてそれぞれの冷却手段を制御するインクジェットプリンタがある。通常、冷却手段は排気ファン又は排気ファンとダクトの組み合わせでよいが、記録ヘッドのノズル部近辺を冷却する冷却手段として給気ファンとダクトの組み合わせとして、記録ヘッドのノズル部近辺に冷気を吹き付けてもよい。この際、記録ヘッドのノズル部からのインクの噴射に影響を与えないように配慮する必要がある。
さらに、本発明の好ましい態様として、冷却手段が冷却部位を冷却する気流を発生させるファンと、冷却部位を冷却するための気流を案内するダクトと、ダクト内の気流の流通経路を制御するバルブとを備え、制御手段がそれぞれファン及びバルブを制御するインクジェットプリンタがある。例えば、排気ファンと、排気ファンと接続され複数の流通経路を持つダクトと、ダクト内に配置され排気の流通経路を変更するバルブとを備えており、制御手段により排気ファンの排気量の変更と、バルブによるダクト内の排気の流通経路の変更とを制御することにより冷却部位を冷却するインクジェットプリンタがある。
以下に、本発明の具体的な実施形態を、図を参照にしながら説明する。
(実施形態1)
図1に本発明に係るインクジェットプリンタの概略構成を表す側面図を示す。図2は、このインクジェットプリンタの記録ヘッド部の拡大図である。但し、図1の右側から見た正面図である。図1乃至図2を参照して、このインクジェット記録装置の内部構成の概要及び機構部について説明する。図2に示す記録ヘッド部おいて、フレーム21を構成する左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31と不図示のステーとでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持している。キャリッジ33は図示しない主走査モータとタイミングベルトによって、キャリッジ主走査方向、すなわち図面上の左右方向(図2にキャリッジ主走査方向と示した矢印方向)に移動走査される。
このキャリッジ33には、イエロ(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を噴射する4個のインクジェットヘッドを主走査方向に沿って配列した記録ヘッド35をインク滴噴射方向が下方(紙面の奥の方向)に向けて装着されている。
記録ヘッド35を構成するインクジェットヘッドとしては、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものが使用でき、例えば圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどが挙げられる。
この記録ヘッド35は、インクジェットヘッドの全インク吐出口を同時に駆動させる以外に、時間的に分割して駆動させることができる。インクジェットヘッドの全インク吐出口を同時に駆動させると、各全インク吐出口間のクロストークの影響による記録品位の低下や、一時的に大電流が必要になることにより電源の大容量化などの不利益が生じる場合があるが、時分割駆動することでこれらの不利益を避けることができる。
この記録ヘッド35にはドライバICを搭載し、図示しない制御部との間でハーネス(フレキシブルプリントケーブル)26を介して接続している。
また、キャリッジ33には、記録ヘッド35に各色のインクを供給するための各色のサブタンクを搭載している。この各色のサブタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、カートリッジ装填部25に装着された各色のインクカートリッジ20から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填部25にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニットが設けられ、また、インク供給チューブ36は這い回しの途中でフレーム21を構成する後板21Cに保持部材27にて保持されている。
印刷中や待機中に機内温度があがった場合には、記録ヘッド35に近い位置の右前側のフレーム21に取り付けた排気ファン100、及び/又は制御ボードなどの近くの装置奥側のフレーム21に取り付けた本体排気ファン101の起動停止を制御することにより、記録ヘッド35や装置内全体の温度を低下させている。
記録ヘッド35には温度センサ34が装着されている。温度センサ34は、図2に示すように4つの記録ヘッド35それぞれに装着してもよいが、1〜3個とし一部の記録ヘッド35のみに装着してもよい。この温度センサ34で検出した記録ヘッド35の温度と予め設定しておいた上限温度とを比較して、記録ヘッド35が上限温度を超えたら冷却装置である記録ヘッド35の近くに設けた排気ファン100が稼働するように制御する。温度センサ34を4つの記録ヘッド35それぞれに装着すれば、それぞれの記録ヘッド35の温度が検出でき、その中でひとつでも冷却が必要な温度に上昇した記録ヘッド35を見つけたら、排気ファン100が稼働するように制御すればよい。排気ファン100の停止は、予め設定しておいた下限温度より記録ヘッド35の温度が下回ったときとなるように制御する。
プリンタが停止や待機状態になっても排気ファン100はすぐに停止しないで、記録ヘッド35の温度が設定した下限温度以下になるまで稼働させておくことが好ましい。しかし、記録ヘッド35の温度が設定した下限温度以下になっても排気ファン100を稼働させたままにしておくことは好ましくない。設定した下限温度は、記録ヘッド35内のインクが乾燥して粘度上昇したり、ノズル付近に固着したりしないための下限温度であり、記録ヘッド35をこれ以上の温度で長時間放置することは好ましくない。また、記録ヘッド35の温度が加減温度以下のときに排気ファン100を稼働しておくことは、電力の無駄になるだけでなく、記録ヘッド35から噴射されたインクの一部がミスト状になってプリンタ本体のケースの中に浮遊しているものをファンにより不必要に外部へ排出することになる。そして、プリンタ本体のケースの外装面や周辺を汚す恐れがある。
なお、プリンタ本体全体を冷却するための本体排気ファン101は、記録ヘッド35から離れた位置に設置されており、制御ボードや各種ローラ駆動用のモータなどの加熱を防ぐようにしている。また、この排気ファンは、記録ヘッド35から噴射されミスト状になったインクが浮遊している位置から離れた場所に設置されているので、インクミストを排気とともに排出することは少ない。
一方、図1に示すように、給紙トレイ22の用紙積載部41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び該給紙コロ43に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド44を備え、この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押え部材48とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。この搬送ベルト51は、例えば、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、ETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回転に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に所定の押圧力をかけている。なお、搬送ローラ52はアースローラの役目も担っており、搬送ベルト51の中抵抗層(裏層)と接触配置され接地している。
搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対応してガイド部材57を配置している。このガイド部材57は、上面が搬送ベルト51を支持する2つのローラ(搬送ローラ52とテンションローラ53)の接線よりも記録ヘッド34側に突出させることで搬送ベルト51の高精度な平面性を維持するようにしている。
この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによって搬送ローラ52を回転駆動させて、図1においては右方向、図2においては下方向(図示のベルト搬送方向矢印)に周回移動する。この移動方向がキャリッジの副走査方向であり、前述のキャリッジの主走査方向と直交している。
このインクジェットプリンタは、画像情報に従って記録ヘッド35から噴射されるインクによって記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロ63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ23を備えている。ここで、排紙ローラ62と排紙コロ63との間から排紙トレイ23までの高さは排紙トレイ23にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
インクジェットプリンタ本体の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
図2に示すように、キャリッジ33の走査方向における一方の非印字領域には、記録ヘッド35のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構81を配置している。この維持回復機構81には、記録ヘッド35の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という)82a〜82d(区別しないときは「キャップ82」という)と、ノズル面をワイピング(清掃)するためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。ここでは、キャップ82aを吸引及び保湿用キャップとし、他のキャップ82b〜82dは保湿用キャップとしている。
この維持回復機構81による維持回復動作で生じる記録液の廃液、キャップ82に排出されたインク、あるいはワイパーブレード83に付着してワイパークリーナで除去されたインク、空吐出受け84に空吐出されたインクは図示しない廃液タンクに排出されて収容される。
キャリッジ33の走査方向における他方の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド35のノズル列に対応した開口89などを備えている。
インクジェットプリンタ本体の内部後方側にはホストとの間でデータを送受するためのUSBなどの通信回路部(インタフェース)が設けられるとともに、このインクジェットプリンタの制御を司る制御部を構成する制御回路基板が設けられている。
このように構成したインクジェットプリンタにおいては、給紙トレイ22から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド47で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御回路によってACバイアス供給部から帯電ローラ56に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、用紙42を停止させ、キャリッジ33を1行分移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド35からインクを噴射することにより、用紙42に噴射したインク滴を1行分を記録する。1行分の記録が終了したら、用紙42を1行分搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
印字(記録)待機中にはキャリッジ33は維持回復機構81側に移動されて、キャップ82で記録ヘッド35がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ82で記録ヘッド35をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液の一部を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
図3は、記録ヘッドをノズル面側から見た図である。図3を参照にして記録ヘッドのヘッド構成における他の例について説明する。この記録ヘッド134は、ブラック(K)インク、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロ(Y)インクの各色の液滴を吐出するための、複数のノズル134nからなる4つのノズル列134k、134c、134m、134y(以下、区別しないときは「ノズル列134N」という。)を1つのノズル面134aに形成した記録ヘッドである。
図3に示すヘッド構成の記録ヘッド134を用いた場合の維持回復機構81について説明する。図4及び図5は、記録ヘッド134と維持回復機構81をノズル面の側面から見た図である。なお、図4及び図5は同維持回復機構81の異なる状態を示す模式的説明図であり、図4は記録ヘッド134のノズル面をワイピング(清掃)する状態を、図5は記録ヘッド134のノズル面をキャッピングしている状態を表している。
この維持回復機構81は、記録ヘッド134のノズル面134aの各ノズル列134k、134c、134m、134y(図3参照)をそれぞれキャッピングする専用のキャップ182k、182c、182m、182yを備え、これらのキャップ182k、182c、182m、182yは1つのキャップホルダ185に保持されている。また、記録ヘッド134のノズル面134aをワイピング(清掃)するためのワイパーブレード183を備えている。
キャップホルダ185及びワイパーブレード183を昇降させるために、維持回復機構81は、動力源であるモータ191と、このモータ191の回転を伝達するカム軸192と、カム軸192に取り付けたキャップカム193と、ワイパーカム194とを備えている。
この維持回復機構81においては、記録ヘッド134のノズル面134aに付着したインクや不純物を取り除くときには、モータ191を回転させ、図4に示すように、ワイパーカム194を介してワイパーブレード183を上昇させる。この状態で、キャリッジ33を主走査方向に移動させることにより、ワイパーブレード183によって記録ヘッド134のノズル面134aをワイピングして、不純物などを払拭する。なお、ワイパーブレード183のノズル面134aをワイピングする先端部は、ゴム、スポンジ、ブラシなどのノズル面134aをワイピングし易い素材で形成されている。
記録ヘッド134のノズル134nを空気中に露出した状態のまま放置すると、ノズル先端のインクが乾燥して増粘、固着し、インク吐出性能が低下してしまうことがある。これを防ぐために、記録ヘッド134のノズル面134aをキャップ182で覆うときには、記録ヘッド134を維持回復機構81の真上に移動させて、モータ191を回転させ、図5に示すように、キャップカム193を介してキャップ182を上昇させる。これにより、各色のキャップ182が対応するノズル面134aのノズル列134Nを覆うことができ、ノズル134nからのインクの乾燥を抑えることが出来る。
印刷を開始するときには、記録ヘッド134が図4又は図5に示すように、ワイパーブレード183又はキャップ182が記録ヘッド134と接している状態から、モータ191を1/4回転させることで、ワイパーブレード183及びキャップ182が下降し、キャリッジ33が主走査方向へ走査可能となり、印刷が可能となる。なお、この維持回復機構81は複数ヘッド構成の場合にも同様に適用することができる。
(実施形態2)
図6は、本発明に係るインクジェットプリンタの記録ヘッド部を冷却するファン制御機構を表すブロック図の一例である。このブロック図を参照して冷却制御機構の説明をする。
この制御部600は、インクジェットプリンタ全体の制御を司るCPU602と、CPU602が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM603と、画像データ等を一時格納するRAM604と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)605と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC606とを備えている。
この制御部600は、ホスト側(画像データ送信側)とのデータ、信号の送受を行うためのI/F601と、記録ヘッド14を駆動制御するためのヘッド駆動制御部608と、主走査モータ613を駆動するための主走査モータ駆動部609と、副走査モータ614を駆動するための副走査モータ駆動部610、FANモータ615を駆動するためのFANモータ制御部611と、図示しない各種センサからの検知信号を入力するためのI/O607などを備えている。また、この制御部600には、この装置に必要な情報の入力及び表示をおこなうための操作パネル618(操作部7)が接続されている。
制御部600は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの印刷データ等をケーブル或いはネットを介してI/F601で受信する。
そして、CPU602は、I/F601に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC606にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行ってヘッド駆動制御部608に画像データを転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成は、例えばROM603にフォントデータを格納して行っても良いし、ホスト側のプリンタドライバで画像データをビットマップデータに展開してこの装置に転送するようにしても良い。
ヘッド駆動制御部608は、記録ヘッド612の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)を受け取ると、この1行分のドットパターンデータを、クロック信号に同期して、記録ヘッド612にシリアルデータで送出し、また所定のタイミングでラッチ信号を記録ヘッド612に送出する。
このヘッド駆動制御部608は、駆動波形(駆動信号)のパターンデータを格納したROM(ROM82で構成することもできる。)と、このROMから読出される駆動波形のデータをD/A変換するD/A変換器を含む波形生成回路及びアンプ等で構成される駆動波形発生回路を含む。
図7は、本発明に係るインクジェットプリンタの冷却ファン制御に関するフローチャートである。まず、S701において、記録ヘッドが待機中で且つキャッピング状態かどうかを判断する。記録ヘッドが待機中で且つキャッピング状態であればS702で本体ファンを停止し、そうでなければS703で本体ファンを駆動する。そして、S704にてエラー発生の有無を調べる。ここでいうエラーとは、JAM(装置内での紙詰まり)、SC(サービスマンによる修理対象となるトラブル)等の印刷を継続できないエラーをさす。
S704にてエラーなしと判断した場合、S705で温度センサ等で測定した記録ヘッド温度を取得し、S706で本体メモリもしくはNVRAMに予め温度テーブルなどとして記憶させておいた右前ファン駆動温度閾値を取得し、S707で記録ヘッド温度と右前ファン駆動温度閾値の比較を行う。記録ヘッド温度が右前ファン駆動温度閾値以上の場合は、S708で右前ファンを駆動して、記録ヘッド温度が右前ファン駆動温度閾値以上でない場合は、そのままS709にて再度に右前ファン駆動温度閾値を取得する。
S710で記録ヘッド温度が右前ファン駆動温度閾値未満の場合は、S711の右前ファン駆動停止し、記録ヘッド温度が右前ファン駆動温度閾値以上の場合は、そのままS713にて10秒待ちタイマをセットして、S714にてファン制御終了信号の有無を判断する。S714にてファン制御終了信号を受信したら、S716の終了状態に移行する。ファン制御終了信号を受信せず10秒経過したら、最初のステップS701に戻る。ここでは、ファン制御間隔を10秒としているが、この値は、マシンの特性に合わせて適宜変更してもかまわない。
一方、S704にて、エラー状態と判定された場合は、S712にて本体ファン及び右前ファンを停止し、
S705にてタイムアップをした場合には、再度S701に戻りエラー状態の判定を行う。また、S704にて、電源OFF等のファン制御終了要求を受信した場合は、S706の終了状態に移行する。S714にてファン制御終了信号の有無を判断する。その後は、上記のS710,S711からの流れと同様の進行となる。
このような制御によって、プリンタ稼働中は、測定した記録ヘッド温度とファン駆動温度閾値及びファン停止温度閾値と比較しながら、ファンを駆動停止するように制御している。なお、記録ヘッド冷却用のファンをその設置場所から右前ファンと呼んでいる。
図8は、上記フローチャートに従って本発明に係るインクジェットプリンタを稼働した際のファンの駆動状況と記録ヘッド温度の推移を示した図である。印刷動作時は10秒間隔でヘッド温度を取得し、記録ヘッド温度が36.0度以上であれば右前ファンを駆動する。右前ファン駆動後、35.0度未満になったら右前ファンを停止する制御をしている。このインクジェットプリンタは、ファン駆動の閾値を35度及び36度としているので、印刷中記録ヘッド温度が34.5度と35.5度の間に制御されている。なお、この閾値は機械の特性にあわせて適宜変更してもかまわない。
従来のインクジェットプリンタのファンは、印刷動作時は温度に関係なく常に駆動し、印刷待機中になった場合に停止するものが多かった。この場合は、待機中に記録ヘッドが加熱したり、加熱ヘッドの温度が低くてもファンが稼働しており、電力の消費が増えたり、インクミストの機外柄の拡散が起こりやすかった。本発明に係るインクジェットプリンタはこのような問題点を解決している。
(実施形態3)
図9は、本発明に係るインクジェットプリンタを想定した、内部に記録ヘッド温度をはじめ複数の冷却対象を有する装置(本体)1の模式的全体斜視図である。ファン2とファン3は、装置1の同一面4に具備されており、2つとも排気ファンである。装置1の面4以外の面には、吸気のためのルーバー5、6が設けられている。図10は、装置(本体)1のA−A'断面の断面図である。ファン2は、主に装置1内のエリア7を、ファン3は主に装置1内のエリア8を冷却している。ファン2とファン3はダクト10に連結され、効率よくエリア7とエリア8を冷却するよう構成されている。仕切り板9はダクト10の側壁でもあり、エリア7とエリア8を区切っている。ダクト壁10bは、ファン2による空気の流路とファン3による空気の流路を区分している。すなわち、ダクト壁10bは、ファン2とファン3の共通のダクト壁である。ダクト壁10bには、切り替え弁11と12が具備されている。図12に切り替え弁部分の拡大図を示す。切り替え弁11は支点13、切り替え弁12は支点14を中心として回転可能である。
切り替え弁11と12は、図示しない駆動装置(ソレノイドやモータ)によって、実線位置(11a,12a)から破線位置(11b,12b)や一点鎖線位置(11c,12c)に切り替えることができる。切り替え弁11と12が実線位置(11a,12a)にあるとき、ファン2は主にエリア7を、ファン3は主にエリア8を冷却する。切り替え弁12は実線位置(12a)のままで、切り替え弁11が破線位置(11b)にあるとき、エリア7とエリア8は、ファン3のみによって冷却される。この時、エリア7とエリア8をファン3だけで冷却する訳であるから、全体の冷却効率は落ちるが、ファン2は停止させることができるので騒音の発生を低く押えることができる。
切り替え弁11は実線位置(11a)のままで、切り替え弁12が破線位置(12b)にあるとき、エリア8はファン2と3によって約2倍の冷却効率で冷却され、エリア7は冷却されない。ファン2と3の性能が異なる場合、切り替え弁11を破線位置(11b)、切り替え弁12を一点鎖線位置(12c)とすることでエリア7の冷却をファン3で実施するようなことも可能となる。これは、エリア8の冷却が不要な時にエリア7の冷却に最適なファンがファン3であるような時に有効である。
エリアの分割としては、例えば、エリア7に記録ヘッドがあり、エリア8は制御ボードを含む制御系であったりすることが考えられる。また、エリア7は記録ヘッドの配置部分であり、エリア8は記録ヘッドの配置部分を含む装置本体全域とすることもできる。そして、温度センサは記録ヘッドの表面と、制御ボードの上部とに設置してそれぞれの温度に応じてファン2,3及び弁11,12を制御すればよい。
ファン2と3が、排気ファンでなく外気を吸い込む給気ファン方式の冷却でも同様に冷却できる。ファン2と3の大きさや性能、ファンのタイプが異なる場合でも吸排気の向きがそろっていれば、本発明に係る実施が可能となる。さらに、ファン及び、冷却したいエリアが3つ以上となっても、同様に展開できる。本発明は、装置1の動作状態によって、装置内部の発熱領域や冷却温度が異なる場合に有効である。例えば、動作Aではエリア7のみ冷却する、動作Bではエリア7とエリア8を冷却する、動作停止後はエリア8の余熱を冷却する必要がある、などの場合に切り替え弁11と12を動作させて、最適の冷却効果をもたらすものである。
(実施例)
具体的な検討結果を示して説明する。すなわち、上述の実施形態3で説明した図10−12示した装置(本体)1において、エリア7の空気の流路に温度センサ15を、エリア8の空気の流路に温度センサ16を設ける。この場合、エリア7はインクジェットプリンタの本体全体のエリアを、エリア8は記録ヘッドの周辺を想定している。そして、温度センサ15は本発明に係るインクジェットプリンタの本体全体の温度制御用温度センサを、温度センサ16は記録ヘッドの温度制御用の温度センサを想定している。
切り替え弁11と12が実線位置(11a,12a)にありファン2と3がそれぞれ排気ファンであれば、温度センサ21でエリア7の雰囲気温度、温度センサ22でエリア8の温度を測定できる。この装置1は、それぞれのエリアの温度によってエリア毎の冷却の強さを制御する。例えばファン2の冷却強さが8、ファン3の冷却強さが4とし、その強さに比例して騒音も消費電力も大きいとする。表1にファン2と3の回転・停止状態と切り替え弁11と12の動作位置を、表1にNo.1〜No.9として示す。表1には、そのときのそれぞれのエリアに対す冷却強さを示している。
Figure 0004960804
装置1内のエリア7のみを冷却したい場合は、エリア8の冷却は必要ないので、表1における条件の内、エリア8の冷却強さが0であるNo.2,5,7を選択すればよい。そして、温度センサ21の温度情報から所望するエリア7に対する冷却能力に応じて、例えば強い冷却はNo.7、中程度の冷却はNo.5、弱い冷却はNo.2の状態を選択すればよい。このようにして、冷却強さを最適にして、消費電力や騒音を抑えることができる。さらに、冷却の不必要なエリア8からは排気をしないので、エリア8にインクミストなどが浮遊していても外部に排出されることはない。
装置1の動作がエリア7とエリア8の冷却をともなう場合、温度センサ21と22の情報から表1のNo.1、4、9のいずれかの条件を選択すればよい。この場合のそれぞれのエリアに対する所望冷却能力に対応して表1における条件を選択すればよい。また、エリア8のみを冷却する場合も同様に表1における条件から選択すればよい。
本発明に係るインクジェット式画像形成装置の構成を表す側面図 記録ヘッド部の拡大図 記録ヘッドのノズル面 記録ヘッドと維持回復機構の説明図(清掃時) 記録ヘッドと維持回復機構の説明図(キャッピング時) 本発明に係るインクジェット式画像形成装置のファン制御機構のブロック図 エラー発生時のファン制御のフローチャート ヘッド温度の制御例を示したチャート 本発明に係るインクジェット式画像形成装置の斜視図 図9におけるA−A'線の断面図 図10における切替弁11,12の作動説明図
符号の説明
1:装置(本体)
2、3:ファン
4:側面
5、6:ルーバー
7、8:(冷却)エリア
9:仕切り壁
10、10b:ダクト
11、12:切り替え弁
13、14:支点
15、16:温度センサ
33:キャリッジ
34:記録ヘッド
35:温度センサ
81:維持回復機構
100:排気ファン(右前ファン)
101:本体ファン
134:記録ヘッド
134a,k,c,m,y,n,N:ノズル
182k,c,m,y:キャップ
183:ワイパーブレード
185:キャップホルダ
191:モータ

Claims (5)

  1. 画像情報に基づいて記録媒体上に印刷インクを噴射して画像を形成するインクジェット式画像形成装置であって、
    冷却が成される冷却部位の温度を検出する温度検出手段と、前記冷却部位は少なくとも記録ヘッドと装置本体であり、前記冷却部位毎に冷却する冷却手段と、温度検出手段により検出された冷却部位の温度と所定の設定温度とを比較する比較手段と、比較手段により得られた比較結果に基づいてそれぞれの冷却部位を冷却する冷却手段毎に制御する制御手段とを備えており、
    前記冷却部位は、少なくとも記録ヘッドを含み、
    前記比較手段は、少なくともひとつの冷却部位に対し複数の設定温度を有し、
    前記冷却手段は、少なくとも記録ヘッド冷却手段と本体冷却手段とを備え、前記記録ヘッド冷却手段は前記記録ヘッドを冷却し、前記本体冷却手段は装置本体を冷却し、
    前記制御手段は、装置がエラー状態で待機中においては、
    前記記録ヘッド冷却手段は停止し、
    前記本体冷却手段は、前記記録ヘッドがキャッピングされているときには停止し、前記記録ヘッドがキャッピングされていないときには駆動、停止を繰り返すように制御することを特徴とするインクジェット式画像形成装置。
  2. 装置がエラー状態でなく、前記記録ヘッドがキャッピングされていないときは、
    前記記録ヘッド冷却手段は、前記温度検出手段により検出された前記記録ヘッドの温度と前記複数の設定温度に基づいて駆動又は停止することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式画像形成装置。
  3. 前記記録ヘッド冷却手段は前記記録ヘッドに近い位置にあり、前記本体冷却手段は前記記録ヘッドから離れた位置にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット式画像形成装置
  4. 前記記録ヘッド冷却手段及び前記本体冷却手段は、それぞれ冷却部位を冷却する気流を発生させるファンを備えことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット式画像形成装置。
  5. 画像情報に基づいて記録媒体上に印刷インクを噴射して画像を形成するインクジェット式画像形成装置による画像形成方法であって、
    冷却が成される冷却部位の温度を検出する温度検出工程と、前記冷却部位は少なくとも記録ヘッドと装置本体であり、冷却部位毎に冷却する冷却工程と、温度検出工程において検出された冷却部位の温度と所定の設定温度とを比較する比較工程と、比較工程における比較結果に基づいて冷却工程における冷却部位毎の冷却をそれぞれ制御する制御工程とを備えており、
    前記冷却部位は、少なくとも記録ヘッドと装置本体を含み、
    前記比較工程においては、少なくともひとつの冷却部位の温度を複数の設定温度と比較し、
    前記制御工程において、装置がエラー状態で待機中は、
    前記記録ヘッドの冷却は停止し、
    前記装置本体の冷却は、前記記録ヘッドがキャッピングされているときには停止し、前記記録ヘッドがキャッピングされていないときには駆動、停止を繰り返すように制御することを特徴とする画像形成方法。
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