JP2005288913A - 画像形成装置 - Google Patents

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源太郎 古川
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Abstract

【課題】 ノズル近傍のインクの増粘を防止する画像形成装置を提供する。
【解決手段】 複数のノズルが配列されたライン型ヘッドを複数備え、前記ライン型ヘッド及び記録媒体のうち少なくとも一方を前記記録媒体の幅方向と略直交する方向に相対的に搬送して印字する画像形成装置であって、前記ライン型ヘッドの前記記録媒体の相対搬送方向上流側に、被湿潤媒体を湿潤する湿潤手段と、前記被湿潤媒体を前記ライン型ヘッドに対向する位置に移動する移動手段と、前記複数のライン型ヘッドの周辺部にそれぞれ、前記搬送手段又は印字に用いない記録媒体を加熱する加熱手段と、を備えた画像形成装置を提供する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、画像形成装置に係り、特に画像形成装置に備えられる複数のライン型ヘッドに対する保湿技術に関する。
インクジェット方式の画像形成装置(インクジェッド記録装置)は、記録ヘッドに構成されるノズルからインクを吐出して、記録媒体に画像等の記録を行う。
印字動作が長時間行われない場合等のように、ノズルからインクが吐出されない状態が継続すると、ノズル近傍のインクが増粘する。この状態のままインクが吐出されると、吐出方向のズレや不吐出等のノズルの吐出不良が生じる。そのため、記録ヘッドは、増粘したインクを強制的に吐出する予備吐出動作を定期的に行い、ノズルの吐出不良を防止している。
ところでノズル近傍のインクの粘度は、その周囲の湿度により変化する。例えば、ノズル周辺の湿度が低くなると、すなわち低湿環境になると、ノズル近傍のインクは増粘状態となる。
そのため従来機の多くは、低湿環境の中でノズルの吐出不良が生じるまでの時間を最悪条件として、この時間間隔で予備吐出動作を行うように設計されていた。従って、実際の使用環境では、ノズル近傍のインクは増粘状態でないにもかかわらず、一定間隔で予備吐出動作が行われており、インクの無駄な消費が行われていた。しかしながら、インクの消費を抑えるために予備吐出動作の間隔を増やすと、低湿環境になっても予備吐出動作が行われない場合には、ノズル近傍のインクが増粘し、ノズルの吐出不良を生ずることになる。
そこで、このような問題を改善するため、ノズル近傍の保湿状態を保ち、インクの増粘によって生じるノズルの吐出不良を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2等参照)。
特許文献1には、給紙部と画像形成部(記録ヘッド)との間に蒸気発生手段を設けたインクジェット記録装置が開示されている。
特許文献2には、ノズルに加湿空気を供給し、一方で供給された加湿空気により結露が発生しないように加湿空気を排気する記録装置が開示されている。
特開2000−255053号公報 特開2000−79696号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたインクジェット記録装置は、加湿装置が給紙部と画像形成部との間、すなわち画像形成部に対して記録紙搬送方向の上流側にあり、しかも機密性が悪く、ノズル周辺を高湿状態に維持することは困難である。また、画像形成部の記録紙搬送方向の上流側に対して下流側は低湿環境になりやすい。従って、画像形成部の湿度は不均一となりやすく、ノズル近傍のインクは増粘し、ノズルの吐出不良が生じやすい。
また特許文献2に開示された記録装置は、記録ヘッドのノズル面から加湿空気を供給するため、ノズルの高密度化が難しく、ヘッド構造が複雑になる。またノズル面が帯電しやすく、水滴やインク滴がノズル面に付着するという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ノズル近傍のインクの増粘を防止する画像形成装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数のノズルが配列されたライン型ヘッドを複数備え、前記ライン型ヘッド及び記録媒体のうち少なくとも一方を前記記録媒体の幅方向と略直交する方向に相対的に搬送して印字する画像形成装置であって、前記ライン型ヘッドの前記記録媒体の相対搬送方向上流側に、被湿潤媒体を湿潤する湿潤手段と、前記被湿潤媒体を前記ライン型ヘッドに対向する位置に移動する移動手段と、前記複数のライン型ヘッドの周辺部にそれぞれ、前記被湿潤媒体を加熱する加熱手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、湿潤手段によって湿潤された被湿潤媒体を、ライン型ヘッドの周辺部に構成される加熱手段によって加熱することにより、ライン型ヘッドのノズル面が加湿され、保湿状態となる。この結果、ノズル近傍のインクの増粘を防止することができる。
またライン型ヘッド毎に設けられた各加熱手段によって、各ライン型ヘッドのノズル面に対する加湿をそれぞれ行うことができ、複数のライン型ヘッドの保湿状態を記録媒体相対搬送方向で均一に保つことができる。
さらにライン型ヘッドのノズル面から加湿空気を供給することはないため、ノズル面が帯電しない。これにより、ノズル面に水滴やインク滴等が付着し、ノズル面が汚れるのを防止することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、さらに、前記ライン型ヘッドの周辺部の湿度を検出する湿度検出手段を前記ライン型ヘッド毎に設け、前記湿潤手段が、前記被湿潤媒体に対して湿潤する部分の面積を変化させ、前記湿度検出手段により検出される湿度が規定値になるように制御する湿潤制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項2の態様によれば、湿潤制御手段は、湿度検出手段による検出湿度が規定値になるように、湿潤手段が湿潤する部分の面積を変化させることができるので、各液ライン型ヘッドの周辺部の湿度を均一に保つことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、さらに、前記ライン型ヘッドの周辺部の湿度を検出する湿度検出手段を前記ライン型ヘッド毎に設け、前記加熱手段が加熱する温度を変化させ、前記湿度検出手段により検出される湿度が規定値になるように制御する加熱制御手段を備えたことを特徴とする。
請求項3の態様によれば、加熱制御手段は、湿度検出手段による検出湿度が規定値になるように、各ライン型ヘッド毎に設けられた加熱手段が加熱を行う加熱温度を変化させることができるので、各ライン型ヘッドの周辺部の湿度を均一に保つことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、さらに、前記ライン型ヘッドの周辺部の湿度を検出する湿度検出手段を前記ライン型ヘッド毎に設け、前記湿潤手段が、前記被湿潤媒体に対して湿潤する部分の面積を変化させ、前記湿度検出手段により検出される湿度が規定値になるように制御する湿潤制御手段と、前記加熱手段が加熱する温度を変化させ、前記湿度検出手段により検出される湿度が規定値になるように制御する加熱制御手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項4の態様によれば、湿度検出手段による検出湿度が規定値になるように、湿潤制御手段は、湿潤手段が湿潤する部分の面積を変化させるとともに、加熱制御手段は、各ライン型ヘッド毎に設けられた加熱手段が加熱を行う加熱温度を変化させることができるので、各ライン型のノズル周辺部の湿度を均一に保つことができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、前記被湿潤媒体は、前記ライン型ヘッドに対向する搬送手段又は印字に用いない記録媒体であることを特徴とする。
請求項5の態様によれば、被湿潤媒体が、ライン型ヘッドに対向する搬送手段又は印字に用いない記録媒体であるため、画像形成装置に新たな機構を設ける必要がなく、画像形成装置の大型化を防止することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、前記加熱手段又は前記湿潤手段の少なくとも一方は、前記記録媒体の相対搬送方向と略直交する方向に分割して複数配列されていることを特徴とする。
請求項6の態様によれば、加熱手段又は湿潤手段が、記録媒体の相対搬送方向と略直交する方向に分割して複数配列して構成されるので、各ライン型ヘッドの保湿状態をこの配列方向で均一に保つことができる。
請求項7に記載の発明は、請求項2乃至請求項6に記載の画像形成装置であって、前記湿度の規定値は、70%以上90%以下であることを特徴とする。
請求項7の態様によれば、湿潤制御手段又は加熱制御手段によって制御される相対湿度の規定値を70%以上90%以下とすることにより、ノズル近傍のインクの増粘を抑止することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、さらに、少なくとも前記ライン型ヘッド、前記湿潤手段及び前記加熱手段を覆うカバーを備えたことを特徴とする。
請求項8の態様によれば、カバーによって外側の空気と遮断することができるので、カバー内部の機密性が高くなる。これによって、カバー内部のライン型ヘッドのノズル面が低湿となるのを防止するとともに、湿潤手段及び加熱手段による加湿効果を向上させることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成装置であって、さらに、前記カバーに外気を導入するファンを設けたことを特徴とする。
請求項9の態様によれば、ライン型ヘッドのノズル面の湿度が過上昇となった場合でも、ファンによって外気をカバー内部に導入することができるので、湿度を下げることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、さらに、前記湿潤手段の前記記録媒体の相対搬送方向上流側に、前記記録媒体を乾燥する記録媒体乾燥手段を備えたことを特徴とする。
請求項10の態様によれば、記録媒体乾燥手段によって記録媒体を乾燥することにより、高湿環境であっても、インクが記録媒体に着弾後乾きやすくなり、画像の滲みや着弾後のインクが他色のインクと干渉するのを防止する。
本発明に係る画像形成装置によれば、ノズル近傍のインクの増粘を防止する。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。図1に示したように、このインクジェット記録装置10は、各インク色に対応して設けられた複数の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yを備える印字部12と、印字部12に供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録媒体たる記録紙20を供給する給紙部22と、記録紙20のカールを除去するデカール処理部24と、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙20をベルト43により搬送する吸着ベルト搬送部26と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部28と、吸着ベルト搬送部26に備えられるベルト43を湿潤する湿潤部36と、ベルト43を加熱する加熱部18と、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに並設される湿度検出部16と、を備えている。
インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンク14K,14C,14M,14Yを有し、各タンクは所要の管路30を介して印字ヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
図1において、給紙部22の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジン32が示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部22から送り出される記録紙20はマガジン32に装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部24においてマガジン32の巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム34で記録紙20に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター38が設けられており、該カッター38によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター38は、記録紙20の搬送路幅以上の長さを有する固定刃38Aと、該固定刃38Aに沿って移動する丸刃38Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃38Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃38Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター38は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙20は、吸着ベルト搬送部26へと送られる。吸着ベルト搬送部26は、ローラ41,42間に無端状のベルト43が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト43は、記録紙20の幅よりも広い幅寸法を有している。ローラ41,42間に掛け渡されたベルト43の内側には、静電気発生装置(図示省略)が設けられており、この静電気発生装置にてベルト43を帯電させることによって記録紙20がベルト43上に吸着保持される。
ベルト43が巻かれているローラ41,42の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト43は図1上で反時計回り方向に駆動され、ベルト43上に保持された記録紙20は図1の右から左へと搬送される。
吸着ベルト搬送部26により形成される用紙搬送路上において印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの上流側には、記録紙乾燥部35が設けられている。記録紙乾燥部35は、印字前の記録紙20に加熱空気を吹き付け、記録紙20を加熱する。印字直前に記録紙20を加熱しておくことにより、記録紙20に着弾後のインクが乾き易くなる。この結果、画像の滲みや着弾後のインクが他色のインクと干渉するのを防止することができる。
図2は、図1に示したインクジェット記録装置の印字ヘッド周辺の要部平面図である。図2に示すように、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yは、当該インクジェット記録装置10が対象とする記録紙20の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録紙20の最大紙幅を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたり、記録紙20の幅方向(主走査方向)に並べて配置されたインク吐出用のノズルが、記録紙20の搬送方向(副走査方向)に複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。
なお主走査方向に、複数のヘッドを並べて配置し、全体で記録紙20の最大紙幅に対応するように構成された印字ヘッド12K,12C,12M,12Yでもよい。
印字ヘッド12K,12C,12M,12Yは、記録紙20の送り方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれの印字ヘッド12K,12C,12M,12Yが記録紙20の搬送方向と略直交する方向に沿って延在するように固定設置される。
湿度検出器16A1,16A2,16A3,・・・,16D1,16D2,16D3は、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに並設される。さらに、記録紙20の搬送方向上流側には、湿潤機構36Aが設けられる。湿潤機構36Aは、図2に示すように、ベルト43の幅と略同等の寸法を有している。
加熱装置18A,18B,18C,18Dは、ベルト43を挟んで、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面に対向する位置に設けられる。また吸着ベルト搬送部26の下方には、乾燥装置44が設けられる。
さらに、印字ヘッド12K,12C,12M,12Y、湿度検出器16A1〜16D3、湿潤機構36A、乾燥装置44を覆うようにカバー40が設けられる。
なお湿度検出器16A1〜16D3、湿潤機構36A、加熱装置18A,18B,18C,18D、乾燥装置44、カバー40等については、後述する。
吸着ベルト搬送部26により記録紙20を搬送しつつ各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録紙20上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド12K,12C,12M,12Yを色別に設ける構成によれば、副走査方向について記録紙20を印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対して相対移動させる動作を一回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録紙20の全面に画像を記録することができる。このようなシングルパス方式の画像形成装置は、印字ヘッドを主走査方向に往復動作させながら描画を行うシャトルスキャン方式に比べて高速印字が可能であり、プリント生産性を向上させることができる。
なお、ここで主走査方向及び副走査方向とは、次に言うような意味で用いている。すなわち、記録紙の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時、(1)全ノズルを同時に駆動するか、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動するか、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動するか、等のいずれかのノズルの駆動が行われ、用紙の幅方向(記録紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン又は1個の帯状の印字をするようなノズルの駆動を主走査と定義する。そして、この主走査によって記録される1ライン又は1個の帯状ライン(帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向という。
一方、上述したフルラインヘッドと記録紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。そして、副走査を行う方向を副走査方向という。結局、記録紙の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
また本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせは本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
こうして生成されたプリント物は排紙部28から排出される。なお、図1には示さないが、排紙部28には、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
〔印字ヘッドの構造〕
次に、印字ヘッド(インクジェット記録ヘッド)の構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図3(a)は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b)はその一部の拡大図である。また、図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3中4−4線に沿う断面図)である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の印字ヘッド50は、図3及び図4に示したように、インク滴が吐出するノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリクス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。
圧力室52の天面を構成している加圧板(共通電極)56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されており、個別電極57と共通電極56に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方法が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾ方式に代えて、ヒーター等の発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式等、各種方式を適用できる。
〔インク供給系の構成〕
図5はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インクタンク60は印字ヘッド50にインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インクタンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を代える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じて吐出制御を行うことが好ましい。なお、図5のインクタンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図5に示したように、インクタンク60と印字ヘッド50を繋ぐ管路の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは印字ヘッド50のノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図5には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
またインクジェット記録装置10には、ノズルの乾燥防止又はノズル近傍のインクの増粘を防止する手段としてのキャップ64と、ノズル面の清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテ機構は、不図示の移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面のノズル領域をキャップ64で覆う。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構により印字ヘッド50のノズル面に摺動可能である。ノズル面にインク滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル面に摺動させることでノズル面を拭き取り、ノズル面を清浄する。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、ノズル近傍のインクが増粘した場合、その劣化インクを排出すべくキャップ64に向かって予備吐出が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。
すなわち、印字ヘッド50は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用のアクチュエータ58が動作してもノズル51からインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(アクチュエータ58の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かってアクチュエータ58を動作させ、粘度が上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面の清掃手段として設けられているクリーニングブレード66等のワイパーによってノズル面の汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
また、ノズル51や圧力室52に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなるため、以下に述べる吸引動作を行う。
すなわち、ノズル51や圧力室52のインク内に気泡が混入した場合、或いはノズル51内のインク粘度があるレベル以上に上昇した場合には、アクチュエータ58を動作させてもノズル51からインクを吐出できなくなる。このような場合、印字ヘッド50のノズル面に、キャップ64を当てて圧力室52内の気泡が混入したインク又は増粘インクをポンプ67で吸引する動作が行われる。
ただし、上記の吸引動作は、圧力室52内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きい。したがって、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。なお、図5で説明したキャップ64は、吸引手段として機能するとともに、予備吐出のインク受けとしても機能し得る。
また、好ましくは、キャップ64の内側が仕切壁によってノズル列に対応した複数のエリアに分割されており、これら仕切られた各エリアをセレクタ等によって選択的に吸引できる構成とする。
〔制御系の説明〕
図6はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84、湿潤制御装置36B、加熱制御装置47等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなどの磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、湿潤制御装置36B、加熱制御装置47等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒーター89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示に従ってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって乾燥装置44(図1参照)等のヒーター89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図6において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド50のアクチュエータ511を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24(不図示)は、ラインセンサーを含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいて印字ヘッド50に対する各種補正を行う。
湿潤制御装置36Bは、システムコントローラ72の制御に従い、湿度検出部16の検出湿度を受信する機能を有するとともに、検出湿度が予め決められた規定値となるように、ベルト43によって搬送される記録紙20の搬送間隔や、湿潤機構36Aの液滴噴射量、噴射間隔等を変化させる制御部である。
加熱制御装置47は、システムコントローラ72の制御に従い、湿度検出部16の検出湿度を受信する機能を有するとともに、検出湿度が予め決められた規定値となるように、加熱装置18A1〜18D3の加熱温度を変化させる制御部である。
〔湿潤手段及び加熱手段等の構成〕
印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面を保湿するために設けられる湿潤手段及び加熱手段等の構成について説明する。
図7は、本発明に係る第1の実施形態の印字ヘッド周辺の斜視図である。
湿度検出部16は、印字部12の近傍に設けられ、印字部12周辺の湿度を検出する。湿度検出部16は、湿度検出器16A1〜16D3を備える。各湿度検出器16A1〜16D3は、図7に示すように、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの長手方向、すなわち記録紙20の幅方向(記録紙20の搬送方向と略直交する方向)に配列して並設される。
各湿度検出器16A1〜16D3は、各湿度検出器16A1〜16D3が位置する各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル周辺の湿度を検出する。すなわち、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの長手方向に沿ってそれぞれ3ヶ所のノズル周辺の湿度を検出する。
湿潤部36は、湿潤機構36Aと、湿潤制御装置36Bを備える。湿潤機構36Aは、印字部12の記録紙20の搬送方向前段に設けられ、図2に示すように、ベルト43の幅と略同等の寸法を有している。
湿潤機構36Aは、被湿潤媒体を湿潤する機能を有し、被湿潤媒体に水等の液滴を噴射する。また湿潤機構36Aによる液滴噴射は、液滴噴射方向に記録紙20が存在しない場合に行われる。本実施形態においては、湿潤機構36Aの液滴噴射方向は図1の矢印Aの示す方向であり、被湿潤媒体はベルト43である。
被湿潤媒体であるベルト43は、ゴム系親水部材若しくは絶縁処理された金属製部材により構成される。ゴム系親水部材の場合には、記録紙20がベルト43とスターホイール(不図示)によって挟まれて搬送される。一方、絶縁処理された金属製部材の場合には、記録紙20がベルト43に静電吸着されて搬送される。
本実施形態では、湿潤機構36Aとして液滴噴射する方式を例示するが、本発明の実施に際しては、これに限定されるものでない。例えば、スポンジローラでベルト43に液体を転写する方式等でもよい。
また被湿潤媒体は、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル近傍を通過する媒体であればよい。従って、ベルト43に限定されるものでなく、例えばベルト43以外の搬送部材や、ベルト43等の搬送部材によって搬送される湿潤専用紙等の被搬送部材でもよい。
このように本実施形態では、被湿潤媒体として搬送部材又は被搬送部材を利用することができるため、インクジェット記録装置10に複雑な機構を設けることが不要となる。
湿潤制御装置36Bは、インクジェット記録装置10の任意の場所に構成される。また図示を省略したが、湿潤制御装置36Bは、湿度検出部16、湿潤機構36Aと有線又は無線により、検出データや制御情報等の送信又は受信を行うことが可能である。なお湿潤機構36A、湿潤制御装置36Bは一体に構成することも可能である。
湿潤制御装置36Bは、各湿度検出器16A1〜16D3の検出湿度が予め決められた規定値となるように、ベルト43によって搬送される記録紙20の搬送間隔を変化させ、湿潤機構36Aに対して液滴噴射の指示を行う。なお湿潤制御装置36Bが、湿潤機構36Aの液滴噴射量、噴射間隔等を変化させる構成も可能である。
例えば、各湿度検出器16A1〜16D3のノズル周辺の湿度が規定値より低い状態にある場合には、湿潤制御装置36Bは、ベルト43によって搬送される記録紙20の搬送間隔を長くする。これにより、記録紙20が存在しない領域、すなわち湿潤機構36Aが湿潤することのできるベルト43上の面積(以下、湿潤面積という)が拡がる。そして、湿潤制御装置36Bは、湿潤機構36Aに対して液滴噴射の指示を行う。
湿潤面積が拡がることにより、湿潤機構36Aはベルト43の広範囲を湿潤することができる。そして後述する加熱部18が、湿潤されたベルト43を加熱することによって、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面に対する加湿が行われる。
このようなベルト43に対する湿潤及び加熱は、各湿度検出器16A1〜16D3の検出湿度が規定値に達するまで行われる。
図8は、ノズル周辺の湿度と、ノズル51のインク不吐出が発生するまでの時間(以下、不吐出時間という)との関係を示すグラフであり、横軸はノズル周辺の湿度を表し、縦軸は不吐出発生時間を表す。なお使用インクは、染料インクである。図8に示すように、ノズル周辺の湿度が60%以下である場合は不吐出時間は20秒程度である。ノズル周辺の湿度が60%を超えると不吐出時間は徐々に増加し、湿度が70%以上になると、さらに不吐出時間が増加する。
図9は、湿度とインクの粘度との関係を示すグラフであり、横軸は湿度であり、縦軸はインクの粘度を表す。同図において、実線のグラフは染料インクを使用した場合であり、破線のグラフはインクの主成分であると水とグリセリンによるグリセリン水溶液を使用した場合である。なおインクと水溶液の粘度は、気温25℃の各湿度に対して、開口面積450mm2の容器に液量2ccの初期粘度2〜3cPのインクを12時間放置したときの粘度を測定している。図9に示すように、いずれのインクと水溶液も、湿度が60%以下で放置した場合にはインク粘度が上昇し、70%以上で放置した場合はインクの粘度はほぼ変化しない。
従って、ノズル周辺の湿度が60%以下で放置された場合は、インク粘度が増加し、ノズル51からのインク不吐出が生じやすくなる一方、湿度が70%以上で放置された場合は、インク粘度は変化せず、ノズル51のインク不吐出は生じにくい。
ところで、ノズル周辺の湿度が90%以上である場合には、ノズル周辺等に結露が生じやすい。また記録媒体20が乾きにくい。
よって本実施形態では、湿潤制御装置36Bが制御を行う各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル周辺の相対湿度の規定値は、70%以上90%以下であることが特に望ましい。
このように印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル周辺の湿度が規定値に達するまで、記録紙20の搬送間隔を拡げ、湿潤と加熱を十分に行うことは、装置立ち上げ時や長時間印字動作を行わなかった場合等に有効である。低湿状態のまま記録紙20が搬送されてしまうと、ノズル近傍の増粘インクによって、ノズルの吐出不良が生じやすいからである。
図7において、加熱部18は、吸着ベルト搬送部26に近接され、被湿潤媒体である搬送部材又は被搬送部材を加熱する。本実施形態では、前述のとおり、ベルト43を加熱する。加熱部18は、加熱装置18A,18B,18C,18Dと加熱制御装置47を備える。
各加熱装置18A,18B,18C,18Dは、ベルト43を挟んで、それぞれ印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面に対向する位置に配置され、図7に示すように、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yと略同等な平面形状を有する。各加熱装置18A,18B,18C,18Dは、ベルト43を任意の温度で加熱する機能を有する。
加熱制御装置47は、インクジェット記録装置10内の任意の場所に構成される。そして図示は省略したが、加熱制御装置47は、湿度検出部16、各加熱装置18A,18B,18C,18Dと有線又は無線により検出データや制御情報等の送信又は受信を行うことが可能である。なお、加熱装置18A,18B,18C,18Dと加熱制御装置47を一体に構成してもよい。
加熱制御装置47は、各湿度検出器16A1〜16D3の検出湿度が予め決められた規定値となるように、各加熱装置18A,18B,18C,18Dの加熱温度を変化させる。
例えば、加熱が必要な印字ヘッド(例えば、12K,12Y)のうち、湿度の低い印字ヘッド(例えば、12Y)に対応する加熱装置18Dに対しては、加熱温度が高くなるように加熱制御装置47は制御指示を行う。一方、湿度の低い印字ヘッド(例えば、12K)に対応する加熱装置18Aに対しては、加熱温度が低くなるように加熱制御装置47は制御指示を行う。
ベルト43に対する加熱によって、各加熱装置18A,18B,18C,18Dと対向する位置に構成される各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面はそれぞれ加湿される。そして、この加湿はノズル面の湿度が規定値になるまで行われる。
なお本実施形態において、加熱制御装置47が制御を行う各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル周辺の相対湿度の規定値は、70%以上90%以下であることが望ましい。ノズル周辺の湿度がこの範囲であるときは、前述のとおり、ノズル近傍のインクの増粘を抑止する効果があるからである。
本実施形態において、複数の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面が低湿状態にある場合、加熱制御装置47は、各加熱装置18A,18B,18C,18Dに対してベルト43の位相に応じた制御指示を行うことが好ましい。
図10は、ベルト43の位相と各加熱装置18A,18B,18C,18Dの加熱温度との関係を表すグラフである。横軸はベルト43の位相を表し、縦軸は加熱装置18A,18B,18C,18Dの加熱温度である。
同図に示すように、ベルト43の位相が0(初期位置)から略1/4の範囲にあるとき、加熱制御装置47は加熱装置18Aに対して制御指示を行う。このとき、他の加熱装置18B,18C,18Dに対しては、加熱制御装置47は制御指示を行わない。すなわち、加熱装置18Aのみが加熱を行い、他の加熱装置18B,18C,18Dは加熱を行わない。
また同様に、ベルト43の位相が略1/4から略2/4の範囲にあるときは、加熱装置18Bに対して制御指示を行い、ベルト43の位相が略2/4から略3/4の範囲にあるときは加熱装置18Cに対して制御指示を行い、ベルト43の位相が略3/4から略4/4の範囲にあるときは加熱装置18Dに対して制御指示を行う。そしてベルト43の位相が4/4に到達し初期位置に戻ると、以上の動作が繰り返し行われる。
このように加熱動作を行う加熱装置18A,18B,18C,18Dがベルト43の位相の変化に応じて変化することにより、複数の加熱装置18A,18B,18C,18Dが同時に加熱を行うことはない。これにより、下流側の印字ヘッド(例えば、12Y等)のノズル面に対する加湿が不十分となることはなく、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面の保湿状態は均一となる。
なお図示は省略するが、加熱動作を行う加熱装置18A,18B,18C,18Dの数に応じて、ベルト43の位相を分割して制御する手段を設けてもよい。例えば、2つの印字ヘッド(例えば、12K,12C)のノズル面が低湿状態にある場合には、位相制御手段は、ベルト43の位相を2つに分割し、その分割された位相の変化に応じて加熱装置18A,18Bが加熱動作を行うように位相制御手段が制御を行う。また、3つの印字ヘッド(例えば、12K,12C,12M)のノズル面が低湿状態にある場合には、位相制御手段は、ベルト43の位相を3つに分割し、その分割された位相の変化に応じて加熱装置18A,18B,18Cが加熱動作を行う。
このように本実施形態は、印字部12全体等のような広範囲をまとめて加湿するのではなく、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yごとに個別に加湿することができる。これにより、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの記録紙20搬送方向での保湿状態が均一となる。
また本実施形態は、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面に対向するベルト43を加熱して加湿を行っているため、ノズル面が帯電することはない。これにより、ノズル面に水滴やインク滴が付着して、ノズル面が汚れるのを防止することができる。
吸着ベルト搬送部26の下方には、乾燥装置44が設けられている。乾燥装置44は、その上方を通過するベルト43を乾燥する。
湿潤機構36Aによって湿潤されたベルト43の湿潤領域は、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面の下方を加熱装置18A,18B,18C,18Dに加熱されながら通過し、さらにローラ42を通って、記録紙20の搬送方向と逆方向に送られる。そして乾燥装置44の上方を通過する。このときベルト43の湿潤領域は、乾燥装置44によって乾燥させられる。そして乾燥したベルト43はローラ41を通過し、給紙部22から送られてくる記録紙20を搬送する。
ベルト43は、加熱装置18A,18B,18C,18Dの上方を通過する際に加熱されるが、十分に乾燥されない状態で、ローラ42、さらにローラ41を通って、記録紙20を搬送すると、記録紙20も湿潤状態となる場合があり、記録紙20に印字された画像等の滲み等を生ずる恐れがある。加熱装置44は、このような画像の滲み等を防止するため、ベルト44を十分に乾燥する。
また本実施形態において、図7に示すように、印字ヘッド12K,12C,12M,12Y、湿度検出器16A1〜16D3、湿潤機構36A、加熱装置18A,18B,18C,18D及び乾燥装置44は、カバー40によって覆われていることが望ましい。
カバー40は、カバー40の外側空気と遮断することによって内部の機密性を高め、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面が低湿となるのを防止するとともに、湿潤部36及び加熱部18による加湿効果を向上させる。
カバー40の両側面には、それぞれスリット状の記録紙供給口48Aを備えた記録紙供給部48と、スリット状の記録紙排出口49Aを備えた記録紙排出部49が設けられる。記録紙20は、給紙部22(図1参照)から記録紙供給口48Aを通って、ベルト43上に送られる。そして、ベルト43上の記録紙20は、湿潤機構36A、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの下方を通過し、記録紙排出口49Aを通って、排出部28(図1参照)に排出される。
カバー40の側面に設けられる記録紙排出部49の上方には、ファン37が備えられる。ファン37は、外気をカバー40内部に導入する。
印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル周辺の湿度が過上昇となった場合、ファン37は外気をカバー40内部に導入し、ノズル周辺の湿度を下げる。
また瞬断やジャムが発生した場合には、吸着ベルト搬送部26による記録紙20の搬送、湿潤機構36Aによるベルト43の湿潤、加熱部18によるベルト43の加熱を停止し、ファン37によって外気を導入する。これにより、カバー40内部に設けられる印字部12等の結露を防止することができる。
このように本実施形態では、カバー40によって、その内部に設けられる印字部12等の保湿効果を向上させるとともに、湿度が過上昇の場合でもファン37によって早期に解消することができる。この結果、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル周辺の湿度を一定に保つことができ、適切な保湿状態を維持することができる。
図11は、本発明に係る第2の実施形態の印字ヘッド周辺の要部平面図である。
本実施形態において、湿度検出器16A1〜16D3の構成は、第1の実施形態と共通する。
印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの記録紙20の搬送方向の上流側には、湿潤機構36A1,36A2,36A3が、記録紙20の幅方向に配列して設けられる。各湿潤機構36A1〜36A3は、ベルト43上の液滴噴射方向に記録紙20が存在しない場合に液滴噴射を行い、ベルト43の湿潤を行う。
例えば、記録紙20の幅が狭い場合、すなわちベルト43上の中央部にのみ記録紙20が存在し、両端部周辺には存在しない場合には、ベルト43上の中央部に位置する湿潤機構36A2は液滴噴射を行わず、ベルト43上の両端部に位置する湿潤機構36A1,36A3が液滴噴射を行う。この結果、記録紙20に対する印字動作とともに、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面の長手方向両端部に対する加湿を同時に行うことができる。
湿潤制御装置36Bは、各湿度検出器16A1〜16D3による検出湿度が規定値となるように、吸着ベルト搬送部26に送られてくる記録紙20の搬送間隔を変化させ、湿潤機構36Aに対して液滴噴射の指示を行う。なお第1の実施形態と同様に、湿潤制御装置36Bが、湿潤機構36Aの液滴噴射量、噴射間隔を変化させる構成も可能である。
湿度検出器16A1〜16D3の検出湿度が規定値より低い場合には、湿潤制御装置36Bは、湿潤機構36A1〜36A3による湿潤が十分に行われるように、ベルト43の湿潤面積を拡げ、湿度の低い部分に対応する湿潤機構36A1〜36A3に対して液滴噴射の指示を行う。
湿潤制御装置36Bにより指示された湿潤機構36A1〜36A3は、湿潤面積の拡げられたベルト43に対して液滴噴射を行う。そして後述する加熱装置18A1〜18D3による加熱によって、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面に対する加湿が行われる。
そして、各湿度検出器16A1〜16D3による検出湿度が規定値に達するまで、ベルト43に対する湿潤及び加熱が行われる。
加熱装置18A1,18A2,18A3は、ベルト43を挟んで印字ヘッド12Kのノズル面に対向する位置に、印字ヘッド12Kの長手方向に配列して設けられる。同様に、各加熱装置18B1,18B2,18B3,18C1,18C2,18C3,18D1,18D2,18D3は、各印字ヘッド12C,12M,12Yに対応する位置に設けられる。
加熱制御装置47(図1参照)は、第1の実施形態と同様に、各湿度検出器16A1〜16D3による検出湿度が規定値となるように、各加熱装置18A1〜18D3に対して加熱の指示を行う。
特に本実施形態においては、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対して、それぞれ3つの加熱装置18A1〜18A3,18B1〜18B3,18C1〜18C3,18D1〜18D3が設けられているので、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル周辺の一部の湿度が規定値より低い場合には、加熱制御装置47は、湿度の低い部分に対応する加熱装置18A1〜18D3に対して加熱の指示を行う。
加熱制御装置47によって指示された加熱装置18A1〜18D3は、ベルト43に対して加熱を行い、ベルト43を挟んで対向する位置にある印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面を加湿する。
そして、各湿度検出器16A1〜16D3による検出湿度が規定値に達するまで、ベルト43に対する湿潤及び加熱が行われる。
このように湿潤機構36A1〜36A3、湿度検出器16A1〜16D3、加熱装置18A1〜18D3を記録紙20の幅方向にそれぞれ配列して構成することにより、この幅方向においても、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面の保湿状態を均一に保つことができる。
なお本実施形態においては、記録紙20の幅方向に、それぞれ湿度検出器16A1〜16D3、湿潤機構36A1〜36A3、加熱装置18A1〜18D3を3つ配列する構成を示したが、本発明の実施に際しては、これに限定されるものでない。例えば、さらに多くの湿度検出器、湿潤機構、加熱装置を構成することも可能であり、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yが長尺である場合にも、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの長手方向において湿度ムラが生じることなく、均一な保湿状態を保つことができる。
また印字ヘッド12K,12C,12M,12Yが幅広である場合には、複数の湿度検出器、湿潤機構、加熱装置を記録紙20の搬送方向に配列する構成でもよい。この場合、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面の保湿状態を記録紙20の搬送方向で均一に保つことができる。
図12は、本発明に係る第3の実施形態の印字ヘッド周辺の斜視図である。
本実施形態において、湿度検出器16A1〜16D3及び湿潤機構36Aは、第1の実施形態と共通する。
各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面の下方には、メンテ機構39A,39B,39C,39Dが設けられている。メンテ機構39A,39B,39C,39Dには、キャップ(図12中不図示、図5において符号64として記載)やブレード(図12中不図示、図5において符号66として記載)が備えられる。
ベルト43は、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面に対向するベルト面が、各メンテ機構39A,39B,39C,39Dの上面と略水平となるように設けられる。そして、各メンテ機構39A,39B,39C,39Dの両側面及び下面をベルト43が通過するように、ローラ31A1,31A2,31A3,31A4,・・・,31D1,31D2,31D3,31D4が設けられている。そのためベルト43は、図6に示すように、各メンテ機構39A,39B,39C,39Dの周辺において、断面U字状の形状をなすように構成される。
本実施形態において、各メンテ機構39A,39B,39C,39Dの記録紙20の搬送方向上流側の上端に設けられるローラ31A1,31B1,31C1,31D1は、ベルト43を加熱する機能を備える。
ベルト43は、湿潤機構36Aによって湿潤され、各ローラ31A1,31B1,31C1,31D1を通過する際に加熱される。これにより、ベルト43を挟んで、各ローラ31A1,31B1,31C1,31D1に対向する位置に存在する各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面は加湿され、保湿状態となる。
このように本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を奏するとともに、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面に対向する位置にメンテ機構39A,39B,39C,39Dが存在する場合でも、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造を複雑にすることなく、ノズル面の保湿を行うことができる。
本実施形態においては、第2の実施形態と同様に、湿度検出器16A1〜16D3が各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの長手方向に配列して並設される。印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの記録紙20の搬送方向の上流側には、湿潤機構36Aが設けられる。また加熱装置18A,18B,18C,18Dが、第1の実施形態と同様に、ベルト43を挟んで、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面に対向する位置に配置される。乾燥装置44は、第1及び第2の実施形態と同様に、吸着ベルト搬送部26の下方に設けられる。
また本実施形態においては、図5に示すように、印字部12、湿度検出部16、湿潤機構36A、加熱部18、乾燥装置43がカバー40によって覆われている。カバー40は、カバー40の外側の空気と遮断することによって内部の機密性を高め、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル面が低湿となるのを防止するとともに、湿潤部36及び加熱部18による加湿効果を向上させる。
カバー40の両側面には、それぞれスリット状の記録紙供給口48Aを備えた記録紙供給部48と、スリット状の記録紙排出口49Aを備えた記録紙排出部49が設けられる。記録紙20は、給紙部22(図1参照)から記録紙供給口48Aを通って、ベルト43上に送られる。そして、ベルト43上の記録紙20は、湿潤部36、印字部12の下方を通過し、記録紙排出口49Aを通って、排出部28(図1参照)に排出される。
さらにカバー40の側面に設けられる記録紙排出部49の上方には、ファン37が備えられる。ファン37は、外気をカバー40内部に導入する。
印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル周辺の湿度が過上昇となった場合、ファン37は外気をカバー40内部に導入し、ノズル周辺の湿度を下げる。
また瞬断やジャムが発生した場合には、吸着ベルト搬送部26による記録紙20の搬送、湿潤機構36Aによるベルト43の湿潤、加熱部18によるベルト43の加熱を停止し、ファン37によって外気を導入する。これにより、カバー40内部に設けられる印字部12等の結露を防止することができる。
このように本実施形態では、カバー40によって、その内部に設けられる印字部12等の保湿効果を向上させるとともに、湿度が過上昇の場合でもファン37によって早期に解消することができる。この結果、印字ヘッド12K,12C,12M,12Yのノズル周辺の湿度を一定に保つことができ、適切な保湿状態を維持することができる。
上述した実施形態では、画像形成装置の一例としてインクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。また本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってよいのはもちろんである。
本発明に係るインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図である。 (a)は、図1の印字ヘッドをノズル面から見たときの平面図であり、(b)はその拡大図である。 インク室ユニットの断面図(図3中4−4線に沿う断面図)である。 インクジェット記録装置のインク供給系の構成を示した概略図である。 インクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図である。 本発明に係る第1の実施形態の印字部周辺の斜視図である。 ノズル周辺の湿度と不吐出時間との関係を示すグラフである。 湿度とインクの粘度との関係を示すグラフである。 ベルトの位相と加熱装置の加熱温度との関係を表すグラフである。 本発明に係る第2の実施形態の印字部周辺の要部平面図である。 本発明に係る第3の実施形態の印字部周辺の斜視図である。
符号の説明
10…インクジェット記録装置、12…印字部、12K,12C,12M,12Y…印字ヘッド、16…湿度検出部、16A,16B,16C,16D…湿度検出器、18…加熱部、18A,18B,18C,18D…加熱装置、35…記録紙乾燥部、36…湿潤部、36A…湿潤機構、36B…湿潤制御装置、37…ファン、40…カバー、43…ベルト、44…乾燥装置、47…加熱制御装置

Claims (10)

  1. 複数のノズルが配列されたライン型ヘッドを複数備え、前記ライン型ヘッド及び記録媒体のうち少なくとも一方を前記記録媒体の幅方向と略直交する方向に相対的に搬送して印字する画像形成装置であって、
    前記ライン型ヘッドの前記記録媒体の相対搬送方向上流側に、被湿潤媒体を湿潤する湿潤手段と、
    前記被湿潤媒体を前記ライン型ヘッドに対向する位置に移動する移動手段と、
    前記複数のライン型ヘッドの周辺部にそれぞれ、前記被湿潤媒体を加熱する加熱手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置であって、さらに、
    前記ライン型ヘッドの周辺部の湿度を検出する湿度検出手段を前記ライン型ヘッド毎に設け、
    前記湿潤手段が、前記被湿潤媒体に対して湿潤する部分の面積を変化させ、前記湿度検出手段により検出される湿度が規定値になるように制御する湿潤制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1に記載の画像形成装置であって、さらに、
    前記ライン型ヘッドの周辺部の湿度を検出する湿度検出手段を前記ライン型ヘッド毎に設け、
    前記加熱手段が加熱する温度を変化させ、前記湿度検出手段により検出される湿度が規定値になるように制御する加熱制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1に記載の画像形成装置であって、さらに、
    前記ライン型ヘッドの周辺部の湿度を検出する湿度検出手段を前記ライン型ヘッド毎に設け、
    前記湿潤手段が、前記被湿潤媒体に対して湿潤する部分の面積を変化させ、前記湿度検出手段により検出される湿度が規定値になるように制御する湿潤制御手段と、
    前記加熱手段が加熱する温度を変化させ、前記湿度検出手段により検出される湿度が規定値になるように制御する加熱制御手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記被湿潤媒体は、前記ライン型ヘッドに対向する搬送手段又は印字に用いない記録媒体であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記加熱手段又は前記湿潤手段の少なくとも一方は、前記記録媒体の相対搬送方向と略直交する方向に分割して複数配列されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記湿度の規定値は、70%以上90%以下であることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、さらに、少なくとも前記ライン型ヘッド、前記湿潤手段及び前記加熱手段を覆うカバーを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8に記載の画像形成装置であって、さらに、前記カバーに外気を導入するファンを設けたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置であって、さらに、前記湿潤手段の前記記録媒体の相対搬送方向上流側に、前記記録媒体を乾燥する記録媒体乾燥手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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