JP4956953B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

この発明は、MOS系デバイス(MOS構造を利用した半導体素子)を構成する半導体装置に関し、特にパワーMOSFETや、IGBT、あるいはサイリスタ(MCT)等のパワーデバイスに用いて有益な半導体装置に関する。
周知のように、この種の半導体装置としては、例えばDMOS(二重拡散MOS)構造のトランジスタがよく知られている。しかし、このDMOS構造のトランジスタは、低耐圧〜中耐圧(50V〜300V程度)の領域において、まだオン抵抗が高く、同領域においてより低いオン抵抗の得られる半導体装置の開発、実用化が切に望まれている。
そこで近年、例えば特許文献1に記載されるように、基板の深さ方向(縦方向)をチャネル幅方向とするようなチャネルを形成すべく、ソース・ドレイン間の電流を制御するゲート電極(MOSゲート)について、同基板深さ方向に伸長するトレンチ電極構造を採用した、いわゆる3次元パワーMOSFET(電界効果トランジスタ)なども提案されるに至っている。以下、図15〜図24を参照して、こうした3次元パワーMOSFETの一例の概要を説明する。
はじめに、図15および図16を参照して、この3次元パワーMOSFETの構造について説明する。なお、図15は、このトランジスタの概略構造を示す平面図、図16は、図15中に一点鎖線にて示される領域Uを切り取ってその構造をより詳細に示す斜視図である。
同図15に示されるように、このトランジスタの母材となる基板(例えばシリコン基板)には、トレンチT1が所定の間隔をおいて連続的に形成されている(トレンチT1間のアイソレーション(素子分離)は図示略)。そして、このトレンチT1の内外の構造を詳しくみると、図16に示されるように、このトランジスタは、互いに対向する(詳しくは、図中のY方向およびZ方向に対向する)かたちで設けられたn型のソース領域S(トレンチT1の内)、および同じくn型のドレイン領域D(トレンチT1の外)を備えて構成されている。また、当該基板の表面からは、p型のベース領域BSが、隣接する上記ソース領域Sを囲繞するように延設されている。さらに、該ベース領域BSおよび上記ドレイン領域Dの間には、上記ドレイン領域Dよりも濃度の低いn型からなるドリフト領域DFが設けられている。そして、こうしたソース領域Sおよびベース領域BSを基板の深さ方向(図中のZ方向)に貫通するようにトレンチTが設けられるとともに、さらにこのトレンチTの内部には、例えば酸化シリコンからなるゲート絶縁膜GIを介して、例えば多結晶シリコンからなるゲート電極Gが形成されている。なお、これらソース領域Sおよびドレイン領域D、並びにゲート電極Gは、図16に示されるように、所定の配線を介して、端子(例えばパッド)SEおよびDEおよびGEまで引き出されている。また、上記ベース領域BSも、上記ソース領域Sに同じく、上記端子SEと電気的に接続されている。
このような構成のもと、このトランジスタでは、該ゲート電極Gへの電圧(ゲート電圧)の印加に伴い、同ゲート電極Gと隣接する上記ベース領域BSの所定の部分(詳しくはゲート電極Gとの隣接部分)に、図中のZ方向およびY方向をチャネル幅方向とするチャネルが形成されるようになっている。すなわち、当該トランジスタの出力電流は、上記端子SEおよびDE間(ソース・ドレイン間)を、図中のY方向およびZ方向へそれぞれ流れることになる。また、この出力電流として大電流を得るべく、こうしたゲート電極Gは、所定の間隔をおいて連続的に形成され、図15に示すように、これらが互いに電気的に並列接続されることにより、1つの信号をもってその各々に略同時に電圧(ゲート電圧)が印加されるようになっている。
次に、図17〜図23を参照して、この3次元パワーMOSFETの製造方法について説明する。なお、図17(a)〜図23(a)は、図15中のA−A’線に沿った断面図、図17(b)〜図23(b)は、図15中のB−B’線に沿った断面図である。
このトランジスタを製造する際には、まず、図17に示されるように、例えばn型のシリコンからなる半導体基板1を用意し、この基板1の上に、例えばシリコン基板の酸化あるいはCVD(化学気相成長)により、例えば酸化シリコンからなるトレンチ形成用のマスク材M1を形成するとともに、適宜のフォトリソグラフィ工程、さらにはエッチング工程(ドライまたはウェット)を通じて、このマスク材M1をパターンニングする。
次いで、図18に示すように、基板1の表面側から上記マスク材M1をマスクとしたエッチング(ドライまたはウェット)を行うことにより、同基板1にトレンチT1(図15)を形成する。なお、このトレンチT1の寸法は、例えば深さ(Z方向)「10〜100(μm)」、幅(Y方向)「10〜100(μm)」に設定される。またここでは、あえて上記マスク材M1を残すようにしているが、該マスク材M1は、このトレンチT1形成の際にエッチング除去してもよい。
さらに、図19に示すように、今度はこのトレンチT1の内部を埋め込むべく、例えばエピタキシャル成長にて、基板1よりも濃度の低いn型(n型)のシリコンからなる半導体膜2、p型のシリコンからなる半導体膜3、n型のシリコン(もしくは多結晶シリコン)からなる半導体膜4を、基板1の表面に順次堆積形成する。そして、例えば上記マスク材M1をストッパにした平坦化研磨、同マスク材M1の除去、仕上げ研磨、と続けて行うことにより、図20に示すように、基板1の表面を平坦化する。さらに続けて、トレンチT1間(図15)にアイソレーション(素子分離)を形成すべく、この基板1の表面に例えばLOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)酸化を施してから、例えばCVDにより、例えば酸化シリコンからなるトレンチ形成用のマスク材M2を形成する。そして、図21に示すように、例えばフォトリソグラフィ工程、そしてこれに続くエッチング工程(ドライまたはウェット)を通じて、このマスク材M2をパターンニングする。
次いで、図22に示すように、基板1の表面側から上記マスク材M2をマスクとしたエッチング(ドライまたはウェット)を行うことにより、同基板1にトレンチT(図15)を形成するとともに、このトレンチTの形成と同時に(もしくは別途に)、上記マスク材M2をエッチング除去する。
また次に、例えばこのトレンチTの内壁部分を酸化させることによって、例えば酸化シリコンからなるゲート絶縁膜GI(図15)を形成し、さらに、このトレンチTの内部を埋め込むべく、例えばn型(n型)の多結晶シリコンからなるゲート電極G(図15)を形成する。そして、例えばエッチバックにより、基板1の表面を平坦化する。さらに、この平坦化の後、半導体デバイスの通常の製造工程(フォトリソグラフィ工程やエッチング工程(ドライまたはウェット)等)を通じて、上記ゲート電極Gに対するゲート配線をはじめとする各種の配線(電極)や、保護膜等を形成することによって、図23に示されるように、このトランジスタは完成する。すなわち、基板1がドレイン領域D、半導体膜2がドリフト領域DF、半導体膜3がベース領域BS、半導体膜4がソース領域Sとなる。
図24に、こうした3次元パワーMOSFETを含めた2種類のパワーデバイスのオン抵抗と耐圧との関係について、これら各要素を縦軸(オン抵抗)および横軸(耐圧)にとった具体的なデータ(縦型DMOSトランジスタの理論限界データおよび3次元パワーMOSFETのシミュレーションデータ)により、各デバイスの傾向(特性)をグラフとして示す。
同図24に示されるように、低耐圧〜中耐圧(50V〜300V程度)の領域においては、縦型DMOS構造のトランジスタよりも3次元パワーMOSFETのほうが、より低いオン抵抗が得られる傾向にある。例えばトレンチ電極構造の上記ゲート電極Gを、深さ「30(μm)」に形成すれば、耐圧「300(V)」の領域で、縦型DMOS構造のトランジスタの規格化オン抵抗の理論限界を下回ることが可能になる。ちなみに、これらオン抵抗や耐圧の調整や設定は、通常、ドリフト領域の幅(厚さ)の設定を通じて行われる。すなわち、例えばオン抵抗を小さく抑えたいときは、このドリフト領域の幅を狭く設定する。他方、耐圧を大きく確保したいときは、逆にドリフト領域の幅を広く設定するようにする。
特許第3356162号公報
ところで、このようなトランジスタは通常、図25(図17(a)〜図23(a)に対応する断面図)に示されるように、基板表面に適宜の絶縁材料(例えば酸化シリコン)からなる層間絶縁膜SIを介して適宜の配線材(例えばアルミニウム)からなる配線L(例えばソース配線)の形成された状態で使用される。このため、基板表面には、配線L、層間絶縁膜SI、およびベース領域BSにより、寄生的にMOS構造が形成され、例えば外乱の影響(サージ等)や断線(ショート)に起因して上記配線Lへ正の電位(電圧)が印加されると、p型のベース領域BSの表面に、少数キャリアである電子が集まり、意図しないチャネル(反転層)が形成されることになる。そして、こうして生じたチャネル(反転層)は、トランジスタが動作していない場合でも不要な電流を漏らすように作用し、その結果、いわゆるリーク電流を増加させてしまうことになる。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、基板深さ方向(縦方向)に伸長するトレンチ電極構造のゲート電極(MOSゲート)を通じて、オン抵抗の低減を図りながら、基板表面に層間絶縁膜を介して配線が形成された場合にあっても、リーク電流を抑制することのできる半導体装置を提供することを目的とする。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、半導体装置の母材となる基板内に、MOS系デバイスを構成すべく互いに対向するかたちで設けられた同一の導電型からなるドレイン領域としての第1の不純物領域およびソース領域としての第2の不純物領域と、前記第2の不純物領域を囲繞するように前記基板の表面から延設され、該第2の不純物領域とは異なる導電型からなるベース領域と、前記ベース領域と前記ドレイン領域としての第1の不純物領域との間に介在し、前記第1の不純物領域よりも濃度の低い同一の導電型からなるドリフト領域と、前記第1および第2の不純物領域と共に前記MOS系デバイスを構成すべく、前記基板の深さ方向に延設されたトレンチの内部にゲート絶縁膜を介して埋設され、印加電圧に応じて前記ベース領域の所定の部分にチャネルを形成するゲート電極と、を備える半導体装置として、前記ベース領域の基板表面付近に、同一の導電型で該ベース領域よりも濃度の高い拡散層が、少なくとも前記ゲート電極よりも前記ドレイン領域側へ突き出る態様で、前記ドリフト領域まで延設されて設けられた構造とする。
このように、高濃度の拡散層を設けることで、少なくとも上記ベース領域の基板表面付近においては、多数キャリア(例えばベース領域の導電型がp型であれば、正孔)の数が増大し、これに伴い、少数キャリア(例えばベース領域の導電型がp型であれば、電子)の数は、逆に減少することになる。したがって、基板表面に層間絶縁膜を介して配線が形成され、この配線に反転電位(反転電圧)が印加された場合(図25参照)であれ、基板表面付近には少数キャリアが集まりにくくなり、ひいては同基板表面付近に反転層が形成されにくくなる(換言すれば、反転層を形成するために必要となる印加電圧が高くなる)。すなわち、半導体装置としてのこのような構造によれば、基板深さ方向(縦方向)に伸長するトレンチ電極構造のゲート電極(MOSゲート)を通じて、オン抵抗の低減を図りながら、基板表面に層間絶縁膜を介して配線が形成された場合にあっても、基板表面付近に意図しない電流路(反転層)は形成され難くなり、結果、リーク電流が抑制されるようになる。
また、トレンチ電極構造のゲート電極(MOSゲート)を採用する3次元MOSFETは、基板深く形成された上記ベース領域の抵抗成分(電位分布)に起因して、寄生的にバイポーラトランジスタ(上記ソース領域・ドレイン領域・ベース領域によって形成される寄生バイポーラ)が、生成され易くなっている。そして、ドリフト領域の幅(厚み)はオン抵抗や耐圧に影響する。詳しくは、該ドリフト領域の幅を広く(大きく)設定すれば、耐圧は大きくなる(増大する)。この点、請求項1に記載の構造では、基板表面付近におけるドリフト領域の幅(厚み)が、該高濃度の拡散層によって選択的に狭められているため、ドリフト領域の幅と耐圧とのこのような関係により、結果的に、ここにブレイクポイント(プレイクし易い箇所)が形成されることになる。また、ドリフト領域の幅(厚み)が基板表面付近において選択的に狭められることで、ここに電位分布(等電位線)の急カーブが形成されることにもなるため、このカーブ部における電界の集中によっても、この部分(ドリフト領域の幅狭な部分)がプレイクし易くなる。そして、こうして動作前にプレイクさえさせてしまえば、寄生バイポーラは動作(トランジスタ動作)しなくなるため、上述の寄生バイポーラの好ましくない動作についても、上記高濃度の拡散層の幅(より正確には、この拡散層がドリフト領域を侵食する程度)の設定を通じて、より容易にその抑止(防止)を図ることが可能になる。特に、ベース領域に設けられた高濃度の拡散層を、少なくともゲート電極よりもドレイン領域側へ突き出る態様で、ドリフト領域まで延設されるものとすることにより、ゲート電極(トレンチ電極)の角(コーナー部)への電界集中が緩和されるようになるため、この電界集中に起因して生じる同電極の信頼性の低下(詳しくは、電極材の劣化や、寿命(例えばTDDB)の低下など)についてもこれが、好適に抑制されるようになる(詳しくは図12参照)。
また、この請求項1に記載の半導体装置において、前記ベース領域に設けられた高濃度の拡散層の濃度は、前記ベース領域よりは高い濃度に設定する必要があるものの、該拡散層に係る導電型不純物の固溶度(析出されずに溶け込む不純物の最大密度)を超えるほど、これが高く設定されてしまうと、析出した不純物によって欠陥の生成が懸念されるようになる。したがって、この高濃度の拡散層の濃度は、請求項2に記載の発明によるように、該高濃度の拡散層に係る導電型不純物の固溶度を超えない範囲に設定することが望ましい。
さらに発明者は、前述したリーク電流のメカニズム(発生原理)に加えて、前記第2の不純物領域の拡散(特に熱拡散)がリーク電流に寄与している可能性も、ここに示唆する。すなわち、先の図15や図16に示した従来の半導体装置において、後工程の熱処理(例えば不純物の活性化や再結晶化のための熱処理)を行った場合には、先の図25に破線にて示されるように、前記ソース領域S(第2の不純物領域)の導電型不純物(n型不純物)がp型のベース領域BSへ拡散することも懸念される。そして、このような拡散がなされた場合には、同ベース領域BSの基板表面付近で、少数キャリア(この例では、電子)の数が増加し、ここに反転層が形成され易くなったり、あるいは完全に反転してベース領域BSの一部が実質的にソース領域Sとなることによって、電流のリークに寄与するチャネル長(反転層の長さ)が短くなったりすることが、考えられる。図26に、熱処理後のベース領域BSの濃度プロファイル(p型不純物の濃度)を、発明者のシミュレーションの結果として示す。この図26に示されるように、基板表面付近の濃度は、確かに低濃度化している。
このように、前記第2の不純物領域(例えばソース領域S)の拡散(特に熱拡散)も、リーク電流に寄与していると考えられる
また、こうした拡散は、ダングリングボンド(未結合手)の多い不安定な基板表面付近において、特に活発に起こる。この点、請求項に記載の発明によるように、上記請求項1または2に記載の半導体装置において、前記ベース領域に設けられた高濃度の拡散層を、基板表面付近において前記第2の不純物領域まで延設するようにすれば、基板表面付近における拡散が、この高濃度の拡散層によって、より効率的に抑制されるようになる。
また前述したように、出力電流として大電流を得る上では、請求項に記載の発明によるように、上記請求項1〜のいずれか一項に記載の半導体装置において、前記ゲート電極を、所定の間隔をおいて複数形成されるものとし、これら複数のゲート電極を、互いに電気的に並列に接続させることが望ましい。
また、これも前述したとおりであるが、基板表面付近の反転層に起因するリーク電流は、請求項に記載の発明によるように、上記請求項1〜のいずれか一項に記載の半導体装置において、前記基板の表面に層間絶縁膜を介して所定の配線が形成された構造(図25参照)となる場合に、特に顕著に発生するようになる。すなわち、上記請求項1〜のいずれか一項に記載の発明は、こうした構造(請求項に記載の構造)に適用して特に有効である。
(第1の比較例
以下、図1および図2を参照して、この発明に係る半導体装置を具体化した実施の形態を説明するに先立ち第1の比較例について説明する。なお、この比較例の半導体装置としても、先の図15に例示した半導体装置と同様、基板の深さ方向をチャネル幅方向とするようなチャネルを形成すべく、ソース・ドレイン間の電流を制御するゲート電極(MOSゲート)について基板深さ方向に伸長するトレンチ電極構造を採用した、いわゆる3次元パワーMOSFETを想定している。
図1は、このトランジスタの概略構造を示す平面図、図2(a)は、図1中のA−A’線に沿った断面図、図2(b)は、図1中のB−B’線に沿った断面図、図2(c)は、図1中のC−C’線に沿った断面図である。なお、ここでは、先の図15の平面図でいうところの一部のみを拡大して示し、同図15に示した装置に準ずる部分である装置全体の概略構造についてはその図示を割愛している。しかし、この比較例に係るトランジスタにおいても、トレンチT1(エピトレンチ)は、母材となる基板(例えばシリコン基板)に、所定の間隔(ここでは等間隔)をおいて連続的に形成されており、同トレンチT1内に形成される各種の要素(当該トランジスタの構成要素)は各々、これらトレンチT1間で並列に接続されて用いられるようになっている(なお、最終的にはこれを、例えば「1〜10(mm)」角ごとにチップとして切り出し、封止・検査工程等を経た後、完成品(製品)とする)。また、各端子SEおよびDEおよびGEの引き出し態様(接続態様)も、基本的には、先の図15(および図16)に例示した装置と同様である。さらに、基板の表面には、先の図25に例示した装置と同様、適宜の絶縁材料(例えば酸化シリコン)からなる層間絶縁膜を介して、適宜の配線材(例えばアルミニウム)からなる配線が形成されている。
同図1および図2に示されるように、このトランジスタも、基本的には、先の図15に例示した半導体装置に準じた構造を有して構成されている。ただしここでは、上記ベース領域BSの基板表面付近に、該ベース領域BSよりも濃度の高いp型の拡散層SPをさらに設け、この部分における反転層(チャネル)の形成、ひいてはリーク電流の発生を抑制するようにしている。
すなわち、このトランジスタにおいても、基板内部には、互いに対向する(詳しくは、図中のY方向およびZ方向に対向する)n型のソース領域S(第2の不純物領域)およびドレイン領域D(第1の不純物領域)が設けられており、当該基板の表面からは、p型のベース領域BSが、隣接する上記ソース領域Sを囲繞するように延設されている。そして、該ベース領域BSおよび上記ドレイン領域Dの間には、上記ドレイン領域Dよりも濃度の低いn型からなるドリフト領域DFが設けられている。ただし、上記ベース領域BSの基板表面付近には、上述のように、該ベース領域BSよりも濃度の高いp型の拡散層SPがさらに設けられている。
ちなみに、この比較例においては、これら各要素の寸法および濃度が、次のように設定されている。
・ドレイン領域D(導電型:n):幅(Y方向)が「2〜20(μm)」に、不純物濃度が「1×1018〜1×1020(atoms/cm)」に設定されている。
・ソース領域S(導電型:n):幅(Y方向)が「1〜20(μm)」に、不純物濃度が「1×1018〜1×1021(atoms/cm)」に設定されている。
・ドリフト領域DF(導電型:n):幅(Y方向)が「2〜30(μm)」に、不純物濃度が「1×1014〜1×1016(atoms/cm)」に設定されている。
・ベース領域BS(導電型:p):幅(Y方向)が「0.5〜4(μm)」に、不純物濃度が「1×1016〜1×1018(atoms/cm)」に設定されている。
・拡散層SP(導電型:p):深さ(Z方向)が、「5(μm)」以下、もしくはベース領域BSの深さの「20(%)」以下に(この深さは、チャネル領域の減少がオン抵抗へ与える影響を考慮しつつ設定する)、また幅(Y方向)が、「0.5〜4(μm)」(ただし、ベース領域BS内に収まる(同一の幅も含む)範囲)に設定されている。また、不純物濃度は、上記ベース領域BSおよびソース領域Sよりも高濃度な範囲で、且つ、該拡散層SPに係る導電型不純物の固溶度を超えない範囲、例えば「1×1016〜1×1021(atoms/cm)」(ただし、上記ベース領域BSおよびソース領域Sの濃度を考慮すれば、より好ましい範囲は「1×1018〜1×1020(atoms/cm)」となる)に設定されている。
またここで、上記ドレイン領域Dおよびソース領域Sおよびドリフト領域DFおよびベース領域BSの濃度プロファイルは、基板の深さ方向について濃度が均一になるようなプロファイル(分布)となっている。
そして、このトランジスタにおいても、先の図15に例示した装置と同様、上記ソース領域Sおよびベース領域BSを基板の深さ方向(図中のZ方向)に貫通するようにトレンチTを設け、さらにこのトレンチTの内部に、例えば酸化シリコンからなるゲート絶縁膜GIを介して、例えば多結晶シリコンからなるゲート電極Gを埋設するようにしている。すなわち、このトランジスタにおいても、該ゲート電極Gへの電圧(ゲート電圧)の印加に伴い、同ゲート電極Gと隣接する上記ベース領域BSの所定の部分(詳しくはゲート電極Gとの隣接部分)に、図中のZ方向およびY方向をチャネル幅方向とするチャネルが形成され、図中のY方向およびZ方向へそれぞれ電流が流れるようになっている。また、当該トランジスタの出力として大電流を得るべく、こうしたゲート電極Gは、所定の間隔をおいて連続的に形成され、図1に示すように、これらが互いに電気的に並列接続されることにより、1つの信号をもってその各々に略同時に電圧(ゲート電圧)が印加されるようになっている。
なお、こうしたトランジスタも、基本的には、先の図17〜図23に例示した方法に準ずる方法をもって、製造することができる。ただし、このトランジスタでは、新たに拡散層SPが設けられているため、このトランジスタを製造する際には、例えば前述の半導体膜2〜4形成後の平坦化工程(図20)の後、あるいはゲート電極G形成後の平坦化(エッチバック)工程(図23)の後などに、こうした拡散層SPを形成する工程が新たに必要となる。すなわち、例えば上記ベース領域BSの基板表面付近に対してイオン注入を行った後、その注入された導電型不純物(p型)を活性化する(適宜の熱処理を施す)などして、上記拡散層SPを形成するようにする。
そして、以上説明したこの比較例によれば、以下のような効果が得られるようになる。
(1)3次元パワーMOSFET(電界効果トランジスタ)として、p型のベース領域BSの基板表面付近に、該ベース領域BSよりも濃度の高いp型の拡散層SPが設けられた構造とした。このように、高濃度の拡散層SPを設けることで、少なくとも上記ベース領域の基板表面付近においては、少数キャリア(ここでは電子)の数が減少する。これにより、基板表面に層間絶縁膜を介して配線が形成され、この配線に反転電位(反転電圧)が印加された場合(図25参照)であれ、基板表面付近には少数キャリアが集まりにくくなり、同基板表面付近に前述の反転層が形成されにくくなる(換言すれば、反転層を形成するために必要となる印加電圧が高くなる)。すなわち、基板深さ方向に伸長するトレンチ電極構造のゲート電極Gを通じて、オン抵抗の低減を図りながら、前述したリーク電流についても、これが好適に抑制されるようになる。
(2)トレンチ電極構造のゲート電極Gを、基板の深さ方向に向かってソース領域Sおよびベース領域BSを共に貫通するように形成した。これにより、1つの方向だけでなく2方向(図1中のY方向およびZ方向)にチャネルが形成されるようになり、より大きな電流の制御が可能になる。
(3)拡散層SPの濃度を、該拡散層SPに係る導電型不純物の固溶度を超えない範囲に設定した。これにより、不純物の析出に起因した欠陥の生成などについても、その防止が好適に図られるようになる。
(4)さらに、この拡散層SPの濃度を、上記ソース領域S(第2の不純物領域)の濃度よりも大きく設定するようにした。これにより、該ソース領域Sはベース領域BSへ拡散しにくくなり、例えば後工程において所定の熱処理を施した場合であれ、同ベース領域BSへの拡散(熱拡散)は抑制されるようになる。すなわち、こうすることで、前述のリーク電流に対する耐性がさらに高められることになる(詳しくは、図26のシミュレーション結果も参照)。
(5)MOS系デバイスの中でも、特にMOSFET(電界効果トランジスタ)として、当該半導体装置を構成するようにした。これにより、前述した低耐圧〜中耐圧(50V〜300V程度)の領域(図24参照)にあっても、当該半導体装置(トランジスタ)を、より低いオン抵抗で動作させることが可能になる。
(6)p型のベース領域BSとn型のドレイン領域Dとの間に、ドレイン領域Dよりも濃度の低いn型のドリフト領域DFが介在する構造とした。これにより、該ドリフト領域DFの寸法(例えば幅)の設定を通じて、より容易に、オン抵抗や耐圧の調整や設定を行うことが可能になる。
(7)上記ドレイン領域Dおよびソース領域Sおよびドリフト領域DFおよびベース領域BSの濃度プロファイルを、基板の深さ方向について濃度が均一になるようなプロファイル(分布)とした。これにより、トランジスタが動作したときにチャネルに流れる電流が深さ方向に偏ることなく一定になる。このため、チャネル抵抗の低減、ひいてはオン抵抗の低減が図られるようになる。また、寄生トランジスタの動作(オン駆動)を抑制することも可能になり、空乏層の伸びが抑制されることによって、パンチスルーも起こりにくくなる。
(8)トレンチ電極構造のゲート電極Gを、所定の間隔をおいて連続的に形成されるものとし、これを、互いに電気的に並列に接続させるようにした。これにより、当該トランジスタの出力として大電流が得られるようになる。
(9)また、基板の表面に層間絶縁膜を介して所定の配線が形成された構造とした。こうした構造であっても、本発明を適用すれば、前述したリーク電流(図25参照)は大幅に抑制されるようになる。
(第2の比較例
次に、図3〜図5を参照して、第2の比較例について説明する。ただし、図3(図2(a)に対応する断面図)に示されるように、この比較例に係る装置も、基本的には、先の第1の比較例の装置に準ずる構造を有しているため、便宜上、共通の構造(もしくは動作)に関する説明は割愛する。すなわち、ここでは主に、上記第1の比較例の装置との相違点について説明する。
はじめに、図3および図4を参照して、このトランジスタの構造について詳述する。なお、図3は、このトランジスタの概略構造を示す断面図(先の図1や図2に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付して図示)、図4は、拡散層SPの濃度プロファイルを示すグラフである。また、同図4において、(a)は、第1の比較例の装置に係る拡散層SPの濃度プロファイルを示しており、また(b)は、この第2の比較例の装置に係る拡散層SPの濃度プロファイルを示している。
図3に示されるように、この比較例においては、高濃度の拡散層SPが、基板の深さ方向に延設される態様で設けられている。詳しくは、p型のベース領域BSとn型のソース領域Sとの界面に沿って延設されている。すなわちこれにより、基板の表面付近だけでなくより深いところまで、上記ソース領域Sの拡散(特に熱拡散)が抑制されるようになっている。
しかも、図4(b)に示されるように、この拡散層SPの濃度プロファイルは、基板表面付近に濃度一定の領域を有し、そこから同基板の深さ方向へ進むにつれて低濃度になる傾向(特性)をもっている。
詳しくは、先の第1の比較例の装置においては、図4(a)に示されるように、上記拡散層SPが、基板表面付近に比較的急峻なピーク(最高度)をもつ濃度プロファイルとなっている。これに対し、この第2の比較例の装置においては、図4(b)に示されるように、同拡散層SPが、基板表面付近に濃度一定の領域をもつ濃度プロファイルとなっている。換言すれば、この濃度プロファイルでは、ピークが存在しない、あるいはピークが平坦になっている。このため、この濃度一定の領域を固溶度近くに設定することで、不純物の固溶度を超えない範囲で(不純物を析出させずに)、当該拡散層SP全体の濃度を高くすることが可能になる。
次に、図5(a)〜(e)を参照して、この比較例に係る半導体装置の製造方法について詳述する。なお、これら図5(a)〜(e)も、先の図2(a)に対応する断面図である。
図5(a)に示すように、この装置の製造に際しても、まずは、例えばn型のシリコンからなる半導体基板1を用意し、先の図17〜図19に示した工程に準ずる工程を経て、トレンチT1を形成した後、基板1よりも濃度の低いn型のシリコンからなる半導体膜2、そしてp型のシリコンからなる半導体膜3を、同基板1の表面に順次堆積形成する。ただし、この比較例においては、半導体膜4(図19)の形成に先立ち、図5(b)に示すように、トレンチT1に形成されたベース領域BSに対して(特に同領域BSのトレンチT1内壁部分に対して)、基板表面の斜め方向から(便宜上、一方向のみ図示)、所定の導電型不純物(例えばボロン)をイオン注入して、基板の深さ方向に延伸する高濃度(p型)の拡散層D1を形成するようにしている。なおこの際、基板1に対するイオン注入の方向は、例えば同基板1を傾けることによって、所望とされる角度に設定する。
さらに、該イオン注入された導電型不純物を熱拡散させるべく、適宜の熱処理(例えば、温度「800〜1000」℃で、「5〜20」分間)を施した後、図5(c)に示すように、上記トレンチT1を完全に埋めるべく、例えばn型のシリコン(もしくは多結晶シリコン)からなる半導体膜4を成膜する。そして、先の図20に示した工程に準ずる工程を経て、図5(d)に示すように、基板1の表面を平坦化する。
そうして、先の図21〜図23に示した工程に準ずる工程を経て、トレンチT、ゲート電極Gや、各種の配線(電極)、さらには保護膜等を形成することによって、図5(e)に示されるように、このトランジスタは完成する。すなわち、この比較例に係る装置の製造工程(製造方法)にあっても、基板1がドレイン領域D、半導体膜2がドリフト領域DF、半導体膜3がベース領域BS、半導体膜4がソース領域Sとなり、さらに拡散層D1が拡散層SPとなる。
以上説明したように、この比較例によれば、第1の比較例による前記(1)〜(9)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果も得られるようになる。
(10)上記高濃度の拡散層SPを、基板の深さ方向へ延設される様に形成した。これにより、基板の表面付近だけでなくより深いところまで、前述のソース領域Sの拡散(詳しくは図25や図26を参照)が抑制されるようになる。
(11)しかも、この拡散層SPを、p型のベース領域BSとn型のソース領域Sとの界面に沿って延設するようにしたことで、その形成も容易である。
(12)さらに、この拡散層SPの濃度プロファイルを、基板表面付近に濃度一定の領域を有し、そこから同基板の深さ方向へ進むにつれて低濃度になるものとした(図4(b)参照)。これにより、不純物の固溶度を超えない範囲で(不純物を析出させずに)、当該拡散層SP全体の濃度を高くする(高濃度化を図る)ことが可能になる。
(13)また、当該半導体装置(MOSFET)の製造方法としては、図5に示すような方法(製造工程)を採用した。これにより、上記形態を有する拡散層SPの形成も容易となる。
(14)また、半導体膜3(ベース領域BS)を形成する工程に先立つ工程として、該半導体膜3(ベース領域BS)の下層となる半導体膜2(ドリフト領域DF)を形成するようにしたことで、上記ドリフト領域DFの形成も容易に行うことができる。
(15)先のイオン注入工程(図5(b)参照)によって基板内へ導入された導電型不純物を熱拡散させるべく、該イオン注入の工程後に、熱処理工程を設けるようにした。これにより、該イオン注入の実行に伴って生成された結晶欠陥などについても、これを好適に回復(再結晶化)させることが可能になる。
(第3の比較例
次に、図6および図7を参照して、第3の比較例について説明する。ただし、これら図6および図7(図1および図2に対応する平面図および断面図)に示されるように、この比較例に係る装置も、基本的には、先の第1の比較例の装置に準ずる構造を有しているため、便宜上、共通の部分に関する説明は割愛する。すなわち、ここでは主に、上記第1の比較例の装置との相違点について説明する。
以下、図6および図7を参照して、このトランジスタの概要について詳述する。なお、図6は、このトランジスタの概略構造を示す平面図、図7(a)は、図6中のA−A’線に沿った断面図、図7(b)は、図6中のB−B’線に沿った断面図、図7(c)は、図6中のC−C’線に沿った断面図である。また、これら各図においては、先の図1や図2に示した要素と同一の要素に各々、同一の符号を付して示している。
同図6および図7に示されるように、この比較例においては、高濃度の拡散層SPを、基板表面付近においてソース領域Sまで延設するようにしている。これにより、前述のソース領域Sの拡散(詳しくは図25や図26を参照)が、特に活発な基板表面付近において、積極的に且つ効率的に抑制されるようになる。
ちなみに、この比較例においては、この拡散層SPの寸法が、次のように設定されている(濃度および濃度プロファイルは、第1の比較例と同様)。
・拡散層SP(導電型:p):深さ(Z方向)が、「5(μm)」以下、もしくはベース領域BSの深さの「20(%)」以下に(この深さは、チャネル領域の減少がオン抵抗へ与える影響を考慮しつつ設定する)、また幅(Y方向)が、「1.0〜10(μm)」(ただし、当該拡散層SPがソース領域S内にも位置する範囲)に設定されている。
以上説明したように、この比較例によれば、第1の比較例による前記(1)〜(9)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果も得られるようになる。
(16)上記高濃度の拡散層SPを、基板表面付近においてソース領域Sまで延設するようにしたことで、基板表面付近における拡散(詳しくはソース領域Sの拡散)が、この高濃度(ソース領域Sよりも高濃度)の拡散層SPによって、より効率的に抑制されるようになる。
(第4の比較例
次に、図8および図9を参照して、第4の比較例について説明する。ただし、これら図8および図9(図1および図2に対応する平面図および断面図)に示されるように、この比較例に係る装置も、基本的には、先の第1の比較例の装置に準ずる構造を有しているため、便宜上、共通の部分に関する説明は割愛する。すなわち、ここでは主に、上記第1の比較例の装置との相違点について説明する。
以下、図8および図9を参照して、このトランジスタの概要について詳述する。なお、図8は、このトランジスタの概略構造を示す平面図、図9(a)は、図8中のA−A’線に沿った断面図、図9(b)は、図8中のB−B’線に沿った断面図、図9(c)は、図8中のC−C’線に沿った断面図である。また、これら各図においては、先の図1や図2に示した要素と同一の要素に各々、同一の符号を付して示している。
同図8および図9に示されるように、この比較例においては、高濃度の拡散層SPを、基板表面付近においてドリフト領域DFまで延設するようにしている。これにより、基板表面付近におけるドリフト領域DFの幅(厚み)が、該拡散層SPによって選択的に狭められ、ここにブレイクポイント(プレイクし易い箇所)が形成されるようになる。また、ドリフト領域DFの幅(厚み)が基板表面付近において選択的に狭められることで、ここに電位分布の急カーブが形成されることにもなるため、このカーブ部における電界の集中によっても、この部分(ドリフト領域の幅狭な部分)がプレイクし易くなる。
このように、この比較例に係る半導体装置(トランジスタ)においては、基板表面付近における拡散層SPとドリフト領域DFとの間(境界)に、ブレイクポイントが形成される。このため、前述した寄生バイポーラ(ソース領域S・ドレイン領域D・ベース領域BSによって形成される寄生バイポーラ)の好ましくない動作(詳しくは「課題を解決するための手段」の記載を参照)についても、拡散層SPの幅(より正確には、該拡散層SPがドリフト領域DFを侵食する程度)の設定を通じて、より容易にその抑止(防止)を図ることが可能になる。
ちなみに、この比較例においては、この拡散層SPの寸法が、次のように設定されている(濃度および濃度プロファイルは、第1の比較例と同様)。
・拡散層SP(導電型:p):深さ(Z方向)が、「5(μm)」以下、もしくはベース領域BSの深さの「20(%)」以下に(この深さは、チャネル領域の減少がオン抵抗へ与える影響を考慮しつつ設定する)、また幅(Y方向)が、「1.0〜10(μm)」(ただし、当該拡散層SPがドリフト領域DF内にも位置する範囲)に設定されている。
以上説明したように、この比較例によれば、第1の比較例による前記(1)〜(9)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果も得られるようになる。
(17)上記高濃度の拡散層SPを、基板表面付近においてドリフト領域DFまで延設するようにしたことで、前述した寄生バイポーラの好ましくない動作(詳しくは「課題を解決するための手段」の記載を参照)についても、拡散層SPの幅(より正確には、該拡散層SPがドリフト領域DFを侵食する程度)の設定を通じて、より容易にその抑止(防止)を図ることが可能になる。
(実施の形態)
次に、図10および図11を参照して、この発明に係る半導体装置を具体化した実施の形態について説明する。ただし、これら図10および図11(図1および図2に対応する平面図および断面図)に示されるように、この実施の形態に係る装置も、基本的には、先の第4の比較例の装置に準ずる構造を有しているため、便宜上、共通の部分に関する説明は割愛する。すなわち、ここでは主に、上記第4の比較例の装置との相違点について説明する。
以下、図10および図11を参照して、このトランジスタの概要について詳述する。なお、図10は、このトランジスタの概略構造を示す平面図、図11(a)は、図10中のA−A’線に沿った断面図、図11(b)は、図10中のB−B’線に沿った断面図、図11(c)は、図10中のC−C’線に沿った断面図である。また、これら各図においては、先の図1や図2に示した要素と同一の要素に各々、同一の符号を付して示している。
同図10および図11に示されるように、この実施の形態においては、高濃度の拡散層SPを、少なくともゲート電極G(トレンチ突き出し位置)よりもドレイン領域D側へ突き出る様に、しかも基板表面付近においてドリフト領域DFまで、延設するようにしている。これにより、ゲート電極G(トレンチ電極)の角(コーナー部)への電界集中は緩和されるようになる。
図12は、このゲート電極G付近の電位分布を等電位線により模式的に示す平面図である。なお、同図12において、(a)は、第4の比較例に係る装置の電位分布を、また(b)は、この実施の形態に係る装置の電位分布を、それぞれ示している。
同図12(a)に示されるように、先の第4の比較例の装置においては、電位分布(等電位線)がトレンチT(ゲート電極G)に沿って曲線状になり、ゲート電極G(トレンチ電極)の角(コーナー部)には、急カーブが形成される。これに対し、この実施の形態の装置においては、図12(b)に示されるように、ゲート電極G付近の電位分布(等電位線)が、ドレイン領域Dに平行な直線状に(詳しくは、直線が連続する様に)形成される。このため、ゲート電極Gの角(コーナー部)への電界集中は緩和され(ブレイクポイントはドリフト領域DF内に形成される)、この電界集中に起因して生じる同電極Gの信頼性の低下(詳しくは、電極材の劣化や、寿命(例えばTDDB)の低下など)が抑制されるようになる。
なお、この実施の形態においては、上記拡散層SPの寸法が、次のように設定されている(濃度および濃度プロファイルは、第1の比較例と同様)。
・拡散層SP(導電型:p):深さ(Z方向)が、「5(μm)」以下、もしくはベース領域BSの深さの「20(%)」以下に(この深さは、チャネル領域の減少がオン抵抗へ与える影響を考慮しつつ設定する)、また幅(Y方向)が、「1.0〜10(μm)」(ただし、当該拡散層SPがゲート電極Gよりもドレイン領域D側へ突き出てドリフト領域DF内にも位置する範囲)に設定されている。
以上説明したように、この実施の形態によれば、第1および第4の比較例による前記(1)〜(9)および(17)の効果と同様の効果もしくはそれに準じた効果に加え、さらに次のような効果も得られるようになる。
(18)上記高濃度の拡散層SPを、少なくともゲート電極Gよりもドレイン領域D側へ突き出る態様で、基板表面付近においてドリフト領域DFまで延設するようにしたことで、上記ゲート電極Gの信頼性の低下(詳しくは、電極材の劣化や、寿命(例えばTDDB)の低下など)が、好適に抑制されるようになる。
(他の実施の形態)
なお、上記各比較例および実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記各比較例および実施の形態において示した上記拡散層SPの各形態を組み合わせて実施するようにしてもよい。すなわち、例えば図13および図14(図1および図2に対応する平面図および断面図)に示すように、この拡散層SPが基板表面付近においてソース領域Sとドリフト領域DFとの双方へ延設された構造とすることもできる。あるいは、上記第3、第4の比較例および実施の形態において示した各形態の拡散層SPについて、これを基板の深さ方向へ延設した構造とすることもできる。
・上記各比較例および実施の形態においては、ドレイン領域Dおよびソース領域Sおよびドリフト領域DFおよびベース領域BSの濃度プロファイルを、基板の深さ方向について濃度が均一になるようなプロファイル(分布)としたが、これは必須の構成ではなく、各領域について任意の濃度プロファイルを採用することができる。
・上記各比較例および実施の形態において採用したトレンチT1間のアイソレーション(素子分離)は、必須の構成ではなく、例えば素子設計等の都合に応じて、その形成を適宜に割愛することもできる。
・当該半導体装置(トランジスタ)を構成する各要素の導電型を逆転させた構造、すなわちp型とn型とを入れ替えた構造とした場合も、同様にこの発明を適用することができる。ただし、上記各比較例および実施の形態に係るトランジスタのように、nチャネルのトランジスタであれば、キャリアが電子になるため、ドリフト速度が速くなり、オン抵抗も低くなる。
・上記各比較例および実施の形態においては、トレンチ電極構造のゲート電極Gを、基板の深さ方向に向かってソース領域Sおよびベース領域BSを共に貫通するように形成した。しかし、同ゲート電極Gは、これら領域を貫通させることなく、上記ソース領域S内で止まるように形成してもよい。ただしこの場合は、一方向(例えば図1中のY方向)のみに電流が流れるようになる。
・上記各比較例および実施の形態においては、トレンチ電極構造のゲート電極Gを、所定の間隔をおいて連続的に形成されるものとし、これを、互いに電気的に並列に接続させるようにした。しかし、これは必須の構成ではない。また、各ゲート電極Gに対するゲート電圧の印加タイミングも任意であり、例えば出力電流の進行方向に従って、これらを順次オンさせるようにしてもよい。さらに、該ゲート電極Gの数も全く任意であり、極端なことをいえば、1つあれば足りる。
・上記各比較例および実施の形態においては、MOS系デバイスの一例として3次元パワーMOSFET(電界効果トランジスタ)を例示したが、この発明は、任意のMOS系デバイスに対して同様に適用することができる。例えばドレイン領域Dをp型の半導体領域(コレクタ領域)に変更したIGBT(InsulatedGateBipolarTransistor)やサイリスタ(MCT:MosControlledThyristor)等にも適用可能である。
・上記拡散層SPの濃度(ベース領域BSと同一の導電型)は、ベース領域BSよりも高い範囲であれば任意である。すなわち、この拡散層SPの濃度が、該拡散層SPに係る導電型不純物の固溶度を超えていても、前記(1)の効果等を得ることは可能である。
・当該半導体装置の製造方法は、先の図17〜図23に例示した方法に準ずるものに限られることなく、基本的には任意である。例えば図20に例示した平坦化工程についていえば、特にストッパを用いずとも、例えば研磨時間を測定することによって、あるいは他の素子(例えば別途設けられたモニタ用の素子)の研磨の程度をみることによって、所望とされる量の研磨、ひいては的確な平坦化を行うことができる。
1の比較例に係る半導体装置について、該半導体装置(トランジスタ)の概略構造を示す平面図。 (a)は、図1中のA−A’線に沿った断面図、(b)は、図1中のB−B’線に沿った断面図、(c)は、図1中のC−C’線に沿った断面図。 2の比較例に係る半導体装置について、該半導体装置(トランジスタ)の概略構造を示す断面図。 (a)は、第1の比較例の装置に係る高濃度拡散層の濃度プロファイルを示すグラフ、(b)は、当該第2の比較例の装置に係る高濃度拡散層の濃度プロファイルを示すグラフ。 同第2の比較例の半導体装置の製造方法について、(a)〜(e)はその製造プロセスを示す断面図。 3の比較例に係る半導体装置について、該半導体装置(トランジスタ)の概略構造を示す平面図。 (a)は、図6中のA−A’線に沿った断面図、(b)は、図6中のB−B’線に沿った断面図、(c)は、図6中のC−C’線に沿った断面図。 4の比較例に係る半導体装置について、該半導体装置(トランジスタ)の概略構造を示す平面図。 (a)は、図8中のA−A’線に沿った断面図、(b)は、図8中のB−B’線に沿った断面図、(c)は、図8中のC−C’線に沿った断面図。 この発明に係る半導体装置の一実施の形態について、該半導体装置(トランジスタ)の概略構造を示す平面図。 (a)は、図10中のA−A’線に沿った断面図、(b)は、図10中のB−B’線に沿った断面図、(c)は、図10中のC−C’線に沿った断面図。 ゲート電極付近の電位分布について、(a)は、第4の比較例に係る装置の電位分布を、(b)は、実施の形態に係る装置の電位分布を、それぞれ等電位線により模式的に示す平面図。 ベース領域に設けられた高濃度拡散層について、その形態の変形例を模式的に示す平面図。 (a)は、図13中のA−A’線に沿った断面図、(b)は、図13中のB−B’線に沿った断面図、(c)は、図13中のC−C’線に沿った断面図。 従来の半導体装置(トランジスタ)の一例について、その概要を示す平面図。 図15中に一点鎖線にて示される領域Uを切り取ってその構造をより詳細に示す斜視図。 (a)および(b)は、従来の半導体装置の製造方法について、その製造プロセス例を示す断面図。 (a)および(b)は、従来の半導体装置の製造方法について、その製造プロセス例を示す断面図。 (a)および(b)は、従来の半導体装置の製造方法について、その製造プロセス例を示す断面図。 (a)および(b)は、従来の半導体装置の製造方法について、その製造プロセス例を示す断面図。 (a)および(b)は、従来の半導体装置の製造方法について、その製造プロセス例を示す断面図。 (a)および(b)は、従来の半導体装置の製造方法について、その製造プロセス例を示す断面図。 (a)および(b)は、従来の半導体装置の製造方法について、その製造プロセス例を示す断面図。 2種類のパワーデバイスのオン抵抗と耐圧との関係について、これら各要素を縦軸(オン抵抗)および横軸(耐圧)にとった具体的なデータにより、各デバイスの傾向(特性)を示すグラフ。 トランジスタ(特にパワーMOSFET)の使用態様の一例を、従来の半導体装置(パワーMOSFET)を例にとって示す断面図。 発明者のシミュレーション結果として、熱処理後のベース領域の濃度プロファイル(p型不純物の濃度)を示すグラフ。
符号の説明
1…半導体基板、2〜4…半導体膜、BS…ベース領域、D…ドレイン領域、D1…拡散層、DE、GE、SE…端子、DF…ドリフト領域、G…ゲート電極、GI…ゲート絶縁膜、S…ソース領域、SP…拡散層、T、T1…トレンチ。

Claims (5)

  1. 導体装置の母材となる基板内に、
    MOS系デバイスを構成すべく互いに対向するかたちで設けられた同一の導電型からなるドレイン領域としての第1の不純物領域およびソース領域としての第2の不純物領域と、
    前記第2の不純物領域を囲繞するように前記基板の表面から延設され、該第2の不純物領域とは異なる導電型からなるベース領域と、
    前記ベース領域と前記ドレイン領域としての第1の不純物領域との間に介在し、前記第1の不純物領域よりも濃度の低い同一の導電型からなるドリフト領域と、
    前記第1および第2の不純物領域と共に前記MOS系デバイスを構成すべく、前記基板の深さ方向に延設されたトレンチの内部にゲート絶縁膜を介して埋設され、印加電圧に応じて前記ベース領域の所定の部分にチャネルを形成するゲート電極と、
    を備える半導体装置において、
    前記ベース領域の基板表面付近には、同一の導電型で該ベース領域よりも濃度の高い拡散層が、少なくとも前記ゲート電極よりも前記ドレイン領域側へ突き出る態様で、前記ドリフト領域まで延設されて形成されてなる
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記ベース領域に設けられた高濃度の拡散層の濃度が、該高濃度の拡散層に係る導電型不純物の固溶度を超えない範囲に設定された
    請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記ベース領域に設けられた高濃度の拡散層は、基板表面付近において前記第2の不純物領域まで延設されてなる
    請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記ゲート電極は、所定の間隔をおいて複数形成され、これら複数のゲート電極が互いに電気的に並列接続されてなる
    請求項1〜のいずれか一項に記載の半導体装置。
  5. 前記基板の表面には、層間絶縁膜を介して所定の配線が形成されてなる
    請求項1〜のいずれか一項に記載の半導体装置。
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