JP2008153495A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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克美 清水
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Abstract

【課題】ラッチアップが発生しにくく、しきい値電圧の変動がなく、且つスイッチング速度の速いLIGBTとして動作する半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】p型シリコン基板100の表面部にn型ドリフト領域101が形成されている。n型ドリフト領域101の表面部にp型コレクタ領域103が形成されている。p型シリコン基板100の表面部にn型ソース領域105がn型ドリフト領域101から離隔して形成されている。p型シリコン基板100の表面部に、n型ソース領域105と隣接するようにp型コレクタ領域103よりも深くまでp型高濃度エミッタ領域106が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、高耐圧での使用を目的とする電力用トランジスタに関し、特に、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、IGBTと称する)及びその製造方法に関するものである。
高電圧及び大電力で扱われる電力用トランジスタとしては、パワーMOSFETやIGBTがよく知られている。これらの素子を他の半導体集積回路と同一半導体基板上に形成する場合、他の集積回路形成プロセスとの整合性が良いことから、素子として横型パワーMOSFET(以下、横型パワーMOSと称する)や横型IGBT(以下、LIGBTと称する)が用いられる。ここで、LIGBTは、MOSFETのゲート絶縁構造に加えてバイポーラトランジスタの持つドリフト領域での伝導率変調性を併せ持っており、高破壊耐量及び低オン抵抗を実現できるデバイスであるが、寄生npnトランジスタが動作しやすく、ラッチアップによるLIGBTの破壊が起こりやすいという欠点を持つ。
それに対して、LIGBTのラッチアップによる破壊耐量を向上させる従来の技術として、例えば特許文献1に記載の半導体装置がある。図26は、同半導体装置の構造を示す断面図である。
図26に示すように、特許文献1に記載の半導体装置では、n- 型シリコン半導体層11、誘電体分離膜であるシリコン酸化膜(SiO2 膜)12及びn- 型シリコン半導体層13が順次積層され、それによりSOI(Silicon on Insulator)基板が構成されている。
- 型シリコン半導体層13上にはゲート絶縁膜14を介してゲート電極15が形成されている。さらに、n- 型シリコン半導体層13上におけるゲート電極15の一側方にはゲート電極15と離間してエミッタ電極16が形成されていると共に、n- 型シリコン半導体層13上におけるゲート電極15の他側方にはゲート電極15と離間してとコレクタ電極17が形成されている。ゲート電極15とコレクタ電極17との間のn- 型シリコン半導体層13上にはフィールド酸化膜(SiO2 膜)18が形成されている。
ゲート電極15の下側からエミッタ電極16の下側にかけてのn- 型シリコン半導体層13の表面部にはp型ベース拡散層19が形成されている。p型ベース拡散層19におけるエミッタ電極16の下側にはp+ 型拡散層20が形成されている。さらに、p型ベース拡散層19の表面部におけるゲート電極15とエミッタ電極16との間にはn+ 型拡散層21が形成されている。n+ 型拡散層21はp+ 型拡散層20に接続するようにエミッタ電極16の下側からゲート電極15の下側にかけて形成されている。p型ベース拡散層19におけるp+ 型拡散層20及びn+ 型拡散層21の下側には、ゲート電極15をマスクとしたセルフアラインのイオン注入によって、p+ 型拡散層20よりも不純物濃度の低いp型拡散層22が形成されている。
コレクタ電極17の下側のn- 型シリコン半導体層13の表面部にはn型バッファ拡散層23が形成されている。n型バッファ拡散層23におけるコレクタ電極17の直下の領域にはp+ 型拡散層24が形成されている。さらに、ゲート電極15の上及びフィールド酸化膜18の上を含むn- 型シリコン半導体層13の上には層間絶縁膜25が形成されている。
図26に示す構造を有する半導体装置において、p型拡散層22を形成しない場合、n+ 型拡散層21、p型ベース拡散層19及びn- 型シリコン半導体層13からなる寄生npnトランジスタがオンしやすい。この寄生npnトランジスタがオンすると、p+ 型拡散層24、n- 型シリコン半導体層13及びp型ベース拡散層19からなる寄生pnpトランジスタのベース電流が増加するため、当該寄生pnpトランジスタがオンしてコレクタ・エミッタ間に大電流が流れ、LIGBTの破壊が発生する。
それに対して、n+ 型拡散層21の下側にp型拡散層22を形成すると、p型拡散層22を形成しない場合と比べて、n+ 型拡散層21の下側の領域の抵抗率を下げることができる。このため、前記寄生npnトランジスタのベース抵抗が小さくなり、エミッタ−ベース間の電位差が所定値になるために、より大きなベース電流が必要となる結果、前記寄生npnトランジスタがオンしにくくなり、ラッチアップの発生しにくいLIGBTを形成することができる。
特開2002−270844号公報
しかし、図26に示す構造を有する半導体装置において、p型拡散層22をゲート電極15をマスクとしたイオン注入によりセルフアライン形成すると、次のような問題が生じる。すなわち、p型の不純物イオンはn型の不純物イオンと比べて熱処理時の拡散係数が高いために、p型拡散層22と同様にゲート電極15をマスクとしたイオン注入により形成されたn+ 型拡散層21と比べて、p型拡散層22はゲート電極15の下側により広がって形成されると考えられる。その結果、ゲート電極15の下側に、p型ベース拡散層19よりも不純物濃度の高いp型拡散層22が形成されてしまった場合には、チャネル領域に反転層が形成されにくくなるので、反転層形成のためのしきい値電圧が高くなってしまうという問題が生じる。
そこで、本発明は、かかる問題に鑑み、ラッチアップが発生しにくく、しきい値電圧の変動がなく、且つスイッチング速度の速いLIGBTとして動作する半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る第1の半導体装置は、第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板の表面部に形成された第2導電型の第1ドリフト領域と、前記第1ドリフト領域の表面部に形成された第1導電型のコレクタ領域と、前記コレクタ領域と電気的に接続するように前記コレクタ領域の上に形成されたコレクタ電極と、前記第1ドリフト領域から間隔をあけて前記半導体基板の表面部に形成された第2導電型のソース領域と、前記ソース領域と隣接するように前記半導体基板の表面部に前記コレクタ領域よりも深い位置まで形成された第1導電型のエミッタ領域と、前記ソース領域及び前記エミッタ領域と電気的に接続するように前記ソース領域及び前記エミッタ領域の上に形成されたエミッタ電極と、前記半導体基板における前記第1ドリフト領域と前記ソース領域との間に位置する部分の上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを備えている。
本発明の第1の半導体装置は前記構成によりLIGBTとして動作する。また、エミッタ領域をコレクタ領域よりも深く形成しているため、寄生npnトランジスタ(例えばN型のソース領域とP型エミッタ領域(又は半導体基板)とN型の第1ドリフト領域とからなるnpnトランジスタ)のベース抵抗を下げることができる。従って、前記寄生npnトランジスタがオンしにくくなるので、ラッチアップの発生しにくいLIGBTを実現することができる。
また、本発明の第1の半導体装置によると、エミッタ領域がゲート電極下側のチャネル領域から離れて形成されているため、ゲート電極下側にエミッタ領域が広がることがないので、しきい値電圧の変動なくチャネル反転層が形成されるLIGBTを実現することができる。
さらに、本発明の第1の半導体装置によると、エミッタ領域をコレクタ領域とは別工程で形成することによって、コレクタ領域となる不純物層の深さを浅くすることができる。よって、コレクタ領域からのホールの供給が抑制される結果、スイッチング速度の速いLIGBTを実現することができる。すなわち、ホールの供給量が多いために(大電流が流れているために)スイッチオフ(ゲートOFF)にしてからホールが再結合して完全に消失するまでの時間(つまりターンオフ時間)が長くなってスイッチング速度が遅くなってしまう事態を回避することができる。
尚、本発明の第1の半導体装置において、前記第1ドリフト領域における前記コレクタ領域から見て前記ソース領域側の部分に形成された第1導電型の第2ドリフト領域をさらに備えていることが好ましい。
このようにすると、ラッチアップの発生しにくいLIGBTを得ることができるという効果に加えて、次のような効果を得ることができる。すなわち、LIGBTのオフ時に、半導体基板と第1ドリフト領域との接合部、及び第1ドリフト領域と第2ドリフト領域との接合部にそれぞれ空乏層を形成することができるので、これらの空乏層によって第1ドリフト領域内を効率よく空乏化することができる。このため、耐圧を下げることなく、第1ドリフト領域の不純物濃度を高くすることができるので、オン抵抗が低い半導体装置を実現することができる。
また、本発明の第1の半導体装置において、前記コレクタ領域は、前記半導体基板の表面から0.8μm以下の深さまで形成されており、前記エミッタ領域は、前記半導体基板の表面から1μm以上の深さまで形成されていることが好ましい。
このようにすると、LIGBTにおけるコレクタ領域及びエミッタ領域のそれぞれの拡散深さが最適化されるので、ラッチアップの発生を低減できると共に、コレクタ領域からのホール供給を抑制してスイッチング速度を速くすることができる。
また、本発明の第1の半導体装置において、前記コレクタ領域における第1導電型の不純物の濃度は1×1017cm−3以上で且つ1×1018cm−3以下であり、前記エミッタ領域における第1導電型の不純物の濃度は1×1019cm−3以上で且つ1×1020cm−3以下であることが好ましい。
このようにすると、LIGBTにおけるコレクタ領域及びエミッタ領域のそれぞれの不純物濃度が最適化されるので、ラッチアップの発生を低減できると共に、コレクタ領域からのホール供給を抑制してスイッチング速度を速くすることができる。
本発明に係る第2の半導体装置は、第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板の表面部に形成された第2導電型の第1ドリフト領域と、前記半導体基板の表面から間隔をあけて前記第1ドリフト領域の内部に形成された第1導電型のコレクタ領域と、前記第1ドリフト領域の表面部における前記コレクタ領域の上側に位置する部分に形成された第2導電型のドレイン領域と、前記ドレイン領域を貫通して前記コレクタ領域と電気的に接続するように形成された第1導電型のコレクタ接続領域と、前記コレクタ接続領域の上に形成され且つ前記コレクタ接続領域を通じて前記コレクタ領域と電気的に接続するコレクタ電極と、前記第1ドリフト領域から間隔をあけて前記半導体基板の表面部に形成された第2導電型のソース領域と、前記ソース領域と隣接するように前記半導体基板の表面部に形成された第1導電型のエミッタ領域と、前記ソース領域及び前記エミッタ領域と電気的に接続するように前記ソース領域及び前記エミッタ領域の上に形成されたエミッタ電極と、前記半導体基板における前記第1ドリフト領域と前記ソース領域との間に位置する部分の上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを備えている。
本発明の第2の半導体装置は前記構成によりLIGBTとして動作する。また、不純物濃度の高いコレクタ領域の上部に相当する箇所にドレイン領域が形成されていることから、本発明の第1の半導体装置においてコレクタ領域を浅く形成することと同様の効果が得られる。すなわち、ラッチアップが発生しにくく且つスイッチング速度の速いLIGBTを実現することができる。
また、本発明の第2の半導体装置によると、エミッタ領域がゲート電極下側のチャネル領域から離れて形成されているため、ゲート電極下側にエミッタ領域が広がることがないので、しきい値電圧の変動なくチャネル反転層が形成されるLIGBTを実現することができる。
さらに、本発明の第2の半導体装置によると、コレクタ領域の上側にドレイン領域を備えているため、コレクタ電圧を印加した場合には横型MIS(metal insulator semiconductor)トランジスタとしても動作させることができる。このため、本発明の第2の半導体装置は、駆動条件により横型MISトランジスタ及びIGBTの2種類の動作が可能な半導体装置となる。すなわち、本発明の第2の半導体装置では、LIGBTに立ち上がり電圧が印加される前に横型MISトランジスタが立ち上がることから、LIGBTがターンオンするまでの時間を短縮することができるので、より一層スイッチング速度の速い半導体装置を実現することができる。
尚、本発明の第2の半導体装置において、前記第1ドリフト領域における前記コレクタ領域から見て前記ソース領域側の部分に形成された第1導電型の第2ドリフト領域をさらに備えていることが好ましい。
このようにすると、ラッチアップが発生しにくく、且つスイッチング速度の速いLIGBTを実現することができるという効果に加えて、次のような効果を得ることができる。すなわち、LIGBTのオフ時に、半導体基板と第1ドリフト領域との接合部、及び第1ドリフト領域と第2ドリフト領域との接合部にそれぞれ空乏層を形成することができるので、これらの空乏層によって第1ドリフト領域内を効率よく空乏化することができる。このため、耐圧を下げることなく、第1ドリフト領域の不純物濃度を高くすることができるので、オン抵抗が低い半導体装置を実現することができる。
また、本発明の第2の半導体装置において、前記コレクタ領域における第1導電型の不純物の濃度プロファイルは、前記エミッタ領域における第1導電型の不純物の濃度プロファイルと実質的に同じであることが好ましい。
このようにすると、つまりコレクタ領域及びエミッタ領域を同様の不純物濃度プロファイルに設定したとしても、コレクタ領域の上側にドレイン領域が形成されるので、コレクタ領域及びエミッタ領域を同時に形成した場合にも、コレクタ領域の厚さが相対的に薄く且つエミッタ領域が相対的に深い位置に形成された構造を得ることができる。すなわち、LIGBTにおけるラッチアップの発生を容易に低減することができる。
また、本発明の第2の半導体装置において、前記ドレイン領域は、前記半導体基板の表面から0.6μm以下の深さまで形成されており、前記コレクタ領域は、前記ドレイン領域の下側において前記半導体基板の表面から0.8μm以上の深さまで形成されていることが好ましい。
このようにすると、ドレイン領域及びコレクタ領域のそれぞれの深さが最適化されるので、スイッチング速度の向上とラッチアップの抑制とに適した構造を実現することができる。
また、本発明の第1又は第2の半導体装置において、第2導電型の第1ドリフト領域内に第1導電型の第2ドリフト領域を備えている場合、前記第2ドリフト領域は、前記半導体基板の表面から間隔をあけて前記第1ドリフト領域の内部に埋め込み形成されていることが好ましい。
このようにすると、LIGBTのオフ時に、半導体基板と第1ドリフト領域との接合部に空乏層を形成できると共に、第2ドリフト領域の埋め込み形成により広がった、第1ドリフト領域と第2ドリフト領域との接合部にも空乏層を形成できるため、これらの空乏層によって第1ドリフト領域内をさらに効率よく空乏化することができるので、さらにオン抵抗が低い半導体装置を実現することができる。
また、本発明の第1又は第2の半導体装置において、第2導電型の第1ドリフト領域内に第1導電型の第2ドリフト領域を備えている場合、前記第2ドリフト領域は、前記第1ドリフト領域における前記半導体基板の表面からの深さが異なる位置に形成された複数の部分から構成されていることが好ましい。
このようにすると、LIGBTのオフ時に、半導体基板と第1ドリフト領域との接合部に形成される空乏層のみならず、第2ドリフト領域を構成する複数の部分から広がる空乏層により、第1ドリフト領域内をさらに効率よく空乏化することができるので、さらにオン抵抗が低い半導体装置を実現することができる。
本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、第1導電型の半導体基板の表面部における所定の領域に第2導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによって第1ドリフト領域を形成する工程(a)と、前記半導体基板の表面部における前記第1ドリフト領域から離れた領域に第1導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによってエミッタ領域を形成する工程(b)と、前記半導体基板における前記第1ドリフト領域と前記エミッタ領域との間に位置する部分の上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程(c)と、前記半導体基板の表面部における前記エミッタ領域に隣接する領域に第2導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによってソース領域を形成する工程(d)と、前記第1ドリフト領域の表面部における所定の領域に第1導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板の熱処理を行い、それによってコレクタ領域を形成する工程(e)とを備えている。
本発明の第1の半導体装置の製造方法によると、エミッタ領域をコレクタ領域とは別工程で形成するため、エミッタ領域をコレクタ領域よりも深く形成できるので、本発明の第1の半導体装置、つまりラッチアップが発生しにくく、しきい値電圧の変動がなく、且つスイッチング速度の速いLIGBTとして動作する半導体装置を少ない工程数で容易に製造することができる。
本発明の第1の半導体装置の製造方法において、前記第1ドリフト領域における前記コレクタ領域から見て前記ソース領域側の部分に第1導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによって第2ドリフト領域を形成する工程(f)をさらに備えていることが好ましい。
このようにすると、ラッチアップが発生しにくく、しきい値電圧の変動がなく、且つスイッチング速度の速いLIGBTとして動作する半導体装置を少ない工程数で容易に製造することができるという効果に加えて、次のような効果を得ることができる。すなわち、LIGBTのオフ時に、半導体基板と第1ドリフト領域との接合部、及び第1ドリフト領域と第2ドリフト領域との接合部にそれぞれ空乏層を形成することができるので、これらの空乏層によって第1ドリフト領域内を効率よく空乏化することができる。このため、耐圧を下げることなく、第1ドリフト領域の不純物濃度を高くすることができるので、オン抵抗が低い半導体装置を実現することができる。
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、第1導電型の半導体基板の表面部における所定の領域に第2導電型の不純物をイオン注した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによって第1ドリフト領域を形成する工程(a)と、前記半導体基板の表面部における前記第1ドリフト領域から離れた領域及び前記第1ドリフト領域の表面部における所定の領域にそれぞれ第1導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによってエミッタ領域及びコレクタ領域を同時に形成する工程(b)と、前記半導体基板における前記第1ドリフト領域と前記エミッタ領域との間に位置する部分の上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程(c)と、前記半導体基板の表面部における前記エミッタ領域に隣接する領域及び前記コレクタ領域の上部における所定の領域にそれぞれ第2導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによってソース領域、ドレイン領域及びコレクタ接続領域を同時に形成する工程(d)とを備えている。
本発明の第2の半導体装置の製造方法によると、不純物濃度の高いコレクタ領域の上部に相当する箇所にドレイン領域を形成できるので、本発明の第2の半導体装置、つまり横型パワーMISトランジスタとしても動作可能であると共に、ラッチアップが発生しにくく且つスイッチング速度の速いLIGBTとして動作する半導体装置を少ない工程数で容易に製造することができる。
本発明の第2の半導体装置の製造方法において、前記第1ドリフト領域における前記コレクタ領域から見て前記ソース領域側の部分に第1導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによって第2ドリフト領域を形成する工程(f)をさらに備えていることが好ましい。
このようにすると、横型パワーMISトランジスタとしても動作可能であると共に、ラッチアップが発生しにくく且つスイッチング速度の速いLIGBTとして動作する半導体装置を少ない工程数で容易に製造することができるという効果に加えて、次のような効果を得ることができる。すなわち、LIGBTのオフ時に、半導体基板と第1ドリフト領域との接合部、及び第1ドリフト領域と第2ドリフト領域との接合部にそれぞれ空乏層を形成することができるので、これらの空乏層によって第1ドリフト領域内を効率よく空乏化することができる。このため、耐圧を下げることなく、第1ドリフト領域の不純物濃度を高くすることができるので、オン抵抗が低い半導体装置を実現することができる。
本発明の第1又は第2の半導体装置の製造方法において、第2導電型の第1ドリフト領域内に第1導電型の第2ドリフト領域を形成する工程(f)をさらに備えている場合、前記工程(f)では、前記第1ドリフト領域の内部における前記半導体基板の表面から所定の深さに前記第2ドリフト領域を埋め込み形成することが好ましい。
このようにすると、さらにオン抵抗を低減することが可能な半導体装置を容易に製造することができる。
本発明の第1又は第2の半導体装置の製造方法において、第2導電型の第1ドリフト領域内に第1導電型の第2ドリフト領域を形成する工程(f)をさらに備えている場合、前記工程(f)では、前記第1ドリフト領域に対する第1導電型の不純物のイオン注入を加速エネルギーを変えて複数回行った後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによって前記第1ドリフト領域における前記半導体基板の表面からの深さが異なる位置に、前記第2ドリフト領域となる複数の部分を形成することが好ましい。
このようにすると、さらにオン抵抗を低減することが可能な半導体装置を容易に製造することができる。
本発明の第2の半導体装置の製造方法において、前記工程(b)におけるイオン注入及び前記工程(d)におけるイオン注入をそれぞれ実施した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによって前記エミッタ領域、前記コレクタ領域、前記ソース領域、前記ドレイン領域及び前記コレクタ接続領域を同時に形成することが好ましい。
このようにすると、半導体基板に対する熱処理の回数を削減できるので、ラッチアップが発生しにくい半導体装置をさらに少ない工程数で容易に製造することができる。
本発明の第1の半導体装置によれば、LIGBTのエミッタ領域をコレクタ領域よりも深く形成しているため、寄生npnトランジスタのベース抵抗を下げることができるので、ラッチアップの発生しにくいLIGBTを実現することができる。また、エミッタ領域がゲート下側のチャネル領域から離れて形成されているため、ゲート下側にエミッタ領域が広がることがないので、しきい値電圧の変動なくチャネル反転層が形成されるLIGBTを実現することができる。さらに、エミッタ領域をコレクタ領域とは別工程で形成することによって、コレクタ領域となる不純物層の深さを浅くすることができるので、コレクタ領域からのホールの供給が抑制される結果、スイッチング速度の速いLIGBTを実現することができる。
また、エミッタ領域をコレクタ領域よりも深く形成したLIGBTにおいて、第1ドリフト領域内に形成された第1導電型の第2ドリフト領域をさらに備えている場合、LIGBTのオフ時に半導体基板と第1ドリフト領域との接合部及び第1ドリフト領域と第2ドリフト領域との接合部のそれぞれに形成される空乏層によって、第1ドリフト領域内を効率よく空乏化することができる。このため、耐圧を下げることなく、第1ドリフト領域の不純物濃度を高くすることができるので、オン抵抗が低い半導体装置を実現することができる。
また、エミッタ領域をコレクタ領域よりも深く形成したLIGBTにおいて、コレクタ領域は、半導体基板の表面から0.8μm以下の深さまで形成されており、エミッタ領域は、半導体基板の表面から1μm以上の深さまで形成されている場合、LIGBTにおけるコレクタ領域及びエミッタ領域のそれぞれの拡散深さが最適化されるので、ラッチアップの発生を低減できると共に、コレクタ領域からのホール供給を抑制してスイッチング速度を速くすることができる。
また、エミッタ領域をコレクタ領域よりも深く形成したLIGBTにおいて、コレクタ領域における第1導電型の不純物の濃度は1×1017cm−3以上で且つ1×1018cm−3以下であり、エミッタ領域における第1導電型の不純物の濃度は1×1019cm−3以上で且つ1×1020cm−3以下である場合、LIGBTにおけるコレクタ領域及びエミッタ領域のそれぞれの不純物濃度が最適化されるので、ラッチアップの発生を低減できると共に、コレクタ領域からのホール供給を抑制してスイッチング速度を速くすることができる。
本発明の第2の半導体装置によれば、LIGBTにおける不純物濃度の高いコレクタ領域の上部に相当する箇所にドレイン領域が形成されていることから、本発明の第1の半導体装置においてコレクタ領域を浅く形成することと同様の効果、つまりラッチアップが発生しにくく且つスイッチング速度の速いLIGBTを実現できるという効果が得られる。また、エミッタ領域がゲート下側のチャネル領域から離れて形成されているため、ゲート下側にエミッタ領域が広がることがないので、しきい値電圧の変動なくチャネル反転層が形成されるLIGBTを実現することができる。さらに、コレクタ領域の上側にドレイン領域を備えているため、コレクタ電圧を印加した場合には横型MISトランジスタとしても動作させることができるので、LIGBTに立ち上がり電圧が印加される前に横型MISトランジスタが立ち上がることから、LIGBTがターンオンするまでの時間を短縮でき、より一層スイッチング速度の速い半導体装置を実現することができる。
また、コレクタ領域の上側に相当する箇所にドレイン領域が形成されたLIGBTにおいて、第1ドリフト領域内に形成された第1導電型の第2ドリフト領域をさらに備えている場合、LIGBTのオフ時に半導体基板と第1ドリフト領域との接合部及び第1ドリフト領域と第2ドリフト領域との接合部のそれぞれに形成される空乏層によって、第1ドリフト領域内を効率よく空乏化することができる。このため、耐圧を下げることなく、第1ドリフト領域の不純物濃度を高くすることができるので、オン抵抗が低い半導体装置を実現することができる。
また、コレクタ領域の上側に相当する箇所にドレイン領域が形成されたLIGBTにおいて、コレクタ領域における第1導電型の不純物の濃度プロファイルが、エミッタ領域における第1導電型の不純物の濃度プロファイルと実質的に同じである場合、コレクタ領域及びエミッタ領域を同時に形成しても、コレクタ領域の上側にドレイン領域が形成されるため、コレクタ領域の厚さが相対的に薄く且つエミッタ領域が相対的に深い位置に形成された構造を得ることができるので、LIGBTにおけるラッチアップの発生を容易に低減することができる。
また、コレクタ領域の上側に相当する箇所にドレイン領域が形成されたLIGBTにおいて、ドレイン領域は、半導体基板の表面から0.6μm以下の深さまで形成されており、コレクタ領域は、ドレイン領域の下側において半導体基板の表面から0.8μm以上の深さまで形成されている場合、ドレイン領域及びコレクタ領域のそれぞれの深さが最適化されるので、スイッチング速度の向上とラッチアップの抑制とに適した構造を実現することができる。
また、第2導電型の第1ドリフト領域内に第1導電型の第2ドリフト領域を備えているLIGBTにおいて、第2ドリフト領域は、半導体基板の表面から間隔をあけて第1ドリフト領域の内部に埋め込み形成されている場合、半導体基板と第1ドリフト領域との接合部、及び第1ドリフト領域と第2ドリフト領域との接合部にそれぞれ空乏層を形成することができるため、これらの空乏層によって第1ドリフト領域内をさらに効率よく空乏化することができるので、さらにオン抵抗が低い半導体装置を実現することができる。
また、第2導電型の第1ドリフト領域内に第1導電型の第2ドリフト領域を備えているLIGBTにおいて、第2ドリフト領域は、第1ドリフト領域における半導体基板の表面からの深さが異なる位置に形成された複数の部分から構成されている場合、LIGBTのオフ時に、半導体基板と第1ドリフト領域との接合部に形成される空乏層のみならず、第2ドリフト領域を構成する複数の部分から広がる空乏層により、第1ドリフト領域内をさらに効率よく空乏化することができるので、さらにオン抵抗が低い半導体装置を実現することができる。
本発明の第1の半導体装置の製造方法によれば、エミッタ領域をコレクタ領域とは別工程で形成するため、エミッタ領域をコレクタ領域よりも深く形成できるので、本発明の第1の半導体装置、つまりラッチアップが発生しにくく、しきい値電圧の変動がなく、且つスイッチング速度の速いLIGBTとして動作する半導体装置を少ない工程数で容易に製造することができる。
本発明の第1の半導体装置の製造方法において、前記第1ドリフト領域における前記コレクタ領域から見て前記ソース領域側の部分に第1導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによって第2ドリフト領域を形成する工程をさらに備えていると、ラッチアップが発生しにくく、しきい値電圧の変動がなく、且つスイッチング速度の速いLIGBTとして動作する半導体装置を少ない工程数で容易に製造することができるという効果に加えて、次のような効果を得ることができる。すなわち、LIGBTのオフ時に、半導体基板と第1ドリフト領域との接合部、及び第1ドリフト領域と第2ドリフト領域との接合部にそれぞれ空乏層を形成することができるので、これらの空乏層によって第1ドリフト領域内を効率よく空乏化することができる。このため、耐圧を下げることなく、第1ドリフト領域の不純物濃度を高くすることができるので、オン抵抗が低い半導体装置を実現することができる。
本発明の第2の半導体装置の製造方法によれば、不純物濃度の高いコレクタ領域の上部に相当する箇所にドレイン領域を形成できるので、本発明の第2の半導体装置、つまり横型パワーMISトランジスタとしても動作可能であると共に、ラッチアップが発生しにくく且つスイッチング速度の速いLIGBTとして動作する半導体装置を少ない工程数で容易に製造することができる。
本発明の第2の半導体装置の製造方法において、前記第1ドリフト領域における前記コレクタ領域から見て前記ソース領域側の部分に第1導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによって第2ドリフト領域を形成する工程をさらに備えていると、横型パワーMISトランジスタとしても動作可能であると共に、ラッチアップが発生しにくく且つスイッチング速度の速いLIGBTとして動作する半導体装置を少ない工程数で容易に製造することができるという効果に加えて、次のような効果を得ることができる。すなわち、LIGBTのオフ時に、半導体基板と第1ドリフト領域との接合部、及び第1ドリフト領域と第2ドリフト領域との接合部にそれぞれ空乏層を形成することができるので、これらの空乏層によって第1ドリフト領域内を効率よく空乏化することができる。このため、耐圧を下げることなく、第1ドリフト領域の不純物濃度を高くすることができるので、オン抵抗が低い半導体装置を実現することができる。
本発明の第1又は第2の半導体装置の製造方法において、第2導電型の第1ドリフト領域内に第1導電型の第2ドリフト領域を形成する場合において、第1ドリフト領域の内部における半導体基板の表面から所定の深さに第2ドリフト領域を埋め込み形成すると、さらにオン抵抗を低減することが可能な半導体装置を容易に製造することができる。
本発明の第1又は第2の半導体装置の製造方法において、第2導電型の第1ドリフト領域内に第1導電型の第2ドリフト領域を形成する場合において、第1ドリフト領域に対する第1導電型の不純物のイオン注入を加速エネルギーを変えて複数回行った後、半導体基板に対して熱処理を行い、それによって第1ドリフト領域における半導体基板の表面からの深さが異なる位置に、第2ドリフト領域となる複数の部分を形成すると、さらにオン抵抗を低減することが可能な半導体装置を容易に製造することができる。
本発明の第2の半導体装置の製造方法において、エミッタ領域及びコレクタ領域を形成するためのイオン注入、並びにソース領域、ドレイン領域及びコレクタ接続領域を形成するためのイオン注入をそれぞれ実施した後、半導体基板に対して熱処理を行い、それによってエミッタ領域、コレクタ領域、ソース領域、ドレイン領域及びコレクタ接続領域を同時に形成した場合、熱処理工程の回数を削減できるので、ラッチアップが発生しにくい半導体装置をさらに少ない工程数で容易に製造することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一例であるLIGBTの構造を示す模式的な断面図である。
図1に示すように、本実施形態のLIGBTは、不純物濃度が例えば1×1014cm-3程度から1×1015cm-3程度までのp型シリコン(Si)基板100に形成される。p型シリコン基板100の表面部の一部には、不純物濃度が例えば5×1015cm-3程度から2×1016cm-3程度までで深さが例えば3μm程度から5μm程度までのn型ドリフト領域101が形成されている。
n型ドリフト領域101の表面部には、不純物濃度が例えば5×1016cm-3程度から1×1017cm-3程度までのn型バッファ領域102が形成されている。n型バッファ領域102の表面部には、不純物濃度が例えば1×1017cm-3程度から1×1018cm-3程度までで深さが例えば0.4μm程度から0.8μm程度までのp型コレクタ領域103が形成されている。p型シリコン基板100の表面部には、n型ドリフト領域101に隣接して不純物濃度が例えば1×1016cm-3程度から1×1017cm-3程度までのp型低濃度エミッタ領域104が形成されている。p型低濃度エミッタ領域104の表面部の一部には、不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば0.2μmから0.4μm程度までのn型ソース領域105がn型ドリフト領域101から離隔して形成されている。p型低濃度エミッタ領域104の表面部におけるn型ソース領域105から見てn型ドリフト領域101の反対側には、n型ソース領域(高濃度ソース領域)105に隣接して、不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば1.0μmから1.5μm程度までのp型高濃度エミッタ領域106が形成されている。
n型ドリフト領域101とn型ソース領域105とに挟まれた部分のp型低濃度エミッタ領域104の上、及びn型ドリフト領域101におけるp型低濃度エミッタ領域104側の端部の上には、例えば酸化シリコン(SiO2 )からなるゲート絶縁膜107を介して例えばポリシリコン(Poly-Si)からなるゲート電極108が形成されている。n型ソース領域105及びp型高濃度エミッタ領域106のそれぞれの上には、両領域と電気的に接続し且つ例えばAlSiCu等のアルミニウム合金からなるエミッタ電極109が形成されている。p型コレクタ領域103の上には、p型コレクタ領域103と電気的に接続し且つ例えばAlSiCu等のアルミニウム合金からなるコレクタ電極110が形成されている。p型低濃度エミッタ領域104とn型バッファ領域102とに挟まれた部分のn型ドリフト領域101の上には、例えば酸化シリコン(SiO2 )からなるフィールド絶縁膜111が形成されている。尚、ゲート電極108の一部分はフィールド絶縁膜111に乗り上げている。
ゲート電極108とエミッタ電極109及びコレクタ電極110のそれぞれとの間には、各電極間を絶縁するための層間絶縁膜112が形成されている。層間絶縁膜112は、例えば酸化シリコン(SiO2 )とボロン・リン添加シリケードグラス(BPSG)とからなる。層間絶縁膜112の上には、例えば窒化シリコン(SiN)からなる保護膜113が形成されている。
図1に示す本実施形態のLIGBTによると、p型高濃度エミッタ領域106をp型コレクタ領域103よりも深く形成しているため、n型ソース領域105、p型低濃度エミッタ領域104及びn型ドリフト領域101からなる寄生npnトランジスタのベース抵抗を下げることができる。従って、前記寄生npnトランジスタがオンしにくくなるので、ラッチアップの発生しにくいLIGBTを実現することができる。
また、本実施形態のLIGBTによると、p型高濃度エミッタ領域106がゲート電極108下側のチャネル領域から離れて形成されているため、ゲート電極108下側に高濃度のエミッタ領域が広がることがないので、しきい値電圧の変動なくチャネル反転層が形成されるLIGBTを実現することができる。
さらに、本実施形態のLIGBTによると、p型高濃度エミッタ領域106をp型コレクタ領域103とは別工程で形成することによって、p型コレクタ領域103となる不純物層の深さを浅くすることができる。よって、p型コレクタ領域103からのホールの供給が抑制される結果、スイッチング速度の速いLIGBTを実現することができる。
尚、本実施形態のLIGBTにおいて、p型コレクタ領域103は、p型シリコン基板100の表面から0.8μm以下の深さまで形成されており、p型高濃度エミッタ領域106は、p型シリコン基板100の表面から1μm以上の深さまで形成されていることが好ましい。このようにすると、LIGBTにおけるp型コレクタ領域103及びp型高濃度エミッタ領域106のそれぞれの拡散深さが最適化されるので、ラッチアップの発生を低減できると共に、p型コレクタ領域103からのホール供給を抑制してスイッチング速度を速くすることができる。
また、本実施形態のLIGBTにおいて、p型コレクタ領域103におけるp型不純物の濃度は1×1017cm−3以上で且つ1×1018cm−3以下であり、p型高濃度エミッタ領域106におけるp型不純物の濃度は1×1019cm−3以上で且つ1×1020cm−3以下であることが好ましい。このようにすると、LIGBTにおけるp型コレクタ領域103及びp型高濃度エミッタ領域106のそれぞれの拡散深さが最適化されるので、ラッチアップの発生を低減できると共に、p型コレクタ領域103からのホール供給を抑制してスイッチング速度を速くすることができる。
次に、図2〜図7を用いて図1に示す本実施形態のLIGBTの製造方法について説明する。図2は、同LIGBTのn型ドリフト領域101を形成する工程を示す断面図であり、図3は、同LIGBTのp型低濃度エミッタ領域104、n型バッファ領域102及びフィールド絶縁膜111を形成する工程を示す断面図であり、図4は、同LIGBTのp型高濃度エミッタ領域106を形成する工程を示す断面図であり、図5は、同LIGBTのゲート絶縁膜107及びゲート電極108を形成する工程を示す断面図であり、図6は、同LIGBTのp型コレクタ領域103、n型ソース領域105及び層間絶縁膜112を形成する工程を示す断面図であり、図7は、同LIGBTのエミッタ電極109、コレクタ電極110及び保護膜113を形成する工程を示す断面図である。
まず、図2に示すように、不純物濃度が例えば1×1014cm-3程度から1×1015cm-3程度までのp型シリコン(Si)基板100の表面部における所定の領域にレジストパターン(図示省略)を用いて例えばリンをイオン注入する。その後、p型シリコン基板100に対して熱処理を行って注入不純物を拡散させ、それにより不純物濃度が例えば5×1015cm-3程度から2×1016cm-3程度までで深さが例えば3μm程度から5μm程度までのn型ドリフト領域101を形成する。
次に、図3に示すように、p型シリコン基板100におけるn型ドリフト領域101と隣接する領域にレジストパターン(図示省略)を用いて例えばボロンをイオン注入する。次に、n型ドリフト領域101の表面部における所定の領域にレジストパターン(図示省略)を用いて例えばリンをイオン注入する。その後、例えばSiNマスクを用いた熱酸化法により、n型ドリフト領域101上に例えば酸化シリコン(SiO2 )からなるフィールド絶縁膜111を選択的に形成する。この熱酸化工程により、注入された各不純物(本実施形態ではボロン及びリン)の熱拡散が生じ、その結果、不純物濃度が例えば1×1016cm-3程度から1×1017cm-3程度までのp型低濃度エミッタ領域104が形成されると共に、不純物濃度が例えば5×1016cm-3程度から1×1017cm-3程度までのn型バッファ領域102が形成される。
次に、図4に示すように、p型低濃度エミッタ領域104におけるn型ドリフト領域101から離れた領域にレジストパターン(図示省略)を用いて例えばボロンをイオン注入する。その後、p型シリコン基板100に対して熱処理を行って注入不純物を拡散させ、それにより不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば1.0μmから1.5μm程度までのp型高濃度エミッタ領域106を形成する。
次に、図5に示すように、p型シリコン基板100の上に全面に亘って例えば酸化シリコン(SiO2 )膜及び例えばポリシリコン(Poly-Si)膜を形成した後、レジストパターン(図示省略)を用いて当該酸化シリコン膜及びポリシリコン膜をエッチングしてパターニングする。これにより、p型低濃度エミッタ領域104におけるn型ドリフト領域101と隣接する部分の上に、前記酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜107を介して前記ポリシリコン膜からなるゲート電極108を形成する。尚、ゲート電極108は、n型ドリフト領域101におけるp型低濃度エミッタ領域104側の端部の上、及びフィールド絶縁膜111の一部分の上にも形成される。
次に、図6に示すように、n型バッファ領域102の表面部における所定の領域にレジストパターン(図示省略)を用いて例えばボロンをイオン注入する。次に、p型低濃度エミッタ領域104の表面部におけるp型高濃度エミッタ領域106に隣接する領域にレジストパターン(図示省略)を用いて例えばヒ素をイオン注入する。その後、p型シリコン基板100の上に全面に亘って、例えば酸化シリコン(SiO2 )とボロン・リン添加シリケードグラス(BPSG)との積層構造からなる層間絶縁膜112を形成した後、熱処理により前記BPSGのリフローを行い、層間絶縁膜112表面の平坦化を行う。この熱処理により、不純物濃度が例えば1×1017cm-3程度から1×1018cm-3程度までで深さが例えば0.4μm程度から0.8μm程度までのp型コレクタ領域103が形成されると共に、不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば0.2μmから0.4μm程度までのn型ソース領域105が形成される。
次に、図7に示すように、レジストパターン(図示省略)を用いて層間絶縁膜112の所定の領域をエッチングし、n型ソース領域105及びp型高濃度エミッタ領域106に達するエミッタ電極用コンタクトホール、並びにp型コレクタ領域103に達するコレクタ電極用コンタクトホールを形成する。その後、例えばスパッタリング法によってAlSiCu等のアルミニウム合金膜をp型シリコン基板100の上に全面に亘って形成した後、レジストパターン(図示省略)を用いて前記アルミニウム合金膜の所定の領域をエッチングする。これにより、エミッタ電極109及びコレクタ電極110が形成される。その後、p型シリコン基板100の上に全面に亘って、例えば窒化シリコン(SiN)からなる保護膜113を例えばプラズマCVD(chemical vapor deposition)法によって形成した後、図示は省略しているが、保護膜113に対してレジストパターンを用いてドライエッチングを行い、それによってワイヤボンディング用のパッド部を開口する。これにより、図1に示す本実施形態のLIGBTが形成される。
以上に説明した製造方法を用いることによって、p型高濃度エミッタ領域106をp型コレクタ領域103とは別工程で形成できるため、p型高濃度エミッタ領域106をp型コレクタ領域103よりも深く形成できる。すなわち、p型高濃度エミッタ領域106を形成するための不純物イオン注入とその後の複数回の熱処理とにより深いp型高濃度エミッタ領域106を形成できると共に、p型コレクタ領域103を浅く形成できる。このため、ラッチアップが発生しにくく、しきい値電圧の変動がなく、且つスイッチング速度の速いLIGBTとして動作する本実施形態の半導体装置を少ない工程数で容易に製造することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置について、図面を参照しながら説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の一例であるLIGBTの構造を示す模式的な断面図である。尚、図8において、図1に示す第1の実施形態と同一の構成部材には同一の符号を付す。
図8に示すように、本実施形態のLIGBTは、不純物濃度が例えば1×1014cm-3程度から1×1015cm-3程度までのp型シリコン(Si)基板100に形成される。p型シリコン基板100の表面部の一部には、不純物濃度が例えば1×1016cm-3程度から2×1016cm-3程度までで深さが例えば4μm程度から6μm程度までのn型ドリフト領域101が形成されている。
n型ドリフト領域101の表面部には、不純物濃度が例えば5×1016cm-3程度から1×1017cm-3程度までのn型バッファ領域102が形成されている。n型バッファ領域102の表面部には、不純物濃度が例えば1×1017cm-3程度から1×1018cm-3程度までで深さが例えば0.4μm程度から0.8μm程度までのp型コレクタ領域103が形成されている。p型シリコン基板100の表面部には、n型ドリフト領域101に隣接して不純物濃度が例えば1×1016cm-3程度から1×1017cm-3程度までのp型低濃度エミッタ領域104が形成されている。p型低濃度エミッタ領域104の表面部の一部には、不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば0.2μmから0.4μm程度までのn型ソース領域105がn型ドリフト領域101から離隔して形成されている。p型低濃度エミッタ領域104の表面部におけるn型ソース領域105から見てn型ドリフト領域101の反対側には、n型ソース領域(高濃度ソース領域)105に隣接して、不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば1.0μmから1.5μm程度までのp型高濃度エミッタ領域106が形成されている。
n型ドリフト領域101とn型ソース領域105とに挟まれた部分のp型低濃度エミッタ領域104の上、及びn型ドリフト領域101におけるp型低濃度エミッタ領域104側の端部の上には、例えば酸化シリコン(SiO2 )からなるゲート絶縁膜107を介して例えばポリシリコン(Poly-Si)からなるゲート電極108が形成されている。n型ソース領域105及びp型高濃度エミッタ領域106のそれぞれの上には、両領域と電気的に接続し且つ例えばAlSiCu等のアルミニウム合金からなるエミッタ電極109が形成されている。p型コレクタ領域103の上には、p型コレクタ領域103と電気的に接続し且つ例えばAlSiCu等のアルミニウム合金からなるコレクタ電極110が形成されている。p型低濃度エミッタ領域104とn型バッファ領域102とに挟まれた部分のn型ドリフト領域101の上には、例えば酸化シリコン(SiO2 )からなるフィールド絶縁膜111が形成されている。尚、ゲート電極108の一部分はフィールド絶縁膜111に乗り上げている。
ゲート電極108とエミッタ電極109及びコレクタ電極110のそれぞれとの間には、各電極間を絶縁するための層間絶縁膜112が形成されている。層間絶縁膜112は、例えば酸化シリコン(SiO2 )とボロン・リン添加シリケードグラス(BPSG)とからなる。層間絶縁膜112の上には、例えば窒化シリコン(SiN)からなる保護膜113が形成されている。
本実施形態が第1の実施形態と大きく異なっている点は、n型ドリフト領域101の表面部におけるp型コレクタ領域103から見てn型ソース領域105側の部分に、例えば厚さが1μm程度で不純物濃度が例えば1×1016cm-3程度から3×1016cm-3程度までのp型ドリフト領域116が形成されていることである。尚、p型ドリフト領域116はp型シリコン基板100と電気的に接続されている。
図8に示す本実施形態のLIGBTによると、p型高濃度エミッタ領域106をp型コレクタ領域103よりも深く形成しているため、n型ソース領域105、p型低濃度エミッタ領域104及びn型ドリフト領域101からなる寄生npnトランジスタのベース抵抗を下げることができる。従って、前記寄生npnトランジスタがオンしにくくなるので、ラッチアップの発生しにくいLIGBTを実現することができる。
また、本実施形態のLIGBTによると、p型高濃度エミッタ領域106がゲート電極108下側のチャネル領域から離れて形成されているため、ゲート電極108下側に高濃度のエミッタ領域が広がることがないので、しきい値電圧の変動なくチャネル反転層が形成されるLIGBTを実現することができる。
また、本実施形態のLIGBTによると、p型高濃度エミッタ領域106をp型コレクタ領域103とは別工程で形成することによって、p型コレクタ領域103となる不純物層の深さを浅くすることができる。よって、p型コレクタ領域103からのホールの供給が抑制される結果、スイッチング速度の速いLIGBTを実現することができる。
さらに、本実施形態のLIGBTによると、n型ドリフト領域101内にp型ドリフト領域116が形成されているため、以上の効果に加えて、次のような効果を得ることができる。すなわち、LIGBTのオフ時に、p型シリコン基板100とn型ドリフト領域101との接合部のみならず、n型ドリフト領域101とp型ドリフト領域116との接合部にも空乏層を形成することができるので、これらの空乏層によってn型ドリフト領域101内を効率よく空乏化して、より高い耐圧を確保することができる。このため、耐圧を下げることなく、n型ドリフト領域101の不純物濃度を高くすることができるので、第1の実施形態のLIGBTと比べて、オン抵抗が低い半導体装置を実現することができる。すなわち、本実施形態のLIGBTでは、スイッチングロスを低減することができると同時にオン抵抗を低減することができる。
尚、本実施形態のLIGBTにおいて、p型コレクタ領域103は、p型シリコン基板100の表面から0.8μm以下の深さまで形成されており、p型高濃度エミッタ領域106は、p型シリコン基板100の表面から1μm以上の深さまで形成されていることが好ましい。このようにすると、LIGBTにおけるp型コレクタ領域103及びp型高濃度エミッタ領域106のそれぞれの拡散深さが最適化されるので、ラッチアップの発生を低減できると共に、p型コレクタ領域103からのホール供給を抑制してスイッチング速度を速くすることができる。
また、本実施形態のLIGBTにおいて、p型コレクタ領域103におけるp型不純物の濃度は1×1017cm−3以上で且つ1×1018cm−3以下であり、p型高濃度エミッタ領域106におけるp型不純物の濃度は1×1019cm−3以上で且つ1×1020cm−3以下であることが好ましい。このようにすると、LIGBTにおけるp型コレクタ領域103及びp型高濃度エミッタ領域106のそれぞれの拡散深さが最適化されるので、ラッチアップの発生を低減できると共に、p型コレクタ領域103からのホール供給を抑制してスイッチング速度を速くすることができる。
次に、図2〜図4及び図9〜図12を用いて図8に示す本実施形態のLIGBTの製造方法について説明する。尚、図2〜図4に示す工程については第1の実施形態に係るLIGBTの製造方法と同一であるため、以下、図9〜図12に示す工程を中心として説明する。図9は、本実施形態のLIGBTのp型ドリフト領域116を形成する工程を示す断面図であり、図10は、同LIGBTのゲート絶縁膜107及びゲート電極108を形成する工程を示す断面図であり、図11は、同LIGBTのp型コレクタ領域103、n型ソース領域105及び層間絶縁膜112を形成する工程を示す断面図であり、図12は、同LIGBTのエミッタ電極109、コレクタ電極110及び保護膜113を形成する工程を示す断面図である。
まず、第1の実施形態と同様に、図2〜図4に示す各工程を実施する。これにより、p型シリコン基板100に、n型ドリフト領域101、p型低濃度エミッタ領域104、n型バッファ領域102、p型高濃度エミッタ領域106、及びフィールド絶縁膜111が形成される。
次に、図9に示すように、n型ドリフト領域101の表面部における所定の位置にレジストパターン(図示省略)を用いて、例えば4×1012cm-2程度のドーズ量、600keV程度の加速電圧で例えばボロンをイオン注入する。このとき、フィールド絶縁膜111を通してイオン注入を行うことが好ましい。このようにすると、イオン注入後にフィールド絶縁膜111を形成した場合に生じる、LOCOS(local oxidation of silicon)酸化膜へのボロンの吸い出しが抑えられ、安定した不純物濃度を得ることができる。その後、p型シリコン基板100に対して熱処理を行って注入不純物を拡散させ、それにより不純物濃度が例えば1×1016cm-3程度から3×1016cm-3程度までのp型ドリフト領域116を形成する。
次に、図10に示すように、p型シリコン基板100の上に全面に亘って例えば酸化シリコン(SiO2 )膜及び例えばポリシリコン(Poly-Si)膜を形成した後、レジストパターン(図示省略)を用いて当該酸化シリコン膜及びポリシリコン膜をエッチングしてパターニングする。これにより、p型低濃度エミッタ領域104におけるn型ドリフト領域101と隣接する部分の上に、前記酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜107を介して前記ポリシリコン膜からなるゲート電極108を形成する。尚、ゲート電極108は、n型ドリフト領域101におけるp型低濃度エミッタ領域104側の端部の上、及びフィールド絶縁膜111の一部分の上にも形成される。
次に、図11に示すように、n型バッファ領域102の表面部における所定の領域にレジストパターン(図示省略)を用いて例えばボロンをイオン注入する。次に、p型低濃度エミッタ領域104の表面部におけるp型高濃度エミッタ領域106に隣接する領域にレジストパターン(図示省略)を用いて例えばヒ素をイオン注入する。その後、p型シリコン基板100の上に全面に亘って、例えば酸化シリコン(SiO2 )とボロン・リン添加シリケードグラス(BPSG)との積層構造からなる層間絶縁膜112を形成した後、熱処理により前記BPSGのリフローを行い、層間絶縁膜112表面の平坦化を行う。この熱処理により、不純物濃度が例えば1×1017cm-3程度から1×1018cm-3程度までで深さが例えば0.4μm程度から0.8μm程度までのp型コレクタ領域103が形成されると共に、不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば0.2μmから0.4μm程度までのn型ソース領域105が形成される。
次に、図12に示すように、レジストパターン(図示省略)を用いて層間絶縁膜112の所定の領域をエッチングし、n型ソース領域105及びp型高濃度エミッタ領域106に達するエミッタ電極用コンタクトホール、並びにp型コレクタ領域103に達するコレクタ電極用コンタクトホールを形成する。その後、例えばスパッタリング法によってAlSiCu等のアルミニウム合金膜をp型シリコン基板100の上に全面に亘って形成した後、レジストパターン(図示省略)を用いて前記アルミニウム合金膜の所定の領域をエッチングする。これにより、エミッタ電極109及びコレクタ電極110が形成される。その後、p型シリコン基板100の上に全面に亘って、例えば窒化シリコン(SiN)からなる保護膜113を例えばプラズマCVD法によって形成した後、図示は省略しているが、保護膜113に対してレジストパターンを用いてドライエッチングを行い、それによってワイヤボンディング用のパッド部を開口する。これにより、図8に示す本実施形態のLIGBTが形成される。
以上に説明した製造方法を用いることによって、p型高濃度エミッタ領域106をp型コレクタ領域103とは別工程で形成できるため、p型高濃度エミッタ領域106をp型コレクタ領域103よりも深く形成できる。すなわち、p型高濃度エミッタ領域106を形成するための不純物イオン注入とその後の複数回の熱処理とにより深いp型高濃度エミッタ領域106を形成できると共に、p型コレクタ領域103を浅く形成できる。また、n型ドリフト領域101内にp型ドリフト領域116を形成するため、より高い耐圧を確保することができる。従って、ラッチアップが発生しにくく、しきい値電圧の変動がなく、スイッチング速度が速く、且つオン抵抗が低いLIGBTとして動作する本実施形態の半導体装置を少ない工程数で容易に製造することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置について、図面を参照しながら説明する。
図13は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一例であるLIGBTの構造を示す模式的な断面図である。尚、図13において、図1に示す第1の実施形態と同一の構成部材には同一の符号を付す。
図13に示すように、本実施形態のLIGBTは、不純物濃度が例えば1×1014cm-3程度から1×1015cm-3程度までのp型シリコン(Si)基板100に形成される。p型シリコン基板100の表面部の一部には、不純物濃度が例えば5×1015cm-3程度から2×1016cm-3程度までで深さが例えば3μm程度から5μm程度までのn型ドリフト領域101が形成されている。
n型ドリフト領域101の表面部には、不純物濃度が例えば5×1016cm-3程度から1×1017cm-3程度までのn型バッファ領域102が形成されている。n型バッファ領域102の表面部の所定の部分には、不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば0.2μm程度から0.4μm程度までのn型ドレイン領域115が形成されている。n型バッファ領域102の表面部におけるn型ドレイン領域115の下側には、不純物濃度が例えば1×1017cm-3程度から1×1018cm-3程度までで深さが例えば1.0μm程度から1.5μm程度までのp型コレクタ領域114aが形成されている。n型ドレイン領域115内には、n型ドレイン領域115を貫通してp型コレクタ領域114aと電気的に接続するようにp型コレクタ接続領域114bが形成されている。p型シリコン基板100の表面部には、n型ドリフト領域101に隣接して不純物濃度が例えば1×1016cm-3程度から1×1017cm-3程度までのp型低濃度エミッタ領域104が形成されている。p型低濃度エミッタ領域104の表面部の一部には、不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば0.2μmから0.4μm程度までのn型ソース領域105がn型ドリフト領域101から離隔して形成されている。p型低濃度エミッタ領域104の表面部におけるn型ソース領域105から見てn型ドリフト領域101の反対側には、n型ソース領域(高濃度ソース領域)105に隣接して、不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば1.0μmから1.5μm程度までのp型高濃度エミッタ領域106が形成されている。
n型ドリフト領域101とn型ソース領域105とに挟まれた部分のp型低濃度エミッタ領域104の上、及びn型ドリフト領域101におけるp型低濃度エミッタ領域104側の端部の上には、例えば酸化シリコン(SiO2 )からなるゲート絶縁膜107を介して例えばポリシリコン(Poly-Si)からなるゲート電極108が形成されている。n型ソース領域105及びp型高濃度エミッタ領域106のそれぞれの上には、両領域と電気的に接続し且つ例えばAlSiCu等のアルミニウム合金からなるエミッタ電極109が形成されている。p型コレクタ接続領域114bの上には、p型コレクタ接続領域114bを通じてp型コレクタ領域114aと電気的に接続し且つ例えばAlSiCu等のアルミニウム合金からなるコレクタ電極110が形成されている。p型低濃度エミッタ領域104とn型バッファ領域102とに挟まれた部分のn型ドリフト領域101の上には、例えば酸化シリコン(SiO2 )からなるフィールド絶縁膜111が形成されている。尚、ゲート電極108の一部分はフィールド絶縁膜111に乗り上げている。
ゲート電極108とエミッタ電極109及びコレクタ電極110のそれぞれとの間には、各電極間を絶縁するための層間絶縁膜112が形成されている。層間絶縁膜112は、例えば酸化シリコン(SiO2 )とボロン・リン添加シリケードグラス(BPSG)とからなる。層間絶縁膜112の上には、例えば窒化シリコン(SiN)からなる保護膜113が形成されている。
図13に示す本実施形態のLIGBTによると、不純物濃度の高いp型コレクタ領域114aの上側にn型ドレイン領域115が形成されていることから、第1の実施形態においてp型コレクタ領域103(図1参照)を浅く形成することと同様の効果が得られる。すなわち、ラッチアップが発生しにくく且つスイッチング速度の速いLIGBTを実現することができる。
また、本実施形態のLIGBTによると、p型高濃度エミッタ領域106がゲート電極108下側のチャネル領域から離れて形成されているため、ゲート電極108下側に高濃度のエミッタ領域が広がることがないので、しきい値電圧の変動なくチャネル反転層が形成されるLIGBTを実現することができる。
また、本実施形態のLIGBTによると、p型コレクタ領域114aの上側にn型ドレイン領域115を備えているため、コレクタ電圧を印加した場合には横型MISトランジスタとしても動作させることができる。このため、本実施形態のLIGBTに立ち上がり電圧が印加される前に横型MISトランジスタが立ち上がることから、LIGBTがターンオンするまでの時間を短縮することができるので、より一層スイッチング速度の速い半導体装置を実現することができる。
また、本実施形態のLIGBTにおいては、p型コレクタ領域114aにおけるp型不純物の濃度プロファイルを、p型高濃度エミッタ領域106におけるp型不純物の濃度プロファイルと同じに設定しても、p型コレクタ領域114aの上側にn型ドレイン領域115が形成されるので、p型コレクタ領域114a及びp型高濃度エミッタ領域106を同時に形成した場合にも、p型高濃度エミッタ領域106を相対的に深く形成し且つp型コレクタ領域114aを相対的に浅く形成した場合と同様の効果が得られる。すなわち、ラッチアップが発生しにくく且つスイッチング速度の速いLIGBTを容易に実現することができる。
また、本実施形態のLIGBTにおいて、n型ソース領域105と同様の不純物濃度プロファイルを用いてn型ドレイン領域115を形成した場合、より簡単な構造によって、ラッチアップが発生しにくく且つスイッチング速度の速いLIGBTを実現することができる。
尚、本実施形態のLIGBTにおいて、n型ドレイン領域115は、p型シリコン基板100の表面から0.6μm以下の深さまで形成されており、p型コレクタ領域114aは、n型ドレイン領域115の下側においてp型シリコン基板100の表面から0.8μm以上の深さまで形成されていることが好ましい。このようにすると、n型ドレイン領域115及びp型コレクタ領域114aのそれぞれの深さが最適化されるので、スイッチング速度の向上とラッチアップの抑制とに適した構造を実現することができる。
次に、図2〜図3及び図14〜図17を用いて図13に示す本実施形態のLIGBTの製造方法について説明する。尚、図2〜図3に示す工程については第1の実施形態に係るLIGBTの製造方法と同一であるため、以下、図14〜図17に示す工程を中心として説明する。図14は本実施形態のLIGBTのp型高濃度エミッタ領域106及びp型コレクタ領域114を形成する工程を示す断面図であり、図15は、同LIGBTのゲート絶縁膜107及びゲート電極108を形成する工程を示す断面図であり、図16は、同LIGBTのn型ドレイン領域115、p型コレクタ領域114a、p型コレクタ接続領域114b、n型ソース領域105及び層間絶縁膜112を形成する工程を示す断面図であり、図17は、同LIGBTのエミッタ電極109、コレクタ電極110及び保護膜113を形成する工程を示す断面図である。
まず、第1の実施形態と同様に、図2〜図3に示す各工程を実施する。これにより、p型シリコン基板100に、n型ドリフト領域101、p型低濃度エミッタ領域104、n型バッファ領域102及びフィールド絶縁膜111が形成される。
次に、図14に示すように、p型低濃度エミッタ領域104におけるn型ドリフト領域101から離れた領域、及びn型バッファ領域102の表面部における所定の領域にそれぞれレジストパターン(図示省略)を用いて例えばボロンをイオン注入する。その後、p型シリコン基板100に対して熱処理を行って注入不純物を拡散させ、それにより不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば1.0μmから1.5μm程度までのp型高濃度エミッタ領域106を形成すると同時に不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば1.0μmから1.5μm程度までのp型コレクタ領域114を形成する。
次に、図15に示すように、p型シリコン基板100の上に全面に亘って例えば酸化シリコン(SiO2 )膜及び例えばポリシリコン(Poly-Si)膜を形成した後、レジストパターン(図示省略)を用いて当該酸化シリコン膜及びポリシリコン膜をエッチングしてパターニングする。これにより、p型低濃度エミッタ領域104におけるn型ドリフト領域101と隣接する部分の上に、前記酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜107を介して前記ポリシリコン膜からなるゲート電極108を形成する。尚、ゲート電極108は、n型ドリフト領域101におけるp型低濃度エミッタ領域104側の端部の上、及びフィールド絶縁膜111の一部分の上にも形成される。
次に、図16に示すように、p型低濃度エミッタ領域104の表面部におけるp型高濃度エミッタ領域106に隣接する領域、及びp型コレクタ領域114の上部における所定の領域にそれぞれレジストパターン(図示省略)を用いて例えばヒ素をイオン注入する。その後、p型シリコン基板100の上に全面に亘って、例えば酸化シリコン(SiO2 )とボロン・リン添加シリケードグラス(BPSG)との積層構造からなる層間絶縁膜112を形成した後、熱処理により前記BPSGのリフローを行い、層間絶縁膜112表面の平坦化を行う。この熱処理により、不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば0.2μmから0.4μm程度までのn型ソース領域105が形成されると同時に不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば0.2μmから0.4μm程度までのn型ドレイン領域115が形成される。このとき、p型コレクタ領域114の上部のうちヒ素の注入を行わなかった領域にはp型コレクタ接続領域114bが形成される。また、p型コレクタ領域114の上部に高濃度のn型ドレイン領域115を形成した結果、n型ドレイン領域115の下側に残存するp型コレクタ領域114aの不純物濃度は例えば1×1017cm-3程度から1×1018cm-3程度まで減少する。
次に、図17に示すように、レジストパターン(図示省略)を用いて層間絶縁膜112の所定の領域をエッチングし、n型ソース領域105及びp型高濃度エミッタ領域106に達するエミッタ電極用コンタクトホール、並びにp型コレクタ接続領域114bに達するコレクタ電極用コンタクトホールを形成する。その後、例えばスパッタリング法によってAlSiCu等のアルミニウム合金膜をp型シリコン基板100の上に全面に亘って形成した後、レジストパターン(図示省略)を用いて前記アルミニウム合金膜の所定の領域をエッチングする。これにより、エミッタ電極109及びコレクタ電極110が形成される。その後、p型シリコン基板100の上に全面に亘って、例えば窒化シリコン(SiN)からなる保護膜113を例えばプラズマCVD法によって形成した後、図示は省略しているが、保護膜113に対してレジストパターンを用いてドライエッチングを行い、それによってワイヤボンディング用のパッド部を開口する。これにより、図13に示す本実施形態のLIGBTが形成される。
以上に説明した製造方法を用いることによって、不純物濃度の高いp型コレクタ領域1aの上側にn型ドレイン領域115を形成できるので、図13に示す本実施形態の半導体装置、つまり横型パワーMISトランジスタとしても動作可能であると共に、ラッチアップが発生しにくく且つスイッチング速度の速いLIGBTとして動作する半導体装置を少ない工程数で容易に製造することができる。
尚、以上に説明した製造方法において、図14に示すイオン注入工程及び図16に示すイオン注入工程をそれぞれ実施した後、p型シリコン基板100に対して熱処理を行い、それによってp型高濃度エミッタ領域106、p型コレクタ領域114a、n型ソース領域105、n型ドレイン領域115及びp型コレクタ接続領域114bを同時に形成することが好ましい。このようにすると、p型シリコン基板100に対する熱処理の回数を削減できるので、ラッチアップが発生しにくい半導体装置をさらに少ない工程数で容易に製造することができる。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係る半導体装置について、図面を参照しながら説明する。
図18は、本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の一例であるLIGBTの構造を示す模式的な断面図である。尚、図18において、図1に示す第1の実施形態と同一の構成部材には同一の符号を付す。
図18に示すように、本実施形態のLIGBTは、不純物濃度が例えば1×1014cm-3程度から1×1015cm-3程度までのp型シリコン(Si)基板100に形成される。p型シリコン基板100の表面部の一部には、不純物濃度が例えば1×1016cm-3程度から2×1016cm-3程度までで深さが例えば4μm程度から6μm程度までのn型ドリフト領域101が形成されている。
n型ドリフト領域101の表面部には、不純物濃度が例えば5×1016cm-3程度から1×1017cm-3程度までのn型バッファ領域102が形成されている。n型バッファ領域102の表面部の所定の部分には、不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば0.2μm程度から0.4μm程度までのn型ドレイン領域115が形成されている。n型バッファ領域102の表面部におけるn型ドレイン領域115の下側には、不純物濃度が例えば1×1017cm-3程度から1×1018cm-3程度までで深さが例えば1.0μm程度から1.5μm程度までのp型コレクタ領域114aが形成されている。n型ドレイン領域115内には、n型ドレイン領域115を貫通してp型コレクタ領域114aと電気的に接続するようにp型コレクタ接続領域114bが形成されている。p型シリコン基板100の表面部には、n型ドリフト領域101に隣接して不純物濃度が例えば1×1016cm-3程度から1×1017cm-3程度までのp型低濃度エミッタ領域104が形成されている。p型低濃度エミッタ領域104の表面部の一部には、不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば0.2μmから0.4μm程度までのn型ソース領域105がn型ドリフト領域101から離隔して形成されている。p型低濃度エミッタ領域104の表面部におけるn型ソース領域105から見てn型ドリフト領域101の反対側には、n型ソース領域(高濃度ソース領域)105に隣接して、不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば1.0μmから1.5μm程度までのp型高濃度エミッタ領域106が形成されている。
n型ドリフト領域101とn型ソース領域105とに挟まれた部分のp型低濃度エミッタ領域104の上、及びn型ドリフト領域101におけるp型低濃度エミッタ領域104側の端部の上には、例えば酸化シリコン(SiO2 )からなるゲート絶縁膜107を介して例えばポリシリコン(Poly-Si)からなるゲート電極108が形成されている。n型ソース領域105及びp型高濃度エミッタ領域106のそれぞれの上には、両領域と電気的に接続し且つ例えばAlSiCu等のアルミニウム合金からなるエミッタ電極109が形成されている。p型コレクタ接続領域114bの上には、p型コレクタ接続領域114bを通じてp型コレクタ領域114aと電気的に接続し且つ例えばAlSiCu等のアルミニウム合金からなるコレクタ電極110が形成されている。p型低濃度エミッタ領域104とn型バッファ領域102とに挟まれた部分のn型ドリフト領域101の上には、例えば酸化シリコン(SiO2 )からなるフィールド絶縁膜111が形成されている。尚、ゲート電極108の一部分はフィールド絶縁膜111に乗り上げている。
ゲート電極108とエミッタ電極109及びコレクタ電極110のそれぞれとの間には、各電極間を絶縁するための層間絶縁膜112が形成されている。層間絶縁膜112は、例えば酸化シリコン(SiO2 )とボロン・リン添加シリケードグラス(BPSG)とからなる。層間絶縁膜112の上には、例えば窒化シリコン(SiN)からなる保護膜113が形成されている。
本実施形態が第3の実施形態と大きく異なっている点は、n型ドリフト領域101の表面部におけるp型コレクタ領域114aから見てn型ソース領域105側の部分に、例えば厚さが1μm程度で不純物濃度が例えば1×1016cm-3程度から3×1016cm-3程度までのp型ドリフト領域116が形成されていることである。尚、p型ドリフト領域116はp型シリコン基板100と電気的に接続されている。
図18に示す本実施形態のLIGBTによると、不純物濃度の高いp型コレクタ領域114aの上側にn型ドレイン領域115が形成されていることから、第1の実施形態においてp型コレクタ領域103(図1参照)を浅く形成することと同様の効果が得られる。すなわち、ラッチアップが発生しにくく且つスイッチング速度の速いLIGBTを実現することができる。
また、本実施形態のLIGBTによると、p型高濃度エミッタ領域106がゲート電極108下側のチャネル領域から離れて形成されているため、ゲート電極108下側に高濃度のエミッタ領域が広がることがないので、しきい値電圧の変動なくチャネル反転層が形成されるLIGBTを実現することができる。
また、本実施形態のLIGBTによると、p型コレクタ領域114aの上側にn型ドレイン領域115を備えているため、コレクタ電圧を印加した場合には横型MISトランジスタとしても動作させることができる。このため、本実施形態のLIGBTに立ち上がり電圧が印加される前に横型MISトランジスタが立ち上がることから、LIGBTがターンオンするまでの時間を短縮することができるので、より一層スイッチング速度の速い半導体装置を実現することができる。
また、本実施形態のLIGBTにおいては、p型コレクタ領域114aにおけるp型不純物の濃度プロファイルを、p型高濃度エミッタ領域106におけるp型不純物の濃度プロファイルと同じに設定しても、p型コレクタ領域114aの上側にn型ドレイン領域115が形成されるので、p型コレクタ領域114a及びp型高濃度エミッタ領域106を同時に形成した場合にも、p型高濃度エミッタ領域106を相対的に深く形成し且つp型コレクタ領域114aを相対的に浅く形成した場合と同様の効果が得られる。すなわち、ラッチアップが発生しにくく且つスイッチング速度の速いLIGBTを容易に実現することができる。
また、本実施形態のLIGBTにおいて、n型ソース領域105と同様の不純物濃度プロファイルを用いてn型ドレイン領域115を形成した場合、より簡単な構造によって、ラッチアップが発生しにくく且つスイッチング速度の速いLIGBTを実現することができる。
さらに、本実施形態のLIGBTによると、n型ドリフト領域101内にp型ドリフト領域116が形成されているため、以上の効果に加えて、次のような効果を得ることができる。すなわち、LIGBTのオフ時に、p型シリコン基板100とn型ドリフト領域101との接合部のみならず、n型ドリフト領域101とp型ドリフト領域116との接合部にも空乏層を形成することができるので、これらの空乏層によってn型ドリフト領域101内を効率よく空乏化して、より高い耐圧を確保することができる。このため、耐圧を下げることなく、n型ドリフト領域101の不純物濃度を高くすることができるので、第3の実施形態のLIGBTと比べて、オン抵抗が低い半導体装置を実現することができる。すなわち、本実施形態のLIGBTでは、スイッチングロスを低減することができると同時にオン抵抗を低減することができる。
尚、本実施形態のLIGBTにおいて、n型ドレイン領域115は、p型シリコン基板100の表面から0.6μm以下の深さまで形成されており、p型コレクタ領域114aは、n型ドレイン領域115の下側においてp型シリコン基板100の表面から0.8μm以上の深さまで形成されていることが好ましい。このようにすると、n型ドレイン領域115及びp型コレクタ領域114aのそれぞれの深さが最適化されるので、スイッチング速度の向上とラッチアップの抑制とに適した構造を実現することができる。
次に、図2〜図3及び図19〜図23を用いて図18に示す本実施形態のLIGBTの製造方法について説明する。尚、図2〜図3に示す工程については第1の実施形態に係るLIGBTの製造方法と同一であるため、以下、図19〜図23に示す工程を中心として説明する。図19は、本実施形態のLIGBTのp型高濃度エミッタ領域106及びp型コレクタ領域114を形成する工程を示す断面図であり、図20は、同LIGBTのp型ドリフト領域116を形成する工程を示す断面図であり、図21は、同LIGBTのゲート絶縁膜107及びゲート電極108を形成する工程を示す断面図であり、図22は、同LIGBTのn型ドレイン領域115、p型コレクタ領域114a、p型コレクタ接続領域114b、n型ソース領域105及び層間絶縁膜112を形成する工程を示す断面図であり、図23は、エミッタ電極109、コレクタ電極110及び保護膜113を形成する工程を示す断面図である。
まず、第1の実施形態と同様に、図2〜図3に示す各工程を実施する。これにより、p型シリコン基板100に、n型ドリフト領域101、p型低濃度エミッタ領域104、n型バッファ領域102及びフィールド絶縁膜111が形成される。
次に、図19に示すように、p型低濃度エミッタ領域104におけるn型ドリフト領域101から離れた領域、及びn型バッファ領域102の表面部における所定の領域にそれぞれレジストパターン(図示省略)を用いて例えばボロンをイオン注入する。その後、p型シリコン基板100に対して熱処理を行って注入不純物を拡散させ、それにより不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば1.0μmから1.5μm程度までのp型高濃度エミッタ領域106を形成すると同時に不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば1.0μmから1.5μm程度までのp型コレクタ領域114を形成する。
次に、図20に示すように、n型ドリフト領域101の表面部における所定の位置にレジストパターン(図示省略)を用いて、例えば4×1012cm-2程度のドーズ量、600keV程度の加速電圧で例えばボロンをイオン注入する。このとき、フィールド絶縁膜111を通してイオン注入を行うことが好ましい。このようにすると、イオン注入後にフィールド絶縁膜111を形成した場合に生じる、LOCOS酸化膜へのボロンの吸い出しが抑えられ、安定した不純物濃度を得ることができる。その後、p型シリコン基板100に対して熱処理を行って注入不純物を拡散させ、それにより不純物濃度が例えば1×1016cm-3程度から3×1016cm-3程度までのp型ドリフト領域116を形成する。
次に、図21に示すように、p型シリコン基板100の上に全面に亘って例えば酸化シリコン(SiO2 )膜及び例えばポリシリコン(Poly-Si)膜を形成した後、レジストパターン(図示省略)を用いて当該酸化シリコン膜及びポリシリコン膜をエッチングしてパターニングする。これにより、p型低濃度エミッタ領域104におけるn型ドリフト領域101と隣接する部分の上に、前記酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜107を介して前記ポリシリコン膜からなるゲート電極108を形成する。尚、ゲート電極108は、n型ドリフト領域101におけるp型低濃度エミッタ領域104側の端部の上、及びフィールド絶縁膜111の一部分の上にも形成される。
次に、図22に示すように、p型低濃度エミッタ領域104の表面部におけるp型高濃度エミッタ領域106に隣接する領域、及びp型コレクタ領域114の上部における所定の領域にそれぞれレジストパターン(図示省略)を用いて例えばヒ素をイオン注入する。その後、p型シリコン基板100の上に全面に亘って、例えば酸化シリコン(SiO2 )とボロン・リン添加シリケードグラス(BPSG)との積層構造からなる層間絶縁膜112を形成した後、熱処理により前記BPSGのリフローを行い、層間絶縁膜112表面の平坦化を行う。この熱処理により、不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば0.2μmから0.4μm程度までのn型ソース領域105が形成されると同時に不純物濃度が例えば1×1019cm-3程度から1×1020cm-3程度までで深さが例えば0.2μmから0.4μm程度までのn型ドレイン領域115が形成される。このとき、p型コレクタ領域114の上部のうちヒ素の注入を行わなかった領域にはp型コレクタ接続領域114bが形成される。また、p型コレクタ領域114の上部に高濃度のn型ドレイン領域115を形成した結果、n型ドレイン領域115の下側に残存するp型コレクタ領域114aの不純物濃度は例えば1×1017cm-3程度から1×1018cm-3程度まで減少する。
次に、図23に示すように、レジストパターン(図示省略)を用いて層間絶縁膜112の所定の領域をエッチングし、n型ソース領域105及びp型高濃度エミッタ領域106に達するエミッタ電極用コンタクトホール、並びにp型コレクタ接続領域114bに達するコレクタ電極用コンタクトホールを形成する。その後、例えばスパッタリング法によってAlSiCu等のアルミニウム合金膜をp型シリコン基板100の上に全面に亘って形成した後、レジストパターン(図示省略)を用いて前記アルミニウム合金膜の所定の領域をエッチングする。これにより、エミッタ電極109及びコレクタ電極110が形成される。その後、p型シリコン基板100の上に全面に亘って、例えば窒化シリコン(SiN)からなる保護膜113を例えばプラズマCVD法によって形成した後、図示は省略しているが、保護膜113に対してレジストパターンを用いてドライエッチングを行い、それによってワイヤボンディング用のパッド部を開口する。これにより、図18に示す本実施形態のLIGBTが形成される。
以上に説明した製造方法を用いることによって、不純物濃度の高いp型コレクタ領域1aの上側にn型ドレイン領域115を形成できると共にn型ドリフト領域101内にp型ドリフト領域116を形成できる。従って、横型パワーMISトランジスタとしても動作可能であると共に、ラッチアップが発生しにくく、スイッチング速度が速く且つオン抵抗が低いLIGBTとして動作する本実施形態の半導体装置を少ない工程数で容易に製造することができる。
尚、以上に説明した製造方法において、図19に示すイオン注入工程、図20に示すイオン注入工程及び図22に示すイオン注入工程をそれぞれ実施した後、p型シリコン基板100に対して熱処理を行い、それによってp型高濃度エミッタ領域106、p型コレクタ領域114a、n型ソース領域105、n型ドレイン領域115及びp型コレクタ接続領域114bを同時に形成することが好ましい。このようにすると、p型シリコン基板100に対する熱処理の回数を削減できるので、ラッチアップが発生しにくい半導体装置をさらに少ない工程数で容易に製造することができる。
(第4の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第4の実施形態の第1変形例に係る半導体装置について、図面を参照しながら説明する。
図24は、本発明の第4の実施形態の第1変形例に係る半導体装置の一例であるLIGBTの構造を示す模式的な断面図である。尚、図24において、図1に示す第1の実施形態と同一の構成部材には同一の符号を付す。
本変形例が第4の実施形態と異なっている点は、第4の実施形態では、図18に示すように、n型ドリフト領域101の表面部にp型ドリフト領域116を形成したのに対して、本変形例では、図24に示すように、n型ドリフト領域101の内部にp型ドリフト領域117を埋め込み形成することである。具体的には、本変形例では、n型ドリフト領域101の深さを例えば6μm程度から8μm程度までとし、n型ドリフト領域101の表面から例えば1.2μm程度の深さに、厚さが例えば1μm程度で不純物濃度が例えば1×1016cm-3程度から3×1016cm-3程度までのp型ドリフト領域117が埋め込み形成されている。
本変形例によると、第4の実施形態の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、LIGBTのオフ時に、p型シリコン基板100とn型ドリフト領域101との接合部に空乏層を形成できると共に、p型ドリフト領域117の埋め込み形成により第4の実施形態と比べて広がった、n型ドリフト領域101とp型ドリフト領域117との接合部にも空乏層を形成することができるので、これらの空乏層によってn型ドリフト領域101内をさらに効率よく空乏化して、より一層高い耐圧を確保することができる。このため、耐圧を下げることなく、n型ドリフト領域101の不純物濃度をより一層高くすることができるので、第4の実施形態のLIGBTと比べて、オン抵抗がより低い半導体装置を実現することができる。すなわち、本実施形態のLIGBTでは、スイッチングロスを低減することができると同時にオン抵抗をより一層低減することができる。
尚、図8に示す第2の実施形態の半導体装置において、n型ドリフト領域101の表面部にp型ドリフト領域116を形成することに代えて、n型ドリフト領域101の内部にp型ドリフト領域117を埋め込み形成した場合にも、本変形例と同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
(第4の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第4の実施形態の第2変形例に係る半導体装置について、図面を参照しながら説明する。
図25は、本発明の第4の実施形態の第2変形例に係る半導体装置の一例であるLIGBTの構造を示す模式的な断面図である。尚、図25において、図1に示す第1の実施形態と同一の構成部材には同一の符号を付す。
本変形例が第4の実施形態と異なっている点は、第4の実施形態では、図18に示すように、n型ドリフト領域101の表面部に単一のp型ドリフト領域116を形成したのに対して、本変形例では、図25に示すように、n型ドリフト領域101におけるその表面からの深さが異なる位置に形成された複数の部分(本実施形態では第1の部分118a及び第2の部分118b)からp型ドリフト領域118が構成されていることである。このような構造は、例えば第4の実施形態と比べてn型ドリフト領域101を深く形成し、当該n型ドリフト領域101に対してp型不純物のイオン注入を加速エネルギーを変えて複数回行った後に熱処理を行うことにより得ることができる。
本変形例によると、第4の実施形態の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、LIGBTのオフ時に、p型シリコン基板100とn型ドリフト領域101との接合部に形成される空乏層のみならず、p型ドリフト領域118を構成する複数の部分118a及び118bから広がる空乏層により、n型ドリフト領域101内をさらに効率よく空乏化することができるので、n型ドリフト領域101内に単一構造のp型ドリフト領域を形成した場合と比べて、さらにオン抵抗が低い半導体装置を実現することができる。
尚、本変形例において、p型ドリフト領域118を3つ以上の部分から構成しても良いことは言うまでもない。
また、図8に示す第2の実施形態の半導体装置において、n型ドリフト領域101の表面部にp型ドリフト領域116を形成することに代えて、n型ドリフト領域101の内部に、n型ドリフト領域101におけるその表面からの深さが異なる位置に形成された複数の部分からなるp型ドリフト領域118を形成した場合にも、本変形例と同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
本発明は、スイッチング素子等に有用であり、特に、制御回路及び保護素子回路と同一の基板上に形成される電力用LIGBT等に有用である。
図1は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構造を示す模式的な断面図である。 図2は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図3は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図4は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図5は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図6は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図7は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図8は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構造を示す模式的な断面図である。 図9は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図10は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図11は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図12は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図13は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の構造を示す模式的な断面図である。 図14は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図15は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図16は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図17は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図18は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の構造を示す模式的な断面図である。 図19は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図20は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図21は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図22は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図23は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。 図24は本発明の第4の実施形態の第1変形例に係る半導体装置の構造を示す模式的な断面図である。 図25は本発明の第4の実施形態の第2変形例に係る半導体装置の構造を示す模式的な断面図である。 図26は従来の半導体装置の構造を示す模式的な断面図である。
符号の説明
11 n- 型シリコン半導体層
12 シリコン酸化膜
13 n- 型シリコン半導体層
14 ゲート絶縁膜
15 ゲート電極
16 エミッタ電極
17 コレクタ電極
18 フィールド酸化膜
19 p型ベース拡散層
20 p+ 型拡散層
21 n+ 型拡散層
22 p型拡散層
23 n型バッファ拡散層
24 p+ 型拡散層
25 層間絶縁膜
100 p型シリコン基板
101 n型ドリフト領域
102 n型バッファ領域
103 p型コレクタ領域
104 p型低濃度エミッタ領域
105 n型ソース領域
106 p型高濃度エミッタ領域
107 ゲート絶縁膜
108 ゲート電極
109 エミッタ電極
110 コレクタ電極
111 フィールド絶縁膜
112 層間絶縁膜
113 保護膜
114、114a p型コレクタ領域
114b p型コレクタ接続領域
115 n型ドレイン領域
116 p型ドリフト領域
117 p型ドリフト領域
118a、118b p型ドリフト領域を構成する部分

Claims (17)

  1. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板の表面部に形成された第2導電型の第1ドリフト領域と、
    前記第1ドリフト領域の表面部に形成された第1導電型のコレクタ領域と、
    前記コレクタ領域と電気的に接続するように前記コレクタ領域の上に形成されたコレクタ電極と、
    前記第1ドリフト領域から間隔をあけて前記半導体基板の表面部に形成された第2導電型のソース領域と、
    前記ソース領域と隣接するように前記半導体基板の表面部に前記コレクタ領域よりも深い位置まで形成された第1導電型のエミッタ領域と、
    前記ソース領域及び前記エミッタ領域と電気的に接続するように前記ソース領域及び前記エミッタ領域の上に形成されたエミッタ電極と、
    前記半導体基板における前記第1ドリフト領域と前記ソース領域との間に位置する部分の上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを備えていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記第1ドリフト領域における前記コレクタ領域から見て前記ソース領域側の部分に形成された第1導電型の第2ドリフト領域をさらに備えていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体装置において、
    前記コレクタ領域は、前記半導体基板の表面から0.8μm以下の深さまで形成されており、
    前記エミッタ領域は、前記半導体基板の表面から1μm以上の深さまで形成されていることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1又は2に記載の半導体装置において、
    前記コレクタ領域における第1導電型の不純物の濃度は1×1017cm−3以上で且つ1×1018cm−3以下であり、
    前記エミッタ領域における第1導電型の不純物の濃度は1×1019cm−3以上で且つ1×1020cm−3以下であることを特徴とする半導体装置。
  5. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板の表面部に形成された第2導電型の第1ドリフト領域と、
    前記半導体基板の表面から間隔をあけて前記第1ドリフト領域の内部に形成された第1導電型のコレクタ領域と、
    前記第1ドリフト領域の表面部における前記コレクタ領域の上側に位置する部分に形成された第2導電型のドレイン領域と、
    前記ドレイン領域を貫通して前記コレクタ領域と電気的に接続するように形成された第1導電型のコレクタ接続領域と、
    前記コレクタ接続領域の上に形成され且つ前記コレクタ接続領域を通じて前記コレクタ領域と電気的に接続するコレクタ電極と、
    前記第1ドリフト領域から間隔をあけて前記半導体基板の表面部に形成された第2導電型のソース領域と、
    前記ソース領域と隣接するように前記半導体基板の表面部に形成された第1導電型のエミッタ領域と、
    前記ソース領域及び前記エミッタ領域と電気的に接続するように前記ソース領域及び前記エミッタ領域の上に形成されたエミッタ電極と、
    前記半導体基板における前記第1ドリフト領域と前記ソース領域との間に位置する部分の上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを備えていることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項5に記載の半導体装置において、
    前記第1ドリフト領域における前記コレクタ領域から見て前記ソース領域側の部分に形成された第1導電型の第2ドリフト領域をさらに備えていることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項5又は6に記載の半導体装置において、
    前記コレクタ領域における第1導電型の不純物の濃度プロファイルは、前記エミッタ領域における第1導電型の不純物の濃度プロファイルと実質的に同じであることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項5又は6に記載の半導体装置において、
    前記ドレイン領域は、前記半導体基板の表面から0.6μm以下の深さまで形成されており、
    前記コレクタ領域は、前記ドレイン領域の下側において前記半導体基板の表面から0.8μm以上の深さまで形成されていることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項2又は6に記載の半導体装置において、
    前記第2ドリフト領域は、前記半導体基板の表面から間隔をあけて前記第1ドリフト領域の内部に埋め込み形成されていることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項2又は6に記載の半導体装置において、
    前記第2ドリフト領域は、前記第1ドリフト領域における前記半導体基板の表面からの深さが異なる位置に形成された複数の部分から構成されていることを特徴とする半導体装置。
  11. 第1導電型の半導体基板の表面部における所定の領域に第2導電型の不純物をイオン注した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによって第1ドリフト領域を形成する工程(a)と、
    前記半導体基板の表面部における前記第1ドリフト領域から離れた領域に第1導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによってエミッタ領域を形成する工程(b)と、
    前記半導体基板における前記第1ドリフト領域と前記エミッタ領域との間に位置する部分の上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程(c)と、
    前記半導体基板の表面部における前記エミッタ領域に隣接する領域に第2導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによってソース領域を形成する工程(d)と、
    前記第1ドリフト領域の表面部における所定の領域に第1導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板の熱処理を行い、それによってコレクタ領域を形成する工程(e)とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1ドリフト領域における前記コレクタ領域から見て前記ソース領域側の部分に第1導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによって第2ドリフト領域を形成する工程(f)をさらに備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 第1導電型の半導体基板の表面部における所定の領域に第2導電型の不純物をイオン注した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによって第1ドリフト領域を形成する工程(a)と、
    前記半導体基板の表面部における前記第1ドリフト領域から離れた領域及び前記第1ドリフト領域の表面部における所定の領域にそれぞれ第1導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによってエミッタ領域及びコレクタ領域を同時に形成する工程(b)と、
    前記半導体基板における前記第1ドリフト領域と前記エミッタ領域との間に位置する部分の上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程(c)と、
    前記半導体基板の表面部における前記エミッタ領域に隣接する領域及び前記コレクタ領域の上部における所定の領域にそれぞれ第2導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによってソース領域、ドレイン領域及びコレクタ接続領域を同時に形成する工程(d)とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 請求項13に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第1ドリフト領域における前記コレクタ領域から見て前記ソース領域側の部分に第1導電型の不純物をイオン注入した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによって第2ドリフト領域を形成する工程(f)をさらに備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 請求項12又は14に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記工程(f)では、前記第1ドリフト領域の内部における前記半導体基板の表面から所定の深さに前記第2ドリフト領域を埋め込み形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  16. 請求項12又は14に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記工程(f)では、前記第1ドリフト領域に対する第1導電型の不純物のイオン注入を加速エネルギーを変えて複数回行った後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによって前記第1ドリフト領域における前記半導体基板の表面からの深さが異なる位置に、前記第2ドリフト領域となる複数の部分を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  17. 請求項13に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記工程(b)におけるイオン注入及び前記工程(d)におけるイオン注入をそれぞれ実施した後、前記半導体基板に対して熱処理を行い、それによって前記エミッタ領域、前記コレクタ領域、前記ソース領域、前記ドレイン領域及び前記コレクタ接続領域を同時に形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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