JP4953773B2 - 板材送り装置の板材リリース機構 - Google Patents

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Description

本発明は、板材送り装置の板材リリース機構に係り、特に、ロールフィーダの板材リリース機構や、矯正した板材をプレス機などに送給する、レベラフィーダの板材リリース機構に関する技術である。
自動車部品や建築部品等をプレス加工するプレス加工ライン等においては、コイル状に巻かれた板材、例えば、帯板状の鋼板をアンコイラで巻き戻し、巻き戻された板材を上下ワークロールで巻き癖などを矯正し、矯正された板材をプレス機に供給するレベラフィーダには、上下フィードロール間隔を制御することによって板材を挟持及びリリースする板材リリース機構が採用され、また、一般に板材を送給するロールフィーダにも上下フィードロール間隔を制御することによって板材を挟持及びリリースする板材リリース機構が採用されている。
レベラフィーダにおいては、上下ワークロール間及び上下フィードロール間に板材が挟持され、間歇的にプレス機器に送り込まれるが、プレス機器が加工する際は、加工直前にパイロットピンが刺さり金型と材料の位置関係を微調整するため、上下ワークロール及び上下フィードロールを互いに離し、ワークロール及びフィードロールによって挟持された板材をリリースする必要がある。上下フィードロールの挟持及びリリース動作には、エアシリンダが用いられている。(特許文献1参照)。
一方、従動ロール駆動用エアシリンダのピストンロッドに連結されたレリースアームに対する圧電アクチュエータの位置を板材の板厚に応じて調整し、駆動ロールと従動ロールとの間に挿入された板材のレリース時に、圧電アクチュエータを変形させてレリースアームを僅かに上昇させるようにしたものが提案されている(特許文献2参照)。このクランプ・レリース装置においては、レリースアームに対する圧電アクチュエータの位置を板材の板厚に応じて調整し、板材のレリース時に、圧電アクチュエータを変形させてレリースアームを僅かに上昇させる構成を採用している。
特開2004−82205号公報 特開平10−52723号公報
特許文献1に記載されているものは、薄板から厚板まで、様々な板厚に対応して板材の挟持及びリリースが出来る様にエアシリンダの内部ストロークが長く設定され、シリンダ容量が大きく形成されている。
取り扱う板材の板厚が一定であれば、ピストンは、エアシリンダ内の一定の位置で板材を挟持するため、板材のリリース動作に必要となるエアシリンダの内部ストローク量は、「板材のリリースに必要となるピストンの往復距離」(以降はリリース量という)が有れば足りる。
しかし、特許文献1の記載発明において、薄板から厚板まで、様々な板厚の板材を挟持及びリリースしようとする場合、ピストンによる板材の挟持位置は、挟持する板材の板厚の違いに応じてエアシリンダ内を移動する。即ち、従来は、「挟持可能な最大板厚の板材と、最小板厚の板材との板厚の差の距離だけ、ピストンによる板材の挟持位置が、エアシリンダ内を移動することにより、薄板から厚板まで挟持することが可能になっており、薄板から厚板まで幅広い板厚の板材を挟持及びリリースするために必要となるエアシリンダの内部ストローク量は、前記リリース量に加え、「ピストンによる板材の挟持位置の移動量(挟持可能な最大板厚の板材と、最小板厚の板材との板厚の差)」が必要となっていた。
従って、薄板から厚板まで幅広い板厚の板材を挟持及びリリースするためには、「ピストンによる板材の挟持位置の移動量」分だけエアシリンダの内部ストローク量を大きく設定する必要があり、シリンダ容積が大きくなっていたため、前記シリンダ容積の増大により、ピストンによる挟持及びリリース動作に必要なエア消費量が増大するとともに、エア圧の充填に時間がかかっていたため、作動応答性が低下する問題が発生し、併せて、ピストンが必要以上に加速されることにより、騒音、打痕が発生する問題が発生していた。
一方、特許文献2に記載されたものでは、板材のリリースに別途圧電アクチュエータを利用するために、圧電アクチュエータを支持するための調整台等の設置が必要となり、構造複雑な上に、高価となる。また、圧電アクチュエータは、板材リリース時の作動応答性が向上する反面、伸縮量が極小であるため、レリースアームに対する高度な位置決め精度が求められると言う点で取り扱いが難しく、大きな板材リリース量を確保できない点でリリースの信頼性も低いと考えられる。
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、板材の板厚に応じてエアシリンダ自体の位置を上下させることによって、エアシリンダ容積を最小限化し、エア消費量の減少及びエア圧の充填時間の短縮化によるエアシリンダの作動応答性の向上を図ることによって、ロールフィーダの板材リリース機構や、矯正した板材をプレス機などに送給する、レベラフィーダの板材リリース機構の高速化等を図ることにある。
前記課題を解決するために、請求項1に係る板材送り装置の板材リリース機構においては、鉛直方向において相対向して配置された一対のフィードロールと、前記一対のフィードロールのうち一方のフィードロールをピストンを介して上下動自在に支持し、前記一対のフィードロール間の板材をクランプ及びリリースするエアシリンダと、前記エアシリンダを前記他方のフィードロールに対して接近させる方向及び遠ざける方向に移動させるエアシリンダ駆動手段と、を備えた。
(作用)板材を挟持する一対のフィードロールの隙間は、一方のフィードロールを支持するエアシリンダ自体が、他方のフィードロールに対して接近し、又は遠ざかることにより、板材の板厚に基づいて調整される。従って、板材を挟持する際のエアシリンダ内部におけるピストンの位置は、板材の板厚が異なっても移動することがない。従って、板材のリリースに必要なエアシリンダの内部ストローク量には、「ピストンによる板材挟持位置の移動量」に相当するストロークが不要となるため、板厚の異なる板材に対してリリース動作を行うときでも、板材の板厚の影響を受けることなく、エアシリンダの内部ストローク長さを最小限にすることができ、エアシリンダ容量を最小化することが出来るため、エア消費量が減少し、エア充填時間が短縮化される。
請求項2は、請求項1に記載された板材送り装置の板材リリース機構において、前記エアシリンダ駆動手段は、前記エアシリンダと交差する方向に配置されてハウジングに回転自在に固定されると共に前記エアシリンダが連結された偏芯軸と、前記偏芯軸を偏芯回転させることにより前記エアシリンダを移動させるモータと、を備えている。
(作用)エアシリンダが連結された偏芯軸をモータによって偏芯回転させると、例えば、偏芯軸の偏芯点がモータ回転軸の軸心の真上となる上死点にある状態から下死点方向へ偏芯軸を偏芯回転すると、偏芯軸の偏芯回転に応じて、エアシリンダと一方のフィードロールがとともに板材に近づく方向に移動し、反対に下死点方向から上死点方向へ偏心回転すると、一方のフィードロールが、他方に対して離れる方向に移動する。即ち、モーターと偏心軸の組み合わせにより、エアシリンダが移動する。
請求項3は、請求項1または2に記載された板材送り装置の板材リリース機構において、前記エアシリンダ駆動手段は、前記板材と前記一方のフィードロールとの当接を検知したときに検知信号を出力するセンサと、前記センサの検知信号に応答して前記エアシリンダの移動を停止させる制御回路と、を備え、前記板材の搬入時に、前記センサから前記検知信号が出力されるまで、前記エアシリンダを前記他方のフィードロールに対して接近させることを特徴とする、請求項1または2に記載の板材送り装置の板材リリース機構。
(作用)ピストンを介して一方のフィードロールを支持するエアシリンダを他方のフィードロールの上方に配置し、前記ピストンを下降させた状態でエアシリンダを下降させ、他方のフィードロールに向かって移動することにより、エアシリンダに支持された一方のフィードロールが板材に当たり、センサから制御回路に検知信号が入力されることにより、エアシリンダの移動が停止する。すなわち、エアシリンダに支持された一方のフィードロールが板材に当たり、センサから検知信号が出力されると、他方のフィードロールに対するエアシリンダの接近移動が停止する。従って、板厚の違いによらず、最適な板材挟持位置に合わせてシリンダを配置して、板材を一対のフィードロールで自動的にクランプすることができる。
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る板材送り装置の板材リリース機構によれば、取り扱いが容易かつ安価であるエアシリンダを採用することにより、簡潔な構造で板材リリース機構を実現しつつ、エアシリンダ容量を最小限の大きさにすることができる。従って、板厚の異なる板材に対してリリース動作を行うときでも、板材の板厚の影響を受けることなく、エア消費量及びエアの充填時間を必要最低限に抑えることができ、作動応答性が向上することによって板材に対するリリース動作を高速に行うことができる。また、打音及び打痕の発生も減少させることができる。
請求項2に係る板材送り装置の板材リリース機構によれば、モーターと偏心軸との組み合わせにより、他方のフィードロールに対して単純な構成でエアシリンダを移動させることが出来る。
請求項3に係る板材送り装置の板材リリース機構によれば、他方のフィードロールに向かって移動するエアシリンダは、板材の板厚に応じて自動的に位置決めされ、板材が一対のフィードロール間に自動的に挟持される。従って、エアシリンダの位置決め設定は、従来より容易になり、作業者が、板厚毎にエアシリンダを逐一位置決め設定をする必要が無くなるため、前記位置決め時の人為的ミスが排除される。また、エアシリンダの位置決め設定が、容易かつ迅速に行われることにより作業の段取りに必要となる時間が短縮される。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るレベラフィーダの正面図、図2は、図1のA−A断面図、図3は、本発明に係るレベラフィーダの平面図、図4は、図2の偏心軸機構の詳細を示す拡大断面図、図5(a)は、揺動支持部の軌道を表す図、図5(b)は、揺動支持部からリリース軸中心までの水平方向距離Lを表す図、図6(a)は、厚板矯正時の板材の圧下量と各偏心軸の位置を示す図、図6(b)は、薄板矯正時用に板材の圧下量と揺動開始位置を調整した際の各偏心軸の位置を示す図、図7は、揺動フレームが揺動し、板材をリリースした動作状況を示す正面図、図8は、板材送り装置の板材リリース機構の側面図、図9(a)は、上下フィードロールが開いている状態を示す要部拡大側面図、図9(b)は、板材が上下フィードロールでクランプされた状態を示す要部拡大側面図、図9(c)は、板材をリリースするときの状態を示す要部拡大側面図、図10(a)は、上下フィードロールが開いている状態を示す要部拡大模式図、図10(b)は、板厚の薄い板材が上下フィードロールでクランプされた状態を示す要部拡大模式図、図10(c)は、板厚の厚い板材が上下フィードロールでクランプされた状態を示す要部拡大模式図、図11は、本発明に係る板材送り装置の板材リリース機構の第2実施例を示す正面図である。
図1から図4において、レベラフィーダ100は、本体フレーム200内に設けられた板材矯正機構(ワークロール機構)201と、板材送り機構(フィードロール機構)210から構成される。レベラフィーダ100は、アンコイラから巻き解かれた(図示しない)板材を、上フレーム109と下フレーム110に千鳥状に対設されて回動自在な上ワークロール103と下ワークロール102間に挿通し、板材の巻き癖を矯正した後、(図示しない)プレス機器等の工作機械に搬送するようになっている。ワークロール機構201とフィードロール機構210は、プレス機器が加工する直前にパイロットピンが刺さり金型と材料の位置関係を微調整するため、挟持した板材を迅速にリリースする必要があり、以下に説明する板材のリリース機構を共に備えている。
ワークロール機構201は、本体フレーム200の下方に設けられた一対の下ワークロールフレーム110にそれぞれ3本の下ワークロール102がベアリング102aを介して取付けられている。また、一対の上ワークロールフレーム109の下端には、それぞれ4本の上ワークロール103が、ベアリング103aを介して回動自在に取付けられ、3本の下ワークロール102と千鳥状に対向するよう配置されている。
一対の揺動フレーム109には、円孔109aに組み込んだベアリング109bを介して第一の偏心軸機構111を構成する偏心軸111cが回動自在に設けられている。偏心軸111cの両端は、一体化された取付部111aとベアリング111bを介して本体フレーム200に対して回動自在に支持されている。取付部111aの一端には、駆動源となる出口用ギャードモータ114が設けられている。偏心軸の回動中心を構成するモータ114の回動軸114aは、偏心軸111cの軸心111dから距離δ1だけ偏心した位置に配置され、偏心軸111cを回動軸114a周りに偏心回動させるように取付けられている(図3を参照)。
第二の偏心軸機構108を構成する偏心軸108cの両端は、これに一体化された取付部108aとベアリング108bを介して2つの揺動フレーム109に回動自在に取付けられている。偏心軸108cには、細筒状でリンクへの取付部となる取付部108eが設けられ、2つのリンク107の一端が、円孔107aに組み込んだベアリング107bを介して回動自在に取付けられている。取付部108aの一端には、駆動源となる入口用ギャードモータ112が設けられている。偏心軸の回動中心を構成するギャードモータ112の回動軸112aは、偏心軸108cの軸心108dから距離δ2だけ偏心した位置に配置され、偏心軸111cを回動軸112a周りに偏心回動させるように取付けられている。(図4を参照)。
第三の偏心軸(リリース偏心軸)機構106を構成する(リリース)偏心軸106cの両端は、これに一体化された取付部106aとベアリング106bを介して本体フレーム200に回動自在に取り付けられ、偏心軸106cには、細筒状でリンクへの取付部となる取付部106eが設けられ、2つのリンク107の一端が、円孔107cに組み込んだベアリング107dを介して回動自在に取付けられている。取付部106aの一端には駆動源となるサーボモータ113が設けられている。偏心軸の回動中心を構成するサーボモータ113の回動軸113aは、偏心軸106cの軸心106dから距離δ3だけ偏心した位置に配置され、偏心軸106cを回動軸113a周りに偏心回動させるように取付けられている。
次に各偏心軸の動作について説明すると、第一の偏心軸機構では、ギャードモータ114が正逆いずれかの方向に回動すると、偏心軸111cは、回動軸114aを中心として揺動フレームの円孔109a内を偏心揺動する。回動軸114a周りを揺動する偏心軸の軸心(重心)111dは、円孔109a内を揺動しながら偏心軸111cの外周面111fを介して揺動フレームを支持しつつ、軸心111dの上下方向移動距離に相当する高さで本体フレーム200に相対して揺動フレーム109を略上下に揺動させる。
第二の偏心軸機構では、ギャードモータ112が正逆いずれかの方向に回動すると、偏心軸108cは、回動軸112aを中心としてリンクの円孔107a内を偏心揺動する。回動軸112a周りを揺動する偏心軸の軸心(重心)108dは、円孔107a内を揺動しながら偏心軸108cの外周面108fを介して揺動フレーム109を支持しつつ、軸心108dの上下方向移動距離に相当する高さでリンク107に相対して揺動フレーム109を略上下に揺動させる。
第三の偏心軸機構では、サーボモータ113が正逆いずれかの方向に回動すると、偏心軸106cは、回動軸113aを中心としてリンクの円孔107c内を偏心揺動する。回動軸113a周りを揺動する偏心軸の軸心(重心)106dは、円孔107c内を揺動しながら偏心軸106cの外周面106fを介してリンク107を支持しつつ、軸心106dの上下方向移動距離に相当する高さで固定フレーム200に相対してリンク107を略上下に揺動させる。このとき偏心軸108cを介してリンク107上に支持されている揺動フレーム109も、前記リンク107と同じ高さで、第一の偏心軸機構の偏芯軸の軸心111d周りに略上下揺動する。
次に、圧下量調整機構について説明する。第一の偏心軸機構111と第二の偏心軸機構108は、協働して圧下量調整機構として機能する。即ち、第一の偏心軸機構111は、本体フレーム200に対して、揺動フレーム109の板材出口側を略上下動させることにより、第二の偏心軸機構108は、連結されたリンク107を介して本体フレーム200に対し、揺動フレーム109の板材入口側を略上下動させることにより、上ワークロール103を板材出口側及び板材入口側の双方から上下させ、板材への圧下量(ワークロール間の隙間)を調整する。
揺動範囲変更機構は、圧下量矯正機構を構成する第一及び第二の偏心軸機構と協働した第三の偏心軸機構により構成される。まず、サーボモータ113により偏心軸106cの軸心106dを回動中心軸113a周りにおける軸心106dの円軌道上において、揺動開始点とすべき任意の点に配置する。その状態で圧下量調整機構によって板材への圧下量を調整することにより、軸心106dである揺動支持部106dの前記配置点が揺動開始位置となり、円軌道上の揺動範囲が設定される。揺動支持部106dの揺動範囲は、前記方法で揺動開始位置を再設定することにより自在に変更することが出来る。
偏心軸の重心となる揺動支持部106dは、サーボモータ113の回動中心軸113a周りを設定した揺動開始位置から揺動する。揺動支持部106dは、揺動開始位置が異なれば、円周軌道上の揺動距離が等しくても異なる高さで揺動フレーム109を回動軸114a周りに略上下動させる。従って、揺動フレーム上の上ワークロール103も板材入口側から共に上下動し、板材が、板厚に応じた適切なストロークでリリースされる(図7参照)。
次に、図5(a)より、揺動支持部106dの揺動開始点の変化に基づく、板材リリース時のワークロール板材入口側の開口高さの変化と、再挟持において板材へ負荷される矯正力の変化を説明する。図5(a)は、揺動支持部106dの軌道を示す円である。円の左半分を揺動支持部106dの揺動可能域とし、リリース軸の軸心(回動軸113a)をO、揺動支持部106dの回動(揺動)半径をR、最下点からの回動角をθとし、円周軌道上の最下点(下死点)をA点(0°)、リリース軸の軸心(回動軸113a)と高さが同一の点をB点(90°)、最上点(上死点)をC点(180°)とした場合、揺動フレームは、揺動支持部106dがリリース軸心Oの周りを揺動する際の上下方向移動距離に基づいて、支持する揺動フレームに設けられたワークロールの板材入口側を略上下動させる。前記ワークロールの開口高さは、揺動支持部106dの円周軌道上の揺動距離が均一である場合、揺動支持部106dが前記円周軌道上のどの位置で揺動するかによって異なる。
即ち、揺動支持部106dの上下方向移動距離をHとし、揺動支持部106dの揺動開始位置の下死点からの内角をθ1、揺動終了位置の下死点からの内角をθ2とした場合、Hは、揺動支持部106dが、0°≦θ≦90°の範囲を揺動する場合、H=R×Cosθ2−{R−R×Cosθ1}=R×(Cosθ2+Cosθ1−1)となり、揺動支持部106dが、B点(θ=90°)を含む範囲を揺動する場合、H=R×Cosθ1+R×|Cosθ2|=R×(Cosθ1+|Cosθ2|)となり、揺動支持部106dが、90°≦θ≦180°の範囲を揺動する場合、H=R×|Cosθ1|−R×|Cosθ2|=R×(|Cosθ2|−|Cosθ1|)で表すことが出来る。このとき、揺動支持部106dの上下方向移動距離Hは、円周軌道上の揺動角(θ2−θ1)が同一であっても、揺動する位置によって上下方向移動距離Hが異なる。
例えば、図5(a)に示すように、揺動支持部106dの上下方向移動距離Hは、支点の揺動角が60°と均一であっても、θ1=0°からθ2=60°の第一の範囲、θ1=60°からθ2=120°の第二の範囲、θ1=120°からθ2=180°の第三の範囲で揺動する場合においてそれぞれ異なる。即ち、上記のHの式から第一及び第三の範囲ではH1=H3=0.5Rとなるが、第二の範囲では、H2=Rとなり、揺動する位置によりHが異なる。
従って、この揺動支持部106dにより支持される揺動フレームは、揺動支持部106dが、A点又はC点に近い位置で揺動する程、揺動支持部106dの上下移動量Hは小さくなり、揺動フレーム109の揺動が小さくなるため、前記ワークロールの板材入口側の開口高さは低くなり、揺動支持部106dが、B点に近い位置で揺動する程、上下移動量Hが大きくなり、揺動フレームの揺動が大きくなるため、前記開口高さが高くなるという作用を生じる。即ち、揺動支持部106dの揺動開始位置を変更することにより、揺動支持部106dの移動距離(リリース軸の回動角度)が同じでも開口高さが変化する。
また、揺動支持部106dを介してリリース軸113aから板材へ負荷される矯正荷重は、リリース軸113aに与えられる駆動源からのトルク(回転モーメント)が一定であっても、揺動支持部106dの揺動開始位置が、円周軌道上において変化することに連動して大小変化する。即ち、図5(a)に示すとおり揺動支持部106dが、揺動時に円周軌道上のA点(下死点)又はC点(上死点)近傍で板材に負荷を与える場合、板材には大きな矯正荷重が負荷され、揺動支持部106dがB点に近づくほど板材に与えられる矯正荷重が小さくなるという作用を生じる。
揺動支持部106dを介して、ある矯正荷重で板材を矯正する場合、リリース軸の軸心周りには、「前記矯正荷重とリリース軸心から揺動支持部106dまでの水平方向距離との積」で表される回転モーメントが発生する。従って、リリース軸113aの駆動源は、前記回転モーメントに釣り合う逆向きのトルクをリリース軸に与えることによって板材を矯正する。ここで、与える前記トルクを一定とした場合、板材に与えられる矯正荷重と前記水平方向距離は、互いに反比例する。
即ち、図5(b)より「リリース軸の軸心から揺動支持部106dまでの水平方向距離」をLとした場合、前記水平方向距離は、L=R×Sinθとなる。従って、Lは、揺動支持部106dがB点(θ=90°)にあるときに最大(Fa×R)となり、揺動支持部106dが下死点となるA点(θ=0°)及び上死点となるC点(θ=180°)に近づくほど限りなく短くなる。
即ち、リリース軸に一定のトルクを与えた場合において、揺動支持部106dは、リリース軸心からの水平方向距離Lが最大となるB点(θ=90°)で板材に矯正荷重を負荷する場合、負荷される荷重が最小になるが、一方、Lが限りなく短くなる下死点A点(θ=0°)又は上死点C点(θ=180°)により近い位置で板材に矯正荷重を負荷する場合、揺動支持部106dは、板材に限りなく大きな矯正荷重を負荷する。
従って、ワークロール機構201は、揺動支持部106dの円周軌道上の揺動範囲を変更可能とすることにより、揺動支持部106dの回動角が一定で有って、リリース軸に与えられるトルクが一定であっても、揺動支持部106dが軌道上の下死点又は上死点近傍で揺動する場合には、揺動フレームの開口高さ(板材リリース量)は小さく、板材へ負荷される矯正荷重が限りなく大きくなり、揺動支持部106dの揺動位置が、下死点からの回転角90°(リリース軸軸心と同じ高さ)の位置に近づくにつれ、揺動フレーム109の開口高さ(板材リリース量)は大きく、板材へ負荷される矯正荷重は小さくなるという特性を備えている。
ワークロール機構201では、揺動支持部106dの揺動開始位置を変化させることにより、リリース時におけるワークロールの板材入口側の開口量と、板材への矯正荷重の大きさとの比率を自在に変化させることができる。
従って、駆動源となるサーボモータ113の回動角及び発生するトルクが一定でも、板材の板厚に応じて、前記開口量及び矯正荷重の比率を選択することにより、薄板と厚板の特性(薄板の場合は、開口量大かつ矯正荷重小。厚板の場合は、矯正荷重大かつ開口量小)に合った矯正及びリリースを行うことが出来る。即ち、モータ113の回動角の最小化により、板材リリース時の作動応答性の向上が実現でき、駆動源容量を実際の仕事量に必要な最小限の容量にとどめることが出来る。
次に、図6により、板厚の特性に合ったリリースを行うための各偏心軸機構(111,108,106)の動作について説明する。板材のリリース及び再挟持は、リリース(第三の)偏心軸機構106が行う。揺動支持部106dの揺動開始点は、通板する板材の板厚と必要な矯正量(圧下量)に基づき決定された矯正加重を得られる範囲で、極力中間点近くで揺動するように設定する。
例えば、図6(a)のように厚板の矯正から、図6(b)のように、より薄い板を矯正するための設定に変更する場合には、矯正荷重は小さいが、リリース量をより大きくする必要があるため、矯正に必要な荷重が得られる範囲で揺動支持部106dの揺動開始点を図5(a)で示すB点寄りの位置に移動させ、リリース量を確保する。この場合、図6(b)に示すように、第三の(リリース)偏心軸106cを時計回りに揺動させる。
その状態で、薄板の矯正に必要な圧下量(板材へのワークロールのくいこみ量)を得るべく、上昇した揺動フレーム109のワークロールの板材入口側と板材出口側における上下ワークロール(103,102)間の隙間を更に狭く(圧下量を大きく)する必要がある。従って、第二の偏心軸108cを図6(b)のように時計回りに揺動させ、揺動フレーム109のワークロールの板材入口側を下降させる。
尚、第二の偏心軸機構と第三の偏心軸機構のギヤードモータ112とサーボモータ107を入れ替えることにより、第二の偏心軸機構を板材のリリース機構として使用し、第三の偏心軸機構を圧下量調整機構として使用することも出来る。
図7に示すとおり、板材をリリースする際において、制御装置(図示せず)から制御信号を受けたワークロール機構201は、リリース偏心軸機構106が作動し、(図1に記載の)エアシリンダ230が上フィードロール248を上昇させるのと同様に、上ワークロール103を上昇させて、板材をリリースする。ワークロール側の板材のリリースは、駆動源(サーボモータ113)が必要最低限の回動角で回動軸113aを揺動させるため、板材はフィードロール側と同様に高速でリリースされる。
次に、板材送り装置のフィードロールリリース機構(板材リリース機構)の第1実施例を図1および図8に従って説明する。図1および図8において、板材送り機構210は、板材送り装置本体(ハウジング)として、一対の上サイドフレーム212、214と、一対の下ワークロールフレーム110を構成する下サイドフレーム110a、110bと、連結フレーム220とを備え、板材矯正機構201に隣接して配置されている。上サイドフレーム212と下サイドフレーム110aは、互いに連結されて上下に分かれて配置され、上サイドフレーム214と下サイドフレーム110bは、互いに連結されて上下に分かれて配置されている。上サイドフレーム212と上サイドフレーム214は連結フレーム220を介して互いに連結されている。
上サイドフレーム212、214には、クレビスピン偏芯軸222の軸方向両端側が回転自在に固定されており、クレビスピン偏芯軸222の軸方向一端側にはクレビスピン偏芯軸用ギャードモータ224の駆動軸が連結され、クレビスピン偏芯軸222の中程にはシリンダクレビス226、228が互いに一定の間隔を保って固定されている。シリンダクレビス226、228にはそれぞれフィードロールリリース用エアシリンダ230、232が連結されている。エアシリンダ230、232は、シリンダ室を形成するチューブ230a、232aとチューブ230a、232a内に往復動自在に挿入されたピストン230b、232bを備えている。チューブ230a、232aには、ピストン駆動手段の一要素として、エア源234、235からのエアをシリンダ室内に導入するエア導入路(図示せず)とシリンダ室内のエアを排出するエア排出路(図示せず)が接続されているとともに、エア導入路を切替える電磁弁(図示せず)がエア導入路中に配置されている。ピストン230b、232bは、連結板236、238、ピン240、242を介して可動片244に連結されている(一方のみ図示してある)。各可動片244は、可動片支点軸246を介して下サイドフレーム110a、110bに回動自在に連結されており、各可動片244の中央部開口には上フィードロール248の軸方向両端側が挿入されている。上フィードロール248は、可動片244が可動片支点軸246を支点として回動したときに、可動片244の回動に応じて上下動するようになっている。
すなわち、上フィードロール248は、エアシリンダ230、232の本体であるチューブ230a、232aあるいはピストン230b、232bの上下方向(鉛直方向)における位置に応じて上下動するようになっている。この上フィードロール248の下方には、上フィードロール248に相対向して、下フィードロール250が配置されており、下フィードロール250は、軸方向両端側が下サイドフレーム110a、110bに回転自在に固定されている。
一方、ギャードモータ224は、クレビスピン偏芯軸222や制御回路(図示せず)とともに、エアシリンダ駆動手段を構成し、制御回路からの信号に応答して正回転または逆回転するようになっており、ギャードモータ224の回転に応じてクレビスピン偏芯軸222が偏芯回転し、クレビスピン偏芯軸222の偏芯回転に伴って各クレビスピン226、228が上下動するようになっている。
具体的には、図9(a)に示すように、ギャードモータ224の回転軸224aはその軸心224bが、クレビスピン偏芯軸222の回動中心として、クレビスピン偏芯軸222の軸心222aから距離hだけ偏芯した位置に配置され、クレビスピン偏芯軸222を回転軸224a周りに偏芯回動させるように取り付けられている。ギャードモータ224の駆動を板材258の板厚に応じて制御するために、クレビスピン226、228のうち少なくとも一方に、近接スイッチ254が固定されている。近接スイッチ254は、L字型のブラケット256を介してクレビスピン226に固定されている。ブラケット256の端部に固定された近接スイッチ254に対応して、検知片257が配置されており、検知片257は、連結板236に固定されている。近接スイッチ254は、検知片257の先端部が所定の検知範囲内にあるときにはオンとなって検知信号を出力し、検知片257の先端部が所定の検知範囲から外れたときにオフとなって検知信号の出力を停止する。近接スイッチ257は、ギャードモータ224の駆動を制御する制御回路に接続されており、制御回路は、近接スイッチ257がオフのとき、ギャードモータ224を正転または逆転駆動し、近接スイッチ257がオンになって検知信号を入力したときには、ギャードモータ224の回転駆動を停止するようになっている。
ここで、上フィードロール248と下フィードロール250が最大板厚仕様よりも開いた状態であって、クレビスピン偏芯軸222の軸心222aが、回転軸224aの軸心224bの真上に対応した上死点となるように、ギャードモータ224を駆動するとともに、エアシリンダ230、232の電磁弁を切替えて、ピストン230b、232bを押し出し端(最下端の位置)に配置し、ギャードモータ224の駆動を一旦停止する。このとき、検知片257は、近接スイッチ257の検知範囲外に配置され、近接スイッチ257はオフの状態にある。
次に、上フィードロール248と下フィードロール250との間に板材258を搬入し、その後、ギャードモータ224を正回転駆動すると、クレビスピン偏芯軸222の軸心222aが上死点から下死点側に移動するに伴って、エアシリンダ230、232が下降するとともに、上フィードロール248が下降する。エアシリンダ230、232がさらに下降すると、図10(a)に示すように、上フィードロール248の下降に伴って上フィードロール248が板材258に当たる。上フィードロール248が板材258に当たると、上フィードロール248の下降が板材258によって阻止される。この状態で、ギャードモータ224の正回転駆動が継続されると、上フィードロール248の下降が停止されているので、エアシリンダ230、232のみが下降し、ピストン230bが押し出し端から離れ、ピストン230bが押し出し端よりも僅かに上昇したときに、ピストン230bと連結板236の上昇に伴って、検知片257が、近接スイッチ257の検知範囲内に配置される。これにより、近接スイッチ254がオンになってギャードモータ224の正回転駆動が停止されるとともに、エアシリンダ230、232の下降が停止され、板材258が上フィードロール248と下フィードロール250によってクランプされる。
板材258が上フィードロール248と下フィードロール250によってクランプされた後、電磁弁を切替えて、エアシリンダ230、232の下側のシリンダ室にエアを供給すると、図9(c)に示すように、ピストン230b、232bが上昇し、上フィードロール248が板材258から離れて、上昇する。ピストン230b、232bがリリース量Cに相当する所定のストロークだけ上昇すると、板材258を開放するためのリリース動作が完了し、板材258は、プレス機側に搬送される。リリース量Cは、0.01mmあるいは0.1mmでも、板材258がフリーとなってリリース動作できる値であれば良い。
このようにリリース量Cを小さい値に設定して、板材258に対するリリース動作を行うと、リリース時に、板材258と上下フィードロール248、250との当接に伴う騒音を低減できるとともに、板材258にロールマークや傷が付くの防止できる。さらに、リリース量Cが少ないと、エアシリンダ230、232のストロークも小さくなり、エア消費量を少なくすることができるとともに、板材258を高速でリリースすることができる。
また、図10(a)に示すように、クレビスピン偏芯軸222の軸心(偏芯点)222aが上死点にあるときには、エアシリンダ230、232のストロークS1は、板材258をリリースするときの最低リリース量Cと、板材258をクラップしたときの最低押さえ代を含む値であって、板材258の板厚によらず同一の値に設定されている。
さらに、図10(b)に示すように、板材258を上フィードロール248と下フィードロール250によってクランプしたとき、あるいは、図10(c)に示すように、板材258よりも板厚の厚い板材260を上フィードロール248と下フィードロール250によってクランプしたときに、ピストン230bが押し出し端よりも僅かに上昇するストロークS2と、板材258または板材260をリリースするときのリリース量Cは、板材258、260の板厚によらず一定である。但し、板材258を上フィードロール248と下フィードロール250によってクランプするまでのギャードモータ224の駆動量または駆動時間は、板材260を上フィードロール248と下フィードロール250によってクランプするまでのギャードモータ224の駆動量または駆動時間よりも大きくなる。
本実施例においては、ギャードモータ224の回転駆動によってエアシリンダ230、232を下降させ、近接スイッチ254がオンになったことを条件に、ギャードモータ224の回転駆動を停止することで、板厚の異なる板材258、260を搬送する場合でも、板材258、260を上フィードロール248と下フィードロール250によって自動的にクランプすることができるとともに、その後、ピストン230b、232bをリリース量Cに相当する所定のストロークだけ上昇させるだけで、板材258、260を開放するためのリリース動作を行うことができる。
本実施例によれば、板材258、260の板厚に応じてエアシリンダ自体の位置を自動的に調整し、リリース時のエアシリンダ230、232のストロークを最小限にするようにしたため、板厚の異なる板材258、260に対してリリース動作を行うときでも、板材258、260の板厚の影響を受けることなく、常に最小のリリース量Cでエアシリンダ230、232を駆動することができ、エア消費量を少なくできるとともに、板材258、260に対するリリース動作を高速に行うことができる。
次に、板材送り装置の板材リリース機構の第2実施例を図15に従って説明する。本実施例は、クレビスピン偏芯軸222の代わりに、圧下ねじ軸262を用い、圧下ねじ軸262に吊り下げ式の昇降機構264を連結し、エアシリンダ230、232のピストン230b、232bに連結板266、268を連結し、連結板266、268に固定された軸受270、272で上フィードロール248の軸方向両端側を回転自在に支持するようにしたものであり、その他の構成は、板材送り装置の板材リリース機構の第1実施例と同様である。なお、近接スイッチ254や検知片257の図示は省略してある。
圧下ねじ軸262は、軸方向両端側が上サイドフレーム212、214に回転自在に固定されており、圧下ねじ軸262の軸方向一端側には圧下ねじ軸駆動用ギャードモータ(図示せず)の駆動軸が連結され、圧下ねじ軸262の中程には左ねじ部274と右ねじ部276が互いに一定の間隔を保って形成されている。左ねじ部274には、左ねじ部274と噛み合うねじ部を有する上傾斜ブロック278がスライド自在に配置され、右ねじ部276には、右ねじ部と噛み合うねじ部を有する上傾斜ブロック280がスライド自在に配置されている。上傾斜ブロック278、280は、底面が、仮想の水平軸に対して傾斜した傾斜面278a、280aとして構成され、圧下ねじ軸駆動用ギャードモータの正回転時には、圧下ねじ軸262の正回転に伴って、矢印A、A’で示すように、互いに近づく方向に圧下ねじ軸262に沿ってスライドし、圧下ねじ軸駆動用ギャードモータの逆回転時には、圧下ねじ軸262の逆回転に伴って、矢印B、B’で示すように、互いに離れる方向に圧下ねじ軸262に沿ってスライドするようになっている。
上傾斜ブロック278、280に相対向して、下傾斜ブロック282、284が配置されており、下傾斜ブロック282、284は、支持台286上に固定され、支持台286底面にはエアシリンダ230、232のシリンダ230a、232aが固定されている。支持台286には、連結フレーム220の孔を挿通した2本の支持ロッド288、290が互いに一定の距離を保って固定されている。支持ロッド288、290の上部側にはナット292、294が固定されており、ナット292、294と連結フレーム220との間には、支持台286を鉛直方向上方に引っ張るための弾性力を蓄積したばね296、298が装着されている。下傾斜ブロック282、284は、底面が、仮想の水平軸に対して傾斜した傾斜面282a、284aとして構成されており、傾斜面282a、284aと上傾斜ブロック278、280の傾斜面278a、280aとが互いに接触するようになっている。すなわち、下傾斜ブロック282、284は、上傾斜ブロック278、280が左右にスライドするに従って上サイドフレーム212、214に沿って鉛直方向に昇降するようになっている。
例えば、圧下ねじ軸駆動用ギャードモータの正回転時に、圧下ねじ軸262の正回転に伴って、上傾斜ブロック278、280が矢印A、A’で示すように、互いに近づく方向に圧下ねじ軸262に沿ってスライドすると、下傾斜ブロック282、284に対する上傾斜ブロック278、280からの押圧力が低下するので、下傾斜ブロック282、284は、ばね296、298の弾性力に従って上サイドフレーム212、214に沿って鉛直方向に上昇する。これに伴って上フィードロール248が下フィードロール250から離れる方向に上昇する。
一方、圧下ねじ軸駆動用ギャードモータの逆回転時には、圧下ねじ軸262の逆回転に伴って、上傾斜ブロック278、280が矢印B、B’で示すように、互いに離れる方向に圧下ねじ軸262に沿ってスライドすると、下傾斜ブロック282、284に対する上傾斜ブロック278、280からの押圧力が増加するので、下傾斜ブロック282、284は、ばね296、298の弾性力に抗して上サイドフレーム212、214に沿って鉛直方向に下降する。これに伴って上フィードロール248が下フィードロール250に近づく方向に下降する。
上記構成において、例えば、上フィードロール248と下フィードロール250が最大板厚仕様よりも開いた状態となるように、エアシリンダ230、232を上昇位置に配置するとともに、ピストン230b、232bを押し出し端(最下端の位置)に配置し、上フィードロール248と下フィードロール250との間に板材258を搬入する。次に、圧下ねじ軸駆動用ギャードモータを逆回転駆動させて、エアシリンダ230、232を下降させるとともに、上フィードロール248を下降させる。上フィードロール248の下降に伴って上フィードロール248が板材258に当たり、その後、ピストン230b、232bが押し出し端よりも僅かに上昇すると、近接スイッチ254がオンになって圧下ねじ軸駆動用ギャードモータの逆回転駆動が停止し、板材258が上フィードロール248と下フィードロール250によって自動的にクランプされる。
この後、エアシリンダ230、232の下側のシリンダ室にエアを供給すると、ピストン230b、232bが上昇し、上フィードロール248が板材258から離れて、上昇する。ピストン230b、232bがリリース量Cに相当する所定のストロークだけ上昇すると、板材258を開放するためのリリース動作が完了し、板材258は、プレス機側に搬送される。
また、板材260が上フィードロール248と下フィードロール250によってクランプされた後は、ピストン230b、232bをリリース量Cに相当する所定のストロークだけ上昇させるだけで、板材260を開放するためのリリース動作を行うことができる。
本実施例においては、板厚の異なる板材258、260を搬送する場合でも、上フィードロール248が板材258、260に当たるまで、圧下ねじ軸駆動用ギャードモータを逆回転駆動して、エアシリンダ230、232を下降させ、板材258、260を上フィードロール248と下フィードロール250によってクランプした後、ピストン230b、232bを所定のストロークだけ上昇させるだけで、板材258、260を開放するためのリリース動作を行うことができる。
本実施例によれば、板材258、260の板厚に応じてエアシリンダ自体の位置を自動的に調整し、リリース時のエアシリンダ230、232のストロークを最小限にするようにしたため、板厚の異なる板材258、260に対してリリース動作を行うときでも、板材258、260の板厚の影響を受けることなく、常に最小のリリース量Cでエアシリンダ230、232を駆動することができ、エア消費量を少なくできるとともに、板材258、260に対するリリース動作を高速に行うことができる。
板材送り装置の板材リリース機構の各実施例においては、エアシリンダ230、232を上フィードロール248と下フィードロール250の上方に配置したものについて述べたが、エアシリンダ230、232を上フィードロール248と下フィードロール250の下方に配置し、エアシリンダ230、232によって下フィードロール250を昇降駆動する構成を採用することも可能である。
また、各実施例の各フィードロールリリース機構は、レベラフィーダのみならず、ロールフィーダの板材リリース機構としても使用できる。
尚、各実施例における上下ワークロール(103,102)には、少なくとも一方にサーボモータ等の駆動機構(図示せず)を設け、ギヤ機構等を介して上下フィードロール(248,250)と同期した板材送り動作をさせることにより、板材送り寸法の精度を向上させることが可能となる。また、板材は、フィードロールとワークロールが同期して板材送り動作をすることにより、ワークロールに対して滑りにくくなるため、板材の表面には、ワークロールとの摩擦跡が形成されにくくなる。
本発明に係るレベラフィーダの正面図である。 図1のA−A断面図である。 本発明に係るレベラフィーダの平面図である。 図2の偏心軸機構の詳細を示す拡大断面図である。 (a)は、揺動支持部の軌道を表す図、(b)は、揺動支持部からリリース軸中心までの水平方向距離Lを表す図である。 (a)は、厚板矯正時の板材の圧下量と各偏心軸の位置を示す図、(b)は、薄板矯正時用に板材の圧下量と揺動開始位置を調整した際の各偏心軸の位置を示す図である。 揺動フレームが揺動し、板材をリリースした動作状況を示す正面図である。 板材送り装置の板材リリース機構の側面図である。 (a)上下フィードロールが開いている状態を示す要部拡大側面図である。 (b)板材が上下フィードロールでクランプされた状態を示す要部拡大側面図である。 (c)板材をリリースするときの状態を示す要部拡大側面図である。 (a)上下フィードロールが開いている状態を示す要部拡大模式図である。 (b)板厚の薄い板材が上下フィードロールでクランプされた状態を示す要部拡大模式図である。 (c)板厚の厚い板材が上下フィードロールでクランプされた状態を示す要部拡大模式図である。 本発明に係る板材送り装置の板材リリース機構の第2実施例を示す正面図である。
符号の説明
100 レベラフィーダ
102 下ワークロール
103 上ワークロール
106c (リリース)偏心軸
106f 揺動(第二)支点
107 リンク
108c 偏心軸
108d 回動軸
109 揺動フレーム
110 下ワークロールフレーム
110a、110b 下サイドフレーム
111c 偏心軸
201 ワークロール機構
210 板材送り装置
212、214 上サイドフレーム
220 連結フレーム
222 クレビスピン偏芯軸
224 クレビスピン偏芯軸用ギャードモータ
226、228 シリンダクレビス
230、232 エアシリンダ
236、238 連結板
244 可動片
246 可動片支点軸
248 上フィードロール
250 下フィードロール
254 近接スイッチ
258、260 板材
262 圧下ねじ軸
264 昇降機構
274、276 ねじ部
278、280 上傾斜ブロック
282、284 下傾斜ブロック
286 支持台
288、290 支持ロッド
296、298 ばね

Claims (3)

  1. 鉛直方向において相対向して配置された一対のフィードロールと、前記一対のフィードロールのうち一方のフィードロールをピストンを介して上下動自在に支持し、前記一対のフィードロール間の板材をクランプ及びリリースするエアシリンダと、前記エアシリンダを前記他方のフィードロールに対して接近させる方向及び遠ざける方向に移動させるエアシリンダ駆動手段と、を備えたことを特徴とする板材送り装置の板材リリース機構。
  2. 前記エアシリンダ駆動手段は、前記エアシリンダと交差する方向に配置されてハウジングに回転自在に固定されると共に前記エアシリンダが連結された偏芯軸と、前記偏芯軸を偏芯回転させることにより前記エアシリンダを移動させるモータと、を備えたことを特徴とする、請求項1記載の板材送り装置の板材リリース機構。
  3. 前記エアシリンダ駆動手段は、前記板材と前記一方のフィードロールとの当接を検知したときに検知信号を出力するセンサと、前記センサの検知信号に応答して前記エアシリンダの移動を停止させる制御回路と、を備え、前記板材の搬入時に、前記センサから前記検知信号が出力されるまで、前記エアシリンダを前記他方のフィードロールに対して接近させることを特徴とする、請求項1または2に記載の板材送り装置の板材リリース機構。
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