JP3561540B2 - ロール曲げ装置の上ロール支持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ロール曲げ装置、とくに、その上ロール支持装置に関するものでありる。
【0002】
【従来技術及び課題】
ウレタン層を外表面に形成した上ロールと下ロールのみからなるロール曲げ装置や、金属製の3本ロール式のロール曲げ装置、さらには、上ロールの下方に下ロールを設けてこの両側に一対のサイドロールを設けた4本ロール式のロール曲げ装置が、金属板を円弧状または円筒状に曲げる為のロール曲げ装置として利用される。
【0003】
この種ロール曲げ装置では、図1のように、ロールの長さが長い場合、通常、上ロール(1) の先端部は、フレームの左右両端の側部フレームから伸びる補助腕(12)によって支持されている。この補助腕(12)は、金属板(以下、ワークという)を曲げた後製品を取り出すために、前記上ロール(1) の先端と側部フレーム(61)との間を開放した位置に移動できるようになっている。
【0004】
このため、前記補助腕は、フレーム外面から突出する軸支部(122) によって回動自在に支持され、その自由端に設けた軸受部(121) が上ロール(1) の先端に外嵌する。従来、前記上ロールの先端が前記フレームの上方に位置することから、前記補助腕(12)の先端の軸受部(121) と上ロール(1) の先端との嵌合位置も前記フレームの上方となる。
【0005】
従って、補助腕(12)の軸支部(122) と前記軸受部(121) とを結ぶ線が側部フレーム(61)に対して傾斜するものとなるから、ロール曲げ加工の際に、上ロール(1) と下ロール(2) との間に斥力が作用した場合、補助腕による張力の方向が直立状態にあるフレームの構成壁に対して斜めに作用する。この結果、前記フレーム構成壁には曲げ応力が生じる。
【0006】
小型や中型の、曲げ能力が余り大きくないものでは、フレームの剛性によってこの曲げ応力に耐えられる剛構造が可能であるが、長尺で大きな直径の上ロールを装備するものでは、この曲げ応力も無視できず、前記曲げ加工時の撓みも大きくなる。この撓みは、曲げ加工精度や上ロール及び下ロールの動作の円滑さに影響を与える。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、『フレーム両端の側部フレーム(61)(61)により架橋状に支持される上ロール(1) と下ロール(2) との間にワーク(W) をクランプして、このワーク(W) を円弧状又は円筒状に曲げる装置であって、前記上ロール(1) の先端部を回動自在に支持する補助腕(12)を下方に揺動させることにより前記上ロール(1) の先端部とこの下方の側部フレーム(61)との間を開放するようにしたロール曲げ装置』において、上ロールと下ロールとの間に生じる斥力による側部フレームの撓みを防止して、これらロールの動作の円滑さと曲げ加工精度を確保できるようにすることをその課題とする。
【0008】
【技術的手段】
上記課題を解決するための本発明の技術的手段は、『補助腕(12)は、側部フレーム(61)における軸支部を中心として自由端部の筒状の軸受部(121) が上ロール(1) の先端部に外嵌した支持姿勢と前記軸受部(121) が上ロール(1) の先端から斜め下方に離れた開放姿勢との間で往復回動可能に設けられ、前記軸支部(122) 、及び、補助腕(12)の前記支持姿勢における前記軸受部(121) が側部フレーム(61)の縦断面とその延長線上に位置するようにした』ことである。(図7参照)
【0009】
【作用】
上記技術的手段を採用するものでは、補助腕(12)の軸支部と、上ロール(1) を支持する軸受部(121) を結ぶ線は、側部フレームの縦断面とその延長線と一致する。従って、ロール曲げ加工の際に補助腕(12)に作用する張力の方向は側部フレームの縦断面を通るから、この側部フレームには曲げ応力が生じない。
【0010】
【効果】
補助腕(12)を軸支する側部フレームには曲げ応力が生じないから、この側部フレームには撓みがほとんど生じないこととなり、上ロール及び下ロールの動作の円滑さが確保されるとともに、曲げ加工精度も確保される。
[その他の発明]
請求項2に定義する発明は、請求項1の発明の効果に加えて製品の取り出しを容易にするものであり、この為に採用される主段は『上ロール(1) の基端部もこれの下方の側部フレーム(61)の断面内にて回動可能に軸支された主腕(11)によって支持されるものとし、主腕(11)の前記軸支部と上ロール(1) を回動自在に保持する軸受部(111) とを前記側部フレーム(61)の縦断面とその延長線上に位置させ、前記主腕(11)を上ロール(1) の軸線方向外側に回動可能とした』ことである。
【0011】
このものでは、補助腕(12)を開放した状態で上ロールを持ちあげるには、主腕(11)を外側に傾斜させる。
これにより上ロール(1) の先端が持ち上げられることとなって、上ロールの先端とその下方の側部フレームや下ロールとの間隔が広くなる。
従って、円筒形に形成された製品も取り出し易い。
【0012】
また、主腕(11)にも補助腕(12)の場合と同様に曲げ加工時には張力が作用するが、軸支部と軸受部(111) を結ぶ線が側部フレームの縦断面とその延長線と一致するから、この側部フレームにも撓みが生じない。
従って、上記請求項1の効果は同様に確保される。
【0013】
【実施例】
次に、上記した本発明の実施例を図面に従って詳述する。
図2〜図10に示す実施例は、胴部が太鼓形になった上ロール(1) と、この下方に設けた下ロール(2) と、前記下ロール(2) の側方に設けた一対のサイドロール(4)(4)と、からなる4本ロール式のロール曲げ装置に、本発明を実施したものである。また、この装置では、下ロール(2) の支持位置が固定され、これと上ロール(1) との間隔は、この上ロール(1) の昇降によって調節される構成であり、サイドロール(4)(4)は前記下ロール(2) との関係で決定された固定の支点を中心にして一定範囲で揺動する構成であり、上記上ロール(1) の先端側が左側の補助腕(12)により、又、基端側は右側の主腕(11)により、夫々回転自在に支持されている。
【0014】
以下、各部について詳述する。
[上ロール(1) と下ロール(2) の支持構造]
下ロール(2) の両端は、図2、3のように、ロール曲げ装置のフレームの左右の両端部に設けた側部フレーム(61)(61)の上部によって回転自在に支持されている。
【0015】
この下ロール(2) に対して上ロール(1) は、昇降自在に支持される。
このため、前記側部フレーム(61)(61)には、高さ調節可能にした支持体(60)が内蔵され、これの上部にて揺動自在に取り付けた主腕(11)と補助腕(12)によって前記上ロール(1) の両端が支持される。
支持体(60)を昇降自在とするため、図6のように、側部フレーム(61)の中央下部に形成した矩形の開口部(612) 内に矩形のブロックからなる前記支持体(60)が収容されて、その側辺部が前記開口部の側辺との上下移動可能に嵌合している。また、この支持体(60)の高さをネジ機構(630) によって調節できるようにしている。このために、図7のように、側部フレーム(61)の下端部から直立させ且回転自在としたネジ軸(63)が前記支持体(60)に螺合している。そして、左右のネジ機構(630) のネジ軸(63)(63)相互を共通の第1駆動軸(64)と傘歯車機構を介して伝動させている。従って、左右の支持体(60)(60)は前記第1駆動軸(64)の回転に応じて同期して昇降する。
【0016】
なお、各ネジ軸(63)の上端頭部(631) は側部フレーム(61)に固着された下ロール(2) の軸受部(201) の下面に対して自転自在に対接する。従って、支持体(60)を介してネジ軸(63)に作用する上向きの力は前記軸受部(201) によって受け止められる。
また、上ロール(1) の先端部は平行軸部とその先端側に続くテーパ部とから なり、軸受部(121) も前記上ロール(1) の先端部と密に嵌合する平行孔部とテーパ孔部とからなる。従って、軸受部(121) と上ロール(1) の先端部との密嵌が容易である。また、前記平行孔部と平行軸部との嵌合部が側部フレーム(61)の断面中心線上に位置する様にしている。
【0017】
左側の支持体(60)には、図7、8のように、これの外面に設けた軸支部(122) により補助腕(12)が回動自在に支持されている。この補助腕(12)は、一対の側板(123)(123)の上端間に上記軸受部(121) を架設固定したもので、前記軸支部(122) の構成は、前記側板(123)(123)の下端部に架設した軸受け筒に、上記支持体(60)の断面中心に設けた軸部が貫通する態様である。
【0018】
また、前記支持体(60)には油圧シリンダー(62)が揺動自在に取り付けられており、その出力軸が補助腕(12)の下端の軸支部(122) の近傍に回動自在に連結されている。従って、この油圧シリンダー(62)を作動させてその出力軸を進出させると補助腕(12)が直立して先端の軸受部(121) が上ロール(1) の先端部に嵌合した支持姿勢となり、この状態から前記出力軸を後退させると補助腕(12)が外側に倒れて上ロール(1) と側部フレーム(61)との間が開放された開放姿勢となる。そして、前記軸受部(121) は、補助腕(12)の前記支持姿勢において側部フレーム(61)の真上に位置するように、各部が設定されている。
【0019】
軸支部(122) は支持体(60)の断面中心に位置することから、又、この支持体(60)は側部フレーム(61)の断面中心にあることから、補助腕(12)の軸支部(122) と軸受部(121) とを結ぶ線は側部フレーム(61)の断面中心線上に位置するものとなる。
一方の主腕(11)は、図2、4、5のように、全体としてJ字状に形成されて右側の側部フレーム(61)に内蔵される支持体(60)の断面中心に設けた軸支部(112) により外側に回動出来るように支持されている。前記側部フレーム(61)の上部には上方に延びる一対の腕フレーム(610)(610)を具備させてあり、主腕(11)の上端部の左側部分は、前記端が腕フレーム(610)(610)の内面に設けたメタル材(611)(611)に前後両面が接触する態様で挿通する。従って、この主腕(11)の上部が前後移動阻止状態に支持されたものとなる。
【0020】
さらに、この主腕(11)の上端部右端に上ロール(1) の駆動モータ(113) を具備させ、上端部左端で側部フレーム(61)の真上に位置するように設けた軸受部(111) によって前記上ロール(1) の前記駆動モータ(113) との連結部近傍を回動自在に支持している。
上記主腕支持構造では、上記支持体(60)は、側部フレーム(61)の断面の中心に位置するから、この主腕(11)においても、軸支部(112) と軸受部(111) を結ぶ線が側部フレーム(61)の断面の中心線上に位置することとなる。
【0021】
また、主腕(11)の上部には、偏心軸(13)を設けた回動軸(14)と、前記偏心軸(13)に嵌合する軸受リング(15)と、前記回転軸(14)を回転駆動する駆動装置(16)とからなるカム機構が装備されており、前記軸受リング(15)(15)が側部フレーム(61)における主腕(11)の収容部の外面に設けたレール(17)に転がり自在に対接する。従って、駆動装置(16)によって回転軸(14)が回転駆動されると、このカム機構により主腕(11)が一定範囲揺動される。
【0022】
従って、補助腕(12)が上記した開放状態にあるときに、前記揺動によって主腕(11)が直立姿勢から外側に倒れると、図5の破線で示すように、上ロール(1) の先端部が上方に持ち上げられて下ロール(2) との間隔が開くこととなる。
また、図8のように、前記補助腕(12)の一対の側板(123)(123)の中程で側部フレーム(61)に対向する部分に被係合部(72)が、前記側部フレーム(61)の外面で前記被係合部(72)と対向する部分には係合部(71)が設けられる。これら、係合部(71)及び被係合部(72)の対向端面は、共に、V字状断面の凸条と凹溝とが交互に設けられた表面形状でこれら凸条及び凹溝が上下に延びている。そして、軸受部(122) が上ロール(1) に嵌合した補助腕(12)の支持姿勢では、係合部(71)と被係合部(72)の前記凸条と凹溝相互が密に嵌合した状態となる。
【0023】
従って、補助腕(12)は、その下端部が軸支部(121) によって側部フレーム(1) の外面に沿う方向(前後方向)への移動が阻止されると共に、前記凸条と凹溝との係合によっても、この補助腕(12)の前後方向の移動が阻止されたものとなる。これにより、補助腕(12)の上記支持姿勢に於ける前後方向の剛性が向上したものとなる。
【0024】
[サイドロール(4) について]
サイドロール(4) は、下ロール(2) の側方にて、上ロール(1) に対して斜め下方から接離自在に設けられる。
このため、各サイドロール(4) の両端部は、図2、6のように、側部フレーム(61)内に設けた支持腕(65)によって揺動自在に支持される。前記支持腕(65)は、側部フレーム(61)における下ロール(2) の側方下方を支点(650) とし、その先端側周縁部が歯車部(66)となっている。
【0025】
前記歯車部(66)に第2駆動軸(67)に伝動させた歯車(671) が噛み合っている。したがって、前記第2駆動軸(67)の回転によって各下ロール(2) の両端を支持する前記支持腕(65)(65)が同期的に揺動されて、円弧の方向に揺動する。
サイドロール(4) の中程には、図2、及び、図9、10のように、その下方から一対のバックアップロール(41)(41)が対接する。このバックアップロール(41)(41)は一対の腕(42)(42)によって回転自在に支持され、この腕(42)(42)は前記支持腕(65)の支点(650) と同軸で且中央の一対の第1フレーム板(68)(68)間に架設した支点軸(69)によって揺動自在に支持されている。また、前記腕(42)の先端部には歯車部(43)が設けられて、これに前記第2駆動軸(67)に設けた歯車(673) がかみ合っている。これらが、バックアップロール(41)(41)の支持機構(400) となる。従って、この支持機構(400) の腕(42)は上記支持腕(65)と同期的に同じ角度だけ揺動されることとなり、上ロール(1) に対してサイドロール(4) が接離する様に揺動されたとしても、このサイドロール(4) の中程は常時前記バックアップロール(41)(41)に対接した状態に支持される。
【0026】
[下ロール(2) について]
両端部が側部フレーム(61)(61)によって回転自在に支持される下ロール(2) は、その中央部が、図2のように、上記した各第1フレーム板(68)と、その外側に設けた第2フレーム板(31)との間に設けた支持装置(3)(3)によって下方から支持されている。
【0027】
前記支持装置(3) は、上端に設けた一対の支持ロール(32)(32)と、これらを回転自在に支持する軸受台(33)と、この軸受台(33)を昇降駆動するための昇降装置(300) とからなり、前記軸受台(33)の両側は、第2フレーム板(31)と第1フレーム板(68)に対して上下方向に移動できる関係にかみ合っている。
前記昇降装置(300) は、図10のように、前記軸受台(33)から下方に突出させた一対の昇降軸(36)(36)と、この昇降軸の下端に設けた当て板(361) に対接する様にした偏心カム部(34)と、この偏心カム部を具備する第3駆動軸(35)とからなる。前記第3駆動軸(35)は両方の支持装置(3)(3)の昇降装置(300) と伝動する。
【0028】
また、前記第3駆動軸(35)は油圧モータ(37)によって回転駆動されるとともに、昇降軸(36)の下死点位置からの上昇寸法が距離計(38)によって測定され、その測定値と中央支持力設定器(391)カら入力される設定値に応じて前記油圧モータ (37) の作動角度を制御するための制御装置(39)が設けられている。 従って、支持装置(3) の上昇ストロークの設定値が入力されて油圧モータ(37)が作動すると、前記制御装置(39)によってこの油圧モータ(37)の作動量が制御されて、距離計(38)による計測値が前記設定値になると、油圧モータ(37)の駆動圧力はその状態に維持されて、第3駆動軸(35)の回転は停止され支持ロール(32)(32)の位置が固定される。これにより、下ロール(2) の中央部が上方に撓んだ状態に維持されるものとなる。
【0029】
[ロール曲げの実際]
曲げ加工工程は、従来の4本ロール式のロール曲げ装置と同様である。
ワーク(W) を上ロール(1) と下ロール(2) の間に投入する為に、先ず、補助腕(12)をその軸受部(121) が上ロール(1) の先端部に嵌合させた支持姿勢として、油圧モータ(640) によって第1駆動軸(64)を駆動して、主腕(11)及び補助腕(12)を取付けた支持体(60)を昇降させて、上ロール(1) と下ロール(2)トの間隔を曲げ加工条件に合わせて適正にセットしておく。
【0030】
この後、上ロール(1) を降下駆動させてワーク(W) の先端を上ロール(1) と下ロール(2) との間にクランプさせる。
このとき、曲げ加工時の上ロール(1) 及び下ロール(2) の撓みを補正する為にワーク(W) の板厚及び曲げ曲率に合わせて支持装置(3) による支持ロール(32)(32)の支持高さを上記した手法により設定する。
【0031】
そして、下ロール(2) の正面側のサイドロール(4) を曲げ曲率に合わせて上ロール(1) 側に接近させて、ワーク(W) の端曲げをする。次いで、前記状態で上ロール(1) を回転駆動させると、ワーク(W) の先端側が設定曲率に曲げられる。そして、曲げ加工の施されたワーク(W) の先端部が背面側のサイドロール(4) に達するまでの間に、背面側のサイドロール(4) を上ロール(1) 側に接近させる。すると、この背面側のサイドロール(4) に前記ワーク(W) の先端部が達した後は、上ロール(1) と下ロール(2) とによってワーク(W) がクランプされ、回転方向の前後が前記一対のサイドロール(4)(4)に対接された態様で曲げ加工が進行する。
【0032】
前記端曲げのとき、及び、サイドロール(4) (4) を用いた曲げ加工のとき、主腕(11)には軸受部(111) と軸支部(112) との間に張力が作用し、補助腕(12)にも同様の張力が作用するが、これらの張力の方向が何れも各腕を具備させた側部フレーム(61)の断面中心線と一致する。従って、前記曲げ加工時に生じる前記張力によっては側部フレーム(61)には曲げ応力が作用しないものとなる。従って、側部フレーム(61)(61)を軽量にしてもこれには撓みが生じない。
【0033】
また、曲げ加工時に生じる前記張力によって支持体(60)には、上向きの力が作用するが、ネジ軸(63)の上端頭部(631) と軸受部(201) との当接によって受け止められるから、主腕(11)及び補助腕(12)の軸支位置が調節されたとしても、外力によって移動する心配がない。
また、上ロール(1) には前後方向の曲げ力が作用し、それによる撓みが前記主ロール(1) の先端部に於いて最大となるが、この先端部を支持する補助腕(12)は、その下端部が軸支部(122) によって、また、その中程が係合部(71)と被係合部(72)との係合によって、前後方向の移動が阻止されているから、これら2点によって支持された補助腕(12)により前記撓みが防止されたものとなる。
【0034】
また、この実施例では、下ロール(2) は円柱状であるが、上ロール(1) が太鼓型に形成されており、中央支持力設定器(391) からの出力値を設定するにより、下ロール(2) の中央部における支持装置(3) からの支持圧力が、ワーク(W) の板厚、曲げ曲率に応じて設定され、下ロール(2) の中央部が適正度合い上方に撓んだ状態にできる。
【0035】
これにより、上ロール(1) と下ロール(2) の中央部の撓みが補正でき、曲げ加工時における上ロール(1) と下ロール(2) によるワーク(W) のクランプ圧力がその幅方向に於いて一定となる。
従って、ワーク(W) の板厚の厚い場合や曲げ曲率の大きな場合の曲げ加工の際、上ロール(1) 及び下ロール(2) の剛性不足による撓みが防止出来るから、かかる条件での曲げ加工精度も向上したものとなり、これら上ロール、下ロールの軸受部の耐久性が向上する。
【0036】
また、曲げ加工初期にワーク(W) の先端部の端曲げが出来ると共に、とワーク(W) の後端部が上ロール(1) と下ロール(2) との間に一致すると一旦上ロール(1) の回転を停止して、正面側のサイドロール(4) を上ロール(1) から離すと共に、背面側のサイドロール(4) を上ロール(1) 側に接近させて、ワーク(W) の後端の端曲げを行うことが出来る。従って、この実施例のものでは、ワーク(W) の両端の端曲げが可能となる。なお、この端曲げの際、サイドロール(4) の中央部には特に大きな撓みが生じるが、この実施例では、前記サイドロール(4) と対接するバックアップロール(41)(41)を具備する一対の腕(42)(42)によって支持されているから、前記撓みが防止されて端曲げ精度も向上したものとなる。
【0037】
上記実施例は4本ロールを例に説明したが、本発明は、2本ロールや3本ロールの上ロール支持装置としても利用できる。
また、上記実施例では、上ロール(1) を昇降させる形式のロール曲げ装置に実施したが、これを、上ロール(1) の支持位置が固定されて下ロールが昇降する形式のロール曲げ装置にも実施でき、補助腕(12)の軸支部(122) 及び主腕(11)の軸支部(112) に直接配設される構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の説明図
【図2】本発明の実施例の全体の正面図
【図3】その平面図
【図4】主腕(11)の平面図
【図5】主腕(11)の作動説明図
【図6】左側の側部フレーム(61)の側面図
【図7】支持体(60)の昇降機構の説明図
【図8】係合部(71)と被係合部(72)の関係図
【図9】サイドロール(4) の中央支持機構の説明図
【図10】支持装置(3) 及びバックアップロール部の正面図
【符号の説明】
(1) ・・・上ロール
(2) ・・・下ロール
(W) ・・・ワーク
(12)・・・補助腕
(121) ・・軸受部
(122) ・・軸支部
(61)・・・側部フレーム

Claims (3)

  1. フレーム両端の側部フレーム(61)(61)により架橋状に支持される上ロール(1) と下ロール(2) との間にワーク(W) をクランプして、このワーク(W) を円弧状又は円筒状に曲げる装置であって、前記上ロール(1) の先端部を回動自在に支持する補助腕(12)を下方に揺動させることにより前記上ロール(1) の先端部とこの下方の側部フレーム(61)との間を開放するようにしたロール曲げ装置において、補助腕(12)は、側部フレーム(61)における軸支部を中心として自由端部の筒状の軸受部(121) が上ロール(1) の先端部に外嵌した支持姿勢と前記軸受部(121) が上ロール(1) の先端から斜め下方に離れた開放姿勢との間で往復回動可能に設けられ、前記軸支部(122) 、及び、補助腕(12)の前記支持姿勢における前記軸受部(121) が側部フレーム(61)の縦断面とその延長線上に位置するようにしたロール曲げ装置の上ロール支持装置。
  2. 上ロール(1) の基端部もこれの下方の側部フレーム(61)の断面内にて回動可能に軸支された主腕(11)によって支持されるものとし、主腕(11)の前記軸支部と上ロール(1) を回動自在に保持する軸受部(111) とを前記側部フレーム(61)の縦断面とその延長線上に位置させ、前記主腕(11)を上ロール(1) の軸線方向外側に回動可能とした請求項1に記載のロール曲げ装置の上ロール支持装置。
  3. 主腕(11)及び補助腕(12)の軸支部の位置を上下に調節可能とした請求項2に記載のロール曲げ装置の上ロール支持装置。
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