JPS6334099B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 第１図は従来のミルロールスタンドの左半部の
概略を示す斜視図（右半部は本図と左右対称のた
め図示省略）である。同図において、原紙ロール
１は操作側Ｘ及び駆動側Ｙでアーム２，２′によ
つて昇降自在に支えられており、同アーム２，
２′はキー付のクロスシヤフト３にはめこまれ、
同クロスシヤフト３との間で回転は拘束されてい
るが、軸方向には自由に滑動できるようになつて
いる。

このクロスシヤフト３は、その両端をマシンの
駆動側Ｙと操作側Ｘのフレーム４，４′によつて
回転自在に支えられている。またクロスシヤフト
３の駆動側Ｙには、レバー５が固着されており、
同レバー５の他端はフレーム４にヘツド側を固定
された昇降シリンダ６のピストンロツド７と連結
されている。

また前記クロスシヤフト３と平行に一本のねじ
軸８が、回転自在にクロスシヤフト３に取付けら
れてアーム２，２′とねじばめされており、その
駆動側Ｙにモータ９が直結されている。ねじ軸８
はその駆動側Ｙと操作側Ｘ部分では左右反対のね
じが切つてあり、モータ９の回転方向によつてア
ーム２，２′が互いに接近し、又は相離反するよ
うになつている。これによつて原紙ロール１のチ
ヤツキングを、また昇降シリンダ６の作動により
レバー５を上下に回動させて、原紙ロール１を昇
降させることができるようになつている。

このような構造作用を持つ従来のミルロールス
タンドでは、クロスシヤフト３は最大重量4tもの
原紙ロール１を持上げるために、原紙ロール１の
重量による曲げモーメントと、捩りモーメントに
耐えねばならず、このため大きな剛性が必要であ
り、かつフレーム４，４′、アーム２，２′等もそ
れ相応に大きな剛性が必要であつた。従つてそれ
だけアーム２，２′、クロスシヤフト３の質量も
大きくなるため、動作に必要な動力が大きくな
り、そのため動作速度を速くすることが困難とな
り、またコスト高ともなる欠点があつた。

本発明は前記従来の欠点を解消するために提案
されたもので、全巾にわたつて床に固定されたフ
レーム、同フレームに巾方向に移動自在に取付け
られた一対の移動フレーム、同各移動フレームに
一端が枢支され他端に原紙ロールとの係合部材を
有するアーム、前記各移動フレームに下端が枢着
され、上端が前記各アームの夫々の端部間に枢着
され同各アームを夫々単独揺動又は連動揺動させ
ることが可能な一対の駆動機構とを具備してなる
ことにより、ミルロールスタンドの開閉昇降用の
部品を必要最少限にし、動作速度の速い、然も安
価なミルロールスタンドを提供せんとするもので
ある。

以下本発明の実施例を図面について説明する
と、第２図は本発明に係るミルロールスタンドの
１実施例の概略構成を示す（左半部は本図と左右
対称のため図示省略）。さて同図においてフレー
ム１０は図示断面形状の駆動側、操作側にわたる
一体物で、その底面を全巾にわたり床面に固定さ
れている。

１１，１１′は移動フレームで、軸ａ，a′を中
心として上下に回動できるアーム１２，１２′が、
夫々の先端で原紙ロール１を支持できるように取
付けられている。移動フレーム１１，１１′の別
の支点ｂ，b′（b′は図示省略）と、アーム１２，
１２′とは、シリンダ１３，１３′とピストンロツ
ド１４，１４′によつて連結されている。また移
動フレーム１１，１１′は１本のねじ軸１５によ
つてねじばめ連結されており、同ねじ軸１５端に
は、フレーム１０に支持されたモータ１６が直結
されている。

このねじ軸１５と移動フレーム１１，１１′は、
駆動側と操作側で夫々左右反対のねじ結合として
あり、モータ１６の回転方向により互いに接近、
または相離反できるようになつている。シリンダ
１３，１３′の給排側はポンプ１７およびタンク
１８と図示のような回路で連結され、回路中に電
磁切換弁１９，２０及び流量調整弁２６，２６′
が組込まれている。ローリングセンタ２１，２
１′（２１′は図示省略）は従来と同一構造のもの
がアーム１２，１２′に取付けられている。

次に作用を説明すると、第２図におけるアーム
１２，１２′の昇降動作は、シリンダ１３，１
３′の伸縮により行なう。即ち、シリンダ１３，
１３′のヘツド側へ油圧または空圧がかかるよう
に切換弁１９，２０を切換えると、アーム１２，
１２′は上昇し、ロツド側へ油圧または空圧を送
ることでアーム１２，１２′を下降させる。アー
ム１２，１２′は動作速度が同じになる様流量調
整弁２６，２６′を調整する。またアーム１２，
１２′の開閉動作は、モータ１６を正または逆転
させることにより行なう。即ち、モータ１６の回
転により、ねじ軸１５を回転させ、移動フレーム
１１，１１′を互いに接近または相離反させるこ
とにより、移動フレーム１１，１１′に取付けら
れたアーム１２，１２′と、シリンダ１３，１
３′は昇降位置を保つたまま開閉させることがで
きる。またアーム１２，１２′の何れか一方のみ
昇降させたいときは、切換弁１９または２０の一
方だけを切換えて行なうことができる。

アーム１２，１２′昇降用駆動源として、第４
図の如く電動機を用いることも出来る。第４図に
於いて２２はモータシリンダで、電動機に依つて
ロードを出入出来る公知のものである。なお、図
中２３は制御盤、２４は電源を示す。また制御盤
２３内の結線は、第５図の如く電磁開閉器２５又
は２６のオン、オフにより、モータシリンダ２２
の電動機を可逆回転するようになつているが、他
の作用効果は第２図の実施例と同じである。

第６図及び第７図にアーム１２と１２′の昇降
量を同調させる制御方法の１例を示す。なお、第
６図は第２図のＡ―Ａ断面図を示す。第６図に於
いて２７はポテンシヨメータで、アーム１２の軸
ａの回転角分だけ軸が回転される。ポテンシヨメ
ータ２７は移動フレーム１１へブラケツト２８に
よつて取付けられている。なお、ポテンシヨメー
タ２７′は図示省略する。

第７図に制御回路を示す。第７図に於いて、２
９は比較回路で、ポテンシヨメータ２７の回転角
（アームの回転角）に比例して発生される電圧を
駆動側ポテンシヨメータ２７′の発生電圧と、操
作側ポテンシヨメータ２７の発生電圧の差を比較
する（駆動側基準）。

先ず差が零の場合は、この状態を持続する。ま
た差がマイナスの場合は、判断回路３０′へ移る。
判断回路３０′は、両方のアームが上昇中か、下
降中か、停止中かを判断する機能を持つ。従つ
て、上昇中の場合は、操作側アーム用電磁弁（第
２図の２０）を停止に切替える。また下降中の場
合は、駆動側アーム用電磁弁（第２図の１９）を
停止に切替え、停止中の場合は電磁弁１９をアー
ム上昇側へ切替える。

一方比較回路２９の差がプラスの場合は、判断
回路３０へ移り、同様に第７図に示す作動を指令
する。作動指令後再び比較回路２９にて操作側、
駆動側アームのポテンシヨメータ２７，２７′の
回転角の差、即ち操作側、駆動側アームの回転角
の差を比較し、差が無くなるまで同じ動作を繰り
返すことにより、同調制御することが出来る。ま
た同調させない時は、この同調制御を使用しない
で、単独にアームを上昇又は下降させる。

以上詳細に説明した如く本発明では、フレーム
が全巾にわたつてその底面を床面に固定されてい
るため、両端のみを支えているクロスシヤフトに
比べ剛性の小さい構造で原紙ロールを支持でき
る。また従来のミルロールスタンドでは、アーム
に（原紙ロール重量）×（アーム長さ）（第１図の
ｌ寸法）のモーメントが掛るが、本発明のミルロ
ールスタンドのアームは、駆動機構により原紙ロ
ール付近の支点a″で支えられる為、アームに発生
するモーメントは、（原紙ロール重量）×（支点間
距離）（第２図のl′寸法）のモーメントとなり、
従来の構造より小さい構造の為、剛性を小さくす
ることが出来る。

従つてフレーム、アームの質量を軽減できると
共に、アームの質量が小さい為、昇降及び開閉動
作をはやめることができ、タイムサイクルを短縮
できる。また電磁弁操作によつて、左右のアーム
を連動して昇降させることが出来る他に、夫々単
独に昇降させることができるため、巻きほどかれ
るシートの操作側と駆動側での張力の違いを、原
紙ロールの高さを操作側と駆動側で違えることに
より、同一にすることができる。

更に原紙ロールを使用後、ローリングセンタか
ら残原紙ロールを抜くとき、片側だけ抜けて反対
側が残るトラブルに対し、操作側と駆動側とでロ
ーリングセンタの軸心を、第３図の如く実線と一
点鎖線の如く揺動を与えながらアームを開くこと
により抜けやすく出来る。

一方ローリングセンタから降した原紙ロールを
排出するとき、排出する側のアームだけ上昇する
事が出来る（反対側のアームは上昇する必要がな
くなる）。また搬入する時も同様に搬入する側の
アームだけ上昇すればよくなる為、両側のアーム
を上昇させるより作動油量が少なくて良く、また
上昇するアームの重量が半分の為シヨツクも少な
く、前述の昇降、開閉動作を速めることができる
とする効果も重なつて動かす事が出来る。従つて
ミルロールスタンドの原紙ロール掛け替えに要す
る時間（旧原紙排出、新原紙搬入、装着）を大巾
に低減することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のミルロールスタンドの左半部を
示す斜視図、第２図は本発明の実施例を示すミル
ロールスタンドの斜視図、第３図は原紙ロールを
ローリングセンタから抜く状態を示す説明図、第
４図は第２図と異なる実施例を示すミルロールス
タンドの斜視図、第５図は第４図における制御盤
の回路図、第６図はアームの昇降量を同調させる
制御方法の１例を示すもので、第２図のＡ〜Ａ断
面図、第７図はその制御回路の説明図である。 図の主要部分の説明、１…原紙ロール、１０…
フレーム、１１，１１′…移動フレーム、１２，
１２′…アーム、１３，１３′…シリンダ（駆動機
構）、１４，１４′…ピストンロツド（駆動機構）、
１５…ねじ軸、１６…モータ、２１，２１′…ロ
ーリングセンタ（係合部材）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 全巾にわたつて床に固定されたフレーム、同
   フレームに巾方向に移動自在に取付けられた一対
   の移動フレーム、同各移動フレームに一端が枢支
   され他端に原紙ロールとの係合部材を有する一対
   のアーム、前記各移動フレームに下端が枢着さ
   れ、上端が前記各アームの夫々の端部間に枢着さ
   れ同各アームを夫々単独揺動又は連動揺動させる
   ことが可能な一対の駆動機構とよりなることを特
   徴とするミルロールスタンド。