JP4952404B2 - 発泡壁紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡壁紙の製造方法に関する。
建築物の壁面内装等に発泡壁紙が使用されている。
従来、発泡壁紙としては、紙質基材(裏打紙)上に塩化ビニル樹脂の樹脂層を形成したものが知られている。近年では、環境に配慮し、発泡樹脂層には、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂等のハロゲンを含有しない樹脂が用いられてきている(特許文献1〜3)。また、表面の耐スクラッチ性を向上させるために、オレフィン系樹脂がよく用いられている。
発泡壁紙を製造するには、樹脂層に紙質基材を積層する必要がある。積層方法としては、例えば、Tダイ押出し機による押出しと同時に、樹脂層を紙質基材上に積層する方法が知られている(特許文献4)。これは、Tダイ押出し機により押し出された樹脂層が、熱溶融により接着性を有することを利用したものである。
しかしながら、上記方法によれば、樹脂層を紙質基材上に積層した場合、その積層体がカール現象を起こしやすいといった問題点がある。
特開平6−47875号公報 特開2000−255011号公報 特開2001−347611号公報 特開2004−308039号公報
本発明は、耐カール性に優れた発泡壁紙の製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、特定の工程を経る発泡壁紙の製造方法が、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の発泡壁紙の製造方法に関する。
1. 発泡壁紙を製造する方法であって、
(1)発泡剤含有樹脂層を含む2層以上の樹脂層を溶融押し出しすることにより積層体を形成する第1工程、
(2)第1工程で得られた積層体を冷却する第2工程
(3)冷却された積層体に紙質基材を積層する第3工程、及び
(4)前記積層体を紙質基材上に積層後、加熱することにより発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とする第4工程
を含む、発泡壁紙の製造方法。
2. 第1工程において、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aを溶融押し出しすることにより積層体を形成し、第3工程において積層体の発泡剤含有樹脂層に紙質基材を積層する、前記項1に記載の発泡壁紙の製造方法。
3. 第1工程において、非発泡樹脂層B、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aの順となるように各層を溶融押し出しすることにより積層体を形成し、第3工程において積層体の非発泡樹脂層Bに紙質基材を積層する、前記項1に記載の発泡壁紙の製造方法。
4. 非発泡樹脂層Bのメルトフローレート値が、発泡剤含有樹脂層のメルトフローレート値より大きい、前記項3に記載の発泡壁紙の製造方法。
5. 非発泡樹脂層Bが、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を含む、前記項3又は4に記載の発泡壁紙の製造方法。
6. 非発泡樹脂層Bが、エチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を含む、前記項3又は4に記載の発泡壁紙の製造方法。
7. 発泡剤含有樹脂層が、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を含む、前記項1〜6のいずれかに記載の発泡壁紙の製造方法。
8. 発泡剤含有樹脂層が、エチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を含む、前記項1〜6のいずれかに記載の発泡壁紙の製造方法。
9. 非発泡樹脂層Aが、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂を70〜100重量%含有する、前記項2〜8のいずれかに記載の発泡壁紙の製造方法。
10. 第2工程において、積層体の表面温度が60℃以下となるよう冷却する、前記項1〜9のいずれかに記載の発泡壁紙の製造方法。
11. 前記紙質基材表面を加熱することにより、前記積層体と紙質基材とを積層する、前記項1〜10のいずれかに記載の発泡壁紙の製造方法。
12. 非発泡樹脂層A及び/又は発泡剤含有樹脂層に電子線を照射する工程をさらに有する、前記項1〜11のいずれかに記載の発泡壁紙の製造方法。
13. 未発泡壁紙を製造する方法であって、
(1)発泡剤含有樹脂層を含む2層以上の樹脂層を溶融押し出しすることにより積層体を形成する第1工程、
(2)第1工程で得られた積層体を冷却する第2工程及び
(3)冷却された積層体に紙質基材を積層する第3工程
を含む、未発泡壁紙の製造方法。
14. 前記項13に記載の製造方法において得られた未発泡壁紙を、加熱することにより発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とし、発泡壁紙を製造する方法。
本発明の発泡壁紙の製造方法は、(1)発泡剤含有樹脂層を含む2層以上の樹脂層を溶融押し出しすることにより積層体を形成する第1工程、(2)第1工程で得られた積層体を冷却する第2工程及び(3)冷却された積層体に紙質基材を積層する第3工程を含むことにより、耐カール性に優れた発泡壁紙を製造することができる。
特に、本発明の製造方法は、樹脂層を構成する樹脂としてエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂のような高結晶性樹脂を採用しても、耐カール性に優れた発泡壁紙を製造できる。よって、本発明の発泡壁紙の製造方法によれば、耐スクラッチ性及び耐カール性に優れた発泡壁紙を好適に製造することができる。
本発明の発泡壁紙の製造方法は、(1)発泡剤含有樹脂層を含む2層以上の樹脂層を溶融押し出しすることにより積層体を形成する第1工程、(2)第1工程で得られた積層体を冷却する第2工程、及び(3)冷却された積層体に紙質基材を積層する第3工程を含む。
第1工程
第1工程では、発泡剤含有樹脂層を含む2層以上の樹脂層を溶融押し出しすることにより積層体を形成する。
樹脂層の積層体は、発泡剤含有樹脂層を含むものであれば限定されない。例えば、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層を含む場合が挙げられる。以下、この場合を代表例として説明する。
(i)発泡剤含有樹脂層
発泡剤含有樹脂層を構成する樹脂成分は、特に限定されず、用いる発泡剤、紙質基材の種類等に応じて適宜設定すればよい。特に、前記発泡剤含有樹脂層は、当該樹脂層に水素
結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を用いることが好ましい。従って、例えばエチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を好適に用いることができる。かかる見地より、前記エチレン共重合体樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(以下「EVA」と略記する)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂(以下「EMMA」と略記する)、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂(以下「EEA」と略記する)、エチレンメチルアクリレート共重合体樹脂(以下「EMA」と略記する)等を用いることができる。この中でも特に、EVAが好ましい。
発泡剤としては、特に限定されず、例えば無機系発泡剤及び有機系発泡剤といった公知の発泡剤を使用できる。
無機系発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等が挙げられる。
有機系発泡剤としては、ニトロソ化合物、アゾ化合物、スルホニルヒドラジド化合物、アジド化合物等が挙げられる。ニトロソ化合物としては、例えばN,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等を例示できる。アゾ化合物としては、例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミミノベンゼン、バリウム・アゾジカルボキシレート等を例示できる。スルホニルヒドラジド化合物としては、例えばベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド等を例示できる。アジド化合物としては、例えばカルシウムアジド、4,4’−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホニルアジド等を例示できる。これら発泡剤は、単独又は二種以上で使用できる。
発泡剤の含有量は発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定すればよい。通常は、発泡剤含有樹脂層中1.2〜4.7重量%程度とすれば良い。
また、前記発泡剤含有樹脂層は、発泡助剤を含んでいても良い。発泡助剤としては、例えば酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸、フタル酸、シュウ酸等が挙げられる。発泡助剤の含有量は、特に限定されず、発泡剤等に応じて適宜設定すればよい。
前記発泡剤含有樹脂層は、さらに、無機充填剤、顔料、難燃剤、熱安定剤等の公知の添加剤を含んでいてもよい。
上記のうち、無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を用いることにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、前記樹脂層を構成する樹脂100重量部に対して、0〜100重量部程度が好ましく、20〜70重量部程度がより好ましい。
顔料については、無機顔料、有機顔料等の公知の顔料を用いることができる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムエロー、ニッケルチタンエロー、クロムチタンエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタ
ロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。発泡剤含有樹脂層中における顔料の含有量は、特に限定されず、意匠性等の観点から適宜設定すればよい。
発泡剤含有樹脂層の厚みは限定的ではないが、通常は70〜150μm程度とすることが好ましい。
(ii)非発泡樹脂層A
非発泡樹脂層Aを構成する樹脂は、特に限定されず、目的とする発泡壁紙の性能等に応じて適宜設定すればよい。特に、本発明においては、非発泡樹脂層Aが、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(以下、「EMAA」と略記する)を含有することが好ましい。EMAAの含有量は70〜100重量%が好ましい。
非発泡樹脂層Aの厚みは限定的ではないが、5〜30μm程度が好ましく、10〜20μm程度がより好ましい。
(iii)非発泡樹脂層B
紙質基材及び発泡剤含有樹脂層の間に、非発泡樹脂層Bを形成してもよい。前記樹脂層Bを形成した場合には、発泡剤含有樹脂層と紙質基材との密着性を向上できる。
前記樹脂層Bを構成する樹脂成分は、特に限定されず、紙質基材の種類等に応じて適宜選択すればよい。特に、前記樹脂層Bは、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を用いることが好ましい。従って、例えばエチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を好適に用いることができる。かかる見地より、前記エチレン共重合体樹脂としては、EVA、EMMA、EEA、EMA等を用いることができる。この中でも特に、EVAが好ましい。
紙質基材との貼り合わせ易さの観点から、非発泡樹脂層Bのメルトフローレート値(以下、「MFR」と略記する)は、発泡剤含有樹脂層のMFRより大きいほうが好ましい。なお、前記MFRは、JIS K 7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)記載の試験方法により測定することができる。試験条件は、JIS K 6760記載の「190℃、21.18N(2.16kgf)」採用したものである。
非発泡樹脂層Bの厚みは限定的ではないが、5〜20μm程度が好ましく、10〜15μm程度がより好ましい。
(iv)各層の積層
上記各樹脂層を、溶融押し出しすることにより積層体を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、Tダイ押出し機による多層同時押出しが挙げられる。特に、本発明においては、複数種の溶融樹脂を同時に押出すことにより複数層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイが好適に使用できる。
具体的には、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aを溶融押し出しすることにより積層体を形成する場合は、非発泡樹脂層Aを形成するための組成物、及び発泡剤含有樹脂層を形成するための組成物を各々別個のシリンダー中に入れて、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。
さらに非発泡樹脂層Bを形成する場合は、非発泡樹脂層Aを形成するための組成物、発泡剤含有樹脂層を形成するための組成物、及び非発泡樹脂層Bを形成するための組成物を各々別個のシリンダー中に入れて、3種3層を同時に押出し成膜・積層すればよい。
同時押出し時の溶融樹脂温度は、特に限定されず、用いる樹脂、発泡剤等に応じて適宜設定すればよい。
なお、発泡剤含有樹脂層を1層で押出し成形する場合、当該層に無機充填剤(フィラー)が含まれていると押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が付着し易い。この目やにが発泡壁紙の表面に付着すると、不良品となる。
上記問題を解消するためには、発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層で挟みこんだ状態で3層同時押出しすることが望ましい。例えば、非発泡樹脂層A、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Bの順に積層されるように同時押出しする。
上記のように3層同時押出しすることにより、ダイスに目やにが付着しにくくなる。また、非発泡樹脂層Aを表面特性向上に寄与する層とし、非発泡樹脂層Bを密着性向上に寄与する層とすることにより、発泡壁紙の特性も向上する。
第2工程
第2工程では、第1工程で得られた積層体を冷却する。
特に、本発明においては、前記積層体の表面温度が60℃以下、特に30〜40℃となるよう冷却することが好ましい。表面温度が60℃を超えた積層体に紙質基材を積層すると、得られる発泡壁紙がカールしやすい。
冷却手段としては限定的ではなく、公知の手段を適宜採用すればよい。特に前記積層体を冷却水を通した金属ロール(チルロール)に抱かせることにより好適に前記積層体を冷却することができる。
第3工程
第3工程では、冷却された積層体に紙質基材を積層する。例えば、前記積層体が前記のような発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aを溶融押し出しにより積層したものである場合、前記積層体の発泡剤含有樹脂層に紙質基材を積層する。また、前記積層体が前記のような非発泡樹脂層B、発泡剤含有樹脂層、及び非発泡樹脂層Aの順となるように各層を溶融押し出しにより積層したものである場合、前記積層体の非発泡樹脂層Bに紙質基材を積層する。以下、これらの積層体を例に挙げて第3工程について説明する。
紙質基材は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
具体的には、繊維質シートの中でも、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理した
もの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
紙質基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m2程度が好ましく、50〜8
0g/m2程度がより好ましい。
前記積層体に紙質基材を積層する方法としては限定的ではない。例えば、前記積層体と
紙質基材とを加圧・積層するのが好ましい。特に、加圧・積層する前に、紙質基材表面に加熱を行うことが好ましい。加熱温度は限定的ではないが、80〜140℃が好ましい。加熱時間は、加熱温度等に応じて適宜設定すればよい。
前記積層体と紙質基材とを積層するに際し、前記積層体の幅は紙質基材の幅より小さい方がよい。前記積層体が紙質基材の幅と同じかそれより大きいと、後工程で発泡剤を加熱し発泡させた際、発泡体の端部から、樹脂層を構成する樹脂がはみ出す場合がある。その結果、発泡炉内部を汚してしまう等の問題が生じる。
上記問題を回避するために、本発明の発泡壁紙の製造方法では、冷却された積層体に紙質基材を積層する前に、前記積層体が紙質基材の幅より小さくなるように前記積層体をスリットするのが好ましい。
なお、前記積層体をスリットすることにより得られたスリット屑は容易に再利用でき、発泡壁紙の製造におけるコスト削減を図ることができる。
スリットする方法は、特に限定されず、公知の手段を採用すればよい。例えば、レーザーカット方式、シャーカット方式、スコアーカット方式等が挙げられる。
発泡剤含有樹脂層の表面(又は非発泡樹脂層Aの表面)には、必要に応じて絵柄模様層(後記)を形成してもよい。そして、絵柄模様層の表面には艶調整及び/又は絵柄模様層の保護を目的として表面保護層(オーバーコート層)を更に設けることができる。艶調整のためには、シリカなどの既知フィラーを含有する表面保護層の形成が望ましい。表面保護層が密着し難い場合には、必要に応じて、プライマー層を介してもよい。
表面保護層として、樹脂成分として電離放射線硬化型樹脂を含有するものも好適である。電離放射線硬化型樹脂を用いると発泡壁紙の耐スクラッチ性などの表面特性を向上させ易い。
発泡剤含有樹脂層に電子線照射をして溶融張力を高めてから当該層を加熱発泡させる場合がある。つまり、電子線照射による樹脂架橋である。電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層も、電子線照射によって当該層は硬化する。両照射を同時(同処理)とすることにより発泡壁紙の生産効率を高められる。
絵柄模様層及び表面保護層の厚みは限定的ではないが、それぞれ0.1〜15μm程度が好ましい。
紙質基材上に積層後は、前記発泡剤を加熱することにより発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とする。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましい。また、加熱時間は20〜90秒程度が好ましい。
発泡樹脂層の発泡倍率(発泡剤含有樹脂層からみた倍率)は、特に限定されないが、通常4倍以上、好ましくは4〜8倍程度である。発泡倍率が低すぎると優れた外観意匠を付与し難い。また、発泡倍率が高すぎると発泡樹脂層が機械的に弱くなり、耐スクラッチ性が低下しやすい。
本発明の発泡壁紙の製造方法は、発泡剤を加熱する前に、非発泡樹脂層A及び/又は発泡剤含有樹脂層に電子線を照射する工程をさらに有することが好ましい。これにより、非発泡樹脂層A及び/又は発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂を架橋できるため、発泡壁紙の
表面強度、発泡程度等を制御することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましい。照射量は、1〜7Mrad程度が好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。なお、架橋は、化学架橋剤(架橋剤又は架橋助剤ともいう。)を用いて実施することもできる。
電子線照射を行う場合には、前記樹脂層中に架橋助剤を含有させてもよい。架橋助剤としては、電子線照射による架橋を促進するものであればよく、例えば、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能性モノマー、オリゴマーなどが挙げられる。架橋助剤は、EVA100重量部に対して、0〜10重量部程度が好ましく、1〜4重量部がより好ましい。
さらに、非発泡樹脂層Aの表面にコロナ放電処理を施しても良い。コロナ放電処理は、公知の方法に従って実施することができる。
絵柄模様層を有する発泡壁紙を製造する場合には、上記発泡剤の加熱処理前に非発泡樹脂層Aの表面に絵柄模様層を形成することが好ましい。絵柄模様層は、例えば、非発泡樹脂層Aの表面に絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、ビヒクル、溶剤を含む公知の印刷インキが使用できる。
発泡壁紙のおもて面には、必要に応じてエンボス模様を付してもよい。エンボス模様は、例えば、公知のエンボス版により付与できる。例えば、発泡樹脂層のおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
非発泡樹脂層Aを形成するために、EMAA(製品名「ニュクレルN1525」、MFR:25g/10分、三井・デュポンポリケミカル製)を100重量部用意した。
非発泡樹脂層Bを形成するために、EVA(製品名「エバテートCV5053」、MFR:70g/10分、酢酸ビニル含有量:20重量%、住友化学製)を100重量部用意した。
発泡剤含有樹脂層を形成するために、下記表1に記載の成分を含む組成物を用意した。
Figure 0004952404
上記樹脂及び樹脂含有組成物を溶融し、3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、3層同時押出し積層し、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bの順に積層した。各層の厚みは、前記の順に15μm/100μm/10μmとした。なお、このTダイ押出し機において、非発泡樹脂層Bを形成するためのEVAの入ったシリンダー、発泡剤含有樹脂層を形成するための表1の各成分の入ったシリンダー、及び非発泡樹脂層Aを形成するためのEMAAの入ったシリンダーの温度は、それぞれ100℃、120℃、160℃とした。また、ダイス温度は、すべて120℃とした。
そして、得られた積層体を表面温度が60℃以下となるように、冷却水を通した金属ロール(チルロール)に抱かせることにより冷却した。
次に、紙質基材よりも幅が10mm小さくなるよう、冷却された積層体をスリットした。
スリット後の積層体を厚み110μmの紙質基材(坪量70g)に、紙質基材と非発泡樹脂層Bとが接触するよう加圧・積層した。なお、加圧・積層前に予め、紙質基材表面を120℃で10秒間加熱した。
その後、非発泡樹脂層Aの上から電子線(175kV、3Mrad)を照射して、非発泡樹脂層Aに含まれるEVA及び発泡剤含有樹脂層に含まれるEMAAを架橋させた。さらに、非発泡樹脂層Aの表面にコロナ放電処理を行った。
次いで、グラビア印刷により、非発泡樹脂層Aの表面にEVA系水性エマルションを2g/m2塗布することによりプライマー処理を行った。さらに、その上に水性インキ(製
品名「ハイドリック」大日精化工業製)を用いて布目模様(絵柄印刷層)を印刷した。
そして、当該積層体をギアオーブン中、220℃で30秒間加熱した。これにより、発泡剤が分解し、発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とした。発泡倍率は5倍であり、発泡樹脂層の厚みは500μmであった。
さらに、発泡体のおもて側にエンボス加工を施して、布目模様パターンを賦型した。
以上の過程を経て、発泡壁紙を作製した。
実施例2
非発泡樹脂層Bを構成する樹脂をEVA(製品名「エバテートD4010」MFR:10g/10分、酢酸ビニル含有量:10重量%、住友化学製)とし、前記EVAの入ったシリンダーの温度を180℃にした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
比較例1
3層同時押出し積層により得られた積層体を冷却しない、つまり、Tダイ押出し機による押出しと同時に、積層体を紙質基材上に積層した以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を作製した。
試験例1(耐カール性)
実施例及び比較例で作製した発泡壁紙の紙質基材側全体に対して、デンプン糊を塗工し、5℃雰囲気下で、10分間放置した。その後、壁紙の端部を持ち上げて、壁紙のカールの状態を確認した。
デンプン糊が表面に着かないものを良好、表面に着くものを不良と評価した。
試験例2(紙質基材密着性)
実施例及び比較例において、積層体中の発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とする前に、積層体中の紙質基材以外の部分(樹脂層部分のみ)に切れ目を入れ、その切れ目から樹脂層を剥離した。
剥離後、樹脂層の剥離部分に紙質基材が十分残存しているものを良好、少し残存しているものをやや良好と評価した。
上記試験の結果を下記表2に示す。
Figure 0004952404

Claims (14)

  1. 発泡壁紙を製造する方法であって、
    (1)発泡剤含有樹脂層を含む2層以上の樹脂層を溶融押し出しすることにより積層体を形成する第1工程、
    (2)第1工程で得られた積層体を冷却する第2工程
    (3)冷却された積層体に紙質基材を積層する第3工程、及び
    (4)前記積層体を紙質基材上に積層後、加熱することにより発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とする第4工程
    を含む、発泡壁紙の製造方法。
  2. 第1工程において、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aを溶融押し出しすることにより積層体を形成し、第3工程において積層体の発泡剤含有樹脂層に紙質基材を積層する、請求項1に記載の発泡壁紙の製造方法。
  3. 第1工程において、非発泡樹脂層B、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層Aの順となるように各層を溶融押し出しすることにより積層体を形成し、第3工程において積層体の非発泡樹脂層Bに紙質基材を積層する、請求項1に記載の発泡壁紙の製造方法。
  4. 非発泡樹脂層Bのメルトフローレート値が、発泡剤含有樹脂層のメルトフローレート値より大きい、請求項3に記載の発泡壁紙の製造方法。
  5. 非発泡樹脂層Bが、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を含む、請求項3又は4に記載の発泡壁紙の製造方法。
  6. 非発泡樹脂層Bが、エチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を含む、請求項3又は4に記載の発泡壁紙の製造方法。
  7. 発泡剤含有樹脂層が、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の発泡壁紙の製造方法。
  8. 発泡剤含有樹脂層が、エチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の発泡壁紙の製造方法。
  9. 非発泡樹脂層Aが、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂を70〜100重量%含有する、請求項2〜8のいずれかに記載の発泡壁紙の製造方法。
  10. 第2工程において、積層体の表面温度が60℃以下となるよう冷却する、請求項1〜9のいずれかに記載の発泡壁紙の製造方法。
  11. 前記紙質基材表面を加熱することにより、前記積層体と紙質基材とを積層する、請求項1〜10のいずれかに記載の発泡壁紙の製造方法。
  12. 非発泡樹脂層A及び/又は発泡剤含有樹脂層に電子線を照射する工程をさらに有する、請求項1〜11のいずれかに記載の発泡壁紙の製造方法。
  13. 未発泡壁紙を製造する方法であって、
    (1)発泡剤含有樹脂層を含む2層以上の樹脂層を溶融押し出しすることにより積層体を形成する第1工程、
    (2)第1工程で得られた積層体を冷却する第2工程及び
    (3)冷却された積層体に紙質基材を積層する第3工程
    を含む、未発泡壁紙の製造方法。
  14. 請求項13に記載の製造方法において得られた未発泡壁紙を、加熱することにより発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とし、発泡壁紙を製造する方法。
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