JP4951561B2 - 磁気選別装置 - Google Patents
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Description
従来例1は、公報図1及び図4に示すように第1の磁力選別回転ドラムと、この第1の磁力選別回転ドラムに隙間を有して隣接して設けられている第2の磁力選別回転ドラムとを架台に支持してあり、上記第1の磁力選別回転ドラムでは、コンベアから搬送される処理原料中の磁着物を、内側に近接して永久磁石群が配置されている一側の磁気表面側で吸着し、そして上記第2の磁力選別回転ドラムでは、上記第1の磁力選別回転ドラムの他側の無磁気表面側に徐々に搬送された磁着物を内側に近接して永久磁石群が配置されている一側の磁気表面側で吸着し、他側の無磁気表面側に徐々に搬送するドラム型磁力選別装置である。
また、従来例2は、公報図1及び図2に示すように所定軌道を描いて落下する選別対象物に近接して配置され、その外周面を所定電圧で帯電させた回転電極と、この回転電極の外周面に接触しており、上記外周面に吸着された選別対象物に混入している誘電性異物を上記外周面から掻き落とすスクレーパとを備え、上記選別対象物から誘電性異物を分離除去する異物選別装置である。
第1の磁力選別回転ドラム及び第2の磁力選別回転ドラムのそれぞれには、永久磁石群からなる主磁石群と、下流側であってドラム内周面に補助磁石群を設けているが、主磁石群及び補助磁石群のいずれも各回転ドラム内部に配置されているために、構造が複雑になり、製造や組み立てに手間がかかる課題があり、さらに、磁着物の選別効率の向上のために第2の磁力選別回転ドラムが存在しているが(公報第6頁段落0021参照)、当該装置では第1の磁力選別回転ドラムとは別に第2の磁力選別回転ドラムを設ける必要があるので、より一層構造が複雑になるばかりではなく、製造や組み立てにも手間がかかる他に高コストになる課題がある。
従来例2の課題は次のとおりである。
従来例2では、回転電極の表面に吸引された誘電性異物を掻き落とすためにスクレーパを設けているので、上記誘電性異物を除去し易くなる他に、回転電極の表面の掃除もし易くなる利点があるものの(公報第6〜7頁段落0023参照)、実際上、誘電性異物が微小な場合や極めて軽量である場合には選別効率が低下する可能性がある。
この発明の目的は、簡単な構成によって製造のコストダウン及び選別効率の向上を図ることにある。
この発明の第2の特徴は、上記第1の特徴を前提とし、供給部の搬送部が駆動手段によって作動する振動フィーダであることにある。
この発明の第3の特徴は、上記第1又は第2の特徴を前提とし、分離プレートが磁気円板と同心の円板状に形成されており、その外周部が上記磁気円板の外周面より外側に張り出している外周張り出し部を形成していることにある。
この発明の第4の特徴は、上記第1乃至第3のいずれかの特徴を前提とし、押圧体は磁性物が搬送される方向と交差する方向に配置されていることにある。
この発明の第5の特徴は、上記第1乃至第4のいずれかの特徴を前提とし、押圧体が搬送部を挟んで対向的に配置されていることにある。
この発明の第6の特徴は、上記第3乃至第5のいずれかの特徴を前提とし、押圧体が分離プレートの外周張り出し部を押圧していることにある。
この発明の第7の特徴は、上記第1乃至第6のいずれかの特徴を前提とし、押圧体が分離プレートの表面を押圧している押圧部である押圧車と、押圧車による押圧力を制御する調整レバーとからなることにある。
図1及び図2において、磁気選別装置は、非磁性物M1と磁性物M2とからなる被選別物(図8)を供給するための供給部1、複数の磁石3を有する磁気円板2、被選別物から磁性物を分離するための分離プレート4及びこの分離プレートを押圧するための押圧体5を備えている。
投入体6はホッパーからなるものであり、架台9上に固定されている取付けフレーム10に保持されている。
対の供給ロール7は投入体6内の下部に設けられており、駆動モータ11の駆動によって互いに対向方向に回転する。投入体6内に投入された被選別物は、回転する対の供給ロール7間を通過してその下方に配置されている搬送部8上に定量落下される。
搬送部8は供給部1の本体を構成し、図示の例では振動フィーダが使用されている。振動フィーダ8は溝形に形成され(図6)、被選別物の非磁性物M1及び磁性物M2を図3左側から右側に向けて搬送する手段である。振動フィーダ8は、長さ方向の両端部(図3左右両端部)がゴム板などの弾性部材からなる支持脚12によって水平移動可能に支持されている。支持脚12の下端部は、架台9に設けてある取付け台13の上板13aにボルトによって固定されている。また振動フィーダ8の下方には、これを水平往復移動させるための振動アーム14が右肩上がりの状態で配置されている。図3及び図4に示すように、振動アーム14の先端部は、振動フィーダ8の下面に取り付けてある軸受に支持されているピン15(図1)を介して接続されている。振動アーム14の後端部は偏心部14aとなっている。偏心部14aには、これと交差する方向(図4左右方向)に軸16が貫通されている。軸16は偏心部14aに対して偏心している。
軸16は上板13a上の軸受に回転可能に支持されている。軸16の一端には、これを回転中心とする振動発生用プーリー17を取り付けている。振動発生用プーリー17は架台9に設けてある取付け台13の上板13aに取り付けられている。
ベルト19の両端部は、振動発生用プーリー17と上板13aの下面に固定してある振動用駆動モータ18とに掛け回されている。
したがって、振動用駆動モータ18の駆動力は、ベルト19を介して振動発生用プーリー17から軸16に伝達され、この軸の回転に伴って振動アーム14が偏心部14aを通じて長さ方向に前進後退するために、振動フィーダ8が水平方向に往復移動を繰り返す。
このような振動フィーダ8の往復移動によって、振動フィーダ上に供給された被選別物の非磁性物M1及び磁性物M2は図3右方向に徐々に運ばれる。
磁気円板2は、振動フィーダ8に対してその上方においてこれと対向的にかつ、水平状態に設けられている。磁気円板2の中心部には軸受20を設けてある。軸受20の軸孔20aには、駆動モータ21の出力軸に通じている減速機構の一部を構成している回転軸22が挿入されている。駆動モータ21は架台9上に固定されている。磁気円板2は、駆動モータ21の駆動に伴って軸受20を介して回転軸22を中心として回転可能である。
磁気円板2の下面には、軸受20の軸孔20aを囲むようにリング状の受け体23を設けてある。受け体23は後述する分離プレート4の保持手段となるものであり、その高さが磁石3の厚みと同じである。
磁石3は、図6及び図7に示すように磁気円板2の下面の外周側全周に等間隔を置いて配置されている。磁石3には四角形の永久磁石が用いられている。磁石3は、その磁気力によって被選別物を構成している磁性物M2及び非磁性物M1のうち、磁性物を分離プレート4の下面に吸着可能のものである。
図3〜図5において、分離プレート4は磁気円板2と振動フィーダ8との間に配置されている円板状のプラスチックプレートである。分離プレート4は磁気円板2の下面側に位置し、この磁気円板と同心円を形成している。分離プレート4はその径が磁気円板2の径より大きく設定されており、磁気円板の外周端面より幅Wだけ外側に張り出されている部分が外周張り出し部4a(図5及び図7)である。
分離プレート4は磁気円板2の受け体23の端面に当てられ、固定部材であるボルト24によって磁気円板と一体化されている。分離プレート4は、磁気円板2に対して磁石3の厚みと同じ間隔が保たれている。
分離プレート4は、図8及び図9に示すように、その外周部側が押圧体5によって下方に付与される押圧力によって弾性変形可能であり、使用時にはU字形に弾性変形した弾性変形部4bを形成する。
押圧体5は、図4に示す例では、分離プレート4の左右両側、すなわち搬送部8と交差する方向に対向的に配置され、架台9に取り付けられている。各押圧体5は、押圧部である押圧車25と、押圧力を制御する調整レバー26とからなる。
押圧車25は、分離プレート4の外周張り出し部4a(図5及び図7)に接触されており、分離プレートの外周側の表面を常に下方に向けて押圧している。押圧車25の押圧力は、分離プレート4を下側に弾性変形させると共に、弾性変形によって生じた分離プレートの弾性変形部4bの最深部と磁石3との間が磁気力の及ばない距離D(図6)に設定される。
調整レバー26は、図4に示すように架台9の前後両側(図左右両側)にピン27を回転中心として角度調整可能に取り付けられている。調整レバー26の先端部に押圧車25を接続してある。調整レバー26はその取付け角度を調整することによって、押圧車25による分離プレート4への押圧力を制御することができる。
供給部1の投入体6に投入された被選別物は、下部の対の供給ロール7によって振動フィーダ8上に定量供給される。被選別物の非磁性物M1及び磁性物M2は、振動フィーダ8の往復水平移動によって徐々に図3右側に搬送され、搬送の過程では図8に示すように被選別物のうち非磁性物は振動フィーダの端部(図右端部)を経て下方に落下され、回収されるが、磁性物M2は振動フィーダ8の上方で回転している磁気円板2に取り付けてある磁石3の磁気によって磁気円板と一体に回転している分離プレート4の下面に吸引され、付着される。付着されたまま分離プレート4と共に移動する磁性物M2は、付着された位置(振動フィーダ8の真上の位置)から約90度回転すると、分離プレート4の外周張り出し部4aが押圧体5の押圧車25に接触しかつ回転しながら下方に押圧され、次第に撓んで行くので、分離プレートの外周部が徐々に磁石から離れて行き、このため磁石3の磁気力も次第に及ばなくなり、やがて図8に示すように弾性変形部4bの最深部に至ると、磁気力が磁性物M2に全く及ばなくなるために、振動フィーダ8の外側に落下され、回収される。
このように、被選別物のうち非磁性物M1は振動フィーダ8の端部から下方に排出され、磁性物M2は分離プレート4によって振動フィーダ8の外側へ排出される。
図1では、供給部1の本体を構成する搬送部8に振動フィーダを用いているが、必ずしも振動フィーダであることを要しない。
2 磁気円板
3 磁石
4 分離プレート
4a 外周張り出し部
4b 弾性変形部
5 押圧体
8 振動フィーダ(搬送部)
14 振動アーム
17 振動発生用プーリー
18 振動用駆動モータ
21 駆動モータ(駆動手段)
22 回転軸
25 押圧車(押圧部)
26 調整レバー
D 距離
M1 非磁性物
M2 磁性物
W 幅
Claims (7)
- 磁性物と非磁性物とからなる被選別物を供給しかつ搬送部を有する供給部と、
上記搬送部に対向的に設けてあり、複数の磁石を有すると共に、駆動手段によって回転軸を中心として回転可能である磁気円板と、
上記磁気円板と上記搬送部との間に配置してあり、押圧力によって弾性変形可能であり、上記被選別物から磁性物を分離するための分離プレートと、
上記分離プレートを上記磁気円板から離れる方向に押圧部によって押圧力を付与する押圧体と
を備えており、
上記各磁石は上記磁気円板の外周に配置され、上記搬送部上の磁性物を上記分離プレートに吸着可能な磁気力を備えており、
上記磁気円板と上記分離プレートとは一体回転可能に連結されており、
上記分離プレートにおける上記押圧部が対応する部分は、上記押圧体の押圧力によって上記磁石の磁気力が及ばない位置まで弾性変形可能である
ことを特徴とする磁気選別装置。 - 供給部の搬送部は、駆動手段によって作動する振動フィーダであることを特徴とする請求項1記載の磁気選別装置。
- 分離プレートは磁気円板と同心の円板状に形成されており、その外周部が上記磁気円板の外周面より外側に張り出している外周張り出し部を形成していることを請求項1又は請求項2記載の磁気選別装置。
- 押圧体は、磁性物が搬送される方向と交差する方向に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の磁気選別装置。
- 押圧体は、搬送部を挟んで対向的に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の磁気選別装置。
- 押圧体は、分離プレートの外周張り出し部を押圧していることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の磁気選別装置。
- 押圧体は、分離プレートの表面を押圧している押圧部である押圧車と、押圧車による押圧力を制御する調整レバーとからなることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の磁気選別装置。
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