JPH06285387A - 導電性材料選別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電性材料の種類やサイズによらず導電性材
料を有効に選別すること。 【構成】 被選別材料を供給する傾斜して配設された無
端のベルトコンベア１と、ベルトコンベア１の両端に配
設され、ベルトコンベア１が外周に巻装されるローラ２
１、２２と、下のローラ２１内に同軸的に介挿され、磁
石３１のＮ極とＳ極とを交互に配設した磁石ロータ３
と、磁石ロータ３を前記ローラ２１の回転方向と同方向
および逆方向に回転駆動する可逆モータ４０より成る駆
動装置４と、ベルトコンベア１の上流側に配設され被選
別材料に振動を付与して拡散させて順次供給する第２の
振動フィーダ５と、第２の振動フィーダ５の上流側に配
設され磁石を外周に配設して磁性材料を吸着選別するド
ラム磁選機６と、ドラム磁選機６の上流側に配設されコ
ンベアにより供給された被選別材料に振動を付与して拡
散させて順次供給する第１の振動フィーダ７とから成る
導電性材料選別装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、被選別材料中に含まれ
る導電性材料を、磁石ロータの回転により生ずる交番磁
界に伴って発生される渦電流による磁界の反発力により
最も離れた軌跡で飛走し得るようにして選別する導電性
材料選別装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の導電性材料選別装置は、図６に示
すように被選別材料を供給するベルトコンベアＢの移動
方向と同方向に、ローラＲおよび磁石ロータＭを回転駆
動するものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来装置は、被選別材
料を供給するベルトコンベアＢの移動方向と同方向に磁
石ロータＭを回転駆動するものであるので、被選別材料
である導電性材料の種類やサイズによってはベルトコン
ベアＢの移動方向とは逆方向に転がり、導電性材料とそ
れ以外との選別に悪影響が有るという問題があった。

【０００４】そこで本発明者らは、種々研究開発を重ね
た結果、磁石ロータの回転方向を被選別材料のサイズに
応じてベルトコンベアの移動方向と逆方向にするという
本発明の技術的思想に着眼して、導電性材料の種類やサ
イズによらず導電性材料を有効に選別することを可能に
するという目的を達成する本発明に到達したのである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明（請求項１に記載
の第１発明）の導電性材料選別装置は、被選別材料を供
給するベルトコンベアと、ベルトコンベアが巻装される
ローラと、ローラ内に介挿されローラのベルトコンベア
が巻装された部分に配設され、磁石のＮ極とＳ極とを交
互に配設した磁石ロータと、磁石ロータを前記ローラの
回転方向と同方向および逆方向に回転駆動する駆動装置
とから成り、磁石ロータの回転により交番磁界を発生
し、それに伴い被選別材料中の導電性材料中に発生する
渦電流による磁界の反発力により導電性材料が最も離れ
た軌跡で飛走し得る構成にしたものである。

【０００６】本発明（請求項２に記載の第２発明）の導
電性材料選別装置は、第１発明において、前記磁石ロー
タの直径をローラの直径より充分小さくするとともに、
磁石ロータをローラの上方内壁に接するように配置し
て、磁石ロータの下部とローラの下部内壁との間に充分
な間隔を形成して、磁石ロータの磁石の吸引力によりベ
ルトコンベアに接触してローラの外壁に沿って下方まで
移動してきた磁性材料は、磁石ロータの磁石との距離が
大きくなり、その結果磁石の吸引力が弱くなり落下し得
る構成にしたものである。

【０００７】本発明（請求項３に記載の第３発明）の導
電性材料選別装置は、第１発明に対して、ベルトコンベ
アの上流側にバネ部材により支持された振動フィーダを
追加配設して、供給された被選別材料を振動フィーダ上
において拡散させて順次ベルトコンベアに供給し得る構
成にしたものである。

【０００８】本発明（請求項４に記載の第４発明）の導
電性材料選別装置は、第１発明に対して、ベルトコンベ
アの上流側に磁石を外周に配設したドラム磁選機を追加
配設して、被選別材料中に含まれる鉄もしくは鉄付非鉄
金属、その他の磁性材料を吸着して選別し、磁性材料以
外のものをコンベアに供給し得る構成にしたものであ
る。

【０００９】

【作用】上記構成より成る第１発明の導電性材料選別装
置は、ベルトコンベアにより供給された被選別材料がろ
到達すると、駆動装置により磁石ロータが逆方向に回転
されているので、磁石ロータの逆回転により被選別材料
の種類とサイズによってはベルトコンベアの移動方向に
転がるようにして、導電性材料とそれ以外との選別に悪
影響が出るのを防止して、導電性材料が有効に最も離れ
た軌跡で飛走するようにしたものである。

【００１０】上記構成より成る第２発明の導電性材料選
別装置は、小径の磁石ロータをローラの上部に配置した
ので、磁石ロータの磁石の吸引力によりベルトコンベア
に接触してローラの外壁に沿ってローラの下方まで移動
してきた磁性材料が、磁石ロータの磁石との距離が大き
くなり、その結果前記磁石の吸引力が弱くなり下方に落
下するものである。

【００１１】上記構成より成る第３発明の導電性材料選
別装置は、振動フィーダにより供給された被選別材料を
拡散させて、順次ベルトコンベアに供給するので、磁石
ロータへの供給状態を一様にするものである。

【００１２】上記構成より成る第４発明の導電性材料選
別装置は、ドラム磁選機により供給された被選別材料中
の磁性材料を予め吸着して除去し、その残りの被選別材
料をベルトコンベアに供給する。

【００１３】

【発明の効果】上記作用を奏する第１発明の導電性材料
選別装置は、導電性材料の種類やサイズによらず導電性
材料を有効に選別するという効果を奏するものである。

【００１４】上記作用を奏する第２発明の導電性材料選
別装置は、磁性体のベルトコンベアからの分離を容易に
するという効果を奏する。

【００１５】上記作用を奏する第３発明の導電性材料選
別装置は、被選別材料のローラおよび磁石ロータへの供
給状態を一様にするので、導電性材料の選別精度が向上
するという効果を奏する。

【００１６】上記作用を奏する第４発明の導電性材料選
別装置は、ドラム磁選機により予め磁性材料を除去する
ので、磁石ロータでの磁性材料の選別を減らし、導電性
材料の選別を有効に行うことができるという効果を奏す
る。

【００１７】

【実施例】次に本発明の実施例について、図面を用いて
詳細に説明する。

【００１８】（第１実施例）第１実施例の導電性材料選
別装置は、図１ないし図４に示すように被選別材料を供
給する傾斜して配設された無端のベルトコンベア１と、
ベルトコンベア１の両端に配設され、ベルトコンベア１
が外周に巻装される第１および第２のローラ２１、２２
と、第１のローラ２１内に同軸的に介挿され、磁石３１
のＮ極とＳ極とを交互に配設した磁石ロータ３と、磁石
ロータ３を前記第１のローラ２１の回転方向と同方向お
よび逆方向に回転駆動するモータ４０より成る駆動装置
４と、ベルトコンベア１の上流側に配設され供給された
被選別材料に振動を付与して拡散させて順次供給する第
２の振動フィーダ５と、第２の振動フィーダ５の上流側
に配設され磁石を外周に配設して磁性材料を吸着選別す
るドラム磁選機６と、ドラム磁選機６の上流側に配設さ
れコンベアにより供給された被選別材料に振動を付与し
て拡散させて順次供給する第１の振動フィーダ７とから
成る。

【００１９】第１の振動フィーダ７は、バネ部材７１で
下方より支持された板状部材７０で偏心円運動をしてい
る加振装置により振動が付与されており、ホッパ７Ｈ内
に貯留された被選別材料がコンベア７Ｃにより供給され
ると、被選別材料に振動を付与して、板状部材７０上に
拡散させてバラバラにした状態でドラム磁選機６に供給
する。

【００２０】ドラム磁選機６は、希土類磁石６１を外周
に配設し、モータ６３により回転駆動されるドラム６０
で構成され、第１の振動フィーダ７によってバラバラの
状態で供給された被選別材料の中から、鉄、鉄付きの非
鉄金属、その他の磁性材料を希土類磁石６１により吸着
させて、下方に配設した分離板６２によりドラム６０よ
り分離させて下方に落下させるものである。

【００２１】第２の振動フィーダ５は、バネ部材５１に
より下部を支持された板状部材５０で構成され、偏心円
運動をしている加振装置により振動が付与されており、
ドラム磁選機６に吸着されずに自然落下してきた非鉄材
料に振動を付与して、板状部材５０上に拡散させてバラ
バラにした状態でベルトコンベア１に供給する。

【００２２】ベルトコンベア１は、一定幅で無端の部材
であり１箇所に台形断面の樹脂製の桟部材１３を配設し
たベルト部材１０で構成され、第２のローラ２２をモー
タ１１によりベルト１２を介して回転駆動することによ
り、時計方向に回転され、第１のローラ２１は、被動ロ
ーラで、ベルトコンベア１により回転駆動され、第２の
振動フィーダ５よりバラバラに供給された被選別材料を
順次図中右方へ供給する。上記桟部材１３は、磁石ロー
タ３の下部に相当する部位のベルトコンベア１上に下方
に落下しないで残る磁性材料を、桟部材１３が１回転し
て到達する毎に桟部材１３の先端に移行させて磁石ロー
タ３の磁石との間隔を広げて下方に落下させるものであ
る。

【００２３】磁石ロータ３は、コンパクトで磁力が大き
くしかも安価なネオジウムを含む希土類磁石３１をＮ極
とＳ極が交互になるように半径方向に配設して、第１の
ローラ２１内に同軸的に配設され、回転方向が切換えら
れる駆動装置４を構成する可逆モータ４０によりベルト
４１を介して回転駆動される。

【００２４】磁石ロータ３は、駆動装置４の可逆モータ
４０により２０mm以上のサイズの被選別材料について
は、ベルトコンベア１と同方向に回転駆動され、２０mm
以下のサイズの被選別材料を選別する場合は、ベルトコ
ンベア１と逆方向に回転駆動される。磁石ロータ３と選
別した材料を収容するケースとの間には図２に示される
ようにカバープレート３３が配設され、選別された材料
が飛び出さないよう構成されている。また上記ベルトコ
ンベア１に配設した桟部材１３の代わりに、磁石ロータ
３の下部に楔状断面の分離部材３４を配設して磁性材料
のベルトコンベア１からの分離を促進する構成を採用す
ることも可能である。

【００２５】磁石ロータ３の導電性物質選別の原理は、
図３に示すように導電性金属が交番磁界に置かれると、
その表面に渦状の誘導電流が発生し、この誘導電流によ
り導電性金属内に交番磁界と反発する反発磁界が発生す
る。磁石ロータ３の外周に磁石の磁極Ｎ、Ｓを交互に変
化させた一連の永久磁石を配設してこの磁石ロータ３を
回転させると交番磁界が発生する。この交番磁界内に図
３に示すように導電性金属が置かれると、ループ状の渦
電流が流れ、この渦電流によって生ずる磁界は、図示す
るように常に磁石ロータ３の交番磁界と同極となるの
で、瞬間的に導電性金属が反発してローラから離れた軌
跡で飛走する。交番磁界は、非導電材料には何の影響も
与えないので、通常の自重による自然落下の軌跡をと
り、前述の導電性金属と分離される。

【００２６】上述において、本発明者らの知見によれ
ば、被選別材料が例えば２０mm以下のサイズの導電性材
料については、磁石ロータ３をベルトコンベア１の移動
方向と同じ時計方向に回転させると、ベルトコンベア１
の移動方向と逆の方向に転がるものが生ずるので、ベル
トコンベア１の移動方向と逆の方向に相当する反時計方
向に磁石ロータ３を回転させることにより、従来逆に転
がっていた導電性材料を時計方向（ベルトコンベア１の
移動方向）に転がるように変更する点が本第１実施例の
特徴である。

【００２７】上記構成より成る第１実施例の導電性材料
選別装置は、図４に示すように第１の振動フィーダ７が
コンベア７Ｃにより供給された被選別材料を拡散させて
バラバラの状態にして供給し、ドラム磁選機６が被選別
材料の中から鉄その他の磁性材料を吸着して選別し、第
２の振動フィーダ５が磁性材料が除かれた被選別材料を
拡散してバラバラの状態にしてベルトコンベア１に供給
し、ベルトコンベア１がバラバラにされた被選別材料を
順次磁石ロータ３に供給し、磁石ロータ３がその交番磁
界により被選別材料中の導電性金属内に渦電流を発生さ
せ、この渦電流に伴う反発磁界の反発力によって導電性
金属を磁石ロータ３より最も遠い導電性金属用のケース
まで飛走させて収容選別され、非導電材料は自重により
自然落下し真中の非導電性材料用のケース内に収容さ
れ、一部残っている磁性材料は磁石ロータ３の希土類磁
石３１に吸着され、磁石ロータ３の下部において落下し
て磁性材料用ケース内に収容される。２０mm以下のサイ
ズの導電性材料については、磁石ロータ３が反時計方向
に回転して、逆方向に転がるのを防止してベルトコンベ
ア１の移動方向に転がるようにする。落下しないで磁石
ロータ３の下部に滞留する磁性材料はベルトコンベア１
の桟部材１３によって落下させる。

【００２８】上記作用を奏する第１実施例の導電性材料
選別装置は、２０mm以下のサイズの被選別材料もベルト
コンベア１の移動方向に転がるようにして、有効に選別
するので、被選別材料の種類やサイズによらず導電性材
料を有効に選別することが出来るという効果を奏するも
のである。

【００２９】また第１実施例装置は、第１および第２の
振動フィーダにより供給された被選別材料を拡散してバ
ラバラの状態にした上で供給するので、ドラム磁選機６
および磁石ロータ３における被選別材料の選別精度を向
上するという効果を奏する。

【００３０】さらに第１実施例装置は、ドラム磁選機６
により予め被選別材料中の磁性材を選別除去しておくの
で、磁石ロータ３における導電性材料の選別を有効に行
うとともに、ベルトコンベア１の寿命を長くするという
効果を奏する。

【００３１】（第２実施例）第２実施例の導電性材料選
別装置は、上記第２発明の実施例であり第１実施例にお
いて第１のローラ２１と磁石ロータ３とを同軸的に配設
したものを、図５に示すように、磁石ロータ３の直径を
第１のローラ２１に比べ充分小さくして、しかも第１の
ローラの上部内壁に接するように配置して、磁石ロータ
３と第１のローラ２１の下部内壁との間に充分な間隔を
形成して、磁石ロータ３の希土類磁石３１の磁気吸着力
により吸着され、第１のローラ２１に沿ってベルトコン
ベア１上を下降してきた磁性材料を第１のローラ２１の
下部へ来たところで磁石ロータ３の希土類磁石３１との
距離が大きくなり、磁気吸着力が低下するので、磁性体
を磁性体用の領域に落下させる点が相違点であり、した
がって、第１実施例における桟部材１３または分離部材
３４を不要にするもので、その他は同様の構成より成
り、同様の作用効果を奏する。

【００３２】上述の実施例は、説明のために例示したも
ので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無
く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記
載から当業者が認識することができる本発明の技術的思
想に反しない限り、変更および付加が可能である。

【００３３】上述の実施例においては、駆動装置４とし
て可逆モータ４０を採用したが、本発明としては、一方
向のみ回転するモータに逆転機構を付加して、逆回転が
必要な時には逆転機構を作動させるようにするものも採
用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例装置を示すブロック図であ
る。

【図２】第１実施例装置を示す側面図である。

【図３】第１実施例装置の磁石ロータの選別原理を示す
斜視図である。

【図４】第１実施例装置の作用を説明する斜視図であ
る。

【図５】第２実施例の第１のローラおよび磁石ロータを
示す側面図である。

【図６】従来装置を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ ベルトコンベア ２１ 第１のローラ ２２ 第２のローラ ３ 磁石ロータ ４ 駆動装置 ５ 第２の振動フィーダ ６ ドラム磁選機 ７ 第１の振動フィーダ １３ 桟部材 ３１、６１ 希土類磁石 ３３ カバープレート ３４ 分離部材 ４０ 可逆モータ ４１ ベルト ５０、７０ 板状部材 ５１、７１ バネ部材 ６０ ドラム ６２ 分離板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 嘉久 埼玉県浦和市白幡３丁目１番地の９（１− 1308)

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被選別材料を供給するベルトコンベア
   と、 ベルトコンベアが巻装されるローラと、 ローラ内に介挿されローラのベルトコンベアが巻装され
   た部分に配設され、磁石のＮ極とＳ極とを交互に配設し
   た磁石ロータと、 磁石ロータを前記ローラの回転方向と同方向および逆方
   向に回転駆動する駆動装置とから成り、 磁石ロータの回転により交番磁界を発生し、それに伴い
   被選別材料中の導電性材料中に発生する渦電流による磁
   界の反発力により導電性材料が最も離れた軌跡で飛走し
   得る構成にしたことを特徴とする導電性材料選別装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、 前記磁石ロータの直径をローラの直径より充分小さくす
   るとともに、磁石ロータをローラの上方内壁に接するよ
   うに配置して、磁石ロータの下部とローラの下部内壁と
   の間に充分な間隔を形成して、 磁石ロータの磁石の吸引力によりベルトコンベアに接触
   してローラの外壁に沿って下方まで移動してきた磁性材
   料は、磁石ロータの磁石との距離が大きくなり、その結
   果磁石の吸引力が弱くなり落下し得る構成にしたことを
   特徴とする導電性材料選別装置。
3. 【請求項３】 請求項１に対して、 ベルトコンベアの上流側にバネ部材により支持された振
   動フィーダを追加配設して、 供給された被選別材料を振動フィーダ上において拡散さ
   せて順次ベルトコンベアに供給し得る構成にしたことを
   特徴とする導電性材料選別装置。
4. 【請求項４】 請求項１に対して、 ベルトコンベアの上流側に磁石を外周に配設したドラム
   磁選機を追加配設して、 被選別材料中に含まれる鉄もしくは鉄付非鉄金属、その
   他の磁性材料を吸着して選別し、磁性材料以外のものを
   コンベアに供給し得る構成にしたことを特徴とする導電
   性材料選別装置。