JP4950565B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ランフラット耐久性を向上した空気入りラジアルタイヤに関する。
ランフラット耐久性を向上した空気入りラジアルタイヤ、即ちランフラットタイヤには、ランフラット時、即ちパンク時の耐久性と、通常走行時の乗り心地との相反する特性の両立が求められている。
従来、ランフラット耐久性を向上させるためにはサイド補強ゴムを厚くしてランフラット時のタイヤのサイドウォール部のたわみを抑制することで発熱量を低減し、タイヤが破壊する温度に至るまでの時間を引き延ばすことが行なわれている。(例えば、特許文献1参照)
また、複数層のカーカスプライ層の間に補強ゴムを配設することも提案されている。(例えば、特許文献2又は3参照)
しかしながら、上述の方法では、通常走行においてもタイヤのたわみを抑制することとなり、そのタイヤを装着した車両の乗り心地は悪化してしまう。
また、サイドウォール部を厚くすることによりタイヤの質量が増大してしまい、タイヤの転がり抵抗の悪化や車両質量の増大によって燃費が悪化するという問題も指摘されている。
ところで、タイヤ側面部の表層を覆うサイドゴムには、外傷やこすれ等からタイヤサイドウォール部を守るために、耐クラック性や耐カット性を確保することが重要である。
従って、乗り心地、低燃費性、サイドウォール部表層の耐クラック性や耐カット性を低下させないで、ランフラット耐久性を向上することが求められている。
特開2004−249873号公報 特開平10−71807号公報 特表2004−510628号公報 特公平6−89183号公報 特開平11−29659号公報 WO 02/02356パンフレット
本発明は、このような状況下で、乗り心地、低燃費性、サイドウォール部表層の耐クラック性や耐カット性を低下させないで、ランフラット耐久性を向上する空気入りラジアルタイヤを提供することを課題とするものである。
本発明者らは該課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、サイドゴムを外層及び内層の二層に分割し、かつ内層に低発熱性のゴム組成物を用いることにより、その課題を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、該一対のビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカスと、該ビード部内に夫々埋設したビードコアのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラーと、該サイドウォール部の該カーカスの内側面に配置した一対のサイド補強層とを具えた空気入りラジアルタイヤにおいて、該サイドウォール部の該カーカスと該サイドウォール部の表層をなすサイド外層ゴムとの間に、25℃における損失正接tanδが該サイド外層ゴムより低いサイド内層ゴムを配設することを特徴とする空気入りラジアルタイヤ、
(2)サイド内層ゴムの150℃における動的貯蔵弾性率E'が25℃における動的貯蔵弾性率E'より0.7MPa以上大きいことを特徴とする上記1に記載の空気入りラジアルタイヤ、
(3)サイド内層ゴムの25〜250℃における損失正接tanδの最大値が0.08以下である上記1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ、
(4)サイド内層ゴムの150〜250℃における損失正接tanδの最大値が0.05以下である上記1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ、
(5)サイド内層ゴムが、ビニル結合含有量〔赤外法(モレロ法)による〕25%以上、重量平均分子量〔GPC法によるポリスチレン換算〕200,000〜900,000及び未変性時の分子量分布〔GPC法によるポリスチレン換算〕1〜4であるポリブタジエンゴム及び/又はスチレン−ブタジエン共重合体ゴムをゴム成分中に50質量%以上含む上記1〜4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ、
(6)サイド内層ゴムが、ビードフィラーのタイヤ半径方向最外側端部を中心として該半径方向内外±20mm以内に配置された上記1〜5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ、
(7)サイド内層ゴムが、ビードベース部からトレッド部の端部まで延在する上記6に記載の空気入りラジアルタイヤ、及び
(8)サイド内層ゴムの厚さが0.3mm以上で、かつサイド外層ゴムとサイド内層ゴムとの総厚みの80%以下である上記6又は7に記載の空気入りラジアルタイヤ、
を提供するものである。
本発明によれば、乗り心地、低燃費性、サイドウォール部表層の耐クラック性や耐カット性を低下させないで、ランフラット耐久性を向上する空気入りラジアルタイヤを提供することができる。
本発明は、一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、該一対のビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカスと、該ビード部内に夫々埋設したビードコアのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラーと、該サイドウォール部の該カーカスの内側面に配置した一対のサイド補強層とを具えた空気入りラジアルタイヤに関する発明であって、該サイドウォール部の該カーカスと該サイドウォール部の表層をなすサイド外層ゴムとの間に、25℃における損失正接tanδが該サイド外層ゴムより低いサイド内層ゴムを配設することを特徴とするものである。サイド内層ゴムの25℃における損失正接tanδをサイド外層ゴムのそれよりも低くすることによりサイドウォール部の発熱量を低減し、タイヤが破壊する温度に至るまでの時間を引き延ばすことができる。
また、サイド内層ゴムの150℃における動的貯蔵弾性率E'を25℃における動的貯蔵弾性率E'より0.7MPa以上大きくすることにより、ランフラット時のサイド部のたわみを低減することで発熱を抑制し、破壊までの時間をさらに引き延ばすことができる。
そして、サイド内層ゴムの25〜250℃における損失正接tanδの最大値を0.08以下とすることにより、ランフラット時の発熱を低減し、破壊までの時間をより引き延ばすことができるので好ましい。
さらに、サイド内層ゴムの150〜250℃における損失正接tanδの最大値を0.05以下とすることにより、高温時での発熱性抑制により、破壊までの時間をさらに引き延ばすことができるので好ましい。
本発明の空気入りラジアルタイヤに用いられるサイド内層ゴムに使用されるゴム組成物(以下、当該ゴム組成物という)が、上記の特定の動的貯蔵弾性率E'及び損失正接tanδを有するためには、そのゴム成分として、ビニル結合含有量が25%以上であるポリブタジエンゴム及び/又はスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを含むことが好ましい。ポリブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴムのビニル結合含有量が25%以上であると、サイド内層ゴムの温度上昇による弾性率の低下を十分抑制できるからである。ここで、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムのビニル結合含有量とは、ブタジエン部のビニル結合含有量をいう。
本発明において、上記スチレン−ブタジエン共重合体ゴムの結合スチレン含有量(1H-NMRでスペクトルの積分比を算出することにより算出する。)は限定されないが、1〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、3〜20質量%であることが特に好ましい。
上述のポリブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴムは種々の方法で製造することができ、重合方式としては、バッチ重合方式又は連続重合方式のいずれでもよい。
好ましい製造方法を挙げれば次のようなものである。
すなわち、ポリブタジエンゴムの場合は単量体である1,3−ブタジエンを、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムの場合は単量体である1,3−ブタジエン及びスチレンを、不活性溶媒、好ましくは炭化水素溶媒中で、有機金属等の開始剤、好ましくは有機リチウム化合物開始剤の存在下で重合して得られる。上記炭化水素溶媒としては特に制限はないが、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等が挙げられ、好ましい溶媒は、シクロヘキサン及びn−ヘキサンである。これらの炭化水素溶媒は単独で用いてもよいし、2種以上混合してもよい。
上記開始剤として用いられる有機リチウムとしては、少なくとも1個のリチウム原子が結合されかつ炭素数2から20の炭化水素リチウム化合物が好ましく、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、tert−オクチルリチウム、フェニルリチウム等であり、好ましいものはn−ブチルリチウムである。これらの有機リチウム開始剤は、単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
また、25%以上のビニル結合量を有するポリブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴムは、ジテトラヒドロフリルプロパン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシベンゼン、ジメトキシエタン、エチレングリコールジブチルエーテル、トリエチルアミン、ピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン等のエーテル及び/又は第3級アミン化合物を重合反応系に適当量添加することにより得られる。
この重合反応における温度は、通常−80から150℃、好ましくは−20から100℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行なうことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つ十分な圧力で操作することが望ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
さらに、本発明において用いられる上記のポリブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴムは、分子中にスズ原子、窒素原子、及び/又は珪素原子を含む変性ポリブタジエンゴム及び変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムとして用いることができる。このような変性ポリブタジエンゴム及び変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムは、温度上昇による弾性率の低下を抑制すると共に、スズ原子又は窒素原子を導入した場合はカーボンブラック配合ゴム組成物において、珪素原子を導入した場合はシリカ等の補強性無機充填剤を配合したゴム組成物において発熱を抑制することもできるので好ましい。
また、上記ポリブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴムは、分岐構造を有するものが特に好ましい。分岐構造は三官能以上の開始剤、三官能以上の変性剤、重合活性基を二つ以上有する単量体等を用いることにより導入することができるが、三官能以上の変性剤を用いることが好ましい。
上記の変性ポリブタジエンゴム及び変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムは公知の方法により製造される。通常、有機リチウム開始剤によって重合を開始させた後、リチウム活性末端を有する重合体の溶液に各種変性剤を添加することにより得られる(特許文献4又は5等参照)。変性剤の投入は、重合終了後であることが好ましい。
例えば、スズ原子は、四塩化スズ、トリブチルスズクロリド、ジオクチルスズジクロリド、ジブチルスズジクロリド、塩化トリフェニルスズ等のスズ化合物によって導入できる。
窒素原子は、2,4−トリレンジイソシアナート、ジイソシアナートジフェニルメタン等のイソシアネート系化合物;4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン化合物、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン等の尿素誘導体、その他、4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の窒素含有化合物によって導入することができる。
珪素原子は、アルコキシシランやアミノアルコキシシラン等の末端変性剤によって導入することができる。
具体的には、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物としては、例えば2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキリシシラン、(2−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン等が挙げられる。
また、アミノ基含有アルコキシシラン化合物としては、3−ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン;3−ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリエトキシシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリメトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラシ、3−ジブチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン等のジ置換アミノ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリメトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリメトキシ)シラン、3−(1−へプタメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ドデカメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)エチルシラン、1−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、3−〔10−(トリエトキシシリル)デシル〕−4−オキサゾリン等の環状アミノ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物が挙げられる。
さらに、イミノ基含有アルコキシシラン化合物としては、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロビリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロへキシリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等が挙げられる。
また、例えばジエチルアミンのような2級アミノ化合物或いはヘキサメチレンイミンのようなイミン化合物と有機リチウム化合物とから得られるリチウムアミド開始剤を用いて重合させることにより、或いは、該重合により得られたリチウム活性末端を有する重合体の溶液に、さらに上記の変性剤を添加することによっても上記の変性ポリブタジエンゴム及び変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを得ることができる。
この分子鎖中に官能基を導入したポリブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴムも、温度上昇による弾性率の低下を抑制すると共に、シリカ等の補強性無機充填剤を配合したゴム組成物における低発熱性を効果的に改良することもできるので好ましく、特に多官能変性剤を用いることにより得られる分岐構造を有するものが好ましい。また、アルコキシシリル基と共にアミノ基、イミノ基、エポキシ基又はスズ原子を導入した変性ポリブタジエンゴム及び変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムは、補強性充填剤として、上記無機充填剤と共にカーボンブラックを用いた場合に特に有効に適用できる。
上記の分子鎖中に官能基を導入したポリブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴムは上述のビニル結合量が25%以上の未変性もしくは末端変性ポリブタジエンゴム及び未変性もしくは末端変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムと同様の炭化水素溶媒、開始剤、単量体を用いて、同様の重合条件で重合し、各種変性剤で変性することによって製造することができる。
本発明においては、末端変性ポリブタジエンゴム及び末端変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムと分子鎖中に官能基を導入したポリブタジエンゴム及び分子鎖中に官能基を導入したスチレン−ブタジエン共重合体ゴムとを総称して「変性ポリブタジエンゴム等」という。また、未変性ポリブタジエンゴム及び未変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを総称して「未変性ポリブタジエンゴム等」という。さらに、未変性ポリブタジエンゴム等及び変性ポリブタジエンゴム等を総称して「ポリブタジエンゴム等」という。
上記のポリブタジエンゴム等は、重量平均分子量(以下、Mwということがある)が20万から90万であることが好ましい。分子量が小さくなると、加硫ゴム組成物の引張り特性、転がり抵抗性が低下する傾向にあり、大きくなると、未加硫時の加工性が低下する傾向があるからである。Mwを上記の範囲とすることにより、当該ゴム組成物の物性を良好にすることができる。同様の点から、Mwは30万から80万がより好ましく、特に30万から70万が好ましい。
さらに、重合体のMwと数平均分子量の比(Mw/Mn)で表わされる分子量分布は未変性時において1から4であることが好ましい。分子量分布が大きくなると発熱性が低下し、150℃以上の温度領域での弾性率維持は困難となる傾向がある。分子量分布を上記の範囲とすることにより、本発明の効果を十分に発現することができる。同様の点から、分子量分布は1から3であることが好ましい。但し、末端変性により、分子量分布が広がる場合は、4を超えても10以内であればよい。
上記の共役ジエン系重合体の中でも、特に共役ジエンユニットにおけるビニル結合量が25%以上、重量平均分子量(Mw)が20万から90万であり、かつ重量平均分子量と数平均分子量(Mn)の比で表される分子量分布(Mw/Mn)が未変性時で1から4であるポリブタジエンゴム等がより好ましく、さらに、分子中にスズ原子、窒素原子及び珪素原子の少なくとも一種を含む変性ポリブタジエンゴム等であれば特に好ましい。
当該ゴム組成物は、ゴム成分中に前述したポリブタジエンゴム等を50質量%以上含むことが好ましい。上記ポリブタジエンゴム等を多量に用いることにより、温度上昇によるゴム弾性率の低下をより効果的に抑制することができる。同様の点から、上記重合体は60質量%以上、さらに80質量%以上含まれることが好ましい。ゴム成分が上記共役ジエン系重合体のみからなっていてもよい。
当該ゴム組成物において、上記共役ジエン系重合体と混合され得る他のゴム成分は特に限定されるものではないが、例えば天然ゴム(NR)、ポリイソプレン合成ゴム(IR);シス−1,4−ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム等が挙げられる。これらのゴムは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の空気入りラジアルタイヤに用いられるサイド内層ゴムが、上記の特定の動的貯蔵弾性率E'及び損失正接tanδをより好適に満足するためには、当該ゴム組成物は、一般式(I)
1 −S−S−A−S−S−R2 ・・・(I)
(式中Aは炭素数2から10のアルキレン基、R1 及びR2 は、それぞれ独立に窒素原子を含む一価の有機基を示す。)で表される化合物、シトラコンイミド化合物及びアクリレート類化合物から選ばれた少なくとも一種の化合物(以下、これらの化合物を総称して耐熱向上剤という)を含むことが好ましい。これらの耐熱向上剤を用いることにより、特に200から250℃での動的貯蔵弾性率の最小値が、50℃の動的貯蔵弾性率に対して同等(100%)以上であるゴム組成物を効率的に得ることができる。
以下、当該ゴム組成物に好適に配合される上記耐熱向上剤の詳細について説明する。
まず、上記一般式(I)で表される化合物において、Aは炭素数2から10のアルキレン基を示し、このアルキレン基は直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよいが、直鎖状アルキレン基が好ましい。該炭素数2から10の直鎖状アルキレン基の例としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。これらの中で、特に効果の点から、ヘキサメチレン基が好適である。
一方、R1 及びR2 は、それぞれ窒素原子を含む一価の有機基を示し、好ましくは、芳香環を少なくとも一つ含み、かつ窒素原子を含む一価の有機基であり、特に炭素原子がジチオ基に結合した=N−C(=S)−で表される結合基を含むものが好適である。R1 及びR2 は、たがいに同一でも異なっていてもよいが、製造の容易さ等の点から、同一であるのが好ましい。
この一般式(I)で表される化合物としては、例えば一般式(I−a)
Figure 0004950565
で表されるα,ω−ビス(N,N’−ジヒドロカルビルチオカルバモイルジチオ)アルカンを好ましく挙げることができる。
上記一般式(I−a)において、R3 からR6 は、それぞれアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示すが、R3 及びR4 の少なくとも一方、並びにR5 及びR6 の少なくとも一方がアリール基又はアラルキル基であり、nは2から10の整数を示す。
ここで、アルキル基としては、炭素数1から20のものが好ましく、また、直鎖状、枝分かれ状及び環状のいずれであってもよい。このようなアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6から20のものが好ましく、また、環上には、低級アルキル基等の適当な置換基を有していてもよい。このようなアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としては、炭素数7から20のものが好ましく、また、環上には、低級アルキル基等の適当な置換基を有していてもよい。このようなアラルキル基の例としては、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、ジメチルフェネチル基、ナフチルメチル基、(メチルナフチル)メチル基、(ジメチルナフチル)メチル基、ナフチルエチル基、(メチルナフチル)エチル基、(ジメチルナフチル)エチル基等が挙げられる。
このR3 からR6 としては、全てが上記アリール基又はアラルキル基であるのが好ましく、特に全てがベンジル基であるのが、熱老化防止及び製造の容易さ等の点から好適である。このような化合物の例としては、1,2−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)エタン;1,3−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)プロパン;1,4−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ブタン;1,5−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ペンタン;1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン;1,7−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘプタン;1,8−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)オクタン;1,9−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ノナン;1,10−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)デカンを挙げることができる。これらの中で、効果の点から、特に、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンが好適である。
この一般式(I)で表される化合物は、当該ゴム組成物の耐熱性を向上させる効果を発揮するが、その作用は、高温下において架橋切断と平行してより耐熱安定性の高いモノスルフィド架橋を効率的に生成することに起因するものと考えられる。
次に、上記耐熱向上剤として配合されるシトラコンイミド化合物は、効果の点から、ビスシトラコンイミド類が好ましく、該ビスシトラコンイミド類としては、例えば一般式(II)
Figure 0004950565
で表される化合物を好ましく挙げることができる。
この一般式(II)において、Arはアリーレン基を示し、このアリーレン基としては、環上に置換基を有する若しくは有しない炭素数6から20のアリーレン基が好ましい。上記置換基としては、加硫に影響を及ぼすことがなく、かつ170℃以上の高温で安定な基であればよく特に制限されず、例えば低級のアルキル基やアルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等を挙げることができる。該アリーレン基としては、フェニレン基及びナフチレン基等が挙げられ、特にフェニレン基が好適である。
一方、Q1 及びQ2 は、それぞれ炭素数1から4のアルキレン基を示し、このアルキレン基は直鎖状、枝分かれ状のいずれであってもよい。このようなアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基及びブチレン基が挙げられる。該Q1 及びQ2 は、たがいに同一であってもよく、異なっていてもよいが、製造の容易さ等の点から、同一であるのが好ましい。
上記一般式(II)で表される化合物の例としては、1,2−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン;1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン;1,4−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン;1,6−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン;2,3−ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン;2,4−ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン;2,5−ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、2,6−ビス(シトラコンイミドメチル)トルエン、及びこれらに対応するビス(シトラコンイミドエチル)化合物等を挙げることができる。これらの中で、効果の点から、特に1,6−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンが好適である。
この耐熱向上剤のシトラコンイミド化合物は、当該ゴム組成物の耐熱性を向上させる効果を発揮するが、その作用は高温での架橋切断時に発生する主鎖内の共役C=Cに反応し、C−C架橋を早期に生成することに起因するものと考えられる。
さらに、上記耐熱向上剤としてのアクリレート類としては、効果の点から、多価アルコールとアクリル酸との多価エステル、又は多価アルコールとアクリル酸及び他のカルボン酸との多価エステルが好ましく、該多価エステルとしては、例えば一般式(III)
Figure 0004950565
で表される化合物を好ましく挙げることができる。
この一般式(III)において、A1は(p+q)価の多価アルコールの水酸基を除いた残基を示し、Rは水素原子又はアクリロイル基以外のアシル基を示す。このアシル基としては特に制限はないが、飽和若しくは不飽和の炭素数2から20の脂肪族アシル基を好ましく挙げることができる。pは2から10の整数及びqは0から8の整数を示すが、p+q=2から10である。
この一般式(III)で表される化合物の中で、pが3から6の整数及びqが0から3の整数であり、かつp+q=3から6であるものが、効果の点で好ましい。
上記一般式(III)で表されるアクリレート類の形成に用いられる、一般式(IV)
1−(OH)p+q …(IV)
(式中、A1及びp、qは上記と同じである。)
で表される多価アルコールとしては、三から六価のアルコールが好ましく、このようなものとしては、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
上記一般式(III)で表される化合物としては、効果の点から、一分子中にアクリロイル基を3から6個有するジペンタエリスリトールとアクリル酸との多価エステル及び一分子中にアクリロイル基3から5個を有するアシル基変性ジペンタエリスリトールアクリレートが好適である。
このような化合物は、以下に示すように市販品として入手可能である。
例えば、式
Figure 0004950565
a=5、b=1の化合物とa=6、b=0の化合物との混合物)
で表される化合物は、「KAYARAD DPHA」〔商標、日本化薬(株)製〕として、式
Figure 0004950565
(R7 はアルキノイル(Alkynoyl)基を示す。)
で表される化合物は、c=5、d=1の場合「KAYARAD D−310」〔商標、日本化薬(株)製〕として、c=3、d=3の場合「KAYARAD D−330」〔商標、日本化薬(株)製〕として入手することができる。
この耐熱向上剤としてのアクリレート類は、当該ゴム組成物の耐熱性を向上させる効果を発揮するが、その作用は高温での架橋切断時に発生する主鎖内の共役C=Cに反応し、C−C架橋を効果的に生成することに起因するものと考えられる。
また、上記耐熱向上剤の配合量は、当該ゴム組成物のゴム成分100質量部に対し、好ましくは0.5から20質量部の範囲で選定される。この量が0.5質量部未満では熱老化防止の効果が充分に得られず、所望の耐熱性向上効果が発揮されないおそれがある。一方、20質量部を超えると、その量の割には効果の向上はあまり認められず、むしろ経済的に不利となる上、得られるゴム組成物の他の物性が低下する原因となる。熱老化防止効果、ゴム組成物の他の物性及び経済性等を考慮すると、この耐熱向上剤のより好ましい配合量は、0.7から15質量部、特に好ましくは1.0から10質量部の範囲である。
当該ゴム組成物においては、所望により、上記耐熱向上剤と共に、他の熱老化防止剤を適宜併用することができる。この他の熱老化防止剤としては、例えば1,6−ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・二水和物や、一分子中にエステル基を2個以上有する化合物等が挙げられる。
ここで、一分子中にエステル基を2個以上有する化合物としては、特に制限はないが、アクリレート又はメタクリレート、特に、多価アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸との多価エステルが好ましい。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等のアルキレングリコール及びその多量体、さらには、これらのメチロール置換体、ペンタエリスリトール類、多価アルコールのアルキレンオキシド付加物、アルコール性水酸基を2つ以上有するポリエステル類又オリゴエステル類等が挙げられ、その中でも特に好ましいのは、アルキレングリコールのメチロール置換体及びその多量体である。
一分子中に2個以上のエステル基を有する化合物の具体例としては、1,3−ブチレングリコールジアクリレート;1,5−ペンタンジオールジアクリレート;ネオペンチルグリコールジアクリレート;1,6−ヘキサンジオールジアクリレート;ジエチレングリコールジアクリレート;トリエチレングリコールジアクリレート;テトラエチレングリコールジアクリレート;ポリエチレングリコールジアクリレート;ポリプロピレングリコールジアクリレート;ペンタエリスリトールトリアクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート;ペンタエリスリトールテトラアクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート;ジペンタエリスリトールペンタアクリレート;オリゴエステルポリアクリレート;ジプロピレングリコールジメタクリレート;トリメチロールエタントリメタクリレート;トリメチロールプロパントリメタクリレート;ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート;ジペンタエリスリトールトリメタクリレート等が挙げられるが、その中でも特に好ましいのは、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート;ジペンタエリスリトールトリメタクリレート及びトリメチロールプロパントリメタクリレートである。
上記1,6−ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・二水和物は、ゴム成分を構成する重合体の分子間の架橋切断を抑制する作用を有する。一方、上記一分子中に2個以上のエステル基を有する化合物の作用については、次のように考えられる。ゴム組成物の温度が170℃以上になると、ゴムの劣化が始まり、架橋点やポリマー鎖の切断が起こり始めるが、一方で、該化合物によるC−C架橋も進むため、弾性率の低下が抑えられ、その結果、高温下でも発熱が抑制される。
当該ゴム組成物には、補強性充填剤を用いることができる。補強性充填剤としては特に限定されず、通常ゴム業界で用いられるものを適宜選択して用いることができるが、カーボンブラック及び/又はシリカを用いることが好ましい。
カーボンブラックとしては特に限定されず、通常ゴム業界で使用するものから適宜選択することができるが、窒素吸着比表面積(NSA、JIS K 6217−2:2001に準拠する)が50から400m2 /gであることが好ましく、具体的には補強性と耐発熱性とのバランスの観点から、HAF、GPF、FEF等が好ましい。
また、必要に応じ、水酸化アルミニウム、アルミナ水和物(Al2 3 ・3H2 O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2 ・9H2 O),チタン白(TiO2 ),チタン黒(TiO2n-1:nは正の整数),酸化カルシウム(CaO),水酸化カルシウム[Ca(OH)2 ]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al2 3 ),クレー(Al2 3 ・2SiO2 ),カオリン(Al2 3 ・2SiO2 ・2H2 O),パイロフィライト(Al2 3 ・4SiO2 ・H2 O),ベントナイト(Al2 3 ・4SiO2 ・2H2 O),ケイ酸アルミニウム(Al2 SiO5 ,Al4 ・3SiO4 ・5H2 O等),ケイ酸マグネシウム(Mg2 SiO4 ,Mg2 SiO3 等),ケイ酸カルシウム(Ca2 SiO4 等),ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al2 3 ・CaO・2SiO2 等)及びケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4 )等の他の無機充填剤も用いられる。
当該ゴム組成物には、前記の各成分の他に、通常ゴム業界で用いられる硫黄、過酸化物等の加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等の各種配合剤を、適宜含有させることができる。また、当該ゴム組成物は、さらに、各種材質の粒子、繊維、布等との複合体としてもよい。
次に、本発明のタイヤの実施態様を図面に基づき説明する。図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一実施態様の断面を示す模式図である。図1に示す空気入りラジアルタイヤ10は、一対のビード部11及び一対のサイドウォール部12と、両サイドウォール部に連なるトレッド部13とを有し、一対のビード部11間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカス14と、ビード部11内に夫々埋設したビードコア11aのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラー11bと、サイドウォール部12のラジアルカーカス14の内側面に配置した一対のサイド補強層12aとを具え、さらに、サイドウォール部12のラジアルカーカス14とサイドウォール部12の表層をなすサイド外層ゴム12bとの間に、低発熱性のサイド内層ゴム12cを配設してなる空気入りラジアルタイヤである。
上述のように配設されるサイド内層ゴム12cは、図1のように、ビードフィラー11bのタイヤ半径方向最外側端部を中心として該半径方向内外±20mm以内に配置されることが好ましい。ランフラット時にはこの範囲の変形が大きいので、この範囲に低発熱性のゴム組成物を埋設すれば、サイドウォール部の発熱量を低減する効果が顕著であるからである。
図2は、本発明の空気入りラジアルタイヤの他の実施態様の断面を示す模式図である。
図2に示すように、サイド内層ゴムを、ビードベース部11cからトレッド部の端部13aまで延在させるとサイドウォール部の発熱量を低減する効果がより高まり好ましい。
但し、サイド内層ゴム12cの厚さを0.3mm以上で、かつサイド外層ゴム12bとサイド内層ゴム12cとの総厚みの80%以下とするのが好ましい。0.3mm以上であれば、サイドウォール部の発熱量を低減する効果がより高まり、サイド内層ゴム12cの厚さが、サイド外層ゴム12bとサイド内層ゴム12cとの総厚みの80%以下であれば、サイドウォール部表層をなすサイド外層ゴム12bの耐クラック性や耐カット性を低下させないからである。
なお、サイド補強層12aは、通常、断面三日月状であるが、その断面形状はサイド補強の機能を有するものであれば特に限定されない。サイド補強層12aの最大厚さは6〜13mmが好ましい。
当該ゴム組成物は、通常のバンバリーミキサー、インターナルミキサー又はロールにより混練し、製造することができる。また、本発明の空気入りラジアルタイヤは、通常の成型機及び加硫機により製造することができる。
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、サイド内層ゴムの動的貯蔵弾性率E'及び損失正接tanδ並びに供試タイヤのランフラット耐久性、乗り心地性、低燃費性、サイド耐クラック性及びサイド耐カット性は、下記の方法に従って測定した。
(1)動的貯蔵弾性率E'及び損失正接tanδ
サイド内層ゴム組成物を160℃、12分間の条件で加硫して得られた厚さ2mmのスラブシートから、幅5mm及び長さ40mmのシートを切り出し、試料とした。この試料について、上島製作所(株)製スペクトロメーターを用い、チャック間距離10mm、初期歪200μm、動的歪1%、周波数52Hz、測定開始温度25℃、昇温速度3℃/分、測定終了温度250℃の条件で測定した。
(2)ランフラット耐久性
各供試タイヤを常圧でリム組みし、内圧230kPaを封入してから38℃の室温中に24時間放置後、バルブのコアを抜き内圧を大気圧として、荷重4.17kN(425kg)、速度89km/h、室温38℃の条件でドラム走行テストを行なった。各供試タイヤの故障発生までの走行距離を測定し、比較例1の走行距離を100として、指数表示した。指数が大きい程、ランフラット耐久性が良好である。
(3)乗り心地性
各供試タイヤを乗用車に装着し、専門のドライバー2名により乗り心地性のフィーリングテストを行い、10点評価法により1から10までの評点を付けその平均値を求めた。評価結果は、比較例1を100とする指数表示で表した。数値が大きい程、乗り心地性が良好である。
(4)低燃費性
日本自動車タイヤ協会(JATMA)規定による室内転がり抵抗試験に準拠して行ない、転がり抵抗の逆数を低燃費性の指標とした。比較例1を100として指数表示した。数値が大きい程、低燃費性が良好である。
(5)サイド耐クラック性
上述のランフラット耐久性試験後の供試タイヤのサイド外観を評価し、クラックが発生していなかったタイヤを○、クラックがわずかに発生していたタイヤを△、クラックが△のタイヤと比較して劣ると判断できる程発生していたタイヤを×と評価した。
(6)サイド耐カット性
1辺が10cmの石材からなる四角柱に入射角30°、時速30kmでタイヤ を乗り上げさせる。この試験を3回繰り返し、サイド部にカットが発生しない場合、タイヤ の空気圧を10kPa低下させ、同様の試験を繰り返す。内圧200kPaから試験を開始し、サイド部にカットが発生した内圧で耐サイドカット性を評価する。比較例1のタイヤ のカット発生内圧をa0(kPa)、試験タイヤのカット発生内圧をa(kPa)とし、下記式から耐サイドカット性指数を算出する。指数値が大きい程、耐サイドカット性が良好であることを示す。
耐サイドカット性指数=(a0/a)×100 (指数)
製造例1 変性ポリブタジエンゴムの製造
乾燥し、窒素置換された温度調整ジャッケットつき8リットルの耐圧反応装置に、シクロヘキサン3kg、ブタジエン単量体500g、0.225mmolのジテトラヒドロフリルプロパン(DTHFP)を注入し、4.5mmolのn−ブチルリチウム(BuLi)を加えた後、40℃の開始温度で1時間重合を行なった。重合は、昇温条件下で行ない最終温度が75℃を超えないようにジャッケット温度を調整した。重合系は重合開始から終了まで、全く沈澱は見られず均一に透明であった。重合転化率は、ほぼ100%であった。この未変性時の重合体の分子量分布は1.1であった。
この重合系に、末端変性剤としてSnCl4 (TTC、1モル/リットルのMシクロヘキサン溶液)を0.11ミリリットル加えた後、30分間変性反応を行なった。この後重合系に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液0.5ミリリットルを加えて反応を停止させ、常法に従い重合体を乾燥して変性ポリブタジエンゴムを得た。赤外法(モレロ法)によるビニル結合含有量は25%であり、GPC法によるポリスチレン換算の重量平均分子量は200,000、分子量分布は2.8であった。
実施例1〜4及び比較例1〜4
表1に示す配合組成の3種類のゴム組成物を調製した。これら3種類のゴム組成物につき、動的貯蔵弾性率E'及び損失正接tanδを測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004950565
[注]
*1:ニッケル触媒ポリブタジエンゴム、JSR(製)「BR−01」
*2:1,6−ビス(N,N'−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、BAYER社製「(商標)VULCUREN TRIAL PRODUCT KA9188」
*3:HAF、東海カーボン(株)製「(商標)シースト3」、窒素吸着比表面積(N2SAが79m2/g、ジブチルフタレート吸油量が101cm3/100g。
*4:出光興産(株)製「(商標)ダイアナプロセスオイル NPー24」
*5:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業(株)製「(商標)ノクラック6C」
*6:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、大内新興化学工業社製「(商標)ノクセラーNS」
次に、表2に示すサイドウォール部の配置にて、実施例1〜4及び比較例1〜4の8種類のタイヤサイズ225/45R17のランフラット空気入りラジアルタイヤを調製した。比較例1〜4のタイヤは、通常のサイドゴムがサイド外層ゴムのみの一層構造であり、比較例1及び2のタイヤには通常のサイドゴム組成物Aを、比較例3のタイヤには低発熱サイドゴム組成物Bを、比較例4のタイヤには熱硬化性低発熱サイドゴム組成物Cを用いた。一方、実施例1〜4のタイヤは、サイド外層ゴム及びサイド内層ゴムを具えたサイド内外層二層構造であり、いずれもサイド内層ゴムの25℃における損失正接tanδはサイド外層ゴムより低い。
実施例1〜3のタイヤのサイド外層ゴムには通常のサイドゴム組成物Aを、実施例4のタイヤのサイド外層ゴムには低発熱サイドゴム組成物Bを用いた。また、実施例1のタイヤのサイド内層ゴムには低発熱サイドゴム組成物Bを、実施例2〜4のタイヤのサイド内層ゴムには熱硬化性低発熱サイドゴム組成物Cを用いた。実施例1、2及び4のタイヤはサイド内層ゴムがビードベース部からトレッド部の端部まで延在する図2に示す配置を、実施例3のタイヤはサイド内層ゴムがビードフィラーのタイヤ半径方向最外側端部を中心として該半径方向内外±20mm以内に埋設された図1に示す配置をとった。なお、ビードフィラーのタイヤ半径方向最外側端部での、サイド補強層の厚さは、実施例1〜4並びに比較例1、3及び4のタイヤでは10mm、比較例2のタイヤでは12mmとした。これら8種類のタイヤにつき、ランフラット耐久性、乗り心地性、低燃費性、サイド耐クラック性及びサイド耐カット性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0004950565
表2から分かるように、本発明の空気入りラジアルタイヤは、乗り心地及び低燃費性を低下させないで、ランフラット耐久性を大幅に改良している。
本発明の空気入りラジアルタイヤは、ランフラットタイヤとして乗用車、軽乗用車、小型トラック、小型バス、軽トラック等の各種車両に好適に用いられる。
本発明の空気入りラジアルタイヤの一実施態様の断面を示す模式図である。 本発明の空気入りラジアルタイヤの他の実施態様の断面を示す模式図である。
符号の説明
10 空気入りラジアルタイヤ
11 ビード部
11a ビードコア
11b ビードフィラー
11c ビードベース部
12 サイドウォール部
12a サイド補強層
12b サイド外層ゴム
12c サイド内層ゴム
13 トレッド部
13a トレッド部の端部
14 ラジアルカーカス

Claims (8)

  1. 一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とを有し、該一対のビード部間にトロイド状に延在して、これら各部を補強するラジアルカーカスと、該ビード部内に夫々埋設したビードコアのタイヤ半径方向外側に配置したビードフィラーと、該サイドウォール部の該カーカスの内側面に配置した一対のサイド補強層とを具えた空気入りラジアルタイヤにおいて、該サイドウォール部の該カーカスと該サイドウォール部の表層をなすサイド外層ゴムとの間に、25℃における損失正接tanδが該サイド外層ゴムより低いサイド内層ゴムを配設することを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. サイド内層ゴムの150℃における動的貯蔵弾性率E'が25℃における動的貯蔵弾性率E'より0.7MPa以上大きいことを特徴とする請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  3. サイド内層ゴムの25〜250℃における損失正接tanδの最大値が0.08以下である請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  4. サイド内層ゴムの150〜250℃における損失正接tanδの最大値が0.05以下である請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. サイド内層ゴムが、ビニル結合含有量〔赤外法(モレロ法)による〕25%以上、重量平均分子量〔GPC法によるポリスチレン換算〕200,000〜900,000及び未変性時の分子量分布〔GPC法によるポリスチレン換算〕1〜4であるポリブタジエンゴム及び/又はスチレン−ブタジエン共重合体ゴムをゴム成分中に50質量%以上含む請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  6. サイド内層ゴムが、ビードフィラーのタイヤ半径方向最外側端部を中心として該半径方向内外±20mm以内に配置された請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  7. サイド内層ゴムが、ビードベース部からトレッド部の端部まで延在する請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
  8. サイド内層ゴムの厚さが0.3mm以上で、かつサイド外層ゴムとサイド内層ゴムとの総厚みの80%以下である請求項6又は7に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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