JP2017145342A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低燃費性、ゴム破壊強度、耐摩耗性、引裂き特性、耐熱性、耐オゾン性がバランス良く改善された空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤであって、前記ゴム組成物が、第一の重合体及び第二の重合体を含み、前記第一の重合体が、芳香族ビニル化合物に基づく構成単位及び共役ジエン化合物に基づく構成単位を有し、共役ジエン部の水素添加率が75モル%以上の水添共重合体であり、前記第二の重合体が、二重結合を有するジエン部の含有量が20質量%以下、重量平均分子量が20万〜200万の重合体である空気入りタイヤ。
【選択図】なし

Description

本発明は、所定のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
近年、環境問題への関心の高まりから、自動車に対して低燃費化の要求が強くなっており、自動車用タイヤに用いるゴム組成物に対しても、低燃費性に優れることが求められている。自動車タイヤ用のゴム組成物としては、ポリブタジエンやブタジエン−スチレン共重合体などの共役ジエン系重合体と、カーボンブラックやシリカなどの充填剤とを含有するゴム組成物などが用いられている。
低燃費性を改善する方法として、例えば、特許文献1では、アミノ基及びアルコキシ基を含有する有機ケイ素化合物で変性されたジエン系ゴム(変性ゴム)を用いる方法が提案されている。このような従来技術により低燃費性は改善されるものの、経済性及び安全性の観点からは、耐摩耗性及び破壊特性(ゴム破壊強度)を充分に確保することも重要な課題である。上記課題に対し、従来技術では、低燃費性に対して背反性能となる耐摩耗性が充分でなく、また、ゴム欠けを引き起こしてしまう問題があり、低燃費性と、ゴム破壊強度、耐摩耗性とをともに改善するのは困難である。
また、タイヤは、走行中に発生する熱や空気中のオゾンによる劣化を防止するため、老化防止剤やワックスが配合されている。しかしながら、タイヤの長寿命化のために老化防止剤やワックスを増量すると、これらがタイヤ表面に移行し、タイヤの外観不良が引き起こされるおそれがある。そのため、老化防止剤やワックスを増量させることなく、耐熱性や耐オゾン性を改善する方法が求められている。
一方、特許文献2では、ゴム破壊強度、耐摩耗性等を改善する技術として、ジエン系水素添加重合体を用いる方法が提案されている。
特開2000−344955号公報 特開平2−147647号公報
特許文献2の方法では、良好な低燃費性を確保しながら、ゴム破壊強度、耐摩耗性を改善することができる。また、本発明者らが検討したところ、耐熱性や耐オゾン性についての改善も見られた。
ここで、特許文献2の方法で使用されるジエン系水素添加重合体(以下においては、水添共重合体ともいう)は、通常、タイヤ材料として用いられる汎用ゴム(天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムなど)と比較して加硫速度が遅いため、汎用ゴムと併用すると、加硫の際に汎用ゴムが優先的に加硫されてしまい、水添共重合体によるゴム破壊強度や耐摩耗性の改善効果が得られなくなる。よって、水添共重合体を使用する場合、単独で使用することが一般的である。しかしながら、本発明者らの検討の結果、ゴム成分として水添共重合体のみを使用した配合は、一般的な配合と比較して、引裂き特性が悪く、耐クラック性が劣ることが判明した。
また、本発明者らの更なる検討の結果、水添共重合体と汎用ゴムとを併用すると、相構造が形成され、ゴムに加わった力が均一に拡散しなくなることで、引裂き特性を改善できることが判明した。しかしながら、この場合、前記のとおり、水添共重合体と汎用ゴムの加硫速度の違いにより、水添共重合体によるゴム破壊強度や耐摩耗性の改善効果が得られなくなる。更に、水添共重合体による耐熱性や耐オゾン性の改善効果も損なわれる傾向がある。
このように、従来の方法では、低燃費性、ゴム破壊強度、耐摩耗性、引裂き特性、耐熱性、耐オゾン性をバランス良く改善することが困難である。
本発明は、上記課題を解決し、低燃費性、ゴム破壊強度、耐摩耗性、引裂き特性、耐熱性、耐オゾン性がバランス良く改善された空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤであって、前記ゴム組成物が、第一の重合体及び第二の重合体を含み、前記第一の重合体が、芳香族ビニル化合物に基づく構成単位及び共役ジエン化合物に基づく構成単位を有し、共役ジエン部の水素添加率が75モル%以上の水添共重合体であり、前記第二の重合体が、二重結合を有するジエン部の含有量が20質量%以下、重量平均分子量が20万〜200万の重合体である空気入りタイヤに関する。
前記第一の重合体の重量平均分子量が20万〜200万であることが好ましい。
前記第一の重合体の水素添加率が90モル%以上であることが好ましい。
前記第一の重合体が水添スチレンブタジエン共重合体であることが好ましい。
前記第一の重合体が水添変性スチレンブタジエン共重合体であることが好ましい。
前記第一の重合体のスチレン含有量が5〜40質量%であることが好ましい。
前記第二の重合体が、前記第一の重合体とミクロ構造が異なる水添共重合体、水添ブタジエン重合体、エチレンプロピレンジエンゴム及びハロゲン化ブチルゴムからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本発明によれば、特定の水添共重合体(第一の重合体)と、特定の重合体(第二の重合体)とを含むゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤであるので、低燃費性、ゴム破壊強度、耐摩耗性、引裂き特性、耐熱性、耐オゾン性がバランス良く改善された空気入りタイヤを提供できる。
本発明の空気入りタイヤは、芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を共重合して得られた、芳香族ビニル化合物に基づく構成単位及び共役ジエン化合物に基づく構成単位を有する共重合体(以下においては、芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物の共重合体ともいう)の共役ジエン部(共役ジエン化合物に基づく構成単位)が水素添加され、水素添加率が75モル%以上である水添共重合体(第一の重合体)と、二重結合を有するジエン部の含有量と、重量平均分子量とが特定の範囲内である重合体(第二の重合体)とを含むゴム組成物を用いて作製したものである。
本発明におけるゴム組成物は、ゴム成分として、芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物の共重合体の共役ジエン部が水素添加され、水素添加率が75モル%以上である水添共重合体(第一の重合体)を含んでいる。これにより、低燃費性を良好に維持又は改善しつつ、ゴム破壊強度及び耐摩耗性を改善できる。また、良好な耐熱性及び耐オゾン性も得られる。
そして、本発明におけるゴム成物は更に、二重結合を有するジエン部の含有量と、重量平均分子量とが特定の範囲内である重合体(第二の重合体)を含んでいる。これにより、ゴム組成物中に相構造を形成し、良好な引裂き特性を確保することができる。また、第二の重合体は、汎用ゴムとは異なり、加硫速度が第一の重合体と同程度であることから、配合しても、第一の重合体によるゴム破壊強度や耐摩耗性の改善効果が損なわれないという利点もある。これらの作用により、低燃費性、ゴム破壊強度、耐摩耗性、引裂き特性、耐熱性、耐オゾン性がバランス良く改善された空気入りタイヤを提供することが可能となる。
本発明におけるゴム組成物は、ゴム成分として、芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物の共重合体の共役ジエン部が水素添加された水添共重合体(第一の重合体)を含んでいることを特徴としている。通常のゴムは、架橋の反応点となる二重結合部が多数存在するため、架橋の疎密が発生してしまい、この架橋疎密が応力集中による破壊の起点になると考えられる。本発明では、水添処理により二重結合部を減らすことで、架橋の反応点を減らしている。これにより、架橋疎密が低減され、応力集中が緩和されることで、耐摩耗性等が向上すると予想される。
芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、モノマーの入手容易性などの実用面の観点及び本発明の効果がより好適に得られるという理由からスチレンが特に好ましい。
共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、モノマーの入手容易性などの実用面の観点及び本発明の効果がより好適に得られるという理由から1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。
芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物の共重合体としては、スチレン及び1,3−ブタジエンの共重合体(スチレンブタジエン共重合体)が好ましい。従って、水添共重合体としては、水添スチレンブタジエン共重合体が好ましい。更に、水添スチレンブタジエン共重合体は、後述の方法で変性された水添変性スチレンブタジエン共重合体であることが好ましい。
上記スチレンブタジエン共重合体は、スチレン及び1,3−ブタジエンを共重合させるものである限り、共重合させる順序に特に限定はなく、ランダム共重合でもブロック共重合でもよいが、ランダム共重合が好ましい。スチレンブタジエン共重合体以外の芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物の共重合体の場合も同様である。
水添共重合体の水素添加率(芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物の共重合体の共役ジエン部に対して水素添加された割合)は75モル%以上であり、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは93モル%以上である。水素添加率が75モル%未満では、ゴム破壊強度及び耐摩耗性の改善が困難である。また、水添共重合体の水素添加率は、好ましくは99モル%以下、より好ましくは98モル%以下である。水素添加率が99モル%を超えると、ゴム組成物が硬くなるおそれがある。
なお、水素添加率は、H−NMRを測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から計算することができる。
水添共重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは20万以上、より好ましくは40万以上である。Mwが20万未満では、良好なゴム破壊強度及び耐摩耗性が得られないおそれがある。また、水添共重合体のMwは、好ましくは200万以下、より好ましくは100万以下、更に好ましくは70万以下である。Mwが200万を超えると、加工性が低下する傾向がある。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
水添共重合体のガラス転移温度(Tg)は、−45℃以上が好ましく、−35℃以上がより好ましく、−30℃以上が更に好ましい。Tgが−45℃未満であると、ゴムの破壊強度が低下してしまうおそれがある。また、水添共重合体のTgは、−10℃未満が好ましく、−12.5℃未満がより好ましく、−13℃未満が更に好ましく、−15℃未満がより更に好ましく、−17.5℃未満が特に好ましく、−20℃未満が最も好ましい。Tgが−10℃以上であると、0℃以下の低温下でゴムが硬化し、耐摩耗性、ゴム破壊強度等の耐久性が悪化するおそれがある。
なお、水添共重合体のガラス転移温度(Tg)は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
水添共重合体が水添スチレンブタジエン共重合体である場合、水添スチレンブタジエン共重合体のスチレン含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、特に好ましくは20質量%以上であり、最も好ましくは25質量%以上である。スチレン含有量が5質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。また、水添スチレンブタジエン共重合体のスチレン含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。スチレン含有量が40質量%を超えると、充分なゴム破壊強度及び耐摩耗性が得られず、低燃費性も悪化するおそれがある。スチレン含有量が上記範囲内であると、本発明の効果がより好適に得られる。
なお、スチレン含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
水素添加する前の水添共重合体のビニル基含有量は、好ましくは15質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは35質量%以上である。15質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。また、水素添加する前の水添共重合体のビニル基含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。80質量%を超えると、充分な低燃費性や耐摩耗性が得られないおそれがある。
なお、ビニル基含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
上記水添共重合体は、例えば、芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を重合して得られた重合体に水素添加処理を施すことで合成でき、具体的には以下の方法で合成できる。
<共重合体の製造方法>
(重合方法)
芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物の共重合体の重合方法については特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。
溶液重合法を用いた場合には、溶媒中のモノマー濃度(スチレンブタジエン共重合体の場合はスチレン、1,3−ブタジエンの合計)は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。溶液中のモノマー濃度が5質量%未満では、得られる共重合体の量が少なく、コストが高くなる傾向がある。また、溶媒中のモノマー濃度は50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。溶媒中のモノマー濃度が50質量%を超えると、溶液粘度が高くなりすぎて撹拌が困難となり、重合しにくくなる傾向がある。
(アニオン重合における重合開始剤)
アニオン重合を行う場合、重合開始剤としては特に制限はないが、有機リチウム化合物が好ましく用いられる。前記有機リチウム化合物としては、炭素数2〜20のアルキル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルーフェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物などが挙げられるが、これらの中で、入手容易性、安全性等の観点からn−ブチルリチウムまたはsec−ブチルリチウムが好ましい。
また、重合反応は、上記の有機リチウム化合物のうち少なくともいずれかと、シリカと相互作用する官能基を有する化合物(B1)とを混合して得られる化合物(R)の存在下で行ってもよい。当該化合物(R)の存在下で重合を行うことにより、共重合体の重合開始末端に、シリカと相互作用を有する官能基を導入することができる。これにより、開始末端が変性された共重合体が得られる。なお、本明細書において「相互作用」とは、分子間で共有結合を形成するか、又は共有結合よりも弱い分子間力(例えば、イオン−双極子相互作用、双極子−双極子相互作用、水素結合、ファンデルワールス力等といった分子間に働く電磁気学的な力)を形成することを意味する。また、「シリカと相互作用する官能基」は、窒素原子、硫黄原子、リン原子、酸素原子などのシリカと相互作用する原子を少なくとも1つ有する基を示す。
上記化合物(R)としては、中でも有機リチウム化合物と、第2級アミン化合物などの窒素含有化合物との反応生成物であることが好ましい。当該窒素含有化合物の具体例としては、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ドデカメチレンイミン、N,N’−ジメチル−N’−トリメチルシリル−1,6−ジアミノヘキサン、ピペリジン、ピロリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジ−(2−エチルヘキシル)アミン、ジアリルアミン、モルホリン、N−(トリメチルシリル)ピペラジン、N−(tert−ブチルジメチルシリル)ピペラジン、1,3−ジトリメチルシリル−1,3,5−トリアジナン等が挙げられる。なお、化合物(R)の存在下で重合を行う場合、有機リチウム化合物と、化合物(B1)とを予め混合することにより化合物(R)を調製し、その調製した化合物(R)を重合系中に添加して重合を行ってもよい。あるいは、重合系中に、有機リチウム化合物と、化合物(B1)とを添加し、重合系中で両者を混合することにより化合物(R)を調製して重合を行ってもよい。
(アニオン重合の方法)
前記重合開始剤を用いてアニオン重合し、共重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、例えばブチルリチウムを重合開始剤とし、必要に応じてランダマイザーの存在下でスチレン及び1,3−ブタジエン等をアニオン重合させることにより、スチレンブタジエン共重合体等の目的の共重合体を得ることができる。
(アニオン重合における炭化水素系溶剤)
前記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(アニオン重合におけるランダマイザー)
また、前記ランダマイザーとは、共重合体中の共役ジエン部分のミクロ構造制御、例えばブタジエンにおける1,2−結合、イソプレンにおける3,4−結合の増加など、あるいは共重合体におけるモノマー単位の組成分布の制御、例えばスチレンブタジエン共重合体におけるスチレン単位、ブタジエン単位のランダム化などの作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを用いることができる。例えば、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタンなどのエーテル類及び第三級アミン類などを挙げることができる。また、カリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシドなどのカリウム塩類、ナトリウム−t−アミレートなどのナトリウム塩類も用いることができる。これらのランダマイザーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ランダマイザーの使用量は、有機リチウム化合物1モル当たり、0.01モル当量以上が好ましく、0.05モル当量以上がより好ましい。ランダマイザーの使用量が0.01モル当量未満では、添加効果が小さく、ランダム化しにくい傾向がある。また、ランダマイザーの使用量は、有機リチウム化合物1モル当たり1000モル当量以下が好ましく、500モル当量以下がより好ましい。ランダマイザーの使用量が1000モル当量を超えると、モノマーの反応速度が大きく変化してしまい、逆にランダム化しにくくなる傾向がある。
ランダマイザーの種類や使用量を調整することにより、共重合体のTgを調整することができる。例えば、テトラヒドロフランの量を減量することにより、共重合体のTgを低くできる。
(反応温度)
アニオン重合の際の反応温度は、好適に反応が進行する限り特に限定はないが、通常−10℃〜100℃であることが好ましく、25℃〜70℃であることがより好ましい。
(変性工程)
上記重合の工程により得られた共重合体の活性末端と、シリカと相互作用する官能基を有する化合物(B2)とを反応させる工程により、共重合体の重合終了末端に、シリカと相互作用する官能基を導入することができる。これにより、重合終了末端が変性された共重合体が得られる。なお、本発明において末端とは、分子鎖の端に存在する、炭素−炭素二重結合を有するモノマーに由来する構造以外の部分を意味する。
上記変性反応(以下、末端変性反応ともいう。)に用いる共重合体は、活性末端を有している限り、重合開始末端が未変性のものでもよいし、変性されたものでもよい。また、化合物(B2)としては、シリカと相互作用する官能基を有し、かつ重合活性末端と反応し得る化合物であれば特に限定しない。化合物(B2)の好ましい具体例としては、例えば
(I)下記式(1)で表される化合物(B2−1);
Figure 2017145342
(式(1)中、Aは、窒素原子、リン原子及び硫黄原子からなる群より選択される少なくとも一種の原子を有し、活性水素を有さず、かつRに対して窒素原子、リン原子又は硫黄原子で結合する1価の官能基である。R及びRはヒドロカルビル基であり、Rはヒドロカルビレン基であり、nは0〜2の整数である。但し、R及びRが複数存在する場合、複数のR及びRは、それぞれ同じでも異なっていてもよい。)
(II)分子中に、環状エーテル基、(チオ)カルボニル基及びイソ(チオ)シアナート基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基(x1)と、窒素原子、リン原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選択される少なくとも一種の原子(但し、窒素原子、リン原子及び硫黄原子は、少なくともいずれかが3置換のヒドロカルビルシリル基で保護されていてもよい。)を有し、かつ活性水素を有していない、前記官能基(x1)とは異なる基(x2)と、を各々1つ以上有する化合物(B2−2);
(III)分子中に、イソ(チオ)シアナート基を2つ以上有する化合物(B2−3);
等が挙げられる。化合物(B2)としては、これらを一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。なお、本明細書において、(チオ)カルボニル基は、カルボニル基及びチオカルボニル基を示し、イソ(チオ)シアナート基は、イソシアナート基及びイソチオシアナート基を示す。
上記式(1)において、R及びRのヒドロカルビル基としては、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
は、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルカンジイル基、炭素数3〜20のシクロアルキレン基又は炭素数6〜20のアリーレン基であることが好ましい。
nは、共重合体との反応性を高める観点から、0又は1が好ましい。
は、窒素原子、リン原子及び硫黄原子からなる群より選択される少なくとも一種の原子(以下、特定原子ともいう。)を有し、これら特定原子でRに結合する。特定原子は活性水素に結合しておらず、例えば3置換のヒドロカルビルシリル基等で保護されていてもよい。なお、ここでいう「活性水素」とは、炭素原子以外の原子に結合した水素原子をいい、好ましくはポリメチレンの炭素−水素結合よりも結合エネルギが低いものを指す。
は、中でも、オニウム塩生成剤によってオニウムイオンになり得る基であることが好ましい。化合物(B2)がこのような基(A)を有することにより、変性共重合体に対して優れた形状保持性を付与することができる。
の具体例としては、例えば1級アミノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、2級アミノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、3級アミノ基、イミノ基、ピリジル基、1級ホスフィノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなるリン含有基、2級ホスフィノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなるリン含有基、3級ホスフィノ基、及び、チオール基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる硫黄含有基等が挙げられる。これらの中でも、シリカとの親和性が良好である観点から、窒素原子を有する基であることが好ましい。なお、「保護基」とは、Aを重合活性末端に対して不活性な官能基に変換しておく官能基であり、例えば3置換のヒドロカルビルシリル基等が挙げられる。
上記化合物(B2−1)の具体例としては、1級アミンの2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、2級アミンの1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、又は3級アミノ基と、アルコキシシリル基とを有する化合物として、例えば、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N’,N’−トリス(トリメチルシリル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジノ)プロピルメチルジメトキシシラン、等を挙げることができる。
イミノ基又はピリジル基と、アルコキシシリル基とを有する化合物としては、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン及びこれらのトリエトキシシリル化合物に対応するトリメトキシシリル化合物、メチルジエトキシシリル化合物、エチルジメトキシシリル化合物、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−イミダゾール、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−イミダゾール、3−ヘキサメチレンイミノプロピルトリメトキシシラン、3−ヘキサメチレンイミノプロピルメチルジメトキシシラン、並びに上記化合物中のアルキル基、アルカンジイル基を、各々炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルカンジイル基に置き換えた化合物等が挙げられる。
1級ホスフィノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなるリン含有基、2級ホスフィノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなるリン含有基、3級ホスフィノ基、又はチオール基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる硫黄含有基と、アルコキシシリル基とを有する化合物としては、P,P−ビス(トリメチルシリル)ホスフィノプロピルメチルジメトキシシラン、P,P−ビス(トリメチルシリル)ホスフィノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルフォスフィノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルフォスフィノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ジフェニルフォスフィノプロピルトリメトキシシラン、3−ジフェニルフォスフィノプロピルトリエトキシシラン、3−ジフェニルフォスフィノプロピルメリルジメトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルトリメトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルトリエトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、及び上記化合物中のアルキル基、アルカンジイル基を、各々炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルカンジイル基に置き換えた化合物等を挙げることができる。その他、イソ(チオ)シアナート基を有する化合物として、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
上記化合物(B2−2)は、上記基(x2)が、活性水素に結合していない窒素原子を含む基であることが好ましく、その具体例としては、環状エーテル基を有する化合物として、例えばテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のエポキシアミン化合物などを;
(チオ)カルボニル基を有する化合物として、例えば4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン等の4−アミノアセトフェノン;1,7−ビス(メチルエチルアミノ)−4−ヘプタノン等のビス(ジヒドロカルビルアミノアルキル)ケトン;2−ジメチルアミノエチルアクリレート等のジヒドロカルビルアミノアルキル(メタ)アクリレート;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のヒドロカルビルイミダゾリジノン;1−フェニル−2−ピロリドン等のN−ヒドロカルビルピロリドン;N−メチル−ε−カプロラクタム等のN−ヒロドカルビルカプトラクタム;N,N−ジエチルホルムアミド等のN−ジヒドロカルビルホルムアミド;N,N−ジメチルアセトアミド等のN,N−ジヒドロカルビルアセトアミド;N,N−ジメチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;などを;
イソ(チオ)シアナート基を有する化合物として、例えば3−イソシアナトプロピルトリメトキシシランなどを;挙げることができる。
上記化合物(B2−3)としては、例えば2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、トリス(イソシアナートフェニル)チオホスフェート、キシレンジイソシアナート、ベンゼン−1,2,4−トリイソシアナート、ナフタレン−1,2,5,7−テトライソシアナート、1,4−フェニレンジイソチオシアナートなどを挙げることができる。
化合物(B2)としては、シリカとの親和性が強い点において、特に化合物(B2−1)を用いることが好ましい。なお、シラン化合物(B2−1)を用いる場合、変性共重合体のムーニー粘度を調整する目的で、シラン化合物(B2−1)と共に、四塩化ケイ素、エポキシ含有化合物(例えば、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンなど)などを用いてもよい。上記で例示した化合物(B2)は、重合終了末端が変性された変性共重合体を得ることが可能である点において、いずれも同様の作用を有するものである。したがって、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。なお、上記式(1)で表される化合物と変性共重合体との反応によって下記式(1−1)で表される構造が重合体末端に導入される。
Figure 2017145342
(一般式(1−1)中、Rは水素原子またはヒドロカルビル基であり、複数存在するRは同じであっても異なっていてもよい。Rのヒドロカルビル基としては、上記式(1)のR及びRのヒドロカルビル基と同様のものが挙げられる。A、R、R及びnは上記式(1)のA、R、R及びnと同義である。)
上記の末端変性反応は、例えば溶液反応として行うことができる。この溶液反応は、上記重合工程における重合反応の終了後の未反応モノマーを含む溶液を用いて行ってもよく、当該溶液に含まれる共重合体を単離し、シクロヘキサン等の適当な溶媒に溶解した上で行ってもよい。また、末端変性反応は、回分式及び連続式のいずれを用いて行ってもよい。このとき、化合物(B2)の添加方法は特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、連続的に添加する方法などが挙げられる。
末端変性反応に使用する化合物(B2)の量は、反応に使用する化合物の種類に応じて適宜設定すればよいが、重合開始剤が有する重合反応に関与する金属原子に対し、好ましくは0.1モル当量以上、より好ましくは0.3モル当量以上である。0.1モル当量以上とすることにより、変性反応を充分に進行させることができ、シリカの分散性を好適に改良することができる。
末端変性反応の温度は、通常、上記重合反応の温度と同じであり、−20〜150℃であることが好ましく、0〜120℃であることがより好ましく、20〜100℃であることが特に好ましい。変性反応の温度が低いと、変性共重合体の粘度が上昇する傾向がある。一方、変性反応の温度が高いと、重合活性末端が失活しやすくなる。変性反応の反応時間は、好ましくは1分〜5時間であり、より好ましくは2分〜1時間である。
(反応停止)
上記アニオン重合は、この分野で通常使用する反応停止剤の添加により、停止させることができる。そのような反応停止剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコールまたは酢酸などの活性プロトンを有する極性溶媒およびこれらの混液、またはそれらの極性溶媒とヘキサン、シクロヘキサンなどの無極性溶媒との混液が挙げられる。反応停止剤の添加量は、通常、アニオン重合開始剤に対し、同モル量もしくは2倍モル量程度で充分である。
<カップリング>
上記共重合体の製造方法においては、単量体の重合開始から、後述する重合体の回収までに、共重合体の炭化水素溶液にカップリング剤を添加してもよい。カップリング剤としては、下記式(2−1)で表される化合物を挙げることができる。
ML4−a (2−1)
(式(2−1)中、Rはアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基またはアリール基を表し、Mはケイ素原子またはスズ原子を表し、Lはハロゲン原子またはヒドロカルビルオキシ基を表し、aは0〜2の整数を表す。)
上記式(2−1)で表されるカップリング剤としては、四塩化ケイ素、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、四塩化スズ、メチルトリクロロスズ、ジメチルジクロロスズ、トリメチルクロロスズ、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエトキシジエチルシランなどを挙げることができる。
カップリング剤の添加量は重合体の加工性を高めるために、アルカリ金属触媒由来のアルカリ金属1mol当たり、好ましくは0.03mol以上、より好ましくは0.05mol以上である。また低燃費性を高めるために、好ましくは0.4mol以下、より好ましくは0.3mol以下である。
<水素添加方法>
水添共重合体の製造方法においては、これまでに説明した共重合体を水素添加して、水素添加率が75モル%以上の水添共重合体を得る。共重合体を水素添加することによって、耐熱性が向上するという利点がある。また、水素添加率が低いと、ゴム破壊強度及び耐摩耗性の改善効果が充分に得られない。
水素添加の方法、反応条件については特に限定はなく、公知の方法、公知の条件で水素添加すればよい。通常は、20〜150℃、0.1〜10MPaの水素加圧下、水添触媒の存在下で実施される。なお、水素添加率は、水添触媒の量、水添反応時の水素圧力、反応時間等を変えることにより、任意に選定することができる。水添触媒として、通常は、元素周期表4〜11族金属のいずれかを含む化合物を用いることができる。例えば、Ti、V、Co、Ni、Zr、Ru、Rh、Pd、Hf、Re、Pt原子を含む化合物を水添触媒として用いることができる。より具体的な水添触媒としては、Ti、Zr、Hf、Co、Ni、Pd、Pt、Ru、Rh、Re等のメタロセン系化合物;Pd、Ni、Pt、Rh、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた担持型不均一系触媒;Ni、Co等の金属元素の有機塩又はアセチルアセトン塩と有機アルミニウム等の還元剤とを組み合わせた均一系チーグラー型触媒;Ru、Rh等の有機金属化合物又は錯体;水素を吸蔵させたフラーレンやカーボンナノチューブ等を挙げることができる。
これらのうち、Ti、Zr、Hf、Co、Niのいずれかを含むメタロセン化合物は、不活性有機溶媒中、均一系で水添反応できる点で好ましい。更に、Ti、Zr、Hfのいずれかを含むメタロセン化合物が好ましい。特に、チタノセン化合物とアルキルリチウムとを反応させた水添触媒は、安価で工業的に特に有用な触媒であるので好ましい。具体的な例として、例えば、特開平1−275605号公報、特開平5−271326号公報、特開平5−271325号公報、特開平5−222115号公報、特開平11−292924号公報、特開2000−37632号公報、特開昭59−133203号公報、特開昭63−5401号公報、特開昭62−218403号公報、特開平7−90017号公報、特公昭43−19960号公報、特公昭47−40473号公報に記載の水添触媒を挙げることができる。なお、これらの水添触媒は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
ゴム成分100質量%中の第一の重合体の含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは75質量%以上である。60質量%未満であると、ゴム破壊強度及び耐摩耗性(特にゴム破壊強度)の改善効果が得られにくい傾向がある。一方、上限は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。95質量%を超えると、第二の重合体を配合しても、良好な引裂き特性を確保できなくなるおそれが傾向がある。
本発明におけるゴム組成物は、二重結合を有するジエン部の含有量と、重量平均分子量とが特定の範囲内である重合体(第二の重合体)を含む。上記水添共重合体を単独で配合した場合、良好な引裂き特性を確保することが困難となるが、上記水添共重合体とともに、第二の重合体を配合することで、上記水添共重合体による引裂き特性の低下を抑制することができる。また、第二の重合体は、上記水添共重合体と加硫速度が同程度であるため、上記水添共重合体による改善効果が損なわれないという利点もある。
重合体の加硫速度は、二重結合の多寡によって増減する。本発明で使用する第二の重合体は、天然ゴム等の汎用ゴムと比較して、二重結合を有するジエン部(ジエン化合物に基づく構成単位)の含有量を少なくすることで、加硫速度を上記水添共重合体(第一の重合体)と同程度にしている。
第二の重合体において、二重結合を有するジエン部の含有量は、20質量%以下であればよいが、好ましくは18質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは12質量%以下である。下限は特に限定されないが、1質量%以上であればよい。
なお、第二の重合体が水素添加されている場合、二重結合を有するジエン部の含有量は、ジエン部全体の含有量と、ジエン部の水素添加率とによって算出することができる。例えば、ジエン部全体の含有量が50質量%、ジエン部の水素添加率が80モル%の重合体の場合、二重結合を有するジエン部の含有量は、50×(100−80)/100=10(質量%)となる。
第二の重合体がジエン部を含有する場合、ジエン部を構成するジエン成分としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、モノマーの入手容易性などの実用面の観点及び本発明の効果がより好適に得られるという理由から1,3−ブタジエン、イソプレン、ENBが好ましく、1,3−ブタジエン、ENBがより好ましい。
第二の重合体の重量平均分子量は、20万〜200万である。20万未満であると、良好な破壊強度や耐摩耗性が得られないおそれがあり、200万を超えると、良好な加工性が得られないおそれがある。重量平均分子量の下限は、好ましくは40万以上であり、上限は、好ましくは100万以下、より好ましくは70万以下である。
第二の重合体としては、二重結合を有するジエン部の含有量と、重量平均分子量とが上記の範囲内の重合体であれば特に限定されないが、例えば、水添ブタジエン重合体(水添BR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム(好ましくは塩素化ブチルゴム)を使用することができる。また、第一の重合体とミクロ構造(特に、スチレン含有量)が異なる水添共重合体を使用することもできる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、第一の重合体とミクロ構造が異なる水添共重合体、水添BR、EPDM、ハロゲン化ブチルゴムが好ましい。
第二の重合体として使用される水添共重合体は、第一の重合体として使用されるものと同様であるが、水添スチレンブタジエン共重合体(水添SBR)であることが好ましい。
第一の重合体及び第二の重合体がいずれも水添SBRである場合、両者のスチレン含有量の差は、4〜50質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
また、第一の重合体が水添SBR、第二の重合体が水添BRである場合、両者の水素添加前のビニル基含有量の差は、7〜65質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。
上記範囲の下限未満であると、第一の重合体と第二の重合体とが相溶し、所望の相構造を形成できなくなるおそれがあり、上記範囲の上限を超えると、マクロな相分離が発生して破壊の起点となり、ゴム破壊強度や耐摩耗性が低下するおそれがある。
ゴム成分100質量%中の第二の重合体の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。5質量%未満であると、充分な相構造を形成することができず、良好な引裂き特性が得られなくなる傾向がある。一方、上限は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。40質量%を超えると、第一の重合体による良好なゴム破壊強度、耐摩耗性が得られなくなる傾向がある。
本発明におけるゴム組成物は、シリカを含有することが好ましい。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは45m/g以上、より好ましくは55m/g以上、更に好ましくは60m/g以上、特に好ましくは100m/g以上、最も好ましくは150m/g以上である。45m/g未満であると、耐摩耗性、ゴム破壊強度が悪化するおそれがある。また、シリカのNSAは、好ましくは350m/g以下、より好ましくは300m/g以下、更に好ましくは270m/g以下、特に好ましくは220m/g以下である。350m/gを超えると、シリカの分散が困難であり、低燃費性が悪化するおそれがある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
本発明におけるゴム組成物がシリカを含む場合、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは30質量部以上、特に好ましくは45質量部以上である。1質量部未満では、シリカを配合した効果が充分に得られず、低燃費性、耐摩耗性が悪化する傾向がある。該シリカの含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは120質量部以下、特に好ましくは100質量部以下である。200質量部を超えるとシリカが分散しにくくなるため、低燃費性、加工性及び耐摩耗性が悪化する傾向がある。
本発明におけるゴム組成物は、シリカ以外に、他の充填剤を含むことが好ましい。本明細書において、充填剤は、ゴムの補強を目的にゴム組成物に配合されるものであり、例えば、炭酸カルシウム、セリサイトなどの雲母、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、アルミナ、酸化チタン、マイカ等の白色充填剤;カーボンブラック等が挙げられる。これらの充填剤は、2種以上組み合わせて用いてもよく、補強の面で、カーボンブラックを配合することが特に好ましい。
本発明におけるゴム組成物がシリカ以外の充填剤を含む場合、充填剤100質量%中のシリカの含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。80質量%未満であると、本発明の効果が充分に得られないおそれがある。また、この場合、残りの充填剤として、カーボンブラックを使用すると、ウェットグリップ性能が悪化する傾向がある。また、カーボンブラック以外の充填剤を使用すると、耐摩耗性が悪化するおそれがある。
本発明におけるゴム組成物がカーボンブラックを含む場合、カーボンブラックとしては、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、SRF、GPF、APF、FF、CF、SCF及びECFのようなファーネスブラック(ファーネスカーボンブラック);アセチレンブラック(アセチレンカーボンブラック);FT及びMTのようなサーマルブラック(サーマルカーボンブラック);EPC、MPC及びCCのようなチャンネルブラック(チャンネルカーボンブラック);グラファイトなどをあげることができる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、通常5〜200m/gであり、下限は50m/gであることが好ましく、80m/gであることがより好ましい。また、上限は150m/gであることが好ましく、120m/gであることがより好ましい。また、カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸収量は、通常5〜300ml/100gであり、下限は80ml/100g、上限は180ml/100gであることが好ましい。カーボンブラックのNSAやDBP吸収量が上記範囲の下限未満では、補強効果が小さく耐摩耗性が低下する傾向があり、上記範囲の上限を超えると、分散性が悪く、ヒステリシスロスが増大し低燃費性が低下する傾向がある。
該窒素吸着比表面積は、ASTM D4820−93に従って測定され、該DBP吸収量は、ASTM D2414−93に従って測定される。
本発明におけるゴム組成物がカーボンブラックを含む場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。1質量部未満では、充分な補強性が得られないおそれがある。カーボンブラックの含有量は、好ましくは60質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは15質量部以下である。60質量部を超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。
本発明におけるゴム組成物は、シリカとともにシランカップリング剤を併用することが好ましい。
シランカップリング剤としては、従来から公知のものを用いることができ、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン等のクロロ系が挙げられる。なお、上記のシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、シランカップリング剤によるカップリング効果、加工性、コストの観点から、スルフィド系シランカップリング剤が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。3質量部未満では、カップリング効果が不充分であり、高いシリカ分散も得られず、また、本発明の効果が充分に得られなくなる傾向がある。そのため低燃費性やゴム破壊強度が低下してしまうおそれがある。また、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。15質量部を超えると、余分なシランカップリング剤が残存し、得られるゴム組成物の加工性及び破壊特性の低下を招くおそれがある。
本発明におけるゴム組成物には、前記成分以外にも、硫黄などの加硫剤;チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤などの加硫促進剤;ステアリン酸、酸化亜鉛などの加硫活性化剤;有機過酸化物;伸展油(オイル)、滑剤などの加工助剤;老化防止剤などの従来ゴム工業で使用される配合剤を用いることができる。
伸展油(オイル)としては、アロマチック系鉱物油(粘度比重恒数(V.G.C.値)0.900〜1.049)、ナフテン系鉱物油(V.G.C.値0.850〜0.899)、パラフィン系鉱物油(V.G.C.値0.790〜0.849)などを挙げることができる。伸展油の多環芳香族含有量は、好ましくは3質量%未満であり、より好ましくは1質量%未満である。該多環芳香族含有量は、英国石油学会346/92法に従って測定される。また、伸展油の芳香族化合物含有量(CA)は、好ましくは20質量%以上である。これらの伸展油は、2種以上組み合わされて用いられてもよい。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましく、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドがより好ましい。また、更にグアニジン系加硫促進剤を併用することも好ましい。加硫促進剤の使用量は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましく、さらに好ましくは0.2〜4質量部である。
加硫剤としては、特に限定されないが、硫黄を好適に使用できる。硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは1〜3質量部である。これにより、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明におけるゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで上記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明におけるゴム組成物は、タイヤの各部材(トレッド、サイドウォール、カーカス、ベルト、ビード、クリンチ、チェーファー等)に使用でき、なかでも、タイヤのトレッドとして好適に用いられる。2層構造のトレッドの場合には、表面層(キャップトレッド)及び内面層(ベーストレッド)から構成される。
多層構造のトレッドは、シート状にしたものを、所定の形状に貼り合わせる方法や、2本以上の押出し機に装入して押出し機のヘッド出口で2層以上に形成する方法により作製することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法により製造される。すなわち、水添共重合体を含むゴム成分及び必要に応じて上記各種配合剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状に合わせて押し出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することで、本発明の空気入りタイヤが得られる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ等として好適に用いられ、特に乗用車用タイヤとして好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、合成、重合時に用いた各種薬品について、まとめて説明する。なお、薬品は必要に応じて定法に従い精製を行った。
n−ヘキサン:関東化学(株)製
スチレン:関東化学(株)製
ブタジエン:東京化成工業(株)製の1,3−ブタジエン
THF:関東化学(株)製のテトラヒドロフラン
TMEDA:関東化学(株)製のN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン
n−ブチルリチウム溶液:関東化学(株)製の1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液
エタノール:関東化学(株)製
2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール:大内新興化学工業(株)製のノクラック200
アミン系変性剤:N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン
また、得られた重合体の評価方法について、以下にまとめて説明する。
(重合体の共役ジエン部の水素添加率の測定)
四塩化炭素を溶媒として用いて15質量%濃度の溶液を調製して、100MHzのH−NMRの不飽和結合部のスペクトル減少率から算出した。
(重合体の構造同定)
重合体の構造同定(スチレン含有量、ビニル基含有量、ブタジエン含有量(共役ジエン部の含有量))は、日本電子(株)製JNM−ECAシリーズの装置を用いて行った。測定は、水素添加前の重合体0.1gを15mlのトルエンに溶解させ、30mlのメタノール中にゆっくり注ぎ込んで再沈殿させたものを、減圧乾燥後に測定した。
(重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)の測定)
重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めた。また、重合体が変性基を有する場合、変性処理を実施する前にMw、Mnを測定した。これは、変性基を有する共重合体を測定した場合、変性基とカラムのシリカゲルとが相互作用を起こし、正確なMw、Mnが得られないためである。
(ガラス転移温度(Tg)の測定)
ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の示差走査熱量計(Q200)を用いて昇温速度10℃/分で昇温しながら測定することにより、ガラス転移開始温度として求めた。
<(共)重合体の製造例>
合成例1(重合体(1)の合成:水素添加率0モル%、SBR)
充分に窒素置換した耐熱反応容器にn−ヘキサン2000ml、スチレン60g、ブタジエン140g、THF2.5g、n−ブチルリチウム0.45mmolを加えて、50℃で5時間攪拌し、重合反応を行った。その後、エタノールを加えて反応を止め、反応溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、再沈殿精製により重合体(1)を得た。得られた重合体(1)は重量平均分子量(Mw)49万、スチレン含有量30質量%であった。
合成例2(重合体(2)の合成:水素添加率60モル%、水添SBR)
得られた重合体を水素添加する以外は、重合体(1)と同様の処方にて重合体(2)を得た。すなわち、重合体(1)において重合転化反応後、エタノールを加えて重合反応を停止させず、次いで、水素ガスを0.4MPa−Gaugeの圧力で供給しながら20分間撹拌し、未反応のポリマー末端リチウムと反応させ、水素化リチウムとした。水素ガス供給圧力を0.7MPa−Gauge、反応温度を90℃とし、チタノセンジクロリドを主体とする触媒を用いて水素添加を行った。水素の吸収が目的の水素添加率となる積算量に達した時点で、反応温度を常温とし、水素圧を常圧に戻して反応容器より抜き出し、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒をスチームストリッピングにより除去することによって、重合体(2)を得た。得られた重合体(2)の水素添加率は60モル%であり、重量平均分子量(Mw)は50万であった。
合成例3(重合体(3)の合成:水素添加率80モル%、水添SBR)
目的の水素添加率となるように、水素の吸引の積算量を調整した以外は、重合体(2)と同様の処方により、重合体(3)を得た。得られた重合体(3)の水素添加率は80モル%であり、重量平均分子量(Mw)は52万であった。
合成例4(重合体(4)の合成:水素添加率95モル%、水添SBR)
目的の水素添加率となるように、水素の吸引の積算量を調整した以外は、重合体(2)と同様の処方により、重合体(4)を得た。得られた重合体(4)の水素添加率は95モル%であり、重量平均分子量(Mw)は49万であった。
合成例5(重合体(5)の合成:水素添加率95モル%、水添変性SBR)
充分に窒素置換した耐熱反応容器にn−ヘキサン2000ml、スチレン60g、1,3−ブタジエン140g、THF2.5g、n−ブチルリチウム0.45mmolを加えて、50℃で5時間攪拌し、重合反応を行った。その後アミン系変性剤を0.15mol加えて、0℃で1時間撹拌した。その後の工程については、水素の吸引の積算量を調整した以外は、重合体(2)と同様の処方により、重合体(5)を得た。得られた重合体(5)の水素添加率は95モル%であり、変性前の重量平均分子量(Mw)は51万であった。
合成例6(重合体(6)の合成:水素添加率95モル%、水添BR)
充分に窒素置換した耐熱反応容器にシクロヘキサン2000ml、ブタジエン200g、TMEDA0.09g、n−ブチルリチウム0.9mmolを加えて、50℃で5時間攪拌し、重合反応を行った。その後、目的の水素添加率となるように、水素の吸引の積算量を調整した以外は、重合体(2)と同様の処方により、重合体(6)を得た。得られた重合体(6)の水素添加率は95モル%であり、重量平均分子量(Mw)は43万であった。
合成例7(重合体(7)の合成:水素添加率95モル%、水添SBR)
スチレンの使用量を40g、ブタジエンの使用量を160gとした点以外は重合体(4)と同様の処方により、重合体(7)を得た。得られた重合体(7)の水素添加率は95モル%であり、重量平均分子量(Mw)は50万であった。
合成例8(重合体(8)の合成:水素添加率0モル%、液状SBR)
充分に窒素置換した拌翼つきの2Lオートクレーブに、シクロヘキサン1000g、THF20g、ブタジエン150g及びスチレン50gを導入し、オートクレーブ内の温度を25℃に調製した。次に、n−ブチルリチウム2.0gを加えて昇温条件下で15分間重合し、モノマーの転化率が99%であることを確認した。その後、老化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを1.5g加えた。得られた重合体(8)の重量平均分子量(Mw)は1万であった。
合成例9(重合体(9)の合成:水素添加率58モル%、水添液状SBR)
耐圧容器に重合体(8)を200g、THF300g、10%パラジウムカーボン10gを加え、窒素置換したのち、圧力が5.0kg/cm2となるように水素置換して80℃で反応させた。得られた重合体(9)の水素添加率は58モル%であり、重量平均分子量(Mw)は1万であった。
合成例10(重合体(10)の合成:水素添加率81モル%、水添液状SBR)
触媒量、水素圧力などを変えたほかは前記と同様にして合成した。得られた重合体(10)の水素添加率は81モル%であり、重量平均分子量(Mw)は1万であった。
Figure 2017145342
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
重合体(1)〜(10):上記方法で合成
EPDM:住友化学(株)製のエスプレンEPDM505A(ジエン成分:ENB、二重結合を有するジエン部の含有量:9.5質量%、Mw:20万)
塩素化ブチルゴム:エクソンモービル社製のCHLOROBUTYL1066(ジエン成分:イソプレン、二重結合を有するジエン部の含有量:2質量%、Mw:52万)
天然ゴム:TSR20(ジエン成分:イソプレン、二重結合を有するジエン部の含有量:100質量%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN339(NSA:96m/g、DBP吸収量:124ml/100g)
オイル:JX日鉱日石エネルギー(株)製のX−140
シリカ:EVONIK社製のULTRASIL VN3(NSA:180m/g)
シランカップリング剤:EVONIK社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン3C
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):住友化学(株)製のソクシノールCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):住友化学(株)製のソクシノールD(1,3−ジフェニルグアニジン)
(実施例及び比較例)
表2に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練物を得た。次に、得られた混練物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、未加硫ゴム組成物をトレッド、サイドウォールの形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせ、170℃で20分間加硫することにより、試験用タイヤを得た。
<評価項目及び試験方法>
得られた加硫ゴム組成物及び試験用タイヤについて、下記の評価を行った。結果を表2に示す。
(ゴム破壊強度)
JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム引っ張り特性の求め方」に準じて、3号ダンベルを用いて引張り試験を実施し、加硫ゴム組成物の破断時伸び(EB)と破断時の引張り強度(TB)を測定した。そして、比較例1のEB×TBを100とし、下記計算式により、各配合のEB×TBをそれぞれ指数表示した。指数が大きいほどゴム破壊強度に優れることを示す。
(ゴム破壊強度指数)=(各配合のEB×TB)/(比較例1のEB×TB)×100
(耐摩耗性)
LAT試験機(Laboratory Abration and Skid Tester)を用い、荷重50N、速度20km/h、スリップアングル5°の条件にて、各加硫ゴム組成物の容積損失量を測定した。比較例1の容積損失量を100として指数表示した。数値が大きいほど耐摩耗性に優れることを示している。
(低燃費性)
(株)上島製作所製スペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度50℃で加硫ゴム組成物のtanδを測定した。tanδの逆数の値について比較例1を100として指数表示した。数値が大きいほど転がり抵抗が小さく、低燃費性に優れることを示している。
(引裂き特性(引裂き強度))
JIS K6252「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引裂強さの求め方」に従い、切り込みなしのアングル型試験片を用いて引裂試験を実施し、加硫ゴム組成物の引裂き特性(N/mm)を測定した。下記計算式により、比較例1の引裂き特性を100として、引裂強度指数を算出した。数値が大きい程、引裂き特性に優れることを示している。数値が90以上であれば良好と判断した。
(引裂き特性指数)=(各配合の引裂き特性)/(比較例1の引裂き特性)×100
(耐オゾン性)
製造した試験用タイヤをJIS K 6259「加硫ゴムおよび、熱可塑性ゴム−耐オゾン性の求め方」に準じて、温度40°C、オゾン濃度50ppmの管理室内で、3万km走行させた後、サイドウォール表面の亀裂数と亀裂深さを目視で観察し、5段階で評価した。数字が大きいほど、耐オゾン性に優れることを示す。4以上を合格とした。
5:亀裂数と亀裂深さがなく、優良である
4:亀裂数と亀裂深さがほとんどなく、良い
3:亀裂数と亀裂深さの度合いが小である
2:亀裂数と亀裂深さの度合いが中である
1:亀裂数と亀裂深さの度合いが大である
(耐熱性)
上記加硫ゴム組成物(新品サンプル)を80°Cのオーブンで7日間熱劣化させたものを熱老化サンプルとした。
新品サンプル、熱老化サンプルをJIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム引っ張り特性の求め方」に準じて、3号ダンベルを用いて引張り試験を実施し、破断時伸び(EB)と破断時の引張り強度(TB)を測定した。そして、各配合について、新品サンプルのEB×TBを100とし、熱老化サンプルのEB×TBを指数化した(耐熱性指数)。100に近いほど新品に比べて熱老化が少なく、耐熱性(耐熱劣化性能)が良好であることを示す。
Figure 2017145342
表2より、実施例1〜7では、低燃費性、ゴム破壊強度、耐摩耗性、耐熱性、耐オゾン性が良好に改善されているだけでなく、引裂き特性も良好な範囲に維持又は改善されている。よって、水素添加率が75モル%以上である水添共重合体(第一の重合体(重合体(3)〜(5)))を含み、更に、二重結合を有するジエン部の含有量と、重量平均分子量とが特定の範囲内である重合体(第二の重合体(重合体(6)、(7)、EPDM、塩素化ブチルゴム))を含むゴム組成物を用いることで、低燃費性、ゴム破壊強度、耐摩耗性、引裂き特性、耐熱性、耐オゾン性をバランス良く改善できることが明らかとなった。

Claims (7)

  1. ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤであって、
    前記ゴム組成物が、第一の重合体及び第二の重合体を含み、
    前記第一の重合体が、芳香族ビニル化合物に基づく構成単位及び共役ジエン化合物に基づく構成単位を有し、共役ジエン部の水素添加率が75モル%以上の水添共重合体であり、
    前記第二の重合体が、二重結合を有するジエン部の含有量が20質量%以下、重量平均分子量が20万〜200万の重合体である空気入りタイヤ。
  2. 前記第一の重合体の重量平均分子量が20万〜200万である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第一の重合体の水素添加率が90モル%以上である請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第一の重合体が水添スチレンブタジエン共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記第一の重合体が水添変性スチレンブタジエン共重合体である請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記第一の重合体のスチレン含有量が5〜40質量%である請求項4又は5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記第二の重合体が、前記第一の重合体とミクロ構造が異なる水添共重合体、水添ブタジエン重合体、エチレンプロピレンジエンゴム及びハロゲン化ブチルゴムからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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