JP2021004309A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐亀裂成長性に優れた空気入りタイヤを提供する。【解決手段】第一の重合体及び第二の重合体を含むゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤであって、前記第一の重合体が、芳香族ビニル化合物に基づく構成単位である芳香族ビニル部と、共役ジエン化合物に基づく構成単位である共役ジエン部とを有し、前記共役ジエン部の水素添加率が75モル%以上の水添共重合体であり、前記ゴム組成物が、前記第一の重合体と前記第二の重合体とを混練し、前記第二の重合体を動的架橋することで得られるマスターバッチを含む空気入りタイヤに関する。【選択図】なし
Description
本発明は、所定のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
特許文献1では、特定の水添共重合体と、特定の重合体とを含むゴム組成物により、引裂強度等が改善することが開示されている。しかしながら、耐亀裂成長性について更なる改善が求められている。
本発明は、前記課題を解決し、耐亀裂成長性に優れた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、第一の重合体及び第二の重合体を含むゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤであって、前記第一の重合体が、芳香族ビニル化合物に基づく構成単位である芳香族ビニル部と、共役ジエン化合物に基づく構成単位である共役ジエン部とを有し、前記共役ジエン部の水素添加率が75モル%以上の水添共重合体であり、前記ゴム組成物が、前記第一の重合体と前記第二の重合体とを混練し、前記第二の重合体を動的架橋することで得られるマスターバッチを含む空気入りタイヤに関する。
前記第二の重合体が、ハロゲン化ブチルゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム及びクロロプレンゴムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記第二の重合体が、ハロゲン化ブチルゴムであることが好ましい。
前記ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中、前記第二の重合体の含有量が3〜35質量%であることが好ましい。
前記第一の重合体の重量平均分子量が20万〜200万であることが好ましい。
前記第一の重合体の水素添加率が80モル%以上であることが好ましい。
前記第一の重合体が水添スチレンブタジエン共重合体であることが好ましい。
前記第一の重合体のスチレン含有量が5〜40質量%である好ましい。
本発明によれば、第一の重合体及び第二の重合体を含むゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤであって、前記第一の重合体が、芳香族ビニル化合物に基づく構成単位である芳香族ビニル部と、共役ジエン化合物に基づく構成単位である共役ジエン部とを有し、前記共役ジエン部の水素添加率が75モル%以上の水添共重合体であり、前記ゴム組成物が、前記第一の重合体と前記第二の重合体とを混練し、前記第二の重合体を動的架橋することで得られるマスターバッチを含む空気入りタイヤであるので、耐亀裂成長性に優れた空気入りタイヤが獲られる。
本発明は、第一の重合体及び第二の重合体を含むゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤであって、前記第一の重合体が、芳香族ビニル化合物に基づく構成単位である芳香族ビニル部と、共役ジエン化合物に基づく構成単位である共役ジエン部とを有し、前記共役ジエン部の水素添加率が75モル%以上の水添共重合体であり、前記ゴム組成物が、前記第一の重合体と前記第二の重合体とを混練し、前記第二の重合体を動的架橋することで得られるマスターバッチを含む空気入りタイヤである。
上記空気入りタイヤに使用されるマスターバッチでは、第一の重合体と第二の重合体との混練により、第二の重合体が動的架橋されることで、高強度な第一の重合体のマトリクス中に、柔軟な第二の重合体が分散し、第一の重合体を海、第二の重合体を島とする海島構造が形成される。この海島構造によって亀裂への応力集中が抑制されることで、耐亀裂成長性が向上すると推測される。
マスターバッチを調製する際、混練温度は、第二の重合体の動的架橋が良好に進行するという点から、好ましくは130℃以上、より好ましくは140℃以上であり、また、好ましくは180℃以下、より好ましくは160℃以下である。混練時間は適宜設定すればよいが、通常、3〜10分程度である。
第一の重合体(水添共重合体)は、芳香族ビニル化合物に基づく構成単位である芳香族ビニル部と、共役ジエン化合物に基づく構成単位である共役ジエン部とを有する。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、スチレンが好ましい。
また、共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、スチレンが好ましい。
また、共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。
したがって、水添共重合体は、スチレン及び1,3−ブタジエンの共重合体の水素添加物、すなわち、水添スチレンブタジエン共重合体(水添SBR)であることが好ましい。また、水添スチレンブタジエン共重合体は、後述の方法で変性された水添変性スチレンブタジエン共重合体(水添変性SBR)であってもよい。
水添共重合体において、芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を共重合させる順序に特に限定はなく、ランダム共重合でもブロック共重合でもよいが、ランダム共重合が好ましい。
水添共重合体の共役ジエン部の水素添加率は、75モル%以上であればよいが、耐久性、耐オゾン性の観点から、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上であり、100モル%であってもよい。
なお、水素添加率は、1H−NMRを測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から計算することができる。
なお、水素添加率は、1H−NMRを測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から計算することができる。
水添共重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは20万以上、より好ましくは40万以上、更に好ましくは45万以上であり、また、好ましくは200万以下、より好ましくは100万以下、更に好ましくは70万以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。また、変性基を有する共重合体の場合、変性基とカラムのシリカゲルとが相互作用を起こし、正確なMwが得られないため、変性処理を実施する前にMwを測定する。
なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。また、変性基を有する共重合体の場合、変性基とカラムのシリカゲルとが相互作用を起こし、正確なMwが得られないため、変性処理を実施する前にMwを測定する。
水添共重合体において、芳香族ビニル部の含有量(水添SBRの場合、スチレン含有量)は、好ましくは5質量%以上、好ましくは15質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、芳香族ビニル部の含有量は、1H−NMR測定によって測定できる。
なお、芳香族ビニル部の含有量は、1H−NMR測定によって測定できる。
水添共重合体は、例えば、以下の方法で合成できる。
(重合方法)
芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物の共重合体の重合方法については特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。
芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物の共重合体の重合方法については特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。
溶液重合法を用いた場合には、溶媒中のモノマー濃度(スチレンブタジエン共重合体の場合はスチレン、1,3−ブタジエンの合計)は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。溶液中のモノマー濃度が5質量%未満では、得られる共重合体の量が少なく、コストが高くなる傾向がある。また、溶媒中のモノマー濃度は50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。溶媒中のモノマー濃度が50質量%を超えると、溶液粘度が高くなりすぎて撹拌が困難となり、重合しにくくなる傾向がある。
(アニオン重合における重合開始剤)
アニオン重合を行う場合、重合開始剤としては特に制限はないが、有機リチウム化合物が好ましく用いられる。前記有機リチウム化合物としては、炭素数2〜20のアルキル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルーフェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物などが挙げられるが、これらの中で、入手容易性、安全性等の観点からn−ブチルリチウムまたはsec−ブチルリチウムが好ましい。
アニオン重合を行う場合、重合開始剤としては特に制限はないが、有機リチウム化合物が好ましく用いられる。前記有機リチウム化合物としては、炭素数2〜20のアルキル基を有するものが好ましく、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルーフェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物などが挙げられるが、これらの中で、入手容易性、安全性等の観点からn−ブチルリチウムまたはsec−ブチルリチウムが好ましい。
また、重合反応は、上記の有機リチウム化合物のうち少なくともいずれかと、シリカと相互作用する官能基を有する化合物(B1)とを混合して得られる化合物(R)の存在下で行ってもよい。当該化合物(R)の存在下で重合を行うことにより、共重合体の重合開始末端に、シリカと相互作用を有する官能基を導入することができる。これにより、開始末端が変性された共重合体が得られる。なお、本明細書において「相互作用」とは、分子間で共有結合を形成するか、又は共有結合よりも弱い分子間力(例えば、イオン−双極子相互作用、双極子−双極子相互作用、水素結合、ファンデルワールス力等といった分子間に働く電磁気学的な力)を形成することを意味する。また、「シリカと相互作用する官能基」は、窒素原子、硫黄原子、リン原子、酸素原子などのシリカと相互作用する原子を少なくとも1つ有する基を示す。
上記化合物(R)としては、中でも有機リチウム化合物と、第2級アミン化合物などの窒素含有化合物との反応生成物であることが好ましい。当該窒素含有化合物の具体例としては、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ドデカメチレンイミン、N,N’−ジメチル−N’−トリメチルシリル−1,6−ジアミノヘキサン、ピペリジン、ピロリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルベンジルアミン、ジ−(2−エチルヘキシル)アミン、ジアリルアミン、モルホリン、N−(トリメチルシリル)ピペラジン、N−(tert−ブチルジメチルシリル)ピペラジン、1,3−ジトリメチルシリル−1,3,5−トリアジナン等が挙げられる。なお、化合物(R)の存在下で重合を行う場合、有機リチウム化合物と、化合物(B1)とを予め混合することにより化合物(R)を調製し、その調製した化合物(R)を重合系中に添加して重合を行ってもよい。あるいは、重合系中に、有機リチウム化合物と、化合物(B1)とを添加し、重合系中で両者を混合することにより化合物(R)を調製して重合を行ってもよい。
(アニオン重合の方法)
上記重合開始剤を用いてアニオン重合し、共重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、例えばブチルリチウムを重合開始剤とし、必要に応じてランダマイザーの存在下でスチレン及び1,3−ブタジエン等をアニオン重合させることにより、スチレンブタジエン共重合体等の目的の共重合体を得ることができる。
上記重合開始剤を用いてアニオン重合し、共重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。
具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、例えばブチルリチウムを重合開始剤とし、必要に応じてランダマイザーの存在下でスチレン及び1,3−ブタジエン等をアニオン重合させることにより、スチレンブタジエン共重合体等の目的の共重合体を得ることができる。
(アニオン重合における炭化水素系溶剤)
上記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記炭化水素系溶剤としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(アニオン重合におけるランダマイザー)
また、上記ランダマイザーとは、共重合体中の共役ジエン部分のミクロ構造制御、例えばブタジエンにおける1,2−結合、イソプレンにおける3,4−結合の増加など、あるいは共重合体におけるモノマー単位の組成分布の制御、例えばスチレンブタジエン共重合体におけるスチレン単位、ブタジエン単位のランダム化などの作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを用いることができる。例えば、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタンなどのエーテル類及び第三級アミン類などを挙げることができる。また、カリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシドなどのカリウム塩類、ナトリウム−t−アミレートなどのナトリウム塩類も用いることができる。これらのランダマイザーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ランダマイザーの使用量は、有機リチウム化合物1モル当たり、0.01モル当量以上が好ましく、0.05モル当量以上がより好ましい。ランダマイザーの使用量が0.01モル当量未満では、添加効果が小さく、ランダム化しにくい傾向がある。また、ランダマイザーの使用量は、有機リチウム化合物1モル当たり1000モル当量以下が好ましく、500モル当量以下がより好ましい。ランダマイザーの使用量が1000モル当量を超えると、モノマーの反応速度が大きく変化してしまい、逆にランダム化しにくくなる傾向がある。
また、上記ランダマイザーとは、共重合体中の共役ジエン部分のミクロ構造制御、例えばブタジエンにおける1,2−結合、イソプレンにおける3,4−結合の増加など、あるいは共重合体におけるモノマー単位の組成分布の制御、例えばスチレンブタジエン共重合体におけるスチレン単位、ブタジエン単位のランダム化などの作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを用いることができる。例えば、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタンなどのエーテル類及び第三級アミン類などを挙げることができる。また、カリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシドなどのカリウム塩類、ナトリウム−t−アミレートなどのナトリウム塩類も用いることができる。これらのランダマイザーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ランダマイザーの使用量は、有機リチウム化合物1モル当たり、0.01モル当量以上が好ましく、0.05モル当量以上がより好ましい。ランダマイザーの使用量が0.01モル当量未満では、添加効果が小さく、ランダム化しにくい傾向がある。また、ランダマイザーの使用量は、有機リチウム化合物1モル当たり1000モル当量以下が好ましく、500モル当量以下がより好ましい。ランダマイザーの使用量が1000モル当量を超えると、モノマーの反応速度が大きく変化してしまい、逆にランダム化しにくくなる傾向がある。
ランダマイザーの種類や使用量を調整することにより、共重合体のTgを調整することができる。例えば、テトラヒドロフランの量を減量することにより、共重合体のTgを低くできる。
(反応温度)
アニオン重合の際の反応温度は、好適に反応が進行する限り特に限定はないが、通常−10℃〜100℃であることが好ましく、25℃〜70℃であることがより好ましい。
アニオン重合の際の反応温度は、好適に反応が進行する限り特に限定はないが、通常−10℃〜100℃であることが好ましく、25℃〜70℃であることがより好ましい。
(変性工程)
上記重合の工程により得られた共重合体の活性末端と、シリカと相互作用する官能基を有する化合物(B2)とを反応させる工程により、共重合体の重合終了末端に、シリカと相互作用する官能基を導入することができる。これにより、重合終了末端が変性された共重合体が得られる。なお、本発明において末端とは、分子鎖の端に存在する、炭素−炭素二重結合を有するモノマーに由来する構造以外の部分を意味する。
上記重合の工程により得られた共重合体の活性末端と、シリカと相互作用する官能基を有する化合物(B2)とを反応させる工程により、共重合体の重合終了末端に、シリカと相互作用する官能基を導入することができる。これにより、重合終了末端が変性された共重合体が得られる。なお、本発明において末端とは、分子鎖の端に存在する、炭素−炭素二重結合を有するモノマーに由来する構造以外の部分を意味する。
上記変性反応(以下、末端変性反応ともいう。)に用いる共重合体は、活性末端を有している限り、重合開始末端が未変性のものでもよいし、変性されたものでもよい。また、化合物(B2)としては、シリカと相互作用する官能基を有し、かつ重合活性末端と反応し得る化合物であれば特に限定しない。化合物(B2)の好ましい具体例としては、例えば
(I)下記式(1)で表される化合物(B2−1);
(式(1)中、A1は、窒素原子、リン原子及び硫黄原子からなる群より選択される少なくとも一種の原子を有し、活性水素を有さず、かつR5に対して窒素原子、リン原子又は硫黄原子で結合する1価の官能基である。R3及びR4はヒドロカルビル基であり、R5はヒドロカルビレン基であり、nは0〜2の整数である。但し、R3及びR4が複数存在する場合、複数のR3及びR4は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。)
(II)分子中に、環状エーテル基、(チオ)カルボニル基及びイソ(チオ)シアナート基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基(x1)と、窒素原子、リン原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選択される少なくとも一種の原子(但し、窒素原子、リン原子及び硫黄原子は、少なくともいずれかが3置換のヒドロカルビルシリル基で保護されていてもよい。)を有し、かつ活性水素を有していない、前記官能基(x1)とは異なる基(x2)と、を各々1つ以上有する化合物(B2−2);
(III)分子中に、イソ(チオ)シアナート基を2つ以上有する化合物(B2−3);
等が挙げられる。化合物(B2)としては、これらを一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。なお、本明細書において、(チオ)カルボニル基は、カルボニル基及びチオカルボニル基を示し、イソ(チオ)シアナート基は、イソシアナート基及びイソチオシアナート基を示す。
(I)下記式(1)で表される化合物(B2−1);
(II)分子中に、環状エーテル基、(チオ)カルボニル基及びイソ(チオ)シアナート基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基(x1)と、窒素原子、リン原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選択される少なくとも一種の原子(但し、窒素原子、リン原子及び硫黄原子は、少なくともいずれかが3置換のヒドロカルビルシリル基で保護されていてもよい。)を有し、かつ活性水素を有していない、前記官能基(x1)とは異なる基(x2)と、を各々1つ以上有する化合物(B2−2);
(III)分子中に、イソ(チオ)シアナート基を2つ以上有する化合物(B2−3);
等が挙げられる。化合物(B2)としては、これらを一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。なお、本明細書において、(チオ)カルボニル基は、カルボニル基及びチオカルボニル基を示し、イソ(チオ)シアナート基は、イソシアナート基及びイソチオシアナート基を示す。
上記式(1)において、R3及びR4のヒドロカルビル基としては、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
R5は、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルカンジイル基、炭素数3〜20のシクロアルキレン基又は炭素数6〜20のアリーレン基であることが好ましい。
nは、共重合体との反応性を高める観点から、0又は1が好ましい。
A1は、窒素原子、リン原子及び硫黄原子からなる群より選択される少なくとも一種の原子(以下、特定原子ともいう。)を有し、これら特定原子でR5に結合する。特定原子は活性水素に結合しておらず、例えば3置換のヒドロカルビルシリル基等で保護されていてもよい。なお、ここでいう「活性水素」とは、炭素原子以外の原子に結合した水素原子をいい、好ましくはポリメチレンの炭素−水素結合よりも結合エネルギーが低いものを指す。
R5は、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルカンジイル基、炭素数3〜20のシクロアルキレン基又は炭素数6〜20のアリーレン基であることが好ましい。
nは、共重合体との反応性を高める観点から、0又は1が好ましい。
A1は、窒素原子、リン原子及び硫黄原子からなる群より選択される少なくとも一種の原子(以下、特定原子ともいう。)を有し、これら特定原子でR5に結合する。特定原子は活性水素に結合しておらず、例えば3置換のヒドロカルビルシリル基等で保護されていてもよい。なお、ここでいう「活性水素」とは、炭素原子以外の原子に結合した水素原子をいい、好ましくはポリメチレンの炭素−水素結合よりも結合エネルギーが低いものを指す。
A1は、中でも、オニウム塩生成剤によってオニウムイオンになり得る基であることが好ましい。化合物(B2)がこのような基(A1)を有することにより、変性共重合体に対して優れた形状保持性を付与することができる。
A1の具体例としては、例えば1級アミノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、2級アミノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、3級アミノ基、イミノ基、ピリジル基、1級ホスフィノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなるリン含有基、2級ホスフィノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなるリン含有基、3級ホスフィノ基、及び、チオール基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる硫黄含有基等が挙げられる。これらの中でも、シリカとの親和性が良好である観点から、窒素原子を有する基であることが好ましい。なお、「保護基」とは、A1を重合活性末端に対して不活性な官能基に変換しておく官能基であり、例えば3置換のヒドロカルビルシリル基等が挙げられる。
A1の具体例としては、例えば1級アミノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、2級アミノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、3級アミノ基、イミノ基、ピリジル基、1級ホスフィノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなるリン含有基、2級ホスフィノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなるリン含有基、3級ホスフィノ基、及び、チオール基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる硫黄含有基等が挙げられる。これらの中でも、シリカとの親和性が良好である観点から、窒素原子を有する基であることが好ましい。なお、「保護基」とは、A1を重合活性末端に対して不活性な官能基に変換しておく官能基であり、例えば3置換のヒドロカルビルシリル基等が挙げられる。
上記化合物(B2−1)の具体例としては、1級アミンの2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、2級アミンの1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、又は3級アミノ基と、アルコキシシリル基とを有する化合物として、例えば、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N’,N’−トリス(トリメチルシリル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジノ)プロピルメチルジメトキシシラン、等を挙げることができる。
イミノ基又はピリジル基と、アルコキシシリル基とを有する化合物としては、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン及びこれらのトリエトキシシリル化合物に対応するトリメトキシシリル化合物、メチルジエトキシシリル化合物、エチルジメトキシシリル化合物、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−イミダゾール、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−イミダゾール、3−ヘキサメチレンイミノプロピルトリメトキシシラン、3−ヘキサメチレンイミノプロピルメチルジメトキシシラン、並びに上記化合物中のアルキル基、アルカンジイル基を、各々炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルカンジイル基に置き換えた化合物等が挙げられる。
1級ホスフィノ基の2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなるリン含有基、2級ホスフィノ基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなるリン含有基、3級ホスフィノ基、又はチオール基の1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる硫黄含有基と、アルコキシシリル基とを有する化合物としては、P,P−ビス(トリメチルシリル)ホスフィノプロピルメチルジメトキシシラン、P,P−ビス(トリメチルシリル)ホスフィノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルフォスフィノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルフォスフィノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ジフェニルフォスフィノプロピルトリメトキシシラン、3−ジフェニルフォスフィノプロピルトリエトキシシラン、3−ジフェニルフォスフィノプロピルメリルジメトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルトリメトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルトリエトキシシラン、S−トリメチルシリルメルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、及び上記化合物中のアルキル基、アルカンジイル基を、各々炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルカンジイル基に置き換えた化合物等を挙げることができる。その他、イソ(チオ)シアナート基を有する化合物として、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
上記化合物(B2−2)は、上記基(x2)が、活性水素に結合していない窒素原子を含む基であることが好ましく、その具体例としては、環状エーテル基を有する化合物として、例えばテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のエポキシアミン化合物などを;
(チオ)カルボニル基を有する化合物として、例えば4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン等の4−アミノアセトフェノン;1,7−ビス(メチルエチルアミノ)−4−ヘプタノン等のビス(ジヒドロカルビルアミノアルキル)ケトン;2−ジメチルアミノエチルアクリレート等のジヒドロカルビルアミノアルキル(メタ)アクリレート;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のヒドロカルビルイミダゾリジノン;1−フェニル−2−ピロリドン等のN−ヒドロカルビルピロリドン;N−メチル−ε−カプロラクタム等のN−ヒロドカルビルカプトラクタム;N,N−ジエチルホルムアミド等のN−ジヒドロカルビルホルムアミド;N,N−ジメチルアセトアミド等のN,N−ジヒドロカルビルアセトアミド;N,N−ジメチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;などを;
イソ(チオ)シアナート基を有する化合物として、例えば3−イソシアナトプロピルトリメトキシシランなどを;挙げることができる。
(チオ)カルボニル基を有する化合物として、例えば4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン等の4−アミノアセトフェノン;1,7−ビス(メチルエチルアミノ)−4−ヘプタノン等のビス(ジヒドロカルビルアミノアルキル)ケトン;2−ジメチルアミノエチルアクリレート等のジヒドロカルビルアミノアルキル(メタ)アクリレート;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のヒドロカルビルイミダゾリジノン;1−フェニル−2−ピロリドン等のN−ヒドロカルビルピロリドン;N−メチル−ε−カプロラクタム等のN−ヒロドカルビルカプトラクタム;N,N−ジエチルホルムアミド等のN−ジヒドロカルビルホルムアミド;N,N−ジメチルアセトアミド等のN,N−ジヒドロカルビルアセトアミド;N,N−ジメチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;などを;
イソ(チオ)シアナート基を有する化合物として、例えば3−イソシアナトプロピルトリメトキシシランなどを;挙げることができる。
上記化合物(B2−3)としては、例えば2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、トリス(イソシアナートフェニル)チオホスフェート、キシレンジイソシアナート、ベンゼン−1,2,4−トリイソシアナート、ナフタレン−1,2,5,7−テトライソシアナート、1,4−フェニレンジイソチオシアナートなどを挙げることができる。
化合物(B2)としては、シリカとの親和性が強い点において、特に化合物(B2−1)を用いることが好ましい。なお、シラン化合物(B2−1)を用いる場合、変性共重合体のムーニー粘度を調整する目的で、シラン化合物(B2−1)と共に、四塩化ケイ素、エポキシ含有化合物(例えば、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンなど)などを用いてもよい。上記で例示した化合物(B2)は、重合終了末端が変性された変性共重合体を得ることが可能である点において、いずれも同様の作用を有するものである。したがって、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。なお、上記式(1)で表される化合物と変性共重合体との反応によって下記式(1−1)で表される構造が重合体末端に導入される。
(一般式(1−1)中、R6は水素原子またはヒドロカルビル基であり、複数存在するR6は同じであっても異なっていてもよい。R6のヒドロカルビル基としては、上記式(1)のR3及びR4のヒドロカルビル基と同様のものが挙げられる。A4、R3、R5及びnは上記式(1)のA1、R3、R5及びnと同義である。)
上記の末端変性反応は、例えば溶液反応として行うことができる。この溶液反応は、上記重合工程における重合反応の終了後の未反応モノマーを含む溶液を用いて行ってもよく、当該溶液に含まれる共重合体を単離し、シクロヘキサン等の適当な溶媒に溶解した上で行ってもよい。また、末端変性反応は、回分式及び連続式のいずれを用いて行ってもよい。このとき、化合物(B2)の添加方法は特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、連続的に添加する方法などが挙げられる。
末端変性反応に使用する化合物(B2)の量は、反応に使用する化合物の種類に応じて適宜設定すればよいが、重合開始剤が有する重合反応に関与する金属原子に対し、好ましくは0.1モル当量以上、より好ましくは0.3モル当量以上である。0.1モル当量以上とすることにより、変性反応を充分に進行させることができ、シリカの分散性を好適に改良することができる。
末端変性反応の温度は、通常、上記重合反応の温度と同じであり、−20〜150℃であることが好ましく、0〜120℃であることがより好ましく、20〜100℃であることが特に好ましい。変性反応の温度が低いと、変性共重合体の粘度が上昇する傾向がある。一方、変性反応の温度が高いと、重合活性末端が失活しやすくなる。変性反応の反応時間は、好ましくは1分〜5時間であり、より好ましくは2分〜1時間である。
末端変性反応の温度は、通常、上記重合反応の温度と同じであり、−20〜150℃であることが好ましく、0〜120℃であることがより好ましく、20〜100℃であることが特に好ましい。変性反応の温度が低いと、変性共重合体の粘度が上昇する傾向がある。一方、変性反応の温度が高いと、重合活性末端が失活しやすくなる。変性反応の反応時間は、好ましくは1分〜5時間であり、より好ましくは2分〜1時間である。
(反応停止)
上記アニオン重合は、この分野で通常使用する反応停止剤の添加により、停止させることができる。そのような反応停止剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコールまたは酢酸などの活性プロトンを有する極性溶媒およびこれらの混液、またはそれらの極性溶媒とヘキサン、シクロヘキサンなどの無極性溶媒との混液が挙げられる。反応停止剤の添加量は、通常、アニオン重合開始剤に対し、同モル量もしくは2倍モル量程度で充分である。
上記アニオン重合は、この分野で通常使用する反応停止剤の添加により、停止させることができる。そのような反応停止剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコールまたは酢酸などの活性プロトンを有する極性溶媒およびこれらの混液、またはそれらの極性溶媒とヘキサン、シクロヘキサンなどの無極性溶媒との混液が挙げられる。反応停止剤の添加量は、通常、アニオン重合開始剤に対し、同モル量もしくは2倍モル量程度で充分である。
(カップリング)
上記共重合体の製造方法においては、単量体の重合開始から、後述する重合体の回収までに、共重合体の炭化水素溶液にカップリング剤を添加してもよい。カップリング剤としては、下記式(2−1)で表される化合物を挙げることができる。
R1 aML4−a (2−1)
(式(2−1)中、R1はアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基またはアリール基を表し、Mはケイ素原子またはスズ原子を表し、Lはハロゲン原子またはヒドロカルビルオキシ基を表し、aは0〜2の整数を表す。)
上記共重合体の製造方法においては、単量体の重合開始から、後述する重合体の回収までに、共重合体の炭化水素溶液にカップリング剤を添加してもよい。カップリング剤としては、下記式(2−1)で表される化合物を挙げることができる。
R1 aML4−a (2−1)
(式(2−1)中、R1はアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基またはアリール基を表し、Mはケイ素原子またはスズ原子を表し、Lはハロゲン原子またはヒドロカルビルオキシ基を表し、aは0〜2の整数を表す。)
上記式(2−1)で表されるカップリング剤としては、四塩化ケイ素、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、四塩化スズ、メチルトリクロロスズ、ジメチルジクロロスズ、トリメチルクロロスズ、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエトキシジエチルシランなどを挙げることができる。
カップリング剤の添加量は重合体の加工性を高めるために、アルカリ金属触媒由来のアルカリ金属1mol当たり、好ましくは0.03mol以上、より好ましくは0.05mol以上である。また低燃費性を高めるために、好ましくは0.4mol以下、より好ましくは0.3mol以下である。
(水素添加方法)
水添共重合体の製造方法においては、これまでに説明した共重合体を水素添加して、水素添加率が75モル%以上の水添共重合体を得る。共重合体を水素添加することによって、耐熱性が向上するという利点がある。
水添共重合体の製造方法においては、これまでに説明した共重合体を水素添加して、水素添加率が75モル%以上の水添共重合体を得る。共重合体を水素添加することによって、耐熱性が向上するという利点がある。
水素添加の方法、反応条件については特に限定はなく、公知の方法、公知の条件で水素添加すればよい。通常は、20〜150℃、0.1〜10MPaの水素加圧下、水添触媒の存在下で実施される。なお、水素添加率は、水添触媒の量、水添反応時の水素圧力、反応時間等を変えることにより、任意に選定することができる。水添触媒として、通常は、元素周期表4〜11族金属のいずれかを含む化合物を用いることができる。例えば、Ti、V、Co、Ni、Zr、Ru、Rh、Pd、Hf、Re、Pt原子を含む化合物を水添触媒として用いることができる。より具体的な水添触媒としては、Ti、Zr、Hf、Co、Ni、Pd、Pt、Ru、Rh、Re等のメタロセン系化合物;Pd、Ni、Pt、Rh、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた担持型不均一系触媒;Ni、Co等の金属元素の有機塩又はアセチルアセトン塩と有機アルミニウム等の還元剤とを組み合わせた均一系チーグラー型触媒;Ru、Rh等の有機金属化合物又は錯体;水素を吸蔵させたフラーレンやカーボンナノチューブ等を挙げることができる。
これらのうち、Ti、Zr、Hf、Co、Niのいずれかを含むメタロセン化合物は、不活性有機溶媒中、均一系で水添反応できる点で好ましい。更に、Ti、Zr、Hfのいずれかを含むメタロセン化合物が好ましい。特に、チタノセン化合物とアルキルリチウムとを反応させた水添触媒は、安価で工業的に特に有用な触媒であるので好ましい。具体的な例として、例えば、特開平1−275605号公報、特開平5−271326号公報、特開平5−271325号公報、特開平5−222115号公報、特開平11−292924号公報、特開2000−37632号公報、特開昭59−133203号公報、特開昭63−5401号公報、特開昭62−218403号公報、特開平7−90017号公報、特公昭43−19960号公報、特公昭47−40473号公報に記載の水添触媒を挙げることができる。なお、これらの水添触媒は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
マスターバッチ、及び、該マスターバッチを含むゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の水添共重合体(第一の重合体)の含有量は、好ましくは65質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、また、好ましくは97質量%以下、より好ましくは92質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
第二の重合体としては、第一の重合体の加硫反応を阻害せず、かつ第一の重合体が架橋しない架橋反応を生じ得るものを使用することが好ましく、具体例としては、ハロゲン化ブチルゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム等が挙げられる。市販品としては、エクソンモービル社、信越化学工業(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、取扱が容易であり、耐久性、柔軟性に優れるという点から、ハロゲン化ブチルゴムが好ましい。
ハロゲン化ブチルゴムとしては、例えば、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムや、これらの共重合体、変性体等を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、塩素化ブチルゴムが好ましい。
第二の重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは20万以上、より好ましくは40万以上、更に好ましくは45万以上であり、また、好ましくは200万以下、より好ましくは100万以下、更に好ましくは70万以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
マスターバッチ、及び、該マスターバッチを含むゴム組成物において、ゴム成分100質量%中の第二の重合体の含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは8質量%以上であり、また、好ましくは35質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
マスターバッチを調製する際は、第一の重合体及び第二の重合体とともに、架橋剤を混練する。架橋剤は、使用する第二の重合体の種類に合わせて適宜選択すればよいが、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴムの場合は酸化亜鉛を、シリコーンゴムの場合はアルキル系有機過酸化物(例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン)を、アクリルゴムの場合はトリアジン類(例えば、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン)を、それぞれ使用することが好ましい。これにより、第一の重合体を架橋させることなく、第二の重合体のみを効率よく架橋させることができる。
架橋剤としては、従来公知のものを使用でき、酸化亜鉛の市販品としては、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を、アルキル系有機過酸化物の市販品としては、信越化学工業(株)等の製品を、トリアジン類の市販品としては、川口化学工業(株)等の製品を、それぞれ使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
マスターバッチ100質量%中の架橋剤の含有量は、好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは1.8質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、特に好ましくは4質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、酸化亜鉛は、マスターバッチを他の薬品と混練する工程で投入してもよい。
上記ゴム組成物において、ゴム成分100質量部に対する酸化亜鉛の含有量は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上、特に好ましくは4.5質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物において、ゴム成分100質量部に対する酸化亜鉛の含有量は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上、特に好ましくは4.5質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、マスターバッチは、第一の重合体、第二の重合体、架橋剤以外の成分を含有してもよいが、第二の重合体の動的架橋が良好に進行するという点から、マスターバッチ100質量%中、第一の重合体、第二の重合体及び架橋剤の合計含有量は、好ましくは98質量%以上、より好ましくは99質量%以上、更に好ましくは100質量%である。すなわち、マスターバッチは、第一の重合体、第二の重合体及び架橋剤以外の成分を実質的に含有しないことが好ましい。
上記ゴム組成物は、第一の重合体、第二の重合体以外のゴム成分を含有してもよい。使用できるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物は、カーボンブラックを含有してもよい。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、好ましくは75m2/g以上、より好ましくは95m2/g以上であり、また、好ましくは120m2/g以下、より好ましくは100m2/g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K6217−2:2001に準拠して測定される値である。
なお、カーボンブラックのN2SAは、JIS K6217−2:2001に準拠して測定される値である。
上記ゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。上記範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる。
上記ゴム組成物は、シリカを含有してもよい。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。市販品としては、エボニックデグッサ社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。市販品としては、エボニックデグッサ社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、好ましくは100m2/g以上、より好ましくは150m2/g以上であり、また、好ましくは220m2/g以下、より好ましくは200m2/g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
上記ゴム組成物がシリカを含有する場合、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上であり、また、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物がシリカを含有する場合、さらに、シランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。市販品としては、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。市販品としては、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物がシランカップリング剤を含有する場合、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは12質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、粘着性樹脂を含有してもよい。
粘着性樹脂としては、タイヤ工業において慣用されるフェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン系樹脂、インデン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂(DCPD系樹脂)等の芳香族炭化水素系樹脂、C5系樹脂、C8系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂等の脂肪族炭化水素系樹脂や、これらの水素添加物等が挙げられる。市販品としては、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXTGエネルギー(株)、日本ゼオン(株)、ハリマ化成(株)、東亞合成(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粘着性樹脂としては、タイヤ工業において慣用されるフェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン系樹脂、インデン系樹脂、クマロンインデン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂(DCPD系樹脂)等の芳香族炭化水素系樹脂、C5系樹脂、C8系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂等の脂肪族炭化水素系樹脂や、これらの水素添加物等が挙げられる。市販品としては、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXTGエネルギー(株)、日本ゼオン(株)、ハリマ化成(株)、東亞合成(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物が粘着性樹脂を含有する場合、粘着性樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、ワックスを含有してもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックス等が挙げられる。市販品としては、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックス等が挙げられる。市販品としては、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物がワックスを含有する場合、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、オイルを含んでもよい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等を用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。市販品としては、出光興産(株)、三共油化工業(株)、JXTGエネルギー(株)、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等を用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。市販品としては、出光興産(株)、三共油化工業(株)、JXTGエネルギー(株)、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物がオイルを含有する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、老化防止剤を含んでもよい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤等が挙げられる。市販品としては、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤等が挙げられる。市販品としては、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物が老化防止剤を含有する場合、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは8質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、ステアリン酸を含有してもよい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、市販品としては、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物がステアリン酸を含有する場合、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、硫黄を含有してもよい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄等が挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄等が挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物が硫黄を含有する場合、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、加硫促進剤を含有してもよい。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N′−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。市販品としては、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N′−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。市販品としては、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム組成物が加硫促進剤を含有する場合、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、また、好ましくは8質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物には、上記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤、例えば、有機過酸化物;炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカ等の充填剤;等を更に配合してもよい。これらの添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜200質量部が好ましい。
上記ゴム組成物は、例えば、上述の各成分をオープンロール、バンバリーミキサー等のゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常100〜180℃、好ましくは120〜170℃である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常120℃以下、好ましくは85〜110℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫等の加硫処理が施される。加硫温度としては、通常140〜190℃、好ましくは150〜185℃である。加硫時間は、通常5〜15分である。
上記ゴム組成物は、トレッド(キャップトレッド)に好適に用いられるが、トレッド以外の部材、例えば、サイドウォール、ベーストレッド、アンダートレッド、クリンチエイペックス、ビードエイペックス、ブレーカークッションゴム、カーカスコード被覆用ゴム、インスレーション、チェーファー、インナーライナー等や、ランフラットタイヤのサイド補強層に用いてもよい。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、上記ゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド等の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
すなわち、上記ゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド等の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
上記空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ;トラック・バス用タイヤ;二輪車用タイヤ;高性能タイヤ;スタッドレスタイヤ等の冬用タイヤ;サイド補強層を備えるランフラットタイヤ;スポンジ等の吸音部材をタイヤ内腔に備える吸音部材付タイヤ;パンク時に封止可能なシーラントをタイヤ内部又はタイヤ内腔に備える封止部材付タイヤ;センサや無線タグ等の電子部品をタイヤ内部又はタイヤ内腔に備える電子部品付タイヤ等に使用可能である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
<(共)重合体の製造例>
合成例1(水添SBR1の合成)
充分に窒素置換した耐熱反応容器にn−ヘキサン2000ml、スチレン60g、ブタジエン140g、THF2.5g、n−ブチルリチウム0.45mmolを加えて、50℃で5時間攪拌し、重合反応を行った。次いで、水素ガスを0.4MPa−Gaugeの圧力で供給しながら20分間撹拌し、未反応のポリマー末端リチウムと反応させ、水素化リチウムとした。水素ガス供給圧力を0.7MPa−Gauge、反応温度を90℃とし、チタノセンジクロリドを主体とする触媒を用いて水素添加を行った。水素の吸収が目的の水素添加率となる積算量に達した時点で、反応温度を常温とし、水素圧を常圧に戻して反応容器より抜き出し、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒をスチームストリッピングにより除去することによって、水添SBR1を得た。得られた水添SBR1は、水素添加率80モル%、Mw52万、スチレン含有量30質量%であった。
合成例1(水添SBR1の合成)
充分に窒素置換した耐熱反応容器にn−ヘキサン2000ml、スチレン60g、ブタジエン140g、THF2.5g、n−ブチルリチウム0.45mmolを加えて、50℃で5時間攪拌し、重合反応を行った。次いで、水素ガスを0.4MPa−Gaugeの圧力で供給しながら20分間撹拌し、未反応のポリマー末端リチウムと反応させ、水素化リチウムとした。水素ガス供給圧力を0.7MPa−Gauge、反応温度を90℃とし、チタノセンジクロリドを主体とする触媒を用いて水素添加を行った。水素の吸収が目的の水素添加率となる積算量に達した時点で、反応温度を常温とし、水素圧を常圧に戻して反応容器より抜き出し、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒をスチームストリッピングにより除去することによって、水添SBR1を得た。得られた水添SBR1は、水素添加率80モル%、Mw52万、スチレン含有量30質量%であった。
合成例2(水添SBR2の合成)
目的の水素添加率となるように、水素の吸引の積算量を調整した以外は、合成例1と同様の処方により、水添SBR2を得た。得られた水添SBR2は、水素添加率95モル%、Mw49万、スチレン含有量30質量%であった。
目的の水素添加率となるように、水素の吸引の積算量を調整した以外は、合成例1と同様の処方により、水添SBR2を得た。得られた水添SBR2は、水素添加率95モル%、Mw49万、スチレン含有量30質量%であった。
合成例3(水添SBR3の合成)
充分に窒素置換した耐熱反応容器にn−ヘキサン2000ml、スチレン60g、1,3−ブタジエン140g、THF2.5g、n−ブチルリチウム0.45mmolを加えて、50℃で5時間攪拌し、重合反応を行った。その後アミン系変性剤(N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン)を0.15mol加えて、0℃で1時間撹拌した。その後の工程については、水素の吸引の積算量を調整した以外は、合成例1と同様の処方により、水添SBR3(水添変性SBR)を得た。得られた水添SBR3は、水素添加率95モル%、Mw51万、スチレン含有量30質量%であった。
充分に窒素置換した耐熱反応容器にn−ヘキサン2000ml、スチレン60g、1,3−ブタジエン140g、THF2.5g、n−ブチルリチウム0.45mmolを加えて、50℃で5時間攪拌し、重合反応を行った。その後アミン系変性剤(N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン)を0.15mol加えて、0℃で1時間撹拌した。その後の工程については、水素の吸引の積算量を調整した以外は、合成例1と同様の処方により、水添SBR3(水添変性SBR)を得た。得られた水添SBR3は、水素添加率95モル%、Mw51万、スチレン含有量30質量%であった。
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
水添SBR1〜3:上記方法で合成
塩素化ブチルゴム:エクソンモービル社製のCHLOROBUTYL1066(Mw:52万)
臭素化ブチルゴム:JSR(株)製のブロモブチル2255
シリコーンゴム(コンパウンド):信越化学工業(株)製のKE−520−U
アクリルゴム:日本ゼオン(株)製のNiopl AR71
クロロプレンゴム:東ソー(株)製のスカイプレンB−10
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
架橋剤1:信越化学工業(株)製のC−8(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを25質量%含有)
架橋剤2:川口化学工業(株)製のACTOR TSH(2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン)
SBR:JSR(株)製のSL552
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN339(N2SA:96m2/g、DBP吸収量:124ml/100g)
シリカ:EVONIK社製のULTRASIL VN3(N2SA:180m2/g)
シランカップリング剤:EVONIK社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:住友化学(株)製のソクシノールCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:住友化学(株)製のソクシノールD(1,3−ジフェニルグアニジン)
水添SBR1〜3:上記方法で合成
塩素化ブチルゴム:エクソンモービル社製のCHLOROBUTYL1066(Mw:52万)
臭素化ブチルゴム:JSR(株)製のブロモブチル2255
シリコーンゴム(コンパウンド):信越化学工業(株)製のKE−520−U
アクリルゴム:日本ゼオン(株)製のNiopl AR71
クロロプレンゴム:東ソー(株)製のスカイプレンB−10
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
架橋剤1:信越化学工業(株)製のC−8(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを25質量%含有)
架橋剤2:川口化学工業(株)製のACTOR TSH(2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン)
SBR:JSR(株)製のSL552
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN339(N2SA:96m2/g、DBP吸収量:124ml/100g)
シリカ:EVONIK社製のULTRASIL VN3(N2SA:180m2/g)
シランカップリング剤:EVONIK社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:住友化学(株)製のソクシノールCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:住友化学(株)製のソクシノールD(1,3−ジフェニルグアニジン)
(実施例及び比較例)
下記表1に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、各材料を150℃の条件下で5分間混練りし、マスターバッチ(MB1〜10)を得た。得られたMB1〜10を顕微鏡で観察したところ、第二の重合体のみが動的架橋され、第一の重合体を海、第二の重合体を島とする海島構造が形成されていることを確認できた。
下記表1に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、各材料を150℃の条件下で5分間混練りし、マスターバッチ(MB1〜10)を得た。得られたMB1〜10を顕微鏡で観察したところ、第二の重合体のみが動的架橋され、第一の重合体を海、第二の重合体を島とする海島構造が形成されていることを確認できた。
次に、下記表2に示す配合内容に従い、上記バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。
得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を製造した。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で20分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。
得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で12分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を製造した。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で20分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。
得られた加硫ゴム組成物及び試験用タイヤを用いて下記評価を行い、結果を表2に示した。
(破断強度)
JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、上記加硫ゴム組成物からなる5号ダンベルを用いて引張り試験を実施し、破断時伸び(EB)及び破断時の引張り強度(TB)を測定した。そして、比較例1のEB×TBを100とし、下記計算式により、各配合のEB×TBを指数表示した。指数が大きいほど、破断強度に優れることを示す。
(破断強度指数)=(各配合のEB×TB)/(比較例1のEB×TB)×100
JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、上記加硫ゴム組成物からなる5号ダンベルを用いて引張り試験を実施し、破断時伸び(EB)及び破断時の引張り強度(TB)を測定した。そして、比較例1のEB×TBを100とし、下記計算式により、各配合のEB×TBを指数表示した。指数が大きいほど、破断強度に優れることを示す。
(破断強度指数)=(各配合のEB×TB)/(比較例1のEB×TB)×100
(引裂強度)
JIS K 6252−2「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引裂強さの求め方−第2部:デルフト形試験片を用いる方法」に準じて、上記加硫ゴム組成物からなるデルフト形試験片を用いて引裂強度を測定した。そして、比較例1の引裂強度を100とし、下記計算式により、各配合の引裂強度を指数表示した。指数が大きいほど、引裂強度に優れることを示す。
(引裂強度指数)=(各配合の引裂強度)/(比較例1の引裂強度)×100
JIS K 6252−2「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引裂強さの求め方−第2部:デルフト形試験片を用いる方法」に準じて、上記加硫ゴム組成物からなるデルフト形試験片を用いて引裂強度を測定した。そして、比較例1の引裂強度を100とし、下記計算式により、各配合の引裂強度を指数表示した。指数が大きいほど、引裂強度に優れることを示す。
(引裂強度指数)=(各配合の引裂強度)/(比較例1の引裂強度)×100
(耐亀裂成長性)
上記試験用タイヤを車両に装着し、未舗装路を含む路面上を10000km走行させた後、目視により、トレッドに発生した亀裂の数及び長さを6段階で評点付けした。評点の高いものほど、耐亀裂成長性に優れる(亀裂の数が少なく、亀裂が小さい)ことを示す。
上記試験用タイヤを車両に装着し、未舗装路を含む路面上を10000km走行させた後、目視により、トレッドに発生した亀裂の数及び長さを6段階で評点付けした。評点の高いものほど、耐亀裂成長性に優れる(亀裂の数が少なく、亀裂が小さい)ことを示す。
表2より、実施例は、比較例と比較して、破断強度や引裂強度は同等であるが、優れた耐亀裂成長性を示した。
Claims (8)
- 第一の重合体及び第二の重合体を含むゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤであって、
前記第一の重合体が、芳香族ビニル化合物に基づく構成単位である芳香族ビニル部と、共役ジエン化合物に基づく構成単位である共役ジエン部とを有し、前記共役ジエン部の水素添加率が75モル%以上の水添共重合体であり、
前記ゴム組成物が、前記第一の重合体と前記第二の重合体とを混練し、前記第二の重合体を動的架橋することで得られるマスターバッチを含む空気入りタイヤ。 - 前記第二の重合体が、ハロゲン化ブチルゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム及びクロロプレンゴムからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記第二の重合体が、ハロゲン化ブチルゴムである請求項2記載の空気入りタイヤ。
- 前記ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中、前記第二の重合体の含有量が3〜35質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記第一の重合体の重量平均分子量が20万〜200万である請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記第一の重合体の水素添加率が80モル%以上である請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記第一の重合体が水添スチレンブタジエン共重合体である請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記第一の重合体のスチレン含有量が5〜40質量%である請求項7記載の空気入りタイヤ。
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2019
- 2019-06-26 JP JP2019118814A patent/JP2021004309A/ja active Pending
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