JP4950370B2 - 空気入りタイヤの製造時のばらつきを低減させる方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、補強用充填剤として含水ケイ酸を含有するとともに、押出成形物の形状安定性が良好であるとともに、物性のバラツキを低減させたゴム組成物、及びこのゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴム用補強充填剤としては、カーボンブラックが多用されている。これは、カーボンブラックが他の充填剤に比べて、高い補強性と優れた耐摩耗性を付与しうるからである。
一方、近年の省エネルギーの社会的な要請に伴い、自動車の燃料消費節約を目的として、タイヤ用ゴムの低発熱化を図る場合、カーボンブラックの充填量減量、あるいは大粒径のカーボンブラックの使用が考えられるが、いずれの場合も、補強性,耐摩耗性,湿潤路面でのグリップ性が低下するのを免れないことが知られている。
他方、低発熱性と湿潤路面でのグリップ性を両立させる充填剤として、含水ケイ酸(湿式シリカ)が知られており、例えば特開平3−252431号公報,特開平6−248116号公報,特開平7−70369号公報,特開平7−188466号公報,特開平7−196850号公報,特開平8−225684号公報,特開平8−245838号公報,特開平8−337687号公報など、数多くの特許が出願されている。
【0003】
しかしながら、この含水ケイ酸を配合したゴム組成物は、従来のカーボンブラックを配合したゴム組成物と比較して、押出成形物の形状安定性が悪い上に、物性のバラツキが大きいなどの欠点を有している。これは、含水ケイ酸の吸着水分に原因があると考えられる。
カーボンブラックは、水分含有量が通常1重量%以下であるのに対し、含水ケイ酸は5〜8重量%程度の水分を吸着している。そして、この水分量は、相対湿度により大きく左右され、例えば梅雨時など、湿度が90%を超える環境で保管した場合には、10〜15重量%といった多量の水分を吸着する。
このような水分は、ゴム組成物の押出工程において揮発し、ゴム組成物中の空隙率を増大させて、押出成形物の形状安定性を悪化させる。さらに、湿度によって、含水ケイ酸中の水分量が大きく変動するために、含水ケイ酸を一定量計量した際に、その中の含水ケイ酸純分が変化し、その結果、ゴム組成物の物性のバラツキを増大させるという問題が生じる。
【0004】
ところで、有機ケイ素化合物からなる疎水性化剤で表面処理したシリカを配合してなるゴム組成物が提案されている(特開平6−248116号公報)。しかしながら、この技術においては、表面処理されたシリカの性状についてはなんら記載されておらず、しかもその目的は耐摩耗性及び低発熱性を向上させることにあり、本発明の目的とは異なるものである。
また、有機ケイ素化合物で表面処理されたシリカを配合してなるゴム組成物を用いた空気入りタイヤが提案されている(特開平8−245838号公報)。しかしながら、この場合、表面処理されたシリカに関しては、疎水化率が、表面処理前後のジ−n−ブチルアミンの吸着量の変化に基づいて規定されているが、窒素吸着比表面積及び水銀圧入法比表面積についてはなんら記載されておらず、しかもその目的は、タイヤの耐摩耗性及び転がり抵抗性を改良することにあり、本発明の目的とは異なるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、補強用充填剤として含水ケイ酸を含有するとともに、通常、含水ケイ酸を含有することにより生じる押出成形物の形状安定性の不良及び物性のバラツキを抑制し、これらを改良したゴム組成物、及びこのゴム組成物を用いた空気入りタイヤを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、含水ケイ酸は、カーボンブラックに比べて吸着水分量が多く、しかもその吸着水分量は相対湿度に大きく左右され、これが、押出成形物の形状安定性の不良及び物性のバラツキの原因となることに着目し、含水ケイ酸を、処理前後の窒素吸着比表面積及び水銀圧入法比表面積が、それぞれ特定の関係を満たすように表面処理することにより、ゴム補強性を損なうことなく、吸着水分を減少させ、かつ相対湿度の影響をなくすことができ、結果として押出成形物の形状安定性が向上し、かつ物性のバラツキが低減したゴム組成物が得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)(A)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムと、(B)関係式
0.95≧BET(2)/BET(1)≧0.6
1.1≧PO(2)/PO(1)≧0.9
300≧PO(2)≧100
300≧BET(2)≧125
(ただし、BET(1)及びBET(2)は、それぞれ表面処理前及び表面処理後の含水ケイ酸の窒素吸着比表面積(m2/g)、PO(1)及びPO(2)は、それぞれ表面処理前及び表面処理後の含水ケイ酸の水銀圧入法比表面積(m2/g)を示す。)を満たす表面処理含水ケイ酸を利用することで空気入りタイヤの製造時のばらつきを低減させる方法
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム組成物においては、(A)成分として、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムが用いられる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、例えばポリイソプレン合成ゴム(IR),ポリブタジエンゴム(BR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),クロロプレンゴム(CR),ブチルゴム(IIR)などが挙げられる。
この(A)成分の天然ゴムやジエン系合成ゴムは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、本発明のゴム組成物においては、(B)成分として、表面処理含水ケイ酸が用いられる。この表面処理含水ケイ酸としては、表面処理前の窒素吸着比表面積(m2 /g)をBET(1)、表面処理後の窒素吸着比表面積(m2 /g)をBET(2)とし、表面処理前の水銀圧入法比表面積(m2 /g)をPO(1)、表面処理後の水銀圧入法比表面積(m2 /g)をPO(2)とした場合、関係式
0.95≧BET(2)/BET(1)≧0.6
1.1≧PO(2)/PO(1)≧0.9
300≧PO(2)≧100
300≧BET(2)≧125
を満たすものを用いることが必要である。
【0009】
上記BET(2)/BET(1)の値が0.6未満では、表面処理後の含水ケイ酸の表面積が小さくなりすぎて、補強性が充分に発揮されず、一方0.95を超えると水分吸着量が多くなり、押出成形物の形状安定性及びゴム物性のバラツキの改良効果が充分に発揮されず、いずれも本発明の目的が達せられない。補強性,押出成形物の形状安定性,物性のバラツキなどを考慮すると、BET(2)/BET(1)の好ましい値は0.7〜0.9の範囲である。
また、含水ケイ酸の水銀圧入法比表面積(PO)はゴム物性と極めて相関が高く、表面処理により、このPOが変化すると、耐摩耗性,補強性,粘弾性などのゴム物性が変化する。したがって、本発明においては、PO(2)/PO(1)の値は0.9〜1.1の範囲にあることが必要であり、特に0.95〜1.05の範囲が好適である。
【0010】
さらに、PO(2)が100m2 /g未満あるいはBET(2)が125m2 /g未満では補強性が充分に発揮されず、またPO(2)あるいはBET(2)が300m2 /gを超えると含水ケイ酸同士の凝集力が大きくなり、分散性が悪化して、補強性が低下する。補強性,分散性などの面から、このPO(2)の好ましい範囲は120〜250m2 /gであり、BET(2)の好ましい範囲は130〜250m2 /gである。
また、この(B)成分として用いられる表面処理含水ケイ酸は、直径1000Å以下の水銀圧入法細孔容積が1.1ミリリットル/g以上であり、温度25℃、相対湿度90%での平衡水分量が6重量%以下で、かつ温度25℃、相対湿度50%での平衡水分量と、温度25℃、相対湿度90%での平衡水分量との差が2.5重量%以下のものが好適である。
温度25℃、相対湿度90%での平衡水分量が6重量%を超えると、押出工程において水分が揮発し、押出成形物中の空隙率が大きくなって、形状安定性が不充分となるおそれがある。押出成形物の形状安定性の面から、該平衡水分量は、特に5重量%以下が好適である。
【0011】
また、温度25℃、相対湿度50%での平衡水分量と温度25℃、相対湿度90%での平衡水分量との差が2.5重量%を超えると、湿度によってゴム物性がばらつく原因となる。この平衡水分量の差は、ゴム物性のバラツキ低減の面から、特に2重量%以下が好適である。
含水ケイ酸を表面処理する方法としては、前記性状を有する表面処理含水ケイ酸が得られる方法であればよく、特に制限はないが、例えば有機ケイ素化合物を用いて、200℃以上、好ましくは200〜350℃、より好ましくは250〜350℃の温度で、好ましくは10分以上含水ケイ酸の表面処理を行う方法などが、好ましく用いられる。
この際、用いられる有機ケイ素化合物としては、例えばジメチルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサンやアミノ変性,アルキル変性,フッ素変性,カルビノール変性,メルカプト変性,ポリエーテル変性,エポキシ変性,メタクリル変性等の各種変性シリコーンオイルなど、更には環状ジメチルシロキサン,トリメチルシラノール,トリメチルモノクロロシラン,ジメチルジメトキシシラン,ジフェニルジメトキシシラン,ヘキサメチルジシラン,デシルトリエトキシシランなどが挙げられる。
また、処理時にKOH,(CH3)4 NOH,(n−C4 H9)4 POH等のアルカリ触媒や、硫酸,塩酸などの酸触媒を用いてもよい。
【0012】
本発明においては、この(B)成分の表面処理含水ケイ酸は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、特に制限はされないが、前記(A)成分100重量部に対し、10〜90重量部の範囲で好適に選定される。この配合量が10重量部未満では充分な補強効果が得られず、また、90重量部を超えると、ゴム組成物に要求される他の物性が低下するおそれがある。補強性、その他物性などを考慮すると、この(B)成分の好ましい配合量は、15〜80重量部の範囲である。
本発明のゴム組成物において、前記(B)成分の効果を、さらに向上させるために、所望により、(C)成分として、シランカップリング剤を配合することができる。このシランカップリング剤としては、従来公知のシランカップリング剤の中から任意のものを用いることができるが、特に一般式(I)
AmB3-mSi-X-Sa-X-SiAmB3-m・・(I)
(式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1〜9の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数7〜15のアリーレン基、mは1〜3の整数、aは1以上の整数で分布を有することもある。但し、mが1のときは二つのBは同じであっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは二つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよい。)
で表される化合物、一般式(II)
AmB3-mSi-X-Y ・・・(II)
(式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1〜9の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数7〜15のアリーレン基、Yはメルカプト基,ビニル基,アミノ基,グリシドキシ基又はエポキシ基、mは1〜3の整数を示す。但し、mが1のときは二つのBは同じであっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは二つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよい。)
で表される化合物、及び一般式(III)
AmB3-mSi-X-Sa-Z ・・・(III)
(式中、AはCnH2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子、Bは炭素数1〜3のアルキル基、Xは炭素数1〜9の飽和または不飽和アルキレン基あるいは炭素数7〜15のアリーレン基、Zはベンゾチアゾリル基,N,N−ジメチルチオカルバモイル基又はメタクリロイル基、mは1〜3の整数、aは1以上の整数で分布を有することもある。但し、mが1のときは二つのBは同じであっても異なっていてもよく、mが2又は3のときは二つ又は三つのAは同じであっても異なっていてもよい。)
で表される化合物の中から選ばれた少なくとも一種を用いるのが好ましい。
【0013】
前記一般式(I)で表されるシランカップリング剤の例としては、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド,ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド,ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド,ビス(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド,ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド,ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド,ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィドなどが、一般式(II) で表されるシランカップリング剤の例としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリメトキシシラン,3−アミノプロピルトリエトキシシラン,3−アミノプロピルトリメトキシシラン,3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどが、一般式(III)で表されるシランカップリング剤の例としては、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルカルバモイルテトラスルフィド,3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド,3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィドなどが、それぞれ挙げられる。
本発明においては、この所望により用いられる(C)成分のシランカップリング剤は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、前記(B)成分の表面処理含水ケイ酸に対して1〜20重量%の範囲で選ばれる。この配合量が1重量%未満ではシランカップリング剤を配合した効果が充分に発揮されないおそれがあり、一方、20重量%を超えるとその量の割には効果の向上がみられず、むしろ経済的に不利となる。配合効果及び経済性などを考慮すると、この(C)成分のシランカップリング剤の好ましい配合量は3〜15重量%の範囲である。
【0014】
本発明のゴム組成物においては、貯蔵弾性率や補強性などを向上させる目的で、所望により、(D)成分としてカーボンブラックを配合することができる。
このカーボンブラックは、製造方法によりチャンネルブラック,ファーネスブラック,アセチレンブラック及びサーマルブラックなどに分類されるが、いずれのものも用いることができる。
本発明においては、この所望により用いられる(D)成分のカーボンブラックの配合量は、前記(A)成分100重量部に対し、80重量部以下になるように、かつ前記(B)成分の表面処理含水ケイ酸との合計量が120重量部以下になるように選ばれる。この(D)成分の配合量が80重量部を超えたり、(B)成分との合計量が120重量部を超えると所望の物性を有するゴム組成物が得られにくくなるおそれがある。配合効果及び物性などの面から、この(D)成分の好ましい配合量は、5〜70重量部の範囲であり、かつ(B)成分との合計配合量は100重量部以下が好ましい。
【0015】
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば加硫剤,加硫促進剤,老化防止剤,スコーチ防止剤,軟化剤,他の充填剤,亜鉛華,ステアリン酸などを含有させることができる。
そして、本発明のゴム組成物はタイヤのトレッドゴムに好適に用いられる。
本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させた本発明に係るゴム組成物が未加硫の段階でトレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
このようにして得られた本発明の空気入りタイヤは、タイヤ形状が安定するとともに、水分量のバラツキ低減によりゴム物性が安定するため、グリップ性や転がり抵抗性などの性能の安定性に優れている。
【0016】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、含水ケイ酸の物性及びゴム組成物の物性は、下記の要領に従い測定した。
<含水ケイ酸の物性>
(1)窒素吸着比表面積(BET)の測定
J.Am.Chem.Soc.,60巻,309頁(1938年)に記載された理論に基づいて、マイクロ・データ(株)製、全自動比表面積測定装置ベータ4232型を用いて、一点法により測定した。
(2)水銀圧入法比表面積(PO)
カルロ・エルバ社製水銀ポロシメーター2000型を用いて測定した。
(3)直径1000Å以下の水銀圧入法細孔容積(VHg)
カルロ・エルバ社製水銀ポロシメーター2000型を用いて水銀圧入法により細孔径分布を測定し、そのデータから細孔の容積を算出した。
(4)平衡水分量
温度25℃、湿度90%の恒温恒湿槽に含水ケイ酸を7日間放置したのち、JIS K6220の加熱減量測定法に従い、減量分を測定し、平衡水分量(1)(25℃,90%)とした。
同様にして、温度25℃、湿度50%の場合の減量分を測定し、平衡水分量(2)(25℃,50%)とした。
【0017】
<ゴム組成物の物性>
(5)空隙率
温度25℃、湿度90%の恒温恒湿槽に7日間放置した含水ケイ酸を用いて調製した未加硫ゴム組成物について、(株)東洋精機製作所製FAD型比重計を用いて空隙率を測定した(測定サンプル量約1g)。
(6)物性のバラツキ
温度25℃、湿度90%の恒温恒湿槽に7日間放置した含水ケイ酸又は温度25℃、湿度50%の恒温恒湿槽に7日間放置した含水ケイ酸を用いて調製したゴム組成物を、150℃で30分間加硫後、JIS K6301の試験法に準じて、ダンロップトリプソメーターを用い反発弾性を測定し、次式に従い物性バラツキを求めた。
バラツキA=〔(E1 −E2 )/E1 〕×100
(ただし、E1 は温度25℃、湿度90%で7日間放置した含水ケイ酸を用いた場合の反発弾性、E2 は温度25℃、湿度50%で7日間放置した含水ケイ酸を用いた場合の反発弾性を示す。)
【0018】
また、ゴム組成物の調製に用いた含水ケイ酸の種類を以下に示す。
含水ケイ酸A:日本シリカ工業(株)製含水ケイ酸「Nipsil VN3」500gと、デカメチルシクロペンタシロキサン2.5gをロータリーキルンに投入し、300℃で10分間処理したのち、室温まで放冷したもの。
含水ケイ酸B:含水ケイ酸「Nipsil VN3」500gと、信越化学工業(株)製アルキル変性シリコーンオイル「KF412」15gをロータリーキルンに投入し、250℃で10分間処理したのち、室温まで放冷したもの。
含水ケイ酸C:日本シリカ工業(株)製含水ケイ酸「Nipsil KQ」500gと、信越化学工業(株)製アルキル変性シリコーンオイル「KF412」15gをロータリーキルンに投入し、250℃で10分間処理したのち、室温まで放冷したもの。
含水ケイ酸D:日本シリカ工業(株)製含水ケイ酸「Nipsil VN3」500gと、信越化学工業(株)製メチルフェニルシリコーンオイル「KF50」15gをロータリーキルンに投入し、300℃で10分間処理したのち、室温まで放冷したもの。
含水ケイ酸E:日本シリカ工業(株)製含水ケイ酸「Nipsil VN3」500gと、信越化学工業(株)製アミノ変性シリコーンオイル「KF8012」25gをロータリーキルンに投入し、250℃で10分間処理したのち、室温まで放冷したもの。
含水ケイ酸F:日本シリカ工業(株)製含水ケイ酸「Nipsil VN3」
含水ケイ酸G:日本シリカ工業(株)製含水ケイ酸「Nipsil KQ」
これらの含水ケイ酸の性状を第1表に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
実施例1〜5及び比較例1,2
SBR0120〔JSR(株)製,スチレンブタジエンゴム〕96.25重量部(ゴム成分:70重量部、伸展油:26.25重量部)とBR150L〔宇部興産(株)製,ポリブタジエンゴム〕30重量部とからなるゴム成分100重量部に対し、第1表に示す種類の含水ケイ酸65重量部、シランカップリング剤であるビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(デグサ社製,Si69)5.2重量部、ステアリン酸2重量部、老化防止剤6C〔N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン〕1.5重量部、亜鉛華3重量部、加硫促進剤DPG(1,3−ジフェニルグアニジン)0.5重量部、加硫促進剤TBBS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)1重量部及び硫黄1.5重量部を配合し、ゴム組成物を調製した。なお、含水ケイ酸は、温度25℃、湿度90%の恒温恒湿槽に7日間放置したもの、又は温度25℃、湿度50%の恒温恒湿槽に7日間放置したものを用いた。
各ゴム組成物の空隙率,反発弾性E1 ,反発弾性E2 及び物性のバラツキAを第2表に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
【発明の効果】
本発明のゴム組成物は、補強用充填剤として特定の性状を有する表面処理含水ケイ酸を配合したものであって、押出成形物の形状安定性が良好である上、ゴム物性のバラツキが低いなどの特徴を有している。
Claims (1)
- (A)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムと、
(B)関係式
0.95≧BET(2)/BET(1)≧0.6
1.1≧PO(2)/PO(1)≧0.9
300≧PO(2)≧100
300≧BET(2)≧125
(ただし、BET(1)及びBET(2)は、それぞれ表面処理前及び表面処理後の含水ケイ酸の窒素吸着比表面積(m2/g)、PO(1)及びPO(2)は、それぞれ表面処理前及び表面処理後の含水ケイ酸の水銀圧入法比表面積(m2/g)を示す。)を満たす表面処理含水ケイ酸を利用することで空気入りタイヤの製造時のばらつきを低減させる方法。
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