JP4946247B2 - エピタキシャル基板および液相エピタキシャル成長方法 - Google Patents

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本発明は、液相エピタキシャル成長方法によりエピタキシャル層が積層されたエピタキシャル基板および液相エピタキシャル成長方法に関し、特に、積層されるエピタキシャル層にC(カーボン)がドープされたエピタキシャル基板および液相エピタキシャル成長方法に関するものである。
一般的に、単結晶ウエーハにエピタキシャル成長を行うためには、気相エピタキシー、液相エピタキシー、分子線エピタキシー等の方法がある。その中で、液相エピタキシャル法は化合物半導体のエピタキシャル基板を作製する方法として広く利用されてきた。
液相エピタキシャル法は、例えば飽和した溶媒の温度を徐々に下げてウエーハ上に成長させる方法(徐冷法)、ウエーハおよび溶媒に温度差を付けてウエーハ上に成長させる方法(温度差法)等がある。これらのような液相エピタキシャル法では、一般に、作製されたエピタキシャル層の転位密度、点欠陥密度等が他の方法と比較して低く、特に間接遷移結晶のエピタキシーには有利であり、例えばGaPのLED用エピタキシャル基板の作製等に使用されてきた。
また、AlGaAsエピタキシャル基板を作製する場合、溶媒として用いるGaにAlおよびGaAsを溶解させ、GaAs基板上に析出させれば、比較的簡便に三元系の混晶結晶のエピタキシーが可能である。
このような液相エピタキシーでは、上記溶媒を保持する容器(治具)が必要であり、一般的には、比較的安価で加工を施しやすいグラファイトカーボン製のものや、石英ガラス製のものが使用されている。ところが、この溶媒に使用されるGaを代表とする金属はこれらの治具の成分を溶かし込むため、エピタキシャル成長中に治具の成分がエピタキシャル層にオートドープされる。
従来の液相エピタキシャル成長方法では、例えばエピタキシャル層にカーボンをドープしてエピタキシャル成長させるとき、上記のオートドープを利用し、カーボン製の治具からエピタキシャル層にカーボンを供給していた。カーボンは化合物半導体ではp型の不純物であり、p型ドーパントとしての性質が他のp型ドーパントと比べて良好であることが知られている(特許文献1参照)。
ここで、まず、図7に、従来の一般的なN(窒素)ドープのLED用GaPエピタキシャル基板の構造および不純物濃度分布図を示す。
この従来のLED用エピタキシャル基板1’は、基板2’上に、順に、n型層4’、n型層5’、p型層6’からなるエピタキシャル層3’が積層されている。通常は、n型層4’、5’にはp型ドーパントとなるカーボンは不要なため、オートドープにより不必要にカーボンがエピタキシャル層に供給されないように、石英等の治具を用いてエピタキシャル成長が行われたものとなっている。カーボンが治具よりオートドープされていない場合は、エピタキシャル層でのカーボン濃度は5×1015atoms/cmにとどいていない。p型不純物としては例えばZnが用いられる。
一方、前述したように、p型ドーパントとしての性質が比較的優れているカーボンを導入したエピタキシャル基板の場合、オートドープによってカーボンを供給できるように、カーボングラファイト等のカーボン製の治具を用いてエピタキシャル成長を行い、例えば図8(a)に示すような構造のエピタキシャル基板1”を製造することができる。このエピタキシャル基板1”では、基板2”側より、n型層4”、p型層5”、p型層6”のエピタキシャル層3”が積層されている。
しかしながら、このようにカーボン製の治具を用い、カーボンをオートドープにより供給しながらエピタキシャル層3”を液相エピタキシャル成長したときに、図8(b)に示すように、エピタキシャル層中のカーボン濃度は、基板側から徐々に低下するプロファイルとしかならず、固定されてしまい、任意の濃度に制御することが不可能であるばかりか、他の不純物(例えばn型ドーパントであるSi)の濃度プロファイルによっては、例えばp型層中にn反転層が出現して意図せずにサイリスタ構造になってしまう等の問題が発生することがあった。
特許第163985号公報
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、治具からのオートドープによる固定されたカーボンの濃度プロファイルではなく、調整された任意のカーボン濃度プロファイルを有するエピタキシャル基板および液相エピタキシャル成長方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、基板上にエピタキシャル層が液相エピタキシャル成長方法により積層されたエピタキシャル基板であって、前記基板上に積層されたエピタキシャル層におけるカーボン濃度プロファイルが、溶媒の保持のためのカーボン製治具から供給され得るカーボンの濃度から±50%の濃度プロファイルと交差しているものであることを特徴とするエピタキシャル基板を提供する。
このように、エピタキシャル層におけるカーボン濃度プロファイルが、カーボン製治具から供給され得るカーボンの濃度から±50%の濃度プロファイルと交差しているものは、従来のようにオートドープを利用して得られるカーボン濃度プロファイルから完全に逸脱したプロファイルを有するエピタキシャル基板であり、本発明によって提供され得るものである。
また、本発明は、基板上にエピタキシャル層が液相エピタキシャル成長方法により積層されたエピタキシャル基板であって、前記基板上に積層されたエピタキシャル層におけるカーボン濃度プロファイルが、溶媒の保持のためのカーボン製治具から供給され得るカーボンの濃度から±50%の濃度プロファイルで囲まれた領域からはずれた部分を有するとともに、5×1015atoms/cm以上の部分を有するものであることを特徴とするエピタキシャル基板を提供する。
前述したように、従来のエピタキシャル層にカーボンをドープした液相エピタキシャル成長方法によるエピタキシャル基板は、カーボン製の治具から溶媒を介してエピタキシャル層にカーボンを供給してドープするオートドープを利用したものである。このような従来のエピタキシャル基板では、エピタキシャル層におけるカーボン濃度のプロファイルはエピタキシャル成長方向に徐々に減少しているプロファイルとしかならない。
一方、本発明のエピタキシャル基板では、エピタキシャル層におけるカーボン濃度プロファイルは、溶媒の保持のためのカーボン製治具から供給され得るカーボンの濃度から±50%の濃度プロファイルで囲まれた領域からはずれた部分を有するとともに、5×1015atoms/cm以上の部分を有している。
上記のような従来の液相エピタキシャル成長方法によるエピタキシャル基板のカーボン濃度プロファイルとは異なり、オートドープにより、エピタキシャル成長時の温度のみに依存したプロファイルから完全に逸脱したプロファイルを有するエピタキシャル基板とすることができる。
かつ、石英治具等のオートドープが発生しない治具を用いて成長されたエピタキシャル層のプロファイルとも異なり、5×1015atoms/cm以上の部分を有するエピタキシャル基板にできる。
したがって、カーボン濃度プロファイルが固定されることがないし、それによって例えばサイリスタ構造などの意図しない濃度プロファイルが形成されるのを効果的に防ぐことができるエピタキシャル基板となる。
さらには、基板上にエピタキシャル層が液相エピタキシャル成長方法により積層されたエピタキシャル基板であって、前記基板上に積層されたエピタキシャル層の少なくとも一積層部位におけるカーボン濃度が、該積層部位より前に積層された部位におけるカーボン濃度よりも高いものであることを特徴とするエピタキシャル基板を提供する。
このように、エピタキシャル層の少なくとも一積層部位におけるカーボン濃度が、該積層部位より前に積層された部位におけるカーボン濃度よりも高いものであれば、エピタキシャル成長方向に徐々にカーボン濃度が減少しているプロファイルとは異なったカーボン濃度プロファイルを有するエピタキシャル基板とすることができる。すなわち、本発明のエピタキシャル基板では、従来の液相エピタキシャル成長方法によるエピタキシャル基板では得られなかったカーボン濃度プロファイルとすることができる。
また、本発明は、基板上にエピタキシャル層が液相エピタキシャル成長方法により積層されたエピタキシャル基板であって、前記基板上に積層されたエピタキシャル層は、カーボン濃度が1×1016atoms/cm以上で積層された部位を有するとともに、カーボン濃度が5×1015atoms/cm以下で積層された部位を有するものであることを特徴とするエピタキシャル基板を提供する。
従来の液相エピタキシャル成長方法によるエピタキシャル基板のエピタキシャル層におけるカーボン濃度プロファイルは、エピタキシャル成長時の温度のみに依存しており、エピタキシャル成長工程での温度範囲により、エピタキシャル層にドープされるカーボンの濃度範囲(上限および下限)が限定されてしまう。
しかしながら、本発明のエピタキシャル基板では、そのような従来のカーボン濃度範囲に限定されることなく、1×1016atoms/cm以上の高濃度で積層された部位を有するとともに、5×1015atoms/cm以下の低濃度で積層された部位を有するものとすることができる。
そして、前記基板上に積層されたエピタキシャル層は、複数の層が順次積層されたものとすることができる。
このように、用途等に応じて、基板上に積層されたエピタキシャル層を複数の層が順次積層されたものとすることができる。
このとき、前記複数の層は、基板側からn型層、p型層、p型層とすることができる。
このように、エピタキシャル層における複数の層が、基板側からn型層、p型層、p型層であれば、例えば発光ダイオードを形成した時に、pn接合の形成位置が電極と比較的離れたものとすることができ、電極に吸収される割合を小さくし、発光出力が増加されたものとすることができる。
また、前記エピタキシャル層が化合物半導体からなる層とすることができる。
前述したように、液相エピタキシャル成長方法は化合物半導体をエピタキシャル成長させるのに広く用いられている。本発明のエピタキシャル基板のようにエピタキシャル層が化合物半導体からなる層のものであれば、カーボン濃度が制御された高品質のものとすることができ、市場の需要に対して応えることができるものとすることができる。
このとき、前記化合物半導体がGaPのものとすることができる。
このように、前記化合物半導体がGaPであれば、カーボン濃度が制御された高品質のGaPのLED用エピタキシャル基板を得ることができる。
また、本発明は、基板に溶媒を接触させてエピタキシャル層を液相エピタキシャル成長させる方法であって、前記基板上にエピタキシャル層を液相エピタキシャル成長させるとき、前記溶媒に炭化水素ガスを接触させることにより、前記成長するエピタキシャル層中にカーボンを供給して、該エピタキシャル層にカーボンをドープすることを特徴とする液相エピタキシャル成長方法を提供する。
このように、基板上にエピタキシャル層を液相エピタキシャル成長させるとき、基板に接触させる溶媒に炭化水素ガスを接触させることにより、成長するエピタキシャル層中にカーボンを供給してドープすれば、溶媒を保持するカーボン製の治具からのオートドープを利用するだけの従来の液相エピタキシャル成長方法とは異なって、カーボンをエピタキシャル層に自由な濃度およびタイミングでドープすることができる。
すなわち、エピタキシャル層におけるカーボン濃度プロファイルは、エピタキシャル成長時の温度により一意的に決定され、エピタキシャル成長方向に徐々に減少する従来のカーボン濃度プロファイルから逸脱して、任意に制御されたプロファイルを本発明によって得ることができるし、それによって例えばサイリスタ構造等が意図せず形成されてしまうことも防ぐことができる。
このとき、エピタキシャル層を液相エピタキシャル成長させるときに前記溶媒を保持する治具を石英製のものとすることができる。
このように、エピタキシャル層を液相エピタキシャル成長させるときに溶媒を保持する治具を石英製のものとすれば、治具からのカーボンの供給はなく、エピタキシャル層にドープするカーボンの濃度は炭化水素ガスの供給条件によりほとんど決定されるため、エピタキシャル層において所望のカーボン濃度に精度よく簡便に制御しやすく好ましい。
そして、前記エピタキシャル層にドープするカーボンの濃度を、前記炭化水素ガスの流量を調節することにより制御するのが好ましい。
このように、エピタキシャル層にドープするカーボンの濃度を、炭化水素ガスの流量を調節することにより制御すれば、ドープされるカーボン濃度と炭化水素ガスの流量の相関関係が良いため、所望のカーボン濃度に正確に制御することができる。
また、前記エピタキシャル層を化合物半導体からなる層とすることができる。
このように、エピタキシャル層を化合物半導体からなる層とすれば、市場の需要に応えることができる高品質のエピタキシャル基板に成長させることができる。
このとき、前記化合物半導体をGaPとすることができる。
このように、前記化合物半導体をGaPとすることができ、カーボン濃度が制御された高品質のGaPのLED用エピタキシャル基板を得ることができる。
そして、前記炭化水素ガスをメタンとすることができる。
このように、炭化水素ガスをメタンとすれば、メタンは安価で入手しやすいため、比較的コストをかけずに所望のエピタキシャル基板に液相エピタキシャル成長させることができる。
本発明のエピタキシャル基板によって、オートドープによりエピタキシャル成長時の温度により決定され、エピタキシャル成長方向に減少していくパターンから逸脱し、石英治具等を用いただけの場合のパターンとも異なり、任意に制御されたカーボン濃度プロファイルを有する液相エピタキシャル成長方法によるエピタキシャル基板を得ることができる。
また、本発明の液相エピタキシャル成長方法によって、エピタキシャル層に自由にカーボンをドープすることが可能であり、所望のカーボン濃度プロファイルを有するエピタキシャル基板に液相エピタキシャル成長させることができる。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
従来では、基板上に溶媒を接触させてエピタキシャル層を液相エピタキシャル成長させるときに、カーボンをそのエピタキシャル層にドープする場合、溶媒を保持する治具をカーボン製のものとし、溶媒中にカーボンを溶け込ませることによりエピタキシャル層中にカーボンを導入するオートドープを利用していた。
しかしながら、図8に示すように、例えばGaP層をエピタキシャル成長させるとき、このようにしてp型ドーパントであるカーボンをドープする場合、例えばSiのn型ドーパントの濃度プロファイルによっては、p型エピタキシャル層中にn反転層が出現して、意図せずにサイリスタ構造が形成されてしまうという問題があった。
このような問題が発生してしまうのは、上述の従来の液相エピタキシャル成長方法では、エピタキシャル層におけるカーボン濃度は、エピタキシャル成長時の温度によって一意的に決定されてしまい、自由度がほとんど無いことに原因があると考えられる。
治具からのオートドープのみでは、エピタキシャル層へのカーボンのドープ量(濃度)は該治具の材質の溶媒への溶解度で決まる。したがって、ドープ量は温度の関数となっており、エピタキシャル成長時の温度によって決定され、エピタキシャル成長が進行するにつれてカーボン濃度が徐々に下がるパターンのプロファイルに固定されてしまう。
このように、従来法では、上記オートドープによるカーボン濃度プロファイルから逸脱してエピタキシャル層に任意の濃度でカーボンをドープすることは困難である。そこで本発明者らが、液相エピタキシャル成長方法でのエピタキシャル層中へのカーボンのドープ方法について鋭意研究を重ねたところ、液相エピタキシャル成長を行うときに、溶媒に炭化水素ガスを接触させれば、溶媒中にカーボンが導入されて、その結果、成長するエピタキシャル層中にカーボンを自由に供給することが可能であると考えた。このようにして、液相エピタキシャル成長のときに、エピタキシャル層にカーボンを所望の濃度やタイミングでドープすることができ、エピタキシャル層におけるカーボン濃度プロファイルを任意に制御できるとともに、上述したような意図しないn反転層等が形成されてしまうのを防ぐことができることを見出し、本発明を完成させた。
以下では、本発明の実施の形態について図を参照して具体的に説明をする。
図1は、本発明のエピタキシャル基板の一例を示す概略構成図である。図1のように、本発明のエピタキシャル基板1では、基板2上にエピタキシャル層3が液相エピタキシャル成長方法により形成されている。
まず、液相エピタキシャル成長方法により成長させたものなので、気相エピタキシャル成長方法や分子線エピタキシャル成長方法等の他の方法によるものよりも、エピタキシャル層3における転位密度や点欠陥密度が比較的低いものとすることができる。
そして、この基板2や、エピタキシャル層3の材質は特に限定されず、用途に応じて適宜選定することができる。上述したように、一般に液相エピタキシャル成長方法は広く使用されており、特には間接遷移結晶のエピタキシーに対して有効であるため、エピタキシャル層3が化合物半導体、例えばGaPからなる層であれば、市場での需要も高い化合物半導体のエピタキシャル基板1とすることができる。
また、エピタキシャル層3は複数の層が順次積層されたものとすることができる。積層する層の数や、各層の厚さ等は、用途によってその都度決定することができる。例えば、図1に示すように、基板2側からn型層4、p型層5、p型層6が順次積層されたものとすることができる。このような構造であれば、例えば図2に示すような、電極8が形成されて素子化された発光デバイス7では、pn接合の形成位置が電極8から比較的離れており、電極8によって光が吸収される割合をより小さくすることが可能である。ここで、図17に、図2のように積層した場合(B)と、基板2側からn型層、n型層、p型層を順次積層した場合(C)において、電極による光の吸収具合を比較した説明図を示す。このように、図2のような構造(B)であれば、例えば(C)の場合よりも効率良く光を取り出すことができ、発光出力を高めることが可能である。
ここで、本発明のエピタキシャル基板1のエピタキシャル層3におけるカーボン濃度プロファイルについて詳述する。例として、化合物半導体GaPが液相エピタキシャル成長された場合について述べるが、前述したように、本発明は化合物半導体に限定されるものではないし、また、当然化合物半導体であってもGaPに限定されるものでもない。
図8に示すように、従来のように治具からのオートドープを利用して製造したエピタキシャル基板におけるカーボン濃度プロファイルでは、エピタキシャル成長方向、すなわち、基板2”側からエピタキシャル基板1”の表面に向かう方向に徐々に減少していくプロファイルとなっている。これは、前述したように、エピタキシャル層にドープされるカーボンの濃度は、治具から溶媒への溶解度により決定されるものであり、言い換えれば、エピタキシャル成長時の温度に依存する。したがって、温度を下げて徐々にエピタキシャル層を順次積層していく液相エピタキシャル成長方法では、その温度変化に対応してドープされるカーボン濃度は徐々に減少していくパターンとしかならない。
しかしながら、例えば図2に示すように、本発明のエピタキシャル基板1(発光デバイス7)では、従来法によりカーボン製治具を用いてカーボンをオートドープした場合に得られるプロファイル、すなわち図8に示すような徐々に減少していくだけのオートドープにより濃度が固定された従来のプロファイル(カーボン製の治具から供給され得るカーボンの濃度のプロファイルL)とは異なるプロファイルCを有したものとすることができる。図2には、例えば濃度の測定装置の精度等を考慮し、カーボン製の治具から供給され得るカーボンの濃度のプロファイルLに対して±50%の濃度を表すプロファイルL’も示している。この図2から判るように、この例でのプロファイルCはプロファイルL’と交差している。プロファイルL’との交差は、+50%、−50%の濃度プロファイルの少なくともいずれかで良い。このようなプロファイルL’と交差するようなプロファイルCは、オートドープによる従来法によるプロファイルとは完全に逸脱しており、従来では得られなく、本発明によって得られるものである。
エピタキシャル層3において、従来のエピタキシャル基板では、例えばp型層において意図せずn反転層が生じてサイリスタ構造となってしまうようなn型ドーパントのシリコンの濃度プロファイルを有する場合であっても(図8(b)参照)、図2に示すような本発明のエピタキシャル基板1であれば、p型層5においてカーボン濃度がシリコン濃度に逆転されないものとすることができ、n反転層は形成されない。当然サイリスタ構造とはならずに、所望の構造のエピタキシャル基板とすることができる。
また、図3に、本発明のエピタキシャル基板1の別の実施態様を示す。
この例では、カーボン濃度は、エピタキシャル層3の基板2側からある一定の深さで急激に減少し、その深さからエピタキシャル基板1の表面まで低い値を維持したプロファイルCとなっている。
このように、カーボン製の治具から供給され得るカーボンの濃度のプロファイルLに対して±50%の濃度を表すプロファイルL’で囲まれた領域RL’からはずれた部分が存在し、かつ5×1015atoms/cm以上の部分を有するプロファイルCのエピタキシャル基板1は、従来のプロファイルLから完全に逸脱したものとなっており、また、石英治具を用いただけの従来の場合(図7参照)とも異なっており、従来法のものではありえず、本発明によるものといえる。
さらに本発明の他の例を図4に示す。
図4の本発明のエピタキシャル基板1でのカーボン濃度プロファイルCは、エピタキシャル層3の基板2側からある一定の深さまでは徐々に減少しているが、その深さで急激に増加し、エピタキシャル基板1の表面まで、その増加した値のまま維持されたプロファイルとなっているものとすることができる。このように、特定の層にだけ、カーボンをドープすることができる。
このように、ある一積層部位(この場合、積層部位21)におけるカーボン濃度が、前に積層された部位(積層部位20)におけるカーボン濃度よりも高くなっている。
また、図5に示す例では、カーボン濃度プロファイルCのように、カーボン濃度が1×1016atoms/cm以上の積層部位22を有するとともに、5×1015atoms/cm以下の濃度の積層部位23も有したエピタキシャル基板1となっている。
前述したように、従来のエピタキシャル基板では、カーボン濃度プロファイルはエピタキシャル成長時の温度により一意的に決まってしまい、カーボン濃度の上限や下限は限定されてしまう。
しかしながら、本発明のエピタキシャル基板1では、そのような範囲に特に限定されず、1×1016atoms/cm以上の高濃度値と、5×1015atoms/cm以下の低濃度値の両方が見られるプロファイルを有することが可能である。
以下、本発明の液相エピタキシャル成長方法について詳述する。
なお、ここでは徐冷法による方法を例に挙げて述べるが、本発明はこれに限定されず、温度差法等により実施することも可能である。また、図6に示すようなGaPエピタキシャル基板を液相エピタキシャル成長させる例を挙げて説明するが、これに限らず、前述したプロファイルのものであれば良いし、基板やエピタキシャル層も化合物半導体、またGaPに限定されるものではない。得ようとするエピタキシャル基板の用途に応じて、適切な基板等を用意して実施すれば良い。
ここで、まず、上記本発明の方法を実施するのに使用することができる液相エピタキシャル成長装置について説明する。図9にその装置の一例を示す。
この液相エピタキシャル成長装置10では、石英チューブ17内にエピタキシャル成長を行うための石英治具14が配置されている。この石英治具14の底部に、n型GaP単結晶基板2が固定され、さらに石英治具14内にはGa溶液15が満たされている。また、石英治具14上部にはドーパントが通過できるよう加工された石英蓋16が設けられている。
石英チューブ17の一方の端部付近には、p型ドーパントとなるZnを内部に有する坩堝13が配置されている。石英チューブ17の外周部には、n型GaP単結晶基板2およびGa溶液15等を昇降温するためのヒーター11と、Znを昇温するためのサブヒーター12とが設けられている。そして、石英チューブ17のZn坩堝13が配置された側の端部には開口部が設けられており、カーボンをドープするための炭化水素ガスが、例えばHやAr等のキャリヤガスとともに石英チューブ17内に供給される。さらに、窒素ドープも行うのであれば、NHもこの開口部から供給することができる。
このような液相エピタキシャル成長装置10によって、GaP単結晶基板2上にGaPエピタキシャル層3を積層させることができる。
なお、この液相エピタキシャル成長装置10では、石英治具14を配置しているが、これに限定されず、カーボン製の治具を配置したものとすることもできる。まず、石英治具14であれば、治具よりシリコンを供給することができるとともに、治具からカーボンが供給されるのを防ぐことができる。このため、ドープされるカーボンの濃度は、石英チューブ17の開口部から供給する炭化水素ガスだけによるので比較的調整しやすい。当然石英製以外のカーボンがオートドープされない治具とすることもできる。
一方、カーボン製の治具を用いるのであればカーボンがオートドープされる。例えば、この治具よりオートドープされるカーボン濃度を考慮して、結果として所望の濃度のカーボンがドープされるように供給する炭化水素ガスを調節すれば良い。また、例えば予めGa溶液15にシリコン粉を混入させておくことで、n型ドーパントとなるシリコンもドープすることができる。
次に、このような液相エピタキシャル成長装置10を用い、基板2上にエピタキシャル層3を積層させて本発明のエピタキシャル基板1に成長させる工程の一例について詳述する。工程の概略を図10に示す。
ここでは、前述したように、図6のように、エピタキシャル層3中において、p型層5にカーボンがドープされたカーボン濃度プロファイルCを有するエピタキシャル基板1を製造する手順について述べる。
まず、図10(a)に示すように、n型GaP単結晶基板2上にGa溶液15を配置する。このときの温度は、例えばヒーター11は600℃以下に、サブヒーター12はそれより十分低い温度に設定する。
次に、石英チューブ17内にHを流すとともに、ヒーター11の温度を1000℃程度まで昇温させる。すると、n型GaP単結晶基板2の上部は徐々に溶解し、GaPがGa溶液15中に溶解し、Ga(+GaP)溶液15aとなる(図10(b))。
このようにn型GaP単結晶基板2の上部の溶解を行った後、図10(c)以降の工程を行う。図10(c)以降の工程では、石英チューブ17内を降温していき、溶解したn型GaP単結晶基板2a上に、GaPエピタキシャル層3を液相エピタキシャル成長させる。
まず、図10(c)に示すように、この降温工程でGaP層をエピタキシャル成長させるとともに、石英治具14から溶け込んだn型ドーパントとなるSiが、成長するエピタキシャル層にドープされる。このようにして、シリコンが十分にドープされたn型層4が形成される。
さらに、図10(d)に示すように、炭化水素ガスとして、例えばArをキャリアガスとしてこれにCHを追加して石英チューブ17内に供給することにより、カーボンがドープされたp型層5を、上記のシリコンが過剰にドープされたn型層4の上に成長させる。
なお、上記では、CHを供給する場合を挙げたが、カーボンを供給することができる炭化水素ガスであれば良く、特に限定されない。例えば芳香族炭化水素ガスとすることもでき、ガス状態で石英チューブ17内に供給することができれば良い。ただし、CHであれば比較的安価で済むし、入手しやすいので簡便である。キャリアガスもArに限定されず、Hを用いても良い。
また、このとき、この供給するCH等の炭化水素ガスの流量を調節することにより、ドープするカーボンの濃度を制御することができる。
ここで、図11に、CHの流量とエピタキシャル層中のカーボン濃度の相関関係を表すグラフを示す。このグラフは供給する気相中のCH濃度(流量)を変化させて、各流量で成長したエピタキシャル層中のカーボン濃度(最大値および平均値)をプロットしたものである。このグラフ(平均値)から0.986の寄与率Rが得られ、CHの流量とエピタキシャル層中のカーボン濃度の相関関係が良く、CHの流量を調節することにより、成長するエピタキシャル層におけるカーボン濃度を十分に制御できることが確認できる。
次に、図10(e)に示すように、Ar、CH等を流すのをやめて、サブヒーター12の温度を例えば700℃に昇温し、引き続きヒーター11の降温を行う。これにより、坩堝13中のZnがキャリヤガスHとともに石英チューブ17内に流れ、Znがドープされたp型層6がカーボンドープのp型層5上に形成される。
なお、GaPは間接遷移型半導体であり、pn接合を形成してもそのままでは輝度が極めて低いため、窒素をドープして発光出力を高めることもできる。エピタキシャル層3への窒素ドープは、エピタキシャル成長中にNH等を石英チューブ17内に供給することにより行うことができる。
また、上記工程に限定されず、所望の構造、濃度プロファイルが得られるように、各ガスおよび各ドーパント(特にカーボン関連)の供給タイミングや量を自由に設定することができる。これにより、成長したエピタキシャル層中のカーボン濃度およびその他のドーパント濃度を任意に制御することができる。
以上のようにして、本発明の液相エピタキシャル成長方法を用い、基板2上にエピタキシャル層3を液相エピタキシャル成長させて、本発明のエピタキシャル基板1に液相エピタキシャル成長させることができる。図6に、上記工程で製造されたエピタキシャル基板1における不純物濃度プロファイルを示す。このように、CH等の炭化水素ガスを供給することにより、液相エピタキシャル成長するエピタキシャル層3の積層部位(上記の例の場合、p型層5)に、カーボンを自由に所望の量だけドープすることが可能である。
本発明の方法によって、治具からのオートドープのみに依存し、エピタキシャル成長方向に徐々に減少していくだけの従来のエピタキシャル基板の固定されたカーボン濃度プロファイルから十分に逸脱し、任意に調整されたカーボン濃度プロファイルを有する高品質のエピタキシャル基板を得ることが可能である。
以下、本発明の実施例および比較例をあげてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
(実施例1)
図9に示す液相エピタキシャル成長装置を用いて、n型GaP単結晶基板上にGa溶液を配置し、図1のエピタキシャル基板1のように、基板側からn型層、p型層、p型層の順に、GaPエピタキシャル層を本発明の液相エピタキシャル成長方法により成長させた。このときの工程時間・温度、ガスやドーパントの供給タイミング・供給量等の実施条件の概略を図18に示す。基板およびGa溶液を保持する治具は石英製のものとした。
まず、GaP単結晶基板およびGa溶液を治具内に配置した後、石英チューブ内にH(流量:1.0slm)およびAr(流量:1.0slm)を流すとともに、ヒーターの温度を1000℃まで昇温させ、GaP単結晶基板の上部をGa溶液中に溶解させた。
GaP単結晶基板を所定厚さ溶解させた後、石英チューブ内を降温していき、GaPエピタキシャル層3を成長させた。
最初に、n型ドーパントとなるSiをドープさせてn型層4を成長させた(厚さ:約10μm)。Siのドープ方法は、石英治具からのオートドープであり、8×1016atoms/cmの濃度でドープされている。
次に、p型ドーパントとなるカーボンをドープさせてp型層5を成長させた(厚さ:約12μm)。このとき、n型ドーパントのSiの濃度プロファイルを十分に考慮し、反転層等が意図せず形成されないよう注意してCHを石英チューブ内に供給し、2×1016atoms/cmの濃度でドープされるよう調節した(CHガス濃度:Arベース5%、(Ar+CH)流量:200sccm)。
また、同時にNHを供給して2×1018atoms/cm程度の濃度でNをドープした(流量:50sccm)。
この後、さらに、p型ドーパントとなるZnをドープさせてp型層6を成長させた(厚さ:27μm)。
サブヒーターの温度を700℃に昇温することにより、ZnをキャリアガスHとともに石英チューブ内に流し、1×1018atoms/cm程度の濃度でドープされるようにした。
なお、このp型層6を厚さ7μm成長させたときに、CHを供給するのをやめた。
その後、エピタキシャル層が殆ど成長しなくなる800℃でH、NH、Znの供給をやめてさらに降温し、室温まで下げて本発明のエピタキシャル基板を得た。
このようにして得られた本発明のエピタキシャル基板1の不純物の濃度プロファイルをSIMSによって分析した(検出限界:1×1015atoms/cm)。分析結果を図12に示す。図12には、比較のため、カーボン製の治具から供給され得るカーボンの濃度のプロファイルL、プロファイルLに対して±50%の濃度を表すプロファイルL’、およびプロファイルL’で囲まれた領域RL’も示した。
図12から判るように、CHを供給したp型層5およびp型層6の一部でのみカーボン濃度が2×1016atoms/cmの濃度でドープされており、p型層5の前に積層されたn型層5よりも高濃度でp型層5等にドープされた急峻なプロファイルが得られている。
また、領域RL’からはずれた部分を有し、かつ、5×1015atoms/cm以上の部分を有するプロファイルとなっている。プロファイルL’と交差もしている。
また、1×1015atoms/cm以上の濃度の部位を有するとともに、5×1015atoms/cm以下の濃度の部位を有したプロファイルとなっている。
このように、本発明によって、従来方法でのカーボン製の治具から供給され得るカーボンの濃度のプロファイルLから大きく逸脱したプロファイルが得られ、所望のカーボン濃度プロファイルにすることができる。このようにして、カーボン濃度が制御された高品質のエピタキシャル基板を得ることができた。
また、上記実施例1と同様にして、本発明の液相エピタキシャル成長方法によりカーボンをドープして本発明のエピタキシャル基板を30枚作製したところ、従来のような徐々に減少していくだけの固定されたプロファイルとは異なり、いずれも図12のような濃度プロファイルを有しており、また、意図せずに反転層が形成されてしまうことはなかった。
(比較例1)
図9に示す液相エピタキシャル成長装置を用いて、n型GaP単結晶基板上にGa溶液を配置し、基板側からn型層、p型層、p型層の順に、GaPエピタキシャル層を従来の液相エピタキシャル成長方法により成長させた。ただし、本発明を実施した上記実施例1とは異なりCHの供給は行わなかった。また、基板およびGa溶液を保持する治具はカーボン製とし、従来法のようにオードドープによりカーボンをドープした。
まず、GaP単結晶基板およびGa溶液を治具内に配置した後、石英チューブ内にH(流量:1.0slm)およびAr(流量:1.0slm)を流すとともに、ヒーターの温度を1000℃まで昇温させ、GaP単結晶基板の上部をGa溶液中に溶解させた。
GaP単結晶基板を所定厚さ溶解させた後、石英チューブ内を降温していき、GaPエピタキシャル層を成長させた。
最初に、n型ドーパントとなるSiをドープさせてn型層を成長させた(厚さ:22μm)。Siのドープ方法は、室温状態でGa中に高純度のSi結晶を予め混入させておく方法で行い、2×1017atoms/cmの濃度でドープされるようSi量を調節した。
この後、上記方法によるSiの供給をやめ、カーボンのオートドープによるp型層を成長させた(厚さ:16μm)。
このとき、NHを供給して1×1018atoms/cm程度の濃度でドープした(流量:50sccm)。
さらに、p型ドーパントとなるZnをドープさせてp型層を成長させた(厚さ:22μm)。
サブヒーターの温度を700℃に昇温することにより、ZnをキャリアガスHとともに石英チューブ内に流し、1×1018atoms/cm程度の濃度でドープされるようにした。
この後、各ガス、Znの供給をやめ、室温まで下げて従来法によるエピタキシャル基板を得た。
なお、上述したように、カーボンは、エピタキシャル成長中に、カーボン製の治具からGa溶液中に溶解され、成長するエピタキシャル層(上記n型層、p型層、p型層)中にドープされた。
このような従来法で得られたエピタキシャル基板の不純物の濃度プロファイルをSIMSによって分析した。分析結果を図13に示す。
図13から判るように、比較例1のエピタキシャル層におけるカーボン濃度プロファイルは、カーボン製の治具から供給され得るカーボンの濃度のプロファイルLに沿っており、領域RL’内に全ておさまったプロファイルとなっていることが確認できる。
このように、従来法では、本発明とは異なってカーボン濃度を任意に調整することができず、プロファイルLから大きく逸脱したカーボン濃度プロファイルを得ることはできない。
この比較例1と同様にして、従来のエピタキシャル成長方法によりカーボンをドープしてエピタキシャル基板を30枚作製したところ、2枚に反転層が意図せず形成されてしまった。従来法では、本発明の方法とは異なり、カーボンを決まったパターンでしかドープすることができず、他の不純物(シリコン等)の変化に対して柔軟に対応できなかったために反転層を形成させてしまったためと考えられる。
(実施例2・比較例2)
実施例1と同様の手順で、ただし図14に示すような構造および濃度プロファイルとなるようにガス流量、供給タイミング等を変更してエピタキシャル基板を33枚作製した。エピタキシャル層は、基板側から順にn型層、p型層、p型層とした(実施例2)。このエピタキシャル基板に電極を形成し、素子化して、LED用デバイスを製造した。
なお、いずれも反転層等は形成されず、全て所望の構造・濃度プロファイルを有するエピタキシャル基板、LED用デバイスを得ることができた。
一方、上記実施例2と同様にして、ただしCHは供給せず、カーボンのドープは行わずに図15に示すような従来の一般的な構造および濃度プロファイルを有するエピタキシャル基板を29枚作製した。エピタキシャル層は、基板側から順にn型層、n型層、p型層とした(比較例2)。このエピタキシャル基板に電極を形成し、素子化して、LED用デバイスを製造した。
実施例2および比較例2のデバイスについて、直上輝度Iv(mcd)、放射束Po(mw)、光束Pv(mlm)を測定して各平均値を比較した。比較結果を図16((a)直上輝度Iv、(b)放射束Po、(c)光束Pv)に示す。
図16から判るように、いずれのデータも、実施例2のほうが比較例2よりも良い値を示している。
これは、まず、図15に示すように、比較例2ではpn接合が表面から20μmの部分に形成される。一方、実施例2では、図14に示すように、pn接合は表面から40μmの部分に形成されている。LED用デバイスにおいて、発光した光が最も多く吸収されるのは、表面の電極である。簡単な幾何学計算では、pn接合中心から発光された光が電極に吸収される割合が、比較例2に対して実施例2では56%程度に抑えられ、光の取り出し効率が高くなることがわかる(図17参照)。また、p型層が2倍となるため、電流の拡散に対する効果も高くなる。
さらに、p型ドーパントとしてカーボンをドープしたことにより、実施例2はより優れた特性を有するものとなっている。
(実施例3〜8)
実施例3、4、7、8ではCHの供給する流量およびタイミングの条件を変更し、実施例5、6ではCHの供給する流量およびタイミングの条件を変更し、かつZnの供給は行わず、それぞれ、上記以外は実施例1と同様にして本発明の液相エピタキシャル成長方法を実施した。実施例3〜8におけるCHの供給条件を表1に示す。
Figure 0004946247
実施例3〜8で得られた本発明のエピタキシャル基板1の不純物の濃度プロファイルをSIMSによって分析した。いずれも、CHの流量が調節された供給条件によってカーボン濃度が調整されて、従来法では得ることができないカーボン濃度プロファイルが得られた。分析結果を図19〜24に示す。
まず、実施例3(図19)で得られたエピタキシャル基板では、エピタキシャル成長開始時よりCHを一定量供給しており、それに対応してカーボン濃度が2×1016atoms/cm程度の濃度で一定となっていることが判る。そして、p型層6を厚さ7μm成長させた後に供給をやめたのに対応してカーボン濃度が急降下している。検出限界値に近い1×1015atoms/cm程度となっている。
また、実施例4(図20)では、n型層4においてはCHを供給していないために検出限界値であり、p型層5、6においては、CHの供給によってカーボン濃度が急上昇し、2×1016atoms/cm程度の濃度が得られている。
次に、実施例5(図21)では、CHの供給によってn型層4、p型層5で2×1016atoms/cm程度の濃度でカーボンがドーピングされており、p型層6では、100%のCHを230sccm流したことでカーボン濃度が急上昇し、4×1017atoms/cm程度の高濃度でカーボンがドーピングされている。
そして、実施例6(図22)では、実施例4と実施例5とを組み合わせたような濃度プロファイルが得られた。これは、実施例4のように、エピタキシャル成長開始時はCHを供給していないために検出限界値であるが、CHの供給によってカーボン濃度が急上昇して2×1016atoms/cm程度の濃度となり、そして、実施例5のように、100%のCHを230sccm流したことでカーボン濃度が急上昇して4×1017atoms/cm程度の高濃度となる濃度プロファイルが得られている。
また、実施例7(図23)、実施例8(図24)のようにエピタキシャル成長の最初からカーボンをドープするプロファイルでも、CHの流量を調節することによってプロファイル全体を濃度の高さ方向に自由にシフトすることができ、従来法では得ることができない範囲の濃度を有するカーボン濃度プロファイルを得ることができる。特には、実施例8では、エピタキシャル層において基板2よりも高いカーボン濃度を有するプロファイルとなっており、このようなものは本発明によってのみ得られるものである。
以上のように、本発明のエピタキシャル基板および液相エピタキシャル成長方法であれば、従来のようなカーボン製治具からのオートドープによる固定されたカーボン濃度プロファイルから逸脱し、石英治具等を用いただけの従来法によるプロファイルとも異なり、任意のカーボン濃度プロファイルを有する高品質のエピタキシャル基板を得ることができる。
また、それにより、例えば反転層等が意図せず発生してしまうのを効果的に防止することもできる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明のエピタキシャル基板の一例を示す概略構成図である。 本発明のエピタキシャル基板における不純物濃度プロファイルの一例を示すグラフである。 本発明のエピタキシャル基板における不純物濃度プロファイルの他の例を示すグラフである。 本発明のエピタキシャル基板における不純物濃度プロファイルの他の例を示すグラフである。 本発明のエピタキシャル基板における不純物濃度プロファイルの他の例を示すグラフである。 本発明のエピタキシャル基板における不純物濃度プロファイルの他の例を示すグラフである。 従来のエピタキシャル基板(石英治具使用)における不純物濃度プロファイルの一例を示すグラフである。 (a)従来のエピタキシャル基板(カーボン製治具使用)における不純物濃度プロファイルの一例を示すグラフである。(b)反転層を有するエピタキシャル基板(カーボン製治具使用)における不純物濃度プロファイルの一例を示すグラフである。 液相エピタキシャル成長装置の一例を示す構成概略図である。 本発明の液相エピタキシャル成長方法の工程の一例を示す概略工程図である。 本発明の液相エピタキシャル成長方法におけるCHの供給流量とエピタキシャル層中のカーボン濃度の相関関係を示すグラフである。 実施例1の不純物濃度プロファイルを示すグラフである。 比較例1の不純物濃度プロファイルを示すグラフである。 実施例2のエピタキシャル基板における不純物濃度プロファイルを示すグラフである。 比較例2のエピタキシャル基板における不純物濃度プロファイルを示すグラフである。 実施例2と比較例2の(a)直上輝度、(b)放射束、(c)光束の比較結果を示すグラフである。 電極への光の吸収具合の例を示す概略説明図である。 実施例1の実施条件の概略を示す説明図である。 実施例3の不純物濃度プロファイルを示すグラフである。 実施例4の不純物濃度プロファイルを示すグラフである。 実施例5の不純物濃度プロファイルを示すグラフである。 実施例6の不純物濃度プロファイルを示すグラフである。 実施例7の不純物濃度プロファイルを示すグラフである。 実施例8の不純物濃度プロファイルを示すグラフである。
符号の説明
1…本発明のエピタキシャル基板、 1’、1”…従来のエピタキシャル基板、
2、2a、2’、2”…基板(GaP)、
3、3’、3”…エピタキシャル層(GaP)、
4、4’、4”、5’…n型層、 5、5”、6、6’、6”…p型層、
7…発光デバイス、 8…電極、 10…液相エピタキシャル成長装置、
11…ヒーター、 12…サブヒーター、 13…坩堝、
14…石英治具、 15…Ga溶液、 15a…Ga(+GaP)溶液、
16…石英蓋、 17…石英チューブ、
20、21、22、23…積層部位。

Claims (9)

  1. 基板上にエピタキシャル層が液相エピタキシャル成長方法により積層されたエピタキシャル基板であって、
    前記基板上に積層されたGaPエピタキシャル層におけるカーボン濃度プロファイルが、前記基板側から徐々に減少するものではなく、
    かつ、前記基板上に積層されたエピタキシャル層は、カーボン濃度が1×1016atoms/cm以上で積層された部位を有するとともに、カーボン濃度が5×1015atoms/cm以下で積層された部位を有するものであることを特徴とするエピタキシャル基板。
  2. 基板上にエピタキシャル層が液相エピタキシャル成長方法により積層されたエピタキシャル基板であって、
    前記基板上に積層されたGaPエピタキシャル層におけるカーボン濃度プロファイルが、前記基板側から徐々に減少するものではなく、
    かつ、5×1015atoms/cm以上の部分を有するものであることを特徴とするエピタキシャル基板。
  3. 前記基板上に積層されたエピタキシャル層の少なくとも一積層部位におけるカーボン濃度が、該積層部位より前に積層された部位におけるカーボン濃度よりも高いものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエピタキシャル基板。
  4. 前記基板上に積層されたエピタキシャル層は、複数の層が順次積層されたものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエピタキシャル基板。
  5. 前記複数の層は、基板側からn型層、p型層、p型層であることを特徴とする請求項4に記載のエピタキシャル基板。
  6. 基板に溶媒を接触させてエピタキシャル層を液相エピタキシャル成長させる方法であって、
    前記基板上にGaPエピタキシャル層を液相エピタキシャル成長させるとき、前記溶媒に炭化水素ガスを接触させることにより、前記成長するエピタキシャル層中にカーボンを供給して、該エピタキシャル層に前記基板側から徐々に減少する濃度プロファイルとは異なる濃度プロファイルでカーボンをドープし、カーボン濃度が1×1016atoms/cm以上の部位とカーボン濃度が5×1015atoms/cm以下の部位を積層することを特徴とする液相エピタキシャル成長方法。
  7. 前記エピタキシャル層を液相エピタキシャル成長させるときに前記溶媒を保持する治具を石英製のものとすることを特徴とする請求項に記載の液相エピタキシャル成長方法。
  8. 前記エピタキシャル層にドープするカーボンの濃度を、前記炭化水素ガスの流量を調節することにより制御することを特徴とする請求項または請求項に記載の液相エピタキシャル成長方法。
  9. 前記炭化水素ガスをメタンとすることを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の液相エピタキシャル成長方法。
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