JP4942377B2 - 成形材料用熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いた成形材料並びに成形体 - Google Patents
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Description
ベンジリックエーテル型レゾール(BE型レゾール、旭有機材工業株式会社製、商品名:CP701KH、重量平均分子量:3100、平均粒径:20μm)、ベルパールS890(商品名、カネボウ株式会社製、重量平均分子量:10000、煮沸メタノールへの溶解度:95重量%、平均粒径:20μm)、ガラス繊維(日東紡績株式会社製)、硬化剤としての水酸化カルシウム、及び、離型剤としてのステアリン酸カルシウムを準備し、先ず、それらを、下記表1に掲げる配合割合にて配合し、各々を均一に混合した。次いで、得られた5種類の混合物を、それぞれ、熱ロールにて均一に加熱混練し、シート状の混合物を作製した。そして、かかるシート状の混合物を室温まで冷却した後、パワーミルにて粉砕することにより、5種類の成形材料(試料1〜試料5)を得た。このようにして得られた成形材料を用いて、以下の実験を行なった。
得られた成形材料の流動性を評価すべく、以下の実験を行なった。即ち、得られた成形材料の50gを、スパイラル状の金型(金型温度:165℃)内に成形圧力:9.8MPaにて流し込み、かかる金型内に成形材料が流れ込んだ距離(mm)を5mm単位で測定した。この距離(mm)が長いほど、流動性が優れていることを示す。得られた結果を、下記表1に示す。
得られた成形材料を、射出成形前のシリンダー温度:90℃、射出成形後のシリンダー温度:40℃、金型温度:175℃、硬化時間:60秒の条件にて射出成形することにより、JIS曲げ試験片(90mm×10mm×4mm)及びJISシャルピー衝撃試験片(90mm×15mm×15mm)を作製する際の射出成形性を、以下の評価基準に基づく官能試験で評価した。なお、下記表1中の○等の記号は、以下の基準を表わすものである。
[評価基準]
○:20shot以上、連続して成形可能であり、成形材料の充填性も良好。
△:成形は可能であるが、20shot以内で未充填が発生し、20shot以降で 成形不可。
×:成形不可。
上記のようにしてJIS曲げ試験片及びJISシャルピー衝撃試験片を作製した際の臭気について、以下の評価方法及び評価基準に基づく官能試験で評価した。具体的には、各試験片を作製した際の臭気を、室温:20℃、相対湿度:60%の環境下において、15名の臭気パネラー(男性:10名、女性:5名)が、以下の基準に基づいて官能評価をし、得られた官能評価レベルの平均レベルによって評価した。なお、下記表1中の◎等の記号は、以下の基準を表わすものである。
[評価基準]
◎:臭気がほとんど感じられない。
○:臭気をやや感じるが、実用上支障はない。
△:やや強い臭気を感じる。
×:非常に強い臭気を感じる。
上記のようにして作製したJIS曲げ試験片及びJISシャルピー衝撃試験片を用いて、JIS−K−6911に準拠して、曲げ強さ(MPa)及びシャルピー衝撃強度(kJ/m2 )を測定した。なお、シャルピー衝撃強度の測定は、シャルピー衝撃試験機(東洋精機製作所製)を用いて行なった。得られた測定結果を、下記表1に示す。
JIS曲げ試験片及びJISシャルピー衝撃試験片を作製した際と同様の条件に従って、射出成形により作製された成形品(90mm×10mm×4mm)を、加熱器内に載置して、かかる加熱器内において、成形品を、1℃/分の昇温速度にて、成形品が180℃となるまで加熱し、180℃で4時間保持した後、加熱器内を徐冷して、成形品を取り出した。取り出した成形品の表面を目視して、以下の評価基準に基づいて、ガス欠陥の有無を確認した。その評価結果を、下記表1に示す。
[評価基準]
◎:ガス欠陥は認められない。
○:わずかなガス欠陥が認められる。
△:やや大きなガス欠陥が認められる。
×:非常に大きなガス欠陥が認められる。
フェノール樹脂として、実施例1において用いたものに加えて、アンモニアレゾール(旭有機材工業株式会社製、重量平均分子量:3300、平均粒径:24μm)、及びベルパールS830、ベルパールS870、ベルパールS899、ベルパールR800(何れも商品名、カネボウ株式会社製)を準備し、その他の成分は、実施例1と同様のものを準備した。なお、各ベルパールの重量平均分子量及び煮沸メタノールへの溶解度(重量%)を、下記表2に示す。そして、実施例1と同様の手法に従って、6種類の成形材料(試料6〜試料11)を製造し、得られた成形材料を用いて、実施例1と同様の実験を行なった。その測定結果及び評価結果を、下記表2に示す。
実施例1及び実施例2で用いたベンジリックエーテル型レゾール、アンモニアレゾール、及びベルパールS890を、下記表3に掲げる配合割合にて配合し、サンプルミル(不二パウダル株式会社製)にて粉砕混合して、6種類のフェノール樹脂組成物(試料12〜試料17)を製造した。そして、得られた樹脂組成物の5gをアルミカップに取り、かかるアルミカップを180℃に熱せられた熱盤の上に載せ、アルミカップ中の樹脂組成物が硬化する際の臭気について、以下の評価方法及び評価基準に基づく官能試験で評価した。具体的には、室温:20℃、相対湿度:60%の環境下において、15名の臭気パネラー(男性:10名、女性:5名)が、以下の基準に基づいて官能評価をし、得られた官能評価レベルの平均レベルによって評価した。なお、下記表3中の◎等の記号は、以下の基準を表わすものである。
[評価基準]
◎:臭気がほとんど感じられない。
○:臭気をやや感じるが、実用上支障はない。
×:非常に強い臭気を感じる。
実施例1と同様のベンジリックエーテル型レゾール及びベルパールS890と、アラミド繊維(帝人株式会社製、パラアミド、繊維長:3mm)、並びに高分子凝集剤を準備した。それらを、各々、下記表4に掲げる量において用いることにより、5種類の抄造材料を作製した。
得られた抄造材料を、180℃に加熱された金型内に充填し、圧縮成形機を用いて、成形圧力:200kgf/cm2 、成形時間:10分間の条件にて圧縮して、厚さが2mmの成形体を得る際の圧縮成形性を、以下の評価方法及び評価基準に基づく官能試験で評価した。具体的には、成形品のカスレ、ムラ、フクレの有無を目視にて確認し、以下の評価基準に基づいて評価した。
[評価基準]
良好:外観上、特に問題は認められない。
ガス欠陥:外観にフクレが認められる。
充填性悪い:成形品表面に、カスレ、ムラが認められる。
上記のようにして(圧縮)成形体を作製した際の臭気について、以下の評価方法及び評価基準に基づく官能試験で評価した。具体的には、成形体を作製した際の臭気を、室温:20℃、相対湿度:60%の環境下において、15名の臭気パネラー(男性:10名、女性:5名)が、以下の基準に基づいて官能評価し、得られた官能評価レベルの平均レベルによって評価した。なお、下記表4中の◎等の記号は、以下の基準を表わすものである。
[評価基準]
◎:臭気がほとんど感じられない。
○:臭気をやや感じるが、実用上支障はない。
△:やや強い臭気を感じる。
×:非常に強い臭気を感じる。
上記のようにして作製した成形体から、JIS曲げ試験片、JIS引張り試験片(70mm×10mm×3mm)、及びノッチの無いJISシャルピー衝撃試験片を切り出して、かかる試験片について、JIS−K−6911に準拠して、曲げ強さ(MPa)、引張り強度(MPa)、及びシャルピー衝撃強度(kJ/m2 )を測定した。その測定結果を、下記表4に示す。
Claims (4)
- (A)重量平均分子量が4000以下のベンジリックエーテル型レゾールからなるフェノール樹脂と、(B)重量平均分子量が5000以上で、且つ煮沸エタノールへの溶解度が70重量%以上である熱硬化性のフェノール樹脂とを、必須の構成成分として含有することを特徴とする成形材料用熱硬化性樹脂組成物。
- 前記フェノール樹脂(A)が、フェノール核結合官能基として、メチレン基、メチロール基及びジメチレンエーテル基を有し、且つ該メチロール基が10〜20モル%の割合において存在すると共に、前記ジメチレンエーテル基が40〜60モル%の割合において存在するものであることを特徴とする請求項1に記載の成形材料用熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1又は請求項2に記載の成形材料用熱硬化性樹脂組成物と、補強繊維とを含有することを特徴とする成形材料。
- 請求項3に記載の成形材料を加熱硬化せしめてなる成形体。
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