JP4937755B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は高分子電解質形燃料電池を備える燃料電池システムに関する。
陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質を用いた従来の高分子電解質形燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと空気などの酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることで、電力と熱とを同時に発生させる。
図7は、従来の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。また、図8は、図7に示す単電池100に搭載される膜電極接合体の基本構成の一例を示す概略断面図である。図8に示すように、膜電極接合体101においては、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜111の両面に、電極触媒(例えば白金系の金属触媒)を炭素粉末に担持させて得られる触媒体と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質とを含む触媒層112が形成される。
現在、高分子電解質膜111としては、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜(例えば、米国DuPont社製のNafion(商品名)など)が一般的に使用されている。そして、触媒層112の外面には、例えば撥水処理を施したカーボンペーパーを用いて、通気性および電子伝導性を併せ持つガス拡散層113が形成される。この触媒層112とガス拡散層113との組合せにより電極(燃料極または酸化剤極)114が構成される。
従来の単電池100は、膜電極接合体101と、ガスケット115と、一対のセパレータ板116とで構成される。ガスケット115は、供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスの外部へのリーク防止や混合を防止するため、電極の周囲に高分子電解質膜を挟んで配置される。このガスケットは、電極および高分子電解質膜と一体化してあらかじめ組み立てられ、これらすべてを組み合わせたものを膜電極接合体と呼ぶこともある。
膜電極接合体101の外側には、膜電極接合体101を機械的に固定するための一対のセパレータ板116が配置される。セパレータ板116の膜電極接合体101と接触する部分には、電極に反応ガス(燃料ガスまたは酸化剤ガス)を供給し、電極反応生成物、未反応の反応ガスを含むガスを反応場から電極外部に運び去るためのガス流路117が形成される。ガス流路117はセパレータ板116と別に設けることもできるが、図7に示すようにセパレータ板の表面に溝を設けてガス流路を形成する方式が一般的である。
このように、一対のセパレータ板116で膜電極接合体101を固定し、一方のセパレータ板のガス流路に燃料ガスを供給し、他方のセパレータ板のガス流路に酸化剤ガスを供給することで、数十から数百mA/cm2の実用電流密度通電時において、一つの単電池で0.7〜0.8V程度の起電力を発生させることができる。しかし、通常、高分子電解質形燃料電池を電源として使うときは、数ボルトから数百ボルトの電圧が必要とされるため、実際には、単電池を必要とする個数だけ直列に連結してスタックとして使用する。
ガス流路117に反応ガスを供給するためには、反応ガスを供給する配管を、使用するセパレータ板の枚数に対応する数に分岐し、それらの分岐先を直接セパレータ板上のガス流路につなぎ込む部材であるマニホールドが必要となる。特に反応ガスを供給する外部の配管から直接セパレータ板につなぎ込むタイプのマニホールドを、外部マニホールドと呼ぶ。一方、より簡単な構造を有する内部マニホールドと呼ばれるものもある。内部マニホールドは、ガス流路を形成したセパレータ板に設けられた貫通孔で構成され、ガス流路の出入り口をこの孔に連通させて、この貫通孔から直接反応ガスをガス流路に供給することができる。
ガス拡散層113は、主につぎの3つの機能を持つ。第1の機能は、ガス拡散層113の外側に位置するセパレータ板116のガス流路から、触媒層112中の電極触媒へ均一に反応ガスを供給するために、該反応ガスを拡散させる機能であり、第2の機能は、触媒層112で反応により生成した水を速やかにガス流路に排出する機能である。また、第3の機能は、反応に必要な電子または生成された電子を伝導する機能である。即ち、ガス拡散層113には、高い反応ガス透過性、水分排出性および電子伝導性が必要とされる。
一般的に、ガス拡散層113には、ガス透過性を持たせるために、発達したストラクチャー構造を有する炭素微粉末、造孔材、カーボンペーパーまたはカーボンクロスなどを用いて作製された、多孔質構造を有する導電性基材が用いられている。また、水分排出性を持たせるために、フッ素樹脂を代表とする撥水性高分子などをガス拡散層113の中に分散させることが行われ、更に、電子伝導性を持たせるために、カーボン繊維、金属繊維または炭素微粉末などの電子伝導性材料でガス拡散層113を構成することも行われている。
次に、触媒層112は、主に4つの機能を持つ。第1の機能は、ガス拡散層113から供給された反応ガスを、触媒層112の反応サイトに供給する機能であり、第2の機能は、電極触媒上での反応に必要な水素イオンまたは生成された水素イオンを伝導する機能である。また、第3の機能は、反応に必要な電子または生成された電子を伝導する機能であり、第4の機能は、高い触媒性能とその広い反応面積によって電極反応を速める機能である。即ち、触媒層112には、高い反応ガス透過性、水素イオン伝導性、電子伝導性および触媒性能が必要となる。
一般的に、触媒層112としては、ガス透過能を持たせるために、発達したストラクチャー構造を有する炭素微粉末または造孔材を用いて、多孔質構造およびガスチャンネルを有する触媒層が形成されている。また、水素イオン透過能を持たせるために、高分子電解質を触媒層112中の電極触媒近傍に分散させて水素イオンネットワークを形成することが行われている。更に、電子伝導性を持たせるために、電極触媒の担体として炭素微粉末や炭素繊維などの電子伝導性材料を用い、電子チャンネルを形成することが行われている。また、触媒性能を向上させるために、粒径が数nmの非常に微細な粒子状の電極触媒を炭素微粉末上に担持させた触媒体を、触媒層112中に高分散させることが行われている。
以上のような構成を有する高分子電解質形燃料電池の耐久性の劣化に関して、高分子電解質膜の分解が懸念されている。この高分子電解質膜の分解は、酸素還元反応の副反応で生成した過酸化水素が下記の式(1)で示される反応などでラジカルとなることによって誘起されることが予想されている(例えば、非特許文献1)
22 + Fe2+ +H+ → ・OH + H2O + Fe3+ ・・・(1)
そして、非特許文献1では、鉄イオンなどの金属イオンがラジカル生成の触媒となることが報告されている。また、非特許文献1では、金属イオンは高分子電解質膜内のイオン交換基と強く相互作用して水素イオンを高分子電解質膜から排除し、高分子電解質膜の水素イオン伝導性を低下させることおよび電池電圧を低下させることも報告されている。
これに対して、例えば特許文献1においては、高分子電解質膜を攻撃する過酸化水素やラジカルの生成を抑制するとともにガスのクロスリークを抑制することを意図し、高分子電解質膜中に触媒層を設けた技術が提案されている。
また、一般的に、上記金属イオンとしては、不純物として最初から膜電極接合体内部に含まれているものや運転中に外部から混入してくるものなどがあることから、上述した高分子電解質膜の水素イオン伝導性の低下および電池電圧の低下を抑制するために燃料電池内における金属イオンの量を低減することが望ましいとされていた。
このような観点から、例えば特許文献2では、通常の金属製のセパレータ板からは金属イオンが溶出して膜電極接合体にダメージを与えるため、特に耐食性の高い金属製セパレータ板を用いる技術が提案されている。
第10回燃料電池シンポジウム講演予稿集、P261 特開平6−103992号公報 特開2000−243408号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術の場合には、高分子電解質膜中に触媒層を設ける構成を採用しているため、カソードにおける過酸化水素等の過酸化物の生成及びラジカル種の生成を十分に抑制できず、カソード近傍における高分子電解質膜の分解の十分な防止を図るという観点からは未だ改善の余地があった。また、この技術の場合、長期にわたる使用を行う場合には、膜電極接合体への金属イオンの混入を完全に防ぐことは極めて困難であるため、カソード近傍以外の部分、例えば、アノード近傍における高分子電解質膜の分解反応も徐々に進行するおそれがあり、この観点からも未だ改善の余地があった。
更に、上述の特許文献2に記載の技術の場合にも、特に、長期にわたる使用を行う場合には、膜電極接合体への金属イオンの混入を完全に防ぐことはできず、僅かの金属イオンの混入により過酸化物の生成及びラジカル種の生成が起こり、高分子電解質膜の分解反応が進行するおそれがあり、この観点からも未だ改善の余地があった。
即ち、上述の特許文献1および特許文献2に記載の技術であっても、該金属イオンを触媒とするラジカル種の生成や該ラジカル種に起因する高分子電解質膜の分解・劣化を充分に抑制することができず、長期にわたって充分な電池性能を得るという観点、更に長期にわたって使用する場合における、作動時および保存時の電池性能の低下を十分に低減するという観点からは、未だ改善の余地があった。
本発明は以上の問題を鑑みてなされたものであり、高分子電解質形燃料電池の作動および停止を繰り返しても長期にわたって高分子電解質膜の分解・劣化を抑制することができ、かつ初期特性の低下を充分に防止できる、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を提供することを目的とする。また、本発明は、上述した本発明の高分子電解質形燃料電池を用い、初期特性の低下を充分に防止でき、長期にわたって充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、従来高分子電解質膜を分解・劣化させることから可能な限り低減させる必要があると考えられていた金属イオンを、これまでとは逆に高分子電解質形燃料電池の膜電極接合体の内部に積極的に含有させると、長期にわたって高分子電解質膜の分解・劣化を抑制することができ、かつ初期特性の低下を充分に防止できる、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池が得られることを見出し、本発明に到達した。そして、本発明者らは、膜電極接合体が含む金属イオンの量を従来とは逆にむしろ増大させること、ならびに、長期にわたる高分子電解質形燃料電池の作動および保存中に膜電極接合体に一定量の金属イオンを補充することが、上述の目的を達成する上で極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、上記課題を解決すべく、本発明は、
水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜ならびに高分子電解質膜を挟む燃料極および酸化剤極を含む膜電極接合体と、燃料極に燃料ガスを供給および排出する第1のセパレータ板と、酸化剤極に酸化剤ガスを供給および排出する第2のセパレータ板と、を具備する高分子電解質形燃料電池を含む燃料電池システムであって、
高分子電解質膜のイオン交換基容量の1.0〜40.0%に相当する、水溶液中で安定な金属イオンを前記膜電極接合体が含むように、膜電解質接合体に金属イオンを供給する金属イオン供給手段を有すること、
を特徴とする燃料電池システムを提供する。
上述のように、高分子電解質形燃料電池の膜電極接合体中に、該膜電極接合体を構成する高分子電解質膜のイオン交換基容量の1.0〜40%の、水溶液中で安定な金属イオンを含有させることにより、作動および停止を繰り返しても長期にわたって高分子電解質膜の分解・劣化を容易かつ確実に抑制することができ、初期特性の低下を充分に防止できる、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を得ることができる。また、この高分子電解質形燃料電池を用いることにより、作動および停止を繰り返しても長期にわたって初期特性の低下を充分に防止できる、優れた耐久性を有する燃料電池システムを得ることができる。
ここで、本発明において、「膜電極接合体の内部に、高分子電解質膜のイオン交換基容量の1.0〜40.0%に相当する、水溶液中で安定な金属イオンを含む」状態とは、膜電極接合体の内部に含まれる全ての金属イオンが高分子電解質膜に含まれるイオン交換基と完全にイオン交換して高分子電解質膜に固定されたと仮定した場合、その固定された金属イオンの全等量が高分子電解質膜のイオン交換基容量の1.0〜40%に相当する状態であることをいう。
膜電極接合体に含まれる水溶液中で安定な金属イオンの量が、高分子電解質膜のイオン交換基容量の1.0%未満であると、高分子電解質膜の分解・劣化を充分に抑制することができず、また、高分子電解質形燃料電池の初期特性の低下を充分に防止できず、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を含む燃料電池システムを得ることができない。また、40.0%超であると、過剰となった金属イオンが、高分子電解質膜のイオン交換基をトラップし、プロトン伝導に寄与するイオン交換基の連続性を損なうことから、高分子電解質膜の劣化を招いてしまい、高分子電解質形燃料電池の初期特性の低下を充分に防止できず、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を含む燃料電池システムを得ることができない。
本発明の燃料電池システムにおいては、金属イオン供給手段が、膜電極接合体が高分子電解質膜のイオン交換基容量の10.0〜40.0%に相当する金属イオンを含むように、膜電解質接合体に金属イオンを供給する構成を有することが好ましい。10.0%以上であれば、H22等の過酸化物をより確実に分解することができるからである。
更に、本発明の燃料電池システムにおいては、金属イオン供給手段が、膜電極接合体が高分子電解質膜のイオン交換基容量の10.0〜20.0%に相当する金属イオンを含むように、膜電解質接合体に金属イオンを供給する構成を有することが好ましい。例えば、本発明者らが検討した結果、20.0〜40.0%の場合は10.0〜20.0%の場合に比べて、本発明の燃料電池システムに搭載される高分子電解質形燃料電池の出力電圧のの低下は約10mVであり、発電効率の低下は約1%であることを確認した。したがって、10.0〜20.0%とすることによって、20.0〜40.0%に比べて、高分子電解質膜の劣化を十分に抑制しつつ、より高い出力電圧および発電効率を得ることができる。
ここで、高分子電解質膜のイオン交換基容量とは、高分子電解質膜を構成する高分子電解質(イオン交換樹脂)の、乾燥樹脂1g当たりに含有されるイオン交換基の当量数で定義される値[ミリ当量/g乾燥樹脂](以下、meq/gとする)をいう。
更にここで、「乾燥樹脂」とは、高分子電解質(イオン交換樹脂)を、ドライ窒素ガス(露点−30℃)中で、温度を25℃に保持した状態で24時間以上放置した後に得られる樹脂であって、乾燥による質量減少が殆どなくなり質量の経時変化が一定値にほぼ収束した樹脂をいう。
また、本発明における「金属イオン」とは、その取り扱いの容易性から水溶液中で安定であり、高分子電解質膜内に水素イオンと交換した状態で存在可能であり、電極で発生した過酸化水素を分解する触媒機能、及び、高分子電解質の親水性クラスターのサイズを小さくする機能のうちの少なくとも一方を有することによって、高分子電解質膜の分解・劣化を抑制することができるものである。
更に、本発明の膜電極接合体中の金属イオンの量は、膜電極接合体を得た後に所定の大きさに切断して試験片とし、この試験片を0.1Nの硫酸溶液中に90℃で3時間浸漬し、得られた溶液中の金属イオンをICP分光分析によって定量することにより求めることができる。なお、金属イオンは分析時においてはイオン結合性化合物として存在することもある。分析時において金属イオンがイオン結合性化合物として存在する場合(存在する可能性がある場合)、分析サンプルを酸などにより前処理することにより金属イオンとして分析する。
本発明によれば、高分子電解質膜の分解・劣化を抑制することができ、作動および停止を繰り返しても初期特性の低下を充分に防止できる、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を得ることができ、当該高分子電解質形燃料電池を用いるため、作動および停止を繰り返しても初期特性の低下を充分に防止でき、長期にわたって充分な電池性能を発揮する優れた耐久性を有する燃料電池システムを得ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
図1は、本発明の燃料電池システムの好適な一実施形態に搭載される高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。また、図2は、図1に示す単電池1に搭載される膜電極接合体の基本構成の一例を示す概略断面図である。
本実施形態の高分子電解質形燃料電池(図示せず)は、図1に示す単電池1を複数積層した構成を有している。
図1に示すように、単電池1は、主として、後述する膜電極接合体10と、ガスケット15と、一対のセパレータ板16とから構成されている。ガスケット15は、膜電極接合体10に供給される燃料ガスの外部へのリーク防止、酸化剤ガスの外部へのリーク防止、並びに、燃料ガス及び酸化剤ガス混合を防止するため、高分子電解質膜11の外延部分を挟持した状態で電極の周囲に配置される。
図2に示すように、膜電極接合体10は、主として、電極触媒(例えば白金系の金属触媒)を炭素粉末に担持させて得られる触媒体と陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質とを含む触媒層12が、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜11の両面に形成された構成を有している。
高分子電解質膜11としては、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜(例えば、米国DuPont社製のNafion(商品名)など)を使用することができる。そして、触媒層12の外面には、例えば撥水処理を施したカーボンペーパーを用いて、通気性および電子伝導性を併せ持つガス拡散層13が形成される。この触媒層12とガス拡散層13との組合せによりガス拡散電極(燃料極または酸化剤極)14が構成される。
膜電極接合体10の外側には、膜電極接合体10を機械的に固定するための一対のセパレータ板16が配置される。セパレータ板16の膜電極接合体10と接触する部分には、電極に燃料ガスまたは酸化剤ガス(反応ガス)を供給し、電極反応生成物や未反応の反応物を含むガスを単電池1の外部に運び去るためのガス流路17が形成されている。
このように、一対のセパレータ板16で膜電極接合体10を固定し、一方のセパレータ板16のガス流路17に燃料ガスを供給し、他方のセパレータ板16のガス流路17に酸化剤ガスを供給すれば、一つの単電池1でもある程度の起電力を発生させることができる。しかし、通常、高分子電解質形燃料電池を電源として使うときは、数ボルトから数百ボルトの電圧が必要とされるため、実際には、本実施形態のように単電池1を必要とする個数だけ直列に連結したスタックの構成が採用される。
ガス流路17に反応ガスを供給するためには、反応ガスを供給する配管を、使用するセパレータ板の枚数に対応する数に分岐し、それらの分岐先を直接セパレータ板上のガス流路につなぎ込む治具であるマニホールドが必要となる。特に反応ガスを供給する外部の配管から直接セパレータ板につなぎ込むタイプのマニホールドを、外部マニホールドと呼ぶ。一方、より簡単な構造を有する内部マニホールドと呼ばれるものもある。内部マニホールドは、ガス流路を形成したセパレータ板に設けられた貫通孔で構成され、ガス流路の出入り口をこの孔に連通させて、この貫通孔から直接反応ガスをガス流路に供給することができる。本発明においてはいずれのマニホールドを採用してもよい。
セパレータ板16の材質としては、金属製、カーボン製、黒鉛と樹脂を混合した材料などがあり、幅広く使用することができる。
また、ガス拡散層を構成する材料としては、特に限定されることなく、当該分野で公知のものを使用することができる。例えばカーボンクロスやカーボンペーパーを用いることができる。
次に、上述の触媒層12は、貴金属からなる電極触媒を担持した導電性炭素粒子と、陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質とによって形成される。この触媒層12の形成には、貴金属からなる電極触媒を担持した導電性炭素粒子と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質と、分散媒と、を少なくとも含む触媒層形成用インクを用いる。
高分子電解質としては、陽イオン交換基として、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、およびスルホンイミド基を有するものなどが好ましく挙げられる。水素イオン伝導性の観点から、スルホン酸基を有するものが特に好ましい。
スルホン酸基を有する高分子電解質としては、イオン交換容量が0.5〜1.5meq/g乾燥樹脂であるものことが好ましい。高分子電解質のイオン交換容量が0.5meq/g乾燥樹脂以上であると、発電時における触媒層の抵抗値をより十分に低減できることから好ましく、イオン交換容量が1.5meq/g乾燥樹脂以下であると、触媒層の含水率を適切に保持し易く、適度な膨潤状態を確保することができ、細孔の閉塞によるフラッディングをより確実に防止できるため好ましい。イオン交換容量は0.8〜1.2meq/g乾燥樹脂が特に好ましい。
高分子電解質としては、CF2=CF−(OCF2CFX)m−Op−(CF2)n−SO3Hで表されるパーフルオロビニル化合物(mは0〜3の整数を示し、nは1〜12の整数を示し、pは0または1を示し、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を示す。)に基づく重合単位と、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位とを含む共重合体であることが好ましい。
上記フルオロビニル化合物の好ましい例としては、下記式(2)〜(4)で表される化合物が挙げられる。ただし、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、tは1〜3の整数を示す。
CF2=CFO(CF2q−SO3H ・・・(2)
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2r−SO3H ・・・(3)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))tO(CF22−SO3H ・・・(4)
なお、高分子電解質としては、具体的には、DuPont社製の「ナフィオン」(商品名)や旭硝子(株)製の「フレミオン」(商品名)などが挙げられる。また、高分子電解質膜の構成材料として、上述した高分子電解質を用いてもよい。
本発明において使用される電極触媒は、導電性炭素粒子(粉末)に担持されて用いられ、金属粒子からなる。当該金属粒子としては、特に限定されず種々の金属を使用することができる。例えば、白金、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、クロム、鉄、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、亜鉛およびスズよりなる群から選択される1種以上のものが好ましい。なかでも、貴金属や白金および白金との合金が好ましく、白金とルテニウムの合金が、アノードにおいては触媒の活性が安定することから特に好ましい。
導電性炭素粒子は比表面積が50〜1500m2/gであることが好ましい。比表面積50m2/g以上であると、電極触媒の担持率をより容易に上げることができ、触媒層の良好な出力特性をより確実に得ることができるため好ましく、比表面積が1500m2/g以下であると、適切な細孔を確保することができ高分子電解質による被覆がより容易となり、触媒層の良好な出力特性をより確実に得ることができるため好ましい。比表面積は200〜900m2/gが特に好ましい。
更に、電極触媒の粒子は平均粒径1〜5nmであることがより好ましい。平均粒径1nm以上の電極触媒は工業的に調製がより容易であるため好ましく、また、5nm以下であると、電極触媒質量あたりの活性をより十分に得易くなり、燃料電池のコストダウンに寄与するという観点から好ましい。
更に、導電性炭素粒子は平均粒径0.1〜1.0μmであることが好ましい。0.1μm以上であると、触媒層の良好なガス拡散性をより容易に得易くなり、フラッディングをより確実に防止することができるため好ましく、1.0μm以下であると、高分子電解質によって電極触媒をより容易に被覆することができ、被覆面積を確保することができ、触媒層の良好な性能がより容易に得られるため好ましい。
本発明において、触媒層形成用インクを調製するために用いる分散媒としては、高分子電解質を溶解または分散可能(高分子電解質が一部溶解した分散状態も含む)であるアルコールを含む液体を用いることが好ましい。
分散媒は、水、メタノール、プロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコールおよびtert―ブチルアルコールのうちの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。これらの水およびアルコールは単独でも使用してもよく、2種以上混合してもよい。アルコールは、分子内にOH基を1つ有する直鎖のものが特に好ましく、エタノールが特に好ましい。このアルコールには、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル結合を有するものも含まれる。
また、触媒層形成用インクは、固形分濃度0.1〜20質量%であることが好ましい。固形分濃度が0.1質量%以上であると、触媒層形成用インクの噴霧または塗布により触媒層を作製するにあたり、何回も繰り返し噴霧または塗布しなくても所定の厚さの触媒層が得られ、十分な生産効率がより容易に得易くなる。また、固形分濃度が20質量%以下であると、適度な混合液の粘度をより容易に得易くなり、触媒層における構成材料の分散状態を良好で均一な状態にし易くなるため好ましい。固形分濃度で1〜10質量%であることが特に好ましい。
また、本発明では、固形分換算で、電極触媒と高分子電解質との質量比が、50:50〜85:15となるように触媒層形成用インクを調製することが好ましい。これにより、高分子電解質が効率よく電極触媒を被覆することができ、膜電極接合体を作製した場合に、三相界面を増大させることができるからである。また、この質量比において電極触媒の量が50:50以上であると、担体である導電性炭素粒子の細孔を十分に確保して十分な反応場を確保できるため、高分子電解質形燃料電池として十分な性能をより容易に確保することができる。更に、この質量比において電極触媒の量が85:15以下であると、高分子電解質による電極触媒の被覆をより容易に十分なものにすることができ、高分子電解質形燃料電池として十分な性能をより容易に確保することができ好ましい。電極触媒と高分子電解質との質量比は、60:40〜80:20となるように調製することが特に好ましい。
本発明において、触媒層形成用インクは、従来公知の方法に基づいて調製することができる。具体的には、ホモジナイザ、ホモミキサ等の撹拌機を使用したり、高速回転ジェット流方式を使用するなどの高速回転を使用する方法、高圧乳化装置などの高圧をかけて狭い部分から分散液を押出すことで分散液にせん断力を付与する方法などが挙げられる。
本発明の触媒層形成用インクを用いて触媒層を形成する際には、支持体シート上に触媒層を形成する。具体的には、触媒層形成用インクを支持体シート上に噴霧または塗布により塗工し、支持体シート上の触媒層形成用インクからなる液膜を乾燥させることにより触媒層を形成すればよい。
ここで、本発明において、ガス拡散電極は、(I)触媒層のみからなるものであってもよく、(II)ガス拡散層上に触媒層を形成したもの、つまりガス拡散層と触媒層との組合せであってもよい。
(I)の場合、支持体シートから剥離して得られる触媒層のみを製品(ガス拡散電極)として製造してもよく、支持体シート上に触媒層を剥離可能に形成したものを製品として製造してもよい。この支持体シートとしては、後述するように、触媒層形成用の混合液に対する溶解性を有しない合成樹脂製のシート、合成樹脂からなる層、金属からなる層を積層した構造を有するラミネートフィルム、金属性シート、セラミックスからなるシート、無機有機複合材料からなるシート、および高分子電解質膜などが挙げられる。
また、(II)の場合には、ガス拡散層と触媒層との間に撥水層などの他の層が1以上配置されたものであってもよい。更に、触媒層のガス拡散層と反対側の面に上記支持体シートを剥離可能に接合したものを製品として製造してもよい。
支持体シートとしては、(i)高分子電解質膜、(ii)ガス拡散性および電子伝導性を有する多孔体からなるガス拡散層、または(iii)混合液に溶解しない特性を有する合成
樹脂製のシート、合成樹脂からなる層、金属からなる層を積層した構造を有するラミネートフィルム、金属製シート、セラミックスからなるシート、および無機有機複合材料からなるシートのうちのうちのいずれか一つが挙げられる。
上記合成樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、およびポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
触媒層12を形成する際の混合液の塗工方法としては、アプリケータ、バーコータ、ダイコータ、スプレーなどを使用する方法や、スクリーン印刷法、グラビア印刷法などを適用することができる。
膜電極接合体10の2つの触媒層12は、それぞれ独立に厚さが3〜50μmであることが好ましい。厚さ3μm以上であると、均一な触媒層の形成が容易になり、十分な触媒量を確保し易く十分な耐久性の確保ができ好ましく、厚さが30μm以下であると、触媒層12において供給されるガスが拡散し易く、反応が十分に進行し易く好ましい。本発明の効果をより確実に得る観点から、膜電極接合体10の2つの触媒層12は、それぞれ独立に厚さが5〜30μmであることが特に好ましい。
上述のようにして得られた触媒層12から、ガス拡散電極14、膜電極接合体10および高分子電解質形燃料電池を製造する。
その際、支持体シートとして上記(i)の高分子電解質膜を用いた場合には、その両面に触媒層を形成し、その後に、全体をカーボンペーパー、カーボンクロスまたはカーボンフェルトなどのガス拡散層で挟持し、ホットプレスなどで公知の技術により接合すればよい。
また、支持体シートとして上記(ii)のガス拡散層を用いた場合には、触媒層付きガス拡散層2枚で、触媒層が高分子電解質膜に面するように当該高分子電解質膜を挟持し、ホットプレスなどで公知の技術により接合すればよい。
更に、上記(iii)の支持体シート上に触媒層を形成した場合には、触媒層付き支持体シートを高分子電解質膜およびガス拡散層のうちの少なくとも1つに接触させ、支持体シートを剥離することによって触媒層を転写し、公知の技術により接合すればよい。
本発明では、触媒層およびガス拡散層を含むガス拡散電極と、高分子電解質膜とを含む膜電極接合体に、金属イオンを担持させる。
この際、触媒層およびガス拡散層を取り付ける前の高分子電解質膜に、金属イオンを含む水溶液を含浸させ、乾燥することにより、水溶液中で安定な金属イオンを担持させ、その後、金属イオンを担持する高分子電解質膜に、触媒層およびガス拡散層を接合すればよい。
また、触媒層付き高分子電解質膜に、金属イオンを含む水溶液を含浸させ、乾燥することにより、水溶液中で安定な金属イオンを担持させ、その後にガス拡散層を接合してもよい。
更には、触媒層およびガス拡散層を高分子電解質膜に接合して膜電極接合体とした後に、金属イオンを含む水溶液を含浸させ、乾燥することにより、水溶液中で安定な金属イオンを担持させることも可能である。
上述のように本発明における金属イオンは、その取り扱いの容易性から水溶液中で安定なものであり、高分子電解質膜内に水素イオンと交換した状態で存在し、電極で発生した過酸化水素を分解する触媒機能、及び高分子電解質の親水性クラスターのサイズを小さくする機能のうちの少なくとも一方を有することによって、高分子電解質膜の分解・劣化を抑制することができるものである。
上述の金属イオンの具体例としては、電極において発生した過酸化水素を分解することによって高分子電解質膜の分解・劣化を抑制することができるという観点からは、鉄イオン、銅イオン、クロムイオン、ニッケルイオン、モリブデンイオン、チタンイオンおよびマンガンイオンからなる群より選択される少なくとも1種であること、が好ましい。
なかでも、鉄イオン、銅イオン、ニッケルイオン、モリブデンイオン、チタンイオンおよびマンガンイオンからなる群より選択される少なくとも1種であること、が好ましい。
更に鉄イオンは、水溶液中での安定性が非常に高く、加えて、アノード側の水溶液中での安定性をより十分に確保する観点から、Fe2+を含むのが好ましい。
また、上述の金属イオンは、高分子電解質の親水性クラスターのサイズを小さくすることによって、高分子電解質膜の耐分解性を向上させることができるという観点からは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンおよびアルミニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種であること、が好ましい。
金属イオンを含む水溶液は、金属塩などを水に溶解することで調製することができる。金属イオンを含む水溶液の金属イオン濃度は、膜電極接合体に担持させる金属イオンの量に応じて、当業者であれば適宜調整することができる。
次に、上述のようにして得られた膜電極接合体10は製造直後の状態において上記金属イオンを含んでいるが、これを具備する高分子電解質形燃料電池の作動および停止を長期にわたって繰り返していくうちに、高分子電解質形燃料電池から排出されるドレイン水に混じって金属イオンが外部に排出してしまう。そして、金属イオンが排出してしまうと、膜電極接合体10に含まれる金属イオンの量が低減し、高分子電解質膜11の分解・劣化を抑制するという本発明の効果が次第に低下する可能性がある。
そこで、本発明の燃料電池システムでは、膜電解質接合体10に水溶液中で安定な金属イオンを当該膜電極接合体10に供給するための、金属イオン供給手段を有することが好ましい。これによって、作動中または保存中の高分子電解質形燃料電池の膜電極接合体における金属イオン濃度を一定に保ち、長期にわたって高分子電解質膜の分解・劣化を抑制できるとともに、高分子電解質形燃料電池の初期性能の低下を抑制し、優れた耐久性を持たせることができる。
金属イオン供給手段としては、本発明の効果を損なわない範囲で水溶液中で安定な金属イオンを膜電極接合体に供給できる構成を有しているものであれば特に制限はないが、主として、水溶液中で安定な金属イオンを水溶液として供給する第1のタイプと、水溶液中で安定な金属イオンを化学反応により発生させる金属イオン発生部材を用いる第2のタイプとが挙げられる。
第1のタイプの金属イオン供給手段は、高分子電解質形燃料電池内に設けてもよく、また、後述するように高分子電解質形燃料電池の外部に設けてもよい。いずれにしても、上記金属イオン供給手段と高分子電解質形燃料電池とによって本発明の燃料電池システムが構成される。
この場合、例えば金属イオン水溶液を含む金属イオンタンクおよび電磁バルブで金属イオン供給手段を構成することができる。また、高分子電解質形燃料電池のスタック内部に金属イオンを含む溶液を噴霧することなども可能である。
また、第2のタイプの金属イオン供給手段は、水溶液中で安定な金属イオンを電気化学的または化学的に、即ち化学的に酸化または分解することにより発生させる金属、金属化合物または合金で形成された金属イオン発生部材を膜電極接合体の内部または近傍に配置する。したがって、第2のタイプの金属イオン供給手段は、主として高分子電解質形燃料電池内に設けるものである。
例えば、電池反応にともなって上述したような金属イオンを発生する金属板などを金属イオン発生部材として用いることができる。したがって、単電池におけるセパレータ板の材料として、電池反応にともなって上記金属イオンを発生する金属、金属化合物または合金を用いても構わない。
次に、本発明の燃料電池システムの好適な一実施形態について説明する。図3は、本発明の燃料電池システムの好適な一実施形態の基本構成の一例を示す系統図である。
図3に示すように、本実施形態の燃料電池システム30は、単電池C1、C2、・・・、Cn(nは自然数)を含む高分子電解質形燃料電池31、先に述べた第2のタイプの金属イオン供給手段に相当する、金属イオンタンク34a及び金属イオンタンク34bを具備する構成を有している。ここで、各単電池C1、C2、・・・、Cnは、先に述べた図1に示した単電池10と同様の構成を有するものである。更に、燃料電池システム30は、燃料ガスを供給する燃料ガス制御装置33、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス制御装置32、および、高分子電解質形燃料電池31の出力電圧をモニタするための出力電圧モニタ部36を具備する構成を有している。そして、燃料ガス制御装置33、酸化剤ガスを酸化剤ガス制御装置32、高分子電解質形燃料電池31および出力電圧モニタ部36は、すべて制御装置35で制御される構成を有する。
金属イオンタンク34aは、燃料ガス制御装置33から高分子電解質形燃料電池31に接続される配管の途中に設けられ、図示していないが、電磁バルブなどの金属イオンの供給量を制御可能な制御弁も備えている。また、金属イオンタンク34bは、供給する酸化剤ガス制御装置32から高分子電解質形燃料電池31に接続される配管の途中に設けられ、これも図示していないが、電磁バルブなどの金属イオンの供給量を制御可能な制御弁も備えている。
本実施形態の燃料電池システム30においては、金属イオン供給手段(金属イオンタンク34a及び金属イオンタンク34b)を用いて、少なくとも膜電極接合体(図示せず、図2参照)の燃料極側から金属イオンを供給することが好ましい。即ち、少なくとも燃料ガス制御装置33から高分子電解質形燃料電池31に接続される配管に金属イオンタンク34aを設けるのが好ましい。これは、金属イオンが水素イオンと同様に陽イオンであることから、発電状態では燃料極から空気極へと流れるため、燃料極に供給した場合はスムーズに高分子電解質膜内に取り込まれるのに対し、空気極に供給した場合には水素イオンの流れに逆らう方向に進入することになるため、高分子電解質膜内に取り込まれずにそのまま排出されてしまう量が増加するからである。したがって、金属イオンを供給する場合は、燃料極側から供給する方が効率よく高分子電解質膜に供給できる。
金属イオン供給手段(金属イオンタンク34a及び金属イオンタンク34b)によって金属イオン水溶液を供給する速度は、燃料電池システム30を作動させることによって高分子電解質形燃料電池を発電させた際に、膜電極接合体から流出する金属イオンの量を補うことのできる範囲で適宜調整すればよい。なお、金属イオン水溶液を供給する速度は高分子電解質形燃料電池31の各種運転条件に応じて適宜設定することが可能である。
また、燃料電池システム30は、ドレイン水から金属イオンを回収する手段を有することが好ましい。この手段は、例えばドレイン水中の金属イオンをイオン交換樹脂で補足し、これを適宜硫酸溶液で再生することにより、金属イオンの硫酸塩溶液を得ることができる。
高分子電解質形燃料電池31の発電によって流出したドレイン水に含まれる金属イオンを回収し、再度金属イオンタンク34a、34bなどの金属イオン供給手段に供給して再利用することによって、金属イオンに関して循環型の燃料電池システムを実現することができる。この循環型の燃料電池システムによれば、金属イオンを含む水溶液を補給することなく長期間の運転がより確実に可能となる。
また、制御装置35においては、高分子電解質形燃料電池31からのドレイン水の導電率(またはフッ化物イオンの濃度)をモニターすることによって、高分子電解質膜の分解・劣化の度合いおよび流出した金属イオンの量(濃度)を確認することが好ましい。そして、高分子電解質形燃料電池31の温度条件、運転条件、電流密度等に応じて、ドレイン水の導電率と金属イオン濃度との関係、更にはこれらと膜電極接合体に含まれる金属イオンの量との関係を示すテーブルをあらかじめ作成しておき、これらのテーブルをデータベースとして制御装置35に予め記憶させておき、当該データベースに基づいて燃料電池システム30を制御させるのが好ましい。
上述のように膜電極接合体中に含まれる金属イオンの量をモニターすることができれば、金属イオン供給手段によって金属イオンを供給するタイミングや、供給する金属イオンの量を判断することができる。
また、その他にも、膜電極接合体中の金属イオン濃度を判断する基準として、金属イオン濃度によって高分子電解質膜の抵抗が変化することから、膜電極接合体や高分子電解質形燃料電池のインピーダンス変化なども利用することができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、先に述べた、本発明の燃料電池システムの好適な一実施形態に搭載される高分子電解質形燃料電池においては、単電池1を複数積層したスタックの構成を有する態様について説明したが、本発明の燃料電池システムはこれに限定されるものではない。例えば、本発明の燃料電池システムに搭載される高分子電解質形燃料電池は、1つの単電池1からなる構成であってもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
《実施例1》
まず、本発明の高分子電解質形燃料電池を作製した。
膜電極接合体にFeイオンを担持させるために、その構成要素である高分子電解質膜にFeイオンを担持させた。高分子電解質膜(米国DuPont社のNafion112膜、イオン交換基容量:0.9meq/g)の、触媒層を塗布する以外の部分を、ポリエーテルイミドのフィルムでマスクした。そして、このマスクされた高分子電解質膜を、Feイオンを所定の濃度で含む水溶液に12時間浸漬した後、水洗及び乾燥することによってFeイオンを担持させた。なお、Feイオンを含む水溶液としては、0.001Mの硫酸第一鉄(II)の水溶液を用いた。
なお、膜電極接合体中のFeイオンの量は、膜電極接合体を得た後に所定の大きさに切断して試験片とし、この試験片を0.1Nの硫酸溶液中に90℃で3時間浸漬し、得られた溶液中のFeイオンをICP分光分析によって定量することにより求めた。その結果、高分子電解質膜のイオン交換基容量の1.0%に相当する量であった。
次に、ガス拡散層を作製した。炭素粉末であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製のデンカブラック、粒径35nm)を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製のD1)と混合し、乾燥質量としてPTFEを20質量%含む撥水インクを調製した。
このインクを、ガス拡散層の基材となるカーボンクロス(日本カーボン社製のカーボロンGF−20−31E)の上に塗布して含浸させ、熱風乾燥機を用いて300℃で熱処理し、ガス拡散層(約200μm)を形成した。
次に触媒層を作製した。炭素粉末であるケッチェンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製のKetjen Black EC、粒径30nm)上に電極触媒である白金を担持させて得られた触媒体(50質量%がPt)66質量部を、水素イオン伝導材でありかつ結着剤であるパーフルオロカーボンスルホン酸アイオノマー(米国Aldrich社製の5質量%Nafion分散液)33質量部(高分子乾燥質量)と混合し、得られた混合物を成形して触媒層(10〜20μm)を作製した。
上述のようにして得たガス拡散層と触媒層とを、Feイオンを担持させた高分子電解質膜の両面にホットプレスにより接合して一体化し、図2に示す構造を有する膜電極接合体を作製した。
次に、以上のように作製した膜電極接合体の高分子電解質膜の外周部に、ゴム製のガスケット板を接合し、燃料ガスおよび酸化剤ガスを流通させるためのマニホールド穴を形成した。そして、10cm×10cm×1.3mmの外寸を有し、かつ幅0.9mm、深さ0.7mmのガス流路を有する、フェノール樹脂を含浸させた黒鉛板からなる導電性のセパレータ板を準備した。
図1に示すように、このセパレータ板の膜電極接合体10に面する側には切削により溝を設けてガス流路17を形成し、その裏側には切削により溝を設けて冷却水流路18を形成した。このセパレータ板16を2枚用い、膜電極接合体10の一方の面に酸化剤ガス用のガス流路が成形されたセパレータ板16を重ね合わせ、他方の面に燃料ガス用のガス流路が成形されたセパレータ板16を重ね合わせ、単電池1を得た。
単電池の両端部には、ステンレス鋼製の集電板、ならびに電気絶縁性材料で作製された絶縁板および端板を配置し、全体を締結ロッドで固定した。なお、このときの締結圧はセパレータの面積当たり10kgf/cm2とした。
以上のようにして、単電池1個からなる本発明の高分子電解質形燃料電池を得た。
《実施例2〜4》
膜電極接合体の高分子電解質膜に担持させたFeイオンの量を後述する表1に示した量とした他は、実施例1と同様の構成の本発明における膜電極接合体、ならびに本発明の高分子電解質形燃料電池を作製した。
《比較例1〜7》
膜電極接合体の高分子電解質膜に担持させたFeイオンの量を後述する表1に示した量とした他は、実施例1と同様の構成の膜電極接合体、ならびに高分子電解質形燃料電池を作製した。
《実施例5〜8》
Feイオンを含む水溶液に変えてCuイオンを含む水溶液を用い、膜電極接合体の高分子電解質膜に後述する表2に示した量のCuイオンを担持させた他は、実施例1と同様の構成の本発明における膜電極接合体、ならびに本発明の高分子電解質形燃料電池を作製した。
《比較例8〜12》
膜電極接合体の高分子電解質膜に担持させたCuイオンの量を後述する表2に示した量とした他は、実施例1と同様の構成の膜電極接合体、ならびに高分子電解質形燃料電池を作製した。
《実施例9〜12》
Feイオンを含む水溶液に変えてMnイオンを含む水溶液を用い、膜電極接合体の高分子電解質膜に後述する表3に示した量のMnイオンを担持させた他は、実施例1と同様の構成の本発明における膜電極接合体、ならびに本発明の高分子電解質形燃料電池を作製した。
《比較例13〜17》
膜電極接合体の高分子電解質膜に担持させたMnイオンの量を後述する表3に示した量とした他は、実施例1と同様の構成の膜電極接合体、ならびに高分子電解質形燃料電池を作製した。
《実施例13〜16》
Feイオンを含む水溶液に変えてCrイオンを含む水溶液を用い、膜電極接合体の高分子電解質膜に後述する表4に示した量のCrイオンを担持させた他は、実施例1と同様の構成の本発明における膜電極接合体、ならびに本発明の高分子電解質形燃料電池を作製した。
《比較例18〜22》
膜電極接合体の高分子電解質膜に担持させたCrイオンの量を後述する表4に示した量とした他は、実施例1と同様の構成の膜電極接合体、ならびに高分子電解質形燃料電池を作製した。
《実施例17〜20》
Feイオンを含む水溶液に変えてNiイオンを含む水溶液を用い、膜電極接合体の高分子電解質膜に後述する表5に示した量のNiイオンを担持させた他は、実施例1と同様の構成の本発明における膜電極接合体、ならびに本発明の高分子電解質形燃料電池を作製した。
《比較例23〜27》
膜電極接合体の高分子電解質膜に担持させたNiイオンの量を後述する表5に示した量とした他は、実施例1と同様の構成の膜電極接合体、ならびに高分子電解質形燃料電池を作製した。
《実施例21〜24》
Feイオンを含む水溶液に変えてMoイオンを含む水溶液を用い、膜電極接合体の高分子電解質膜に後述する表6に示した量のMoイオンを担持させた他は、実施例1と同様の構成の本発明における膜電極接合体、ならびに本発明の高分子電解質形燃料電池を作製した。
《比較例28〜32》
膜電極接合体の高分子電解質膜に担持させたMoイオンの量を後述する表6に示した量とした他は、実施例1と同様の構成の膜電極接合体、ならびに高分子電解質形燃料電池を作製した。
《実施例25〜28》
Feイオンを含む水溶液に変えてTiイオンを含む水溶液を用い、膜電極接合体の高分子電解質膜に後述する表7に示した量のTiイオンを担持させた他は、実施例1と同様の構成の本発明における膜電極接合体、ならびに本発明の高分子電解質形燃料電池を作製した。
《比較例33〜37》
膜電極接合体の高分子電解質膜に担持させたTiイオンの量を後述する表7に示した量とした他は、実施例1と同様の構成の膜電極接合体、ならびに高分子電解質形燃料電池を作製した。
《実施例29〜31》
Feイオンを含む水溶液に変えてNaイオンを含む水溶液を用い、膜電極接合体の高分子電解質膜に後述する表8に示した量のNaイオンを担持させた他は、実施例1と同様の構成の本発明における膜電極接合体、ならびに本発明の高分子電解質形燃料電池を作製した。
《比較例38〜43》
膜電極接合体の高分子電解質膜に担持させたNaイオンの量を後述する表8に示した量とした他は、実施例1と同様の構成の膜電極接合体、ならびに高分子電解質形燃料電池を作製した。
《実施例32〜35》
Feイオンを含む水溶液に変えてKイオンを含む水溶液を用い、膜電極接合体の高分子電解質膜に後述する表9に示した量のKイオンを担持させた他は、実施例1と同様の構成の本発明における膜電極接合体、ならびに本発明の高分子電解質形燃料電池を作製した。
《比較例44〜48》
膜電極接合体の高分子電解質膜に担持させたKイオンの量を後述する表9に示した量とした他は、実施例1と同様の構成の膜電極接合体、ならびに高分子電解質形燃料電池を作製した。
《実施例36〜49》
Feイオンを含む水溶液に変えてMgイオンを含む水溶液を用い、膜電極接合体の高分子電解質膜に後述する表10に示した量のMgイオンを担持させた他は、実施例1と同様の構成の本発明における膜電極接合体、ならびに本発明の高分子電解質形燃料電池を作製した。
《比較例49〜53》
膜電極接合体の高分子電解質膜に担持させたMgイオンの量を後述する表10に示した量とした他は、実施例1と同様の構成の膜電極接合体、ならびに高分子電解質形燃料電池作製した。
《実施例40〜43》
Feイオンを含む水溶液に変えてCaイオンを含む水溶液を用い、膜電極接合体の高分子電解質膜に後述する表11に示した量のCaイオンを担持させた他は、実施例1と同様の構成の本発明における膜電極接合体、ならびに本発明の高分子電解質形燃料電池を作製した。
《比較例54〜58》
膜電極接合体の高分子電解質膜に担持させたCaイオンの量を後述する表11に示した量とした他は、実施例1と同様の構成の膜電極接合体、ならびに高分子電解質形燃料電池を作製した。
《実施例44〜47》
Feイオンを含む水溶液に変えてAlイオンを含む水溶液を用い、膜電極接合体の高分子電解質膜に後述する表12に示した量のAlイオンを担持させた他は、実施例1と同様の構成の本発明における膜電極接合体、ならびに本発明の高分子電解質形燃料電池ムを作製した。
《比較例59〜63》
膜電極接合体の高分子電解質膜に担持させたAlイオンの量を後述する表12に示した量とした他は、実施例1と同様の構成の膜電極接合体、ならびに高分子電解質形燃料電池を作製した。
《比較例64》
膜電極接合体の高分子電解質膜に金属イオンを担持させなかった他は、実施例1と同様の構成の膜電極接合体、ならびに高分子電解質形燃料電池を作製した。
《実施例48》
本実施例においては、Feイオンを含む水溶液に変えてNiイオンを含む水溶液を用い、膜電極接合体の高分子電解質膜に、高分子電解質膜のイオン交換基容量の10%に相当する量のNiイオンを担持させ、更に、後述するセパレータ板を用いた他は、実施例1と同様の構成の本発明における膜電極接合体、ならびに本発明の高分子電解質形燃料電池を作製した。
本実施例においては、以下のような予備実験を予め行った。即ち、ステンレス鋼(SUS316)製のセパレータ板に金メッキを行ったものを用意し、このセパレータ板を切断して得た試験片の表面からの金属イオン溶出量を測定した。その結果、ニッケルイオンの溶出量が0.03μg/day/cm2であり、鉄イオンの溶出量が0.004μg/d
ay/cm2であった。
そこで、この予備実験の結果に基づき、上記のセパレータ板の全面積から溶出する金属イオン量が、1000時間あたり、高分子電解質膜のイオン交換容量の2%に相当するように上記のセパレータ板の面積を調整し、このようにして得られたセパレータ板を用いて高分子電解質形燃料電池を作製した。
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[評価試験1]
実施例1〜47及び比較例1〜64の高分子電解質形燃料電池からのフッ化物イオン溶出量を評価した。実施例1〜47及び比較例1〜64の高分子電解質形燃料電池に、燃料ガスとしての水素、および酸化剤ガスとしての空気を、それぞれの電極に供給し、電池温度を70℃、燃料ガス利用率(Uf)70%、および空気利用率(Uo)40%の条件で、放電試験を行った。燃料ガスおよび空気は、いずれも65℃の露点を有するように加湿して供給した。
空気および燃料ガスを連続供給した状態で、200mA/cm2の電流密度で連続運転
を行い、発電開始から300時間経過して電圧が安定化したところで、排出ガスおよびドレイン水に含まれるフッ化物イオンの量をイオンクロマト法(東亜DKK社製のイオンアナライザーIA−100)によって定量した。
より具体的には、各実施例及び比較例の高分子電解質形燃料電池を5個ずつ用い、電圧が安定化してから{即ち発電開始から300時間経過してから}500時間運転し、その間の平均フッ化物イオン溶出量を測定した。そして、5個の高分子電解質形燃料電池で得られた測定値の平均値として、フッ化物イオン溶出量を上記の表1〜12に示した。
なお、予備実験をして調べたところ、ドレイン水に排出されるフッ化物イオンの積算量と、劣化後の高分子電解質膜の厚さの減少量と、の間に良い相関が見られたため、この積算量を高分子電解質膜の分解の程度を判断する指標とした。
表1〜12からわかるように、いずれの金属イオンを担持させた場合も、担持量が少ない場合は、担持量の増加にしたがってフッ化物イオン量の溶出量も増加する傾向を示した。これは、電極反応で生成した過酸化水素から、これらの金属イオンを触媒としてラジカル種が生成し、高分子電解質膜を分解したためであった。ところが、金属イオンの担持量が0.1%付近になると、フッ化物イオン溶出量は減少を始め、1.0%以上の担持量では、無添加の比較例64(0.2μg/day/cm2)と同等以下の溶出量となった。これは、金属イオンが多量に存在することにより、金属イオンがラジカル分解触媒として働き、高分子電解質膜の分解を抑制したためであると考えられる。
また、Naイオン、Kイオン、Caイオン、MgイオンまたはAlイオンのように安定な価数を有する金属イオンを担持させた場合、担持量を増やしてもフッ化物イオンの溶出量に顕著な増大は見られなかった。したがって、これらの金属イオンには、過酸化水素を分解してラジカル種を生成する触媒効果は小さいものと考えられる。しかし、Naイオン、Kイオン、Caイオン、MgイオンまたはAlイオンの担持量を更に増やしていくと、Feイオン、Cuイオン、Crイオン、Niイオン、Moイオン、TiイオンまたはMnイオンの場合と同様に、フッ化物イオン溶出量に低下が見られた。これは、これらの金属イオンがプロトンと置換すると、高分子電解質膜の中の親水性イオン交換基で形成されるクラスターの大きさが減少して含水率が低下し、この効果により高分子電解質膜内の攻撃されやすい部分が保護され、高分子電解質膜の耐分解性が向上するためであると考えられる。
以上のように、表1〜12に示した評価試験1の結果から、本発明においては、膜電極接合体の内部に、高分子電解質膜のイオン交換基容量の1.0〜40.0%に相当する量の、水溶液中で安定な金属イオンを担持させることが好ましいことが確認された。
[評価試験2]
実施例1〜4及び比較例1〜7の高分子電解質形燃料電池(Feイオン担持した膜電極接合体を有するもの)並びに実施例17〜20及び比較例23〜27の高分子電解質形燃料電池(Niイオンを担持した膜電極接合体を有するもの)の放電電圧を測定した。実施例1〜4及び17〜20の高分子電解質形燃料電池並びに比較例1〜7及び23〜27の高分子電解質形燃料電池に、燃料ガスとしての水素、および酸化剤ガスとしての空気を、それぞれの電極に供給し、電池温度を70℃、燃料ガス利用率(Uf)70%、および空気利用率(Uo)40%の条件で、放電試験を行った。燃料ガスおよび空気は、いずれも65℃の露点を有するように加湿して供給した。
空気および燃料ガスを連続供給した状態で、200mA/cm2の電流密度で連続運転を行い、発電開始から300時間経過後の電池電圧(放電電圧)を測定した。結果を表1及び5に示した。
表1及び5からわかるように、FeイオンまたはNiイオンの担持量が1.0〜40.0%の間では、電池電圧の低下はほとんど認められなかったが、40.0%を超えると急激に低下した。これは、40.0%を超えると、FeイオンまたはNiイオンが高分子電解質膜のイオン交換基をトラップし、プロトン伝導に関わるイオン交換基の連続性を損ない、高分子電解質膜のイオン伝導度を大きく低下させたためであると考えられる。
以上のように、表1及び5に示した評価試験2の結果から、本発明においては、膜電極接合体の内部に、高分子電解質膜のイオン交換基容量の1.0〜40.0%に相当する量の、FeイオンまたはNiイオンを担持させることが好ましいことが確認された。更にまた、これらの結果から、水溶液中で安定なFeイオン以外の金属イオンであっても、高分子電解質膜のイオン交換基容量の1.0〜40.0%に相当する量で膜電極接合体の内部に担持させることが好ましいことが示唆された。
[評価試験3]
実施例2の高分子電解質形燃料電池(Feイオンを5.0%担持した膜電極接合体を有するもの)を用い、図3に示す構造を有する本発明の燃料電池システムを作製し、外部から金属イオンを供給する検討を行った。即ち、膜電極接合体内の金属イオンの量を保持することによって、高分子電解質膜の分解・劣化を抑制し、高分子電解質形燃料電池の電池性能を長期にわたって維持させることができるか否かを評価した。なお、高分子電解質形燃料電池31は1個の単電池で構成し、金属イオン供給手段としてFeイオンタンク34a及びFeイオンタンク34bを具備する構成とした。
Feイオンを膜電極接合体に供給するため、Feイオンを含む水溶液を、高分子電解質形燃料電池31のガス入り口から滴下して補給した。Feイオンの水溶液としては、0.001Mの硫酸第一鉄(II)の水溶液を用い、2000時間毎に、高分子電解質膜のイオン交換基容量の0.2%に相当する量の鉄イオンを含む0.001Mの硫酸第一鉄の水溶液を滴下して補給(投入)した。滴下して補給を行う箇所は、図3に示す燃料電池システムの燃料ガス制御装置33および酸化剤ガス制御装置32の下流側とした。
そして、Feイオンは、燃料極側のFeイオンタンク34aおよび空気極側のFeイオンタンク34bのいずれかから供給し、5000時間運転した後のドレイン水中のフッ化物イオン量を上記評価試験1と同様の方法で測定した。
ここで、Feイオンを投入する時期(2000時間毎)は、以下のような予備実験を行って決定した。即ち、高分子電解質形燃料電池31から排出されるドレイン水の導電率を測定した。図4に示すように、Feイオンを含む水溶液を投入した直後は、高分子電解質膜中におけるFeイオンの置換に伴って排出された水素イオンなどの影響で、ドレイン水の導電率は上昇した。その後、導電率は徐々に低下したが、Feイオン濃度の低下によって高分子電解質膜の分解が起こると、再度導電率が上昇し始めた。そこで、導電率の時間に対する微分値を計算し、その微分値が負から正に変化した時点を制御装置35で判断し、2000時間毎にFeイオンを含む水溶液を更に高分子電解質形燃料電池31に投入することを決定した。
その結果、実施例3の燃料電池システム(Feイオンを10.0%担持した膜電極接合体を有するもの)においては、燃料極側からFeイオンを含む水溶液を供給した場合、膜電極接合体中のFeイオンの量は9.7%となり、減少はほとんど見られなかった。一方、空気極側からFeイオンを含む水溶液を供給した場合は、膜電極接合体中のFeイオンの量は7.2%となった。
これは、Feイオンが水素イオンと同様に陽イオンであることから、発電状態では燃料極から空気極へと流れ、燃料極に供給した場合はスムーズに高分子電解質膜内に取り込まれるのに対し、空気極に供給した場合には水素イオンの流れに逆らう方向に進入することになるため、高分子電解質膜内に取り込まれずにそのまま排出されてしまう量が増加するからであると考えられる。したがって、Feイオンを供給する場合は、燃料極側から供給する方が効率よく供給できることが確認された。
以上のように、本発明の高分子電解質形燃料電池31にタイミングよくFeイオンを補給することによって、膜電極接合体に常に一定のFeイオンを担持させることができ、作動および停止を繰り返しても長期にわたって高分子電解質膜の分解・劣化を抑制することができ、かつ高分子電解質形燃料電池の初期特性の低下を充分に防止でき、優れた耐久性を発揮させることができることが確認された。更にまた、上記の結果から、水溶液中で安定なFeイオン以外の金属イオンであっても、高分子電解質膜のイオン交換基容量の1.0〜40.0%に相当する量で膜電極接合体の内部に担持させることが好ましいことが示唆された。
[評価試験4]
実施例3の高分子電解質形燃料電池(Feイオンを10.0%担持した膜電極接合体を有するもの)、及び比較例6の高分子電解質形燃料電池(Feイオンを0.7%担持した膜電極接合体を有するもの)を用い、図3に示す構造を有する本発明の燃料電池システムを作製し、長期間にわたって連続運転をした。そして、連続運転中に、ドレイン水に含まれるフッ化物イオン量を上記の評価試験1と同様の方法で測定した。測定結果、即ち運転時間とフッ化物イオン溶出量との関係を図5および6に示した。また、電池電圧についても測定した。
図5からわかるように、実施例3の高分子電解質形燃料電池では、5000時間を経過した時点でもフッ化物イオン溶出量が低い値を示し、また、電池電圧の低下も初期に対して3%の低下にとどまっていた。一方、図6からわかるように、比較例6の高分子電解質形燃料電池では、運転時間が2000時間を超えたあたりから、フッ化物イオン溶出量が徐々に増加する傾向が見られ、3000時間で電池電圧がほぼ0Vに低下してしまい運転不可能となった。
以上のように、本発明において膜電極接合体に担持させるFeイオンの量は、高分子電解質膜のイオン交換基容量の1.0%未満では不充分であることが確認された。更にまた、上記の結果から、水溶液中で安定なFeイオン以外の金属イオンであっても、高分子電解質膜のイオン交換基容量の1.0%未満に相当する量で膜電極接合体の内部に担持させることは不充分であることが示唆された。
[評価試験5]
実施例48の高分子電解質形燃料電池(Niイオンを10.0%担持した膜電極接合体、及び金属製セパレータ板を有するもの)を用い、図3に示す構造を有する本発明の燃料電池システムを作製し、長期間にわたって連続運転をした。
この燃料電池システムにおいて高分子電解質形燃料電池を2000時間運転した後、膜電極接合体を分解してその内部の金属イオン担持量を測定したところ、12.3%の金属イオンが検出された。膜電極接合体内部から主に検出された金属イオンは、Niイオン、FeイオンおよびCrイオンであった。膜電極接合体に担持された金属イオンの量が増加したのは、発電初期において、セパレータ板からの金属イオンの溶出速度が大きいからであると考えられる。
以上のように、金属製のセパレータ板を金属イオン供給手段として用いても、長期にわたって膜電極接合体に担持される金属イオンの量を一定に保持することができ、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池が得られることが確認された。
本発明の燃料電池システムは、電極内で生成する過酸化水素やラジカルによる高分子電解質の分解・劣化を長期にわたって抑制することができるため、初期性能の低下がなく作動・停止を繰り返しても電池性能の劣化しない優れた耐久性が必要とされる用途、例えば定置型コジェネレーションシステムや電気自動車などに好適に用いることができる。
本発明の燃料電池システムの好適な一実施形態に搭載される高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池1の基本構成の一例を示す概略断面図である。 図1に示す単電池1に搭載される膜電極接合体10の基本構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の燃料電池システムの好適な一実施形態の基本構成の一例を示す系統図である。 本発明の実施例2の評価試験3におけるドレイン水の導電率の経時変化を示す図である。 本発明の実施例3の評価試験4における高分子電解質形燃料電池の連続運転時のドレイン水中のフッ化物イオン溶出量の経時変化を示す図である。 本発明の比較例6の評価試験4における高分子電解質形燃料電池の連続運転時のドレイン水中のフッ化物イオン溶出量の経時変化を示す図である。 従来の高分子電解質形燃料電池の好適な一実施形態に搭載される単電池100の基本構成の一例を示す概略断面図である。 図7に示す単電池100に搭載される膜電極接合体101の基本構成の一例を示す概略断面図である。

Claims (9)

  1. 水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜ならびに前記高分子電解質膜を挟む燃料極および酸化剤極を含む膜電極接合体と、前記燃料極に燃料ガスを供給および排出する第1のセパレータ板と、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給および排出する第2のセパレータ板と、を具備する高分子電解質形燃料電池を含む燃料電池システムであって、
    前記高分子電解質膜のイオン交換基容量の1.0〜40.0%に相当する、水溶液中で安定な金属イオンを前記膜電極接合体が含むように、前記膜電解質接合体に前記金属イオンを供給する金属イオン供給手段を有すること、
    を特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記金属イオン供給手段が、前記膜電極接合体が前記高分子電解質膜のイオン交換基容量の10.0〜40.0%に相当する前記金属イオンを含むように、前記膜電解質接合体に前記金属イオンを供給すること、を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記高分子電解質膜のイオン交換基容量が0.5〜1.5meq/gであること、を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記金属イオンが、鉄イオン、銅イオン、クロムイオン、ニッケルイオン、モリブデンイオン、チタンイオンおよびマンガンイオンからなる群より選択される少なくとも1種であること、を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記鉄イオンがFe2+を含むこと、を特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記金属イオンが、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンおよびアルミニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種であること、を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  7. 前記金属イオン供給手段が、少なくとも前記燃料極側から前記膜電解質接合体に前記金属イオンを供給する構成を有していること、を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  8. 前記金属イオン供給手段が、前記金属イオンを含む水溶液を供給する構成を有していること、を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  9. 前記金属イオン供給手段が、前記金属イオンを化学反応により発生させる金属イオン発生部材であること、を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
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