JP3629541B2 - 低温型燃料電池とそれに用いる膜・電極接合体、固体高分子膜材料及び高分子電解質溶液 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池、直接型メタノール燃料電池、アルカリ型燃料電池、リン酸型燃料電池のような動作温度が約300℃以下の低温型燃料電池において、特に空気極に外部から侵入する不純物イオンによって酸素還元反応に対する反応阻害作用が生じ、電池性能が劣化するのを防止するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高分子型燃料電池、直接型メタノール燃料電池、アルカリ型燃料電池、リン酸型燃料電池のような動作温度が約300℃以下の低温型燃料電池において、不純物イオンが燃料電池内に侵入すると、特に空気極で生じる酸素還元反応(酸素分子が電子を受け取り水になる反応)に対し深刻な妨害効果を及ぼす。
従来は、燃料電池の空気取り入れ口にフィルターを設けるなどしてこのような不純物イオンの侵入を抑えたり、燃料電池が不純物イオンで汚染された後では分解洗浄処理などによって不純物イオンを取り除いたりしていた。しかし、そのための付加設備や余計な労力が必要となる。そこで不純物イオンの妨害効果そのものを抑制できるような、より根本的な解決策の開発が切望されている。
【0003】
従来、このような不純物イオンによる燃料電池の劣化機構に関して、十分に解明されていなかった。例えば燃料電池性能の劣化の要因として、触媒そのものの粒径増大に基づく劣化であるとか、触媒を担持するカーボンの腐食などは指摘されてきたが、不純物イオンが電池反応に及ぼす妨害作用については最近になって初めて明らかになってきている。そのため、この問題に関しては、従来十分な対策が講じられてこなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題に対処する燃料電池劣化防止技術を提供することを目的とする。特に本発明は不純物イオンが空気極の酸素還元反応に及ぼす妨害作用を軽減した低温型燃料電池を提供することを目的とするものであり、さらにこの燃料電池に用いる膜・電極接合体、固体高分子膜材料又は高分子溶液を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、これまで燃料電池運転中に外部から侵入する恐れのある、ナトリウム、カルシウム、鉄、ニッケルイオンなど種々の不純物イオンが空気極で起きる酸素還元反応に及ぼす影響を調べてきた。その結果、これらの不純物イオンが酸素極の触媒である白金と高分子電解質界面近傍に蓄積すると、酸素還元反応が著しく阻害されることを見出した。そのメカニズムは、不純物イオンは触媒表面近傍にあって酸素分子が触媒から電子を受け取る際に、電場の強度を弱めていると考えられる。そのため酸素は電子を受け取りにくくなり,反応が阻害されて電池性能が劣化したものと予想される。
上記問題点を解決するため鋭意検討した結果、燃料電池を構成する際に、予め特定の添加剤を加えておくことによって、触媒界面での酸素分子への電子授受の阻害を防止しうることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)低温型燃料電池において、1種または複数種の、有機系弱酸またはその塩を高分子膜(炭化水素部を有する高分子膜及び炭化水素を含む高分子膜を除く)内に含むことを特徴とする低温型燃料電池の膜・電極接合体、
(2)上記の有機系弱酸が、分子内にカルボン酸基、リン酸基、ホウ酸基、アルデヒド基及びアミノ基からなる群から選ばれる基の少なくとも1つを持つ化合物であることを特徴とする、(1)項記載の低温型燃料電池の膜・電極接合体、
(3)有機系弱酸が、カルボン酸化合物又はアミノ酸化合物から選ばれることを特徴とする、(1)又は(2)項記載の低温型燃料電池の膜・電極接合体、
(4)低温型燃料電池において、(1)乃至(3)項のいずれか1項に記載の有機系弱酸またはその塩を含むことを特徴とする、固体高分子膜材料、
(5)(1)乃至(3)項のいずれか1項に記載の有機系弱酸またはその塩を含むことを特徴とする、低温型燃料電池の膜電極接合体を構成する際に用いられる、溶剤に溶かした高分子電解質溶液、
(6)(1)乃至(3)項のいずれか1項に記載の膜・電極接合体を備えた低温型燃料電池、
(7)低温型燃料電池が、固体高分子型燃料電池又は直接型メタノール燃料電池であることを特徴とする(6)項記載の燃料電池、及び
(8)低温型燃料電池が、(5)項の高分子電解質溶液を使用して作成したことを特徴とするリン酸型燃料電池、固体高分子型燃料電池、アルカリ型燃料電池又は直接型メタノール燃料電池を提供するものである。
【0006】
本発明でいう低温型燃料電池の膜・電極接合体とは電解質となる固体高分子膜(炭化水素部を有する高分子膜及び炭化水素を含む高分子膜を除く)内と、その両面に接合された燃料極及び空気極の触媒層を含めた構成要素をいう。
また固体高分子膜材料とは燃料電池の電解質としてイオンを伝導する高分子膜(炭化水素部を有する高分子膜及び炭化水素を含む高分子膜を除く)材料をいう。
高分子電解質溶液とは、固体高分子を水・アルコール系溶媒などに溶解させたもので、膜と電極触媒層を接合する際に界面に塗布したりするものである。
本発明者らは、燃料電池の膜・電極接合体を構成する際に、高分子膜(炭化水素部を有する高分子膜及び炭化水素を含む高分子膜を除く)、高分子溶液、触媒担持カーボン粒子、あるいはガス拡散層のカーボン多孔体の触媒層近傍に種々の添加剤を含有させることにより、電池内部に侵入する種々の不純物イオンによってもたらされる、電池の劣化現象を抑制することが可能であることを知見した。
低温型燃料電池の空気極触媒は酸素還元反応が遅い反応であるため、白金系触媒を多量に用いるのが通例であるが、本発明はこのような触媒表面に作用させることによって劣化防止作用を発揮する。
これによって、少量の添加剤により不純物イオンに起因する燃料電池性能の劣化防止が図られ、安価かつ簡便な方法で電池の寿命改善が図れる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における前記の1種または複数種の、有機系弱酸またはその塩を燃料電池性能の劣化防止剤として作用する。
【0008】
この劣化防止剤としては、解離してマイナス電荷を示し、また触媒である白金系粒子表面に吸着しやすい化合物の1種又は複数種を選ぶことが望ましい。
このような化合物としては、有機系弱酸、例えばカルボン酸基、リン酸基、ホウ酸基、アルデヒド基、アミノ基を持つ化合物などが挙げられる。白金系触媒表面に吸着しやすい点から、カルボン酸基及び/又はアミノ基を有する化合物は特に有効である。分子量は適宜選択されるが、あまり分子量の小さいものは、燃料電池触媒層を構成しても空気極の生成物である水と一緒に解けだしてしまう恐れがあるため、好ましくない。炭素原子数4個以上を含む化合物であることが望ましい。
【0009】
劣化防止剤である化合物の分子内におけるこれらの官能基の数は1個であっても複数個であっても有効であるが、2個乃至4個有することが望ましい。
劣化防止剤の量としては、触媒、例えば白金系金属の表面に作用するため、表面に1原子層吸着する程度含まれていれば十分である。特に、高分子電解質膜あるいは高分子電解質溶液に含有させる場合は、高分子の質量に対し0.05〜20質量%であることが望ましいが、2〜10質量%が好ましく使用される。劣化防止剤の量が少なすぎると、触媒表面に十分量吸着し電場を弱めないように作用できるに至らず、逆に多すぎると高分子電解質を可塑化させ、反応物質が触媒表面に供給される過程を阻害することになる。
【0010】
劣化防止剤を含有させるにあたっては、1)燃料電池の単セルユニットを組み立ててからこのユニットを劣化防止剤を含む水溶液に浸せきする、2)膜・電極接合体に劣化防止剤を含む水溶液を含浸した後乾燥する、3)ガス拡散電極のガス拡散用ポーラスカーボン多孔体に劣化防止剤を含む水溶液を含浸した後乾燥する、4)触媒担持カーボン粒子に劣化防止剤を含む水溶液を含浸した後乾燥する、5)電解質である高分子膜に予め劣化防止剤を加える、6)膜・電極接合体を作成する際の高分子電解質溶液に劣化防止剤を加える、などの方法があるが、後3者の方法が好ましく使用される。
【0011】
本発明の低温型燃料電池の触媒としては、白金系金属が代表的であり、例えば白金、ルテニウム、ニッケルなどをあげることができるが、白金系以外の金属、例えば銀系触媒であってもよい。
本発明が適用できる燃料電池は、劣化防止剤が熱分解しない程度の温度範囲で使用される、固体高分子型燃料電池、直接型メタノール燃料電池、アルカリ型燃料電池、リン酸型燃料電池のような動作温度が約300℃以下の低温型燃料電池であることが好ましい。特に高分子電荷質膜を用いる膜・電極接合体をユニットに含む、固体高分子型燃料電池、直接型メタノール燃料電池に用いるのが望ましいが、高分子電解質膜を用いなくとも触媒層を構成する際に高分子電荷質溶液を用いる、アルカリ型燃料電池、リン酸型燃料電池に用いることもできる。
図6に、本発明に係る燃料電池のうち固体高分子型燃料電池の代表例の概略説明図を示す。
図中、膜・電極接合体は、固体高分子膜と燃料極及び空気極となる左右2つの触媒層を高分子電解質溶液とともに熱圧着などの手段により接合された構成要素をいい、このものの両側に燃料流路及び空気流路を設けることによって1つの燃料電池が構成される。
【0012】
【実施例】
次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
なお、以下の例は図6に示す燃料電池を模した試験である。
【0013】
参考例1
ディスク部が直径4 mmの白金でできた回転円盤電極の電極表面を#600エメリー紙で研磨した後、十分清浄にした。5質量%陽イオン交換樹脂「ナフィオン」からなる高分子電解質溶液(Aldrich Chemicals社製)とN,N−ジメチルホルムアミドを容量比10:1の比で混合したものを、この回転円盤電極上にスピンコート法で滴下乾燥し、この操作を繰り返すことによって約10μm厚のナフィオン被覆層を形成した。これを空気中で80℃乾燥、更に真空乾燥機中で125〜130℃の温度で約5時間真空乾燥処理することによりナフィオン膜被覆白金回転電極を作成した。なお、N,N−ジメチルホルムアミドを用いたのは水中で溶出しない構造を有するナフィオン膜を得るためであり、125〜130℃の温度で真空乾燥したのは溶媒除去、及び熱アニールによるポリマーの構造安定化のためである。
【0014】
このナフィオン膜被覆白金回転電極を燃料電池触媒のモデル系とし、25℃において窒素脱気した0.05M硫酸中でサイクリックに電位をかけることによって電極表面の清浄処理を施した。
この白金回転電極を試験電極、白金線を対極、飽和カロメル電極(SCE)を参照電極とする3電極系において、酸素ガスで飽和した0.05M硫酸中でポテンショスタットを用い電気化学的測定を行うことにより、酸素還元反応を評価した。その際、電流−電位曲線をX−Yレコーダーに記録した。この操作によって得られた酸素還元反応の分極曲線を図1(a)に示す。
次に、溶液を0.05M硫酸から0.05M硫酸と0.005M硫酸カルシウム混合溶液、即ち溶液中のH+イオンに対し10当量%のCa2+イオンを含む系で同様に電気化学的測定を行って得られた酸素還元反応の分極曲線を図1(b)に示すとともに、Ca2+イオンを含まない純粋系とCa2+イオンを含む不純物系を重ねて比較したものを図1(c)に示す。
図1より、ナフィオン膜被覆白金触媒系において、本来H+イオンだけであった場合に比べCa2+不純物イオンが存在すると、酸素還元反応が著しく阻害されることが分かる。
【0015】
実施例1
参考例1においてナフィオン膜被覆白金回転電極を作成する際に、5質量%ナフィオン溶液に予めポリマー質量に対し4質量%のフタル酸を添加した以外は同様の操作によって、フタル酸入りのナフィオン膜被覆白金回転電極を作成した。このように劣化防止剤として、フタル酸入りのナフィオン膜被覆白金回転電極を用いた以外は参考例1と全く同様の実験を行った結果を図2の(a)不純物イオンを含まない系、(b)H+イオンに対し10当量%のCa2+イオンを含む系であり、(c)上の2つを重ねて比較したもの、の順に示す。
図2(c)では実線と点線が全くないしはほとんど重なっており、このことより、数質量%のフタル酸を加えることによって、図1(c)で見られたようなCa2+不純物イオンによる酸素還元反応阻害作用が抑制できたことが分かる。
【0016】
実施例2
劣化防止剤としてフタル酸の代わりにグリシンを用いた以外は実施例1と全く同様の実験を行った結果を図3の(a)不純物イオンを含まない系、(b)H+イオンに対し10当量%のCa2+イオンを含む系でマレイン酸を存在させた場合、(c)上の2つを重ねて比較したもの、の順に示す。
図3(c)では実線と点線が全くないしはほとんど重なっており、このことより、数質量%のグリシンを加えることによって、図1(c)で見られたようなCa2+不純物イオンによる酸素還元反応阻害作用は抑制できたことが分かる。
【0017】
実施例3
劣化防止剤としてフタル酸の代わりにアラニンを用いた以外は実施例1と全く同様の実験を行った結果を図4の(a)不純物イオンを含まない系で劣化防止剤なし、(b)H+イオンに対し10当量%のCa2+イオンを含む系でアラニンを存在させた場合、(c)上の2つを重ねて比較したもの、の順に示す。
図4(c)より、数質量%のアラニンを加えることによって、図1(c)で見られたようなCa2+不純物イオンによる酸素還元反応阻害作用が抑制できたことが分かる。
【0018】
実施例4
参考例1においてナフィオン膜被覆白金回転電極を作成する際に、5質量%ナフィオン溶液に予めポリマー質量に対し4質量%のグリシンを添加した以外は同様の操作によって、グリシン入りのナフィオン膜被覆白金回転電極を作成した。
酸素ガスで飽和された0.05M硫酸中で、グリシンなしのナフィオン膜被覆白金回転電極を用いて種々の回転速度で分極曲線を測定し、0.20 V vs. SCEにおける酸素還元反応電流の逆数を回転速度の1/2乗の逆数に対してプロットした(Koutecky−Levichプロット)。それから得られた直線の切片から、酸素還元反応の電荷移動過程電流を計算した(jk,r)。
試験溶液として、酸素ガスで飽和された0.05M硫酸と0.005M硫酸カルシウム混合溶液、即ち溶液中のH+イオンに対し10当量%のCa2+イオンを含む系において、グリシンなしのナフィオン膜被覆白金回転電極を用いて、上と同様に酸素還元反応の電荷移動過程電流を計算した(jk,c)。これから、Ca2+不純物イオンを含まない場合を基準とした、電荷移動過程電流の比(jk,r/jk,c)を計算し、0.05M硫酸と0.005M硫酸カルシウム混合溶液に試験電極を浸せきした時点からの時間に対してプロットした結果を図5(a)に示す。
これより、Ca2+不純物イオンの存在によって酸素還元の電荷移動過程電流、即ち白金触媒表面で進行する反応が著しく阻害されていることが分かる。
一方、酸素ガスで飽和された0.05M硫酸と0.005M硫酸カルシウム混合溶液中でグリシン入りのナフィオン膜被覆白金回転電極を用いて、酸素還元反応の電荷移動過程電流を同様に測定した(jk,c)。これから、Ca2+不純物イオンを含まない場合を基準とした、電荷移動過程電流の比(jk,r/jk,c)を計算し、上記混合溶液に試験電極を浸せきした時点からの時間に対してプロットした結果を図5(b)に示す。
図5の結果から、グリシンは白金触媒表面に直接作用することにより、不純物イオンによってもたらされる酸素還元反応阻害作用を抑制できたことが分かる。
【0019】
【発明の効果】
本発明で得られる低温型燃料電池は次のような優れた効果を奏する。
(1)従来は、不純物イオンによる燃料電池性能の劣化を防ぐため、空気取り入れ口にフィルターを設け不純物イオンの侵入を抑えたり、燃料電池に分解洗浄処理を施すなど、付加設備や労力が膨大であったが、本方法によれば予め少量の劣化防止剤を加えておくだけでこのような劣化を防ぐことができる。
(2)性能劣化防止剤として、無害かつ一般に入手できる化合物を適宜選択することができ、毒性などに対する懸念がないという点で大きなメリットがある。
(3)触媒層に劣化防止剤を含有させる方法としていくつかの可能性があり、燃料電池製造プロセスに組み込むことが容易に実現できる上、コストも低く抑えられる。
(4)燃料電池触媒特性の劣化を軽減できることから、白金などの高価な金属触媒の使用量を低減できるという意味で大きなメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で示された、Ca2+不純物イオンを含まない場合と含む場合とで比較した、ナフィオン膜被覆白金電極における酸素還元反応の分極曲線のグラフである。
【図2】実施例1で示された、フタル酸を添加した純粋H+ナフィオン膜被覆白金電極と、フタル酸を含むCa2+不純物イオン含有ナフィオン膜被覆白金電極とで比較した、酸素還元反応の分極曲線のグラフである。
【図3】実施例2で示された、グリシンを添加した純粋H+ナフィオン膜被覆白金電極と、グリシンを含むCa2+不純物イオン含有ナフィオン膜被覆白金電極とで比較した、酸素還元反応の分極曲線のグラフである。
【図4】実施例3で示された、アラニンを含まない純粋H+ナフィオン膜被覆白金電極と、アラニンを含むCa2+不純物イオン含有ナフィオン膜被覆白金電極とで比較した、酸素還元反応の分極曲線のグラフである。
【図5】実施例4で示された、グリシンを含まないCa2+不純物イオン含有ナフィオン膜被覆白金電極と、グリシンを含むCa2+不純物イオン含有ナフィオン膜被覆白金電極とで比較した、酸素還元反応の電荷移動過程電流における経時変化グラフである。
【図6】固体高分子型燃料電池の概略説明図である。
Claims (8)
- 低温型燃料電池において、1種または複数種の有機系弱酸またはその塩を高分子膜(炭化水素部を有する高分子膜及び炭化水素を含む高分子膜を除く)内に含むことを特徴とする低温型燃料電池の膜・電極接合体。
- 上記の有機系弱酸が、分子内にカルボン酸基、リン酸基、ホウ酸基、アルデヒド基及びアミノ基からなる群から選ばれる基の少なくとも1つを持つ化合物であることを特徴とする、請求項1記載の低温型燃料電池の膜・電極接合体。
- 有機系弱酸が、カルボン酸化合物又はアミノ酸化合物から選ばれることを特徴とする、請求項1又は2記載の低温型燃料電池の膜・電極接合体。
- 低温型燃料電池において、請求項1乃至3項のいずれか1項に記載の有機系弱酸またはその塩を含むことを特徴とする、固体高分子膜材料。
- 請求項1乃至3項のいずれか1項に記載の有機系弱酸またはその塩を含むことを特徴とする、低温型燃料電池の膜電極接合体を構成する際に用いられる、溶剤に溶かした高分子電解質溶液。
- 請求項1乃至3項のいずれか1項に記載の膜・電極接合体を備えた低温型燃料電池。
- 低温型燃料電池が、固体高分子型燃料電池又は直接型メタノール燃料電池であることを特徴とする請求項6記載の燃料電池。
- 低温型燃料電池が、請求項5の高分子電解質溶液を使用して作成したことを特徴とするリン酸型燃料電池、固体高分子型燃料電池又は直接型メタノール燃料電池。
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- 2002-03-22 JP JP2002080667A patent/JP3629541B2/ja not_active Expired - Lifetime
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