JP2007115637A - 燃料電池用貴金属触媒、燃料電池用電極触媒、燃料電池用電極触媒の製造方法、および、燃料電池用膜電極接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池の作動および停止を繰り返しても酸素還元反応に対する触媒活性の劣化を十分に抑制することができ、充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する燃料電池を実現し得る貴金属触媒を提供する。
【解決手段】酸性溶液中で得られるサイクリックボルタモグラムのうちの、卑から貴な電位方向に電位を掃引したときに得られる白金の表面における水素の脱着を示す電流−電位曲線において、白金の表面の(110)結晶面に吸着した水素に帰属されるピークの強度I(110)と、白金の表面の(100)結晶面に吸着した水素に帰属されるピークの強度I(100)との比率I(110)/I(100)が、1.0以上1.6以下である貴金属触媒を燃料電池に用いる。
【選択図】図1
【解決手段】酸性溶液中で得られるサイクリックボルタモグラムのうちの、卑から貴な電位方向に電位を掃引したときに得られる白金の表面における水素の脱着を示す電流−電位曲線において、白金の表面の(110)結晶面に吸着した水素に帰属されるピークの強度I(110)と、白金の表面の(100)結晶面に吸着した水素に帰属されるピークの強度I(100)との比率I(110)/I(100)が、1.0以上1.6以下である貴金属触媒を燃料電池に用いる。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池用貴金属触媒、燃料電池用電極触媒、燃料電池用電極触媒の製造方法、および、燃料電池用膜電極接合体に関する。
陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質を用いた従来の高分子電解質形燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと空気などの酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることで、電力と熱とを同時に発生させる。
図5は、従来の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。また、図6は、図5に示す単電池101に搭載される膜電極接合体(MEA)の基本構成の一例を示す概略断面図である。図6に示すように、膜電極接合体110においては、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜111の両面に、触媒(例えば白金系の金属触媒)を炭素粉末に担持させて得られる電極触媒と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質とを含む触媒層112が形成される。
図5は、従来の高分子電解質形燃料電池に搭載される単電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。また、図6は、図5に示す単電池101に搭載される膜電極接合体(MEA)の基本構成の一例を示す概略断面図である。図6に示すように、膜電極接合体110においては、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜111の両面に、触媒(例えば白金系の金属触媒)を炭素粉末に担持させて得られる電極触媒と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質とを含む触媒層112が形成される。
現在、高分子電解質膜111としては、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜(例えば、米国DuPont社製のNafion(商品名)など)が一般的に使用されている。そして、触媒層112の外面には、例えば撥水処理を施したカーボンペーパーを用いて、通気性および電子伝導性を併せ持つガス拡散層113が形成される。この触媒層112とガス拡散層113との組合せによりガス拡散電極(燃料極または酸化剤極)114が構成される。
従来の単電池101は、膜電極接合体110と、ガスケット115と、一対のセパレータ板116とで構成される。ガスケット115は、供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスの外部へのリーク防止や混合を防止するため、電極の周囲に高分子電解質膜を挟んで配置される。このガスケットは、電極および高分子電解質膜と一体化してあらかじめ組み立てられ、これらすべてを組み合わせたものを膜電極接合体と呼ぶこともある。
膜電極接合体110の外側には、膜電極接合体110を機械的に固定するための一対のセパレータ板116が配置される。セパレータ板116の膜電極接合体110と接触する部分には、電極に反応ガス(燃料ガスまたは酸化剤ガス)を供給し、電極反応生成物、未反応の反応ガスを含むガスを反応場から電極外部に運び去るためのガス流路117、および燃料電池の温度を制御するための冷却流体を流すための冷却水用流路118が形成される。ガス流路117および冷却水用流路118はセパレータ板116と別に設けることもできるが、図5に示すようにセパレータ板の表面に溝を設けてガス流路を形成する方式が一般的である。
このように、一対のセパレータ板116で膜電極接合体110を固定し、一方のセパレータ板116のガス流路117に燃料ガスを供給し、他方のセパレータ板116のガス流路117に酸化剤ガスを供給することで、数十から数百mA/cm2の実用電流密度通電時において、一つの単電池101で0.7〜0.8V程度の起電力を発生させることができる。しかし、通常、高分子電解質形燃料電池を電源として使うときは、数ボルトから数百ボルトの電圧が必要とされるため、実際には、単電池101を必要とする個数だけ直列に連結してスタックとして使用する。
ガス流路117に反応ガスを供給するためには、反応ガスを供給する配管を、上記スタックにおいて使用するセパレータ板116の枚数に対応する数に分岐し、それらの分岐先を直接セパレータ板116上のガス流路117につなぎ込む部材であるマニホールドが必要となる。特に反応ガスを供給する外部の配管から直接セパレータ板116につなぎ込むタイプのマニホールドを、外部マニホールドと呼ぶ。一方、より簡単な構造を有する内部マニホールドと呼ばれるものもある。内部マニホールドは、ガス流路117を形成したセパレータ板116に設けられた貫通孔で構成され、ガス流路117の出入り口をこの孔に連通させて、この貫通孔から直接反応ガスをガス流路117に供給することができる。
ガス拡散層113は、主につぎの3つの機能を持つ。第1の機能は、ガス拡散層113の外側に位置するセパレータ板116のガス流路117から、触媒層112中の電極触媒へ均一に反応ガスを供給するために、該反応ガスを拡散させる機能であり、第2の機能は、触媒層112で反応により生成した水を速やかにガス流路117に排出する機能である。また、第3の機能は、反応に必要な電子または生成された電子を伝導する機能である。即ち、ガス拡散層113には、高い反応ガス透過性、水分排出性および電子伝導性が必要とされる。
一般的に、ガス拡散層113には、ガス透過性を持たせるために、多孔性の炭素微粉末、造孔材、カーボンペーパーまたはカーボンクロスなどを用いて作製された、多孔質構造を有する導電性基材が用いられている。また、水分排出性を持たせるために、フッ素樹脂を代表とする撥水性高分子などをガス拡散層113の中に分散させることが行われ、更に、電子伝導性を持たせるために、カーボン繊維、金属繊維または炭素微粉末などの電子伝導性材料でガス拡散層113を構成することも行われている。
次に、触媒層112は、主に4つの機能を持つ。第1の機能は、ガス拡散層113から供給された反応ガスを、触媒層112の反応サイトに供給する機能であり、第2の機能は、電極触媒上での反応に必要な水素イオンまたは生成された水素イオンを伝導する機能である。また、第3の機能は、反応に必要な電子または生成された電子を伝導する機能であり、第4の機能は、高い触媒性能とその広い反応面積によって電極反応を速める機能である。即ち、触媒層112には、高い反応ガス透過性、水素イオン伝導性、電子伝導性および触媒性能が必要となる。
一般的に、触媒層112としては、ガス透過能を持たせるために、発達したストラクチャー構造を有する炭素微粉末または造孔材を用いて、多孔質構造およびガスチャンネルを有する触媒層112が形成されている。また、水素イオン透過能を持たせるために、高分子電解質を触媒層112中の電極触媒近傍に分散させて水素イオンネットワークを形成することが行われている。更に、電子伝導性を持たせるために、電極触媒の担体として炭素微粉末や炭素繊維などの電子伝導性材料を用い、電子チャンネルを形成することが行われている。また、触媒性能を向上させるために、粒径が数nmの非常に微細な粒子状の触媒を炭素微粉末上に担持させて得られる電極触媒を、触媒層112中に高分散させることが行われている。
ここで、以上のような構成を有する高分子電解質形燃料電池の耐久性劣化の要因のひとつとして、触媒活性の低下が挙げられる。燃料電池用触媒として用いられる白金は、当初は微粒子として分散しており高い表面積を有しているが、単電池101を含む燃料電池の発電中または起動停止中には、白金粒子が酸化溶解したり、溶解した白金が再析出したり、さらには白金粒子がマイグレーションして凝集したりする。そのため、白金粒子の粒径が徐々に大きくなってしまうことがあり、このことが触媒活性の低下の原因となっている。
特に白金触媒は高電位(+側に高電位)になるとその酸化溶解が加速されるため、これを抑制することを意図して、例えば燃料電池の運転停止時のカソードの電位を低く保持する方法などが提案されている(特許文献1)。また、白金触媒の酸素還元反応に対する触媒活性(触媒能)は当該白金の結晶面によって変化することが知られており、(110)面が最も高い触媒活性を有し、ついで(111)面および(100)面の順に触媒活性が低下することが報告されており(非特許文献1)、これを踏まえて、触媒活性を向上させることを意図して白金の結晶面の分布を制御することが提案されている(特許文献2および3)。さらに、白金上における水素原子の吸脱着が、どの結晶面に対してどのような電位で起こるかについて、単結晶の白金板を用いて検討した結果が報告されている(非特許文献2)
特開2004−172106号公報
特開2003−157857号公報
特開2002−42825号公報
J. Electroanal. Chem., 377, 249 (1994)
J. Phys. Chem., 99, 3411 (1995)
しかしながら、上記特許文献1記載の技術の場合、燃料電池の運転停止時のカソードの電位を低く保持するにも限界があり、また、カソードの電位を低くするだけでは白金からなる燃料電池用触媒の劣化を十分に抑制するには未だ改善の余地があった。
また、上記非特許文献1では、白金の(110)面、(111)面および(100)面の順に触媒活性が低下することが報告され、上記特許文献2および3においては、触媒活性を向上させることを意図して白金の結晶面の分布を制御することが提案されているものの、少なくとも白金を含む燃料電池用貴金属触媒について、酸素還元反応に対する十分な触媒活性を実現し得る最適な結晶面の状態は明確にされておらず、触媒の設計という観点から未だ改善の余地があった。
また、上記非特許文献1では、白金の(110)面、(111)面および(100)面の順に触媒活性が低下することが報告され、上記特許文献2および3においては、触媒活性を向上させることを意図して白金の結晶面の分布を制御することが提案されているものの、少なくとも白金を含む燃料電池用貴金属触媒について、酸素還元反応に対する十分な触媒活性を実現し得る最適な結晶面の状態は明確にされておらず、触媒の設計という観点から未だ改善の余地があった。
本発明は以上の問題を鑑みてなされたものであり、高分子電解質形燃料電池の作動および停止を繰り返しても酸素還元反応に対する触媒活性の劣化を十分に抑制することができ、充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を実現し得る燃料電池用貴金属触媒および電極触媒を提供することを目的とする。また、本発明は、上述した本発明の燃料電池用貴金属触媒および電極触媒を用い、充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を実現し得る膜電極接合体を提供することを目的とする。さらに、本発明は、上述した膜電極接合体を用い、充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、従来から燃料電池用貴金属触媒として用いられている白金について、従来のように表面積の低下を抑制するだけでなく、酸素還元に対する触媒活性の高い結晶面と、他の結晶面の割合とのバランスを最適化することが、上述の目的を達成する上で極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、上記課題を解決すべく、本発明は、少なくとも白金を含む燃料電池用貴金属触媒であって、酸性溶液中で得られるサイクリックボルタモグラムのうちの、卑から貴な電位方向に電位を掃引したときに得られる白金の表面における水素の脱着を示す電流−電位曲線において、白金の表面の(110)結晶面に吸着した水素に帰属される電流ピークの強度I(110)と、白金の表面の(100)結晶面に吸着した水素に帰属される電流ピークの強度I(100)との比率I(110)/I(100)が、1.0以上1.6以下であること、を特徴とする燃料電池用貴金属触媒を提供する。
上述の本発明の燃料電池用貴金属触媒は、酸性溶液中で得られるサイクリックボルタモグラムのうちの、卑から貴な電位方向に電位を掃引したときに得られる白金の表面における水素の脱着を示す電流−電位曲線において、白金の表面の(110)結晶面に吸着した水素に帰属されるピークの強度I(110)と、白金の表面の(100)結晶面に吸着した水素に帰属されるピークの強度I(100)との比率I(110)/I(100)が、1.0以上1.6以下であるため、高分子電解質形燃料電池の作動および停止を繰り返しても酸素還元反応に対する触媒活性の劣化を十分に抑制することができ、充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を実現し得る膜電極接合体を提供することができる。さらに、この膜電極接合体を用いることにより、充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を提供することができる。
ここで、本発明における「酸性溶液」とは25℃の1M(1mol/L)硫酸水溶液からなる電解液をいう。また、本発明における「電流−電位曲線」とは、酸性溶液中で得られるサイクリックボルタモグラムのうちの、卑から貴な電位方向に電位を掃引したときに得られる白金の表面における水素の脱着を示す電流−電位曲線であり、具体的には、例えば、貴金属触媒を塗布し乾燥したグラッシーカーボン等からなる電極(作用極)と、白金板からなる対極と、飽和カロメル電極からなる参照極と、上記電解液と、を含む3極系の電気化学セルを用い、卑から貴な電位方向における例えば10mV/秒での電位掃引試験を行うことによって得ることができる「サイクリックボルタモグラム(CV)」をいう。
上記掃引の電位範囲は、測定のばらつきを抑えるために水素ガスおよび酸素ガスなどの発生が起こらない範囲であり、例えば標準水素電極(SHE)に対して概ね50〜1000mVの範囲である。また、本発明における「サイクリックボルタモグラム」は、貴金属触媒の表面に付着した不純物等の影響を取り除くため、電位掃引を4回行って貴金属触媒の表面を清浄化した後の5回目の電位掃引によって得られた「サイクリックボルタモグラム」を用いる。
したがって、上記のようにして得られた「サイクリックボルタモグラム」のうちの、卑から貴な電位方向に電位を掃引したときに得られる白金の表面における水素の脱着を示す電流−電位曲線から、貴金属触媒の上記比率I(110)/I(100)を求めることができる。
上記掃引の電位範囲は、測定のばらつきを抑えるために水素ガスおよび酸素ガスなどの発生が起こらない範囲であり、例えば標準水素電極(SHE)に対して概ね50〜1000mVの範囲である。また、本発明における「サイクリックボルタモグラム」は、貴金属触媒の表面に付着した不純物等の影響を取り除くため、電位掃引を4回行って貴金属触媒の表面を清浄化した後の5回目の電位掃引によって得られた「サイクリックボルタモグラム」を用いる。
したがって、上記のようにして得られた「サイクリックボルタモグラム」のうちの、卑から貴な電位方向に電位を掃引したときに得られる白金の表面における水素の脱着を示す電流−電位曲線から、貴金属触媒の上記比率I(110)/I(100)を求めることができる。
また、触媒層や膜電極接合体に含まれている貴金属触媒が上記比率I(110)/I(100)の範囲を満たすか否かを確認するためには、触媒層や膜電極接合体から貴金属触媒をこすり取って、グラッシーカーボン等からなる電極上に担持し、上記と同様の操作を行うことができる。
ここで、本発明において、白金の表面の(110)結晶面に吸着した水素に帰属されるピークの強度I(110)と、白金の表面の(100)結晶面に吸着した水素に帰属されるピークの強度I(100)との比率I(110)/I(100)が、1.0以上1.6以下であるのが好ましい理由は、まだ明確ではないが、本発明者らは以下のように考えている。
即ち、本発明者らは、上記比率が1.0以上であれば白金の表面において触媒活性の高い(110)結晶面の割合を十分に確保することができるができ、1.6以下であれば白金の粒子の粒径増大による表面積の減少を抑制することができるとともに、先に述べたように白金の表面の(100)結晶面は触媒活性が比較的低いため、(100)結晶面の割合もある程度確保しておくことにより白金の溶解析出を抑制することができると考えている。
即ち、本発明者らは、上記比率が1.0以上であれば白金の表面において触媒活性の高い(110)結晶面の割合を十分に確保することができるができ、1.6以下であれば白金の粒子の粒径増大による表面積の減少を抑制することができるとともに、先に述べたように白金の表面の(100)結晶面は触媒活性が比較的低いため、(100)結晶面の割合もある程度確保しておくことにより白金の溶解析出を抑制することができると考えている。
また、本発明は、先に述べた燃料電池用貴金属触媒と、燃料電池用貴金属触媒を担持する担体粒子と、を含むこと、を特徴とする燃料電池用電極触媒を提供する。
上述の本発明の燃料電池用電極触媒は、先に述べた燃料電池用貴金属触媒を用いているため、充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を実現し得る膜電極接合体を提供することができる。さらに、この膜電極接合体を用いることにより、充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を提供することができる。
上述の本発明の燃料電池用電極触媒は、先に述べた燃料電池用貴金属触媒を用いているため、充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を実現し得る膜電極接合体を提供することができる。さらに、この膜電極接合体を用いることにより、充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を提供することができる。
さらに、本発明は、白金塩とカルボン酸塩とを含む溶液に水素を導入して白金コロイド溶液を生成するコロイド生成工程と、白金コロイド溶液に担体粒子を加えて担体粒子の表面に白金粒子を付着させる白金付着工程と、を有しており、コロイド生成工程において、カルボン酸塩の白金に対する質量比を2以下とすること、を特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法を提供する。
この製造方法によれば、コロイド生成工程においてカルボン酸塩の白金に対する質量比を2以下にするという簡便な操作によって、上記比率I(110)/I(100)が1.0以上1.6以下の範囲にある先に述べた貴金属触媒を含む電極触媒を容易かつ確実に製造することができる。
この製造方法によれば、コロイド生成工程においてカルボン酸塩の白金に対する質量比を2以下にするという簡便な操作によって、上記比率I(110)/I(100)が1.0以上1.6以下の範囲にある先に述べた貴金属触媒を含む電極触媒を容易かつ確実に製造することができる。
また、本発明は、白金塩とカルボン酸塩とを含む溶液に水素を導入して白金コロイド溶液を生成するコロイド生成工程と、白金コロイド溶液に担体粒子を加えて担体粒子の表面に白金粒子を付着させる白金付着工程と、有しており、白金付着工程において用いる担体粒子が炭素粉末であって、そのラマンスペクトルのGバンドの半値幅が50以下であること、を特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法をも提供する。
この製造方法によれば、白金付着工程において用いる炭素担体粒子のラマンスペクトルのGバンドの半値幅が50以下にするという簡便な操作によって、上記比率I(110)/I(100)が1.0以上1.6以下の範囲にある先に述べた貴金属触媒を含む電極触媒を容易かつ確実に製造することができる。
この製造方法によれば、白金付着工程において用いる炭素担体粒子のラマンスペクトルのGバンドの半値幅が50以下にするという簡便な操作によって、上記比率I(110)/I(100)が1.0以上1.6以下の範囲にある先に述べた貴金属触媒を含む電極触媒を容易かつ確実に製造することができる。
さらに、本発明は、アノードと、カソードと、水素イオン伝導性を有しておりアノードとカソードとの間に配置される高分子電解質膜と、を具備しており、アノードおよびカソードのうちの少なくとも一方に、先に述べた本発明の燃料電池用電極触媒、および水素イオン伝導性を有する高分子電解質を含む触媒層が配置されていること、を特徴とする燃料電池用膜電極接合体を提供する。
上述の本発明の膜電極接合体は、先に述べた燃料電池用電極触媒をアノードおよびカソードのうちの少なくとも一方の触媒層に用いている(好ましくはアノードおよびカソードの両方の触媒層に用いている)ため、充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を実現することができる。
上述の本発明の膜電極接合体は、先に述べた燃料電池用電極触媒をアノードおよびカソードのうちの少なくとも一方の触媒層に用いている(好ましくはアノードおよびカソードの両方の触媒層に用いている)ため、充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を実現することができる。
本発明によれば、高分子電解質形燃料電池の作動および停止を繰り返しても酸素還元反応に対する触媒活性の劣化を十分に抑制することができ、充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を実現し得る燃料電池用貴金属触媒および電極触媒を提供することができる。また、本発明によれば、上述した本発明の燃料電池用貴金属触媒および電極触媒を用い、充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を実現し得る膜電極接合体を提供することができる。さらに、本発明によれば、上述した膜電極接合体を用い、充分な電池性能を発揮する、優れた耐久性を有する高分子電解質形燃料電池を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
図1は、本発明の燃料電池用貴金属触媒を用いる高分子電解質形燃料電池の好適な一実施形態に搭載される単電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。また、図2は、図1に示す単電池1に搭載される膜電極接合体の基本構成の一例を示す概略断面図である。
本実施形態の高分子電解質形燃料電池(図示せず)は、図1に示す単電池1を複数積層した構成を有している。
図1は、本発明の燃料電池用貴金属触媒を用いる高分子電解質形燃料電池の好適な一実施形態に搭載される単電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。また、図2は、図1に示す単電池1に搭載される膜電極接合体の基本構成の一例を示す概略断面図である。
本実施形態の高分子電解質形燃料電池(図示せず)は、図1に示す単電池1を複数積層した構成を有している。
図1に示すように、単電池1は、主として、後述する膜電極接合体10と、ガスケット15と、一対のセパレータ板16とから構成されている。ガスケット15は、膜電極接合体10に供給される燃料ガスの外部へのリーク防止、酸化剤ガスの外部へのリーク防止、並びに、燃料ガスおよび酸化剤ガス混合を防止するため、高分子電解質膜11の外延部分を挟持した状態で電極の周囲に配置される。
図2に示すように、膜電極接合体10は、主として、少なくとも白金を含む貴金属触媒を担体粒子(例えばグラファイト等の炭素粉末)に担持させて得られる電極触媒と陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質とを含む触媒層12が、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜11の両面に形成された構成を有している。
本発明においては、当該貴金属触媒に特徴を有するものであり、その具体的内容については後述する。
図2に示すように、膜電極接合体10は、主として、少なくとも白金を含む貴金属触媒を担体粒子(例えばグラファイト等の炭素粉末)に担持させて得られる電極触媒と陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質とを含む触媒層12が、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜11の両面に形成された構成を有している。
本発明においては、当該貴金属触媒に特徴を有するものであり、その具体的内容については後述する。
高分子電解質膜11としては、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜(例えば、米国DuPont社製のNafion(商品名)など)を使用することができる。そして、触媒層12の外面には、例えば撥水処理を施したカーボンペーパーを用いて、通気性および電子伝導性を併せ持つガス拡散層13が形成される。この触媒層12とガス拡散層13との組合せによりガス拡散電極(燃料極または酸化剤極)14が構成される。
膜電極接合体10の外側には、膜電極接合体10を機械的に固定するための一対のセパレータ板16が配置される。セパレータ板16の膜電極接合体10と接触する部分には、電極に燃料ガスまたは酸化剤ガス(反応ガス)を供給し、電極反応生成物や未反応の反応物を含むガスを単電池1の外部に運び去るためのガス流路17、および燃料電池の温度を制御するための冷却流体を流すための冷却水用流路18が形成される。
膜電極接合体10の外側には、膜電極接合体10を機械的に固定するための一対のセパレータ板16が配置される。セパレータ板16の膜電極接合体10と接触する部分には、電極に燃料ガスまたは酸化剤ガス(反応ガス)を供給し、電極反応生成物や未反応の反応物を含むガスを単電池1の外部に運び去るためのガス流路17、および燃料電池の温度を制御するための冷却流体を流すための冷却水用流路18が形成される。
このように、一対のセパレータ板16で膜電極接合体10を固定し、一方のセパレータ板16のガス流路17に燃料ガスを供給し、他方のセパレータ板16のガス流路17に酸化剤ガスを供給すれば、一つの単電池1でもある程度の起電力を発生させることができる。しかし、通常、高分子電解質形燃料電池を電源として使うときは、数ボルトから数百ボルトの電圧が必要とされるため、実際には、本実施形態のように単電池1を必要とする個数だけ直列に連結したスタックの構成が採用される。
ガス流路17に反応ガスを供給するためには、反応ガスを供給する配管を、使用するセパレータ板の枚数に対応する数に分岐し、それらの分岐先を直接セパレータ板上のガス流路につなぎ込む治具であるマニホールドが必要となる。特に反応ガスを供給する外部の配管から直接セパレータ板につなぎ込むタイプのマニホールドを、外部マニホールドと呼ぶ。一方、より簡単な構造を有する内部マニホールドと呼ばれるものもある。内部マニホールドは、ガス流路を形成したセパレータ板に設けられた貫通孔で構成され、ガス流路の出入り口をこの孔に連通させて、この貫通孔から直接反応ガスをガス流路に供給することができる。本発明においてはいずれのマニホールドを採用してもよい。
ガス流路17に反応ガスを供給するためには、反応ガスを供給する配管を、使用するセパレータ板の枚数に対応する数に分岐し、それらの分岐先を直接セパレータ板上のガス流路につなぎ込む治具であるマニホールドが必要となる。特に反応ガスを供給する外部の配管から直接セパレータ板につなぎ込むタイプのマニホールドを、外部マニホールドと呼ぶ。一方、より簡単な構造を有する内部マニホールドと呼ばれるものもある。内部マニホールドは、ガス流路を形成したセパレータ板に設けられた貫通孔で構成され、ガス流路の出入り口をこの孔に連通させて、この貫通孔から直接反応ガスをガス流路に供給することができる。本発明においてはいずれのマニホールドを採用してもよい。
セパレータ板16の材質としては、金属製、カーボン製、黒鉛と樹脂を混合した材料などがあり、幅広く使用することができる。
また、ガス拡散層を構成する材料としては、特に限定されることなく、当該分野で公知のものを使用することができる。例えばカーボンクロスやカーボンペーパーを用いることができる。
また、ガス拡散層を構成する材料としては、特に限定されることなく、当該分野で公知のものを使用することができる。例えばカーボンクロスやカーボンペーパーを用いることができる。
次に、上述の触媒層12は、少なくとも白金を含む貴金属触媒を担持した担体粒子からなる電極触媒と、陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質とによって形成される。この触媒層12の形成には、貴金属触媒を担持した担体粒子からなる電極触媒と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質と、分散媒と、を少なくとも含む触媒層形成用インクを用いる。
高分子電解質としては、陽イオン交換基として、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、およびスルホンイミド基を有するものなどが好ましく挙げられる。水素イオン伝導性の観点から、スルホン酸基を有するものが特に好ましい。
スルホン酸基を有する高分子電解質としては、イオン交換容量が0.5〜1.5meq/g乾燥樹脂であるものことが好ましい。高分子電解質のイオン交換容量が0.5meq/g乾燥樹脂未満であると、得られた触媒層の抵抗値が発電時に上昇するおそれがあるので好ましくなく、イオン交換容量が1.5meq/g乾燥樹脂超であると、得られた触媒層の含水率が増大し、膨潤しやすくなり、細孔が閉塞するおそれがあるので好ましくない。イオン交換容量は0.8〜1.2meq/g乾燥樹脂が特に好ましい。
高分子電解質としては、陽イオン交換基として、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、およびスルホンイミド基を有するものなどが好ましく挙げられる。水素イオン伝導性の観点から、スルホン酸基を有するものが特に好ましい。
スルホン酸基を有する高分子電解質としては、イオン交換容量が0.5〜1.5meq/g乾燥樹脂であるものことが好ましい。高分子電解質のイオン交換容量が0.5meq/g乾燥樹脂未満であると、得られた触媒層の抵抗値が発電時に上昇するおそれがあるので好ましくなく、イオン交換容量が1.5meq/g乾燥樹脂超であると、得られた触媒層の含水率が増大し、膨潤しやすくなり、細孔が閉塞するおそれがあるので好ましくない。イオン交換容量は0.8〜1.2meq/g乾燥樹脂が特に好ましい。
高分子電解質としては、CF2=CF−(OCF2CFX)m−Op−(CF2)n−SO3Hで表されるパーフルオロビニル化合物(mは0〜3の整数を示し、nは1〜12の整数を示し、pは0または1を示し、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を示す。)に基づく重合単位と、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位とを含む共重合体であることが好ましい。
上記フルオロビニル化合物の好ましい例としては、下記式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。ただし、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、tは1〜3の整数を示す。
CF2=CFO(CF2)q−SO3H ・・・(1)
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)r−SO3H ・・・(2)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))tO(CF2)2−SO3H ・・・(3)
なお、高分子電解質としては、具体的には、DuPont社製の「ナフィオン」(商品名)や旭硝子(株)社製の「フレミオン」(商品名)などが挙げられる。また、高分子電解質膜の構成材料として、上述した高分子電解質を用いてもよい。
上記フルオロビニル化合物の好ましい例としては、下記式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。ただし、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、tは1〜3の整数を示す。
CF2=CFO(CF2)q−SO3H ・・・(1)
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)r−SO3H ・・・(2)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))tO(CF2)2−SO3H ・・・(3)
なお、高分子電解質としては、具体的には、DuPont社製の「ナフィオン」(商品名)や旭硝子(株)社製の「フレミオン」(商品名)などが挙げられる。また、高分子電解質膜の構成材料として、上述した高分子電解質を用いてもよい。
ここで、本発明において使用される貴金属触媒は、少なくとも、酸性溶液中で得られるサイクリックボルタモグラムのうちの、卑から貴な電位方向に電位を掃引したときに得られる前記白金の表面における水素の脱着を示す電流−電位曲線において、前記白金の表面の(110)結晶面に吸着した水素に帰属されるピークの強度I(110)と、前記白金の表面の(100)結晶面に吸着した水素に帰属されるピークの強度I(100)との比率I(110)/I(100)が、1.0以上1.6以下である白金を含む。
このような白金は、当該白金を含む燃料電池用貴金属触媒と、前記燃料電池用貴金属触媒を担持する担体粒子と、を含む燃料電池用電極触媒を製造する工程において作製することができる。
このような白金は、当該白金を含む燃料電池用貴金属触媒と、前記燃料電池用貴金属触媒を担持する担体粒子と、を含む燃料電池用電極触媒を製造する工程において作製することができる。
即ち、白金塩とカルボン酸塩とを含む溶液に水素を導入して白金コロイド溶液を生成するコロイド生成工程と、白金コロイド溶液に担体粒子を加えて担体粒子の表面に白金粒子を付着させる白金付着工程と、を有する燃料電池用電極触媒の製造方法において、上記コロイド生成工程における上記カルボン酸塩の上記白金に対する質量比を2以下とすることで燃料電池用電極触媒を製造すれば、上記比率I(110)/I(100)が1.0以上1.6以下である白金を含む電極触媒を得ることができる。
これは、コロイドの成長過程におけるカルボン酸塩の影響が変化するため、白金粒子の形状が変化し、結晶面の出現割合が変化するという理由によるものである。
これは、コロイドの成長過程におけるカルボン酸塩の影響が変化するため、白金粒子の形状が変化し、結晶面の出現割合が変化するという理由によるものである。
また、上記の燃料電池用電極触媒の製造方法において、上記白金付着工程において、上記担体炭素粒子としてラマンスペクトルのGバンドの半値幅が50以下である炭素粒子を用いることによっても、上記比率I(110)/I(100)が1.0以上1.6以下である白金を含む電極触媒を得ることができる。
ラマンスペクトルのGバンドのピークは結晶性の炭素が存在することを示すピークであり、このピークの半値幅が小さいほど黒鉛化が進んだ担体炭素粒子であるということになる。このような担体炭素粒子の結晶性の変化がその上に担持される白金の結晶構造に影響を与えることにより、白金の結晶面の出現割合が変化し、ラマンスペクトルのGバンドの半値幅が50以下である場合には、上記比率I(110)/I(100)が1.0以上1.6以下である白金を含む電極触媒を得ることができる。
また、上記の燃料電池用電極触媒の製造方法において、上記コロイド生成工程におけるカルボン酸塩の白金に対する質量比を2以下とし、かつ、上記白金付着工程において上記担体炭素粒子としてラマンスペクトルのGバンドの半値幅が50以下である炭素粒子を用いれば、上記比率I(110)/I(100)が1.0以上1.6以下である白金を含む電極触媒をより確実に得ることができる。
ラマンスペクトルのGバンドのピークは結晶性の炭素が存在することを示すピークであり、このピークの半値幅が小さいほど黒鉛化が進んだ担体炭素粒子であるということになる。このような担体炭素粒子の結晶性の変化がその上に担持される白金の結晶構造に影響を与えることにより、白金の結晶面の出現割合が変化し、ラマンスペクトルのGバンドの半値幅が50以下である場合には、上記比率I(110)/I(100)が1.0以上1.6以下である白金を含む電極触媒を得ることができる。
また、上記の燃料電池用電極触媒の製造方法において、上記コロイド生成工程におけるカルボン酸塩の白金に対する質量比を2以下とし、かつ、上記白金付着工程において上記担体炭素粒子としてラマンスペクトルのGバンドの半値幅が50以下である炭素粒子を用いれば、上記比率I(110)/I(100)が1.0以上1.6以下である白金を含む電極触媒をより確実に得ることができる。
本発明における貴金属触媒は、上記比率I(110)/I(100)が1.0以上1.6以下である条件を満足する限り、白金の他に、他の元素を含んでいてもよい。このような他の元素は白金と合金化して用いられる。当該金属元素としては、特に限定されず種々の金属を使用することができる。例えば、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、クロム、鉄、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、亜鉛およびスズよりなる群から選択される1種以上のものが挙げられる。なかでも、白金とルテニウムの合金がアノードにおいては触媒の活性が安定することから特に好ましい。
また、貴金属触媒の粒子は平均粒径1〜5nmであることがより好ましい。平均粒径1nm以上の貴金属触媒は工業的に調製が困難でなく好ましく、また、5nm以下あると、貴金属触媒質量あたりの活性が低くならず、燃料電池のコストアップを抑えることができ好ましい。
担体粒子は(比)表面積が50〜1500m2/gであることが好ましい。比表面積50m2/g以上であると、貴金属触媒の担持率を上げることが難しくなく、得られる触媒層12の出力特性が低下するおそれがないことから好ましく、比表面積が1500m2/g以下であると、細孔が微細すぎないために高分子電解質による被覆が難しくなくなり、得られる触媒層12の出力特性が低下するおそれがないことから好ましい。比表面積は200〜900m2/gが特に好ましい。
更に、担体粒子は平均粒径0.1〜1.0μmであることが好ましい。0.1μm以上であると、得られる触媒層12が緻密な構造となり過ぎずガス拡散性が低くならず、フラッディングを生じにくいため好ましく、1.0μm以下であると、高分子電解質によって貴金属触媒を被覆し易くなり被覆面積が増大して触媒層12の性能が低下しないため好ましい。
ここで、担体粒子としては、高い比表面積と導電性を有するという理由から、炭素粉末を用いるのが好ましい。電極反応で使われる電子を伝導するため、また、触媒である白金微粒子の分散を良好にするためである。
ここで、担体粒子としては、高い比表面積と導電性を有するという理由から、炭素粉末を用いるのが好ましい。電極反応で使われる電子を伝導するため、また、触媒である白金微粒子の分散を良好にするためである。
さらには、実施例で述べるように、炭素粉末としてより結晶性の高いグラファイト、特に先に述べたラマンスペクトルのGバンドの半値幅が50以下の炭素粉末を用いるのが好ましい。
本発明において、触媒層形成用インクを調製するために用いる分散媒としては、高分子電解質を溶解または分散可能(高分子電解質が一部溶解した分散状態も含む)であるアルコールを含む液体を用いることが好ましい。
分散媒は、水、メタノール、プロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコールおよびtert―ブチルアルコールのうちの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。これらの水およびアルコールは単独でも使用してもよく、2種以上混合してもよい。アルコールは、分子内にOH基を1つ有する直鎖のものが特に好ましく、エタノールが特に好ましい。このアルコールには、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル結合を有するものも含まれる。
本発明において、触媒層形成用インクを調製するために用いる分散媒としては、高分子電解質を溶解または分散可能(高分子電解質が一部溶解した分散状態も含む)であるアルコールを含む液体を用いることが好ましい。
分散媒は、水、メタノール、プロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコールおよびtert―ブチルアルコールのうちの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。これらの水およびアルコールは単独でも使用してもよく、2種以上混合してもよい。アルコールは、分子内にOH基を1つ有する直鎖のものが特に好ましく、エタノールが特に好ましい。このアルコールには、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル結合を有するものも含まれる。
また、触媒層形成用インクは、固形分濃度0.1〜20質量%であることが好ましい。固形分濃度が0.1質量%以上であると、触媒層形成用インクの噴霧または塗布により触媒層を作製するにあたり、何回も繰り返し噴霧または塗布しなくても所定の厚さの触媒層12を得ることができ生産効率が良くなる。また、固形分濃度が20質量%以下であると、混合液の粘度が高くなり過ぎず、得られる触媒層12が不均一となるおそれがない。固形分濃度で1〜10質量%であることが特に好ましい。
また、本発明では、固形分換算で、貴金属触媒と高分子電解質との質量比が、50:50〜85:15となるように触媒層形成用インクを調製することが好ましい。これにより、高分子電解質が効率よく貴金属触媒を被覆することができ、膜電極接合体10を作製した場合に、三相界面を増大させることができるからである。
また、この質量比において50:50以上であると、担体粒子である炭素粉末の細孔が高分子電解質でつぶれにくく、反応場が少なくなり過ぎず高分子電解質形燃料電池としての性能が低下するおそれがない。更に、この質量比において85:15以下であると、高分子電解質による電極触媒の被覆が不充分になるおそれがなく、高分子電解質形燃料電池としての性能が低下するおそれもない。貴金属触媒と高分子電解質との質量比は、60:40〜80:20となるように調製することが特に好ましい。
また、この質量比において50:50以上であると、担体粒子である炭素粉末の細孔が高分子電解質でつぶれにくく、反応場が少なくなり過ぎず高分子電解質形燃料電池としての性能が低下するおそれがない。更に、この質量比において85:15以下であると、高分子電解質による電極触媒の被覆が不充分になるおそれがなく、高分子電解質形燃料電池としての性能が低下するおそれもない。貴金属触媒と高分子電解質との質量比は、60:40〜80:20となるように調製することが特に好ましい。
本発明において、触媒層形成用インクは、従来公知の方法に基づいて調製することができる。具体的には、ホモジナイザ、ホモミキサ等の撹拌機を使用したり、高速回転ジェット流方式を使用するなどの高速回転を使用する方法、高圧乳化装置などの高圧をかけて狭い部分から分散液を押出すことで分散液にせん断力を付与する方法などが挙げられる。
本発明の触媒層形成用インクを用いて触媒層を形成する際には、支持体シート上に触媒層を形成する。具体的には、触媒層形成用インクを支持体シート上に噴霧または塗布により塗工し、支持体シート上の触媒層形成用インクからなる液膜を乾燥させることにより触媒層を形成すればよい。
本発明の触媒層形成用インクを用いて触媒層を形成する際には、支持体シート上に触媒層を形成する。具体的には、触媒層形成用インクを支持体シート上に噴霧または塗布により塗工し、支持体シート上の触媒層形成用インクからなる液膜を乾燥させることにより触媒層を形成すればよい。
ここで、本発明において、ガス拡散電極14は、(I)触媒層12のみからなるものであってもよく、(II)ガス拡散層13上に触媒層12を形成したもの、つまりガス拡散層13と触媒層12との組合せであってもよい。
(I)の場合、支持体シートから剥離して得られる触媒層12のみを製品(ガス拡散電極14)として製造してもよく、支持体シート上に触媒層12を剥離可能に形成したものを製品として製造してもよい。この支持体シートとしては、後述するように、触媒層形成用の混合液に対する溶解性を有しない合成樹脂製のシート、合成樹脂からなる層、金属からなる層を積層した構造を有するラミネートフィルム、金属性シート、セラミックスからなるシート、無機有機複合材料からなるシート、および高分子電解質膜などが挙げられる。
(I)の場合、支持体シートから剥離して得られる触媒層12のみを製品(ガス拡散電極14)として製造してもよく、支持体シート上に触媒層12を剥離可能に形成したものを製品として製造してもよい。この支持体シートとしては、後述するように、触媒層形成用の混合液に対する溶解性を有しない合成樹脂製のシート、合成樹脂からなる層、金属からなる層を積層した構造を有するラミネートフィルム、金属性シート、セラミックスからなるシート、無機有機複合材料からなるシート、および高分子電解質膜などが挙げられる。
また、(II)の場合には、ガス拡散層13と触媒層12との間に撥水層などの他の層が1以上配置されたものであってもよい。更に、触媒層12のガス拡散層13と反対側の面に上記支持体シートを剥離可能に接合したものを製品として製造してもよい。
支持体シートとしては、(i)高分子電解質膜、(ii)ガス拡散性および電子伝導性を有する多孔体からなるガス拡散層、または(iii)混合液に溶解しない特性を有する合成樹脂製のシート、合成樹脂からなる層、金属からなる層を積層した構造を有するラミネートフィルム、金属製シート、セラミックスからなるシート、および無機有機複合材料からなるシートのうちのうちのいずれか一つが挙げられる。
上記合成樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、およびポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
支持体シートとしては、(i)高分子電解質膜、(ii)ガス拡散性および電子伝導性を有する多孔体からなるガス拡散層、または(iii)混合液に溶解しない特性を有する合成樹脂製のシート、合成樹脂からなる層、金属からなる層を積層した構造を有するラミネートフィルム、金属製シート、セラミックスからなるシート、および無機有機複合材料からなるシートのうちのうちのいずれか一つが挙げられる。
上記合成樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、およびポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
触媒層12を形成する際の混合液の塗工方法としては、アプリケータ、バーコータ、ダイコータ、スプレーなどを使用する方法や、スクリーン印刷法、グラビア印刷法などを適用することができる。
膜電極接合体10の2つの触媒層12は、それぞれ独立に厚さが3〜50μmであることが好ましい。厚さ3μm以上であると、均一な触媒層の形成が困難とならず、触媒量が不足して耐久性が低下することがなく好ましく、厚さが30μm以下であると、触媒層12において供給されるガスが拡散しにくくならず、反応が進みにくくならないため好ましい。本発明の効果をより確実に得る観点から、膜電極接合体10の2つの触媒層12は、それぞれ独立に厚さが5〜30μmであることが特に好ましい。
膜電極接合体10の2つの触媒層12は、それぞれ独立に厚さが3〜50μmであることが好ましい。厚さ3μm以上であると、均一な触媒層の形成が困難とならず、触媒量が不足して耐久性が低下することがなく好ましく、厚さが30μm以下であると、触媒層12において供給されるガスが拡散しにくくならず、反応が進みにくくならないため好ましい。本発明の効果をより確実に得る観点から、膜電極接合体10の2つの触媒層12は、それぞれ独立に厚さが5〜30μmであることが特に好ましい。
上述のようにして得られた触媒層12から、ガス拡散電極14、膜電極接合体10および高分子電解質形燃料電池を製造する。
その際、支持体シートとして上記(i)の高分子電解質膜11を用いた場合には、その両面に触媒層12を形成し、その後に、全体をカーボンペーパー、カーボンクロスまたはカーボンフェルトなどのガス拡散層13で挟持し、ホットプレスなどで公知の技術により接合すればよい。
また、支持体シートとして上記(ii)のガス拡散層13を用いた場合には、触媒層付きガス拡散層2枚で、触媒層12が高分子電解質膜11に面するように当該高分子電解質膜11を挟持し、ホットプレスなどで公知の技術により接合すればよい。
更に、上記(iii)の支持体シート上に触媒層12を形成した場合には、触媒層付き支持体シートを高分子電解質膜11およびガス拡散層13のうちの少なくとも1つに接触させ、支持体シートを剥離することによって触媒層12を転写し、公知の技術により接合すればよい。
その際、支持体シートとして上記(i)の高分子電解質膜11を用いた場合には、その両面に触媒層12を形成し、その後に、全体をカーボンペーパー、カーボンクロスまたはカーボンフェルトなどのガス拡散層13で挟持し、ホットプレスなどで公知の技術により接合すればよい。
また、支持体シートとして上記(ii)のガス拡散層13を用いた場合には、触媒層付きガス拡散層2枚で、触媒層12が高分子電解質膜11に面するように当該高分子電解質膜11を挟持し、ホットプレスなどで公知の技術により接合すればよい。
更に、上記(iii)の支持体シート上に触媒層12を形成した場合には、触媒層付き支持体シートを高分子電解質膜11およびガス拡散層13のうちの少なくとも1つに接触させ、支持体シートを剥離することによって触媒層12を転写し、公知の技術により接合すればよい。
以上、本発明の一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、カソードおよびアノードの両方に本発明の電極触媒を用いてもよいが、いずれか一方に本発明の電極触媒を用いてもよい。カソード側の方が、より高い電位に保持されるため、白金の劣化が進みやすく、さらに酸素還元反応の抵抗が大きいためより顕著に電圧の低下が表れる。したがって、本発明の電極触媒はカソード側に用いると、より効果が大きい。また、先に述べた、本発明の高分子電解質形燃料電池の好適な一実施形態においては、単電池1を複数積層したスタックの構成を有する態様について説明したが、本発明の高分子電解質形燃料電池はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の高分子電解質形燃料電池は、1つの単電池1からなる構成であってもよい。
例えば、カソードおよびアノードの両方に本発明の電極触媒を用いてもよいが、いずれか一方に本発明の電極触媒を用いてもよい。カソード側の方が、より高い電位に保持されるため、白金の劣化が進みやすく、さらに酸素還元反応の抵抗が大きいためより顕著に電圧の低下が表れる。したがって、本発明の電極触媒はカソード側に用いると、より効果が大きい。また、先に述べた、本発明の高分子電解質形燃料電池の好適な一実施形態においては、単電池1を複数積層したスタックの構成を有する態様について説明したが、本発明の高分子電解質形燃料電池はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の高分子電解質形燃料電池は、1つの単電池1からなる構成であってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
《比較例1》
ここでは、まず、本発明の白金を含む貴金属触媒を担体粒子に担持させ、本発明の電極触媒を作製した。
まず、1×10-4Mの塩化白金酸(II)溶液に0.1Mポリアクリル酸ナトリウム溶液を加えた。カルボン酸塩の白金に対する質量比を3とした。得られた混合溶液に、アルゴン(Ar)ガスを30分間通気(バブリング)した後、水素を10分間通気し、12時間放置して白金コロイド溶液を得た。
ここでは、まず、本発明の白金を含む貴金属触媒を担体粒子に担持させ、本発明の電極触媒を作製した。
まず、1×10-4Mの塩化白金酸(II)溶液に0.1Mポリアクリル酸ナトリウム溶液を加えた。カルボン酸塩の白金に対する質量比を3とした。得られた混合溶液に、アルゴン(Ar)ガスを30分間通気(バブリング)した後、水素を10分間通気し、12時間放置して白金コロイド溶液を得た。
得られた白金コロイド溶液に、担体粒子である導電性を有する炭素粉末として、ケッチェンブラックEC(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)を加えて混合し、その後、塩酸を加えてpHを2にして固形分を沈降させ、炭素粉末の表面に白金粒子が付着した電極触媒を得た。さらにこの電極触媒を窒素中400℃で熱処理し、さらに洗浄して電極触媒Aを得た。
電極触媒Aの貴金属触媒(白金)担持率は30質量%とした。なお、電極触媒Aの白金担持量は、電極触媒Aを酸に混合して白金を溶解させ、得られた溶液をICP発光分光法により定量することにより求めた。
電極触媒Aの貴金属触媒(白金)担持率は30質量%とした。なお、電極触媒Aの白金担持量は、電極触媒Aを酸に混合して白金を溶解させ、得られた溶液をICP発光分光法により定量することにより求めた。
次に、上記電極触媒Aを用いて、膜電極接合体を作製した。
炭素粉末であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製のデンカブラック、粒径35nm)を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製のD1)と混合し、乾燥重量としてPTFEを20質量%含む撥水インクを調製した。このインクを、ガス拡散層の基材となるカーボンクロス(日本カーボン(株)製のカーボロンGF−20−31E)の上に塗布して含浸させ、熱風乾燥機を用いて300℃で熱処理し、ガス拡散層(約200μm)を形成した。
炭素粉末であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製のデンカブラック、粒径35nm)を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製のD1)と混合し、乾燥重量としてPTFEを20質量%含む撥水インクを調製した。このインクを、ガス拡散層の基材となるカーボンクロス(日本カーボン(株)製のカーボロンGF−20−31E)の上に塗布して含浸させ、熱風乾燥機を用いて300℃で熱処理し、ガス拡散層(約200μm)を形成した。
上記電極触媒Aを、貴金属触媒と高分子電解質との質量比が1:1となるように、高分子電解質溶液(Nafion溶液、Aldlich製)と混合し、得られた混合物を基材(ポリプロピレンシート)に塗布してカソード側の触媒層を形成した。貴金属触媒(白金)担持量は1cm2あたりカソードを0.5mg、アノードを0.2mgとした。なお、アノードの電極触媒としては、市販の触媒(TEC10E50E、田中貴金属(株)製)を用いた。
上述のようにして得たガス拡散層と触媒層とを、高分子電解質膜(米国DuPont社のNafion112膜)の両面に接合し、図1に示す構造を有する膜電極接合体(MEA)Aを作製した。
上述のようにして得たガス拡散層と触媒層とを、高分子電解質膜(米国DuPont社のNafion112膜)の両面に接合し、図1に示す構造を有する膜電極接合体(MEA)Aを作製した。
次に、以上のように作製したMEAの高分子電解質膜の外周部にゴム製のガスケット板を接合し、燃料ガスおよび酸化剤ガス流通用のマニホールド穴を形成した。
一方、10cm×10cm×1.3mmの外寸を有し、かつ幅0.9mm、深さ0.7mmのガス流路を有する、フェノール樹脂を含浸させた黒鉛板からなる導電性のセパレータ板を準備した。このセパレータ板を2枚用い、MEAの一方の面に酸化剤ガス流路が成形されたセパレータ板を重ね合わせ、他方の面に燃料ガス流路が成形されたセパレータ板を重ね合わせ、単電池を得た。単電池の両端部には、ステンレス鋼製の集電板、電気絶縁材料の絶縁板および端板を配置し、全体を締結ロッドで固定した。このときの締結圧はセパレータの面積当たり10kgf/cm2とした。このようにして単電池からなる燃料電池Aを作製した。
一方、10cm×10cm×1.3mmの外寸を有し、かつ幅0.9mm、深さ0.7mmのガス流路を有する、フェノール樹脂を含浸させた黒鉛板からなる導電性のセパレータ板を準備した。このセパレータ板を2枚用い、MEAの一方の面に酸化剤ガス流路が成形されたセパレータ板を重ね合わせ、他方の面に燃料ガス流路が成形されたセパレータ板を重ね合わせ、単電池を得た。単電池の両端部には、ステンレス鋼製の集電板、電気絶縁材料の絶縁板および端板を配置し、全体を締結ロッドで固定した。このときの締結圧はセパレータの面積当たり10kgf/cm2とした。このようにして単電池からなる燃料電池Aを作製した。
《実施例1》
炭素粉末として、ケッチェンブラックEC(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)を窒素雰囲気中で1700℃で熱処理して得られた炭素粉末を用いた以外は、比較例1と同様にして電極触媒Bを得た。
また、この電極触媒Bを用い、比較例1と同様にして膜電極接合体Bおよび燃料電池Bを作製した。
炭素粉末として、ケッチェンブラックEC(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)を窒素雰囲気中で1700℃で熱処理して得られた炭素粉末を用いた以外は、比較例1と同様にして電極触媒Bを得た。
また、この電極触媒Bを用い、比較例1と同様にして膜電極接合体Bおよび燃料電池Bを作製した。
《実施例2》
炭素粉末として、デンカブラックFX−35(電気化学工業(株)製)を用いた以外は、比較例1と同様にして電極触媒Cを得た。
また、この電極触媒Cを用い、比較例1と同様にして膜電極接合体Cおよび燃料電池Cを作製した。
炭素粉末として、デンカブラックFX−35(電気化学工業(株)製)を用いた以外は、比較例1と同様にして電極触媒Cを得た。
また、この電極触媒Cを用い、比較例1と同様にして膜電極接合体Cおよび燃料電池Cを作製した。
《比較例2》
炭素粉末として、バルカンXC−72R(CABOT社製)を用いた以外は、比較例1と同様にして電極触媒Dを得た。
また、この電極触媒Dを用い、比較例1と同様にして膜電極接合体Dおよび燃料電池Dを作製した。
炭素粉末として、バルカンXC−72R(CABOT社製)を用いた以外は、比較例1と同様にして電極触媒Dを得た。
また、この電極触媒Dを用い、比較例1と同様にして膜電極接合体Dおよび燃料電池Dを作製した。
《実施例3》
本実施例においては、白金コロイド生成工程において貴金属触媒(白金)とポリアクリル酸ナトリウムの添加質量比を変更した。
白金コロイドの生成工程において、白金1に対してポリアクリル酸ナトリウムの量を1(質量比)となるように添加し、炭素粉末としてはケッチェンブラックEC(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)を用い、貴金属触媒(白金)の担持率を50質量%とした以外は、比較例1と同様にして、電極触媒E、膜電極接合体Eおよび燃料電池Eを作製した。
本実施例においては、白金コロイド生成工程において貴金属触媒(白金)とポリアクリル酸ナトリウムの添加質量比を変更した。
白金コロイドの生成工程において、白金1に対してポリアクリル酸ナトリウムの量を1(質量比)となるように添加し、炭素粉末としてはケッチェンブラックEC(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製)を用い、貴金属触媒(白金)の担持率を50質量%とした以外は、比較例1と同様にして、電極触媒E、膜電極接合体Eおよび燃料電池Eを作製した。
《実施例4》
白金コロイドの生成工程において、白金1に対してポリアクリル酸ナトリウムの量を2(質量比)となるように添加した以外は、実施例3と同様にして、電極触媒F、膜電極接合体Fおよび燃料電池Fを作製した。
白金コロイドの生成工程において、白金1に対してポリアクリル酸ナトリウムの量を2(質量比)となるように添加した以外は、実施例3と同様にして、電極触媒F、膜電極接合体Fおよび燃料電池Fを作製した。
《比較例3》
白金コロイドの生成工程において、白金1に対してポリアクリル酸ナトリウムの量を3(質量比)となるように添加した以外は、実施例3と同様にして、電極触媒G、膜電極接合体Gおよび燃料電池Gを作製した。
白金コロイドの生成工程において、白金1に対してポリアクリル酸ナトリウムの量を3(質量比)となるように添加した以外は、実施例3と同様にして、電極触媒G、膜電極接合体Gおよび燃料電池Gを作製した。
《比較例4》
白金コロイドの生成工程において、白金1に対してポリアクリル酸ナトリウムの量を5(質量比)となるように添加した以外は、実施例3と同様にして、電極触媒H、膜電極接合体Hおよび燃料電池Hを作製した。
白金コロイドの生成工程において、白金1に対してポリアクリル酸ナトリウムの量を5(質量比)となるように添加した以外は、実施例3と同様にして、電極触媒H、膜電極接合体Hおよび燃料電池Hを作製した。
[評価試験]
(1)炭素粉末のラマンスペクトル測定
上記電極触媒の作製に用いた各炭素粉末のラマンスペクトルを測定し、その1580cm−1に現れるGバンドピークの半値幅を求めた。
装置はHoLo Lab series 5000 Research Raman Spectrometer 532(Kaiser Optical systems,INC. 製)であり、波長 532.09 nmのレーザーで照射時間 10秒で測定した。結果を表1に示す。
(1)炭素粉末のラマンスペクトル測定
上記電極触媒の作製に用いた各炭素粉末のラマンスペクトルを測定し、その1580cm−1に現れるGバンドピークの半値幅を求めた。
装置はHoLo Lab series 5000 Research Raman Spectrometer 532(Kaiser Optical systems,INC. 製)であり、波長 532.09 nmのレーザーで照射時間 10秒で測定した。結果を表1に示す。
(2)電位掃引試験(比率I(110)/I(100)の測定)
上記電極触媒A〜Hから貴金属触媒をこすり取り、貴金属触媒と米国DuPont社製の10%ナフィオン溶液とを、貴金属触媒と電解質ポリマーの質量比が1:1になるように混合し、超音波分散機で分散させた。得られた分散液10μlをピペットで直径3mmのグラッシーカーボン電極上に塗布し、乾燥して電極を得た。この電極を3極式セルに設置し、対極に白金板、参照極に飽和カロメル電極を用いて25℃で1M硫酸溶液を電解液として用いて測定を行った。
電解液は測定1時間前から窒素でバブリングを行い、脱気した後測定に用いた。また、サイクリックボルタモグラムの測定は掃引速度10mV/秒、電位範囲はSHEに対して50〜1000mVの範囲で行った。
さらに、貴金属触媒の表面に付着した不純物等の影響を取り除くため、4回電位掃引を行って表面を清浄化した後の5回目のサイクリックボルタモグラムで評価した。得られたサイクリックボルタモグラムにおいて、(100)結晶面に吸着した水素に帰属されるピークの強度と(110)結晶面に吸着した水素に帰属されるピーク強度の比率I(110)/I(100)を求めた。
上記電極触媒A〜Hから貴金属触媒をこすり取り、貴金属触媒と米国DuPont社製の10%ナフィオン溶液とを、貴金属触媒と電解質ポリマーの質量比が1:1になるように混合し、超音波分散機で分散させた。得られた分散液10μlをピペットで直径3mmのグラッシーカーボン電極上に塗布し、乾燥して電極を得た。この電極を3極式セルに設置し、対極に白金板、参照極に飽和カロメル電極を用いて25℃で1M硫酸溶液を電解液として用いて測定を行った。
電解液は測定1時間前から窒素でバブリングを行い、脱気した後測定に用いた。また、サイクリックボルタモグラムの測定は掃引速度10mV/秒、電位範囲はSHEに対して50〜1000mVの範囲で行った。
さらに、貴金属触媒の表面に付着した不純物等の影響を取り除くため、4回電位掃引を行って表面を清浄化した後の5回目のサイクリックボルタモグラムで評価した。得られたサイクリックボルタモグラムにおいて、(100)結晶面に吸着した水素に帰属されるピークの強度と(110)結晶面に吸着した水素に帰属されるピーク強度の比率I(110)/I(100)を求めた。
(3)放電電圧および貴金属触媒の表面積の測定
次に、膜電極接合体A〜Hを含む単電池(セル)からなる上記燃料電池A〜Hを用い、12時間0.5A/cm2の電流密度で発電を行って十分に活性化を行った後、アノード側に水素ガス、カソード側に窒素ガスをそれぞれ70℃の露点で流した状態で、サイクリックボルタモグラムを測定した。
この測定は、アノードを参照極兼対極とする2極式の測定として行い、セル温度は70℃とし、掃引速度、電位範囲および回数は上記(2)の測定と同様とした。得られたサイクリックボルタモグラムにおいて、水素の吸着、脱着量から白金の表面積を求めた。
次に、膜電極接合体A〜Hを含む単電池(セル)からなる上記燃料電池A〜Hを用い、12時間0.5A/cm2の電流密度で発電を行って十分に活性化を行った後、アノード側に水素ガス、カソード側に窒素ガスをそれぞれ70℃の露点で流した状態で、サイクリックボルタモグラムを測定した。
この測定は、アノードを参照極兼対極とする2極式の測定として行い、セル温度は70℃とし、掃引速度、電位範囲および回数は上記(2)の測定と同様とした。得られたサイクリックボルタモグラムにおいて、水素の吸着、脱着量から白金の表面積を求めた。
上記燃料電池A〜Hを用い、燃料ガスとしての水素、および酸化剤ガスとしての空気を、それぞれアノードおよびカソードに供給し、電池温度を70℃、燃料ガス利用率(Uf)70%、および空気利用率(Uo)40%の条件で、放電試験を行った。なお、水素および空気は、それぞれ65℃および65℃の露点を有するように加湿した。
燃料電池A〜Hについて、水素および空気を連続供給した状態で、200mA/cm2の電流密度で連続運転を行い、初期(試験前)の放電(発電)電圧および貴金属触媒(白金)の表面積と、1000時間運転後(試験後)の放電電圧および貴金属触媒(白金)の表面積と、を測定した。結果を表1および2に示した。
さらに、燃料電池E〜Hについては、さらに水素および空気を流した状態で電流をとらずにOCV状態で500時間放置し、その前後での白金の表面積の減少率を調べた。結果を表3および図4に示した。
なお、電極触媒における白金の表面積は、上記のようにして得られたサイクリックボルタモグラムを用い、貴金属触媒(白金)に対する全水素の吸脱着ピークより計算した。
燃料電池A〜Hについて、水素および空気を連続供給した状態で、200mA/cm2の電流密度で連続運転を行い、初期(試験前)の放電(発電)電圧および貴金属触媒(白金)の表面積と、1000時間運転後(試験後)の放電電圧および貴金属触媒(白金)の表面積と、を測定した。結果を表1および2に示した。
さらに、燃料電池E〜Hについては、さらに水素および空気を流した状態で電流をとらずにOCV状態で500時間放置し、その前後での白金の表面積の減少率を調べた。結果を表3および図4に示した。
なお、電極触媒における白金の表面積は、上記のようにして得られたサイクリックボルタモグラムを用い、貴金属触媒(白金)に対する全水素の吸脱着ピークより計算した。
電極触媒A〜Dについて評価試験の結果を示す表1および図3から、本発明の実施例の電極触媒BおよびCを用いた場合は、1000時間の発電後に730mV以上の発電電圧を維持しているのに対し、比較例の電極触媒AおよびDを用いた場合は、発電試験後には720mV以下まで電圧が低下した。
したがって、ラマンスペクトルのGバンドの半値幅が50以下の炭素粉末を用いると、比率I(110)/I(100)が1.6以下となり、耐久性に優れた電極触媒が得られることがわかった。
したがって、ラマンスペクトルのGバンドの半値幅が50以下の炭素粉末を用いると、比率I(110)/I(100)が1.6以下となり、耐久性に優れた電極触媒が得られることがわかった。
表2および3、ならびに図4から、本発明の実施例の電極触媒EおよびFを用いた場合は、1000時間の発電後に730mV以上、500時間のOCV試験後に720mV以上の発電電圧を維持しているのに対し、比較例の電極触媒GおよびHを用いた場合は、発電試験後には720mV以下、OCV試験後には700mV以下まで電圧が低下した。
単極試験(グラッシーボン電極を用いた上記(2−1)の測定)での電位掃引において4000サイクル以上電位掃引を繰り返しても、実施例の電極触媒EおよびFを用いた場合は、70%以上の表面積の表面積を維持しており、劣化もほぼ収まっているが、比較例の電極触媒GおよびHを用いた場合は、60%以下まで表面積が低下し、低下も収まっていない。
単極試験(グラッシーボン電極を用いた上記(2−1)の測定)での電位掃引において4000サイクル以上電位掃引を繰り返しても、実施例の電極触媒EおよびFを用いた場合は、70%以上の表面積の表面積を維持しており、劣化もほぼ収まっているが、比較例の電極触媒GおよびHを用いた場合は、60%以下まで表面積が低下し、低下も収まっていない。
単セル試験(MEAを用いた上記(3)の測定)において、カソードの電極触媒面積が70%まで低下したときのカソードの反応抵抗による電圧低下は、約30mVであった。ここで、燃料電池の商品性を考えると、10年間の耐久性が要求され、そのためには、劣化がいずれ飽和すること、さらに電圧低下量が初期の10%以内に収まることが必要とされる。比較例の電極触媒GおよびHを用いた場合は、劣化が飽和せずにいつまでも表面積の低下が進んでおり、好ましくない。また、電圧低下量は、許容量の半分をカソードの劣化に振り分けられるとしても35mV以下である必要があり、そのためには初期の70%程度に表面積の減少を抑制する必要がある。
したがって、実施例の電極触媒EおよびFを用いた場合は、燃料電池の商品性に必要な条件をいずれも満たしていることがわかった。即ち、本発明の電極触媒を用いた場合は、表面積の低下を抑制でき、発電電圧の低下も小さいものとなる。
したがって、実施例の電極触媒EおよびFを用いた場合は、燃料電池の商品性に必要な条件をいずれも満たしていることがわかった。即ち、本発明の電極触媒を用いた場合は、表面積の低下を抑制でき、発電電圧の低下も小さいものとなる。
本発明の燃料電池用貴金属触媒は、燃料電池に用いた場合に、電極内の白金粒子の肥大化を抑制し、電極の劣化を抑制するため、高い電圧を維持し得る燃料電池を実現することが可能である。したがって、本発明は、高分子電解質膜を用いた燃料電池、特に定置型コジェネレーションシステムや電気自動車などの高耐久化のために好適に用いることができる。
11、111・・・高分子電解質膜、12、112・・・触媒層、13、113・・・ガス拡散層、14、114・・・ガス拡散電極、15、115・・・ガスケット、16、116・・・セパレータ、17、117・・・ガス流路、18、118・・・冷却水用流路
Claims (9)
- 少なくとも白金を含む燃料電池用貴金属触媒であって、
酸性溶液中で得られるサイクリックボルタモグラムのうちの、卑から貴な電位方向に電位を掃引したときに得られる前記白金の表面における水素の脱着を示す電流−電位曲線において、前記白金の表面の(110)結晶面に吸着した水素に帰属される電流ピークの強度I(110)と、前記白金の表面の(100)結晶面に吸着した水素に帰属される電流ピークの強度I(100)との比率I(110)/I(100)が、1.0以上1.6以下であること、
を特徴とする燃料電池用貴金属触媒。 - 請求項1記載の燃料電池用貴金属触媒と、前記燃料電池用貴金属触媒を担持する担体粒子と、を含むこと、を特徴とする燃料電池用電極触媒。
- 前記担体粒子が炭素粉末であること、を特徴とする請求項2記載の燃料電池用電極触媒。
- 前記炭素粉末がグラファイトであること、を特徴とする請求項3記載の燃料電池用電極触媒。
- 白金塩とカルボン酸塩とを含む溶液に水素を導入して白金コロイド溶液を生成するコロイド生成工程と、前記白金コロイド溶液に担体粒子を加えて前記担体粒子の表面に白金粒子を付着させる白金付着工程と、を有しており、
前記コロイド生成工程において、前記カルボン酸塩の白金に対する質量比を2以下とすること、を特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法。 - 前記白金付着工程において用いる前記担体粒子が炭素粉末であって、そのラマンスペクトルのGバンドの半値幅が50以下であること、を特徴とする請求項5記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
- 白金塩とカルボン酸塩とを含む溶液に水素を導入して白金コロイド溶液を生成するコロイド生成工程と、前記白金コロイド溶液に担体粒子を加えて前記担体粒子の表面に白金粒子を付着させる白金付着工程と、を有しており、
前記白金付着工程において用いる前記担体粒子は炭素粉末であって、そのラマンスペクトルのGバンドの半値幅が50以下であること、を特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法。 - 前記炭素粉末がグラファイトであること、を特徴とする請求項6または7に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
- アノードと、カソードと、水素イオン伝導性を有しており前記アノードと前記カソードとの間に配置される高分子電解質膜と、を具備しており、
前記アノードおよび前記カソードのうちの少なくとも一方に、請求項2〜4のうちのいずれかに記載の燃料電池用電極触媒、ならびに水素イオン伝導性を有する高分子電解質を含む触媒層が配置されていること、
を特徴とする燃料電池用膜電極接合体。
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---|---|---|---|---|
JP2011017562A (ja) * | 2009-07-07 | 2011-01-27 | Yokogawa Electric Corp | サイクリックボルタンメトリー法を用いた評価方法および評価装置 |
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US9627692B2 (en) | 2014-02-14 | 2017-04-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Carbon-supported catalyst |
-
2005
- 2005-10-24 JP JP2005308832A patent/JP2007115637A/ja active Pending
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