JP2011017562A - サイクリックボルタンメトリー法を用いた評価方法および評価装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】サイクリックボルタンメトリー法を用いて評価対象を詳細に評価することが可能な評価方法および評価装置を提供する。
【解決手段】サイクリックボルタンメトリー法を用いて評価対象を評価する評価方法において、サイクリックボルタンメトリー法により前記評価対象のボルタモグラムを取得するステップと、前記取得するステップにより取得された前記ボルタモグラムを、複数の既知のボルタモグラムに分解するステップと、を備えることを特徴とする。この評価方法によれば、サイクリックボルタンメトリー法により取得されたボルタモグラムを、複数の既知のボルタモグラムに分解するので、評価対象を詳細に評価することが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】サイクリックボルタンメトリー法を用いて評価対象を評価する評価方法において、サイクリックボルタンメトリー法により前記評価対象のボルタモグラムを取得するステップと、前記取得するステップにより取得された前記ボルタモグラムを、複数の既知のボルタモグラムに分解するステップと、を備えることを特徴とする。この評価方法によれば、サイクリックボルタンメトリー法により取得されたボルタモグラムを、複数の既知のボルタモグラムに分解するので、評価対象を詳細に評価することが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、サイクリックボルタンメトリー法を用いて評価対象を評価する評価方法および評価装置に関する。
特開2007−194200号公報に記載されているように、従来、電極触媒の白金表面積は、サイクリックボルタンメトリー法により得られるボルタモグラムから求められる。この方法では、ボルタモグラムの水素吸着波に相当する電位範囲の電気量から電気二重層の充電のための電気量を差し引いた電気量を、水素吸着容量(210μC/cm2)で除することにより白金表面積を算出する。電気量を算出する際には、水素吸着量の代わりに水素脱着波に相当する電気量を用いることもできる。
Electrochemistry, Vol.77, No.3, pp263-268
表面科学 Vol.25,No.2,pp76−83
白金の電気化学的有効表面積を求める際には、上記のように水素吸着量あるいは水素脱着波の全容量を単位面積当たりの水素吸着容量で除する方法が一般的であるが、水素吸着容量である210μC/cm2という値は多結晶白金に対して用いる値である。
しかし、非特許文献1によれば、固体高分子型燃料電池で用いられるような白金触媒は非常に微細で、個々の粒子はほぼ単結晶であり、特定の指数面が優先的に配向している場合も報告されている。さらに、指数面によって吸着容量が異なることが記載されている。
また、特開2003−157857号公報には、指数面によって活性度が異なることが記載されており、指数面や活性度を考慮せずにボルタモグラムから得られる電気量と水素吸着量(210μC/cm2)から白金表面積を求めるだけでは、触媒評価を充分に行っているとはいい難い。
本発明の目的は、サイクリックボルタンメトリー法を用いて評価対象を詳細に評価することが可能な評価方法および評価装置を提供することにある。
本発明の評価方法は、サイクリックボルタンメトリー法を用いて評価対象を評価する評価方法において、サイクリックボルタンメトリー法により前記評価対象のボルタモグラムを取得するステップと、前記取得するステップにより取得された前記ボルタモグラムを、複数の既知のボルタモグラムに分解するステップと、を備えることを特徴とする。
この評価方法によれば、サイクリックボルタンメトリー法により取得されたボルタモグラムを、複数の既知のボルタモグラムに分解するので、評価対象を詳細に評価することが可能となる。
この評価方法によれば、サイクリックボルタンメトリー法により取得されたボルタモグラムを、複数の既知のボルタモグラムに分解するので、評価対象を詳細に評価することが可能となる。
前記分解するステップでは、前記既知の各ボルタモグラムの寄与率が算出されてもよい。
前記既知の複数のボルタモグラムの各々は同一物質の異なる指数面に対応してもよい。
前記取得するステップにより取得された前記ボルタモグラムに基づいて総電気量を算出するステップと、前記総電気量を算出するステップで算出された前記総電気量を、前記寄与率を算出するステップで算出された前記寄与率に基づいて各前記指数面に分配するステップを備えてもよい。
前記指数面に分配するステップにより得られた各前記指数面についての電気量を、対応する前記指数面の単位面積当たりの水素吸着電気量で除することで、各前記指数面についての表面積を算出するステップを備えてもよい。
前記評価対象は白金を用いた電極触媒であり、前記指数面は白金の基本指数面であってもよい。
前記取得するステップでは、セル状態に組み上げた燃料電池系を用いてボルタモグラムを取得してもよい。
本発明の評価装置は、サイクリックボルタンメトリー法を用いて評価対象を評価する評価装置において、サイクリックボルタンメトリー法により前記評価対象のボルタモグラムを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記ボルタモグラムを、既知の複数のボルタモグラムに分解する分解手段と、を備えることを特徴とする。
この評価装置によれば、サイクリックボルタンメトリー法により取得されたボルタモグラムを、複数の既知のボルタモグラムに分解するので、評価対象を詳細に評価することが可能となる。
この評価装置によれば、サイクリックボルタンメトリー法により取得されたボルタモグラムを、複数の既知のボルタモグラムに分解するので、評価対象を詳細に評価することが可能となる。
本発明の評価方法によれば、サイクリックボルタンメトリー法により取得されたボルタモグラムを、複数の既知のボルタモグラムに分解するので、評価対象を詳細に評価することが可能となる。
本発明の評価装置によれば、サイクリックボルタンメトリー法により取得されたボルタモグラムを、複数の既知のボルタモグラムに分解するので、評価対象を詳細に評価することが可能となる。
以下、本発明によるサイクリックボルタンメトリー法を用いた評価方法の一実施形態について説明する。
図1は、燃料電池セルを用いてサイクリックボルタンメトリー法による測定を行う構成を示すブロック図である。
燃料電池セル10は、白金電極触媒が担持された固体高分子型電解質膜1を、それぞれガス流路が形成されたアノード層2およびカソード層3で挟み込んで構成される。アノード層2には、互いに絶縁されたアノード本電極2Aとアノード分割電極2Bとが形成されている。また、カソード層3には、アノード本電極2Aに対向するカソード本電極3Aが形成されている。
また、アノード本電極2Aは対極として、アノード分割電極2Bは参照極として、カソード本電極3Aは作用極として、それぞれポテンシオスタット4に接続されている。ポテンシオスタット4には計測結果を記録するレコーダ5が接続され、レコーダ5には演算装置6が接続される。図1に示すように、演算装置6は取得手段61および分解手段62を構成する。
次に、本発明による評価方法の手順について説明する。
アノード層2のガス流路には加湿水素ガスを、カソード層3のガス流路には加湿窒素ガスを、それぞれ供給する。これにより、対極(アノード本電極2A)および参照極(アノード分割電極2B)に加湿水素ガスが、作用極(カソード本電極3A)に加湿窒素ガスが、それぞれ供給される。
次に、ポテンシオスタット4により予め設定された電位範囲内を走査し、電位と電流の値をレコーダ5に記録してボルタモグラムを得る。ここでは、参照極(アノード分割電極2B)を基準とした作用極(カソード本電極3A)の電位を制御し、対極(アノード本電極2A)および作用極(カソード本電極3A)間の電流を計測する。
次に、獲得されたボルタモグラムに基づいて、白金の基本指数面(100)、(110)、(111)に相当する電流値の寄与率を求める。
基本指数面(100)、(110)、(111)のいずれかを有する白金単結晶を電極に用いてボルタモグラムを得ると、結晶面によって異なる形状を示す。本発明では、燃料電池セル10の計測で得られたボルタモグラムを、基本指数面(100)、(110)、(111)におけるボルタモグラムに分解し、各基本指数面の寄与率を算出する。
まず、演算装置6の取得手段61により、レコーダ5に記録された燃料電池セル10のボルタモグラムを取得する。
次に、演算手段6の分解手段62により、取得されたボルタモグラムを基本指数面(100)、(110)、(111)におけるボルタモグラムに分解する。ここでは、例えば、各指数面で特徴的なピークを生じる電位での電流比に基づいて、各基本指数面の寄与率を算出する。
ピークを生じる電位としては、例えば、(100)面における0.4V、(110)面における0.15V、(111)面における0.53Vなどがある。これらの電位を用いる場合には、0.15Vにおける(100)、(110)、(111)面の電流値をIa100、Ia110、Ia111、0.4Vにおける(100)、(110)、(111)面の電流値をIb100、Ib110、Ib111、0.53Vにおける(100)、(110)、(111)面の電流値をIc100、Ic110、Ic111、とすると、燃料電池セル10のボルタモグラムから得られる上記各電位での電流値I0.15V、I0.40V、I0.53Vは、各基本指数面の寄与率x,y,zを用いて、以下の(1)〜(4)式で表すことができる。ここで、x,y,zは、それぞれ(100)、(110)、(111)面の寄与率を示している。
このように、上記実施形態によれば、電位走査により得られたボルタモグラムを基本指数面(100)、(110)、(111)におけるボルタモグラムに分解することにより、電極中における白金の結晶面の出現割合を推定することができる。また、各基本指数面の活性度と出現割合に基づいて、電極の活性を簡易的に評価できる。さらに、燃料電池セルとして組み上げられた状態で測定を行うので、実運転状態での評価も可能となる。
次に、上記手順により算出された(100)、(110)、(111)面の寄与率を用いて、白金電極触媒の電気化学的有効表面積を基本指数面ごとに算出する手順について説明する。
まず、上記の燃料電池セル10のボルタモグラムを積分してその面積を求め、これをボルタンメトリーの電位走査速度で除することにより、3つの基本指数面の電気量の総和を算出する。ボルタモグラムの積分は、上記の各基本指数面についてピークを生じる電位を含むように、その電位近傍の3箇所について行い、その3箇所での電気量の総和を求めてもよい。
次に、総電気量(電気量の総和)を上記の寄与率x、y、zに応じた比率で各基本指数面、すなわち、(100)、(110)、(111)面に分配することで、各基本指数面の電気量を算出する。
次に、各基本指数面の電気量を水素吸着電気量で除することで、各基本指数面について電気化学的有効表面積を求める。ここで、基本指数面によって触媒活性に差があり、単位面積当たりの電気量が異なるため、それぞれの単位面積当たりの水素吸着電気量の値で各基本指数面の電気量を除する。具体的には、基本指数面(100)、(110)、(111)について、それぞれ209,147,241μC/cm2の値で、各基本指数面の電気量を除することにより、正しい表面積を得ることができる。
従来、白金の多結晶体には210μC/cm2の値を用いて表面積を評価しているが、特定の面が優先的に配向している場合には、実質的な水素吸着電気量の値がこれと異なることもある。これに対し、上記手法によれば、基本指数面による触媒活性の相違を表面積の算出値に反映させることができるため、各基本指数面の電気化学的有効表面積をより正確に算出することができる。
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本発明は、サイクリックボルタンメトリー法を用いて評価対象を評価する評価方法および評価装置に対し、広く適用することができる。
1 固体高分子型電解質膜
10 燃料電池セル
10 燃料電池セル
Claims (8)
- サイクリックボルタンメトリー法を用いて評価対象を評価する評価方法において、
サイクリックボルタンメトリー法により前記評価対象のボルタモグラムを取得するステップと、
前記取得するステップにより取得された前記ボルタモグラムを、複数の既知のボルタモグラムに分解するステップと、
を備えることを特徴とする評価方法。 - 前記分解するステップでは、前記既知の各ボルタモグラムの寄与率が算出されることを特徴とする請求項1に記載の評価方法。
- 前記既知の複数のボルタモグラムの各々は同一物質の異なる指数面に対応することを特徴とする請求項2に記載の評価方法。
- 前記取得するステップにより取得された前記ボルタモグラムに基づいて総電気量を算出するステップと、
前記総電気量を算出するステップで算出された前記総電気量を、前記寄与率を算出するステップで算出された前記寄与率に基づいて各前記指数面に分配するステップを備えることを特徴とする請求項3に記載の評価方法。 - 前記指数面に分配するステップにより得られた各前記指数面についての電気量を、対応する前記指数面の単位面積当たりの水素吸着電気量で除することで、各前記指数面についての表面積を算出するステップを備えることを特徴とする請求項4に記載の評価方法。
- 前記評価対象は白金を用いた電極触媒であり、前記指数面は白金の基本指数面であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の評価方法。
- 前記取得するステップでは、セル状態に組み上げた燃料電池系を用いてボルタモグラムを取得することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の評価方法。
- サイクリックボルタンメトリー法を用いて評価対象を評価する評価装置において、
サイクリックボルタンメトリー法により前記評価対象のボルタモグラムを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記ボルタモグラムを、既知の複数のボルタモグラムに分解する分解手段と、
を備えることを特徴とする評価装置。
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2009
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