JP2007194200A - 燃料電池用触媒、燃料電池用電極、膜電極複合体および燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池用触媒におけるこれまでにない高活性なカソード触媒を提供する。
【解決手段】
上記目的を達成するために、鋭意検討した結果、白金を含んだ燃料電池用触媒であって、0.5Mの硫酸水溶液中でのサイクリックボルタンメトリーを行い、水素原子吸着波から求めた白金表面積が、48m2/g-Pt以上、100m2/g-Pt以下である触媒を用いることにより、これまでにない高活性な燃料電池用カソード触媒を得ることができる。
【選択図】なし
【解決手段】
上記目的を達成するために、鋭意検討した結果、白金を含んだ燃料電池用触媒であって、0.5Mの硫酸水溶液中でのサイクリックボルタンメトリーを行い、水素原子吸着波から求めた白金表面積が、48m2/g-Pt以上、100m2/g-Pt以下である触媒を用いることにより、これまでにない高活性な燃料電池用カソード触媒を得ることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、燃料電池用触媒に関し、さらに詳しくは、酸素還元反応を行うカソード側電極触媒に関する。またそれを用いた燃料電池用電極、膜電極複合体および燃料電池に関する。
地球温暖化問題を引き起こしている二酸化炭素の排出を削減する技術として、燃料電池が注目されている。燃料電池は、電解質の種類により、りん酸形(PAFC)、溶融炭酸塩形(MCFC)、固体高分子形(PEFC)、固体電解質形(SOFC)、アルカリ形(AFC)等に分類できる。また、燃料の種類により、メタノール燃料電池、ヒドラジン燃料電池等に分類できる。燃料電池は天然ガス、メタノール、ナフサ、石炭等の燃料を改質して得られる水素と、空気中の酸素との電気化学反応により電気エネルギーを得るようにした装置であり、クリーンで高い発電効率を得ることができる。
この燃料電池は、近年では移動通信用、建築・土木工事用等に使用される数100W程度の小型電源用として注目され、ポータブル化の気運が高まっている。この気運に対し、固体高分子形燃料電池(PEFC)はパーフルオロスルフォン酸膜等のイオン交換膜を電解質とし、このイオン交換膜の両面にアノードとカソードの各電極を接合して構成されているため、上記の小型電源用として優れている。発電は、アノードに水素、カソードに酸素を供給して、各電極で下記の電気化学反応させる。
アノード: H2→2H++2e−
カソード: 1/2O2+2H++2e−→H2O
全反応: H2+1/2O2→H2O
この反応式から明らかなように、各電極での反応は、活物質であるガス(水素または酸素)、プロトン(H+)および電子(e−)の授受を同時に行うことのできる三相界面でのみ進行する。
カソード: 1/2O2+2H++2e−→H2O
全反応: H2+1/2O2→H2O
この反応式から明らかなように、各電極での反応は、活物質であるガス(水素または酸素)、プロトン(H+)および電子(e−)の授受を同時に行うことのできる三相界面でのみ進行する。
さらに、固体高分子形燃料電池は、常温〜100℃での低温で運転が可能であるため、その利用の期待が大きい。しかし、水素を直接燃料としているため、水素の貯蔵方法の点及びエネルギーの体積密度が小さい点に問題がある。
一方、液体燃料であるメタノールから改質した水素を用いる方法は、水素を直接用いる方法において生じる問題点を抑えるものとして有力な方法である。メタノールを用いる方法のうち、特にメタノールを直接電極上で反応させる直接メタノール形燃料電池(DMFC、Direct Methanol Fuel Cell)が特に注目されている。即ち、直接メタノール形燃料電池は、改質器が不要であるため、小型軽量化することが可能であり、自動車用電力源や携帯電話などの携帯用電源として期待されている。この直接メタノール形燃料電池の電極での反応は、次のように行われる。
メタノール燃料極(アノード極):CH3OH+H2O→CO2+6H++6e−
空気極(カソード極):3/2O2+6H++6e−→3H2O
全反応:CH3OH+3/2O2→CO2+2H2O
しかしながら、現段階において、実用化に充分な程度に高い活性性能は得られていない(特許文献1)。
特開2003−157857
空気極(カソード極):3/2O2+6H++6e−→3H2O
全反応:CH3OH+3/2O2→CO2+2H2O
しかしながら、現段階において、実用化に充分な程度に高い活性性能は得られていない(特許文献1)。
本発明の目的は、上述した従来技術の問題を解消し、これまでにない高い活性性能を有する燃料電池用触媒を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の燃料電池用触媒は、少なくとも白金を含む触媒であって、0.5Mの硫酸水溶液中でサイクリックボルタンメトリーを行って水素原子吸着波の電気量から求めた白金表面積が、48m2/g-Pt以上、100m2/g-Pt以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、高い活性を有する燃料電池用触媒を得ることができる。
本発明において触媒とは、目的の反応速度を高め又は促進するが、反応によって変化されることがない物質を意味する。触媒は少なくとも白金を成分として含むが、その他の成分の選択は燃料電池用電極が使用される用途によって決まる。これら触媒のその他成分は、例えば、炭素担体上に担持されるとか、又は担体上には担持されていない分散形態の金属、金属酸化物の貴金属又は遷移金属などとすることができ、あるいは高い表面積の微細に分割された粉末又は繊維の形態の炭素又は有機物錯体や、これらの組み合わせであってもよい。
本発明の燃料電池用触媒は、少なくとも白金を含んでおり、0.5Mの硫酸水溶液中でサイクリックボルタンメトリーを行い、水素原子吸着波の電気量から求めた白金表面積が、48m2/g-Pt以上、100m2/g-Pt以下であることを特徴とする。
これまでの白金を含む燃料電池用触媒でここまで高表面積なものはなく、48m2/g-Pt以上とすることで触媒活性が向上する理由は明確ではないが、触媒表面積を大きくすることで触媒活性点が増え、電極触媒の活性としても向上するものと思われる。好ましくは、50m2/g-Pt以上、さらに好ましくは52m2/g-Pt以上である。白金表面積が100m2/g-Ptを超えると、白金粒子サイズがあまりにも小さくなり、白金金属としての性質を示すことができなくなる場合があることが考えられるので、100m2/g-Pt以下であることが好ましく、90m2/g-Pt以下であることが好ましく、80m2/g-Pt以下であることがより好ましく、75m2/g-Pt以下であることがさらに好ましい。
電極触媒の白金表面積は、0.5Mの硫酸水溶液中での走査範囲電位0.05〜1.2 V(vs. RHE)のサイクリックボルタンメトリーにて求めることができる。得られたサイクリックボルタンメトリー曲線の内、0.05〜0.4 V(vs. RHE)の範囲に見られる水素原子吸着波の電気量から、電極触媒上に担持された白金比表面積を算出できる。電極二重層の充電のための電気量を差し引き、電気量として210μC/cm2の値から割り返して触媒重量当たりの白金表面積を算出できる。
また、元素分析などによって触媒の白金含有率を測定することができ、触媒重量あたりの白金重量が計算できる。これらの値を用いて、白金重量あたりの白金表面積を計算することができる。
本発明の触媒は、上述のように金属成分として白金を含むことが必須であるが、第2の金属Mを1種以上含むようにしても良い。この第2の金属Mは、例えば、ルテニウム(Ru)、金(Au)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、オスミウム(Os)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)等を挙げることができる。これらの中でも、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、金(Au)、イリジウム(Ir)が好ましく、さらに好ましくはルテニウム(Ru)、鉄(Fe)、コバルト(Co)がよい。
本発明の触媒には、上記金属元素の他に他の元素を含むようにしてもよい。この他の元素としては、炭素、窒素、酸素、ホウ素、リン、ケイ素、水素、硫黄などの典型元素のほか、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン元素などを挙げることができる。ただし、ハロゲン化物イオンは白金金属と結合して反応を阻害することがあるので、できるだけ少ない方が好ましい。
特に、炭素、ケイ素、ケイ素酸化物(シリカ)などは、触媒の担体として利用されることが多く、なかでも炭素材料は電極触媒担体として有用である。
上述の通り、本発明の触媒の担体として炭素材料を用いることが好ましい。炭素材料の種類としては、種々のカーボンブラック、アセチレンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、カーボンナノホーン等を例示することができる。これらのうちでも、特に導電性の点で、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブが好ましい。また、カーボンブラックとしてはバルカン(登録商標)XC−72R、ケッチェンブラック(登録商標)EC、ブラックパールズ(登録商標)2000などが例示できる。
これら炭素担体の内、窒素吸着表面積が150m2/g以上ある担体を用いるのが好ましく、より好ましくは250m2/g以上ある担体を用いるのが好ましく、さらに好ましくは300m2/g以上ある担体を用いるのが好ましい。これは担体表面積が大きいと担持する白金粒子を高分散させることができ、有効に使用できる白金表面積が増加するためと考えられる。
担体への担持方法としては、特に限定されるものではないが、金属微粒子分散液に担体を加えて担持する方法、担体上に金属微粒子分散液を滴下する方法、担体分散液と金属微粒子分散液を混合する方法などが例示できる。特に、均一に担持でき、手間も少ないという点で、金属微粒子分散液調製時(還元時)に担体を分散させておき、金属微粒子調製時(還元時)に同時に担持する手法が好ましい。
また白金と炭素担体の重量比があまり小さく、白金の量が少ないと、燃料電池として利用する際に反応効率が悪くなるので、白金と炭素の重量比(白金/炭素)は、1/4以上が好ましく、さらに好ましくは1/2以上、特に好ましくは2/3以上が好ましい。
本発明において、触媒の金属粒子のサイズは、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したとき、金属粒子の投影面積を円換算した平均粒子径が20nm以下であるようにすることが好ましい。さらに好ましくは10nm以下、最も好ましくは5nm以下の微粒子状であるのがよい。円換算平均粒子径の求め方は、透過型電子顕微鏡で観察するとき視野内にある金属粒子を無作為に200個抽出し、それぞれの粒子の投影面積を真円と同等とみなして換算した時の直径を円換算粒子径とし、これを200個の金属粒子について平均化することにより求める。
透過型電子顕微鏡の観察により200個の金属粒子を抽出するときは、顕微鏡の倍率を10万倍以上にして行う。透過型電子顕微鏡の性能によっては、10万倍以上の倍率で観察するのが困難な場合もあるが、本発明では正確な粒子サイズを求めるために10万倍以上の倍率にする。10万倍以上の倍率の観察を可能にする高性能な透過型電子顕微鏡としては、日立製作所製HF-2210等を例示することができる。
透過型電子顕微鏡で触媒を観察するとき、金属粒子同士が近接し、雪ダルマ状になって観察される場合もあるが、その時は2つの金属粒子として換算する。また、3つ以上の金属粒子が凝集して観察される場合もあるが、これらもそれぞれの粒子を別々にカウントして円換算粒子径を求めるようにする。
本発明の触媒の調製法を以下に示す。諸条件を最適化して、本発明の燃料電池用触媒を調製した。
白金金属の導入方法としては、0.5Mの硫酸水溶液中でサイクリックボルタンメトリーを行って水素原子吸着波の電気量から求めた白金表面積が、48m2/g-Pt以上、100m2/g-Pt以下とすることができれば、白金金属をそのままスパッタリングなどの方法で導入してもよいし、金属無機塩を含浸法、平衡吸着法、イオン交換法などの公知の方法で導入し、その後還元処理を行って白金金属を得る方法でもよいし、液相還元によって白金金属微粒子分散液を調製しておき、あとから担持する方法でも良い。白金表面積を制御し易いという点から、液相還元による金属微粒子分散液を調製する方法が好ましい。
液相還元法を用いる場合、金属微粒子を安定化するのに、水溶性高分子、界面活性剤、pH調節剤等の安定化剤を用いても良い。液相還元法を用いる場合、白金原料としては、反応溶媒に溶解すればどの様な原料でも良く、ヘキサクロロ白金酸、ヘキサクロロ白金酸ナトリウム、塩化白金酸、塩化白金無水物、塩化白金酸ナトリウム、塩化白金酸アンモニウム、臭化白金、ヨウ化白金、シアン化白金、アセチルアセトン白金錯体、ジニトロジアンミン白金、テトラアンミンジクロロ白金、ジアンミンジクロロ白金、亜硝酸ジアンミン白金などが例示でき、特に限定されないが、その溶解性、反応性、価格などの観点から、ヘキサクロロ白金酸、ヘキサクロロ白金酸ナトリウム、塩化白金酸、塩化白金無水物、塩化白金酸ナトリウム、、塩化白金酸アンモニウムなどの塩化物由来の原料を用いることが好ましい。また、いくつかの化合物の混合物を用いても良いし、複塩でもよい。なお、触媒調製時は、調製後の触媒に塩化物イオンが混入しないよう、充分に水洗することが好ましい。また、液相還元で白金粒子を調製する際、原料液のpHを7〜14に調節することが好ましい。これはpHを酸性側にして還元を行うと、白金粒子が二次凝集して粒子サイズが大きくなり、白金表面積が小さくなってしまうためである。
また、還元反応時間は数分から12時間の範囲で行うことが好ましい。特に反応時間が長すぎると、白金の粒子成長が起こり、白金表面積が小さくなってしまうためである。
液相還元法を用いる場合、還元温度は60℃〜200℃の範囲で行うことが好ましい。温度が高い方が還元速度が大きくなり、白金粒子径を小さくできる。還元温度が高すぎると、還元反応の制御が困難となり、白金粒子の成長が起こってしまう場合がある。
液相還元反応を行う場合、不活性ガス雰囲気中で行う方が好ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン等が例示できる。空気などが混入すると、生成した白金粒子を触媒として還元剤の酸化反応が起こり、白金粒子の成長が起こってしまう場合がある。
液相還元時の還元剤については特に限定されるものではないが、還元力が強すぎると白金粒子サイズが大きくなったり、反応熱の制御が困難になるので、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールといったアルコールが好ましく、特にエチレングリコールが好ましい。
また液相還元時の溶媒としては還元を妨げなければどの様な溶媒でも良く、還元剤としてアルコールを用いるときはアルコールのみでも、また水の共存化で還元を行っても良い。反応速度を制御しやすいという点で、水を共存させることが好ましい。
得られた固体状態の触媒を水素ガス存在下で熱処理することも可能であるが、あまり高温で処理すると白金粒子が大きくなり、白金表面積が小さくなると考えられるので、直接2vol%以上の水素ガスを触れさせて熱処理を行う場合、200℃以下で実施することが好ましく、さらに好ましくは150℃以下、特に好ましくは120℃以下で実施することが好ましい。また、処理する時間も、あまり長いと白金表面積が小さくなると考えられるので、1時間以下が好ましく、さらに好ましくは30分以下、特に好ましくは1分以下で実施することが好ましい。
一方、含浸法を用いる場合には、通常、金属の塩もしくは錯体を溶媒に溶解させ、その溶液を担体に含浸し、担持させるようにする。溶媒としては金属の塩もしくは錯体を溶解できるものであれば特に限定されないが、水、メタノール、エタノールなどが好ましく、特にエタノールが好ましい。金属の塩もしくは錯体としては、各種の塩化物、硝酸塩、炭酸塩、錯体を単独または混合して用いてよい。特に、これらの中でも化合物の形態として、硝酸塩や炭酸塩、錯体がある。特に錯体は、[Pt(NH3)4]X2または[Pt(NH3)6]X4(Xは1価の陰イオン)と表すことのできるアンミン錯体が好ましい。
また、金属化合物を用いる場合には、いくつかの化合物の混合物を用いても良いし、複塩でもよい。
金属を導入するのに、金属の塩もしくは錯体を導入し、その後還元する方法をとる場合には、還元剤は特に限定されない。例えば、過酸化水素、ヒドラジンなどの液体還元剤を用いてもよいし、水素、窒素などの無機ガスによる還元を行ってもよい。加熱分解還元するときの水素/窒素のモル組成比としては、分解温度を制御し易いという点で、20%以下であることが好ましく、特に10%以下であることが好ましい。
また、加熱分解還元するときの温度は、金属粒子の凝集を防ぐため、400℃以下で行うことが好ましく、さらに好ましくは300℃以下、特に好ましくは250℃以下で加熱分解還元するのがよい。
担体への担持方法としては、特に限定されるものではないが、金属微粒子分散液に担体を加えて担持する方法、担体上に金属微粒子分散液を滴下する方法、担体分散液と金属微粒子分散液を混合する方法などが例示できる。特に、均一に担持でき、手間も少ないという点で、金属微粒子分散液調製時(還元時)に担体を分散させておき、金属微粒子調製時(還元時)に同時に担持する手法が好ましい。
本発明の触媒が適用される燃料電池としては、その種類はりん酸形(PAFC)、溶融炭酸塩形(MCFC)、固体高分子形(PEFC)、固体電解質形(SOFC)、アルカリ形(AFC)のいずれであってもよい。これらのうちでも、特に使用温度条件が低い固体高分子形燃料電池が特に好ましい。
また、燃料電池に用いる燃料も、水素、改質ガス、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、ヒドラジン等のいずれでもよく、特に限定されるものではない。しかし、好ましくは水素、改質ガス、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルが好ましく、さらに好ましくは、水素、または直接アルコール形燃料電池に用いることがよい。使用するアルコールとしては、メタノールが特に好ましい。
また、触媒を用いる燃料電池の部位としては、カソード電極用の触媒、アノード電極用の触媒、原料ガス改質用の触媒のいずれであってもよいが、なかでもカソード電極用として用いるのが特に好ましい。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
A.触媒評価用電極の調製方法
触媒試料の電気化学的な特性評価は、以下の手順に従って試験電極を作製した。電極触媒をそのまま用いるとバインダポリマ、電解質膜などによる被覆により、触媒の正確な表面積を測定することが困難となるので、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の有機溶媒で充分に洗浄することが好ましい。具体的には、60℃で30分以上1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンに浸漬し、そのまま30分間かくはん後ろ取し、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンでさらに洗浄、そのままアセトンで洗浄、乾燥することで除去できる。得られた洗浄済触媒試料を微量の蒸留水で湿らせたあと、2 g/Lとなるようにエタノールを加え、30分間超音波にて均一に分散させた。得られた分散液を、#3000のエメリー紙にて平滑研磨したグラッシーカーボン(GC)電極上に20 μL滴下した。60℃で乾燥させた後、メタノールで1wt%に希釈したナフィオン(登録商標) 溶液を10 μL滴下し電極触媒を固定化後、再び60℃で乾燥した。触媒/グラッシーカーボン電極を集電体である真鍮製の電極ホルダーに固定し、試料面(見かけ表面積0.196 cm2)のみが露出するようにグラッシーカーボン電極および電極ホルダーをフッ素樹脂テープで絶縁し、試験電極とした。
触媒試料の電気化学的な特性評価は、以下の手順に従って試験電極を作製した。電極触媒をそのまま用いるとバインダポリマ、電解質膜などによる被覆により、触媒の正確な表面積を測定することが困難となるので、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の有機溶媒で充分に洗浄することが好ましい。具体的には、60℃で30分以上1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンに浸漬し、そのまま30分間かくはん後ろ取し、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンでさらに洗浄、そのままアセトンで洗浄、乾燥することで除去できる。得られた洗浄済触媒試料を微量の蒸留水で湿らせたあと、2 g/Lとなるようにエタノールを加え、30分間超音波にて均一に分散させた。得られた分散液を、#3000のエメリー紙にて平滑研磨したグラッシーカーボン(GC)電極上に20 μL滴下した。60℃で乾燥させた後、メタノールで1wt%に希釈したナフィオン(登録商標) 溶液を10 μL滴下し電極触媒を固定化後、再び60℃で乾燥した。触媒/グラッシーカーボン電極を集電体である真鍮製の電極ホルダーに固定し、試料面(見かけ表面積0.196 cm2)のみが露出するようにグラッシーカーボン電極および電極ホルダーをフッ素樹脂テープで絶縁し、試験電極とした。
B. 電気化学測定法
電解液には0.5Mの硫酸水溶液を用いた。電解セルにはビーカー型三極式を使用し、対極には白金メッシュ、参照極にはAg/AgCl電極を使用した。電解セルを用いた全ての電気化学測定は、ポテンショスタット(北斗電工社製電気化学測定システムHZ-3000)によって行った。測定は25℃の恒温槽中に設置した電解セルに、純度99.9999%以上の窒素を吹き込んで電解液中の溶存酸素を除去しながら行った。また電極電位は、可逆水素電極(RHE)電位基準で表示した。試験電極表面の不純物を取り除くために、電位走査速度100 mV/sで100サイクルの電気化学的前処理を行った。このときの電位走査範囲は、0.05〜1.2 V(vs. RHE)とした。サイクリックボルタンメトリーはこの電気化学的処理の後、上記の電位走査範囲で、100 mV/sの走査速度で行った。
電解液には0.5Mの硫酸水溶液を用いた。電解セルにはビーカー型三極式を使用し、対極には白金メッシュ、参照極にはAg/AgCl電極を使用した。電解セルを用いた全ての電気化学測定は、ポテンショスタット(北斗電工社製電気化学測定システムHZ-3000)によって行った。測定は25℃の恒温槽中に設置した電解セルに、純度99.9999%以上の窒素を吹き込んで電解液中の溶存酸素を除去しながら行った。また電極電位は、可逆水素電極(RHE)電位基準で表示した。試験電極表面の不純物を取り除くために、電位走査速度100 mV/sで100サイクルの電気化学的前処理を行った。このときの電位走査範囲は、0.05〜1.2 V(vs. RHE)とした。サイクリックボルタンメトリーはこの電気化学的処理の後、上記の電位走査範囲で、100 mV/sの走査速度で行った。
得られたサイクリックボルタンメトリー曲線の内、0.05〜0.4 V(vs. RHE)の範囲に見られる水素原子吸着波の電気量から、電極触媒上に担持された金属比表面積を算出した。電極二重層の充電のための電気量を差し引き、電気量として210μC/cm2の値から割り返して金属比表面積を算出した。
C.MEAによる発電性能評価
調製した触媒とナフィオン(登録商標)を混合し、カーボンペーパー上に0.5mg-Pt/cm2となるよう塗布し、カソード側電極を調製した。またアノード側電極は、白金ルテニウム担持カーボンを3mg-Pt/cm2となるようカーボンペーパー上に塗布して作製した。高分子電解質膜として、ナフィオン(登録商標)117(商品名、Dupont社製)を間に挟んでプレスし、MEAを作製した。このMEAを用いてアノード側に3wt%メタノール水溶液、カソード側に空気を用いて40℃で発電させ、セル電圧400mVにおいての電流値を測定することで触媒の発電性能評価を行った。
調製した触媒とナフィオン(登録商標)を混合し、カーボンペーパー上に0.5mg-Pt/cm2となるよう塗布し、カソード側電極を調製した。またアノード側電極は、白金ルテニウム担持カーボンを3mg-Pt/cm2となるようカーボンペーパー上に塗布して作製した。高分子電解質膜として、ナフィオン(登録商標)117(商品名、Dupont社製)を間に挟んでプレスし、MEAを作製した。このMEAを用いてアノード側に3wt%メタノール水溶液、カソード側に空気を用いて40℃で発電させ、セル電圧400mVにおいての電流値を測定することで触媒の発電性能評価を行った。
D.平均粒子径
調製した触媒を日立製作所製H-9000UHR透過型電子顕微鏡(TEM)で10万倍の倍率で観察し、視野内にある金属粒子を無作為に200個抽出し、それぞれの粒子の投影面積を真円と同等とみなして換算した時の直径を円換算粒子径とし、これを200個の金属粒子について平均化することにより求めた。
調製した触媒を日立製作所製H-9000UHR透過型電子顕微鏡(TEM)で10万倍の倍率で観察し、視野内にある金属粒子を無作為に200個抽出し、それぞれの粒子の投影面積を真円と同等とみなして換算した時の直径を円換算粒子径とし、これを200個の金属粒子について平均化することにより求めた。
E.窒素吸着表面積
各種炭素担体の窒素吸着表面積は、日本ベル製BELSORP18を用いて測定した。前処理として測定サンプルを200℃で真空乾燥した後、液体窒素温度で窒素吸着特性を測定し、BET法により窒素吸着表面積を求めた。
各種炭素担体の窒素吸着表面積は、日本ベル製BELSORP18を用いて測定した。前処理として測定サンプルを200℃で真空乾燥した後、液体窒素温度で窒素吸着特性を測定し、BET法により窒素吸着表面積を求めた。
(実施例1)
白金前駆体としてPtCl4を用い、金属濃度が20 mMとなるようにイオン交換水に溶解した。水酸化ナトリウムを96mMとなるように加え、炭素材料担体としてバルカン(登録商標)XC-72R(表面積:254m2/g)を用い、白金重量/炭素担体重量=1/1となるように混合し、エチレングリコールを加えて2倍に希釈した。超音波処理を10分間行ったあと、かくはんしながら160℃のオイルバスで5時間還流した。反応終了後、室温まで冷まし、室温で10hかくはんした後、ろ取、水洗、60℃乾燥して白金担持カーボンを得た。得られた触媒の白金含有率を元素分析で測定したところ、45wt%であった。また、この触媒の白金表面積を0.5M硫酸中のサイクリックボルタンメトリで測定したところ、49m2/g-Ptであった。TEM観察による平均粒子径は3.4nmであった。
白金前駆体としてPtCl4を用い、金属濃度が20 mMとなるようにイオン交換水に溶解した。水酸化ナトリウムを96mMとなるように加え、炭素材料担体としてバルカン(登録商標)XC-72R(表面積:254m2/g)を用い、白金重量/炭素担体重量=1/1となるように混合し、エチレングリコールを加えて2倍に希釈した。超音波処理を10分間行ったあと、かくはんしながら160℃のオイルバスで5時間還流した。反応終了後、室温まで冷まし、室温で10hかくはんした後、ろ取、水洗、60℃乾燥して白金担持カーボンを得た。得られた触媒の白金含有率を元素分析で測定したところ、45wt%であった。また、この触媒の白金表面積を0.5M硫酸中のサイクリックボルタンメトリで測定したところ、49m2/g-Ptであった。TEM観察による平均粒子径は3.4nmであった。
また、得られた触媒を用いてMEAを作製し、発電性能を評価したところ、セル電圧400mVにおいて45mA/cm2の電流を得ることができた。
(実施例2)
白金前駆体としてPtCl4を用い、金属濃度が20 mMとなるようにイオン交換水に溶解した。水酸化ナトリウムを96mMとなるように加え、炭素材料担体としてケッチェンブラック(登録商標)EC(表面積:800m2/g)を用い、白金重量/炭素担体重量=4/1となるように混合し、エチレングリコールを加えて2倍に希釈した。超音波処理を10分間行ったあと、かくはんしながら160℃のオイルバスで5時間還流した。反応終了後、室温まで冷まし、室温で10hかくはんした後、ろ取、水洗、60℃乾燥して白金担持カーボンを得た。得られた触媒の白金含有率を元素分析で測定したところ、75wt%であった。また、この触媒の白金表面積を0.5M硫酸中のサイクリックボルタンメトリで測定したところ、55m2/g-Ptであった。TEM観察による平均粒子径は3.0nmであった。
白金前駆体としてPtCl4を用い、金属濃度が20 mMとなるようにイオン交換水に溶解した。水酸化ナトリウムを96mMとなるように加え、炭素材料担体としてケッチェンブラック(登録商標)EC(表面積:800m2/g)を用い、白金重量/炭素担体重量=4/1となるように混合し、エチレングリコールを加えて2倍に希釈した。超音波処理を10分間行ったあと、かくはんしながら160℃のオイルバスで5時間還流した。反応終了後、室温まで冷まし、室温で10hかくはんした後、ろ取、水洗、60℃乾燥して白金担持カーボンを得た。得られた触媒の白金含有率を元素分析で測定したところ、75wt%であった。また、この触媒の白金表面積を0.5M硫酸中のサイクリックボルタンメトリで測定したところ、55m2/g-Ptであった。TEM観察による平均粒子径は3.0nmであった。
また、得られた触媒を用いてMEAを作製し、発電性能を評価したところ、セル電圧400mVにおいて77mA/cm2の電流を得ることができた。
(実施例3)
白金前駆体としてPtCl4を用い、金属濃度が20 mMとなるようにイオン交換水に溶解した。水酸化ナトリウムを96mMとなるように加え、炭素材料担体としてバルカン(登録商標)XC-72R(表面積:254m2/g)を用い、白金重量/炭素担体重量=3/2となるように混合し、エチレングリコールを加えて2倍に希釈した。超音波処理を10分間行ったあと、かくはんしながら160℃のオイルバスで5時間還流した。反応終了後、室温まで冷まし、室温で10hかくはんした後、ろ取、水洗、60℃乾燥して白金担持カーボンを得た。得られた触媒の白金含有率を元素分析で測定したところ、48wt%であった。また、この触媒の白金表面積を0.5M硫酸中のサイクリックボルタンメトリで測定したところ、58m2/g-Ptであった。TEM観察による平均粒子径は2.8nmであった。
白金前駆体としてPtCl4を用い、金属濃度が20 mMとなるようにイオン交換水に溶解した。水酸化ナトリウムを96mMとなるように加え、炭素材料担体としてバルカン(登録商標)XC-72R(表面積:254m2/g)を用い、白金重量/炭素担体重量=3/2となるように混合し、エチレングリコールを加えて2倍に希釈した。超音波処理を10分間行ったあと、かくはんしながら160℃のオイルバスで5時間還流した。反応終了後、室温まで冷まし、室温で10hかくはんした後、ろ取、水洗、60℃乾燥して白金担持カーボンを得た。得られた触媒の白金含有率を元素分析で測定したところ、48wt%であった。また、この触媒の白金表面積を0.5M硫酸中のサイクリックボルタンメトリで測定したところ、58m2/g-Ptであった。TEM観察による平均粒子径は2.8nmであった。
また、得られた触媒を用いてMEAを作製し、発電性能を評価したところ、セル電圧400mVにおいて64mA/cm2の電流を得ることができた。
(実施例4)
白金前駆体としてPtCl4を用い、金属濃度が20 mMとなるようにイオン交換水に溶解した。水酸化ナトリウムを96mMとなるように加え、炭素材料担体としてブラックパールズ(登録商標)2000(表面積:1500m2/g)を用い、白金重量/炭素担体重量=4/1となるように混合し、エチレングリコールを加えて2倍に希釈した。超音波処理を10分間行ったあと、かくはんしながら160℃のオイルバスで5時間還流した。反応終了後、室温まで冷まし、室温で10hかくはんした後、ろ取、水洗、60℃乾燥して白金担持カーボンを得た。得られた触媒の白金含有率を元素分析で測定したところ、69wt%であった。また、この触媒の白金表面積を0.5M硫酸中のサイクリックボルタンメトリで測定したところ、54m2/g-Ptであった。TEM観察による平均粒子径は3.1nmであった。
白金前駆体としてPtCl4を用い、金属濃度が20 mMとなるようにイオン交換水に溶解した。水酸化ナトリウムを96mMとなるように加え、炭素材料担体としてブラックパールズ(登録商標)2000(表面積:1500m2/g)を用い、白金重量/炭素担体重量=4/1となるように混合し、エチレングリコールを加えて2倍に希釈した。超音波処理を10分間行ったあと、かくはんしながら160℃のオイルバスで5時間還流した。反応終了後、室温まで冷まし、室温で10hかくはんした後、ろ取、水洗、60℃乾燥して白金担持カーボンを得た。得られた触媒の白金含有率を元素分析で測定したところ、69wt%であった。また、この触媒の白金表面積を0.5M硫酸中のサイクリックボルタンメトリで測定したところ、54m2/g-Ptであった。TEM観察による平均粒子径は3.1nmであった。
また、得られた触媒を用いてMEAを作製し、発電性能を評価したところ、セル電圧400mVにおいて70mA/cm2の電流を得ることができた。
(実施例5)
白金前駆体としてPtCl4を用い、金属濃度が20 mMとなるようにイオン交換水に溶解した。水酸化ナトリウムを96mMとなるように加え、炭素材料担体としてケッチェンブラック(登録商標)ECを用い、白金重量/炭素担体重量=1/1となるように混合し、エチレングリコールを加えて2倍に希釈した。超音波処理を10分間行ったあと、かくはんしながら160℃のオイルバスで5時間還流した。反応終了後、室温まで冷まし、室温で10hかくはんした後、ろ取、水洗、60℃乾燥して白金担持カーボンを得た。得られた触媒の白金含有率を元素分析で測定したところ、50wt%であった。また、この触媒の白金表面積を0.5M硫酸中のサイクリックボルタンメトリで測定したところ、77m2/g-Ptであった。TEM観察による平均粒子径は2.3nmであった。
白金前駆体としてPtCl4を用い、金属濃度が20 mMとなるようにイオン交換水に溶解した。水酸化ナトリウムを96mMとなるように加え、炭素材料担体としてケッチェンブラック(登録商標)ECを用い、白金重量/炭素担体重量=1/1となるように混合し、エチレングリコールを加えて2倍に希釈した。超音波処理を10分間行ったあと、かくはんしながら160℃のオイルバスで5時間還流した。反応終了後、室温まで冷まし、室温で10hかくはんした後、ろ取、水洗、60℃乾燥して白金担持カーボンを得た。得られた触媒の白金含有率を元素分析で測定したところ、50wt%であった。また、この触媒の白金表面積を0.5M硫酸中のサイクリックボルタンメトリで測定したところ、77m2/g-Ptであった。TEM観察による平均粒子径は2.3nmであった。
また、得られた触媒を用いてMEAを作製し、発電性能を評価したところ、セル電圧400mVにおいて47mA/cm2の電流を得ることができた。
(比較例1)
白金前駆体としてH2PtCl6・6H2Oを用いた。これら前駆体をそれぞれ金属濃度が4 mMとなるようにエタノールに溶解した。炭素材料担体としてバルカン(登録商標)XC-72R(表面積:254m2/g)を用い、エタノールを加えて超音波処理を30分間行い、分散した。この分散液に触媒全体として50wt%Ptの金属担持量となるようにPt前駆体溶液を加えて混合した。この前駆体混合分散液を30分間超音波処理して十分に分散させた後、ホットスターラーで攪拌しながら60℃で乾燥させた。乾燥後に得られた粉末をめのう乳鉢で粉砕した後、水素/窒素(1:9)混合気体を流速250 mL/minで流通させながら、400℃で2時間熱分解を行いPt/C触媒(触媒A)を調製した。
白金前駆体としてH2PtCl6・6H2Oを用いた。これら前駆体をそれぞれ金属濃度が4 mMとなるようにエタノールに溶解した。炭素材料担体としてバルカン(登録商標)XC-72R(表面積:254m2/g)を用い、エタノールを加えて超音波処理を30分間行い、分散した。この分散液に触媒全体として50wt%Ptの金属担持量となるようにPt前駆体溶液を加えて混合した。この前駆体混合分散液を30分間超音波処理して十分に分散させた後、ホットスターラーで攪拌しながら60℃で乾燥させた。乾燥後に得られた粉末をめのう乳鉢で粉砕した後、水素/窒素(1:9)混合気体を流速250 mL/minで流通させながら、400℃で2時間熱分解を行いPt/C触媒(触媒A)を調製した。
得られた触媒の白金含有率を元素分析で測定したところ、48wt%であった。また、この触媒の白金表面積を0.5M硫酸中のサイクリックボルタンメトリで測定したところ、39m2/g-Ptであった。TEM観察による平均粒子径は7.7nmであった。
また、得られた触媒を用いてMEAを作製し、発電性能を評価したところ、セル電圧400mVにおいて15mA/cm2の電流しか得ることができなかった。
実施例1〜5,比較例1の白金表面積とMEAでの出力性能の測定結果を表1にまとめる。
Claims (12)
- 白金を含んだ燃料電池用触媒であって、0.5Mの硫酸水溶液中でサイクリックボルタンメトリーを行い、水素原子吸着波の電気量から求めた白金表面積が、48m2/g-Pt以上、100m2/g-Pt以下であることを特徴とする燃料電池用触媒。
- 担体として炭素材料を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用触媒。
- 前記炭素材料の窒素吸着表面積が150m2/g以上である請求項2に記載の燃料電池用触媒。
- 白金と前記炭素材料の重量比(白金/炭素)が1/4以上である請求項2または3に記載の燃料電池用触媒
- カソード電極に使用される請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用触媒。
- 透過型電子顕微鏡の観察で無作為に200個を抽出した前記触媒の金属粒子の円換算平均粒子径が20nm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用触媒。
- 調製する際に白金イオンを含む原料液を液相で還元することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池用触媒。
- 前記白金イオンを含む原料液のpHが7〜14であることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池用触媒。
- 前記燃料電池が直接アルコール形燃料電池である請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池用触媒。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の燃料電池用触媒を用いる燃料電池用電極。
- 請求項10に記載の燃料電池用電極を用いる膜電極複合体。
- 請求項11に記載の膜電極複合体を用いる燃料電池。
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-
2006
- 2006-12-18 JP JP2006339519A patent/JP2007194200A/ja active Pending
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