JP2007287648A - 燃料電池用触媒、燃料電池用電極、膜電極複合体および燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】CO及び/又はCHOなどの中間生成物による被毒を軽減する高い活性性能を有する燃料電池用触媒を提供する。
【解決手段】
上記目的を達成するために鋭意検討した結果、少なくとも白金を含む触媒であって、粉末X線回折測定を行って得られる回折パターンにおける2θ=62〜76度内の最大ピークのピーク位置が65.1〜67.3度の範囲である、および/または、2θ=36〜44度内の最大ピークのピーク位置が39.0〜39.5度の範囲である触媒、及び/又は、少なくとも白金および第2の金属成分を含む触媒であって、粉末X線回折測定を行って得られる回折パターンにおいて、(220)面由来のピークから結晶子サイズを求めた際、その結晶子サイズが2.0nmよりも小さいことを特徴とする触媒を用いることにより、中間生成物による被毒を軽減することができ、高活性な燃料電池用触媒を得ることができる。
【選択図】なし
【解決手段】
上記目的を達成するために鋭意検討した結果、少なくとも白金を含む触媒であって、粉末X線回折測定を行って得られる回折パターンにおける2θ=62〜76度内の最大ピークのピーク位置が65.1〜67.3度の範囲である、および/または、2θ=36〜44度内の最大ピークのピーク位置が39.0〜39.5度の範囲である触媒、及び/又は、少なくとも白金および第2の金属成分を含む触媒であって、粉末X線回折測定を行って得られる回折パターンにおいて、(220)面由来のピークから結晶子サイズを求めた際、その結晶子サイズが2.0nmよりも小さいことを特徴とする触媒を用いることにより、中間生成物による被毒を軽減することができ、高活性な燃料電池用触媒を得ることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、燃料電池用触媒ならびに、それを用いた燃料電池用電極、膜電極複合体および燃料電池に関する。
地球温暖化問題を引き起こしている二酸化炭素の排出を削減する技術として、燃料電池が注目されている。燃料電池は、電解質の種類により、りん酸形(PAFC)、溶融炭酸塩形(MCFC)、固体高分子形(PEFC)、固体電解質形(SOFC)、アルカリ形(AFC)等に分類できる。また、燃料の種類により、メタノール燃料電池、ヒドラジン燃料電池等に分類できる。燃料電池は天然ガス、メタノール、ナフサ、石炭等の燃料を改質して得られる水素と、空気中の酸素との電気化学反応により電気エネルギーを得るようにした装置であり、クリーンで高い発電効率を得ることができる。
この燃料電池は、近年では移動通信用、建築・土木工事用等に使用される数100W程度の小型電源用として注目され、ポータブル化の気運が高まっている。この気運に対し、固体高分子形燃料電池(PEFC)はパーフルオロスルフォン酸膜等のイオン交換膜を電解質とし、このイオン交換膜の両面にアノードとカソードの各電極を接合して構成されているため、上記の小型電源用として優れている。発電は、アノードに水素、カソードに酸素を供給して、各電極で下記の電気化学反応させる。
アノード:H2→2H++2e−
カソード:1/2O2+2H++2e−→H2O
全反応:H2+1/2O2→H2O
この反応式から明らかなように、各電極での反応は、活物質であるガス(水素または酸素)、プロトン(H+)および電子(e−)の授受を同時に行うことのできる三相界面でのみ進行する。
カソード:1/2O2+2H++2e−→H2O
全反応:H2+1/2O2→H2O
この反応式から明らかなように、各電極での反応は、活物質であるガス(水素または酸素)、プロトン(H+)および電子(e−)の授受を同時に行うことのできる三相界面でのみ進行する。
さらに、固体高分子形燃料電池は、常温〜100℃での低温で運転が可能であるため、その利用の期待が大きい。しかし、水素を直接燃料としているため、水素の貯蔵方法の点及びエネルギーの体積密度が小さい点に問題がある。
そのため殆どの実用的な燃料電池システムでは、水素燃料をメタンのような炭化水素系燃料、メタノール等のアルコールのような酸化炭化水素燃料をリホーミング(改質)して水素に転化させることで得ている。この燃料は改質ガソリン(リホーメイト)と称され、水素の他に約25%の高濃度の二酸化炭素(CO2)や、一般に約1%の少量の濃度の一酸化炭素(CO)などの不純物を含んでいる。そのため、とりわけ約100℃の温度で作動するプロトン交換膜燃料電池にとっては、一酸化炭素は1〜10ppmのレベルであっても、電極中に存在する白金電気触媒にとって厳しい毒になっている。
従来、このような一酸化炭素の被毒作用を低減するために、様々な方法が提案されている。中でも、白金−ルテニウム触媒を使用するものでは、ルテニウムが水の吸着を促進してOHを生成するため、高い活性を有するようになっている(特許文献1参照)。しかしながら、現段階においては、最も高い活性を示す白金−ルテニウム触媒でさえ、実用化に充分な高さの活性性能を得るに至っていない。
一方、液体燃料であるメタノール等のアルコールから改質した水素を用いる方法は、水素を直接用いる方法において生じる問題点を抑えるものとして有力な方法である。
さらに、メタノール等のアルコールを用いる方法のうち、特にメタノール等のアルコールを直接電極上で反応させる直接アルコール形燃料電池、中でも直接メタノール形燃料電池(DMFC、Direct Methanol Fuel Cell)が特に注目されている。即ち、直接メタノール形燃料電池は、改質器が不要であるため、小型軽量化することが可能であり、自動車用電力源や携帯電話などの携帯用電源として期待されている。この直接メタノール形燃料電池の電極での反応は、次のように行われる。
メタノール燃料極(アノード極):CH3OH+H2O→CO2+6H++6e−
空気極(カソード極):3/2O2+6H++6e−→3H2O
全反応:CH3OH+3/2O2→CO2+2H2O
上記メタノール燃料極では、特に白金を用いた触媒を使用することにより、その反応を促進するようにしている。しかし、白金は、メタノールの解離吸着過程に対する活性は高いものの、メタノール酸化過程で生成するCO及び/又はCHOなどの中間生成物の酸化活性が低い。そのため中間生成物の酸化除去を促進するため、a)白金と他の金属、例えばルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)及び/又は錫(Sn)との合金、並びにb)酸化物、例えばZrO2、TiO2、Nb2O5、Ta2O5又はWO3などに白金を担持した二元触媒などが試されている。これらの中でも、特に白金−ルテニウム触媒はルテニウムが水の吸着を促進し、OHが生成されるため、最も高い活性を有している。しかしながら、現段階において、最も高い活性を示す白金−ルテニウム触媒でさえ、実用化に充分な程度に高い活性性能は得られていない。
特開平2−111440号公報
空気極(カソード極):3/2O2+6H++6e−→3H2O
全反応:CH3OH+3/2O2→CO2+2H2O
上記メタノール燃料極では、特に白金を用いた触媒を使用することにより、その反応を促進するようにしている。しかし、白金は、メタノールの解離吸着過程に対する活性は高いものの、メタノール酸化過程で生成するCO及び/又はCHOなどの中間生成物の酸化活性が低い。そのため中間生成物の酸化除去を促進するため、a)白金と他の金属、例えばルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)及び/又は錫(Sn)との合金、並びにb)酸化物、例えばZrO2、TiO2、Nb2O5、Ta2O5又はWO3などに白金を担持した二元触媒などが試されている。これらの中でも、特に白金−ルテニウム触媒はルテニウムが水の吸着を促進し、OHが生成されるため、最も高い活性を有している。しかしながら、現段階において、最も高い活性を示す白金−ルテニウム触媒でさえ、実用化に充分な程度に高い活性性能は得られていない。
本発明の目的は、上述した従来技術の問題を解消し、CO及び/又はCHOなどの中間生成物による被毒を軽減する高い活性性能を有する燃料電池用触媒を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の燃料電池用触媒は、少なくとも白金を含んでおり、粉末X線回折測定を行って得られる回折パターンにおける2θ=62〜76度内の最大ピークのピーク位置が65.1〜67.3度の範囲である、あるいは、2θ=36〜44度内の最大ピークのピーク位置が39.0〜39.5度の範囲であるか、及び/又は、少なくとも白金および第2の金属成分を含んでおり、粉末X線回折測定を行って得られる回折パターンにおいて、 (220)面由来のピークから下記式に従って結晶子サイズを求めた際、その結晶子サイズが2.0nmよりも小さいことを特徴とするものである。
本発明によれば、CO及び/又はCHOなどの中間生成物による被毒を軽減し、高い活性を有する燃料電池用触媒を得ることができる。
本発明において触媒とは、目的の反応速度を高め又は促進するが、反応によって変化されることがない物質を意味する。触媒は少なくとも白金を成分として含むが、その他の成分の選択は燃料電池用電極が使用される用途によって決まる。これら触媒のその他成分は、例えば、炭素担体上に担持されるとか、又は担体上には担持されていない分散形態の金属、金属酸化物の貴金属又は遷移金属などとすることができ、あるいは高い表面積の微細に分割された粉末又は繊維の形態の炭素又は有機物錯体や、これらの組み合わせであってもよい。
本発明の燃料電池用触媒は、少なくとも白金を含んでおり、粉末X線回折測定を行って得られる回折パターンにおける2θ=62〜76度内の最大ピークのピーク位置が65.1〜67.3度の範囲である、あるいは、2θ=36〜44度内の最大ピークのピーク位置が39.0〜39.5度の範囲であるか、及び/又は、少なくとも白金および第2の金属成分を含んでおり、粉末X線回折測定を行って得られる回折パターンにおいて、 (220)面由来のピークから下記式に従って結晶子サイズを求めた際、その結晶子サイズが2.0nmよりも小さいことを特徴とする。
D=K・λ/(β・cosθ)
D:結晶子サイズ、K:Scherrer定数、λ:測定X線波長、β:結晶子サイズによる回折線の拡がり、θ:ブラッグ角(回折角/2)
ここで、(220)面由来のピークはfcc構造をとる白金の場合、2θ=67〜69度付近にピークを持つ。
D:結晶子サイズ、K:Scherrer定数、λ:測定X線波長、β:結晶子サイズによる回折線の拡がり、θ:ブラッグ角(回折角/2)
ここで、(220)面由来のピークはfcc構造をとる白金の場合、2θ=67〜69度付近にピークを持つ。
それぞれのピーク位置は、白金単独のX線回折パターンのピーク位置よりも低角度側へシフトしており、通常の合金触媒での高角度側シフトに対して正反対の挙動を示す。高活性化の機構は明らかではないが、この結晶構造の違いが触媒活性の向上に寄与しているものと推測される。
なお、白金単独のX線回折パターンとしては、JCPDSカード #04-0802など(JCPDS:Joint Committee on Powder Diffraction Standard)を参考にすることができる。
また結晶子サイズが2.0nmよりも小さい場合、高活性化の機構は明らかではないが、結晶子サイズが小さいため、触媒として作用する表面積が大きくなり、触媒活性の向上に寄与しているものと推測される。
また、本発明におけるX線回折測定は、通常の測定条件で実施される方法で問題ない。参考までに本発明実施例での測定条件を記載しておく。X線源にCuKα(波長0.154nm)を用い、ステップ幅0.02度のステップ操作法で測定した。ステップ操作法ではなく、連続スキャン法でも測定は可能であり、その場合はスキャン速度を2度/分、サンプリングピッチを0.02度程度に設定するのが一般的である。触媒金属の粒子サイズが小さい場合、得られる回折パターンがブロードになり、ピークとノイズの判別が困難になることがあるが、積算回数を増やしたり保持時間を延ばすことでノイズが小さくなり、ピークの判別が容易となる。
本発明におけるX線回折測定でのピーク位置は、下記プロフィルフィッティング方法を用いてピーク分割を行ったデータを基に算出した。
(フィッティング法)X線ディフラクトメータのステップスキャン法により観測されたi番目の回折強度をy(2θi)obs とすると、この測定強度に対応する計算強度y(2θi)calcは下記式(2)
(フィッティング法)X線ディフラクトメータのステップスキャン法により観測されたi番目の回折強度をy(2θi)obs とすると、この測定強度に対応する計算強度y(2θi)calcは下記式(2)
で与えられる。ここでb(2θi)はバックグラウンド強度、Ajはj番目の回折線の強度、Pj(2θi)は回折線プロフィルの形を近似するプロフィル関数、Tjはピーク位置である。プロフィルフィッティング法は下記式(3)
で表される重みつき残差二乗和を最小にする各種パラメータを非線形最小二乗法を用いて最 適化するものである。ここでプロフィル関数としてガウス関数を用いると下記式(4)となる。
Pj(2θi) = exp(−cx2/H2) (4)
ここでcは定数で4・ln2、Hは半値幅(FWHM)、x=2θi−Tjである。
ここでcは定数で4・ln2、Hは半値幅(FWHM)、x=2θi−Tjである。
本発明の触媒は、上述のように金属成分として白金を含むことが必須であるが、第2の金属Mを1種以上含むようにしても良い。この第2の金属Mは、例えば、ルテニウム(Ru)、金(Au)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、オスミウム(Os)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)等を挙げることができる。これらの中でも、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、金(Au)、イリジウム(Ir)が好ましく、さらに好ましくはルテニウム(Ru)、鉄(Fe)、コバルト(Co)がよい。
最も好ましくはルテニウム(Ru)である。また、含有されるルテニウムは白金と合金化していてもしていなくともよいが、少なくとも粉末X線回折測定を行って得られる回折パターンにおいて、白金と同じ結晶系に属していると解析されることが好ましい。 また、白金と第2の金属Mとのモル組成比は、4:1から1:4の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは3:1から1:2の範囲にあることが好ましく、特に好ましくは白金/Mのモル組成比が3:2から4:5の範囲にあることが好ましい。この理由は明らかでないが、モル組成比が1に近い方が、それぞれの金属特性を上手く引き出すことが可能になるためと考えられる。
最も好ましくはルテニウム(Ru)である。また、含有されるルテニウムは白金と合金化していてもしていなくともよいが、少なくとも粉末X線回折測定を行って得られる回折パターンにおいて、白金と同じ結晶系に属していると解析されることが好ましい。 また、白金と第2の金属Mとのモル組成比は、4:1から1:4の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは3:1から1:2の範囲にあることが好ましく、特に好ましくは白金/Mのモル組成比が3:2から4:5の範囲にあることが好ましい。この理由は明らかでないが、モル組成比が1に近い方が、それぞれの金属特性を上手く引き出すことが可能になるためと考えられる。
本発明の触媒は、金属成分として白金が含有されることが必須であるが、その含有量は特に限定されない。なかでも、金属成分の結晶構造が立方晶系に属することが好ましいので、金属成分のうち白金の重量分率が最大であることが好ましい。
本発明の触媒には、上記金属元素の他に他の元素を含むようにしてもよい。この他の元素としては、炭素、窒素、酸素、ホウ素、リン、ケイ素、水素、硫黄などの典型元素のほか、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン元素などを挙げることができる。ただし、ハロゲン化物イオンは白金金属と結合して反応を阻害することがあるので、できるだけ少ない方が好ましい。
特に、炭素、ケイ素、ケイ素酸化物(シリカ)などは、触媒の担体として利用されることが多く、なかでも炭素材料は電極触媒担体として有用である。
上述の通り、本発明の触媒の担体として炭素材料を用いることが好ましい。炭素材料の種類としては、種々のカーボンブラック、アセチレンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、カーボンナノホーン等を例示することができる。これらのうちでも、特に導電性の点で、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブが好ましい。また、カーボンブラックとしてはバルカン(登録商標)XC−72R、ケッチェンブラック(登録商標)EC、ブラックパールズ(登録商標)2000などが例示できる。
また、炭素担体に対する白金の担持量は、25重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは40重量%以上、特に好ましくは白金重量/炭素担体重量の重量比が1以上、すなわち50重量%以上が好ましい。これは、あまりに担持量が少ないと、触媒層の体積が増えて燃料の拡散が悪くなり、充分に反応が進行しないことが考えられるからである。
本発明において、触媒の金属粒子のサイズは、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したとき、金属粒子の投影面積を円換算した平均粒子径が20nm以下であるようにすることが好ましい。さらに好ましくは10nm以下、最も好ましくは5nm以下の微粒子状であるのがよい。円換算平均粒子径の求め方は、透過型電子顕微鏡で観察するとき視野内にある金属粒子を無作為に200個抽出し、それぞれの粒子の投影面積を真円と同等とみなして換算した時の直径を円換算粒子径とし、これを200個の金属粒子について平均化することにより求める。
透過型電子顕微鏡の観察により200個の金属粒子を抽出するときは、顕微鏡の倍率を10万倍以上にして行う。透過型電子顕微鏡の性能によっては、10万倍以上の倍率で観察するのが困難な場合もあるが、本発明では正確な粒子サイズを求めるために10万倍以上の倍率にする。10万倍以上の倍率の観察を可能にする高性能な透過型電子顕微鏡としては、日立製作所製HF-2210等を例示することができる。
透過型電子顕微鏡で触媒を観察するとき、金属粒子同士が近接し、雪ダルマ状になって観察される場合もあるが、その時は2つの金属粒子として換算する。また、3つ以上の金属粒子が凝集して観察される場合もあるが、これらもそれぞれの粒子を別々にカウントして円換算粒子径を求めるようにする。
本発明の触媒の調製法を以下に示す。諸条件を最適化して、本発明の燃料電池用触媒を調製した。
白金金属の導入方法としては、白金金属をそのままスパッタリングなどの方法で導入してもよいし、金属無機塩を含浸法、平衡吸着法、イオン交換法などの公知の方法で導入し、その後還元処理を行って白金金属を得る方法でもよいし、液相還元によって白金金属微粒子分散液を調製しておき、あとから担持する方法でも良い。白金粒子の表面積を制御し易いという点から、液相還元による金属微粒子分散液を調製する方法が好ましい。
液相還元法を用いる場合、金属微粒子を安定化するのに、水溶性高分子、界面活性剤、pH調節剤等の安定化剤を用いても良い。液相還元法を用いる場合、白金原料としては、反応溶媒に溶解すればどの様な原料でも良く、ヘキサクロロ白金酸、ヘキサクロロ白金酸ナトリウム、塩化白金酸、塩化白金無水物、塩化白金酸ナトリウム、塩化白金酸アンモニウム、臭化白金、ヨウ化白金、シアン化白金、アセチルアセトン白金錯体、ジニトロジアンミン白金、テトラアンミンジクロロ白金、ジアンミンジクロロ白金、亜硝酸ジアンミン白金などが例示でき、特に限定されないが、その溶解性、反応性、価格などの観点から、ヘキサクロロ白金酸、ヘキサクロロ白金酸ナトリウム、塩化白金酸、塩化白金無水物、塩化白金酸ナトリウム、塩化白金酸アンモニウムなどの塩化物由来の原料を用いることが好ましい。なお、触媒調製時は、調製後の触媒に塩化物イオンが混入しないよう、充分に水洗することが好ましい。また、液相還元で白金粒子を調製する際、原料液のpHを7〜14に調節することが好ましい。これはpHを酸性側にして還元を行うと、白金粒子が二次凝集して粒子サイズが大きくなり、白金表面積が小さくなってしまうためである。
また、反応が進行するにつれ、プロトンが生成して酸が発生するので、それらを中和してもなお、pHを7〜14に維持することが好ましく、その手法としては反応開始前から大量のアルカリを添加しておく方法でも反応中に随時アルカリを添加していく方法でも構わない。この時に使用するアルカリとして、特に限定されるものではなく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が例示される。
液相還元時の還元剤については特に限定されるものではないが、還元力が強すぎると白金粒子サイズが大きくなったり、反応熱の制御が困難になるので、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールといったアルコールが好ましく、特にエチレングリコールが好ましい。
また液相還元時の溶媒としては還元を妨げなければどの様な溶媒でも良く、還元剤としてアルコールを用いるときはアルコールのみでも、また水の共存下で還元を行っても良い。反応速度を制御しやすいという点で、水を共存させることが好ましい。
一方、含浸法を用いる場合には、通常、金属の塩もしくは錯体を溶媒に溶解させ、その溶液を担体に含浸し、担持させるようにする。溶媒としては金属の塩もしくは錯体を溶解できるものであれば特に限定されないが、水、メタノール、エタノールなどが好ましく、特にエタノールが好ましい。金属の塩もしくは錯体としては、各種の塩化物、硝酸塩、炭酸塩、錯体を単独または混合して用いてよい。特に、これらの中でも化合物の形態として、硝酸塩や炭酸塩、錯体がある。特に錯体は、[Pt(NH3)4]X2または[Pt(NH3)6]X4(Xは1価の陰イオン)と表すことのできるアンミン錯体が好ましい。
また、金属化合物を用いる場合には、いくつかの化合物の混合物を用いても良いし、複塩でもよい。
金属を導入するのに、金属の塩もしくは錯体を導入し、その後還元する方法をとる場合には、還元剤は特に限定されない。例えば、過酸化水素、ヒドラジンなどの液体還元剤を用いてもよいし、水素、窒素などの無機ガスによる還元を行ってもよい。特に、生じる金属粒子の粒径を小さく制御できるため、窒素/水素混合ガス中で加熱分解して還元する方法が好ましい。さらに、水素/窒素のモル組成比としては、分解温度を制御し易いという点で、20%以下であることが好ましく、特に10%以下であることが好ましい。
また、加熱分解還元するときの温度は、金属粒子の凝集を防ぐため、400℃以下で行うことが好ましく、さらに好ましくは300℃以下、特に好ましくは250℃以下で加熱分解還元するのがよい。
担体への担持方法としては、特に限定されるものではないが、金属微粒子分散液に担体を加えて担持する方法、担体上に金属微粒子分散液を滴下する方法、担体分散液と金属微粒子分散液を混合する方法などが例示できる。特に、均一に担持でき、手間も少ないという点で、金属微粒子分散液調製時(還元時)に担体を分散させておき、金属微粒子調製時(還元時)に同時に担持する手法が好ましい。
本発明の触媒が適用される燃料電池としては、その種類はりん酸形(PAFC)、溶融炭酸塩形(MCFC)、固体高分子形(PEFC)、固体電解質形(SOFC)、アルカリ形(AFC)のいずれであってもよい。これらのうちでも、特に使用温度条件が低い固体高分子形燃料電池が特に好ましい。
また、燃料電池に用いる燃料も、水素、改質ガス、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、ヒドラジン等のいずれでもよく、特に限定されるものではない。しかし、好ましくは水素、改質ガス、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルが好ましく、さらに好ましくは、水素、または直接アルコール形燃料電池に用いることがよい。使用するアルコールとしては、メタノールが特に好ましい。
また、触媒を用いる燃料電池の部位としては、カソード電極用の触媒、アノード電極用の触媒、原料ガス改質用の触媒のいずれであってもよいが、なかでもアノード電極用として用いるのが特に好ましい。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
A.触媒評価用電極の調製方法
触媒試料の電気化学的な特性評価は、以下の手順に従って試験電極を作製した。電極触媒をそのまま用いるとバインダポリマ、電解質膜などによる被覆により、触媒の正確な表面積を測定することが困難となるので、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の有機溶媒で充分に洗浄することが好ましい。具体的には、60℃で30分以上1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンに浸漬し、そのまま30分間かくはん後ろ取し、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンでさらに洗浄、そのままアセトンで洗浄、乾燥することで除去できる。得られた洗浄済触媒試料を微量の蒸留水で湿らせたあと、2 g/Lとなるようにエタノールを加え、30分間超音波にて均一に分散させた。得られた分散液を、#3000のエメリー紙にて平滑研磨したグラッシーカーボン(GC)電極上に20 μL滴下した。60℃で乾燥させた後、メタノールで1wt%に希釈したナフィオン(登録商標) 溶液を10 μL滴下し電極触媒を固定化後、再び60℃で乾燥した。触媒/グラッシーカーボン電極を集電体である真鍮製の電極ホルダーに固定し、試料面(見かけ表面積0.196 cm2)のみが露出するようにグラッシーカーボン電極および電極ホルダーをフッ素樹脂テープで絶縁し、試験電極とした。
触媒試料の電気化学的な特性評価は、以下の手順に従って試験電極を作製した。電極触媒をそのまま用いるとバインダポリマ、電解質膜などによる被覆により、触媒の正確な表面積を測定することが困難となるので、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の有機溶媒で充分に洗浄することが好ましい。具体的には、60℃で30分以上1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンに浸漬し、そのまま30分間かくはん後ろ取し、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンでさらに洗浄、そのままアセトンで洗浄、乾燥することで除去できる。得られた洗浄済触媒試料を微量の蒸留水で湿らせたあと、2 g/Lとなるようにエタノールを加え、30分間超音波にて均一に分散させた。得られた分散液を、#3000のエメリー紙にて平滑研磨したグラッシーカーボン(GC)電極上に20 μL滴下した。60℃で乾燥させた後、メタノールで1wt%に希釈したナフィオン(登録商標) 溶液を10 μL滴下し電極触媒を固定化後、再び60℃で乾燥した。触媒/グラッシーカーボン電極を集電体である真鍮製の電極ホルダーに固定し、試料面(見かけ表面積0.196 cm2)のみが露出するようにグラッシーカーボン電極および電極ホルダーをフッ素樹脂テープで絶縁し、試験電極とした。
B. 電気化学測定法
電解液には濃度が0.5Mの硫酸水溶液を用いた。電解セルにはビーカー型三極式を使用し、対極には白金メッシュ、参照極にはAg/AgCl電極を使用した。電解セルを用いた全ての電気化学測定は、ポテンショスタット(北斗電工社製電気化学測定システムHZ-3000)によって行った。測定は25℃の恒温槽中に設置した電解セルに、純度99.9999%以上の窒素を吹き込んで電解液中の溶存酸素を除去しながら行った。また電極電位は、可逆水素電極(RHE)電位基準で表示した。試験電極表面の不純物を取り除くために、電位走査速度100 mV/sで100サイクルの電気化学的前処理を行った。このときの電位走査範囲は、0.05〜0.8 V(vs. RHE)とした。電気化学的前処理の後、メタノールを含む硫酸水溶液を電解液とした半電池による電極触媒のメタノール酸化活性を評価した。電解液に1Mとなるようにメタノールを加えた0.5M硫酸を用いた。測定は電位ステップ定電位分極法により行った。このときのステップ電位は、75mV(vs.RHE)から500mV(vs.RHE)と変化させ、500mVに変化させてから30分後の酸化電流値を白金重量あたりに換算した値を触媒性能の目安として比較した。
電解液には濃度が0.5Mの硫酸水溶液を用いた。電解セルにはビーカー型三極式を使用し、対極には白金メッシュ、参照極にはAg/AgCl電極を使用した。電解セルを用いた全ての電気化学測定は、ポテンショスタット(北斗電工社製電気化学測定システムHZ-3000)によって行った。測定は25℃の恒温槽中に設置した電解セルに、純度99.9999%以上の窒素を吹き込んで電解液中の溶存酸素を除去しながら行った。また電極電位は、可逆水素電極(RHE)電位基準で表示した。試験電極表面の不純物を取り除くために、電位走査速度100 mV/sで100サイクルの電気化学的前処理を行った。このときの電位走査範囲は、0.05〜0.8 V(vs. RHE)とした。電気化学的前処理の後、メタノールを含む硫酸水溶液を電解液とした半電池による電極触媒のメタノール酸化活性を評価した。電解液に1Mとなるようにメタノールを加えた0.5M硫酸を用いた。測定は電位ステップ定電位分極法により行った。このときのステップ電位は、75mV(vs.RHE)から500mV(vs.RHE)と変化させ、500mVに変化させてから30分後の酸化電流値を白金重量あたりに換算した値を触媒性能の目安として比較した。
C.X線回折法による触媒物性評価
調製した触媒をRigaku RINT2100を用いて(X線源にCuKα(波長0.154nm)使用)、2θ=15〜90度の範囲でステップ幅0.02度、保持時間5秒のステップ操作法による粉末X線回折測定を行った。プロフィル関数としてガウス関数を用いたプロフィルフィッティングを行い、得られた回折パターンをピーク分割し、そのデータを基にピーク位置とピーク半値幅を算出した。
調製した触媒をRigaku RINT2100を用いて(X線源にCuKα(波長0.154nm)使用)、2θ=15〜90度の範囲でステップ幅0.02度、保持時間5秒のステップ操作法による粉末X線回折測定を行った。プロフィル関数としてガウス関数を用いたプロフィルフィッティングを行い、得られた回折パターンをピーク分割し、そのデータを基にピーク位置とピーク半値幅を算出した。
(実施例1)
白金前駆体としてPtCl4を用い、金属濃度が20 mMとなるようにイオン交換水に溶解した。また、ルテニウム前駆体としてRuCl3を用い、金属濃度が25 mMとなるようにイオン交換水に溶解した。Pt/Ruのモル組成比が4/5となるように混合し、エチレングリコールを加えて2倍に希釈した。超音波処理を10分間行ったあと、かくはんしながら水酸化ナトリウムを52.3mMとなるように加えて原料液を作製し、160℃のオイルバスで還流した。原料液のPtCl4濃度は5mM、RuCl3濃度は6.25mMであり、発生する塩酸濃度はそれぞれ価数を考慮すると、38.75mMとなる。
白金前駆体としてPtCl4を用い、金属濃度が20 mMとなるようにイオン交換水に溶解した。また、ルテニウム前駆体としてRuCl3を用い、金属濃度が25 mMとなるようにイオン交換水に溶解した。Pt/Ruのモル組成比が4/5となるように混合し、エチレングリコールを加えて2倍に希釈した。超音波処理を10分間行ったあと、かくはんしながら水酸化ナトリウムを52.3mMとなるように加えて原料液を作製し、160℃のオイルバスで還流した。原料液のPtCl4濃度は5mM、RuCl3濃度は6.25mMであり、発生する塩酸濃度はそれぞれ価数を考慮すると、38.75mMとなる。
5時間反応後、室温まで冷まし、炭素材料担体としてバルカン(登録商標)XC-72Rを用い、白金重量/炭素担体重量=1/1となるように混合し、超音波処理を5分間行ったあと、室温で10hかくはんし、ろ取、水洗、60℃乾燥して白金ルテニウム担持カーボンを得た。得られた触媒の白金とルテニウムの含有率を元素分析で測定したところ、34wt%および21wt%であった。また、この触媒の粉末X線回折測定を行い、プロフィルフィッティングによって分割したピークのピーク位置を算出したところ、2θ=62〜76度内の最大ピークのピーク位置は66.8度、2θ=36〜44度内の最大ピークのピーク位置は39.5度であった。また、fcc構造と仮定して(220)面由来のピークから結晶子サイズを算出したところ1.2nmであった。この時、Scherrer定数としてK=0.94、βとしてピークの半値幅を用いた。
また、この触媒の性能を、電気化学測定によって0.5M硫酸、1Mメタノール中での25℃、0.5V(vs.RHE)条件下でのメタノール酸化電流値を測定したところ、測定開始後30分で15.4A/g-Ptを示した。
(実施例2)
水酸化ナトリウムの代わりに炭酸ナトリウムを26.2mMとなるように加えた他は、実施例1と同様に調製し、白金ルテニウム担持カーボンを得た。得られた触媒の白金とルテニウムの含有率を元素分析で測定したところ、38wt%および19wt%であった。また、この触媒の粉末X線回折測定を行い、プロフィルフィッティングによって分割したピークのピーク位置を算出したところ、2θ=62〜76度内の最大ピークのピーク位置は67.2度、2θ=36〜44度内の最大ピークのピーク位置は39.3度であった。また、fcc構造と仮定して(220)面由来のピークから結晶子サイズを算出したところ1.3nmであった。この時、Scherrer定数としてK=0.94、βとしてピークの半値幅を用いた。
水酸化ナトリウムの代わりに炭酸ナトリウムを26.2mMとなるように加えた他は、実施例1と同様に調製し、白金ルテニウム担持カーボンを得た。得られた触媒の白金とルテニウムの含有率を元素分析で測定したところ、38wt%および19wt%であった。また、この触媒の粉末X線回折測定を行い、プロフィルフィッティングによって分割したピークのピーク位置を算出したところ、2θ=62〜76度内の最大ピークのピーク位置は67.2度、2θ=36〜44度内の最大ピークのピーク位置は39.3度であった。また、fcc構造と仮定して(220)面由来のピークから結晶子サイズを算出したところ1.3nmであった。この時、Scherrer定数としてK=0.94、βとしてピークの半値幅を用いた。
また、この触媒の性能を、電気化学測定によって0.5M硫酸、1Mメタノール中での25℃、0.5V(vs.RHE)条件下でのメタノール酸化電流値を測定したところ、測定開始後30分で15.7A/g-Ptを示した。
(実施例3)
水酸化ナトリウムの代わりに炭酸ナトリウムを29.1mMとなるように加えた他は、実施例1と同様に調製し、白金ルテニウム担持カーボンを得た。得られた触媒の白金とルテニウムの含有率を元素分析で測定したところ、24wt%および19wt%であった。また、この触媒の粉末X線回折測定を行い、プロフィルフィッティングによって分割したピークのピーク位置を算出したところ、2θ=62〜76度内の最大ピークのピーク位置は67.3度、2θ=36〜44度内の最大ピークのピーク位置は39.6度であった。また、fcc構造と仮定して(220)面由来のピークから結晶子サイズを算出したところ1.7nmであった。この時、Scherrer定数としてK=0.94、βとしてピークの半値幅を用いた。
水酸化ナトリウムの代わりに炭酸ナトリウムを29.1mMとなるように加えた他は、実施例1と同様に調製し、白金ルテニウム担持カーボンを得た。得られた触媒の白金とルテニウムの含有率を元素分析で測定したところ、24wt%および19wt%であった。また、この触媒の粉末X線回折測定を行い、プロフィルフィッティングによって分割したピークのピーク位置を算出したところ、2θ=62〜76度内の最大ピークのピーク位置は67.3度、2θ=36〜44度内の最大ピークのピーク位置は39.6度であった。また、fcc構造と仮定して(220)面由来のピークから結晶子サイズを算出したところ1.7nmであった。この時、Scherrer定数としてK=0.94、βとしてピークの半値幅を用いた。
また、この触媒の性能を、電気化学測定によって0.5M硫酸、1Mメタノール中での25℃、0.5V(vs.RHE)条件下でのメタノール酸化電流値を測定したところ、測定開始後30分で14.8A/g-Ptを示した。
(比較例1)
市販の白金30wt%ルテニウム15wt%担持カーボン触媒(石福金属興業社製)の粉末X線回折測定を行い、プロフィルフィッティングによって分割したピークのピーク位置を算出したところ、2θ=62〜76度内の最大ピークのピーク位置は68.5度、2θ=36〜44度内の最大ピークのピーク位置は40.3度であった。また、fcc構造と仮定して(220)面由来のピークから結晶子サイズを算出したところ3.9nmであった。この時、Scherrer定数としてK=0.94、βとしてピークの半値幅を用いた。
市販の白金30wt%ルテニウム15wt%担持カーボン触媒(石福金属興業社製)の粉末X線回折測定を行い、プロフィルフィッティングによって分割したピークのピーク位置を算出したところ、2θ=62〜76度内の最大ピークのピーク位置は68.5度、2θ=36〜44度内の最大ピークのピーク位置は40.3度であった。また、fcc構造と仮定して(220)面由来のピークから結晶子サイズを算出したところ3.9nmであった。この時、Scherrer定数としてK=0.94、βとしてピークの半値幅を用いた。
また、この触媒の性能を、電気化学測定によって0.5M硫酸、1Mメタノール中での25℃、0.5V(vs.RHE)条件下でのメタノール酸化電流値を測定したところ、測定開始後30分で3.5A/g-Ptを示した。
実施例1〜3,比較例1の粉末X線回折測定でのピーク位置とメタノール酸化電流値の測定結果を表1にまとめる。また、X線回折パターンとそのピーク分割結果および白金金属データとの比較を図1〜図6に示す。
a:ピーク分割結果
b:白金金属データ
b:白金金属データ
Claims (15)
- 少なくとも白金を含む燃料電池用触媒であって、粉末X線回折測定を行って得られる回折パターンにおいて、2θ=62〜76度内の最大ピークのピーク位置が65.1〜67.3度の範囲である、および/または、2θ=36〜44度内の最大ピークのピーク位置が39.0〜39.5度の範囲であることを特徴とする燃料電池用触媒。
- 少なくとも白金および第2の金属成分を含む触媒であって、粉末X線回折測定を行って得られる回折パターンにおいて、(220)面由来のピークから下記式に従って結晶子サイズを求めた際、その結晶子サイズが2.0nmよりも小さいことを特徴とする燃料電池用触媒。
D=K・λ/(β・cosθ)
D:結晶子サイズ、K:Scherrer定数、λ:測定X線波長、β:結晶子サイズによる回折線の拡がり、θ:ブラッグ角(回折角/2) - 請求項1および2に記載の要件を満たす燃料電池用触媒。
- 第2の金属成分として、ルテニウム、金、イリジウム、ロジウム、パラジウム、銀、鉄、コバルト、オスミウム、ニッケル、銅および亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用触媒。
- 前記第2の金属成分がルテニウムである請求項4に記載の燃料電池用触媒。
- 白金とルテニウムのモル組成比が4:1から1:4の間である請求項5に記載の燃料電池用触媒。
- 触媒中に含まれる金属成分のうち、白金が最大の重量分率を示す請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池用触媒。
- 担体として炭素材料を含んでいる請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池用触媒。
- 炭素担体に対する白金の担持量が25重量%以上である請求項8に記載の燃料電池用触媒。
- 透過型電子顕微鏡の観察で無作為に200個を抽出した前記触媒の金属粒子の円換算平均粒子径が20nm以下である請求項1〜9のいずれかに記載の燃料電池用触媒。
- アノード電極に使用される請求項1〜10のいずれかに記載の燃料電池用触媒。
- 前記燃料電池が直接アルコール形燃料電池である請求項1〜11のいずれかに記載の燃料電池用触媒。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の燃料電池用触媒を用いる燃料電池用電極。
- 請求項13に記載の燃料電池用電極を用いる膜電極複合体。
- 請求項14に記載の膜電極複合体を用いる燃料電池。
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JP2006225029A JP2007287648A (ja) | 2006-03-23 | 2006-08-22 | 燃料電池用触媒、燃料電池用電極、膜電極複合体および燃料電池 |
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JP2010075857A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Nippon Paint Co Ltd | 金属担持多孔質体、その製造方法、および金属担持多孔質体を含有する燃料電池電極用触媒 |
JP2010232149A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Toyota Motor Corp | 燃料電池用触媒層 |
US9006133B2 (en) | 2008-10-24 | 2015-04-14 | Oned Material Llc | Electrochemical catalysts for fuel cells |
CN109494381A (zh) * | 2017-09-12 | 2019-03-19 | 中国科学院大连化学物理研究所 | 一种单原子铁基碳材料及制备方法和电催化应用 |
-
2006
- 2006-08-22 JP JP2006225029A patent/JP2007287648A/ja active Pending
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