JP4790239B2 - 触媒層形成用インク、これを用いた電極及び膜電極接合体 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子電解質型燃料電池の製造に好適に採用可能な触媒層形成用インクに関する。さらに、本発明は、上記触媒層形成用インクを用いて得られるガス拡散電極、膜電極接合体、及びこれを備える高分子電解質型燃料電池に関する。
高分子電解質型燃料電池は、水素などの燃料ガスと空気などの酸化剤ガスを電気化学的に反応させて、電気と熱とを同時に発生させるものである。このような高分子電解質型燃料電池の一般的な基本構成を図8に模式的に示す。
図8に示す燃料電池2において、陽イオン(水素イオン)を選択的に輸送する陽イオン(水素イオン)伝導性高分子電解質膜100の両面には、白金などの貴金属からなる粒子状の電極触媒を担持した導電性炭素粒子、を主成分とする触媒層110aがホットプレスなどにより密着して配置されている。さらに、ガス通気性と導電性を兼ね備えたガス拡散層110bが、ホットプレスなどにより、触媒層110aの外面に密着して配置されている。この触媒層110aとガス拡散層110bとから、ガス拡散電極110が構成される。
ガス拡散電極110の外側には、導電性セパレータ板120a、120bが配置されている。導電性セパレータ板120a、120bは、水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜100とその両面に配置されたガス拡散電極110とから形成される膜電極接合体(MEA)を機械的に固定するとともに、隣接するMEA同士を互いに電気的に直列に接続する。この導電性セパレータ板120a、120bは、ガス拡散電極に反応ガスを供給し、かつ反応により発生したガスや余剰のガスを運び去るためのガス流路130a、130bを有する。
触媒層110aは、一般に、白金などの貴金属からなる電極触媒を担持した導電性炭素粒子と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質と、分散媒と、の混合物を、薄く成形することによって形成される。水素イオン伝導性を有する高分子電解質としては、パーフルオロカーボンスルホン酸が一般的に使用されている。
触媒層110aの形成法をより具体的に説明すると、まず、例えば白金などの貴金属からなる電極触媒を担持した導電性炭素粒子と、要すれば撥水剤あるいは撥水剤で被覆した導電性炭素粉末と、エタノールなどのアルコール系分散媒に水素イオン伝導性を有する高分子電解質を分散させた溶液と、を混合する。次に、この混合物に、イソプロピルアルコールまたはブチルアルコールなどの比較的高沸点の有機溶媒を添加し、触媒層形成用インクを調製する。
次に、この触媒層形成用インクをスクリーン印刷法、スプレー塗工法、ドクターブレード法などを用いて、高分子電解質膜100またはガス拡散層110bに塗布することによって、触媒層110aを形成する。
また、ポリプロピレンなどの高分子材料で構成される支持体シート上に、触媒層形成用インクを塗布・乾燥して、触媒層110aを形成してもよい。この場合、触媒層110aが配された支持体シートを、高分子電解質膜100に熱圧着し、触媒層110aを転写することによって、触媒層110aを高分子電解質膜100上に形成することもできる。
MEAは、高分子電解質膜100、触媒層110aおよびガス拡散層110bを積層して、ホットプレスにて熱圧着することによって作製することができる。
ところで、触媒層110aにおいては、反応ガスの供給路となる空隙と、水素イオン伝導性高分子電解質と、電子伝導体としての電極触媒とが形成する三相界面の反応面積の大きさが、電池の放電性能を左右する最も重要な因子のひとつである。この三相界面が大きく長時間安定であるほど、耐久性の高い燃料電池であると言える。
なかでも、三相界面の一つを構成する水素イオン伝導性を有する高分子電解質による水素イオンの伝導パス(プロトンネットワーク)を十分に確保することが、電極触媒との接触面積を増大させて、反応サイトを増大させるという理由から、重要となる。
例えば、特許文献1においては、導電性炭素粒子の細孔中にある白金をも水素イオン伝導性を有する高分子電解質(含フッ素カーボンスルホン酸イオン交換樹脂)で被覆できるようにすることを意図し、触媒層形成用インクに含まれる含フッ素カーボンスルホン酸イオン交換樹脂(高分子電解質)の分子量を小さくする技術(具体的には、イオン交換樹脂の前駆体の溶融押し出し温度を80〜170℃に調整する技術)が提案されている。より具体的には、高分子電解質を構成するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)型の主鎖骨格を短くする試みが提案されている。
また、特許文献2においては、分散媒によって触媒層形成用インクの形態(状態)を制御する試み、例えば、高分子電解質をコロイド化して白金を担持した導電性炭素粒子に吸着させる方法が提案されている。
特開2000−188110号公報 特開平08−264190号公報
しかしながら、上述の特許文献1及び2をはじめとする従来技術であっても、水素イオン伝導性を有する高分子電解質により、導電性炭素粒子の細孔内にある白金も被覆することができる可能性があるが、本来ガスが供給される触媒層内の空隙(ガス供給経路)にも、高分子電解質が多く存在するようになったり、触媒層形成用インクの塗工・乾燥工程によって得られる触媒層の厚み方向に高分子電解質が偏在したりすることがあった。このような状態の触媒層を用いて作製される電極は、サイクリックボルタンメトリーなどを用いて測定される静的な電気化学反応面積は増加するが、実際の発電に採用される電流領域(ガス拡散律速領域)における電圧向上は少なくなる。このことは、触媒層を含む電極におけるガス拡散性の低下をもたらし、フラッディングが生じやすくなる原因となる。
特に、上述の状態の触媒層を含む電極を備える燃料電池の場合、電池作動初期には、三相界面が良好に形成されていたとしても、時間が経つにつれて、フラッディングが発生し、電圧が低下してしまうこともあった。
次に、図面を用いて、上述の触媒層中において高分子電解質が偏在することについて更に詳しく説明する。ここで、図9(a)及び(b)は、従来の触媒層を模式的に示した断面図である。
従来の触媒層形成用インクには、図9(a)及び(b)に示されるように、貴金属からなる電極触媒210を担持した導電性炭素粒子220と、分子鎖が短い水素イオン伝導性高分子電解質230とが使用されている。
例えば、転写法によって触媒層を作製する場合、樹脂製の支持体シート240上に触媒層形成用インクを塗布すると、触媒層形成用インクが乾燥する間に、水素イオン伝導性を有する高分子電解質230が支持体シート240側に偏在する。そのため、水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜100に転写された触媒層110aは、ガス拡散層側(高分子電解質膜100とは反対側)に高分子電解質230が偏在した状態になり、電極のガス拡散性および耐フラッディング性が低くなる。
また、水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜100に触媒層110aを直接形成する場合でも、水素イオン伝導性高分子電解質膜近傍に、多くの水素イオン伝導性高分子電解質が存在するため、触媒層は、電気化学的反応に寄与しにくくなる。したがって、アノードではCO被毒による電圧低下が大きくなり、カソードでは高電流密度域での電圧低下が大きくなる。さらに、このような燃料電池は、特に、高加湿作動時におけるフラッディングによる電圧低下が大きくなる。
本発明は、以上の問題を鑑みてなされたものであり、十分なガス拡散性を有する触媒層を備え、長時間にわたってフラッディングの発生を十分に防止しつつ高い電池電圧を維持することのできる高分子電解質型燃料電池を容易かつ確実に得ることのできる触媒層形成用インクを提供することを目的とする。また、本発明は、長時間にわたってフラッディングの発生を十分に防止しつつ高い電池電圧を維持することのできる高分子電解質型燃料電池を容易かつ確実に得ることのできるガス拡散電極および膜電極接合体を得ることを目的とする。さらに、本発明は、長時間にわたってフラッディングの発生を十分に防止しつつ高い電池電圧を維持することのできる高分子電解質型燃料電池を得ることを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、触媒層形成用インク中における高分子電解質の状態が、これを用いて形成される触媒層中における高分子電解質の分布状態(良好な三相界面の構築に有効な高分子電解質の分布状態)に大きな影響を与える一つの要因になっていることを見出した。
更に、本発明者らは、触媒層形成用インク中における高分子電解質の平均慣性半径(以下、必要に応じて「平均慣性半径1」という)、又は、触媒層形成用インクに使用可能な分散媒中に分散した場合における高分子電解質の平均慣性半径(以下、必要に応じて「平均慣性半径2」という)が、上述の触媒層形成用インク中における高分子電解質の状態を示す指標として使用することが有効であることを見出した。
そして、本発明者らは、触媒層形成用インクに含有させる高分子電解質として特定の範囲の分子量を有する高分子電解質を選択するよりも、むしろ、上述の高分子電解質の平均慣性半径1、又は、高分子電解質の平均慣性半径2が、特定の範囲となる条件を満たす高分子電解質を触媒層形成用インクに含有させることが、これを用いて得られる触媒層中における高分子電解質の分布状態を良好な状態(高分子電解質の偏在を十分に低減された状態)とし、特に耐フラッディング性に優れた良好なガス拡散性を有する触媒層を容易かつ確実に形成する上で極めて有効であることを見出した。
更に、本発明者らは、従来の触媒層形成用インク中に含まれる高分子電解質よりも比較的大きな平均慣性半径(平均慣性半径1又は平均慣性半径2)を有する高分子電解質を用いて触媒層形成用インクを構成し、これを用いて触媒層を形成することが、上述の目的を達成する上で極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、上記課題を解決すべく、本発明は、陽イオン伝導性を有する高分子電解質と、電極触媒が担持された導電性炭素粒子からなる触媒担持粒子と、分散媒と、を少なくとも含み、高分子電解質は200,000〜400,000の平均分子量を有し、高分子電解質の平均慣性半径が150nm〜300nmであること、を特徴とする触媒層形成用インクを提供する。
上述のように、触媒層形成用インクに平均慣性半径が150〜300nmの高分子電解質を用いて触媒層を形成することにより、高分子電解質の偏在が少なくガス拡散性に優れた触媒層を容易かつ確実に得ることができ、高分子電解質による導電ネットワークを充分に確保しつつ電極触媒と反応ガスと高分子電解質とにより形成される三相界面を良好な状態で形成することができる。
また、この触媒層を用いることによって、長時間にわたって高い電池電圧を維持することのできるガス拡散電極、膜電極接合体および高分子電解質型燃料電池を得ることができる。
ここで、陽イオン伝導性(水素イオン伝導性)を有する高分子電解質の「慣性半径」とは、触媒層形成用インク又は分散媒中に存在する高分子鎖の重心からの広がりを表し、「平均慣性半径」とはその相加平均値を示す。同じ高分子鎖であっても、分散媒の種類によりその慣性半径は変化し得る。しかし、本発明においては、水素イオン伝導性高分子電解質分散液に、貴金属からなる電極触媒を担持した導電性炭素粒子を添加して触媒層形成用インクが調製されるとき、他の分散媒を添加することがないため、分散液における慣性半径2と触媒層形成用インクにおける慣性半径1とはほぼ同じであると考えられる。
平均慣性半径(1、2)が150nm未満である場合、触媒層形成用インクを用いて形成した触媒層において、高分子電解質の偏在化が生じる。そのため、触媒層のガス拡散性および電池電圧が低くなる。一方、平均慣性半径(1、2)が300nmを超えると、高分子電解質分散液に、電極触媒を担持した導電性炭素粒子とを混合したときに、高分子電解質が導電性炭素粒子の細孔に入ることができず、細孔内の電極触媒を高分子電解質で被覆することができなくなる。このため、三相界面の反応面積が小さくなり、電池電圧が低くなる。
慣性半径は、当該分野で公知の方法を用いて求めることができる。本発明においては、0.1〜1質量%の範囲の高分子電解質濃度の高分子電解質分散液をサンプルとして調製し、高分子電解質分散液中の高分子電解質の分子から発射される散乱光強度および角度依存性を静的光散乱法により測定することにより、慣性半径を得る。
なお、本発明において、「高分子電解質分散液」とは、高分子電解質が分散された状態の液の他に、高分子電解質が一部溶解し、他の一部が溶解せずに分散されている状態の液も含む。
また、本発明において、「分散媒」とは、以下の液体をいう。すなわち、使用される高分子電解質を分散可能な液体であってもよく、高分子電解質を溶解可能な液体であってもよく、高分子電解質を一部溶解可能で、他の一部は分散可能な液体であってもよい。
また、本発明は、陽イオン伝導性を有する高分子電解質と、電極触媒が担持された導電性炭素微粒子からなる触媒担持粒子と、分散媒と、を少なくとも含み、先に述べた本発明の触媒層形成用インクで形成された触媒層を有すること、
を特徴とするガス拡散電極を提供する。
上述の本発明のガス拡散電極は、先に述べた本発明の触媒層形成用インクを用いて形成された触媒層を有しているため、長時間にわたって高い電池電圧を維持することのできる膜電極接合体および高分子電解質型燃料電池を実現することができる。
ここで、本発明において、「ガス拡散電極」とは、(I)触媒層のみからなるものであってもよく、(II)ガス拡散層上に触媒層を形成したもの、つまりガス拡散層と触媒層との組合せであってもよい。
更に、本発明は、第1の触媒層を有する第1の電極と、第2の触媒層を有する第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に配置される水素イオン伝導性高分子電解質膜と、を含む膜電極接合体であって、
第1の触媒層および第2の触媒層の少なくとも一方が、陽イオン伝導性を有する高分子電解質と、電極触媒が担持された導電性炭素微粒子からなる触媒担持粒子と、分散媒と、を少なくとも含み、先に述べた本発明の触媒層形成用インクで形成されていること、
を特徴とする膜電極接合体を提供する。
上述の本発明の膜電極接合体は、先に述べた本発明の触媒層形成用インクを用いて形成された触媒層およびガス拡散電極を有しているため、長時間にわたって高い電池電圧を維持することのできる高分子電解質型燃料電池を実現することができる。
なお、第1の電極および第2の電極は、一方がアノードであり他方がカソードである。
更に、本発明は、上述の膜電極接合体と、前記膜電極接合体に反応ガスを供給するためのガス流路を有する一対の導電性セパレータ板と、を有することを特徴とする高分子電解質型燃料電池を提供する。
上述の本発明の高分子電解質型燃料電池は、先に述べた本発明の膜電極接合体を有しているため、長時間にわたって高い電池電圧を維持することができる。
本発明の触媒層形成用インクによれば、高分子電解質の偏在が少なくガス拡散性に優れた触媒層を得ることができ、電極触媒と反応ガスと高分子電解質との間の三相界面を良好な状態にすることができるとともに、高分子電解質による導電ネットワークを充分に確保することができる。また、この触媒層を用いることによって、長時間にわたって高い電池電圧を維持することのできるガス拡散電極、膜電極接合体および高分子電解質型燃料電池を得ることができる。
また、本発明のガス拡散電極によれば、上記の触媒層形成用インクを用いて形成した触媒層を有するため、高分子電解質の偏在が少なくガス拡散性に優れ、長時間にわたって高い電池電圧を維持することのできる膜電極接合体および高分子電解質型燃料電池を得ることができる。
更に、本発明の膜電極接合体によれば、上述の本発明のガス拡散電極を備えているので、長時間にわたって高い電池電圧を維持することができる。
また、本発明の高分子電解質型燃料電池は、上述の本発明の膜電極接合体を備えているので、長時間にわたって高い電池電圧を維持することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
図1は、本発明の高分子電解質型燃料電池の好適な一実施形態の基本構成を示す概略断面図である。ここで、図1に示す高分子電解質型燃料電池1は、本発明の触媒層形成用インクの好適な一実施形態を用いて形成されるガス拡散電極(本発明のガス拡散電極の好適な一実施形態)及び、当該ガス拡散電極を備える膜電極接合体(本発明の膜電極接合体の好適な一実施形態)を備えている。
図1に示す高分子電解質型燃料電池1は、水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜10と、触媒層11aおよびガス拡散層11bを有するガス拡散電極11と、それぞれガス流路13aおよび13bをそれぞれ有する導電性セパレータ板12aおよび12bと、ガスケット14と、シーリング部材15と、導電性セパレータ板12aおよび12bの間に形成された冷却水流路16と、から構成されている。
水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜10の両面には、白金などの貴金属からなる粒子状の電極触媒を担持した導電性炭素粒子を主成分とする触媒層11aがホットプレスなどの公知の製造技術により密着された状態で配置されている。さらに、ガス通気性と導電性を兼ね備えたガス拡散層11bが、ホットプレスなどの公知の製造技術により、触媒層11aの外面に密着された状態で配置されている。この触媒層11aとガス拡散層11bとから、ガス拡散電極(アノードまたはカソード)11が構成されている。さらに、高分子電解質膜10と、一対のガス拡散電極11とから、膜電極接合体が構成されている。
ガス拡散電極11の外側には、導電性セパレータ板12a、12bが配置されている。導電性セパレータ板12a、12bは、膜電極接合体MEAを機械的に固定するとともに、隣接するMEA同士を互いに電気的に直列に接続する。この導電性セパレータ板12a、12bは、ガス拡散電極に反応ガスを供給し、かつ反応により発生したガスや余剰のガスを運び去るためのガス流路13a、13bを有する。
また、水漏れを防止するためのシーリング部材15が、冷却水流路16を有する一対のセパレータ板12a、12bの間に配置される。
高分子電解質膜10は、アノード側の触媒層中で生成するプロトンを膜厚方向に沿ってカソード側の触媒層へ選択的に透過させる機能を有する。また、高分子電解質膜10は、アノードに供給される水素とカソードに供給される酸素が混じり合わないようにするための隔膜としての機能も有する。
セパレータ板12a、12bの材質としては、金属製、カーボン製、黒鉛と樹脂を混合した材料などがあり、幅広く使用することができる。
また、ガス拡散層を構成する材料としては、特に限定されることなく、当該分野で公知のものを使用することができる。例えばカーボンクロスやカーボンペーパを用いることができる。
次に、上述の触媒層11aの形成に使用される触媒層形成用インク(本発明の触媒層形成用インク)の好適な一実施形態について説明する。
この触媒層形成用インクは、貴金属からなる電極触媒を担持した導電性炭素粒子と、陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質と、分散媒と、を含むものである。そして、高分子電解質の平均慣性半径(1、2)が150〜300nmである。
高分子電解質としては、陽イオン交換基として、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、およびスルホンイミド基を有するものなどが好ましく挙げられる。水素イオン伝導性の観点から、スルホン酸基を有するものが特に好ましい。
スルホン酸基を有する高分子電解質としては、イオン交換容量が0.5〜1.5ミリ当量/g乾燥樹脂であるものことが好ましい。高分子電解質のイオン交換容量が0.5ミリ当量/g乾燥樹脂未満であると、得られた触媒層の抵抗値が発電時に上昇するおそれがあるので好ましくなく、イオン交換容量が1.5ミリ当量/g乾燥樹脂超であると、得られた触媒層の含水率が増大し、膨潤しやすくなり、細孔が閉塞するおそれがあるので好ましくない。イオン交換容量は0.8〜1.2ミリ当量/g乾燥樹脂が特に好ましい。
高分子電解質としては、CF2=CF−(OCF2CFX)m−Op−(CF2)n−SO3Hで表されるパーフルオロビニル化合物(mは0〜3の整数を示し、nは1〜12の整数を示し、pは0または1を示し、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を示す。)に基づく重合単位と、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位とを含む共重合体であることが好ましい。
上記フルオロビニル化合物の好ましい例としては、下記式(3)〜(5)で表される化合物が挙げられる。ただし、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、tは1〜3の整数を示す。
CF2=CFO(CF2q−SO3H ・・・(3)
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2r−SO3H ・・・(4)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))tO(CF22−SO3H ・・・(5)
なお、高分子電解質としては、具体的には、Aldrich社製の「ナフィオン」(商品名)や旭硝子(株)製の「フレミオン」(商品名)などが挙げられる。また、高分子電解質膜の構成材料として、上述した高分子電解質を用いてもよい。
ここで、上述のように、触媒層形成用インクに含まれる高分子電解質の平均慣性半径は150〜300nmである。平均慣性半径がこの範囲にあることにより、高分子電解質の偏在が少なくガス拡散性に優れた触媒層11aを容易かつ確実に得ることができ、電極触媒と反応ガスと高分子電解質との間の三相界面を良好な状態にすることができるとともに、高分子電解質による導電ネットワークを充分に確保することができる。
また、この触媒層11aを用いることによって、長時間にわたって高い電池電圧を維持することのできるガス拡散電極11、膜電極接合体MEAおよび高分子電解質型燃料電池1を得ることができる。
平均慣性半径が150nm未満である場合、触媒層形成用インクを用いて形成した触媒層において、高分子電解質の偏在化が生じるため、触媒層のガス拡散性および電池電圧が低くなる。
一方、平均慣性半径が300nmを超えると、高分子電解質分散液に、電極触媒を担持した導電性炭素粒子とを混合したときに、高分子電解質が導電性炭素粒子の細孔に入ることができず、細孔内の電極触媒を高分子電解質で被覆することができなくなる。このため、三相界面の反応面積が小さくなり、電池電圧が低くなる。
上述の平均慣性半径(1、2)の条件を満たす高分子電解質としては、200,000〜300,000の平均分子量を有するものであるのが好ましい。このような範囲の分子量を有する高分子電解質は、従来の燃料電池の触媒層に使用されている高分子電解質と比較して大きな慣性半径を有する。
このため、触媒層を形成するために触媒層形成用インクを塗工・乾燥する工程において、図2に示すように、高分子電解質23の偏在が発生しない。ここで、図2は、本発明の触媒層形成用インクを用いて形成される触媒層を模式的に示す断面図である。
本発明において使用される電極触媒は、導電性炭素粒子(粉末)に担持されて用いられ、金属粒子からなる。当該金属粒子としては、特に限定されず種々の金属を使用することができる。例えば、白金、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、クロム、鉄、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、亜鉛およびスズよりなる群から選択される1種以上のものが好ましい。なかでも、貴金属や白金との合金が好ましく、白金とルテニウムの合金が、触媒の活性が安定することから特に好ましい。
導電性炭素粒子は比表面積が50〜1500m2/gであることが好ましい。比表面積50m2/g未満であると、電極触媒の担持率を上げることが難しく、得られた触媒層の出力特性が低下するおそれのあることから好ましくなく、比表面積が1500m2/g超であると、細孔が微細すぎるために高分子電解質による被覆が難しくなり、得られた触媒層の出力特性が低下するおそれがあることから好ましくない。比表面積は200〜900m2/gが特に好ましい。
さらに、電極触媒の粒子は平均粒径1〜5nmであることがより好ましい。平均粒径1nm未満の電極触媒は工業的に調製が困難であるため好ましくなく、また、5nm超であると、電極触媒質量あたりの活性が低くなるため、燃料電池のコストアップにつながり好ましくない。
更に、導電性炭素粒子は平均粒径0.1〜1.0μmであることが好ましい。0.1μm未満であると、得られた触媒層が緻密な構造となりガス拡散性が低く、フラッディングを生じ易いため好ましくなく、1.0μm超であると、高分子電解質によって電極触媒を被覆しにくくなり被覆面積が減少して触媒層の性能が低下するため好ましくない。
本発明の触媒層形成用インクを調製するために用いる分散媒としては、高分子電解質を溶解または分散可能(高分子電解質が一部溶解した分散状態も含む)であるアルコールを含む液体を用いることが好ましい。
分散媒は、水、メタノール、プロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコールおよびtert―ブチルアルコールのうちの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。これらの水およびアルコールは単独でも使用してもよく、2種以上混合してもよい。アルコールは、分子内にOH基を1つ有する直鎖のものが特に好ましく、エタノールが特に好ましい。このアルコールには、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル結合を有するものも含まれる。
また、触媒層形成用インクは、固形分濃度0.1〜20質量%であることが好ましい。固形分濃度が0.1質量%未満であると、触媒層形成用インクの噴霧または塗布により触媒層を作製するにあたり、何回も繰り返し噴霧または塗布しなければ所定の厚さの触媒層が得られず生産効率が悪くなる。また、固形分濃度が20質量%超であると、混合液の粘度が高くなり、得られる触媒層が不均一となるおそれがある。固形分濃度で1〜10質量%であることが特に好ましい。
また、本発明では、固形分換算で、電極触媒と高分子電解質との質量比が、50:50〜85:15となるように触媒層形成用インクを調製することが好ましい。これにより、高分子電解質が効率よく電極触媒を被覆することができ、膜電極接合体を作製した場合に、三相界面を増大させることができるからである。また、この質量比において50:50より電極触媒の量が少ないと、担体である導電性炭素粒子の細孔が高分子電解質でつぶれてしまい、反応場が少なくなるため高分子電解質型燃料電池としての性能が低下するおそれがある。さらに、この質量比において85:15より触媒の量が多いと、高分子電解質による電極触媒の被覆が不充分になるおそれがあり、高分子電解質型燃料電池としての性能が低下するおそれがある。電極触媒と高分子電解質との質量比は、60:40〜80:20となるように調製することが特に好ましい。
更に、本発明の触媒層形成用インクは、1.5〜2.3Paの範囲のCasson降伏値を有することが好ましい。Casson降伏値がこの範囲にあれば、触媒層形成用インクを塗工・乾燥する工程において、高分子電解質の偏在が発生しにくく、また、触媒層形成用インクが塗工に適した粘度を有する。また、この触媒層形成用インクを用いれば、図2に示すように、高分子電解質23の偏在がない構造を有する触媒層を実現することができる。
Casson降伏値が、1.5未満では、塗工は可能であるが乾燥工程において高分子電解質の偏在が起こり易く、2.3を超えると、塗工が非常に困難になる傾向にある。
ここで、Casson降伏値について説明する。Casson降伏値とは、E型粘度計と呼ばれるコーンプレート型の回転粘度計により、測定・算出される触媒層形成用インクの特性値である。このCasson降伏値は、数式(6)のCasson式を用いて求めることができる。
また、下記数式(6)のCasson式は、下記(7)と下記(8)とが直線関係にあることを示している。下記数式(6)のCasson式で表される直線を外挿して、下記(7)の軸を切る点が、下記(9)であり、これを二乗することによってCasson降伏値が得られる。
Figure 0004790239
本発明の触媒層形成用インクは、上述した慣性半径の条件を満たす高分子電解質を用いること以外は、従来公知の方法に基づいて調製することができる。具体的には、ホモジナイザ、ホモミキサ等の撹拌機を使用したり、高速回転ジェット流方式を使用するなどの高速回転を使用する方法、高圧乳化装置などの高圧をかけて狭い部分から分散液を押出すことで分散液にせん断力を付与する方法などが挙げられる。
上述のようにして得られる本発明の触媒層形成用インクは、孔径0.2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過した場合において、当該メンブレンフィルター上に捕捉される高分子電解質の捕捉割合A(%)が、下記式(1)および下記式(2)の条件を同時に満たすこと、が好ましい。
50≦A≦90・・・(1)
A=(1−C/B)×100・・・(2)
[式(2)中、Bは、触媒層形成用インクにおける高分子電解質の質量/(触媒層形成用インクにおける高分子電解質の質量+触媒層形成用インクにおける分散媒の質量)、Cは、濾過後に得られる濾液中の高分子電解質の質量/濾液の質量)、を示す。]
上記のように、本発明の触媒層形成用インクを、調製後に孔径0.2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過した場合において、当該メンブレンフィルター上に捕捉される前記高分子電解質の捕捉割合A(%)を上述の式(1)の条件を満たすように調節すること{即ち、Aが50以上90以下}により、触媒層形成用インクに含まれる高分子電解質が少なくとも0.2μm(200nm)の好ましい平均慣性半径(1)を有することを事後的に確認することができる。したがって、上記の条件を満たす本発明の触媒層形成用インクを用いれば、高分子電解質の偏在が少なくガス拡散性に優れた触媒層を形成することができ、長時間にわたって高い電池電圧を維持することのできるガス拡散電極、膜電極接合体および高分子電解質型燃料電池を得ることができる。
ここで、Bは、{触媒層形成用インクにおける高分子電解質の質量/(触媒層形成用インクにおける高分子電解質の質量+触媒層形成用インクにおける分散媒の質量)}で表される。この値は、触媒層形成用インクの構成要素の組成比から求めることができる。
また、Cは、(濾過後に得られる濾液中の高分子電解質の質量/濾液の質量)で表される。この値は、例えば、濾液を乾燥することによって分散媒を除去し、高分子電解質の質量を測定すること等により求めることができる。なお、乾燥は、高分子電解質が分解せず、かつ分散媒が十分に除去される条件を実験的に求めて行う。また、濾液には触媒担持粒子が含まれないように濾過の条件を調節する。
ここで、式(1)の値A{=(1−C/B)×100}が50未満であると、触媒層形成用インクに含まれる高分子電解質の平均慣性半径(1)が小さいこととなり、高分子電解質が偏在し、ガス拡散性に優れた触媒層が得られにくく、90超であると、高分子電解質の平均慣性半径が大きすぎるため、導電性炭素粒子の細孔内に高分子電解質が入ることができず、反応面積が低下するため好ましくない。
なお、上記式(2)の値A{=(1−C/B)×100}を求める際には、B及びCの値は、それぞれの単位が同一となるようにそろえた値を使用する。
更に、本発明の触媒層形成用インクは、孔径1.0μmのメンブレンフィルターを用いて濾過した場合において、濾液を希釈して分析した、濾液に含まれる高分子電解質の平均慣性半径(2)が150〜300nmであること、を満たすことが好ましい。
上述のように、本発明の触媒層形成用インクを、調製後に孔径1.0μmのメンブレンフィルターを用いて濾過した場合において、濾液を希釈して分析した、濾液に含まれる高分子電解質の平均慣性半径が150〜300nmであれば、触媒層形成用インクに含まれる高分子電解質が好ましい平均慣性半径を有することを事後的に確認することができる。そして、上記の条件を満たす本発明の触媒層形成用インクを用いれば、高分子電解質の偏在が少なくガス拡散性に優れた触媒層を形成することができ、長時間にわたって高い電池電圧を維持することのできるガス拡散電極、膜電極接合体および高分子電解質型燃料電池を得ることができる。
ここで、調製後の触媒層形成用インクを孔径1.0μmのメンブレンフィルターを用いて濾過して得られる濾液は、上述のように、高分子電解質の濃度が0.1〜1質量%となるように希釈し、希釈後の濾液中の高分子電解質の分子から発射される散乱光強度および角度依存性を静的光散乱法により測定することにより求める。
次に、本発明の触媒層形成用インクを用いて触媒層を形成する際には、支持体シート上に触媒層を形成する。具体的には、触媒層形成用インクを支持体シート上に噴霧または塗布により塗工し、支持体シート上の触媒層形成用インクからなる液膜を乾燥させることにより触媒層を形成すればよい。
ここで、本発明のガス拡散電極は、(I)触媒層のみからなるものであってもよく、(II)ガス拡散層上に触媒層を形成したもの、つまりガス拡散層と触媒層との組合せであってもよい。
(I)の場合、支持体シートから剥離して得られる触媒層のみを製品(ガス拡散電極)として製造してもよく、支持体シート上に触媒層を剥離可能に形成したものを製品として製造してもよい。この支持体シートとしては、後述するように、触媒層形成用の混合液に対する溶解性を有しない合成樹脂製のシート、合成樹脂からなる層、金属からなる層を積層した構造を有するラミネートフィルム、金属性シート、セラミックスからなるシート、無機有機複合材料からなるシート、および高分子電解質膜などが挙げられる。
また、(II)の場合には、ガス拡散層と触媒層との間に撥水層などの他の層が1以上配置されたものであってもよい。さらに、触媒層のガス拡散層と反対側の面に上記支持体シートを剥離可能に接合したものを製品として製造してもよい。
支持体シートとしては、(i)高分子電解質膜、(ii)ガス拡散性および電子伝導性を有する多孔体からなるガス拡散層、または(iii)混合液に溶解しない特性を有する合成樹脂製のシート、合成樹脂からなる層、金属からなる層を積層した構造を有するラミネートフィルム、金属製シート、セラミックスからなるシート、および無機有機複合材料からなるシートのうちのうちのいずれか一つが挙げられる。
上記合成樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、およびポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。
触媒層を形成する際の混合液の塗工方法としては、アプリケータ、バーコータ、ダイコータ、スプレーなどを使用する方法や、スクリーン印刷法、グラビア印刷法などを適用することができる。
本発明の効果をより確実に得る観点から、膜電極接合体の2つの触媒層は、それぞれ独立に厚さが3〜50μmであることが好ましい。厚さ3μm未満であると、均一な触媒層の形成が困難になり、触媒量の不足による耐久性が低下するので好ましくなく、厚さが30μmを超えると、触媒層において供給されるガスが拡散しづらくなり、反応が進みづらくなるので好ましくない。本発明の効果をより確実に得る観点から、膜電極接合体の2つの触媒層は、それぞれ独立に厚さが5〜20μmであることが特に好ましい。
上述のような触媒層形成工程によって得られた触媒層は、ガス拡散電極、膜電極接合体および高分子電解質型燃料電池の製造に好適に用いることができる。
その際、支持体シートとして上記(i)の高分子電解質膜を用いた場合には、その両面に触媒層を形成して膜電極接合体を得、その後に、全体をカーボンペーパー、カーボンクロスまたはカーボンフェルトなどのガス拡散層で挟持し、ホットプレスなどで公知の技術により接合すればよい。
また、支持体シートとして上記(ii)のガス拡散層を用いた場合には、触媒層付きガス拡散層2枚で、触媒層が高分子電解質膜に面するように当該高分子電解質膜を挟持し、ホットプレスなどで公知の技術により接合すればよい。
さらに、上記(iii)の支持体シート上に触媒層を形成した場合には、触媒層付き支持体シートを高分子電解質膜およびガス拡散層のうちのうちの少なくとも1つに接触させ、支持体シートを剥離することによって触媒層を転写し、公知の技術により接合すればよい。
以下に、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
《実施例1〜3》
(a)触媒層形成用インクの調製
導電性炭素粒子(平均粒径:0.1〜1.0μm、田中貴金属工業(株)製のTEC10E50E)と電極触媒である白金との質量比が1:1である触媒担持粒子を、水素イオン伝導性の高分子電解質のエタノール分散液に、高分子電解質と導電性炭素との質量比が1:1となるように分散させ、カソード側の触媒層形成用インクを得た。
ここで、高分子電解質分散液における高分子電解質の濃度は、10質量%であった。また、水素イオン伝導性の高分子電解質としては、表1のA〜Cに示されるエタノール100%中の平均慣性半径(2)および分子量を有するパーフルオロカーボンスルホン酸(EW1100)を用いた。
電極触媒として白金代わりに白金ルテニウムを担持した導電性炭素粒子(平均粒径:0.1〜1.0μm、田中貴金属工業(株)製のTEC61E54E)を用いたこと以外は、上記カソード側の触媒層形成用インクと同様にして、アノード側の触媒層形成用インクを得た。
このとき、同じ電池に使用されるカソード側の触媒層形成用インクとアノード側の触媒層形成用インクとに含まれるパーフルオロカーボンスルホン酸の平均慣性半径は、同じにした。
Figure 0004790239
平均慣性半径の異なるパーフルオロカーボンスルホン酸を含む触媒層形成用インクについて、Casson降伏値を求めた。ここで、使用した回転粘度計のコーン径は、35mm、コーン角度2°であり、せん断速度は0.1〜100S-1の範囲で測定した。測定温度は25℃であった。また、各々の触媒層形成用インクの各成分の割合はすべて同じとし、触媒担持粒子16.6質量%、高分子電解質8.3質量%、エタノール75.1質量%とした。
各々の触媒層形成用インクについて、上述のCasson式を用いて計算したCasson降伏値を表1に示す。
次に、上記の触媒層形成用インクを調製した後、孔径0.2μmのメンブレンフィルター(アドバンテック東洋(株)製のセルロース混合エステルタイプメンブレンフィルター)を用いて濾過し、前記メンブレンフィルター上に捕捉される高分子電解質の捕捉割合A(%)を、下記式(2)に基づいて求めた。
A=(1−C/B)×100・・・(2)
なお、B値{=触媒層形成用インクにおける高分子電解質の質量/(触媒層形成用インクにおける高分子電解質の質量+触媒層形成用インクにおける分散媒の質量)は、濾過前の触媒層形成用インクに含まれる高分子電解質および分散媒の質量を測定して求めた。また、C値{=濾過後に得られる濾液中の高分子電解質の質量/濾液の質量)}は、濾液および濾液中の高分子電解質の質量を測定して求めた。
また、上記の触媒層形成用インクについて、孔径1.0μmのメンブレンフィルター(アドバンテック東洋(株)製のセルロース混合エステルタイプメンブレンフィルター)を用いて濾過して濾液を得、エタノールで高分子電解質の濃度が0.1〜1質量%となるように希釈し、上述のようにして平均慣性半径を求めたところ、触媒層形成用インクの調製に用いた高分子電解質分散液において測定した平均慣性半径とほぼ同じであった。
(b)ガス拡散電極および膜電極接合体(MEA)の作製
カソード側の触媒層形成用インクを、支持体シート(厚さ50μmのポリプロピレンシート)に、白金質量が0.35mg/cm2となるようにバーコーターで塗工し、室温で乾燥して、支持体シート上にカソード側の触媒層を形成した。
次に、このカソード側の触媒層付き支持体シートを、打ち抜き型で、所定のサイズ(60mm角)に切断した。この切断した支持体シート上に形成された触媒層を、水素イオン伝導性高分子電解質膜(ゴア社製のGore select膜)の一方の面に、130℃、50kg/cm2で熱転写した。
同様に、アノード側の触媒層形成用インクを、支持体シート(厚さ50μmのポリプロピレンシート)に、白金ルテニウム質量が0.35mg/cm2となるようにバーコーターで塗工し、室温で乾燥して、支持体シート上にアノード側の触媒層を形成した。
次に、このアノード側の触媒層付き支持体シートを、打ち抜き型で、所定のサイズ(60mm角)に切断した。この切断した支持体シート上に形成された触媒層を、上記水素イオン伝導性高分子電解質膜の他方の面に、130℃、50kg/cm2で熱転写した。
次いで、厚さ400μmのカーボンクロス(日本カーボン(株)製のGF−20−31E)をフッ素樹脂含有の水性分散液(ダイキン工業(株)製のネオフロンND1)に含浸し、室温で乾燥して撥水処理を施した。
続いて、蒸留水と界面活性剤であるTriton X−100とを混合した分散液に、導電性炭素粒子を分散して得られた混合液に、フッ素樹脂を含有する水性分散液(ダイキン工業(株)製のポリフロンD1)を添加し、プラネタリーミキサーにて攪拌混合し、撥水層用インクを調製した。ここで得た撥水層用インクは、73質量%の蒸留水、2質量%のTriton X−100、21質量%の導電性炭素粒子、および4質量%のフッ素樹脂を含有する水性分散液(ポリフロンD1)で構成されていた。
上記のように撥水処理を施したカーボンクロスの一方の面に、ドクターブレード法を用いて、撥水層用インクを、インク固形分塗布質量が4mg/cm2となるように塗布し、室温で乾燥した。乾燥後、380℃で10分間焼成し、撥水層を形成した。
このようにして得た撥水層付きカーボンクロスを、ガス拡散層として用いるために、所定のサイズ(60mm角)の打ち抜き型で打ち抜いた。このように打ち抜いて得たガス拡散層を、水素イオン伝導性高分子電解質膜の両面の触媒層の上に、それぞれ撥水層を内側に向けて前記触媒層に面するように配置した。
更に、触媒層とガス拡散層とからなるガス拡散電極の周縁部に、シリコーンゴム/ポリエチレンテレフタレート/シリコーンゴムの3層構造を有する複合ガスケットを位置合わせして配置した。
そして、高分子電解質膜、2つの触媒層、2つのガス拡散層およびガスケットを、130℃、50kgf/cm2で10分間熱圧着し、膜電極接合体(MEA)を得た。平均慣性半径が異なるパーフルオロカーボンスルホン酸を含むMEAを用いて構成した単電池を、それぞれ電池A、BおよびCとした。
《比較例1および2》
また、水素イオン伝導性高分子電解質を表1のD〜Eに示す分子量および平均慣性半径にしたこと以外は、実施例1と同様にして、MEAならびに比較電池1および2を得た。
[評価]
以上のようにして作製した、電池A〜Cおよび比較電池1〜2を、以下のようにして、評価した。
(1)触媒層における高分子電解質の断面方向分布測定
まず、上記実施例および比較例において、支持体(ポリプロピレンシート)に塗工・乾燥して形成された触媒層の断面方向における伝導性高分子電解質の分布を、EPMA(エレクトロン・プローブ・マイクロアナライザー)を用いて調べた。
測定結果から、支持体シート側および触媒層表面側における、導電性炭素粒子に対する高分子電解質(パーフルオロカーボンスルホン酸)の質量比率(高分子電解質/導電性炭素粒子)を計算した。得られた結果を図3に示す。図3は、実施例および比較例の電池における触媒層の断面方向の高分子電解質の分布を表すグラフである。
高分子電解質の平均慣性半径が大きく、また触媒層形成用インクのCasson降伏値が大きくなるにしたがい、触媒層の断面方向における水素イオン伝導性高分子電解質の分布が均一化された。つまり、触媒層形成用インクの高分子電解質/導電性炭素粒子比率(=1.0)に近づいた。
これは、水素イオン伝導性高分子電解質の平均慣性半径を大きくすることにより、触媒層形成用インクの塗工後の流動を抑制することができたためと考えられる。
(2)電池初期特性
電池温度を70℃として、電池A〜Cおよび比較電池1〜2について、初期I−V特性を測定した。このとき、露点が70℃となるように加湿した水素(H2)を1気圧でアノードに供給し、露点が70℃となるように加湿した空気を常圧でカソードに供給した。また、水素利用率を70%、酸素利用率を50%とした。得られた結果を図4に示す。
図4は、実施例および比較例の電池にH2および空気を供給している時の初期I−V特性をである。ここで、グラフaは電池Aを示し、グラフbは電池Bを示し、グラフcは電池Cを示し、グラフdは比較電池1を示し、グラフeは比較電池2を示す(図5〜図7においても同様)。
図4より、比較電池1〜2と比較して、電池A〜Cの電池電圧が高いことがわかる。特に高電流密度域において電池A〜Cの電池電圧と比較電池1〜2の電池電圧との差が大きくなっていることから、触媒層の断面方向における水素イオン伝導性高分子電解質の偏在が改善され、カソードにおけるガス拡散性が向上されたためであると考えられる。
また、比較電池2においては、水素イオン伝導性高分子電解質の平均慣性半径が大きすぎるため、導電性炭素粒子の細孔内に高分子電解質が入ることができず、このため、触媒層内の反応面積が低下して、全電流密度において、電池電圧が低くなったと考えられる。
次に、H2の代わりに改質模擬ガス(SRG)(H2:70%、CO2:20%、CO:20ppm)を用いて、電池温度70℃において、上記と同様に、電池A〜Cおよび比較電池1〜2の初期I−V特性を測定した。ここでは、露点が70℃となるように加湿した改質模擬ガスを1気圧でアノードに供給し、露点が70℃となるように加湿した空気を常圧でカソードに供給した。このときの水素利用率を70%とし、酸素利用率を50%とした。得られた結果を図5に示す。図5は、実施例および比較例の高分子電解質型燃料電池のSRG/空気供給時の初期I−V特性を示す。
さらに、水素による発電電圧とSRGによる発電電圧との電圧差ΔVを図6に示す。図6は、実施例および比較例の高分子電解質型燃料電池の、水素を使用した場合の電圧とSRGを使用した場合の電圧との差ΔVを示す。
図5より、比較電池1〜2の電池電圧と比較して、電池A〜Cの電池電圧の方が高いことがわかる。これも、燃料ガスとして水素を使用した場合と同様に、触媒層の断面方向における水素イオン伝導性高分子電解質の偏在が改善され、カソードにおけるガス拡散性が向上されたためであると考えられる。
また、図6より、SRGを使用することによる電圧低下は、電池A〜Cでは小さいことがわかる。この結果から、アノードにおいても、ガス拡散性が向上しており、耐CO被毒が改善されているものと考えられる。
(3)電池耐久性
電流密度が0.2A/cm2である場合の耐久試験を行った。このとき、露点が70℃となるように加湿した改質模擬ガス(SRG)(H2:70%、CO2:20%、CO:20ppm)を1気圧でアノードに供給し、露点が70℃となるように加湿した空気を常圧でカソードに供給した。このときの水素利用率を70%とし、酸素利用率を50%とした。得られた結果を図7に示す。図7は、実施例および比較例の高分子電解質型燃料電池における、定電流密度(0.2A/cm2)での電圧の経時変化を示すグラフである。
図7から、比較電池1〜2においては、時間の経過につれて、電圧低下の割合が大きくなっていることがわかる。しかし、電池A〜Cは、長時間経過後も、初期の高電圧を維持している。この結果から、本発明の触媒層を用いた燃料電池が、長時間にわたり安定した電圧を維持できることがわかる。
本発明の触媒層形成用インクを用いれば、長時間にわたり安定した高い電圧を維持できる燃料電池を提供することができる。この燃料電池は、高分子電解質を用いた自動車用燃料電池、高分子電解質型燃料電池を用いた家庭用コージェネレーションシステム等に好適に用いることができる。
本発明の高分子電解質型燃料電池の好適な一実施形態の基本構成を示す概略断面図である。 本発明の触媒層形成用インクを用いて形成される触媒層を模式的に示す断面図である。 実施例および比較例の電池における触媒層の断面方向の水素イオン伝導性高分子電解質の分布を表すグラフである。 実施例および比較例の高分子電解質型燃料電池のH2/空気供給時の初期I−V特性を示すグラフである。 実施例および比較例の高分子電解質型燃料電池のSRG/空気供給時の初期I−V特性を示すグラフである。 実施例および比較例の高分子電解質型燃料電池の、水素を使用した場合の電圧とSRGを使用した場合の電圧との差ΔVを示すグラフである。 実施例および比較例の高分子電解質型燃料電池における、定電流密度(0.2A/cm2)での電圧の経時変化を示すグラフである。 従来の高分子電解質型燃料電池の一例の基本構成を示す概略断面図である。 従来の触媒層を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10 高分子電解質膜
11 ガス拡散電極
11a 触媒層
11b ガス拡散層
12 導電性セパレータ板
13 ガス流路
14 ガスケット
15 シーリング部材
16 冷却水流路
210 電極触媒
220 導電性炭素粒子
230 高分子電解質
240 支持体シート
250 高分子電解質膜

Claims (10)

  1. 陽イオン伝導性を有する高分子電解質と、電極触媒が担持された導電性炭素粒子からなる触媒担持粒子と、分散媒と、を少なくとも含み、
    前記高分子電解質は200,000〜400,000の平均分子量を有し、
    前記高分子電解質の平均慣性半径が150nm〜300nmであること、を特徴とする触媒層形成用インク。
  2. Casson降伏値が1.5〜2.3Paであること、を特徴とする請求項1に記載の触媒層形成用インク。
  3. 前記触媒担持粒子の平均粒径が0.1〜1.0μmであること、を特徴とする請求項1または2に記載の触媒層形成用インク。
  4. 孔径0.2μmのメンブレンフィルターを用いて濾過した場合において、前記メンブレンフィルター上に捕捉される前記高分子電解質の捕捉割合A(%)が、下記式(1)および下記式(2)の条件を同時に満たすこと、を特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかに記載の触媒層形成用インク。
    50≦A≦90・・・(1)
    A=(1−C/B)×100・・・(2)
    [式(2)中、Bは、前記高分子電解質の質量/(前記高分子電解質の質量+前記分散媒の質量)、Cは、前記高分子電解質の質量/前記濾過後に得られる濾液の質量)、を示す。]
  5. 孔径1.0μmのメンブレンフィルターを用いて濾過した場合において、濾液を希釈して分析した、前記濾液に含まれる前記高分子電解質の平均慣性半径が150〜300nmであること、を特徴とする請求項1〜4のうちのいずれかに記載の触媒層形成用インク。
  6. 前記分散媒が、水、メタノール、プロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコールおよびtert―ブチルアルコールからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいること、を特徴とする請求項1〜5のうちのいずれかに記載の触媒層形成用インク。
  7. 陽イオン伝導性を有する高分子電解質と、電極触媒が担持された導電性炭素粒子からなる触媒担持粒子と、分散媒と、を少なくとも含み、
    前記高分子電解質は200,000〜400,000の平均分子量を有する、式:
    CF 2 =CF−(OCF 2 CFX) m −O p −(CF 2 n −SO 3
    〔式中、mは0〜3の整数を示し、nは1〜12の整数を示し、pは0または1を示し、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を示す。〕
    で表されるパーフルオロビニル化合物に基づく重合単位と、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位と、を含む共重合体であり、
    前記分散媒は、水、メタノール、プロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコールおよびtert―ブチルアルコールからなる群より選択される少なくとも1種を含み、
    前記高分子電解質の平均慣性半径が150nm〜300nmであること、を特徴とする請求項1に記載の触媒層形成用インク。
  8. 陽イオン伝導性を有する高分子電解質と、電極触媒が担持された導電性炭素微粒子からなる触媒担持粒子と、分散媒と、を少なくとも含み、請求項1〜のうちのいずれかに記載の触媒層形成用インクで形成された触媒層を有すること、を特徴とするガス拡散電極。
  9. 第1の触媒層を有する第1の電極と、第2の触媒層を有する第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置される高分子電解質膜と、を含む膜電極接合体であって、
    前記第1の触媒層および前記第2の触媒層の少なくとも一方が、陽イオン伝導性を有する高分子電解質と、電極触媒が担持された導電性炭素微粒子からなる触媒担持粒子と、分散媒と、を少なくとも含み、請求項1〜のうちのいずれかに記載の媒層形成用インクで形成されていること、を特徴とする膜電極接合体。
  10. 請求項9記載の膜電極接合体と、前記膜電極接合体に反応ガスを供給するためのガス流路を有する一対の導電性セパレータ板と、を有することを特徴とする高分子電解質型燃料電池。
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