JP4934639B2 - ボンネット衝撃吸収装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の衝突時にボンネットの後端部を押し上げて、そのボンネットの上面に歩行者等の衝突体が打ち付けられたときに、ボンネットの後端部の降下を許容し、衝突体への衝撃を軽減するボンネット衝撃吸収装置に関する。
従来、この種のボンネット衝撃吸収装置は、ボンネットの後端部の下面に凹状受面を設けて、そこに押上ロッドの先端部を当接させる構成になっている。また、押上ロッドの基端部の側面には、切り欠き部が形成されている。そして、押上ロッドがボンネットの後端部を押し上げた状態でボンネットの上面に衝突体(例えば、歩行者)が打ち付けられると、押上ロッドが切り欠き部で破断し、その破断によって衝撃のエネルギーを吸収(消費)していた(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−115680号公報(段落[0070]、[0074],第10図、第12図)
ところで、上記した従来のボンネット衝撃吸収装置では、押上ロッドは、凹状受面によって先端部の横ずれを防がれた状態で衝突体からの荷重を受けるので、その荷重は軸方向を向いた軸荷重になる。そして、押上ロッドが軸荷重を受けてから破断する迄の変形量は、例えば、押上ロッドが曲げ荷重を受けて変形する場合に比べて非常に小さい。このため、ボンネットが僅かに降下する間に衝撃のエネルギーが押上ロッドの破断によって吸収されて衝突速度が急減速されることになり、衝突体への衝撃を十分に軽減することができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、衝突体がボンネットから受ける衝撃を従来より軽減させることが可能なボンネット衝撃吸収装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るボンネット衝撃吸収装置(40)は、車両(10)の衝突時にボンネット(13)の後端部を押し上げて、そのボンネット(13)の上面に衝突体(90)が打ち付けられたときに、ボンネット(13)の後端部の降下を許容し、衝突体(90)への衝撃を軽減するボンネット衝撃吸収装置(40)において、車両(10)のうちボンネット(13)を除く車両本体(10H)に組み付けられたアクチュエータ(50)と、アクチュエータ(50)に直動可能に設けられ、通常時には、ボンネット(13)の下方の待機位置で待機し、車両(10)の衝突時には、待機位置より上方の作用位置に移動して保持され、ボンネット(13)の後端部を上限位置まで押し上げた状態にする押上ロッド(52)と、ボンネット(13)に設けられて押上ロッド(52)の先端部(52H)が当接し、ボンネット(13)の後端部が上限位置から下方に移動する間に押上ロッド(52)の先端部(52H)を摺接移動させて押上ロッド(52)の基端部を折り曲げるロッド摺接部(34R,32W)と、ロッド摺接部(34R,32W)に設けられて、押上ロッド(52)の先端部(52H)の摺接移動方向を向いた第1のベクトル(V1)と、押上ロッド(52)の基端部から先端部(52H)に向かった第2のベクトル(V2)との間の角度である摺接角(θ)が、摺接移動が進むに従って減少すると共に、押上ロッド(52)の先端部(52H)との間の摩擦係数が、摺接移動が進むに従って大きくなる徐変摺接領域(34R)と、が備えられたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のボンネット衝撃吸収装置(40)において、押上ロッド(52)は待機位置から後側斜め上方に向かって上昇して作用位置に到達するところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のボンネット衝撃吸収装置(40)において、一端部がボンネット(13)の下面に固定されると共に、他端部が車両本体(10H)に対して回動可能に連結され、ボンネット(13)の前端部が車両本体(10H)から切り離されたときに、ボンネット(13)と一体に回転してボンネット(13)の前端部を上方に移動可能とするヒンジアーム(32)と、ヒンジアーム(32)のうちボンネット(13)側の一端部に設けられ、ボンネット(13)の後端部が上限位置に移動した際に屈曲した状態に変形し、ボンネット(13)の後端部が上限位置から下方に移動する間に屈曲を戻す側に変形して衝撃を軽減するヒンジ変形部(33)とを備えたところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項3に記載のボンネット衝撃吸収装置(40)において、ヒンジ変形部(33)には、ボンネット(13)の下面に重ねて固定されると共に、ボンネット(13)の後端部が上限位置に移動した際に屈曲した状態に変形する平板部(34)と、平板部(34)から起立し、平板部(34)の屈曲部分と対応した位置にスリット(37)を有した補強リブ(35A,35B)とが備えられたところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項3又は4に記載のボンネット衝撃吸収装置(40)において、平板部(34)に設けられて、ボンネット(13)の下面に重ねて固定された前側平坦部(34F)と、平板部(34)に設けられて、通常は、前側平坦部(34F)に対して面一状に連続し、ボンネット(13)の後端部が上限位置に移動する動作に伴って前側平坦部(34F)から下方に屈曲する後側平坦部(34R)と、後側平坦部(34R)のうち前側平坦部(34F)と反対側の端部から下方に湾曲したアーム中間湾曲部(32W)とを備え、押上ロッド(52)が待機位置から作用位置に移動する間に押上ロッド(52)の先端部(52H)が前側平坦部(34F)から後側平坦部(34R)へと摺接移動し、ボンネット(13)の後端部が上限位置から降下したときに、後側平坦部(34R)及びアーム中間湾曲部(32W)をロッド摺接部(34R,32W)として押上ロッド(52)の先端部(52H)が摺接移動するところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項1又は2に記載のボンネット衝撃吸収装置(40)において、ロッド摺接部(34R,32W)に連続し、押上ロッド(52)が待機位置から作用位置に移動する間に押上ロッド(52)の先端部(52H)が摺接する上昇摺接部(34F)を設け、押上ロッド(52)の先端部(52H)に対する上昇摺接部(34F)の摩擦係数をロッド摺接部(34R,32W)の摩擦係数より小さくしたところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載のボンネット衝撃吸収装置(40)において、ロッド摺接部(34R,32W)を通過した押上ロッド(52)を、ボンネット(13)の降下に伴う負荷から解放するための負荷解放部(13X)を設けたところに特徴を有する。
[請求項1の発明]
請求項1のボンネット衝撃吸収装置(40)では、車両(10)の衝突時に、押上ロッド(52)が待機位置より上方の作用位置に移動して保持され、ボンネット(13)の後端部が上限位置に押し上げられた状態になる。この状態で、ボンネット(13)の上面に衝突体(90)が打ち付けられると、ボンネット(13)の後端部が降下して、押上ロッド(52)の先端部(52H)がボンネット(13)におけるロッド摺接部(34R,32W)を摺接移動し、押上ロッド(52)の基端部が折り曲げられる。このように本発明では、ボンネット(13)の後端部を降下させる過程で押上ロッド(52)を徐々に折り曲げるので、従来より押上ロッド(52)の変形量が大きくなり、衝突体(90)の衝突速度を徐々に減速することができる。このとき、衝撃のエネルギーは、押上ロッド(52)の曲げ変形によって吸収(消費)されるのみならず、押上ロッド(52)の先端部(52H)とロッド摺接部(34R,32W)との間の摩擦を受けながらの移動(即ち、摺接移動)によっても吸収される。
また、本発明の構成によれば、押上ロッド(52)の先端部(52H)は、ロッド摺接部(34R,32W)における徐変摺接領域(34R)を摺接移動すると、その摺接移動方向を向いた第1のベクトル(V1)と、押上ロッド(52)の基端部から先端部(52H)に向かった第2のベクトル(V2)との間の角度である摺接角(θ)が、摺接移動が進むに従って減少する。そして、摺接角(θ)が減少すると、ロッド摺接部(34R,32W)の摺接面に対して垂直な押し付け力も減少する。しかしながら、徐変摺接領域(34R)では、押上ロッド(52)の先端部(52H)との間の摩擦係数が、摺接移動が進むに従って大きくなるので、押上ロッド(52)の先端部(52H)が徐変摺接領域(34R)を摺接移動する間の摩擦力の減少が抑えられる。この点においても、本発明によれば、衝突体(90)の衝突速度を徐々に減速することができ、衝突体がボンネットから受ける衝撃を従来より軽減させることができる。
[請求項2の発明]
請求項2の構成では、押上ロッド(52)は待機位置から後側斜め上方に向かって上昇して作用位置に到達するので、ロッド摺接部(34R,32W)における摺接面に対して押上ロッド(52)の軸方向が確実に傾斜した状態になる。これにより、ボンネット(13)の後端部を降下させた際に、押上ロッド(52)をロッド摺接部(34R,32W)に対して確実に後方に摺接移動させることができる。
[請求項3の発明]
請求項3の構成では、ボンネット(13)を開放する際には、ボンネット(13)の前端部を車両本体(10H)から切り離し、ヒンジアーム(32)と共にボンネット(13)を車両本体(10H)に対して回動させながら、ボンネット(13)の先端部(52H)を上方に移動すればよい。そして、車両(10)が衝突した際に、押上ロッド(52)がボンネット(13)の後端部を上方に押圧すると、ヒンジアーム(32)のヒンジ変形部(33)が屈曲して、ボンネット(13)の上端部が上限位置に移動することが許容される。また、衝突体(90)がボンネット(13)の上面に打ち付けられた際には、ヒンジアーム(32)のヒンジ変形部(33)が屈曲を元に戻す方向に変形するので、その変形によって衝撃のエネルギーが吸収され、衝撃を軽減することができる。
[請求項4の発明]
請求項4の構成によれば、ヒンジアーム(32)のヒンジ変形部(33)における補強リブ(35A,35B)がスリット(37)によって分断されているので、ヒンジ変形部(33)の平板部(34)における屈曲位置が安定する。
[請求項5の発明]
請求項5の構成によれば、ヒンジアーム(32)のヒンジ変形部(33)に備えた後側平坦部(34R)とアーム中間湾曲部(32W)をロッド摺接部(34R,32W)として利用したので、部品点数の削減が図られる。また、押上ロッド(52)が待機位置から作用位置に移動するまでの間に、押上ロッド(52)の先端部(52H)が前側平坦部(34F)から後側平坦部(34R)へと摺接移動するので、仮にボンネット(13)の後端部が押し上げられる途中で衝突体(90)がボンネット(13)の上面に打ち付けられても、ボンネット(13)の後端部が上昇する動作から降下する動作にスムーズに移行し、衝撃を軽減することができる。
[請求項6の発明]
請求項6の構成によれば、押上ロッド(52)が待機位置から作用位置に移動するまでの間に押上ロッド(52)の先端部(52H)が上昇摺接部(34F)からロッド摺接部(34R,32W)へと摺接移動するので、仮にボンネット(13)の後端部が押し上げられる途中で衝突体(90)がボンネット(13)の上面に打ち付けられても、ボンネット(13)の後端部が上昇する動作から降下する動作にスムーズに移行し、衝撃を軽減することができる。
[請求項7の発明]
請求項7の構成によれば、ボンネット(13)の後端部が下限到達するまでの間に押上ロッド(52)の先端部(52H)が負荷解放部(13X)に逃げ込み、押上ロッド(52)が折れることが防がれる。これにより、折れた押上ロッド(52)によって車両本体(10H)が損傷することが防がれる。
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図15に基づいて説明する。図1に示した車両10は、前側にエンジン11を収容したエンジンルーム12を備え、そのエンジンルーム12の上面がボンネット13によって閉塞されている。
ボンネット13の後端部は、ヒンジ機構30によって車両本体10Hに連結される一方、ボンネット13の前端部はロック機構20によって車両本体10Hに連結されている。ロック機構20は、図4に示すように、ボンネット13の横方向における中央に配置され、図1に示すように、ボンネット13の前端部における下面に設けたストライカ21と、エンジンルーム12の前端部における内壁12Wに組み付けられたロック装置22とからなる。そのストライカ21は、丸棒を門形に湾曲変形させた形状になっている。ロック装置22は、ストライカ21と噛み合って回動するラッチ(図示せず)と、そのラッチの回動を規制するラチェット(図示せず)とを有している。また、通常は、ラッチがストライカ21に噛み合って係合した状態で、そのラッチの回動をラチェットにて規制し、ボンネット13の前端部が車両本体10Hに保持されている。そして、車内の操作レバーを操作すると、ラチェットによるラッチの回動規制が解除されて、ボンネット13の前端部が車両本体10Hから上方に離脱可能になる。
図4に示すように、ヒンジ機構30は、ボンネット13の後端部おける両側部に対をなして配置されている。図1に示すように、ヒンジ機構30は、エンジンルーム12の内壁12Wに固定された支持スタンド31と、支持スタンド31に回動可能に連結されたヒンジアーム32とを備えてなる。なお、支持スタンド31及びヒンジアーム32は、共に板金の成形品である。
図9に示すように、支持スタンド31は、エンジンルーム12の内壁12Wにおける上面にボルトにて固定されている。また、支持スタンド31は、車両本体10Hのうちボンネット13の後方における車両外壁12Gの下方に位置している。さらに、支持スタンド31の上端部には、車両10の横方向に貫通した支軸孔31K(図5参照)が形成され、そこに貫通した回転支持軸31Jによってヒンジアーム32が支持スタンド31に回転可能に連結されている。
図9に示すようにボンネット13を閉じた状態を基準にして、ヒンジアーム32の形状を説明すると以下のようである。ヒンジアーム32は、支持スタンド31との連結部分から前側斜め下方に延びた後、V字状に折り曲げられて前側斜め上方に延び、さらにその上端部が、斜め下方に向けて折り曲げられてボンネット13の下面と平行に延びている。また、ヒンジアーム32のうちボンネット13の下面と平行に延びた部分が、本発明に係るヒンジ変形部33になっており、そのヒンジ変形部33がボンネット13の後端部における下面にボルトB1,B2にて固定されている。そして、ロック機構20(図1参照)のストライカ21とロック装置22との係合を解除してボンネット13の前端部を上方に移動すると、図10に示すように、ボンネット13がヒンジアーム32と一体になって回転支持軸31Jを中心にして回動し、図2に示すように、エンジンルーム12の上面開口が開放される。また、ボンネット13が開放側の端部まで回動すると、図10に示すように、ヒンジアーム32におけるV字状の屈曲部の内側に車両外壁12Gが受容され、ボンネット13の後端部が車両外壁12Gの上方に位置する。このように、ヒンジアーム32にエルボー屈曲部32Aを設けたことで、ヒンジアーム32の回動範囲が広く確保されている。なお、ヒンジアーム32のうち上記したV字状の屈曲部を、以下、「エルボー屈曲部32A」といい、ヒンジ変形部33寄りの屈曲部を、以下、「リスト屈曲部32B」という。
ヒンジアーム32のうちヒンジ変形部33を除く全体は断面L字構造をなしている。具体的には、ヒンジアーム32は、回転支持軸31Jが貫通したアーム縦壁32Gと、そのアーム縦壁32Gの上縁部から車両10の横方向の中央側に向かって突出したアーム横壁32Hとから構成されている(図10参照)。また、図5に示すように、ヒンジアーム32の基端部には、ストッパ壁32Sが設けられている。ストッパ壁32Sは、アーム縦壁32Gの縁部から突出した突片を支持スタンド31側に直角曲げしてなる。そして、図10に示すように、ボンネット13が可動範囲における開放端に位置した際に、ストッパ壁32Sが支持スタンド31に備えた待受壁31Sに当接して位置決めされる。
図5に示すように、ヒンジアーム32を上方から見ると、ヒンジアーム32のうち後端部から中間部分に亘る範囲がクランク状に屈曲して支持スタンド31から車両10の幅方向の中央側に離れている。また、ヒンジアーム32のうちリスト屈曲部32Bでは、アーム横壁32Hの横幅がヒンジ変形部33に向かうに従って徐々に広くなっている。
図8(A)に示すように、ヒンジ変形部33は、アーム横壁32Hに連続しかつ平坦になった平板部34を有している。平板部34は、前後方向の後端部から中間部に向かって徐々に幅広になり、中間部から前端部に亘って均一幅になっている。詳細には、図5に示すように、平板部34における横方向の外側に位置した外側縁部34Xは、リスト屈曲部32Bから斜め前方外側に延び、平板部34における横方向の内側に位置した内側縁部34Yは、リスト屈曲部32Bから前後方向と平行に延びている。そして、内側縁部34Yは、途中で外側縁部34Xから離れる側にクランク状に屈曲している。また、外側縁部34Xは、内側縁部34Yにおけるクランク状屈曲部38より前方まで斜め外側に延びてから、途中で内寄りに屈曲して前後方向と平行に延びている。
平板部34の外側縁部34Xには、前後方向に延びた部分の中間位置にスリット37が形成され、そのスリット37の奥面37Zは丸みを帯びている。また、内側縁部34Yにおけるクランク状屈曲部38のうち外側縁部34X寄りの角部内面38Zも丸みを帯びている。そして、スリット37の奥面37Zとクランク状屈曲部38の角部内面38Zとを結ぶ架空の折曲直線39を境にして、平板部34のうち折曲直線39より前側部分が本発明に係る前側平坦部34F(本発明に係る「上昇摺接部」に相当する)になっており、折曲直線39より後側部分が本発明に係る後側平坦部34R(本発明の「ロッド摺接部」及び「徐変摺接領域」にも相当する)になっている。そして、後述するアクチュエータ50によってボンネット13の後端部が押し上げられると、図8(A)から図8(B)の変化に示すように、後側平坦部34Rが前側平坦部34Fに対して下方に折り曲げられる。
前側平坦部34Fには、内側縁部34Y寄り位置に、取付孔34D,34Eが前後に並べて設けられている。また、前側の取付孔34Dは、長孔形状になっており、平板部34の前縁部は取付孔34Dに対応した部分が張り出している。そして、これら取付孔34D,34Eに挿通したボルトB1,B2(図7参照)をボンネット13の下面に締め付けてヒンジ変形部33がボンネット13の後端部に固定されている。そして、ボンネット13が閉じた状態で、平板部34は、水平方向に対して若干後ろ上がりに傾斜した状態になっている。
図8(A)に示すように、平板部34のうちスリット37より後側の外側縁部34Xからは、アーム縦壁32Gに連続した第1補強リブ35Aが垂直下方に張り出している。また、平板部34のうちスリット37より前側の外側縁部34Xからは、第2補強リブ35Bが斜め外側に向かって張り出している。そして、平板部34の後側平坦部34Rが前側平坦部34Fに対して屈曲した際には、図8(B)に示すように、第1補強リブ35Aが第2補強リブ35Bの内側に入り込んでリブ35A,35B同士の干渉が避けられる。また、図7に示すように、平板部34のうち内側縁部34Yには、クランク状屈曲部38より前側部分のみから第3補強リブ35Cが垂直下方に向かって張り出している。なお、第3補強リブ35Cの張り出し量は、第1補強リブ35A及び第2補強リブ35Bより小さくなっている。
図7に示すように、リスト屈曲部32Bにおけるアーム横壁32Hは、ヒンジ変形部33の平板部34における後側平坦部34Rから緩やかな円弧を描いて斜め後側下方に湾曲して、本発明に係るアーム中間湾曲部32W(本発明に係る「ロッド摺接部」に相当する)になっている。なお、アーム横壁32Hのうちリスト屈曲部32Bとエルボー屈曲部32Aとの間の直線部分と平板部34との間の角度は、略120度の角度で開いている(図9参照)。
図6及び図7に示すように、後側平坦部34Rの下面全体には、ローレット加工が施されている。そのローレット加工を施された面は前後方向で第1〜第3の領域43A〜43Cに3分割されている。そして、後側平坦部34Rのうち前側平坦部34F側に位置した第1の領域43Aから、中間の第2の領域43B、そして、アーム中間湾曲部32W側の第3の領域43Cの順番で、ローレットの目が徐々に細かくなっている。これにより、次述する押上ロッド52のヘッド部52H(本発明に係る「先端部」に相当する)と後側平坦部34Rとの摩擦係数は、第1,第2,第3の領域43A,43B,43Cの順番で徐々に大きくなっている。
図9に示すように、エンジンルーム12のうち支持スタンド31が上面に固定された内壁12Wの側面には、アクチュエータ50が取り付けられている。そして、このアクチュエータ50と上記したヒンジアーム32とによって本発明のボンネット衝撃吸収装置40が構成されている。アクチュエータ50は、例えば、シリンダ51に押上ロッド52を直動可能に組み付けてなる。シリンダ51は、例えば、両端有底の円筒状になっており、その上下方向に対して若干傾斜した方向に延びている。より詳細には、シリンダ51は、上端部が下端部より後方側に位置した傾斜状態にして、エンジンルーム12のうち支持スタンド31が上面に固定された内壁12Wの側面に固定されている。また、シリンダ51の上端壁51Aには、貫通孔51Bが形成され、そこに押上ロッド52が貫通している。
押上ロッド52は、貫通孔51Bを貫通した本体部52Aの下端に円板体52Bを備えている。この円板体52Bは、シリンダ51の略同一径になっており、シリンダ51内を直動する。また、本体部52Aの上端には、ヘッド部52Hが備えられている。ヘッド部52Hは、本体部52Aより外径が大きな円柱状になっており、その上端面は丸みを帯びて上方に膨出している。
押上ロッド52は、通常、ヘッド部52Hの下面がシリンダ51における上端壁51Aの上面に当接し、ボンネット13の後端部から下方に離間した「待機位置」に位置している。押上ロッド52が待機位置に位置した状態では、押上ロッド52の円板体52Bは、シリンダ51の下端寄り位置に配置され、その円板体52Bとシリンダ51の下端壁51Cとの間にガス発生剤53が充填されている。また、シリンダ51の下端部には、ガス発生剤53に着火させるための着火線54が外部から引き込まれている。さらに、図3に示すように、車両10の前面には、衝撃検出センサ55が設けられている。そして、車両10の前面に例えば歩行者90(本発明に係る「衝突体」に相当する)が衝突すると、その衝撃が衝撃検出センサ55によって検出されて着火線54に通電され、ガス発生剤53が点火される。すると、ガス発生剤53が爆発して一気に気化し、押上ロッド52を円板体52Bがシリンダ51における上端壁51Aの下面に当接した「作用位置」まで押し上げる。このとき、押上ロッド52は、シリンダ51の案内により、上記待機位置から後側斜め上方に向かって上昇して作用位置に到達する。また、押上ロッド52は、シリンダ51内のガス圧によって作用位置に保持される。
本実施形態のボンネット衝撃吸収装置40の構成に関する説明は以上である。次に、ボンネット衝撃吸収装置40の動作及び作用効果について説明する。ボンネット13は、エンジン11等のメンテナンスを行うときに開かれる。ボンネット13を開くには、車内の操作レバー(図示せず)を操作してロック機構20(図1参照)のストライカ21とロック装置22との係合を解除する。そして、ボンネット13の前端部を上方に移動するようにしてボンネット13を回動すればよい。
走行中を含め、通常は、ストライカ21がロック装置22に係合してボンネット13が閉じた状態になっている。この状態で、ボンネット13は、僅かに後ろ上がりの状態になっている(図1参照)。図3に示すように、走行中に車両10が、例えば歩行者90を跳ねてしまった場合、その歩行者90は車両10の前面に衝突してから、図12及び図14に示すように、ボンネット13の上面に打ち付けられることが多い。これに対し、本実施形態のボンネット衝撃吸収装置40を備えた車両10では、歩行者90が図3に示すように車両10の前面に衝突した場合に、その衝突を衝撃検出センサ55が検出し、シリンダ51内のガス発生剤53(図9参照)に点火される。すると、ガス発生剤53が一気に気化して押上ロッド52が待機位置から作用位置まで一気に上昇し、その押上ロッド52によってボンネット13の後端部が上限位置まで押し上げられる。
詳細には、押上ロッド52が待機位置から作用位置に到達する途中で、押上ロッド52のヘッド部52Hが、ボンネット13の後端部に固定されているヒンジアーム32の平板部34における前側平坦部34Fに最初に当接する(図11参照)。このとき、押上ロッド52のヘッド部52Hは、前側平坦部34Fの下面に対して前側斜め方向から当接し、その後、前側平坦部34Fを摺接移動しながらボンネット13の後端部を押し上げる。この押し上げ力によって、図8(B)に示すように平板部34が折曲直線39にて折り曲げられ、前側平坦部34Fに対して後側平坦部34Rが斜め下方に屈曲した状態になる。そして、図12に示すように、押上ロッド52が作用位置に到達したときには、押上ロッド52のヘッド部52Hが後側平坦部34Rに配置される。このようにして、歩行者90がボンネット13に打ち付けられる前に、ボンネット13は、前端部を支点にして後ろ上がりの傾斜角を増加させた状態に保持される(図3及び図12参照)。
この状態で、ボンネット13の上面に歩行者90が打ち付けられると、ボンネット13の後ろ上がりの傾斜角を減少させながら、ボンネット13の後端部が上限位置から降下して、押上ロッド52のヘッド部52Hが後側平坦部34Rを後方に摺接移動し、押上ロッド52の基端部が折り曲げられる(図14参照)。このように、ボンネット13の後端部を降下させる過程で押上ロッド52を徐々に折り曲げるので、従来より押上ロッド52の変形量が大きくなり、歩行者90の衝突速度を徐々に減速することができる。このとき、押上ロッド52の曲げ変形によって衝撃のエネルギーが吸収されるのみならず、押上ロッド52のヘッド部52Hが後側平坦部34Rから摩擦を受けながら移動するので、その摩擦移動(即ち、摺接移動)によっても衝撃のエネルギーが吸収される。これらに加え、ヒンジアーム32のヒンジ変形部33が前側平坦部34Fと後側平坦部34Rとの間の屈曲を元に戻す方向に変形するので、そのヒンジ変形部33の変形によって衝撃のエネルギーが吸収され、衝撃を軽減することができる。
ここで、後側平坦部34Rでは、図13に示すように、押上ロッド52のヘッド部52Hの摺接移動方向を向いた第1のベクトルV1と、押上ロッド52の基端部からヘッド部52Hに向かった第2のベクトルV2との間の角度である摺接角θが、摺接移動が進むに従って減少する。そして、摺接角θが減少すると、後側平坦部34Rの摺接面(下面)に対して垂直な押し付け力も減少する。しかしながら、後側平坦部34Rでは、押上ロッド52のヘッド部52Hとの間の摩擦係数が、摺接移動が進むに従って大きくなるようにローレット加工が施されているので、押上ロッド52のヘッド部52Hが後側平坦部34Rを摺接移動する間は、摩擦力の減少が抑えられ、衝突体90の衝突速度を徐々に減速することができる。
また、後側平坦部34Rを通過してアーム中間湾曲部32Wを後側に進むと摺接角θは増し、やがて後側には進まなくなり、横方向に進む。ここで、アーム中間湾曲部32Wは、図8(B)に示すように平板部34の屈曲により、アーム縦壁32Gと反対側の側部が若干上方に位置するように傾斜しているので、押上ロッド52のヘッド部52Hは、アーム中間湾曲部32Wによってアーム縦壁32Gから離れる横方向に進む。また、アーム中間湾曲部32Wによって押上ロッド52のヘッド部52Hが横方向に摺接移動し始めたときの摺接角θは、後側平坦部34Rの終端部の摺接角θに比べて大きくなっており、その摺接角θも摺接移動が進むに従って徐々に小さくなっていく。このアーム中間湾曲部32Wを横方向に進む間にも、摩擦移動(即ち、摺接移動)によって衝撃のエネルギーが吸収される。また、押上ロッド52のヘッド部52Hは、アーム中間湾曲部32Wの案内によりアーム横壁32Hから外れてヒンジアーム32の側方の負荷解放部13X(図15参照)に移動する。これにより、押上ロッド52は、折れることなくボンネット13の降下に伴う負荷から解放され、折れた押上ロッド52によるエンジン11等の損傷が防がれる。なお、図7及び図8には、ヒンジアーム32を押上ロッド52のヘッド部52Hが摺接した経路41が示されている。
このように、本実施形態のボンネット衝撃吸収装置40では、ボンネット13の後端部を降下させつつ押上ロッド52を折り曲げるので、従来より押上ロッド52の変形量が大きくなり、歩行者90の衝突速度を徐々に減速することができる。また、押上ロッド52の曲げ変形のみならず、押上ロッド52のヘッド部52Hの摩擦移動(即ち、摺接移動)及びヒンジ変形部33の曲げ変形によって衝撃のエネルギーを吸収することができる。その上、押上ロッド52のヘッド部52Hとの間の摩擦係数が、摺接移動が進むに従って徐々に大きくなる後側平坦部34Rを設けたので、摺接移動する間の摩擦力の減少が抑えられ、衝突体90の衝突速度を徐々に減速することができる。これらにより、歩行者90がボンネット13から一度に大きな衝撃を受けることを回避して、衝撃を従来より軽減させることができる。
また、押上ロッド52が待機位置から上昇して作用位置に到達する前に、歩行者90がボンネット13の上面に打ち付けられても、降下する過程と同様に、押上ロッド52のヘッド部52Hが前側平坦部34Fから後側平坦部34Rへと摺接移動するので、ボンネット13の後端部が上昇する動作から降下する動作にスムーズに移行し、衝撃を軽減することができる。
しかも、押上ロッド52は待機位置から後側斜め上方に向かって上昇するので、例えば、ボンネット13が衝突によって変形しても、後側平坦部34Rにおける摺接面に対して押上ロッド52の軸方向が確実に傾斜した状態になる。これにより、ボンネット13の後端部を降下させた際に、押上ロッド52を後側平坦部34Rに対して確実に後方に摺接移動させることができる。
また、本実施形態のボンネット衝撃吸収装置40では、ヒンジアーム32のヒンジ変形部33に備えた後側平坦部34Rとアーム中間湾曲部32Wを押上ロッド52に対する摺接部品として利用したので、その摺接部品を別途設けた場合に比べて、部品点数の削減が図られる。さらに、ヒンジアーム32のヒンジ変形部33における第1及び第2の補強リブ35A,35Bがスリット37によって分断されているので、ヒンジ変形部33の平板部34における屈曲位置が安定する。
[第2実施形態]
本実施形態は図16及び図17に示されており、前記第1実施形態とは主としてヒンジアーム32Vの構成が異なる。以下、第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明し、第1実施形態と同一構造の部位には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
本実施形態のヒンジアーム32Vは、エルボー屈曲部32Aとリスト屈曲部32Bと間でアーム横壁32Hが途切れ、リスト屈曲部32Bより前方側がアーム縦壁32Gのみで構成されかつボンネット13の下面に沿って延びた連結突片32Tになっている。そして、この連結突片32Tは、ボンネット13の下面に固定されたロッド摺接部材60に回動可能に連結されている。ロッド摺接部材60は、ボンネット13の下面に重ねて固定される
平板部60Hとその平板部60Hの後端を下方に湾曲させてなるアーム中間湾曲部60Wと、平板部60Hとアーム中間湾曲部60Wの一側部から垂下された連結リブ60Gとを備えてなる。その平板部60Hからアーム中間湾曲部60Wに亘った部分は、前記第1実施形態のヒンジアーム32における平板部34からアーム中間湾曲部32Wに亘った部分と同一形状になっている。
ロッド摺接部材60の連結リブ60Gは、連結突片32Tと略同一の形状になっている。そして、連結リブ60Gの前端部には、前後方向に延びた長孔61が形成される一方、連結リブ60Gの後端部には、丸孔62が形成されている。長孔61には、連結突片32Tの前端部から突出したピン63が抜け止め状態に係合している。一方、丸孔62には、図16に示すように、連結突片32Tの後端部から突出したノックアウトピン64が嵌合されている。本実施形態の構成に関する説明は以上である。
この構成によれば、通常は、図16に示すように、ロッド摺接部材60とヒンジアーム32Vとが一体に固定されている。また、ストライカ21(図1参照)とロック装置22(図1参照)との係合を解除した際には、ボンネット13とヒンジアーム32Vとが一体に回動する。そして、車両10が衝突したときには、図17に示すように、押上ロッド52がロッド摺接部材60の平板部60Hに摺接してボンネット13の後端部を押し上げる。すると、ノックアウトピン64が切断されて、ロッド摺接部材60に対してヒンジアーム32Vが回動可能になり、ボンネット13の後端部が上限位置まで押し上げられる。そして、ボンネット13の後端部が降下する間に、押上ロッド52のヘッド部52Hが、前記第1実施形態の平板部34からアーム中間湾曲部32Wを摺接する動作と同様に平板部60Hからアーム中間湾曲部60Wを摺接して衝撃を徐々に吸収する。
[第3実施形態]
本実施形態は、図18に示されており、前記第2実施形態とロッド摺接部材65のみが異なる。そのロッド摺接部材65は、下面が開放した角溝構造のロッド摺接部66を有している。また、そのロッド摺接部66の一側壁の下端部を上方側に折り返した後、さらにロッド摺接部66から離れる側の側方に折り曲げてボルト固定部67が形成されている。そして、ロッド摺接部66の天井面には、第1実施形態と同様に、摩擦係数が異なる複数の領域が押上ロッド52の摺接移動方向に沿って設けられている。また、ボルト固定部67の上板壁67Jがボンネット13の下面にボルトB3にて固定されている。さらに、上板壁67Jから垂下された縦壁67Tに前記したヒンジアーム32Vの連結突片32Tが連結されている。さらに、押上ロッド52のヘッド部52Hは、ロッド摺接部66の内面を摺接移動する。この構成によれば、押上ロッド52のヘッド部52Hと固定用のボルトB3との干渉を確実に避けることができる。
[第4実施形態]
本実施形態のロッド摺接部材65Vは、図19に示されており、前記第3実施形態とロッド摺接部66Vの構造のみが異なる。このロッド摺接部66Vは、押上ロッド52のヘッド部52Hを受容する部分が断面V字状になっている。そして、押上ロッド52のヘッド部52Hがロッド摺接部66VのV字内面に2点支持されて、摺接移動する。そのV字内面にも摩擦係数が異なる複数の領域が押上ロッド52の摺接移動方向に沿って設けられている。この構成によれば、押上ロッド52のヘッド部52Hが摺接移動する方向が安定する。
[第5実施形態]
本実施形態のロッド摺接部材65Wは、図20に示されており、前記第3実施形態とロッド摺接部68の構成のみが異なる。本実施形態のロッド摺接部68は、ボルト固定部67からボンネット13の横方向の中央に向かって延び、その断面形状は、例えば角溝状になっている。また、ロッド摺接部68は、ボルト固定部67から離れるに従って斜め上方に延び、途中で屈曲して略水平横方向に延びている。そして、ロッド摺接部68の内面にも摩擦係数が異なる複数の領域が押上ロッド52の摺接移動方向に沿って設けられている。このような構成にしても前記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
[第6実施形態]
本実施形態のロッド摺接部材65Xは、図21に示されており、前記第3実施形態とボルト固定部67とロッド摺接部66とを別部品にし、そのロッド摺接部66をボンネット13の下面に溶接した構造になっている。このような構成にしても前記第3実施形態と同様の作用効果を奏する。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1実施形態では、押上ロッド52が摺接する部分の摩擦係数を摺接移動方向で異ならせるために、ローレット加工の目の粗さを変更していたが、例えば、ローレット加工以外に、摺接面にコイニング・ビード等を加工して摩擦係数を異ならせてもよい。
(2)また、摩擦係数を異ならせるために、ローレット加工等のような表面加工以外に、押上ロッド52が摺接する部分の材質を、摺接移動方向で異ならせてもよいし、シートを押上ロッド52が摺接する部分に貼り付けてもよい。具体的には、硬度が異なる材質を摺接移動方向に並べたり、或いは、ラス網、パンチメタル等を押上ロッド52が摺接する部分に貼り付けてもよい。
(3)また、上記した第1実施形態の押上ロッド52を、シリンダ51に回転不能に組み付け、押上ロッド52の基端部が屈曲した状態で押上ロッド52の基端部が捻り変形されるようにアーム中間湾曲部32Wによって押上ロッド52を摺接案内してもよい。
(4)前記実施形態では、アーム中間湾曲部32Wが押上ロッド52を横方向に案内してヒンジアーム32の側方の負荷解放部13X(図14参照)に逃がしていたが、例えば、ヒンジアーム32のアーム横壁32Hに貫通孔を設けてそこに押上ロッド52を逃がす構成にしてもよい。
(5)また、上記した第1実施形態の押上ロッド52を、シリンダ51に回転不能に組み付け、押上ロッド52の基端部が屈曲した状態で押上ロッド52の基端部が捻り変形されるようにアーム中間湾曲部32Wによって押上ロッド52を摺接案内してもよい。
(6)本発明に係る押上ロッド52がボンネット13に押されて曲がる方向及びその押上ロッド52のヘッド部52Hが摺接移動する方向は、車両10の後方、前方、横方向、斜め前方、斜め後方の何れであってもよい。
本発明の第1実施形態に係るボンネット衝撃吸収装置を搭載した車両の概念図 その車両のボンネットを開いた状態の概念図 その車両が歩行者と衝突した状態の概念図 その車両の前側部分の平面図 ヒンジ機構の平面図 ヒンジ変形部の下面図 ヒンジアームの前端部分を下方から見た斜視図 (A)ヒンジ変形部を上方から見た斜視図、(B)そのヒンジ変形部を上方から見た斜視図、 アクチュエータの側断面図 ボンネットを開いた状態のボンネット衝撃吸収装置の側面図 押上ロッドがボンネットに当接した状態の側面図 押上ロッドがボンネットを押し上げた状態の側面図 押上ロッドがボンネットを押し上げた状態の側面図 押上ロッドがボンネットによって折り曲げられた状態の側面図 押上ロッドがヒンジアームの側方に逃げた状態の側面図 第2実施形態のボンネット衝撃吸収装置の非作動時の側面図 ボンネット衝撃吸収装置の作動時の側面図 第3実施形態のロッド摺接部材の正断面図 第4実施形態のロッド摺接部材の正断面図 第5実施形態のロッド摺接部材の正断面図 第6実施形態のロッド摺接部材の正断面図
符号の説明
10 車両
10H 車両本体
13 ボンネット
13X 負荷解放部
20 ロック機構
21 ストライカ
22 ロック装置
30 ヒンジ機構
31 支持スタンド
31J 回転支持軸
31K 支軸孔
31S 待受壁
32,32V ヒンジアーム
32W,60W アーム中間湾曲部(ロッド摺接部)
33 ヒンジ変形部
34,60H 平板部
34F 前側平坦部(上昇摺接部)
34R 後側平坦部(徐変摺接領域,ロッド摺接部)
35A,35B,35C 補強リブ
37 スリット
40 ボンネット衝撃吸収装置
50 アクチュエータ
52 押上ロッド
52H ヘッド部(先端部)
60,65,65V,65W,65X ロッド摺接部材
66,66V,68 ロッド摺接部
90 歩行者(衝突体)
V1 第1のベクトル
V2 第2のベクトル
θ 摺接角

Claims (7)

  1. 車両(10)の衝突時にボンネット(13)の後端部を押し上げて、そのボンネット(13)の上面に衝突体(90)が打ち付けられたときに、前記ボンネット(13)の後端部の降下を許容し、前記衝突体(90)への衝撃を軽減するボンネット衝撃吸収装置(40)において、
    前記車両(10)のうち前記ボンネット(13)を除く車両本体(10H)に組み付けられたアクチュエータ(50)と、
    前記アクチュエータ(50)に直動可能に設けられ、通常時には、前記ボンネット(13)の下方の待機位置で待機し、前記車両(10)の衝突時には、前記待機位置より上方の作用位置に移動して保持され、前記ボンネット(13)の後端部を上限位置まで押し上げた状態にする押上ロッド(52)と、
    前記ボンネット(13)に設けられて前記押上ロッド(52)の先端部(52H)が当接し、前記ボンネット(13)の後端部が前記上限位置から下方に移動する間に前記押上ロッド(52)の先端部(52H)を摺接移動させて前記押上ロッド(52)の基端部を折り曲げるロッド摺接部(34R,32W)と、
    前記ロッド摺接部(34R,32W)に設けられて、前記押上ロッド(52)の先端部(52H)の摺接移動方向を向いた第1のベクトル(V1)と、前記押上ロッド(52)の基端部から先端部(52H)に向かった第2のベクトル(V2)との間の角度である摺接角(θ)が、前記摺接移動が進むに従って減少すると共に、前記押上ロッド(52)の先端部(52H)との間の摩擦係数が、前記摺接移動が進むに従って大きくなる徐変摺接領域(34R)と、が備えられたことを特徴とするボンネット衝撃吸収装置(40)。
  2. 前記押上ロッド(52)は前記待機位置から後側斜め上方に向かって上昇して前記作用位置に到達することを特徴とする請求項1に記載のボンネット衝撃吸収装置(40)。
  3. 一端部が前記ボンネット(13)の下面に固定されると共に、他端部が前記車両本体(10H)に対して回動可能に連結され、前記ボンネット(13)の前端部が前記車両本体(10H)から切り離されたときに、前記ボンネット(13)と一体に回転して前記ボンネット(13)の前端部を上方に移動可能とするヒンジアーム(32)と、
    前記ヒンジアーム(32)のうち前記ボンネット(13)側の一端部に設けられ、前記ボンネット(13)の後端部が前記上限位置に移動した際に屈曲した状態に変形し、前記ボンネット(13)の後端部が前記上限位置から下方に移動する間に前記屈曲を戻す側に変形して衝撃を軽減するヒンジ変形部(33)とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のボンネット衝撃吸収装置(40)。
  4. 前記ヒンジ変形部(33)には、前記ボンネット(13)の下面に重ねて固定されると共に、前記ボンネット(13)の後端部が前記上限位置に移動した際に屈曲した状態に変形する平板部(34)と、前記平板部(34)から起立し、前記平板部(34)の屈曲部分と対応した位置にスリット(37)を有した補強リブ(35A,35B)とが備えられたことを特徴とする請求項3に記載のボンネット衝撃吸収装置(40)。
  5. 前記平板部(34)に設けられて、前記ボンネット(13)の下面に重ねて固定された前側平坦部(34F)と、
    前記平板部(34)に設けられて、通常は、前記前側平坦部(34F)に対して面一状に連続し、前記ボンネット(13)の後端部が上限位置に移動する動作に伴って前記前側平坦部(34F)から下方に屈曲する後側平坦部(34R)と、
    前記後側平坦部(34R)のうち前記前側平坦部(34F)と反対側の端部から下方に湾曲したアーム中間湾曲部(32W)とを備え、
    前記押上ロッド(52)が前記待機位置から前記作用位置に移動する間に前記押上ロッド(52)の先端部(52H)が前記前側平坦部(34F)から前記後側平坦部(34R)へと摺接移動し、
    前記ボンネット(13)の後端部が前記上限位置から降下したときに、前記後側平坦部(34R)及び前記アーム中間湾曲部(32W)を前記ロッド摺接部(34R,32W)として前記押上ロッド(52)の先端部(52H)が摺接移動することを特徴とする請求項3又は4に記載のボンネット衝撃吸収装置(40)。
  6. 前記ロッド摺接部(34R,32W)に連続し、前記押上ロッド(52)が前記待機位置から前記作用位置に移動する間に前記押上ロッド(52)の先端部(52H)が摺接する上昇摺接部(34F)を設け、
    前記押上ロッド(52)の先端部(52H)に対する前記上昇摺接部(34F)の摩擦係数を前記ロッド摺接部(34R,32W)の摩擦係数より小さくしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のボンネット衝撃吸収装置(40)。
  7. 前記ロッド摺接部(34R,32W)を通過した押上ロッド(52)を、前記ボンネット(13)の降下に伴う負荷から解放するための負荷解放部(13X)を設けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のボンネット衝撃吸収装置(40)。
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