JP2014108651A - 車両用ポップアップフード装置 - Google Patents

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英明 釜田
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Abstract

【課題】疲労に起因したヒンジアームの強度低下を抑制しつつ、歩行者の身体への衝撃を緩和できるようにする。
【解決手段】側壁部12Aと頂壁部12Bとを有するヒンジアーム12の、頂壁部12Bの車両前方側の端部における上部にエンジンフード2が取り付けられるとともに、頂壁部12Bの車両前方側の端部における下面がアクチュエータの突き上げロッド20により押し上げられるよう構成されたフードヒンジ10である。フードヒンジ10は、ヒンジアーム12の側壁部12Aの長手方向の中間部位に、頂壁部12Bに至らない切欠き部40が形成され、切欠き部40は下方に向けて間隔が広くなるように形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用ポップアップフード装置に関する。
従来、ポップアップフード装置の構成要素として、車体に取り付けられるヒンジベースと、エンジンフードに取り付けられるヒンジアームと、ヒンジアームをヒンジベースに連結するヒンジピンと、を備えたフードヒンジが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ヒンジアームは、車両後方側の端部がヒンジピンによりヒンジベースに連結される側壁部と、側壁部の上縁部に一縁部が連なる頂壁部と、を有している。ヒンジアームの車両前後方向中間部には、側壁部の下縁部から上向きに延び、側壁部と頂壁部との境界部を超えて頂壁部に至る切欠き部が形成されている。
ヒンジアームは、車両が歩行者に接触してしまった場合に、アクチュエータにより瞬時に突き上げられ、エンジンフードの車両後方側の端部を持ち上げて歩行者の身体への衝撃を緩和するように構成されている。
特許第4410822号公報
ヒンジアームにおいて、側壁部から頂壁部に至るよう形成した切欠き部に隣接する部位は、切欠き部に隣接していない他の部位に比べて剛性が低いため、アクチュエータ作動時に容易に変形し、エンジンフードの車両後方側の端部が直ちに持ち上がるようにする役割を担っているが、反面、ヒンジアームの切欠き部付近には車両走行時の振動による繰り返し応力が作用して、疲労に起因した強度低下が発生することが懸念される。
そこで、本発明は、従来のものと比較して、疲労に起因したヒンジアームの強度低下を抑制しつつ、歩行者の身体への衝撃を緩和する車両用ポップアップフード装置を提供することを目的としている。
本発明に係る車両用ポップアップフード装置は、上記目的を達成するため、(1)車体に取り付けられるヒンジベースと、車両前後方側に延びるヒンジアームと、車両幅方向に延びて、前記ヒンジアームを前記ヒンジベースに回転可能に連結するヒンジピンと、を備え、前記ヒンジアームは、車両後方側の端部が前記ヒンジピンにより前記ヒンジベースに連結される側壁部と、前記側壁部の上縁部に一縁部が連なる頂壁部と、を有し、前記頂壁部の車両前方側の端部における上部にエンジンフードを取り付けるとともに、前記頂壁部の車両前方側の端部における下面がアクチュエータのロッドにより押し上げられるよう構成された車両用ポップアップフード装置であって、前記ヒンジアームの前記側壁部の長手方向の中間部位には切欠き部が形成され、前記切欠き部は、前記側壁部の下縁部から上方へ向けて切り欠かれ、車両後方側に位置する第1の縁部と、車両前方側に位置する第2の縁部と、前記第1の縁部および前記第2の縁部に連なる境界縁部と、を有し、さらに、前記切欠き部は、前記第1の縁部と前記第2の縁部との間隔が下方へ向けて広がるように形成されている。
この構成により、本発明の車両用ポップアップフード装置は、ヒンジアームの側壁部にのみ切欠き部を形成したので、従来のものと比較して、疲労に起因したヒンジアームの強度低下を抑制できる。
また、本発明の車両用ポップアップフード装置は、前記切欠き部の第1の縁部と第2の縁部との間隔が下方に向けて広がるよう形成されているので、アクチュエータの作動によってヒンジアームが変形する際に、第1の縁部と第2の縁部とが互いに干渉するまでの距離が長くなり、従来のものと比較して、ヒンジアームを急な角度で屈曲させることができる。
また、上記(1)に記載の車両用ポップアップフード装置において、(2)前記切欠き部は、前記第1の縁部の下端部が下方へ向けて車両後方側へ延びるよう形成されている。
この構成により、本発明の車両用ポップアップフード装置は、従来のものと比較して、疲労に起因したヒンジアームの強度低下を抑制できるとともに、アクチュエータの作動によってヒンジアームが変形する際に、第1の縁部と第2の縁部とが互いに干渉するまでの距離が長くなり、ヒンジアームを急な角度で屈曲させることができる。
また、上記(1)に記載の車両用ポップアップフード装置において、(3)前記切欠き部は、前記第1の縁部の下端部が下方へ向けて車両後方側へ延びるよう形成されているとともに、前記第2の縁部の下端部が下方へ向けて車両前方側へ延びるよう形成されている。
この構成により、本発明の車両用ポップアップフード装置は、従来のものと比較して、疲労に起因したヒンジアームの強度低下を抑制できるとともに、アクチュエータの作動によってヒンジアームが変形する際に、第1の縁部と第2の縁部とが互いに干渉するまでの距離が長くなり、ヒンジアームを急な角度で屈曲させることができる。
本発明によれば、従来のものと比較して、疲労に起因したヒンジアームの強度低下を抑制しつつ、歩行者の身体への衝撃を緩和する車両用ポップアップフード装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る車両用ポップアップフード装置を車両幅方向に見た構成図である。 図1に示す車両用ポップアップフード装置を車両前方側から後方側へ向けて見た構成図である。 図1におけるヒンジアームの切欠き部付近の部分拡大図である。 図1に示す車両用ポップアップフード装置を車両前方側から後方側へ向けて見た斜視図である。 図5(a)は、ヒンジアームの側壁部および頂壁部を示す概略断面図、図5(b)は、図5(a)との比較のために、ヒンジアームの頂壁部だけを示す概略断面図である。 図1におけるヒンジアームの変形を仮想線により示す部分拡大図である。 本発明の実施の形態において、第1の変形例に係る車両用ポップアップフード装置におけるヒンジアームの切欠き部付近の部分拡大図である。 本発明の実施の形態において、第2の変形例に係る車両用ポップアップフード装置におけるヒンジアームの切欠き部付近の部分拡大図である。 本発明の実施の形態において、第3の変形例に係る車両用ポップアップフード装置におけるヒンジアームの切欠き部付近の部分拡大図である。
以下、本発明に係る車両用ポップアップフード装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、図中、矢印Hは車両上方を表し、矢印Lは車両下方を表し、矢印Fは車両前方を表し、矢印Rは車両後方を表し、矢印Iは車両幅方向の中心側(内側)を表し、矢印Oは車両幅方向の反中心側(外側)を表している。
また、車両用ポップアップフード装置は、ドライバを基準にして車両の左側に位置するものと右側に位置するものとの一対で、エンジンフードを車体に支持するようになっているが、車両の左側に位置するものと右側に位置するものとは、車体中心線に対して線対称の形状であるので、ここでの説明においては、右側に位置する車両用ポップアップフード装置についてのみ説明する。
図1〜図6に示すように、本実施の形態に係るフードヒンジ10は、車体においてエンジンルームを構成する部材であるカウルトップサイド1に取り付けられるヒンジベース11と、一端がヒンジベース11によって支持されるとともに、他端がエンジンフード2に取り付けられるヒンジアーム12と、ヒンジアーム12をヒンジベース11に回転可能に連結するヒンジピン13と、ヒンジベース11とヒンジアーム12との間に設けられるリンク機構14と、を有して構成されている。
ヒンジベース11は、車両上下方向に所定の厚みを有する板状の取付け部11Aと、車両幅方向に所定の厚みを有する板状の支持部11Bと、から構成されている。支持部11Bは、取付け部11Aの車両幅方向内側の縁部に、車両上方側に起立した状態で設けられている。ヒンジベース11の取付け部11Aおよび支持部11Bは、例えば金属板の曲げ加工または金属の鋳造などにより一体形成される。
ヒンジベース11は、取付け部11Aが、車体においてエンジンルームを構成する部材であるカウルトップサイド1の上部に、ボルト(図示していない)により締結される。
ヒンジアーム12は、車両幅方向外側に所定の厚みを有する板状の側壁部12Aと、車両上下方向に所定の厚みを有する板状の頂壁部12Bと、車両幅方向内側に所定の厚みを有する側壁部12Cと、を備えて構成されている。
側壁部12Aは、車両前後方側に延在している。頂壁部12Bは、側壁部12Aの上縁部に一縁部が連なっている。頂壁部12Bの平面形状は、車両前方側の部分が幅広で、かつ車両後方側の部分が後方側端部に向かって徐々に細くなる形状に形成されている。側壁部12Cは、上縁部が、頂壁部12Bの他縁部(車両幅方向の内側縁部)の一部に連なっている。
側壁部12Cは、側壁部12Aと略平行であるが、車両前後方向の長さが側壁部12Aよりも短く形成され、側壁部12Aの長手方向中間部に、車両幅方向に相対している。すなわち、側壁部12Cは、少なくとも車両後方側に関して、後述するヒンジアーム12の屈曲個所となる変形線50が設定される部位を越えないよう形成されている。側壁部12A、頂壁部12Bおよび側壁部12Cは、例えば金属板の曲げ加工または金属の鋳造などにより一体的に形成されている。
ヒンジアーム12の頂壁部12Bには、エンジンフード2の車両後方側の端部2Aがボルト(図示していない)によって締結されている。
ヒンジピン13は、車両幅方向に延び、ヒンジベース11の支持部11Bにおける車両後方側の端部に、ヒンジアーム12の側壁部12Aにおける車両後方側の端部をピン連結している。このヒンジピン13により、ヒンジアーム12がヒンジベース11に対して回動可能に支持されている。
なお、側壁部12Aの車両後方側の縁部には、車両幅方向外側に向かって鉤状に屈曲された開度規制用のストッパ12aが設けられている。これに対応して、支持部11Bの車両後方側の縁部には、開度規制用の規制部11aが形成されており、ストッパ12aが規制部11aに当接することで、ヒンジアーム12の回動範囲が規制されるようになっている。
すなわち、点検などでエンジンルームを開放する際には、エンジンフード2の車両前方側が上方側へ持ち上げられることにより、ヒンジアーム12がヒンジピン13を中心にヒンジベース11に対して回動し、その回動がストッパ12aの規制部11aへの当接により規制されるまで、エンジンフード2を持ち上げることができるようになっている。
リンク機構14は、他の車両等と前面衝突した場合において、エンジンフード2が車両後方側に大きくずれることを抑える役割を担っている。リンク機構14は、2つのリンク部材14a,14bと連結ピン14cとを有して構成されている。2つのリンク部材14a,14bは、車両幅方向に所定の厚みを有する細板状であり、一端部が厚さ方向に相互に重ねられている。連結ピン14cは、車両幅方向に延び、リンク部材14a,14bの一端部を相互に連結するようになっている。
リンク機構14は、ヒンジベース11の支持部11Bとヒンジアーム12の側壁部12Aとの間に配置されている。一方のリンク部材14aの他端部は、車両幅方向に延びる取付けピン10aによって、ヒンジベース11の支持部11Bに連結されている。他方のリンク部材14bの他端部は、車両幅方向に延びる取付けピン10bによって、ヒンジアーム12の側壁部12Aに連結されている。
ここで、エンジンルームには、突き上げロッド20を有するアクチュエータ(図示していない)が、フードヒンジ10の下方に位置するよう配置されている。アクチュエータは、車体においてエンジンルームを構成する部材であるカウルトップサイド1の下部に取り付けられており、圧力センサからの信号に応じて、ガスの圧力で突き上げロッド20を車両上方側へと瞬時に突出させるようになっている。圧力センサは、車両前部のバンパを支持するバンパレインフォースメントに設けた圧力チャンバの圧力変化を検出するようになっている。また、アクチュエータは、圧力センサが圧力変化を検出したときに作動するよう構成されている。すなわち、バンパに歩行者が接触すると、圧力チャンバが変形して圧力変化が生じ、アクチュエータが作動する。これにより、歩行者の頭部がエンジンフード2に接触する前に、アクチュエータの突き上げロッド20が上方側へ突出し、フードヒンジ10を介してエンジンフード2が押し上げられることになる。
この突き上げロッド20の突出による突き上げ動作により、ヒンジアーム12は、後述する変形線50を中心に折り曲げられ、エンジンフード2の車両後方側の端部を持ち上げるように変形される。このとき、ヒンジアーム12は、頂壁部12Bの車両前方側の下面が、突き上げロッド20による突き上げ動作の際の押し上げ面として機能する。
また、ヒンジアーム12の頂壁部12Bは、その押し上げ面が突き上げロッド20の先端部21が摺動していく摺動面とされている(実際には、突き上げロッド20が車両上方側へ軸方向移動して、その先端部21が当接する位置よりも車両前方側の下面は摺動面として使用されない)。そして、突き上げロッド20は、先端部21が摺動する際に、エンジンフード2に加わる荷重によって折り曲げられることにより、歩行者の身体に対する衝撃が緩和される。先端部21は半球状に形成され、突き上げロッド20にねじ構造によって締結されている。さらに、先端部21の外周部には、環状の先端つば21aが設けられている。先端つば21aは、先端部21を突き上げロッド20に締結する際に、先端部21を回転させる工具を係合するためのものである。
図3に示すように、本実施の形態に係るフードヒンジ10の特徴は、ヒンジアーム12を構成している側壁部12Aの長手方向の略中間部位にだけ、切欠き部40を形成した点にある。
すなわち、この切欠き部40は、側壁部12Aの下縁部から上方へ向けて切り欠かれており、車両後方側に位置する第1の縁部40aと、車両前方側に位置する第2の縁部40bと、これら第1の縁部40aおよび第2の縁部40bに連なる境界縁部40cと、を有している。切欠き部40は、境界縁部40cが側壁部12Aと頂壁部12Bとの境界部12bを越えないように、側壁部12Aにのみ形成されている。
ヒンジアーム12において、切欠き部40に隣接する部位は、他の部分に比べて剛性が低く、ヒンジアーム12が突き上げロッド20により突き上げられて折れ曲がり変形する際の低剛性部として機能する。
図4に示すように、側壁部12Aに切欠き部40を形成したことにより、その切欠き部40の部位から、頂壁部12Bの車両幅方向内側の端縁部12cにわたって、上述した低剛性部としてヒンジアーム12の屈曲個所となる変形線50が設定される。本実施の形態では、切欠き部40を側壁部12Aにのみ形成したことにより、アクチュエータの突き上げロッド20によるヒンジアーム12の変形を妨げない範囲で、ヒンジアーム12の変形線50の付近での断面二次モーメントを確保できる。
図3および図6において、切欠き部40は、第1の縁部40aの下端部が下方に向けて車両後方側へ延びる傾斜面40dとして形成されており、第1の縁部40aにおける傾斜面40dと第2の縁部40bとの間隔が、側壁部12Aの下縁部に向かうほど広くなるように形成されている。このように、切欠き部40の、少なくとも第1の縁部40aの下端部を傾斜面40dとして下方に向けて車両後方側へ延びるように形成したことにより、アクチュエータの作動によって突き上げロッド20が突出して、図6に仮想線(二点鎖線)で示すように、ヒンジアーム12が変形する際に、第1の縁部40aにおける傾斜面40dと第2の縁部40bとが互いに干渉するまでの距離が長くなり、従来のものと比較して、ヒンジアーム12を急な角度で屈曲させることができる。
次に、上記した構成のフードヒンジ10の作用・効果について説明する。
歩行者との接触時には、アクチュエータの突き上げロッド20が直ちに軸方向に突出し、その先端部21により、ヒンジアーム12の頂壁部12Bの下面が車両上方側へと瞬時に突き上げられる。その突き上げ動作により、ヒンジアーム12が変形線50(図4参照)を中心に折り曲げられるように変形し、エンジンフード2の車両後方側の端部が車両上方側へと持ち上げられる。その際に、リンク機構14は、連結ピン14cによって連結されている2つのリンク部材14a,14bが直線的に並び、車両前方向に引っ張る力を生じさせることにより、エンジンフード2が車両後方側に大きくずれるのを抑える。
ここで、切欠き部40を側壁部12Aにのみ形成した場合の、ヒンジアーム12の断面二次モーメントについて説明する。
図5(a)に示すように、切欠き部40を側壁部12Aと頂壁部12Bとの境界部12bを越えないように形成した、本実施の形態の場合の断面二次モーメントIxは、切欠き部40を含む側壁部12Aおよび頂壁部12Bの断面形状から求められ、
Ix=(Be1 3 −bh3 +ae2 3 )/12
1 =(aH2 +bt2 )/2(aH+bt)
2 =H−e1
で表される。
ここで、図示aは側壁部12Aの断面の厚さであり、図示bは頂壁部12Bの長さ(幅)であり、図示Bはa+bである。図示tは頂壁部12Bの断面の厚さであり、図示hは頂壁部12Bの下面から図心xまでの距離である。図示e1は側壁部12Aの上縁部から図心xまでの距離であり、図示e2は側壁部12Aの下縁部から図心xまでの距離であり、図示Hはe1+e2である。
図5(b)に示すように、例えば側壁部12Aと頂壁部12Bとの境界部12bを越えて切欠き部40'を形成するようにした、従来(例えば、特許文献1)の場合の断面二次モーメントIx'は、切欠き部40'を含む頂壁部12Bの断面形状から求められ、
Ix'=bt3 /12
で表される。
例えば、t=1、b=5、a=1、H=4とすると、本実施の形態とした場合の断面二次モーメントIxは、従来とした場合の断面二次モーメントIx'の25.8倍になる。
このように、ヒンジアーム12を本実施の形態の構成とした場合、つまり切欠き部40を側壁部12Aと頂壁部12Bとの境界部12bを越えないように形成した場合には、アクチュエータ作動時のヒンジアーム12の変形を妨げることなしに、ヒンジアーム12における変形線50の付近での断面二次モーメントを増大できるようになるため、従来のものと比較して、疲労に起因したヒンジアームの強度低下を抑制することができる。
また、切欠き部40の第1の縁部40aの下端部を傾斜面40dとして下方に向けて車両後方側へ延びるように形成したことにより、アクチュエータの作動によって突き上げロッド20が突出して、図6に示すように、ヒンジアーム12が変形する際に、第1の縁部40aにおける傾斜面40dと第2の縁部40bとが互いに干渉するまでの距離が長くなり、従来のものと比較して、ヒンジアーム12を急な角度で屈曲させることができる。
車両のバンパに歩行者が接触すると、先述したようにアクチュエータが作動し、歩行者の頭部がエンジンフード2に接触する前に、アクチュエータの突き上げロッド20が上方側へ突出し、フードヒンジ10を介してエンジンフード2が押し上げられる。このとき、ヒンジアーム12は、低剛性部である変形線50を中心として、図6に仮想線(二点鎖線)で示すように折れ曲がる。これにより、エンジンとエンジンフード2との間に、歩行者がエンジンフード2に接触した際のエネルギーを吸収するためのストロークが確保される。よって、歩行者がエンジンフード2に接触すると、エンジンフード2が塑性変形して衝撃エネルギーを吸収する。また、歩行者がエンジンフード2のフードヒンジ10の周辺部に接触したときには、アクチュエータの突き上げロッド20の先端部21は、先端つば21aと傾斜面40dとで構成される接触角度によって、車体幅方向内側に弾かれ、かつ引っ掛かることなく、ヒンジアーム12の頂壁部12Bの下面に沿って車両後方側へ摺動しながら折れ曲がり、衝撃エネルギーを吸収する。
また、側壁部12Aと頂壁部12Bとの境界部12bを越えないように切欠き部40を形成した場合、切欠き部40の第1の縁部40a側と第2の縁部40b側とで側壁部12Aが車両幅方向の内側に独立して変形することが困難となるが、第1の縁部40aの下端部を傾斜面40dとして下方に向けて車両後方側へ斜めに延びるように形成し、切欠き部40の第1の縁部40aと第2の縁部40bとの間隔が側壁部12Aの下縁部に向かうほど幅広になるように形成したことにより、ヒンジアーム12が折れ曲がる際に、切欠き部40の第1の縁部40aの傾斜面と第2の縁部40bが互いに干渉しにくくなる。
上記したように、本実施の形態によれば、切欠き部40付近に車両走行時の振動による繰り返し応力が作用しても、ヒンジアーム12における疲労に起因した強度低下の発生を抑制することができるとともに、歩行者との接触時には、歩行者の身体への衝撃を緩和することができる。
すなわち、ヒンジアーム12に設けられる切欠き部40を、側壁部12Aと頂壁部12Bとの境界部12bを越えないように形成している。これにより、ヒンジアーム12が変形するのを妨げない範囲で、ヒンジアーム12の変形線50の付近での断面二次モーメントを確保することが可能となる。したがって、たとえ重量の大きいエンジンフード2を備えた車両であっても、高速波状路走行時やフード開閉耐久試験時などにおいて、ヒンジアーム12の変形が誘発されるのを改善できる。
また、切欠き部40の第1の縁部40aの下端部を傾斜面40dとして、下方に向けて車両後方側へ斜めに延びるように形成し、切欠き部40の第1の縁部40aと第2の縁部40bとの間隔が側壁部12Aの下縁部に向かうほど広くなるように形成したことによって、アクチュエータの突き上げロッド20の突き上げによってヒンジアーム12が変形する際に、切欠き部40の第1の縁部40aの傾斜面40dと第2の縁部40bとが干渉しにくくなり、ヒンジアーム12を急な角度で屈曲させることができる。
さらに、アクチュエータが作動すると、ヒンジアーム12は急な角度で屈曲するので、歩行者がエンジンフード2に接触した際のエネルギーを吸収するためのストロークが確保され、歩行者がエンジンフード2に接触したときの衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
なお、上述した本実施の形態においては、切欠き部40の第1の縁部40aの下端部を、傾斜面40dとして下方に向けて車両後方側へ斜めに延びるように形成することで、切欠き部40の第1の縁部40aと第2の縁部40bとの間隔が側壁部12Aの下縁部に向かうほど広くなるように形成した場合について説明したが、これに限定されるものではない。
図7に示す第1の変形例のように、切欠き部40の第1の縁部40aの下端部を傾斜面40dとして、下方に向けて車両後方側へ斜めに延びるように形成するとともに、第2の縁部40bの下端部を傾斜面40eとして、下方に向けて車両前方側へ斜めに延びるように形成し、これにより切欠き部40の第1の縁部40aと第2の縁部40bとの間隔が側壁部12Aの下縁部に向かうほど広くなるようにしてもよい。
図8に示す第2の変形例のように、切欠き部40の第1の縁部40aの下端部を傾斜面40dとして、下方に向けて車両後方側へ斜めに延びるように形成するとともに、第2の縁部40bの下端部を途中から車両前方側へ延びるように形成し、切欠き部40よりも車両前方側の側壁部12Aの上縁部から下縁部までの長さtaを、切欠き部40よりも車両後方側の側壁部12Aの上縁部から下縁部までの長さtbよりも短くすることによって、切欠き部40の第1の縁部40aの傾斜面40dと第2の縁部40bとが干渉しないようにしてもよい。
図9に示す第3の変形例のように、切欠き部40の第1の縁部40aの下端部を下方に向けて車両後方側へ延びるように形成するとともに、第2の縁部40bの下端部を矩形状に切り欠くように段差を設けて形成し、切欠き部40の第1の縁部40aの傾斜面40dと第2の縁部40bとが干渉しないようにしてもよい。
上記の第1〜第3の変形例のいずれにおいても、上述した本実施の形態の場合とほぼ同様の効果が得られる。すなわち、第1〜第3の変形例によれば、ヒンジアーム12に設けられる切欠き部40を、側壁部12Aと頂壁部12Bとの境界部12bを越えないように形成するとともに、切欠き部40の第1の縁部40aと第2の縁部40bとの間隔が側壁部12Aの下縁部ほど広くなるように形成したことによって、従来のものと比較して、疲労に起因したヒンジアーム12の強度低下を抑制できるとともに、アクチュエータの動時には、ヒンジアーム12を急な角度で屈曲させることができる。
以上のように、本発明の車両用ポップアップフード装置は、従来のものと比較して、疲労に起因したヒンジアームの強度低下を防ぎつつ、アクチュエータ作動時にヒンジアームが確実に変形できるという効果を奏するもので、各種車両に適用可能である。
1...カウルトップサイド(車体)、2...エンジンフード、10...フードヒンジ、11...ヒンジベース、12...ヒンジアーム、12A...側壁部、12B...頂壁部、13...ヒンジピン、20...突き上げロッド(アクチュエータのロッド)、21...先端部、21a...先端つば、40...切欠き部、40a...第1の縁部、40b...第2の縁部、40c...境界縁部、40d...傾斜面、50...変形線

Claims (3)

  1. 車体に取り付けられるヒンジベースと、
    車両前後方側に延びるヒンジアームと、
    車両幅方向に延びて、前記ヒンジアームを前記ヒンジベースに回転可能に連結するヒンジピンと、を備え、
    前記ヒンジアームは、車両後方側の端部が前記ヒンジピンにより前記ヒンジベースに連結される側壁部と、前記側壁部の上縁部に一縁部が連なる頂壁部と、を有し、
    前記頂壁部の車両前方側の端部における上部にエンジンフードを取り付けるとともに、前記頂壁部の車両前方側の端部における下面がアクチュエータのロッドにより押し上げられるよう構成された車両用ポップアップフード装置であって、
    前記ヒンジアームの前記側壁部の長手方向の中間部位には切欠き部が形成され、
    前記切欠き部は、前記側壁部の下縁部から上方へ向けて切り欠かれ、車両後方側に位置する第1の縁部と、車両前方側に位置する第2の縁部と、前記第1の縁部および前記第2の縁部に連なる境界縁部と、を有し、
    さらに、前記切欠き部は、前記第1の縁部と前記第2の縁部との間隔が下方へ向けて広がるように形成されていることを特徴とする車両用ポップアップフード装置。
  2. 前記切欠き部は、前記第1の縁部の下端部が下方へ向けて車両後方側へ延びるよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置。
  3. 前記切欠き部は、前記第1の縁部の下端部が下方へ向けて車両後方側へ延びるよう形成されているとともに、前記第2の縁部の下端部が下方へ向けて車両前方側へ延びるよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置。
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