JP2011230644A - 車両用ポップアップフード装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フードを持ち上げ位置に安定的に保持することができると共に、コストを低減することができる車両用ポップアップフード装置を得る。
【解決手段】車両用ポップアップフード装置10では、カウル断面内の車幅方向中央部に配置された単一のアクチュエータ18を備えており、車両が当接物に当ったときなどに、当該アクチュエータ18によってフード12の後部側が持ち上げられる。この持ち上げの際には、フードヒンジ16L、16Rの各ヒンジアーム20が上昇すると共に、各ヒンジベース20に取り付けられた小型のアクチュエータ56が作動することによって各ヒンジアーム20が上昇位置に保持される。これにより、フード12が上記持ち上げ位置に保持される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用ポップアップフード装置に関する。
下記特許文献1に示された車両用フード装置では、火薬を用いてロッドを上昇させてフードを持ち上げるアクチュエータが、フードの後部の下方側における車幅方向両側にそれぞれ配置されている。これらのアクチュエータには、上昇させたロッドの下降を止めるロック片(ロック機構)が設けられており、これにより、フードを持ち上げ位置に保持するようにしている。これにより、フード下のクリアランスを確保し、当接物がフードに当った際のフードの変形によって当接物に加わる衝撃を緩和するようにしている。
特開2002−370611号公報
しかしながら、上記構成の車両用フード装置では、持ち上げ位置に保持されたフードに当接物が当った際にフードの保持状態が不安定になることを防止するためには、車幅方向両側に配置された2個のアクチュエータによってフードの後部を左右両側で支持する必要がある。つまり、フードを持ち上げ位置に安定的に保持するためには、フードを持ち上げ可能な高出力かつ大型のアクチュエータを2個用いなければならないため、コスト低減の観点などから更なる改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、フードを持ち上げ位置に安定的に保持することができると共に、コストを低減することができる車両用ポップアップフード装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の発明に係る車両用ポップアップフード装置は、フードの後部の下方側における車幅方向中央側に配設された単一のアクチュエータの駆動力によって前記フードの後部側を持ち上げる持ち上げ機構と、前記フードの後部の下方側における車幅方向両側にそれぞれ配設され、前記フードを前記持ち上げ機構による持ち上げ位置に保持する保持機構と、を備えたことを特徴としている。
請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置では、例えば車両が当接物に当ったときなどに、持ち上げ機構によってフードの後部側が持ち上げられる。持ち上げられたフードは、保持機構によって持ち上げ位置に保持される。この保持機構は、フードの後部の下方側における車幅方向両側にそれぞれ配設されているため、フードを持ち上げ位置に安定的に保持することができる。しかも、上述の持ち上げ機構は、フードの後部の下方側における車幅方向中央側に配設された単一のアクチュエータの駆動力によってフードの後部側を持ち上げるため、2個のアクチュエータを用いてフードの後部側を持ち上げる構成と比較して、コストを低減することができる。
請求項2に記載の発明に係る車両用ポップアップフード装置は、請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置において、車体側に取り付けられたヒンジベースと、前記ヒンジベースに回転可能に連結されると共に前記フードの後部に取り付けられ、前記持ち上げ機構による前記フードの持ち上げ時に前記ヒンジベースに対して上昇するヒンジアームとを有するフードヒンジを備え、前記保持機構は、前記フードヒンジに設けられて前記ヒンジアームを上昇位置に保持する一方、前記アクチュエータは、車体のカウル断面内の車幅方向中央部に配設されていることを特徴としている。
請求項2に記載の車両用ポップアップフード装置では、カウル断面内の車幅方向中央部に配設された単一のアクチュエータの駆動力によって、フードの後部側が持ち上げられる。この持ち上げ時には、フードヒンジのヒンジアームがヒンジベースに対して上昇すると共に、フードヒンジに設けられた保持機構がヒンジアームを上昇位置に保持する。これにより、フードが持ち上げ位置に保持される。このように、フードヒンジに設けられた保持機構によってフードが持ち上げ位置に保持されるので、保持機構の構成を簡単なものにすることができる。しかも、単一のアクチュエータがカウル断面内に配設されているため、アクチュエータの配設スペースによってエンジンルーム内などが不要に侵食されることを回避することができる。また、単一のアクチュエータがカウル断面内の車幅方向中央部に配設されているため、当該アクチュエータによってフードの後部側をバランス良く持ち上げることができる。
請求項3に記載の発明に係る車両用ポップアップフード装置は、請求項2に記載の車両用ポップアップフード装置において、前記ヒンジアームは、前記ヒンジベースに対して車幅方向一側に重なり合って配置され、前記保持機構は、前記ヒンジベースに対して相対移動可能に支持された保持部材を前記ヒンジアームの前記上昇後に前記車幅方向一側へ突出させて前記ヒンジアームに係合させることを特徴としている。
請求項3に記載の車両用ポップアップフード装置では、フードヒンジのヒンジベースに対して車幅方向一側に重なり合って配置されたヒンジアームが、持ち上げ機構によるフードの持ち上げに伴って上昇すると、保持機構がヒンジベースに支持された保持部材を前記車幅方向一側(ヒンジアームが重合した側)へ突出させてヒンジアームに係合させる。これにより、ヒンジアームが上昇位置に保持されるので、保持機構の構成を極めて簡単なものにすることができる。
請求項4に記載の発明に係る車両用ポップアップフード装置は、請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置において、前記保持機構は、車体側に取り付けられたヒンジベースと、前記ヒンジベースに対して車幅方向外側に重なり合った状態で回転可能に連結されると共に前記フードの後部に取り付けられたヒンジアームとを有し、前記持ち上げ機構による前記フードの持ち上げ時に前記フードが撓むことにより、前記ヒンジアームが前記ヒンジベースに対して上昇しつつ車幅方向内側へ変位して前記ヒンジベースに乗り上げるように構成されたフードヒンジであることを特徴としている。
請求項4に記載の車両用ポップアップフード装置では、フードヒンジのヒンジベースに対して車幅方向外側に重なり合って配置されたヒンジアームが、持ち上げ機構によるフードの持ち上げに伴って上昇する。しかも、この持ち上げ時には、フードが撓むことによってヒンジアームが車幅方向内側へ変位する。これにより、ヒンジアームがヒンジベースに乗り上げて、ヒンジアームが上昇位置に保持される。このように、フードヒンジによって保持機構が構成されているため、保持機構を構成するための専用部品が不要である。したがって、更に低コスト化を図ることができる。
以上説明したように、請求項1に記載の発明に係る車両用ポップアップフード装置では、フードを持ち上げ位置に安定的に保持することができると共に、コストを低減することができる。
請求項2に記載の発明に係る車両用ポップアップフード装置では、保持機構の構成を簡単なものにすることができる。また、アクチュエータの配設スペースによってエンジンルーム内などが不要に侵食されることを回避することができると共に、フードの後部側をバランス良く持ち上げることができる。
請求項3に記載の発明に係る車両用ポップアップフード装置では、保持機構の構成を極めて簡単なものにすることができる。
請求項4に記載の発明に係る車両用ポップアップフード装置では、保持機構を構成するための専用部品が不要であるため、更なる低コスト化を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係る車両用ポップアップフード装置を含む周辺の構成を示す平面図である。 図1の2−2線に沿った切断面を示す断面図である。 図1に示される車両用ポップアップフード装置の構成部材であるフードヒンジの構成を示す側面図である。 図3の4−4線に沿った切断面を示す拡大断面図である。 図2の一部を拡大した拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用ポップアップフード装置の構成部材であるフードヒンジの主要部の構成を示す側面図である。 図6の7−7線に沿った切断面を示す拡大断面図である。 アクチュエータによるフードの持ち上げに伴ってフードが撓む際の状況を説明するための図である。
<第1の実施形態>
以下、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態に係る車両用ポップアップフード装置10について説明する。なお、各図中矢印FRは車体前方向を示し、矢印UPは車体上方向を示し、矢印INは車幅内側方向を示している。
図1及び図2に示されるように、本第1実施形態に係る車両用ポップアップフード装置10は、エンジンルーム11を覆うフード12と、このフード12の後部を車体14に対して回転可能に支持した左右一対のフードヒンジ16L、16Rと、歩行者等の当接物が車両に当接した際などに作動するアクチュエータ18(リフター)とを含んで構成されている。
フードヒンジ16Lは、フード12の後部の下方側における車幅方向一端側(左端側)に配置されており、フードヒンジ16Rは、フード12の後部の下方側における車幅方向他端側(右端側)に配置されている。これらのフードヒンジ16L、16Rは、ヒンジベース20及びヒンジアーム22を備えている。なお、フードヒンジ16L、16Rは左右対称に形成されており、基本的に同様の構成とされているため、図3及び図4においては、車体右側に配置されたフードヒンジ16Rのみを図示し、車体左側のフードヒンジ16Lについては図示を省略する。
ヒンジベース20は、車体前後方向視で略L字状に形成されており、車体前後方向に沿って延在する狭幅板状の取付部20Aと、取付部20Aの車幅方向内側の端部から車体上方側へ屈曲されかつ側面視で略三角形状に形成された縦壁部20Bとによって構成されている。取付部20Aは、フード12の後端側とウインドシールドガラス24の下端部との間に車幅方向に沿って延在するカウル26(図5参照)の両サイドに設けられた図示しないカウルトップサイドに固定されている。
一方、図3に示されるように、ヒンジアーム22は、車体前後方向に沿って延在する長尺状の部材であり、ヒンジベース20の縦壁部20Bに対して車幅方向内側に配置されている。このヒンジアーム22の後端部は、ヒンジピン28によってヒンジベース20の縦壁部20Bの上端側にヒンジ結合されている。したがって、ヒンジアーム22は、ヒンジピン28を回転中心として車体上下方向へ回転可能とされている。このヒンジアーム22の長手方向中間部には、切欠30が形成されており、ヒンジアーム22の長手方向中間部は、ヒンジアーム22の他の部位よりも脆弱な脆弱部22Aとされている。
また、ヒンジアーム22の前端部は、フード12の後端部に図示しないボルト及びナットによって締結されている。これにより、フード12の後部がフードヒンジ16L、16Rを介して車体14(図示しないカウルトップサイド)に回転可能に連結されており、フード12は、エンジンルーム11を閉塞する閉位置(図2に実線で示される位置)と、エンジンルーム11を開放する開位置(図示省略)との間で車体14に対して回転可能とされている。
なお、フード12が上記閉位置に配置された状態では、フード12の前端部に取り付けられたストライカ34が、ラジエータサポート36の上端側に取り付けられたフードロック装置38に係止されることにより、フード12が閉位置に拘束(ロック)される。
一方、図5に示されるように、アクチュエータ18は、カウル26を構成するカウルインナパネル40に取り付けられている。カウルインナパネル40は、車幅方向から見て車体上方側が開口した断面略ハット状に形成されており、フード12の後部の下方に配置された前壁40Aを備えている。この前壁40Aの下端からは、車体後方側へ向けて底壁40Bが延出されており、底壁40Bの後端からは、車体上方側へ向けて後壁40Cが延出されている。前壁40Aと後壁40Cとの間には、カウルアウタパネル42が配置されている。このカウルアウタパネル42は、上端部が後壁40Cの上端部に結合され、下端部が底壁40Bの前後方向中央部に結合されており、カウルインナパネル40と共に車幅方向に延びる閉断面を形成している。
カウルインナパネル40の前壁40Aとカウルアウタパネル42との間には、車体上方側が開口した開断面であるカウル断面46が形成されている。このカウル断面46の開口は、カウルルーバ41によって閉塞されており、このカウル断面46内の車幅方向中央部にはアクチュエータ18が配置されている。このアクチュエータ18は、円柱状に形成されたハウジング48を備えている。このハウジング48は、軸線方向が略車両上下方向に沿う状態で配置されており、ブラケット50によって前壁40Aに固定されている。ハウジング48の内部には、ガス発生剤で構成されたガス発生手段と、ガス発生剤を燃焼させてハウジング48内にガスを発生させる点火装置と、ハウジング48内に発生したガスの圧力によってハウジング48の上端部から車体上方側へ向けて突出するロッド52とが設けられている。なお、カウルルーバ41には、ロッド52の上端(先端)と対向する部位に開口43が形成されている。
ロッド52の上端(先端)は、フード12が閉位置に配置された状態(図5図示状態)では、フード12の後部の下面に対向して配置される。フード12の後部の下面には、ロッド52の上端に対向する位置に補強板54が結合されている。このため、上述の如くロッド52がハウジング48の上端部から車体上方側へ突出すると、ロッド52の上端が補強板54に当接すると共に、フード12の後部側がロッド52によって車体上方側へ押し上げられる。このため、フードヒンジ16L、16Rの各ヒンジアーム22には、フード12を介して車体上方側への荷重が作用し、各ヒンジアーム22が脆弱部22Aにおいて折れ曲りつつ各ヒンジベース20に対してヒンジピン28回りに回転して所定の上昇位置(図3及び図4に二点鎖線で示される位置)へと上昇する。これにより、ロッド52によるフード12の持ち上げが許容され、フード12の後部側が所定の持ち上げ位置(図2に二点鎖線で示される位置)へと持ち上げられる構成になっている。
上述のアクチュエータ18を作動させる点火装置は、コンソールボックスの下方等に配設された図示しないECU(制御装置)と電気的に接続されている。ECUは、フロントバンパ等に配設されて歩行者等の当接物と車両との当接を検知又は予知する図示しない当接検出センサ(当接検出手段)と電気的に接続されている。
さらに、このECUは、前述したフードヒンジ16L、16Rのそれぞれに取り付けられた保持機構であるアクチュエータ56(図4参照)と電気的に接続されている。これらのアクチュエータ56は、前述したアクチュエータ18よりも大幅に小型で安価なアクチュエータであり、ヒンジベース20の縦壁部20Bを介してヒンジアーム22とは反対側(車幅方向外側)に配置されている。このアクチュエータ56は、縦壁部20Bに固定されたハウジング58を備えている。縦壁部20Bには、ハウジング48と対向する部位に貫通孔60が形成されている。この貫通孔60内には、ハウジング58を介して縦壁部20Bに支持されたロックピン62(保持部材)の先端側が非接触状態で配置されている。
ロックピン62は、ハウジング58に対して車幅方向に相対移動可能に支持されており、ヒンジアーム22が上昇位置に配置された状態では、ロックピン62がヒンジアーム22の下側に配置される構成になっている。なお、本第1実施形態では、ヒンジアーム22は、脆弱部22Aとヒンジピン28との間が車体下方側へ膨出するように湾曲した湾曲部22Bとされており、ロックピン62(アクチュエータ56)は、当該湾曲部22Bの車両前後方向中央部付近(湾曲部22Bの下部付近)に配置されている。
また、上述のハウジング58の内部には、ガス発生剤で構成されたガス発生手段と、ガス発生剤を燃焼させてハウジング58内にガスを発生させる点火装置とが収容されている。この点火装置が作動することにより、ハウジング58内にガスが発生すると、当該ガスの圧力によってロックピン62が縦壁部20Bの車幅方向内側へ突出する構成になっている(図4に二点鎖線で示されるロックピン62参照)。
ここで、本第1実施形態では、上述のECUは、当接検出センサによって車両と当接物との当接が検知又は予知された際には、アクチュエータ18に対して作動信号を出力すると共に、当該作動信号を出力してから所定時間(本第1実施形態では、数ミリ秒)経過後に、フードヒンジ16L、16Rのそれぞれに取り付けられたアクチュエータ56に対して作動信号を出力する構成になっている。
次に、本第1実施形態の作用及び効果について説明する。
図2に実線で示される状態が車両用ポップアップフード装置10の非作動状態である。この状態では、フード12の前端側に設けられたストライカ34がフードロック装置38に係合することにより、フード12が閉位置に拘束されている。この状態から、車両が歩行者等の当接物に当ると、当接検出センサによって当接物と当接したことが検知され、ECUに当接信号が出力される。
ECUでは、入力された当接信号に基づいて車両用ポップアップフード装置10を作動させるべきか否かを判断し、車両用ポップアップフード装置10を作動させるべきと判断すると、アクチュエータ18に作動信号が出力される。これにより、アクチュエータ18が作動すると、ハウジング48の上端部からロッド52が突出し、フード12の後部側がロッド52によって車体上方側へ押し上げられる。これにより、フードヒンジ16L、16Rの各ヒンジアーム22が脆弱部22Aにおいて折れ曲りつつ所定の上昇位置(図3及び図4に二点鎖線で示される位置)へと上昇し、フード12の後部側が所定の持ち上げ位置(図2に二点鎖線で示される位置)へと持ち上げられる。これにより、フード12からエンジンルーム11内に収容されたエンジン等の機器(図示省略)までの距離が大きくなり、フード12が下向きに変形するためのスペースが拡大される。
さらに、ECUは、アクチュエータ18を作動させてから数ミリ秒経過すると、フードヒンジ16L、16Rのそれぞれに設けられたアクチュエータ56に作動信号を出力する。アクチュエータ56が作動すると、ロックピン62が縦壁部20Bの車幅方向内側へと突出し、ロックピン62の先端側がヒンジアーム22の下方に配置される。このため、ヒンジアーム22がロックピン62の先端側に上側から当接することによってヒンジアーム22の下降が制限され、ヒンジアーム22が上昇位置に保持される。これにより、フード12が持ち上げ位置に保持され、フード12が下向きに変形するためのスペースが拡大された状態が維持される。したがって、この状態でフード12に対して上方側から当接物が当接すると、フード12が下向きに大きく変形することにより、当接物への入力荷重(反力)が低減され、当接物に加わる衝撃が緩和される。
ここで、本第1実施形態では、上述の如く左右一対のフードヒンジ16L、16Rのそれぞれに設けられた小型で安価なアクチュエータ56がフードヒンジ16L、16Rの各ヒンジアーム22を上昇位置に保持することによって、フード12の後部が左右両側で持ち上げ位置に支持される。これにより、フード12に対して上方側から荷重が入力された際にもフード12を持ち上げ位置に安定的に保持することができる。しかも、フード12の後部の下方側における車幅方向中央側に配設された単一のアクチュエータ18の駆動力によってフード12の後部側を持ち上げるため、アクチュエータを2個用いてフードの後部側を持ち上げる構成と比較して、大幅なコストダウンを図ることができる。また、フード12の持ち上げ用のアクチュエータを搭載するためのスペースを大幅に縮小することもできる。
さらに、本第1実施形態では、上述の如くフードヒンジ16L、16Rに設けられたアクチュエータ56が各ヒンジアーム22を上昇位置に保持することにより、フード12が持ち上げ位置に保持される。つまり、既存のフードヒンジ16L、16Rを利用した構成によりフード12が持ち上げ位置に保持されるため、フードヒンジ16L、16Rとは別に専用の保持機構を設ける場合と比較して、保持機構の構成を大幅に簡素化することができる。したがって、これによっても大幅なコストダウンを図ることができる。
しかも、アクチュエータ56は、ヒンジアーム22の回転方向と交差する方向(車幅方向)にロックピン62を突出させてヒンジアーム22の回転を規制するため、小型で安価なアクチュエータ56であっても良好にヒンジアーム22の回転(降下)を規制することができる。つまり、本第1実施形態では、既存のフードヒンジ16L、16Rに小型で安価なアクチュエータ56を追加しただけの簡単な構成によりフード12が持ち上げ位置に保持されるため、フード12を持ち上げ位置に保持するための構成を極めて簡単なものにすることができる。また、例えば、フードヒンジ16L、16Rの真上付近に当接物が当接した際には、ロックピン62を剪断破壊させることにより、当接物のエネルギーを吸収することができるため、エネルギー吸収のための構成も極めて簡単なものにすることができる。
さらに、本第1実施形態では、アクチュエータ18がカウル断面46内の車幅方向中央部に配設されているため、単一のアクチュエータ18によってフード12の後部側をバランス良く持ち上げることができる。しかも、アクチュエータ18がカウルインナパネル40の前壁40Aに支持されているため、アクチュエータ18を支持するための専用のブラケット等を省略又は小型化することができる。これにより、車両の軽量化を図ることができる。また、アクチュエータ18の配設スペースによってエンジンルーム11内などが不要に侵食されることを回避することもできる。
なお、上記第1実施形態において、アクチュエータ56(保持機構)がフードヒンジ16L、16Rに設けられることによる上記各効果は、アクチュエータ18の構成や配置とは関係なく得られるものであり、また、アクチュエータ18がカウル断面46内の車幅方向中央部に配設されることによる上記各効果は、保持機構の構成や配置とは関係なく得られるものである。
また、上記第1実施形態では、アクチュエータ56がヒンジベース20に取り付けられた構成にしたが、請求項1及び請求項2に係る発明はこれに限らず、アクチュエータ56がヒンジアーム22に取り付けられた構成にしてもよい。
また、上記第1実施形態では、アクチュエータ56に設けられたロックピン62がガスの圧力で突出する構成にしたが、請求項1〜請求項4に係る発明はこれに限らず、ロックピン62がバネ等の付勢手段の付勢力によって突出する構成にしてもよい。この場合、例えば通常時にはヒンジアーム22によってロックピン62を非突出位置に拘束することが考えられる。また、例えば、アクチュエータ56の代わりにソレノイドを採用し、当該ソレノイドのプランジャ(保持部材)によってヒンジアーム22を上昇位置に保持する構成にしてもよい。
また、上記第1実施形態では、アクチュエータ56が、保持部材としてのロックピン62を車幅方向内側(車幅方向一側)へ突出させてヒンジアーム22に係合(干渉)させる構成にしたが、請求項1及び請求項2に係る発明はこれに限らず、保持部材は、上昇位置から降下しようとするヒンジアーム22の降下軌跡内へ移動可能なものであればよく、その形状や移動方向などは適宜変更することができる。
また、上記第1実施形態では、ヒンジアーム22がヒンジベース20の縦壁部20Bに対して車幅方向内側に配置された構成にしたが、請求項1及び請求項2に係る発明はこれに限らず、ヒンジアーム22がヒンジベース20の縦壁部20Bに対して車幅方向外側に配置された構成にしてもよい。この場合、ロックピン62を縦壁部20Bの車幅方向外側へ突出させる構成になる。
また、上記第1実施形態では、アクチュエータ18がガス発生剤を備えた構成にしたが、請求項1〜請求項4に係る発明はこれに限らず、高圧ガス封入タイプのアクチュエータを採用することもできる。この場合、点火装置が作動することにより隔壁が破断等されることにより所定量のガスがハウジング48内に発生する。この点は、以下に説明する本発明の他の実施形態においても同様である。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、前記第1実施形態と基本的に同様の構成・作用については、前記第1実施形態と同符号を付与し、その説明を省略する。
図6には、本発明の第2実施形態に係る車両用ポップアップフード装置の構成部材であるフードヒンジ70Rの部分的な構成が側面図にて示されている。また、図7には、図6の7−7線に沿った切断面を示す拡大断面図が示されている。
この実施形態は、前記第1実施形態と基本的に同様の構成とされているが、前記第1実施形態に係るアクチュエータ56が省略されており、フードヒンジ70R自体によって保持機構が構成されている。このフードヒンジ70Rは、前記第1実施形態に係るフードヒンジ16Rと基本的に同様の構成とされており、フード12の後部の右端側を車体14に対して回転可能に支持している。但し、このフードヒンジ70Rでは、ヒンジベース20の縦壁部20Bの前部には、車体上方側へ突出した側面視台形状の載置部20B1が設けられている。また、縦壁部20Bの後部には車体上方側へ突出した連結部20B2が設けられている。この連結部20B2は、載置部20B1よりも高さ寸法が大きく設定されており、この連結部20B2の上端側にはヒンジピン28を介してヒンジアーム22が連結されている。
このヒンジアーム22は、前記第1実施形態に係るヒンジアーム22と基本的に同様の構成とされているが、この実施形態では、ヒンジアーム22がヒンジベース20の縦壁部20Bに対して車幅方向外側に配置されている。また、この実施形態では、ヒンジアーム22の湾曲部22Bと縦壁部20Bとの間の隙間Lが最小限に設定されている。つまり、通常のフード12の開閉時には、ヒンジアーム22が縦壁部20Bと擦れ合わない程度の最小限の隙間Lが設定されている。さらに、このヒンジアーム22の湾曲部22Bの下縁部には、切欠72が形成されている。この切欠72は、上述の載置部20B1に対応している。
なお、この実施形態では、フード12の後部の下方側における車幅方向一端側(左端側)には、上述したフードヒンジ70Rと左右対称に形成されたフードヒンジ70L(図示省略)が配置されており、当該フードヒンジ70Lを介してフード12の後部の左端側が車体14に対し回転可能に支持されている。また、この実施形態では、上述した以外の構成は、前記第1の実施形態と同様の構成とされている。
ここで、この実施形態では、前記第1実施形態と同様にアクチュエータ18が作動することにより、フード12が持ち上げ位置に持ち上げられる(図8参照)。この持ち上げの際には、フード12の後部の車幅方向中央部のみがアクチュエータ18のロッド52により押し上げられる(図8の矢印A参照)ため、フード12の車幅方向両端側が慣性で元の位置に留まろうとする。このため、図8に二点鎖線で示される如くフード12が撓み、フード12の車幅方向両端部が車幅方向内側へ僅かに変位する(図8の矢印B参照)。このため、フード12の車幅方向両端部に固定された各ヒンジアーム22が、フード12の持ち上げに伴って上昇しつつ車幅方向内側へ変位し、各ヒンジベース20の載置部20B1に乗り上げる(各ヒンジアーム22の切欠部72が各ヒンジベース20の上端面に当接する)。これにより、各ヒンジアーム22が上昇位置に保持され、フード12が持ち上げ位置に保持される。
このように、この実施形態では、フードヒンジ70R、70Lによって保持機構が構成されているため、保持機構を構成するための専用部品が不要である。したがって、保持機構の構成を極めて簡単なものにすることができると共に、装置の更なる低コスト化を図ることができる。
なお、上記第2実施形態では、各ヒンジアーム22の切欠部72が各ヒンジベース20の上端面に当接することにより、各ヒンジアーム22が各ヒンジベース20に乗り上げる構成としたが、請求項4に係る発明はこれに限らず、ヒンジベースに対するヒンジアームの乗り上げ方は適宜変更することができる。例えば、ヒンジベースの上下方向中間部に車幅方向へ突出する突出部が設けられ、当該突出部の上にヒンジアームが乗り上げる構成にしてもよい。
なお、前記第1実施形態では、フードヒンジ16L、16Rに設けられたアクチュエータ56が保持機構とされ、上記第2実施形態では、フードヒンジ70L、70R自体が保持機構とされた構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、保持機構がフードヒンジとは別に設けられた構成にしてもよい。
また、上記各実施形態では、アクチュエータ18がカウル断面46内に配置された構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、アクチュエータの配置は適宜変更することができる。
また、上記各実施形態では、アクチュエータ18がロッド52により直接的にフード12の後部側を持ち上げる構成にしたが、請求項1〜請求項4に係る発明はこれに限らず、アクチュエータ18の駆動力がリンク等を介してフードの後部側に伝達されることにより、フードが持ち上げられる構成にしてもよい。
また、上記各実施形態では、アクチュエータ18がカウル断面46内の車幅方向中央部に設けられた構成にしたが、請求項1〜請求項4に係る発明はこれに限らず、フードの後部の下方側における車幅方向中央側に配置された単一のアクチュエータによって、フードの後部側をバランス良く持ち上げることができればよい。具体的には、アクチュエータ18は、車幅方向において、図1のW2及びW3で示されるエリアに配置されていることが好ましい(なお、図1において、W1=W2=W3=W4)。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことは言うまでもない。
10 車両用ポップアップフード装置
12 フード
16R、16L フードヒンジ
18 アクチュエータ
20 ヒンジベース
22 ヒンジアーム
56 アクチュエータ(保持機構)
62 ロックピン(保持部材)
70L、70R フードヒンジ(フードヒンジ70Lは図示省略)

Claims (4)

  1. フードの後部の下方側における車幅方向中央側に配設された単一のアクチュエータの駆動力によって前記フードの後部側を持ち上げる持ち上げ機構と、
    前記フードの後部の下方側における車幅方向両側にそれぞれ配設され、前記フードを前記持ち上げ機構による持ち上げ位置に保持する保持機構と、
    を備えた車両用ポップアップフード装置。
  2. 車体側に取り付けられたヒンジベースと、前記ヒンジベースに回転可能に連結されると共に前記フードの後部に取り付けられ、前記持ち上げ機構による前記フードの持ち上げ時に前記ヒンジベースに対して上昇するヒンジアームとを有するフードヒンジを備え、前記保持機構は、前記フードヒンジに設けられて前記ヒンジアームを上昇位置に保持する一方、前記アクチュエータは、車体のカウル断面内の車幅方向中央部に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置。
  3. 前記ヒンジアームは、前記ヒンジベースに対して車幅方向一側に重なり合って配置され、前記保持機構は、前記ヒンジベースに対して相対移動可能に支持された保持部材を前記ヒンジアームの前記上昇後に前記車幅方向一側へ突出させて前記ヒンジアームに係合させることを特徴とする請求項2に記載の車両用ポップアップフード装置。
  4. 前記保持機構は、車体側に取り付けられたヒンジベースと、前記ヒンジベースに対して車幅方向外側に重なり合った状態で回転可能に連結されると共に前記フードの後部に取り付けられたヒンジアームとを有し、前記持ち上げ機構による前記フードの持ち上げ時に前記フードが撓むことにより、前記ヒンジアームが前記ヒンジベースに対して上昇しつつ車幅方向内側へ変位して前記ヒンジベースに乗り上げるように構成されたフードヒンジであることを特徴とする請求項1に記載の車両用ポップアップフード装置。
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