JP2011143818A - 車両用フード装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒンジベースに設けられたヒンジアーム連結部の付近に上方側から衝突体が衝突した場合でも、衝突体に対する衝撃を緩和することができる車両用フード装置を得る。
【解決手段】本車両用フード装置では、歩行者との衝突が予測された際になどに、アクチュエータ18がロッド36を上方側へ突出させてフードの後部側を持ち上げる。この際、ヒンジベース20のロア部材38に取り付けられた伝達シャフト60の入力部60Aにロッド36が衝突し、伝達シャフト60が通常位置から伝達位置へと回転される。これにより、伝達シャフト60のカム部60BがCリング54に衝突し、Cリング54が規制軸50から脱落すると共に、規制軸50が図示しないスプリングの付勢力によってアッパ部材40及びロア部材38から脱落する。これにより、アッパ部材40(ヒンジアーム連結部20A)がロア部材38に対して連結軸48周りに下方側へ相対移動可能になる。
【選択図】図4

Description

本発明は、フードの後部側がヒンジベースを介して車体側に連結された車両用フード装置に関する。
下記特許文献1には、アクチュエータによってフードの持ち上げ及び引き下げを行うポップアップフード装置が開示されている。このようなポップアップフード装置では、フードの後部側にフード持ち上げアーム(ヒンジアーム)が連結されており、車体側にはアーム固定ブラケット(ヒンジベース)が固定されている。アーム固定ブラケットは、車体上方側へ突出したヒンジ部を備えており、このヒンジ部にフード持ち上げアームが連結されている。
フード持ち上げアームは、歩行者との衝突が予測された際にアクチュエータの駆動力によって持ち上げられるようになっている。これにより、フードの後部側が持ち上げられ、フードとエンジン等との間に空間が形成されると共に、持ち上げられたフードが歩行者との衝突によって撓むことにより、歩行者の衝突エネルギーが吸収される。
特開2008−114699号公報
ところで、上述の如きポップアップフード装置(車両用フード装置)では、アーム固定ブラケットのヒンジ部(ヒンジアーム連結部)が、車体の意匠面を構成するフェンダパネルによって覆われており、両者は車体の意匠上の要請などから、互いに近接して配置されている。このため、フードが持ち上げられた状態(ポップアップ作動後)であっても、歩行者などの衝突体がフェンダパネルを介して上方側から上記ヒンジアーム連結部の付近に衝突した場合には、衝突体に対する衝撃が大きくなる虞があり、改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、ヒンジベースに設けられたヒンジアーム連結部の付近に上方側から衝突体が衝突した場合でも、衝突体に対する衝撃を緩和することができる車両用フード装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の発明に係る車両用フード装置は、フードの後部側に取り付けられたヒンジアームと、車体側に固定されると共に前記ヒンジアームが回動可能に連結されたヒンジアーム連結部を有するヒンジベースと、作動することにより前記フードの後部側を持ち上げるアクチュエータと、前記アクチュエータの作動に伴って、前記ヒンジアーム連結部が車体に対して下方側へ相対移動することを可能にする相対移動可能化手段と、を備えている。
請求項1に記載の車両用フード装置では、アクチュエータが作動すると、フードの後部側が持ち上げられると共に、ヒンジベースに設けられたヒンジアーム連結部が車体に対して下方側へ相対移動可能になる。したがって、ヒンジアーム連結部の付近に上方側から衝突体が衝突した場合でも、ヒンジアーム連結部が車体に対して下方側へ相対移動することにより、衝突体に対する衝撃を緩和することができる。
請求項2に記載の発明に係る車両用フード装置は、請求項1に記載の車両用フード装置において、前記ヒンジベースは、前記ヒンジアーム連結部が設けられたアッパ部材と、前記アッパ部材が取り付けられると共に車体側に固定されたロア部材とを有し、前記相対移動可能化手段は、前記アクチュエータの作動に伴って、前記ロア部材に対する前記アッパ部材の相対移動を可能にすることを特徴としている。
請求項2に記載の車両用フード装置では、アクチュエータが作動すると、ヒンジベースのアッパ部材が、ヒンジベースのロア部材に対して相対移動することが可能になる。これにより、アッパ部材に設けられたヒンジアーム連結部が車体に対して下方側へ相対移動することが可能になる。したがって、例えば、ヒンジベースの全体を車体に対して下方側へ相対移動可能に構成する場合に比べて、相対移動可能化手段を簡単な構成にすることができる。
なお、請求項2に記載の車両用フード装置においては、アッパ部材がロア部材から完全に脱落することにより、アッパ部材がロア部材に対して相対移動可能になる場合も含まれる。
請求項3に記載の発明に係る車両用フード装置は、請求項2に記載の車両用フード装置において、前記相対移動可能化手段は、前記ロア部材に対して前記アッパ部材を相対移動可能に連結した連結手段と、前記ロア部材に対する前記アッパ部材の前記相対移動を規制する規制手段と、前記アクチュエータの作動に伴って前記規制を解除する解除手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項3に記載の発明に係る車両用フード装置では、連結手段がアッパ部材をロア部材に対して相対移動可能に連結しており、規制手段が当該相対移動を規制している。そして、アクチュエータが作動すると、解除手段が規制手段の規制を解除する。これにより、アッパ部材がロア部材に対して相対移動可能になる。したがって、簡単な構成で相対移動可能化手段を成立させることができる。しかも、アッパ部材がロア部材に対して相対移動した後においても、連結手段によってアッパ部材とロア部材との連結状態を維持することができる。すなわち、アッパ部材がロア部材から完全に脱落することを回避できるため、アクチュエータ作動後の修理を容易なものにすることができる。
請求項4に記載の発明に係る車両用フード装置は、請求項3に記載の車両用フード装置において、前記連結手段は、前記ロア部材に対して前記アッパ部材を相対回転可能に連結した連結軸とされていることを特徴としている。
請求項4に記載の車両用フード装置では、規制手段による相対移動規制が解除手段によって解除されると、アッパ部材がロア部材に対して連結軸回りに相対回転可能になる。これにより、アッパ部材をロア部材に対して相対移動させることができると共に、当該相対移動後においても連結軸によってアッパ部材とロア部材との連結状態を維持することができる。したがって、簡単な構成で連結手段を成立させることができる。
請求項5に記載の発明に係る車両用フード装置は、請求項3又は請求項4に記載の車両用フード装置において、前記規制手段は、前記アッパ部材と前記ロア部材との間に掛け渡された規制部材を有し、前記解除手段は、前記アクチュエータの作動に伴って、前記アッパ部材及び前記ロア部材の少なくとも一方から前記規制部材を脱落させることを特徴としている。
請求項5に記載の車両用フード装置では、アッパ部材とロア部材との間に掛け渡された規制部材によって、ロア部材に対するアッパ部材の相対移動が規制されている。そして、アクチュエータが作動すると、解除手段がアッパ部材及びロア部材の少なくとも一方から規制部材を脱落させる。これにより、規制部材による上記相対移動規制が解除されるため、簡単な構成で規制手段を成立させることができる。
請求項6に記載の発明に係る車両用フード装置は、請求項5に記載の車両用フード装置において、前記規制手段は、前記規制部材に係合することで前記脱落を阻止する脱落阻止部材を有し、前記解除手段は、前記規制部材を前記少なくとも一方からの脱落方向へ付勢する付勢手段を有すると共に、前記アクチュエータの作動に伴って前記係合を解除することを特徴としている。
請求項6に記載の発明に係る車両用フード装置では、脱落阻止部材が規制部材に係合することにより、アッパ部材及びロア部材の少なくとも一方からの規制部材の脱落が阻止されている。したがって、通常時に規制部材が不用意に脱落することを防止できる。また、アクチュエータが作動した際には、解除手段によって規制部材への脱落防止部材の係合が解除され、規制部材が上記少なくとも一方から脱落可能となる。この規制部材は、解除手段を構成する付勢手段によって上記少なくとも一方からの脱落方向へ付勢されている。したがって、アクチュエータの作動時に規制部材を良好に脱落させることができる。
請求項7に記載の発明に係る車両用フード装置は、請求項3〜請求項6の何れか1項に記載の車両用フード装置において、前記解除手段は、前記アクチュエータの駆動力を前記規制手段に伝達することで前記規制を解除させる伝達手段を有することを特徴としている。
請求項7に記載の車両用フード装置では、フードの後部側を持ち上げるアクチュエータの駆動力が、伝達手段によって規制手段に伝達される。これにより、規制手段によるアッパ部材の相対移動規制が解除される。このように、フード持ち上げ用のアクチュエータの駆動力を利用して規制手段の規制を解除するため、当該規制解除用の動力源を新たに設ける必要がない。したがって、解除手段を簡単な構成にすることができる。
請求項8に記載の発明に係る車両用フード装置は、請求項7に記載の車両用フード装置において、前記伝達手段は、前記ロア部材又は車体側に相対移動可能に取り付けられ、前記アクチュエータの駆動力が入力されることにより車体に対して相対移動すると共に、当該相対移動時に前記規制手段に干渉する干渉部を備えた伝達部材を有することを特徴としている。
請求項8に記載の車両用フード装置では、アクチュエータが作動すると、ヒンジベースのロア部材又は車体側に取り付けられた伝達部材に対して、アクチュエータの駆動力が入力され、伝達部材が車体に対して相対移動すると共に、伝達部材に設けられた干渉部が規制手段に干渉する。これにより、規制手段によるアッパ部材の相対移動規制が解除される。したがって、伝達手段を簡単な構成にすることができる。
請求項9に記載の発明に係る車両用フード装置は、請求項8に記載の車両用フード装置において、前記アクチュエータは、作動時に本体部から突出して前記フードの後部側を持ち上げる移動体を有し、前記伝達部材は、前記移動体の突出経路に配置された入力部を有し、前記移動体が前記入力部に衝突することにより車体に対して相対移動することを特徴としている。
請求項9に記載の車両用フード装置では、アクチュエータが作動すると、アクチュエータの本体部から移動体が突出し、この移動体によってフードの後部側が持ち上げられる。しかも、この移動体の突出経路には、伝達部材に設けられた入力部が配置されており、上記突出時に移動体が入力部に衝突する。これにより、伝達部材が車体に対して相対移動する。このように、アクチュエータの移動体を伝達部材の入力部に衝突させることにより、アクチュエータの駆動力を伝達部材に入力するため、簡単な構成でアクチュエータの駆動力を伝達部材に入力することができる。
請求項10に記載の発明に係る車両用フード装置は、請求項9に記載の車両用フード装置において、前記伝達部材は、前記ロア部材に対して相対回転可能に取り付けられ、自らの回転軸線方向に沿って長尺状に形成されると共に、長手方向一端側に前記入力部が設けられ、長手方向他端側に前記干渉部が設けられていることを特徴としている。
請求項10に記載の車両用フード装置では、アクチュエータが作動すると、アクチュエータの本体部から突出した移動体が、伝達部材の長手方向一端側に設けられた入力部に衝突する。これにより、伝達部材がヒンジベースのロア部材に対して相対回転し、伝達部材の長手方向他端側に設けられた干渉部が規制手段に干渉する。このように、入力部及び干渉部が伝達部材の長手方向両端側に離れて設けられているため、伝達部材の長さ寸法を適宜設定変更することにより、アクチュエータ及び規制手段の配置の自由度を向上させることができる。しかも、伝達部材が自らの回転軸線方向に沿って長尺状に形成されているため、伝達部材が回転(移動)するためのスペースを小さくすることができる。
請求項11に記載の発明に係る車両用フード装置は、フードの後部側に取り付けられたヒンジアームと、車体側に固定されると共に前記ヒンジアームが回動可能に連結されたヒンジアーム連結部を有するヒンジベースと、前記ヒンジベースと車体との間に設けられ、前記ヒンジアーム連結部に対して下方側への所定値以上の荷重が作用した際には、前記ヒンジベースが車体に対して下方側へ相対移動することを許容する相対変位許容手段と、を備えている。
請求項11に記載の車両用フード装置では、ヒンジベースに設けられたヒンジアーム連結部の付近に上方側から衝突体が衝突した場合には、ヒンジベースと車体との間に設けられた相対変位許容手段によって、車体に対するヒンジベースの下方側への相対移動が許容される。これにより、衝突体に対する衝撃を緩和することができる。
以上説明したように、請求項1に記載の発明に係る車両用フード装置では、ヒンジベースに設けられたヒンジアーム連結部の付近に上方側から衝突体が衝突した場合でも、衝突体に対する衝撃を緩和することができる。
請求項2に記載の発明に係る車両用フード装置では、相対移動可能化手段を簡単な構成にすることができる。
請求項3に記載の発明に係る車両用フード装置では、簡単な構成で相対移動可能化手段を成立させることができると共に、アクチュエータ作動後の修理を容易なものにすることができる。
請求項4に記載の発明に係る車両用フード装置では、簡単な構成で連結手段を成立させることができる。
請求項5に記載の発明に係る車両用フード装置では、簡単な構成で規制手段を成立させることができる。
請求項6に記載の発明に係る車両用フード装置では、通常時に規制部材が不用意に脱落することを防止できると共に、アクチュエータの作動時に規制部材を良好に脱落させることができる。
請求項7に記載の発明に係る車両用フード装置では、規制手段の規制解除用の動力源を新たに設ける必要がなく、解除手段を簡単な構成にすることができる。
請求項8に記載の発明に係る車両用フード装置では、伝達手段を簡単な構成にすることができる。
請求項9に記載の発明に係る車両用フード装置では、簡単な構成でアクチュエータの駆動力を伝達部材に入力することができる。
請求項10に記載の発明に係る車両用フード装置では、アクチュエータ及び規制手段の配置の自由度を向上させることができると共に、伝達部材が移動するためのスペースを小さくすることができる。
請求項11に記載の発明に係る車両用フード装置では、ヒンジベースに設けられたヒンジアーム連結部の付近に上方側から衝突体が衝突した場合でも、衝突体に対する衝撃を緩和することができる。
本発明の第1実施形態に係る車両用フード装置が適用されて構成された車両の部分的な構成を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用フード装置の概略図であり、(A)はアクチュエータ作動前の状態を説明するための図であり、(B)はアクチュエータ作動後の状態を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用フード装置を構成するヒンジベース及びヒンジアームを含む周辺部材の構成を車幅方向外側から見た状態で示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用フード装置を構成するヒンジベース及びヒンジアームを含む周辺部材の構成を車幅方向内側から見た状態で示す斜視図である。 図4の5−5線に沿って切断した切断面を示す縦断面図である。 図4に対応した斜視図であり、アクチュエータが作動した後の状態を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用フード装置を構成するヒンジベースを含む周辺部材の構成を示す分解斜視図である。 図7の8−8線に沿って切断した切断面を示す縦断面図である。 図7の9−9線に沿って切断した切断面を示す縦断面図である。 図9に対応した縦断面図であり、ナット付リテーナの余長部が伸ばされてヒンジベースがカウルトップサイドに対して車体下方側へ相対変位した状態を示す図である。
以下、図1〜図6を用いて、本発明の第1実施形態に係る車両用フード装置10について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示し、矢印UPは車両上方側を示し、矢印INは車両幅方向内側を示している。
図1には、本第1実施形態に係る車両用フード装置10が適用されて構成された車両11の部分的な構成が斜視図にて示されている。また、図2(A)及び図2(B)には、車両用フード装置10の構成が概略図にて示されている。本車両用フード装置10は、所謂車両用ポップアップフード装置であり、エンジンルームを開閉するフード12の後部側に配設されたポップアップ機構部14を主要部として構成されている。なお、ポップアップ機構部14は、フード12の後部側の両サイドにそれぞれ配設されているが、図1及び図2では説明の都合上、車体左側に配置されたポップアップ機構部14のみが図示されている。
ポップアップ機構部14は、フード12を開閉可能に支持するフードヒンジ16と、歩行者等の衝突体が車両に衝突した際などに作動するアクチュエータ18とによって構成されている。フードヒンジ16は、フード12の後部側の下方側に配置されており、ヒンジベース20及びヒンジアーム22を備えている。
ヒンジベース20は、フード12の後端側とウインドシールドガラスの下端部との間に車幅方向に沿って延在するカウルの両サイドに設けられた車体側構成部材であるカウルトップサイド24に固定されている。このヒンジベース20は、図1に示されるように、車体前部の車幅方向外側面(意匠面)を構成するフロントフェンダパネル25によって覆われており、上端側に設けられたヒンジアーム連結部20Aがフロントフェンダパネル25の裏面に近接して配置されている。
一方、ヒンジアーム22は、車体前後方向に沿って延在する長尺状の部材であり、ヒンジアーム22の後端部は、ヒンジベース20のヒンジアーム連結部20Aにヒンジピン26によって回動可能に連結されている。したがって、ヒンジアーム22は、ヒンジピン26を回転中心として車体上下方向へ回動可能とされている。
このヒンジアーム22の長手方向中間部には、脆弱部22Aが設けられている。この脆弱部22Aには、例えば切欠などが形成されており、脆弱部22Aは、ヒンジアーム22の他の部位よりも脆弱に形成されている。
また、ヒンジアーム22の前端部は、フード12の後端部に図示しないボルト及びナットによって締結されている。これにより、フード12の後部側がフードヒンジ16を介してカウルトップサイド24に回動可能に連結されており、フード12は、図2(A)に実線で示される閉位置と、図2(A)に二点鎖線で示される開位置との間で車体に対して回動可能とされている。
なお、フード12が上記閉位置に配置された状態では、フード12の前端部に取り付けられたストライカ28が、ラジエータサポート30の上端側に取り付けられたフードロック装置32に係止されることにより、フード12が閉位置に拘束される。
一方、アクチュエータ18は、フードヒンジ16の車体前方側に配置されている。このアクチュエータ18は、図示しないブラケットを介してカウルトップサイド24の車幅方向内側壁24B(エンジンルーム側の壁。図4参照)に固定されたハウジング34(本体部)を備えている。ハウジング34の内部には、ガス発生剤で構成されたガス発生手段と、ガス発生剤を燃焼させてハウジング34内にガスを発生させる点火装置と、ハウジング34内に発生したガスの圧力によってハウジング34の上端部から車体上方側へ突出するロッド36(移動体)とが設けられている。
ロッド36の先端部は、フード12が閉じ位置に配置された状態で、ヒンジアーム22の前端部の下面に対向するように配置されており、上述の如くロッド36がハウジング34の上端部から車体上方側へ突出することにより、ヒンジアーム22の前端部すなわちフード12の後部側がロッド36によって車体上方側へ持ち上げられるようになっている。
上記アクチュエータ18を作動させる点火装置は、コンソールボックスの下方等に配設された図示しないECU(制御手段)と接続されている。ECUは、フロントバンパ等に配設されて歩行者等の衝突体との衝突を検知又は予知する衝突検出センサ(衝突検出手段)と接続されている。
なお、上記アクチュエータ18の代わりに、高圧ガス封入タイプのアクチュエータを採用することもできる。この場合、点火装置が作動することにより隔壁が破断等されることにより所定量のガスがハウジング34内に発生する。また、プリクラッシュセンサを搭載している場合には、前面衝突が予知された段階で上記の作動となる。
一方、図3及び図4に示されるように、前述したヒンジベース20は、ロア部材38とアッパ部材40とに分割されて構成されており、車体前後方向視で略L字状に形成されている。ロア部材38は、板金材料によって形成されたものであり、車体前後方向に沿って延在する長尺板状の固定部38Aと、固定部38Aの車幅方向内側の端部から車体上方側へ延出された側面視台形状のアッパ部材取付部38Bとを備えている。固定部38Aは、カウルトップサイド24の上壁24Aに、ボルト42及び図示しないナットにより固定されている。
アッパ部材40は、板金材料によって側面視略三角形状に形成されものであり、アッパ部材40の上部側には、ヒンジアーム連結部20A(所謂ヒンジセンター)が設けられている。このヒンジアーム連結部20Aには、前述したようにヒンジアーム22の後端部が連結されている。また、アッパ部材40の下部側は、アッパ部材取付部38Bの車幅方向内側に板厚方向に重合した状態で配置されている。この重合部分においてアッパ部材40には、前後一対の貫通孔44(図5参照)が形成されており、アッパ部材取付部38Bには、これらの貫通孔44と同軸的に配置された前後一対の貫通孔46(図5参照)が形成されている。
車体前方側に配置された貫通孔44、46には、連結軸48(図3及び図4参照)が挿通されている。この連結軸48は、軸線方向両端部がかしめられている。これにより、アッパ部材40は、アッパ部材取付部38Bに対して回転可能に連結されており、連結軸48を回転中心としてロア部材38すなわち車体に対し後方斜め下方側へ相対回転可能とされている(図3の2点鎖線および図6参照)。
車体後方側に配置された貫通孔44、46には、規制部材としての規制軸50が挿通されており、この規制軸50によってロア部材38に対するアッパ部材40の上記相対回転が規制されている。
規制軸50の軸線方向一端部は、図5に示されるように、アッパ部材40の車幅方向内側へ突出しており、この突出部分の外周には周溝52が形成されている。この周溝52には、脱落防止部材としてのCリング54が装着されている(係合している)。このため、規制軸50は、Cリング54がアッパ部材40に当たることで、アッパ部材40及びアッパ部材取付部38Bに対する車幅方向外側への相対移動を制限されている。
このCリング54は、図4に示されるように、周方向両端部(開口側)が車体下方側を向くように配置されている。Cリング54の周方向両端部(下端部)には、図5に示されるように、車幅方向内側の斜め下方側を向いた傾斜面54Aが形成されている。
また、規制軸50の軸線方向他端部は、アッパ部材取付部38Bの車幅方向外側へ突出しており、当該突出部分には規制軸50の半径方向外側へ突出した頭部50Aが設けられている。このため、規制軸50は、頭部50Aがアッパ部材取付部38Bに当たることで、アッパ部材40及びアッパ部材取付部38Bに対する車幅方向内側への相対移動を制限されている。
さらに、頭部50Aには、アッパ部材取付部38B側へ開口した環状溝56が形成されている。この環状溝56は、規制軸50と同軸的に形成されており、この環状溝56内には、付勢手段としての圧縮コイルスプリング58が設けられている。この圧縮コイルスプリング58は、規制軸50の頭部50Aとアッパ部材取付部38Bとの間に圧縮状態で配置されており、規制軸50を車幅方向外側(アッパ部材40及びアッパ部材取付部38Bからの脱落方向)へ付勢している。
一方、ロア部材38の固定部38Aの車幅方向内側には、伝達部材としての長尺な伝達シャフト60(図2では図示省略)が配設されている。伝達シャフト60は、軸線方向が車体前後方向に沿う状態で配置されており、固定部38Aの車幅方向内側端部に設けられた前後一対の軸受部38Cによって回転可能に支持されている。これにより、伝達シャフト60は、図3及び図4に実線で示される通常位置と、図3及び図4に二点鎖線で示される伝達位置との間でロア部材38に対して相対回転可能とされており、通常時は、上記通常位置に配置されている。
なお、上述の軸受部38Cは、固定部38Aを構成する板金材料の一部が帯板状に延出されると共に、円筒状に曲げ加工されることで形成されたものであるが、他の第1実施形態では、固定部38Aとは別体に形成された軸受部が固定部38Aに取り付けられる構成にしてもよい。
伝達シャフト60の前端部は、固定部38Aよりも車体前方側へ突出して配置されている。この伝達シャフト60の前端部(長手方向一端部)には、伝達シャフト60の半径方向外側へ突出した板状の入力部60Aが設けられている。この入力部60Aは、伝達シャフト60が通常位置に配置された状態では、車幅方向内側へ突出し、前述したアクチュエータ18のハウジング34の上方においてロッド36の突出経路に配置される。このため、ロッド36がハウジング34から上方側へ突出した際には、ロッド36の先端が入力部60Aに衝突することにより、伝達シャフト60が通常位置から伝達位置へ回転されるようになっている。
また、図4に示されるように、伝達シャフト60の後端部は、前述したCリング54の車体下方側に配置されている。この伝達シャフト60の後端部(長手方向他端部)には、伝達シャフト60の半径方向外側へ突出した略板状のカム60B(干渉部)が設けられている。このカム60Bは、入力部60Aと同じ側へ突出しており、先端側が曲面状に形成されている。このカム60Bの先端側(曲面部)は、伝達シャフト60が伝達位置へ回転した際にCリング54の傾斜面54Aに干渉(衝突)するようになっている。
次に、本第1実施形態の作用及び効果について説明する。
図2(A)に実線で示される状態が車両用フード装置10の非作動状態である。この状態のときには、アクチュエータ18が非作動状態にあるため、ロッド36はアクチュエータ18のハウジング34内に収容された状態にある。この状態から、車両が歩行者等の衝突体と前面衝突すると、図示しない衝突検知手段によって衝突体と前面衝突したことが検知され、図示しないECUに衝突信号が出力される。
ECUでは、入力された衝突信号に基づいて車両用フード装置10を作動させるべきか否かを判断し、車両用フード装置10を作動させるべきと判断すると、アクチュエータ18に作動信号が出力される。これにより、アクチュエータ18が作動すると、図2(B)に示されるように、ハウジング34の上端部からロッド36が突出し、ヒンジアーム22の前端部すなわちフード12の後部側がロッド36によって車体上方側へ持ち上げられる。これにより、フード12からエンジンルーム内に収容されたエンジン等の機器(図示省略)までの距離が大きくなり、フード12が下向きに変形するためのスペースが拡大される。したがって、この状態でフード12に対し上方側から衝突体が衝突すると、フード12が下向きに大きく変形することにより、衝突体の衝突エネルギーが吸収され、衝突体への入力荷重(反力)が低減される。
ここで、本第1実施形態では、上述の如くロッド36が突出した際には、ヒンジベース20のロア部材38に取り付けられた伝達シャフト60の入力部60Aに、ロッド36の先端部が衝突することにより、伝達シャフト60が通常位置から伝達位置へと回転される(図5の矢印A参照)。伝達シャフト60が伝達位置へと回転されると、伝達シャフト60のカム60Bの先端側がCリング54の傾斜面54Aに衝突する。これにより、Cリング54に車体上方側への衝撃力が入力され、Cリング54が規制軸50から脱落する(Cリング54と規制軸50との係合が解除される(図5の矢印B参照)。Cリング54が脱落すると、規制軸50が圧縮コイルスプリング58の付勢力によって、ヒンジベース20のアッパ部材40及びロア部材38から脱落する(図5の矢印C参照)。これにより、規制軸50によるアッパ部材40の回転規制が解除され、ロア部材38(すなわち車体)に対するアッパ部材40の下方側への相対移動が可能になる。
したがって、この状態では、アッパ部材40のヒンジアーム連結部20Aの付近に、フロントフェンダパネル25を介して上方側から衝突体が衝突したとしても、図6に示されるようにヒンジアーム連結部20A(すなわちアッパ部材40)が車体に対して下方側へ相対移動することにより、衝突体に対する衝撃が緩和される。なお、図6では、説明の都合上、ヒンジアーム22の図示を省略してある。
しかも、この車両用フード装置10では、ヒンジベース20がアッパ部材40とロア部材38とに分割されており、ヒンジアーム連結部20Aが設けられたアッパ部材40がロア部材38に対して相対移動可能になる。したがって、例えばヒンジベースの全体を車体に対して下方側へ相対移動可能に構成する場合に比べて、簡単な構成で車体に対するヒンジアーム連結部20Aの相対移動を可能にすることができる。
さらに、この車両用フード装置10では、アッパ部材40をロア部材38に対して相対移動可能に連結した連結軸48(連結手段)と、当該相対移動を規制する規制軸50(規制手段)と、当該規制を解除する伝達シャフト60及び圧縮コイルスプリング58(解除手段)と、による簡単な構成によって、ロア部材38に対するアッパ部材40の相対移動可能化が実現されているため、低コストで車両の衝突安全性を向上させることができる。
また、この車両用フード装置10では、アッパ部材40がロア部材38に対して相対移動した後においても、連結軸48(連結手段)によってアッパ部材40とロア部材38との連結状態が維持される。すなわち、アッパ部材40がロア部材38から完全に脱落することが回避されるため、アクチュエータ18の作動後(所謂ポップアップ作動後)における車両の修理を容易なものにすることができる。しかも、単なる軸(連結軸48)によってアッパ部材40とロア部材38とが連結されているため、連結手段の構成の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
さらに、この車両用フード装置10では、アッパ部材40とロア部材38との間に掛け渡された規制軸50によって、ロア部材38に対するアッパ部材40の相対移動が規制されており、当該規制軸50がアッパ部材40及びロア部材38から脱落することにより上記相対移動規制が解除される。したがって、簡単な構成で規制手段を成立させることができる。
また、この車両用フード装置10では、Cリング54が規制軸50に装着されることにより、アッパ部材40及びロア部材38からの規制軸50の脱落が阻止されている。したがって、通常時に規制軸50が不用意に脱落することを防止できる。しかも、規制軸50が圧縮コイルスプリング58によってアッパ部材40及びロア部材38からの脱落方向へ付勢されているため、規制軸50へのCリング54の装着状態が解除された際に、規制軸50を良好にアッパ部材40及びロア部材38から脱落させることができる。
また、この車両用フード装置10では、フード持ち上げ用のアクチュエータの駆動力を利用して規制軸50によるアッパ部材40の移動規制を解除するため、当該規制解除用の動力源を新たに設ける必要がない。したがって、解除手段の構成の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
さらに、この車両用フード装置10では、アクチュエータ18のロッド36が伝達シャフト60の入力部60Aに衝突することで、アクチュエータ18の駆動力が伝達シャフト60に入力されるため、アクチュエータ18から伝達シャフト60への駆動力の入力を簡単な構成で実現することができる。
また、この車両用フード装置10では、カム60Bを備えた伝達シャフト60がロア部材38に対して回転することで、アクチュエータ18の駆動力がCリング54(規制手段)に伝達される。したがって、簡単な構成でアクチュエータ18の駆動力を規制手段に伝達することができる。
さらに、この車両用フード装置10では、入力部60A及びカム60Bが伝達シャフト60の長手方向両端側に離れて設けられている。したがって、伝達シャフト60の長さ寸法を適宜設定変更することにより、アクチュエータ18及び規制軸50の配置の自由度を向上させることができる。しかも、伝達シャフト60が自らの回転軸線方向に沿って長尺状に形成されているため、伝達シャフト60(伝達部材)が回転(移動)するためのスペースを小さくすることができる。
なお、上記第1実施形態では、伝達シャフト60(伝達部材)がロア部材38に取り付けられた構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、伝達部材が車体(カウルトップサイド24など)に取り付けられた構成にしてもよい。
また、上記第1実施形態では、伝達シャフト60(伝達部材)が自らの回転軸線方向に沿って長尺状に形成された構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、伝達部材が長手方向と交差する方向の軸線周りに回転される構成にしてもよい。
また、上記第1実施形態では、伝達シャフト60(伝達部材)の入力部60Aに、アクチュエータ18のロッド36が衝突することで、アクチュエータ18の駆動力が伝達シャフト60に入力される構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、アクチュエータ18から伝達部材への駆動力の入力方法は適宜変更することができる。
さらに、上記第1実施形態では、伝達シャフト60(伝達部材)の長手方向一端部に入力部60Aが設けられ、伝達シャフト60の長手方向他端部にカム60Bが設けられた構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、伝達部材の構成は適宜変更することができる。例えば、アクチュエータ18のロッド36とCリング54との間に掛け渡されたワイヤなどによって伝達部材(解除手段)を構成することもできる。
また、上記第1実施形態では、フード持ち上げ用のアクチュエータ18の駆動力を利用して規制軸50によるアッパ部材40の移動規制を解除する構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、当該規制解除用の動力源を別途設ける構成にしてもよい。
また、上記第1実施形態では、規制軸50(規制部材)が圧縮コイルスプリング58の付勢力によってアッパ部材40及びロア部材38から脱落する構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、規制部材が、伝達部材から入力される衝撃力や自重などにより脱落する構成にしてもよい。
また、上記第1実施形態では、規制軸50(規制部材)がアッパ部材40及びロア部材38の両方から脱落する構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、規制部材は、アッパ部材40及びロア部材38の少なくとも一方から脱落すればよい。
また、上記第1実施形態では、規制部材が1つの規制軸50によって構成された場合について説明したが、請求項1に係る発明はこれに限らず、規制部材の数や形状は適宜変更することができる。
さらに、上記第1実施形態では、Cリング54(脱落阻止部材)によって規制軸50の不要な脱落が防止される構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、脱落阻止部材が省略された構成にしてもよい。
また、上記第1実施形態では、ロア部材38に対するアッパ部材40の相対移動を規制する規制手段が、アッパ部材40とロア部材38との間に掛け渡された(両者を貫通した)規制軸50を含んで構成された場合について説明したが、請求項1に係る発明はこれに限らず、規制手段の構成は適宜変更することができる。
また、上記第1実施形態では、ロア部材38に対してアッパ部材40を相対回転可能に連結した連結軸48によって連結手段が構成された場合について説明したが、請求項1に係る発明はこれに限らず、連結手段の構成は適宜変更することができる。例えば、アッパ部材40をロア部材38に対してスライド可能に連結するスライド機構によって連結手段を構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、アクチュエータ18の作動に伴ってロア部材38に対するアッパ部材40の相対移動を可能にする相対移動可能化手段が、連結手段(連結軸48)、規制手段(規制軸50及びCリング54)、及び解除手段(伝達シャフト60及び圧縮コイルスプリング58)によって構成された場合について説明したが、請求項1に係る発明はこれに限らず、相対移動可能化手段の構成は適宜変更することができる。例えば、ロア部材38に対するアッパ部材40の相対移動時に、アッパ部材40がロア部材38から完全に脱落する構成にしてもよい。
さらに、上記第1実施形態では、ヒンジベース20がアッパ部材40とロア部材38とに分割され、アッパ部材40がロア部材38に対して下方側へ相対移動する構成したが、請求項1に係る発明はこれに限らず、ヒンジベースの全体が車体に対して下方側へ相対移動する構成にしてもよい。
<第2の実施形態>
次に、図7〜図10を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、前記第1の実施形態と基本的に同様の構成・作用については、前記第1の実施形態と同符号を付与し、その説明を省略する。
図7には、本第2実施形態に係る車両用フード装置の構成部材であるヒンジベース62及びカウルトップサイド64を含む周辺部材の構成が分解斜視図にて示されている。この実施形態に係る車両用フード装置は、ポップアップ動作を行わない通常の車両用フード装置であり、前記第1実施形態に係るアクチュエータ18が省略されている。
この実施形態に係るヒンジベース62は、アッパ部材とロア部材とに分割されておらず、カウルトップサイド64に固定された固定部62Aと、固定部62Aの後部側における車幅方向内側端部から車体上方側へ延出された側面視略三角形状のヒンジアーム連結部62Bとを備えている。ヒンジアーム連結部62Bの上端側には、ヒンジアーム22の後端部がヒンジピン26によって回動可能に連結されている(図8参照)。なお、このヒンジアーム22では、前記第1実施形態に係る脆弱部22Aが省略されている。
また、この実施形態に係るカウルトップサイド64は、カウルトップサイド本体66と、パッチ68(補助部材)とによって構成されている。カウルトップサイド本体66は、上壁66A、車幅方向内側壁66B、及び車幅方向外側壁66Cを備え、車体前後方向視で車体下方側が開口した開断面形状(断面コ字状)に形成されている。また、パッチ68は、カウルトップサイド本体66の上壁66Aの下側で車幅方向内側壁66Bと車幅方向外側壁66Cとの間に配置されている。このパッチ68は、車体前後方向に沿って延在する左右一対の前後延在部68Aと、左右一対の前後延在部68Aの前端部及び後端部を車幅方向に連結した前後一対の左右延在部68Bとを備えており、略枠状に形成されている。
左右一対の前後延在部68Aの長手方向中央部には、それぞれ接合部68Cが設けられている。右側(車幅方向外側)の前後延在部68Aに設けられた接合部68Cは、車幅方向外側へ向けて突出すると共に、先端側が車体下方側へ屈曲されてカウルトップサイド本体66の車幅方向外側壁66Cにスポット溶接により接合されている。また、左側(車幅方向内側)の前後延在部68Aに設けられた接合部68Cは、車幅方向内側へ向けて突出すると共に、先端側が車体下方側へ屈曲されてカウルトップサイド本体66の車幅方向内側壁66Bにスポット溶接により接合されている。
さらに、左右一対の前後延在部68Aの長手方向中央部には、各接合部68Cと反対側において、それぞれ支持部68Dが設けられている。右側の前後延在部68Aに設けられた支持部68Dは、車幅方向内側へ向けて突出しており、左側の前後延在部68Aに設けられた支持部68Dは、車幅方向外側へ向けて突出している。これらの支持部68Dは、先端側が車体上方側へ向けて屈曲されており、互いに車幅方向に対向している。
一方、前後一対の左右延在部68Bは、各中央部が車体上方側へ断面コ字状に膨出しており、これらの膨出部分の頂壁部は、締結部68B1とされている。前側の締結部68B1は、車体前方側へ延出されており、後側の締結部68B1は、車体後方側へ延出されている。これらの締結部68B1は、図9に示されるように、各上面がカウルトップサイド本体66の上壁66Aの下面に当接しており、各締結部68B1の各下面には、それぞれウェルドナット70が溶着されている。各ウェルドナット70の内周部は、各締結部68B1に形成された円孔72及びカウルトップサイド本体66の上壁66Aに形成された前後一対の円孔74と同心状に配置されている。
これらの円孔74の間において、カウルトップサイド本体66の上壁66Aには、開口76が形成されている。この開口76は、長手方向が車体前後方向に沿った長尺矩形状に形成されており、相対変位許容手段を構成するナット付リテーナ78(ヒンジ固定用部材)に対応している。
ナット付リテーナ78は、板金材料によって長尺状に形成されたものであり、長手方向が車体前後方向に沿う状態で配置されている。このナット付リテーナ78の長手方向両端部は、車体側固定部78Aとされている。前側の車体側固定部78Aは、開口76の車体前方側で上壁66Aの上面に当接しており、後側の車体側固定部78Aは、開口76の車体後方側で上壁66Aの上面に当接している。
各車体側固定部78Aには、それぞれ円孔80が形成されており、これらの円孔80及び前述した円孔72、74を貫通した前後一対のボルト82(図9参照)が各締結部68B1のウェルドナット70に螺合している。これにより、ナット付リテーナ78が、開口76の前側から後側に掛け渡された状態でカウルトップサイド本体66の上壁66Aに締結(固定)されている。
開口76に対向して(跨って)配置されたナット付リテーナ78の長手方向中央部には、ヒンジ側固定部78Bが設けられている。ヒンジ側固定部78Bの下面には、前後一対のウェルドナット84が溶着されている。これらのウェルドナット84の内周部は、ヒンジ側固定部78Bに形成された前後一対の円孔86と同心状に配置されている。
ヒンジ側固定部78Bの上面には、前述したヒンジベース62の取付部20Aの下面が当接しており、当該取付部20Aに形成された前後一対の円孔63及び上記各円孔86を貫通した前後一対のボルト88がヒンジ側固定部78Bの各ウェルドナット84に螺合することによってヒンジベース62の固定部62Aがヒンジ側固定部78Bに締結(固定)されている。これにより、ヒンジベース62がナット付リテーナ78を介してカウルトップサイド本体66に固定されている。
ヒンジ側固定部78Bの車幅方向両端部(両側部)からは、車体下方側へ向けて側壁部78B1が延出されている。車幅方向外側の側壁部78B1は、下端側が車幅方向内側へ向けて略水平に屈曲されており、これらの略水平部分の車体前後方向中央部には、それぞれ切欠90が形成されている。これらの切欠90には、前述したパッチ68の左右一対の支持部68Dが嵌合しており、これにより、ナット付リテーナ78が各支持部68Dによって左右から(側方から)支持されている。
さらに、このナット付リテーナ78では、前後一対の車体側固定部78Aとヒンジ側固定部78Bとの間において、前後一対の余長部78C(変形可能部)が設けられている。これらの余長部78Cは、ナット付リテーナ78の一部が車体下方側へ断面略U字状に膨出することにより形成されたものであり、図9に示されるように、開口76を介してカウルトップサイド本体66の内側へ突出している。
次に、本第2実施形態の作用及び効果について説明する。
本第2実施形態では、ヒンジベース62のヒンジアーム連結部62Bの付近に、フロントフェンダパネル25(図7〜図10では図示省略)を介して上方側から衝突体が衝突した場合には、ヒンジベース62とカウルトップサイド64との間に設けられたナット付リテーナ78の余長部78Cが、衝突体の衝突荷重によって車体下方側へ伸ばされることにより、ヒンジベース62がカウルトップサイド64に対して相対的に車体下方側へ変位する(図10参照)。これにより、衝突体に対する衝撃が緩和される。
しかも、この実施形態では、ヒンジベース62とカウルトップサイド64との間に設けられたナット付リテーナ78が変形するため、カウルトップサイド64の変形を抑制することができる。したがって、カウルトップサイド64が永久変形することによる車体の修理コストの増加を回避することができる。
また、単なる余長部78C(変形可能部)が設けられたナット付リテーナ78をヒンジベース62とカウルトップサイド64との間に介在させるだけでよいため、極めて簡単な構成で衝突体に対する衝撃を緩和することができる。
さらに、この実施形態では、ヒンジ側固定部78Bと一対の車体側固定部78Aとの間、すなわちヒンジ側固定部78Bの両端側に設けられた一対の余長部78Cが伸ばされることによりヒンジベース62がカウルトップサイド64に対して相対変位するため、相対変位時及び相対変位後のヒンジベース62の姿勢を安定させることができる。
また、この実施形態では、ナット付リテーナ78がカウルトップサイド64の上壁66Aに形成された開口76の前側から後側に掛け渡されており、カウルトップサイド64の上壁66Aと同等の高さにナット付リテーナ78が配置されている。したがって、ナット付リテーナ78に固定されたヒンジベース62の配置が高くなることを回避できる。
また、この実施形態では、カウルトップサイド64が左右一対の支持部68Dを備えており、これらの支持部68Dによってナット付リテーナ78が左右両側から支持されている。したがって、ナット付リテーナ78及びヒンジベース62を介してカウルトップサイド64に支持されるフード12の後部側の通常時の支持剛性を良好にすることができる。
さらに、この実施形態では、車両の製造時には、ナット付リテーナ78の側部に設けられた切欠90に、カウルトップサイド64の支持部68Dを嵌合させることにより、カウルトップサイド64に対してナット付リテーナ78を位置決めすることができる。これにより、ナット付リテーナ78にヒンジベース62が固定されるヒンジベース62や、当該ヒンジベース62などを介してカウルトップサイド64に連結されるフード12を、車体に対して良好に位置決めすることができる。
なお、上記第2実施形態では、ナット付リテーナ78の側部に切欠90が設けられた構成にしたが、請求項11に係る発明はこれに限らず、切欠90が省略された構成にしてもよい。
また、上記第2実施形態では、カウルトップサイド64のパッチ68が支持部68Dを備えた構成にしたが、請求項11に係る発明はこれに限らず、支持部68Dが省略された構成にしてもよい。
また、上記第2実施形態では、カウルトップサイド64がパッチ68を備えた構成にしたが、請求項11に係る発明はこれに限らず、パッチ68が省略された構成にしてもよい。この場合、カウルトップサイド本体66に直接ウェルドナット70を溶着することや、カウルトップサイド本体66に支持部68Dを設けることができる。
さらに、上記第2実施形態では、カウルトップサイド64の上壁66Aに開口76が形成された構成にしたが、請求項11に係る発明はこれに限らず、開口76が省略された構成にしてもよい。
また、上記第2実施形態では、ナット付リテーナ78(ヒンジ固定用部材)が、一対の車体側固定部78A、一対の余長部78C、及びヒンジ側固定部78Bを備えた構成にしたが、請求項11に係る発明はこれに限らず、ヒンジ固定用部材の構成は適宜変更することができる。
さらに、上記第2実施形態では、一対の余長部78C(変形可能部)を備えたナット付リテーナ78(ヒンジ固定用部材)によって、カウルトップサイド64(車体側構成部材)に対するヒンジベース62の相対変位が許容される構成にしたが、請求項11に係る発明はこれに限らず、例えば、車体側構成部材とヒンジベースとがスライド機構を介して相対変位可能に連結された構成にしてもよい。この場合、通常時は車体側構成部材に対するヒンジベースの相対変位を規制する規制手段(例えば、シェアピン等)を設け、ヒンジベースに対して車体上方側への荷重が作用した際には、上記規制手段による規制を解除する(例えば、シェアピンを破断させる)ことにより、車体側構成部材に対するヒンジベースの相対変位を許容することができる。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことは言うまでもない。
10 車両用フード装置
12 フード
18 アクチュエータ
20 ヒンジベース
20A ヒンジアーム連結部
22 ヒンジアーム
24 カウルトップサイド(車体側構成部材)
36 ロッド(移動体)
38 ロア部材
40 アッパ部材
48 連結軸(連結手段)
50 規制軸(規制手段)
54 Cリング(規制手段)
58 圧縮コイルスプリング(付勢手段、解除手段)
60 伝達シャフト(伝達部材、伝達手段、解除手段)
60A 入力部
60B カム(干渉部)
62 ヒンジベース
62B ヒンジアーム連結部
64 カウルトップサイド(車体側構成部材)
78 ナット付リテーナ(相対変位許容手段)

Claims (11)

  1. フードの後部側に取り付けられたヒンジアームと、
    車体側に固定されると共に前記ヒンジアームが回動可能に連結されたヒンジアーム連結部を有するヒンジベースと、
    作動することにより前記フードの後部側を持ち上げるアクチュエータと、
    前記アクチュエータの作動に伴って、前記ヒンジアーム連結部が車体に対して下方側へ相対移動することを可能にする相対移動可能化手段と、
    を備えた車両用フード装置。
  2. 前記ヒンジベースは、前記ヒンジアーム連結部が設けられたアッパ部材と、前記アッパ部材が取り付けられると共に車体側に固定されたロア部材とを有し、前記相対移動可能化手段は、前記アクチュエータの作動に伴って、前記ロア部材に対する前記アッパ部材の相対移動を可能にすることを特徴とする請求項1に記載の車両用フード装置。
  3. 前記相対移動可能化手段は、前記ロア部材に対して前記アッパ部材を相対移動可能に連結した連結手段と、前記ロア部材に対する前記アッパ部材の前記相対移動を規制する規制手段と、前記アクチュエータの作動に伴って前記規制を解除する解除手段と、を備えたことを特徴とする請求項2に記載の車両用フード装置。
  4. 前記連結手段は、前記ロア部材に対して前記アッパ部材を相対回転可能に連結した連結軸とされていることを特徴とする請求項3に記載の車両用フード装置。
  5. 前記規制手段は、前記アッパ部材と前記ロア部材との間に掛け渡された規制部材を有し、前記解除手段は、前記アクチュエータの作動に伴って、前記アッパ部材及び前記ロア部材の少なくとも一方から前記規制部材を脱落させることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の車両用フード装置。
  6. 前記規制手段は、前記規制部材に係合することで前記脱落を阻止する脱落阻止部材を有し、前記解除手段は、前記規制部材を前記少なくとも一方からの脱落方向へ付勢する付勢手段を有すると共に、前記アクチュエータの作動に伴って前記係合を解除することを特徴とする請求項5に記載の車両用フード装置。
  7. 前記解除手段は、前記アクチュエータの駆動力を前記規制手段に伝達することで前記規制を解除させる伝達手段を有することを特徴とする請求項3〜請求項6の何れか1項に記載の車両用フード装置。
  8. 前記伝達手段は、前記ロア部材又は車体側に相対移動可能に取り付けられ、前記アクチュエータの駆動力が入力されることにより車体に対して相対移動すると共に、当該相対移動時に前記規制手段に干渉する干渉部を備えた伝達部材を有することを特徴とする請求項7に記載の車両用フード装置。
  9. 前記アクチュエータは、作動時に本体部から突出して前記フードの後部側を持ち上げる移動体を有し、前記伝達部材は、前記移動体の突出経路に配置された入力部を有し、前記移動体が前記入力部に衝突することにより車体に対して相対移動することを特徴とする請求項8に記載の車両用フード装置。
  10. 前記伝達部材は、前記ロア部材に対して相対回転可能に取り付けられ、自らの回転軸線方向に沿って長尺状に形成されると共に、長手方向一端側に前記入力部が設けられ、長手方向他端側に前記干渉部が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の車両用フード装置。
  11. フードの後部側に取り付けられたヒンジアームと、
    車体側に固定されると共に前記ヒンジアームが回動可能に連結されたヒンジアーム連結部を有するヒンジベースと、
    前記ヒンジベースと車体との間に設けられ、前記ヒンジアーム連結部に対して下方側への所定値以上の荷重が作用した際には、前記ヒンジベースが車体に対して下方側へ相対移動することを許容する相対変位許容手段と、
    を備えた車両用フード装置。
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