JP4933712B2 - 放射線治療用リポソーム - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、リポソームをこのリポソームの内部に位置するイオン透過担体(イオノフォア)およびキレート化剤(chelator)とともに含み、上記リポソームがα粒子を放出する重放射性核種で安定的に標識されている複合体系(conjugator system)に関する。本発明はさらに、この複合体系の調製方法およびこの系の使用、ならびにこの複合体系を調製するためのキットに関する。
【0002】
抗癌剤治療法における放射性核種の生物医学的利用は、これまで、陽イオン種または陰イオン種、例えば甲状腺癌に対しては[131I]沃化物、および骨格癌の転移からの疼痛を寛解するためには89Srの使用、そしてたいていはモノクローナル抗体に結合させたベータ線放出放射性核種の使用に集中してきた (DeVita ら, 1996)。
【0003】
癌を標的にした放射性核種治療法の利用は、放射性核種を腫瘍特異的な担体化合物に結合させる方法を見出す能力に依存する (Gaze, 1996)。今日、有用な放射線特性を有する放射性核種のいくつかは、放射性核種と担体化合物との間に化学的に安定な結合を与える問題があるため、腫瘍ターゲティングには使用することができない。しかしながら、新しい担体系は、放射性同位体元素の利用のみならず治療法に有用であると考えられる放射性核種の「兵器庫」の両方を拡大することができる (Gaze, 1996)。
【0004】
リポソームは、その表面に結合した受容体親和性基を有するものまたは有しないものも、薬剤の送達について評価されてきたが、いくつかの癌の形態において化学療法剤を送達するために臨床的に使用されている。最近、リポソームの研究の発展は薬物動態学による新しい解釈に導いており、これは、当該化合物を癌に対する内部放射線治療用の放射性核種担体として有用なものにすることができた (Gabizon, 1995)。リポソームの調製および処方における最近のこれらの開発は、結果として、延長された循環時間を有する100nm未満の小さい小胞をもたらした。なぜならば、リポソームの大きさは、膜を通す押し出し法を用いることにより、小さい直径にうまく閉じ込められるからである。さらに、ポリエチレングリコール(PEG)がグラフトしたリポソームの導入は、血漿タン白質からの干渉を減少させ、したがって細網内皮系のマクロファージが作用する認識およびクリアランスを減少させた (Maruyama ら, 1997)。したがって、血中濃度を維持することにより腫瘍取り込みレベルの上昇が達成された。もっと多い腫瘍取り込みは、受容体親和性を有する分子、例えばモノクローナル抗体または葉酸塩(folate)をリポソームの表面に複合(conjugate)させることにより達成された。加えて、いくつかの研究は、PEGをリポソームと標的リガンド(targeting ligand)との間のリンカーとして使用する利点を示した。なぜならば、これは、受容体への到達性をも改善できるからである (例えば Maruyama ら, 1997; Gabison ら, 1999; Lee ら, 1994)。
【0005】
リポソームは、以前は放射性同位体のための担体として研究されてきた (Goins ら, 1998; Turner ら, 1988)。Pikul ら (1987) は、受動的に取り込まれた212Pb-デキストランに基づく研究を報告した(すなわち、リポソームを形成する間に212Pb-デキストランを加え、リポソームの内部である水相と一緒に212Pb-デキストランの一部分が取り込まれた)。上記の著者らは、これらのリポソームが癌の治療に適したことを示唆したのではなく、主としてインビトロで放射性同位体を用いて細胞内での細胞殺傷を研究することに使用していた。212Pbの崩壊から生成した212Biの運命に関するデータは示されず、リポソームの大きさは350〜500nmの程度であった。この大きさは、現在、インビボ腫瘍治療に最適であると考えられる大きさ(約100nm)(Forssen, 1997)と比較して非常に大きい。さらに、そのリポソームはその膜内にPEGを含んでいなかった。
【0006】
Ogihar-Umeda ら (1996) は、ガンマ線を放出する放射性核種67Ga、111Inおよび99mTcの担体としてリポソームを用い、放射性標識されたリポソームをイメージングに使用することを示唆した。
理論的研究において、Kostarelos ら (1999) は、潜在的に治療効果のある放射性核種131I、67Cu、188Reおよび211Atで標識されたリポソームの使用を示唆したが、放射性標識されたリポソームを調製する化学的手順は示唆されなかった。
【0007】
EP 386 146 B1 には、中性子捕獲腫瘍治療用のリポソームカプセル封入化合物のための組成物およびその使用方法が記載されている。しかしながら、これらのリポソームには、活性化の後でしか放射性にならない安定元素(例えば硼素)が充填されており、そのリポソームはイオン透過担体またはキレート化剤のどちらも含有していない。
【0008】
Utkhede ら (1994) は、90YおよびDTPA(これは本発明で記載するキレート化剤とは異なるキレート化剤である)を負荷したリポソームを記載している。さらに、母/娘核種の保持は記載されておらず、加えて90Yは、本願で記載する元素のような重元素ではない。
重アルファ線を放出する放射性核種を用いて、担体の充分安定な放射能標識を達成するには、各元素の化学的性質に適するように適合させた特別な化学的手順が必要であり、このような方法は知られていない。放射性標識、例えばGa,In、Tc、CuまたはReに用いられる手順が、例えば212/213Bi、212Pb、223/224Ra、227Thまたは225Acのような重放射性核種(原子量150を超えるもの)の陽イオン性アルファ線エミッターに適合すると予測することはできない。
【0009】
それゆえに、本発明の目的は、(1) キレート化剤およびアルファ粒子放射線を放出する重放射性核種をカプセル封入しており、(2) 母核種をリポソームに導入したときに娘核種を保持することができ、そして (3) 放射性核種の一団にとり有効な能動的導入の手順で調製することができる、放射性核種-リポソーム複合体系(受容体親和性基を有するかまたは有しない)、この系の使用ならびにこの複合体系を調製するためのキットを提供することである。これらの目的は、添付の特許請求の範囲で特徴づけた本発明によって達成された。
【0010】
本発明は、リポソームを、このリポソームの内部に位置するイオン透過担体(すなわち、リポソームのための金属抽出剤)、およびキレート化剤および重放射性核種(原子量150を超える)とともに含む複合体系に関する。リポソームは、放射性核種の能動的導入法を用いて、すなわち、イオン透過担体を介して調製される。また典型的には100nmの大きさのリポソームを生成する手順に従って調製される。得られた生成物は数日間にわたり良好な化学的安定性を示し、そしてまた、例えば212Biへの212Pbの変換からの娘核種をリポソーム内部に保持することができる。リポソームは、膜に結合したポリアルキレンオキサイド、例えばPEGのような修飾基を用いてまたは用いずに調製することができる。本発明者らは、このような放射性標識したリポソームを、例えば葉酸塩が複合した(conjugated)モノクローナル抗体のような腫瘍探索性のタン白質に連結する方法も、本明細書に記載する。
【0011】
癌治療に適する放射性標識したリポソームを開発するために、本発明者らは、重放射性核種212Bi、213Bi、223Ra、224Ra、225Ac、212Pb、および227Thに基づいて、アルファ粒子を放出する重放射性核種(すなわち、原子量150を超える)を負荷したリポソームの調製および使用を研究した。イオン透過担体を有するリポソーム(小胞)を用いて、好ましくはキレート化剤で放射性標識したリポソーム(すなわち、リポソームは放射性核種およびキレート化剤をカプセル封入している)を、放射性核種の能動的導入法の利用により調製し、典型的には100nmの大きさのリポソームを生成する手順に従って調製した。
【0012】
単層小胞を、脂質薄層水和および押し出し法(thin lipid film hydration and extrusion) (Olson ら, 1979, MacDonald ら, 1991) により、下記のように調製した:モル比2:1のDSPC(ジステアロイルホスファチジルコリン)およびコレステロール、典型的にはそれぞれ10および5μmolを丸底フラスコ中でクロロホルムに溶解した。溶剤を減圧下、ロータリーエバポレータを用いて除去した。次いでこの乾燥脂質フィルムを、0.5〜1mlの150mMクエン酸、30mM DOTA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-四酢酸)、pH4の中で水和させた。得られた懸濁液を5サイクルの凍結および解凍を受けさせ、次いで手動の押し出し装置 (Avenstin, Ottawa, Canada) を用い、孔サイズ100nmのポリカーボネートフィルターを通して5回、そして孔サイズ50nmのフィルターを通して押し出しを繰り返した。この生成物は約30mMの脂質濃度を有していた。このリポソームに放射性核種を負荷する前に、外部溶液を PD-10 カラム上で溶出により、250mMショ糖、20mM HEPES(N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N',2-エタンスルホン酸)、pH7.4と交換した。
リポソーム成分:
a)内部水性媒体:pH1〜14、好ましくは2〜9、より好ましくは4〜5。成分:水;所望の時間間隔、すなわち、イオン透過担体で仲介される放射性核種の導入を開始するまで、内部水性媒体において所望のpHを維持できる物質。好ましくは、内部水性媒体の成分は、放射性金属の錯体形成機能をも生じさせる。この機能は、i) 例えば、pH調節に用いられる該物質の静電的ドナー機能、例えば酢酸塩、クエン酸塩および関連化合物の酸素原子;ii) 内部水性媒体において、例えばEDTA、DTPA、DOTA、DOTMPおよび関連化合物などの錯体形成剤を有することによってその作用をもたらすことができる。
【0013】
b)イオン透過担体:例えば、放射性金属を、脂質二重層を通ってリポソーム外部相からリポソーム内部へ、実質的に不可逆的に輸送できる物質。例:この望ましい様式で機能することが示されるイオン透過担体:カルシウムイオン透過担体 A 23187、ジシクロヘキシル18-C6、ビベンゾ-18-C6、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール、Pb-イオン透過担体。
【0014】
c)脂質二重層の成分:脂質二重層の成分は、好ましくは結果として小胞を形成できる混合物を生じ、そのために液体から固体に転移する温度は、生理的温度よりも高い;例えば、i) リン脂質、例:長鎖アルキル-ホスファチジルコリン、例えば 1,2-ジラウロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DLPC)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POPC);
ii) ステロールまたは類似の特性を有する化合物、これらは脂質二重層を堅くする(脂質二重層の流動性を減少させる)。例:ステロール群の化合物:コレステロールおよびコレステロール-3-スルフェート、および iii) 構築物が腫瘍細胞をターゲティングする特性を増強し、そして血中滞留時間を延長させるための(立体的に)インビボ安定剤、例えばポリエーテル、ポリエチレングリコール。リポソーム処方物にPEGおよび/またはPEG誘導体を含ませると、注射したリポソームの細網内皮系による循環系からのクリアランスが減少する点で利点が得られる。通常は、リン脂質に対して3〜10モル%の量で調製物に含まれる。しかしながら、所望の安定化効果を得るために必要な安定剤の量は、単量体(静電的特性および極性特性)および反復単位の数、すなわち鎖長に依存する。例(PEGおよび/またはPEG誘導体): 1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[ポリ(エチレングリコール)2000](PEG2000DJ/lPE)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[ポリ(エチレングリコール)2000](PEG2000DPPE)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[ポリ(エチレングリコール)2000](PEG2000DSPE)。
【0015】
d)腫瘍細胞をターゲティングする特性を有するように構築物の改質を容易にする成分:活性化した適切な脂質の選択は、ハプテンの性質ならびに調査の必要条件によって決められるであろう。反応の効率は脱離基、親水性スペーサー、リポソームの材料特性および反応関与体の濃度によって支配されるであろう。ハプテンをリポソームと会合したままにしておく必要のあるインビボ調査のためには、よりゆっくりと膜間で交換する、より長いアシル鎖の脂質アンカーを選択することによって、目覚しい利点が得られるであろう。さらに、ハプテンと脂質アンカーとの間の共有結合は、化学的および酵素的な開裂の両方に対して安定であるべきである。活性化した脂質は、脂質と改質剤との間で例えばアミン、アミド、チオエーテルまたはジスルフィド結合を形成するように機能することができる。立体的安定剤、例えばPEGおよび/またはPEG誘導体が調製物に含まれているならば、結合のために機能する基は、好ましくはその安定剤と同一または類似の化合物の末端に存在し、そして安定剤の有効鎖長と同一またはそれより長い有効鎖長で存在する。例:構築物が腫瘍細胞をターゲティングする特性を有するように改質するのを容易にする、PEGおよび/またはPEG誘導体からの小胞成分: N-[w-(2-ピリジルジチオプロピオニルアミノ)ポリ(エチレングリコール)2000]-1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(PDP-PEG 2000-DSPE)、N-[w-[4-(p-マレイミドフェニル)ブタノイル]アミノ]ポリ(エチレングリコール)2000]-1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(MpB-PEG 2000-DSPE)。
【0016】
リポソームに会合した放射性核種を会合していない放射性核種から分離することは、サイズ排除クロマトグラフィーを用いて行った (Mauk および Gamble, 1979; Tilcock ら, 1991)。リポソーム負荷の手順後の分離のために、DP-10 サイズ排除カラムを使用した。PD-10 カラムに適用した1mlまたはそれ以下の容量から、リポソームが最初の4.5mlに溶離した。リポソームと結合していない放射性核種は、低分子量種に相当するフラクションに溶出した。PBS中での負荷したリポソームの(放射性核種の保持に関する)安定性の研究にも、PD-10 カラムを用いた。
【0017】
血清中のリポソームに会合した放射性核種を遊離の放射性核種から分離することは、セファロース CL-4B カラム上でのサイズ排除クロマトグラフィーにより行った (Hwang および Mauk, 1977)。これによって、未結合の放射性核種を実質的に含まない液体担体中に分散した放射性リポソームを含有する溶液を調製することができた。
【0018】
クロマトグラフィー操作の前に、EDTA(エチレンジアミン-N,N'-四酢酸)を加え、リポソームに会合した画分から容易に分離できる状態に遊離放射性核種を安定化した。
リポソームに会合した放射性核種の放射性核種負荷収率および潜在期間を、228Ac、223Ra、212Pb、212Bi、205Biおよび207Biについてガンマ線スペクトロスコピーで確立した。228Acおよび205/207Biを、それぞれ治療上有用な放射性核種225Ac、212Biおよび213Biのための追跡子(tracer)として用いた。
【0019】
本発明者らは、この種のリポソームに導入された212Pbが崩壊した後は、212Biが有意には移動しなかったという有意義かつ予想外の発見をした。分子的に連結された212Bi用ジェネレーターとして、212Pbを利用する現在の状況は、相当の放出(≧30%)が通常はキレート化剤から生じることを示している (McClure および Feinendegen, 1998; Mirzadeh ら, 1993)。しかしながら、例えばリポソーム内部のような高濃度のキレート化剤中に212Pbを閉じ込めることにより、娘生成物の放出を回避することができ、核変換後に娘核種を閉じ込めるのに使用可能な複合体系を提供することができた。212Bi娘核種をほとんど定量的に保持できた212Pbのための複合体系を報告するのは、今回が初めてである。したがって、本発明は、リポソームの内部に位置する放射性核種およびキレート化剤を含むイオン透過担体と一緒になったリポソーム(複合体系)に関し、ここで、この複合体系は娘核種を保持できるかまたは保持できない。
【0020】
本発明に係るキレート化剤は
1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-四酢酸(DOTA)、
1,4,7,10-テトラアザシクロトリデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-四酢酸(TRITA)、
1,4,7,10-テトラアザシクロテトラデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-四酢酸(TETA)、
1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-テトラ(メチレン)ホスホン酸(DOTMP)、
1,4,7,10-テトラアザシクロトリデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-テトラ(メチレン)ホスホン酸、
1,4,7,10-テトラアザシクロテトラデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-テトラ(メチレン)ホスホン酸、
ジエチレントリアミン-N,N',N''-五酢酸およびその異性体誘導体、
クリプテート[2,2,2]、クリプテート[3,2,2]、クリプテート[2,2,1] およびそのモノ−およびジ−ベンゾ誘導体、
富電子(ドナー)基(ヒドロキシル、カルボキシル、エステル、アミド、アミン)を有する架橋カリックス[4]アレン、
1,10-ジアザ-4,7,13,16-テトラオキサシクロオクタデカン-1,10,N,N'-ビス-酢酸、および
1,10-ジアザ-4,7,13,16-テトラオキサシクロオクタデカン-1,10,N,N'-ビス-マロネート
からなる群から選択することができる。
【0021】
別の重要かつ驚くべき発見は、本発明に係るリポソームが223Raを効果的に取り込んで保持できたことである。腫瘍をラジウム-223でターゲティングするのに潜在的に有用な複合体系が記載されたのは、これが初めてである。加えて、本発明者らは、ビスマスおよびアクチニウムも、本明細書に記載する種のリポソーム中に導入され強力に保持しうることを示し、このことは212Bi、213Biおよび225Acに基づく複合体系をも調製できることを示している。
【0022】
本発明に係る複合体系は、リポソーム膜における表面基、例えばPEGを改質したり、または改質しないで調製することができる(PEGグラフト化/PEG化リポソーム)。膜にPEGを用いる利点は、それがいくつかのPEG-反応性基を提供し、その結果、例えば抗体、抗体のフラグメントまたは構築物のようなタン白質または葉酸塩または他の受容体親和性(受容体結合性)のタン白質/分子を複合させるのを可能とすることである。
【0023】
本発明はさらに、リポソーム膜に結合した受容体結合性タン白質を有する新規な種類のリポソームに関する。本明細書において、本発明者らは、葉酸塩で標識した抗体により複合された、放射性標識のPEGグラフト化リポソームを記載する。葉酸塩結合性タン白質(FBP)、すなわち、グリコシル-ホスファチジル-イノシトールが連結した細胞膜タン白質(エンドサイトーシスを介して酸化された葉酸塩の細胞取り込みに関係する)を発現する腫瘍をターゲティングするために葉酸塩および葉酸塩誘導体を使用することは、研究者の中で注目を引いている (Kranz ら, 1996; Reddy ら, 1998; Shinoda ら, 1998; Trippet ら, 1999)。いくつかの種類のヒト癌細胞がFBPを過剰発現することが示されているので、この受容体は、葉酸塩と複合した治療用放射性同位体を送達させるための可能な標的になりうる。したがって、葉酸塩に複合した抗体を用いることにより、癌に対しターゲティングする放射性核種治療法を得ることができるであろう。さらに、葉酸塩で標識した抗体の抗原結合性部位がFBPとは異なる腫瘍関連抗原に対して指令されているならば、二重の結合能力が得られる(すなわち、抗原-抗体およびFBP受容体の両者に対する親和性が得られる)。本発明者らが知るところでは、葉酸塩で標識した抗体を複合させることを記載するのは、これが初めてである。
【0024】
本発明に係るリポソームに複合した葉酸塩で標識した抗体は、放射線治療を増強するために、ある放射性核種または異なる放射性核種の混合物でさらに標識することができるであろう。
葉酸塩で標識した抗体がリポソームに複合するこの新規な組み合わせが、葉酸塩受容体を発現する細胞に放射性核種をターゲティングさせるために使用できることを本発明は示す。これはアルファ粒子エミッターで特に有用であり、これらのエミッターは、哺乳類細胞に対して著しい毒性を有する高い線エネルギー付与(高-LET)のエミッターである (Hall, 1994; Larsen ら, 1998; Ritter ら, 1997)。しかしながら、アルファ放射線源は、他の種類の放射線と比較して放射線を特別に小さい面積に送出することができる。したがって、アルファ放射線源を標的組織に導入できるならば、正常組織への組織被爆を減少させることができる。
【0025】
本発明に係る複合体系はまた、例えばエストロゲンまたはテストステロンに対する抗体を複合させることにより、エストロゲン受容体またはテストステロン受容体を発現する細胞を標的目的とさせるために使用することができるであろう。
本発明により用いられる標識された抗体は、好ましくはIgGまたはIgMクラス、および/またはそのフラグメントおよび/または構築物(例えばミニボディ)のものである。さらに、これらの抗体および/またはフラグメントおよび/または構築物は、ネズミの、キメラの、または充分にヒト化したポリクローナルまたはモノクローナルであろう。
【0026】
本発明はまた、ヒトを含む哺乳類に、静脈内へ、および/または局所へ、および/または腫瘍内への投与経路で注射または注入するのに適した医薬溶液を調製するための、本発明に係る複合体系の使用に関する。その医薬溶液は、放射能免疫複合体または数種の放射能免疫複合体および/または他の形態の放射線医薬品治療法、化学療法、外部光線療法または外科手術と組み合わせて、悪性疾患を処置するために使用することができる。
【0027】
本発明はまた、例えば脳癌、肺癌、頚癌、卵巣癌または乳癌または白血病、リンパ腫または悪性黒色腫のような悪性疾患を処置するための、本発明に係る複合体系の使用方法に関する。
本発明はまた、リポソーム溶液を含有するバイアル、および溶液中で放射性核種を含有する第二のバイアルを含み、放射能標識を容易にするように混合できる、本発明に係る複合体系を調製するためのキットに関する。加えて、このキットを、受容体親和性の複合体系を得るために、受容体親和性を有するタン白質および/または分子を含有する第三のバイアルと混合することができるであろう。
【0028】
試薬および装置
ガンマ線スペクトロスコピー法は、マルチチャンネル分析器 (EG&GORTEC. Oak Ridge, TN, USA) に繋いだゲルマニウム検出器 (Canberra Meriden, CT, USA) を用いて行った。Beckmann LS 6500 (Beckmann, Fullerton CA, USA) を液体シンチレーション計数に用いた。DSPCおよびコレステロールは Northern Lipids (Vancouver, Canada) から購入した。セファデックス G-25 PD-10 カラム (Amersham Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden) を、放射能標識したリポソームの精製に用いた。巨大環状キレート化剤のDOTAをリポソーム内部のキレート化剤として用い、Macrocyclics (Richardson, TX, USA) から購入した。Ultrex 等級のHNO3 (J.T. Baker, Phillipsburg, NJ, USA) および6M HCl (Fisher Scientific, Pittsburgh, PA, USA) および、Fluka(Sigma-Aldrich AS, Norway)から得たビス(2-エチルヘキシル)リン酸(HDEHP)を、この研究に用いた。
【0029】
イオン透過担体で媒介されるリポソームの陽イオン負荷に用いたすべての緩衝液を、アルギニン(遊離塩基)を用いて所望のpHに調節した。用いたすべての水は Milli-Q 浄水装置 (Millipore, Bedford, MA, USA) から得た。イオン交換樹脂は Bio-Rad (Hercules CA, USA) から供給された。
樹脂を水、次いで6M HCl、引き続きアセトン、最後に水で洗浄することにより前処理した。該樹脂はカラムに充填する前においては水中で貯蔵した。
【0030】
用いたDMSOを4オングストロームのふるいで貯蔵した。
この実験に用いた232Th(NO3)4は20年超えて貯蔵しておいたものである。サンプルはオスロ大学化学科核化学グループ(Oslo, Norway)から提供された。
3H-葉酸を、Amersham Pharmacia Biotech (Buckinghamshire, UK) から購入した。
【0031】
他のすべての化学薬品を、Sigma-Aldrich, Norway から購入した。
リポソームとともに実験に用いた放射性核種のいくつかの物理的性質を、表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004933712
【0033】
ベストモード
上記の手順に従って調製したリポソームに、ラジウム-223または鉛-212を負荷した。その次に、抗体をリポソームと反応させて、リポソームの表面上にある抗体分子とした。約100μmのリポソームの大きさが全身的な送達にとって適切であろうが、例えば頭蓋内脳癌を処置するため、または腹腔内卵巣癌を処置するための腔内送達を達成する場合には、200〜1000μmの典型的な大きさを用いることができる。(それより大きなリポソームのサイズは、調製物が注射される体腔からのクリアランス速度を遅くし、これによって腫瘍の領域中で高い濃度が維持されるであろう。)
【0034】
【実施例】
次に、図面および実施例を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【0035】
【実施例1】
リポソーム中への 212 Pb/ 212 Biの負荷
方法: Hassfjell および Hoff (1994) により記載されたように、228Th源からの220Rnの放射を介して、212Pb/212Biを生じさせた。無担体の212Pb/212Biは、採取容器から0.1M HNO3を用いて滲出し、次いでこの溶液を 陽イオン交換樹脂、AG 50W-X4 の2×20mmカラムに適用した。その後、212Pb/212Biを2M HCl中に溶離し、この溶液を蒸発乾固した。次いで212Pb/212Biを200μlの10mM酢酸溶液、pH5に溶解した。212Pbを、その238.6 keV ガンマ線(表1)の測定により定量した。212Biを、放射平衡でその娘核種208Tlの583.1 keV ガンマ線を測定することにより定量した。
【0036】
結果: 加えた活性の0.2%未満が、3日間までのインキュベーション時間でリポソームと会合したことが認められた。
30〜60mMの脂質濃度に相当するリポソームを、イオン透過担体 A 23187のフィルム(10〜13nM)と激しく混合した。次に約1 MBq の212Pb/212Biを加え、この混合物を75℃で30分間インキュベートした後、PD-10 カラム上で溶離した。負荷した小胞の95%を超える分を含有する画分を、次いで第二の PD-10 カラム上で溶離した。リポソームに会合した212Pb/212Biの潜在期間を、小胞をヒト血清または37℃、PBS中でインキュベートすることにより調査した。活性の分布を24時間の期間にわたって追跡した。
【0037】
結果: 212Pbの有効負荷:34.8%(n=3)。
ガンマ線スペクトロスコピー法により保持を測定し、212Pbの99%を超える分が24時間までのインキュベーション時間にリポソームに会合した。
【0038】
【実施例2】
リポソームに会合した 212 Pbの崩壊から形成された 212 Biの保持
方法: 上記のようにリポソームに、212Pbを負荷した。10m M EDTAを含むPBSで前平衡化した PD-10 カラム上で、反応混合物をPBS中の10m M EDTAで溶離することにより、放射能を結合したリポソームを単離した。
【0039】
3時間の後、212Pbと212Biとの間の過渡平衡の成立を確実にするために、上記溶液のアリコートを10m MEDTAを含むPBSを用いて前平衡化した PD-10 カラムに適用して、リポソームに会合した放射性核種から遊離の放射性核種を分離した。活性の分布を24時間の期間にわたり追跡した。
標準として使用するために、上記分離操作を行わなかった標識リポソームの別のアリコート(クロマトグラフィー手順から得られたものと幾何形態が同一のもの)を測定した。これは、放射平衡における212Bi/212Pbの活性比を確立するために行った。
【0040】
結果:クロマトグラフィーで分離したリポソームについて得られた212Bi/212pbの比を平衡混合物のそれと比較することにより、リポソームに会合した212Pbの崩壊後に212Biの95%を超える分がリポソーム中に保持されていたことが示されたと評価した。
さらに、クロマトグラフィーで得られた二つの画分中における212Bi活性の測定値を比較した。総212Bi活性の99%を超える分がリポソームに相当する画分中に溶離していた。
【0041】
【実施例3】
リポソーム中への可能なPbおよびBiの再負荷の調査
方法: 150mMクエン酸、30mM DOTAを閉じ込めており、しかもPBS中に10mM EDTAを含有する外部溶液を用いた、30〜60mMの脂質に相当するリポソームを、イオン透過担体 A23187 のフィルム(ガラスバイアルの内部表面上20〜26 nmol)に加えた。次いでPBS中の212Pbおよび212Biを加えた後、37℃でインキュベートした。この溶液のアリコートを PD-10 カラムに通して溶離し、このクロマトグラフィーで得られた、リポソーム溶離物に相当する画分を装填Ge-検出器でアッセイした。
【0042】
結果: 212Pbおよび212Biの検出可能な負荷(<1%)は、24時間の期間にわたって観察されなかった。
【0043】
【実施例4】
リポソーム中への 223 Raの負荷
227Acに基づくジェネレーターから文献記載のように223Raを形成した (Larsen および Henriksen, 1999)。簡単にいうと、227Acおよびその娘核種227Thを抽出クロマトグラフィー樹脂のカラムに保持し、鉱酸を用いて223Raの溶離を容易にする。リポソーム中にラジウムを導入するために、ジェネレーターから溶出した溶液を蒸発乾固し、次いで223Raを5mMシトレート、pH7.4に溶解した。
【0044】
30〜60mMの脂質濃度に相当するリポソームを、イオン透過担体 A23187のフィルム(ガラスバイアルの内部表面上10〜13 nmol)と激しく混合した。その後、約50 kBq の223Raを加え、この混合物を75℃で20分間インキュベートした。次いで反応混合物を100μlの10mM EDTAに加え、脂質小胞と会合した放射能を単離するために、PD-10 カラム上で溶出した。
【0045】
リポソームに会合した223Raの保持を、ヒト血清 (Sigma) または5mM EDTAを含有するヒト血清中、0.3mg総脂質/ml血清のリポソーム濃度で、37℃でインキュベートすることにより調べた。その結果を表2に示す。これらの結果は223Raがリポソーム中に極めて安定的に保持されることを示している。
【0046】
【表2】
Figure 0004933712
【0047】
【実施例5】
再負荷が 223 Raの保持実験に寄与するかどうかの決定
方法: 150mMクエン酸、30mM DOTAおよび外部溶液としてPBSまたは血清を用いて脂質フィルムを水和することにより形成した、30〜60mMの脂質に相当するリポソームを、イオン透過担体 A23187 のフィルム(ガラスバイアルの内部表面上10〜13 nmol)に加えた。次いで5mMシトレート、pH7.4の223Raを加えた後、37℃でインキュベートした。この溶液のアリコートを PD-10 カラムに通して溶離し、このクロマトグラフィーで得られたリポソームに相当する画分を搭載Ge-検出器でアッセイした。
【0048】
【実施例6】
リポソーム中への 207 Biの負荷
天然鉛を標的とする(p,xn)反応により203-207Biを生成させ、鉛選択的な抽出クロマトグラフィー樹脂を用いて精製した (HenriksenとFoff, 1998)。
主に205Biおよび207Biからなる同位体Bi混合物(以下、207Biとして示す)を、この実験に用いた。10-4M HCl中の207Bi溶液50μlを、30〜60mMの脂質に相当するリポソーム(これは、前もってイオン透過担体 A 23187 のフィルム(ガラスバイアルの内部表面上10〜13nmol)と混合し、75℃で30分間インキュベートした)に加えた。次いで反応混合物を100μlの10mM EDTAに加え、PD-10 カラム上で溶離して、脂質小胞に会合した放射能を単離した。
【0049】
結果:207Biの32%がリポソームと会合したことが認められた。
【0050】
【実施例7】
リポソーム中への 228 Acの負荷
232Th(NO3)4調製物から、溶剤抽出とイオン交換との組み合わせにより228Acを単離した。232Th(NO3)4(もとは4H2O)を20mlの0.1M HNO3に溶解し、500mlの分離ロートに加え、ヘプタン中の2M HDEHP溶液5×100mlと接触させた。次いで水相をヘプタンで3回洗浄し、その後、228Acを文献(Cabell, 1959)記載のように分離するために、AG50W-X12 陽イオン交換樹脂の3×40mmカラムに適用した。このカラムから212Pb、212Bi、224Raおよび228Raを3M HNO3中に溶離し、この溶液を>20時間放置した。次にこの溶液を蒸発乾固した後、放射性核種を該容器から1mlの1M HNO3で滲出した。この溶液を AG50W-X12 の3×40mmカラムに適用した。再び212Pb、212Bi、224Raおよび228Raを3M HNO3中に溶離した。228Acを6M HNO3に溶離し、溶離物を蒸発乾燥した。次いで228Acを容器から200μlの5mM HNO3を用いて滲出した。約6kBq の228Acを上記のようにイオン透過担体 A23187 を含有するリポソームに加え、75℃で60分間インキュベートした。それから反応混合物を100μlの10mM EDTAに加え、PD-10 カラム上で溶離して、脂質小胞に会合した放射能を単離した。負荷した小胞の95%を超える分に相当する画分をプールし、次に第二の PD-10 カラム上で溶離した。放射能標識した小胞をヒト血清またはPBS中で37℃でインキュベートすることにより、リポソームの228Acの保持を調べた。活性の分布を24時間の期間にわたって追跡した。
結果: 負荷実験では、加えた228Acの約90〜95%(標識および精製中の崩壊に関して補正した)が、負荷操作後にリポソームに会合していた。保持実験では、228Acの98%を超える分が、24時間までのインキュベーション時間にリポソームに会合したと認められた。
【0051】
【実施例8】
90 Yの負荷
方法: 放射能標識したリポソームの挙動を研究するためのこの実施例において、90Yを追跡子として用いた。この研究では液体シンチレーション計数により90Yおよび90Srを測定した。
【0052】
Dietz および Horwitz (1992) により記載されたように、ストロンチウム選択的な抽出クロマトグラフィー樹脂を用いて、90Yを90Srから単離した。ここで、0.1M HNO3中の90Sr (Amersham, Buckinghamshire, England) を蒸発乾固し、残留物を3M HNO3に加えた。この溶液をSr樹脂 (EiChroM, Darien, IL, USA) の3×20mmカラムに載せ、このカラムを5mlの3M HNO3で洗浄した。
【0053】
この手順は90Yを選択的に溶離する一方で、Srはカラム上によく保持され、90Sr/90Y混合物の90Srを約103だけ低下させる (Dietz および Horwitz, 1992)。この後、0.05M HNO3を用いて90Srをストリップさせ、この溶液を、90Yを成長させるために1週間放置した。次いでこの溶液を蒸発乾固し、残留物を3M HNO3に加えた後、第二のSr樹脂のカラム上で放射性核種を分離した。90Yを含有する溶離物を蒸発乾固し、200μlの5mM HNO3を用いて容器から滲出した。この溶液を、イオン透過担体 A23187(先に記載した通り) を含有するリポソームに加え、75℃で60分間インキュベートした。次いで反応混合物に50μlの10mM EDTAを加え、PD-10カラムで溶離して、脂質小胞に会合した放射能を単離した。次いで小胞の95%を超える分に相当する画分を第二の PD-10 カラム上で溶離した。ヒト血清またはPBS中、37℃で小胞をインキュベートすることにより、リポソームに会合した90Yのリポソーム保持を調査した。活性の分布を4日の期間にわたって追跡した。
【0054】
結果:ゲル排除カラム上で負荷して精製した1時間後に、加えた90Yの95%を超える分がリポソームに会合していた。
リポソームの保持実験では次の結果が得られた:5時間および1日後に99%を超える分がリポソームに会合していた。4日後にリポソームに会合した画分は98±1%と決定された。
【0055】
これらの実験で示されたように、アルファ粒子および/またはベータ粒子を放出する放射性核種でリポソームを放射能標識することができ、しかもリポソームはこれらの放射性核種を生理的温度で良好に保持することができる。
【0056】
【実施例9】
イットリウム - 90/ラジウム - 223 PEG化リポソーム−葉酸塩−Fab ' の調製
PBS中のF(ab')2Rφ骨髄腫(サブクラスIgG)14mg/mlをこの実験に用いた (Michalsen, Norwegian Institute of Public Health, Oslo, Norway)。
抗体への葉酸の複合
葉酸・2H2Oを最初にジメチルスルホキシド(Fulka、H2O含有量 0.05%未満)に溶解した。次いでこの溶液を活性化した4オングストロームのふるい上にカニューレで加え、アルゴン雰囲気中で暗所に6〜10時間貯蔵した。トリチウムで標識した葉酸塩(3H-葉酸塩)を、3H-葉酸カリウム塩水溶液として加えた(クエン酸に対して1%)。タン白質に複合させるのに用いた3H-葉酸塩の比放射活性は、7〜7.5 GBq/mol であった。
【0057】
3H-葉酸塩をF(ab')2 骨髄腫抗体に結合させるために、10モル当量の 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを葉酸塩溶液に加え、室温で30分間インキュベートすることにより活性化した。その後、30〜40倍モル過剰の活性化した葉酸塩を、PBS中のタン白質14mg/mlに加え、30〜60分間反応させた。PBS/ホウ酸塩、pH8.5中の0.3Mグリシン0.2mlを加えて反応を停止した。PBS中で前平衡化した PD-10 カラムを用いて、葉酸塩F(ab')2複合体(葉酸塩F(ab')2)を未反応物質から分離した。葉酸塩F(ab') を形成するために、葉酸塩F(ab')2を1mMジチオトレイトール(DTT)中で室温、2時間インキュベートし、続いて NAP-5 サイズ排除カラム上で溶離した。この溶液にアルゴンを通気することにより、葉酸塩F(ab') を含有する画分を脱酸素し、その直後にこの溶液をリポソーム溶液と混合した。
【0058】
280nmでの分光光度計の読みと組み合わせた液体シンチレーション計数 (Beckmann LS6500) で測定した精製タン白質の3H含有量により、葉酸が複合した程度を決定した。
リポソームに結合した葉酸塩F(ab') の画分を定量するために、DTTと反応させる前に痕跡量のヨウ素化F(ab') を加えた(タン白質を標準的手順に従って IodoGen でヨウ素化した)。
【0059】
リポソームへの標識した抗体の複合
総リン脂質の5モル%でDSPE-PEG 2000-MPB (Northern Lipids, VA, Canada) のナトリウム塩を含有させた。ほかにイオン透過担体で媒介される陽イオン負荷段階のために、PEG化されていないリポソームについて記載したのと同じ方法でリポソームを構築して調製した。
【0060】
負荷段階後の反応混合物が室温に達した後で、葉酸塩Fab' を加えて0.3〜0.5mg/mlのタン白質濃度を得る前に、リポソーム懸濁液を脱酸素した。脂質濃度は、Bartlett リンアッセイ (Bartlett, 1958) で測定すると、1〜3mMであった。葉酸塩Fab' およびリポソームを室温で2時間反応させた。次いで反応混合物をPBSで平衡化した PD-10 カラムに適用した。葉酸塩Fab' に複合したPEG-リポソームを、葉酸塩受容体結合アッセイに用いる前に4℃で12〜15時間貯蔵した。
【0061】
リポソームに結合した放射能を、二重標識サンプルからのそれぞれのチャンネル中へのスピルオーバー(spillover)を補正して NaI ウェル型検出器で測定した。単一の核種および核種混合物のサンプルを参照として用いた。
放射能の測定値から、リポソームの大きさが100nmおよび8・104リン脂質/小胞 (Kirpotin ら, 1997) およびFab' 骨髄腫抗体の分子量が 52 000 に等しいと仮定して、タン白質濃度をリポソーム当たりのFab' 数に換算した。
【0062】
細胞に結合した放射能を、Insta-Gel plus (Packard) の添加後に NaI-検出器(Y-90に関し3つのより高い濃度)および液体シンチレーション計数により測定した(表3)。
【0063】
【表3】
Figure 0004933712
【0064】
リポソーム上の 3 - 葉酸塩の検出
20mM HEPES/300mMショ糖中のPEGリポソーム(2.5mMの脂質濃度)を、3H-葉酸塩に複合したFab'(PBS中0.5mg/ml、葉酸塩/Fab' 比2±0.2)と反応させた。室温で2時間の後、葉酸塩−Fab' が結合したリポソームを、セファロース CL-4B のカラム上で溶離しることにより単離した。クロマトグラフィーで得た画分の液体シンチレーション計数により、リポソーム上の3H−葉酸塩Fab' を定量し、葉酸塩−Fab'/リポソームの比が約110であると決定した。
略語:
DSPC: ジステアロイルホスファチジルコリン
DOTA: 1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-
四酢酸
DSPE-PEG 2000−MPB: N-(4-(p-マレイミドフェニル)ブチリル)-
1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン (Northern
Lipids, VA, Canada)
HEPES: N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N'-2-エタンスルホン酸
PBS: リン酸緩衝生理食塩水
EDTA: エチレンジアミン-N,N'-四酢酸
HDEHP: ビス(2-エチルヘキシル)リン酸
PEG: ポリエチレングリコール
DTT: ジチオトレイトール
【0065】
【表4】
Figure 0004933712
【0066】
【表5】
Figure 0004933712
【0067】
【表6】
Figure 0004933712

【図面の簡単な説明】
【図1】 図1:OVCAR3細胞への、PEG化リポソーム(リポソーム膜に複合したFab’抗体または葉酸塩で標識したFab’抗体のいずれかを含有する)の結合。
【図2】 図2:OVCAR3細胞への、葉酸塩化PEGリポソームの結合、対(versus)、葉酸塩化されていないPEGリポソームの結合。

Claims (32)

  1. リポソームを、このリポソームの内部に位置するイオン透過担体およびキレート化剤とともに含み、
    該リポソームが
    1以上の、α粒子を放出する原子量150を超える放射性核種および/または
    α粒子放出体である212Bi用のジェネレーターとしての212Pb
    をさらにカプセル封入している
    ことを特徴とする複合体
  2. 上記リポソーム内部のキレート化剤の濃度が、上記α粒子を放出する原子量150を超える放射性核種および/または 212 Pbの放射性崩壊によって生じる娘核種を保持するのに適していることを特徴とする請求項1に記載の複合体
  3. 上記キレート化剤が、
    1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-四酢酸(DOTA)、
    1,4,7,10-テトラアザシクロトリデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-四酢酸(TRITA)、
    1,4,7,10-テトラアザシクロテトラデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-四酢酸(TETA)、
    1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-テトラ(メチレン)ホスホン酸(DOTMP)、
    1,4,7,10-テトラアザシクロトリデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-テトラ(メチレン)ホスホン酸、
    1,4,7,10-テトラアザシクロテトラデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-テトラ(メチレン)ホスホン酸、
    ジエチレントリアミン-N,N',N''-五酢酸およびその異性体誘導体、
    クリプテート[2,2,2]、クリプテート[3,2,2]、クリプテート[2,2,1] およびそのモノ−およびジ−ベンゾ誘導体、
    富電子(ドナー)基(ヒドロキシル、カルボキシル、エステル、アミド、アミン)を有する架橋カリックス[4]アレン、
    1,10-ジアザ-4,7,13,16-テトラオキサシクロオクタデカン-1,10,N,N'-ビス-酢酸、および
    1,10-ジアザ-4,7,13,16-テトラオキサシクロオクタデカン-1,10,N,N'-ビス-マロネート
    からなる群より選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の複合体
  4. 上記リポソームが膜中に活性化された基を含有しており、タン白質または他の受容体親和性の分子がこれらの活性化された基に複合するのを可能にすることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の複合体
  5. 上記の活性化された基がポリエチレングリコールである、請求項4に記載の複合体
  6. 上記リポソームが受容体結合性のタン白質に複合されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の複合体
  7. 上記の受容体結合性のタン白質がモノクローナルまたはポリクローナル抗体または抗体フラグメントまたは構築物または葉酸塩である、請求項6に記載の複合体
  8. 上記リポソームがIgMまたはIgGクラスの抗体、またはこれらのクラスの抗体からのフラグメントまたは構築物と複合されていることを特徴とする請求項6に記載の複合体
  9. 上記リポソームがIgMまたはIgGクラスの抗体、またはこれらのクラスの抗体からのフラグメントまたは構築物と複合されており、その抗体、フラグメントまたは構築物が葉酸塩および1つの放射性核種または異なる放射性核種の混合物で標識されていることを特徴とする請求項6に記載の複合体
  10. 上記リポソームに複合された抗体または抗体フラグメントまたは構築物が、ネズミ、キメラまたはヒトのモノクローナルまたはポリクローナルであることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の複合体
  11. 上記抗体または抗体フラグメントまたは構築物が葉酸塩で標識されており、その抗原結合性部位が葉酸塩結合性タン白質(FBP)に向けて指令されていることを特徴とする請求項10に記載の複合体
  12. 上記抗体または抗体フラグメントまたは構築物が葉酸塩で標識されており、抗原結合性部位がFBPとは異なる抗原に向けて指令されていることを特徴とする請求項10に記載の複合体
  13. 上記α粒子を放出する原子量150を超える放射性核種および/またはα粒子放出体である212Bi用のジェネレーターとしての212Pb211At、212Bi、213Bi、212Pb、225Ac、223Ra、224Ra、および227Thから選択されることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の複合体
  14. 上記リポソームに 212 Pbがカプセル封入されており、 212 Pbの放射性崩壊によって 212 Biが生じることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の複合体
  15. イオン透過担体および好適な濃度のキレート化剤を含むリポソームについて
    1以上の、α粒子を放出する原子量150を超える放射性核種、および/または
    α粒子放出体である212Bi用のジェネレーターとしての212Pb
    を含有する溶液と上記リポソームを含有する溶液とを混合することにより、原子量150を超えるα粒子エミッターでの放射能標識を安定的に行い
    生理的温度と比較して上昇した温度でインキュベートし、上記放射性核種および/または 212 Pbを上記リポソーム内に輸送させる
    ことを特徴とする、放射能標識された複合体の調製方法。
  16. 上記キレート化剤が
    1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-四酢酸(DOTA)、
    1,4,7,10-テトラアザシクロトリデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-四酢酸(TRITA)、
    1,4,7,10-テトラアザシクロテトラデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-四酢酸(TETA)、
    1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-テトラ(メチレン)ホスホン酸(DOTMP)、
    1,4,7,10-テトラアザシクロトリデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-テトラ(メチレン)ホスホン酸、
    1,4,7,10-テトラアザシクロテトラデカン-1,4,7,10,N,N',N'',N'''-テトラ(メチレン)ホスホン酸、
    ジエチレントリアミン-N,N',N''-五酢酸およびその異性体誘導体、
    クリプテート[2,2,2]、クリプテート[3,2,2]、クリプテート[2,2,1] およびそのモノ−およびジ−ベンゾ誘導体、
    富電子(ドナー)基(ヒドロキシル、カルボキシル、エステル、アミド、アミン)を有する架橋カリックス[4]アレン、
    1,10-ジアザ-4,7,13,16-テトラオキサシクロオクタデカン-1,10,N,N'-ビス-酢酸、および
    1,10-ジアザ-4,7,13,16-テトラオキサシクロオクタデカン-1,10,N,N'-ビス-マロネート
    からなる群より選択されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 上記リポソームが膜中に活性化された基を含有しており、タン白質または他の受容体親和性の分子がこれらの活性化された基に複合するのを可能にすることを特徴とする請求項15または16に記載の方法。
  18. 上記の活性化された基がポリエチレングリコールである、請求項17に記載の方法。
  19. 上記リポソームが受容体結合性のタン白質に複合されていることを特徴とする請求項15〜18の何れかに記載の方法。
  20. 上記の受容体結合性のタン白質がモノクローナルまたはポリクローナル抗体または抗体フラグメントまたは構築物または葉酸塩である、請求項19に記載の方法。
  21. 上記リポソームがIgMまたはIgGクラスの抗体、またはこれらのクラスの抗体からのフラグメントまたは構築物と複合されていることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  22. 上記リポソームがIgMまたはIgGクラスの抗体、またはこれらのクラスの抗体からのフラグメントまたは構築物と複合されており、上記抗体が、抗体を葉酸塩および放射性核種で標識するための標準的操作を用いて、葉酸塩および1つの放射性核種または異なる放射性核種の混合物で標識されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  23. 上記リポソームに複合された抗体、または抗体フラグメントまたは構築物が、ネズミ、キメラまたはヒトのモノクローナルまたはポリクローナルであることを特徴とする請求項15〜22の何れかに記載の方法。
  24. 上記抗体または抗体フラグメントまたは構築物が葉酸塩で標識されており、その抗原結合性部位がFBPに向けて指令されていることを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 上記抗体または抗体フラグメントまたは構築物が葉酸塩で標識されており、その抗原結合性部位がFBPとは異なる抗原に向けて指令されていることを特徴とする請求項23に記載の方法。
  26. 上記α粒子を放出する原子量150を超える放射性核種および/またはα粒子放出体である212Bi用のジェネレーターとしての212Pb211At、212Bi、213Bi、212Pb、225Ac、223Ra、224Ra、および227Thから選択されることを特徴とする請求項15〜25の何れかに記載の方法。
  27. 上記原子量150を超えるα粒子エミッターでの放射能標識が、 212 Pbを含有する溶液を用いて行われ、 212 Pbの放射性崩壊によって 212 Biが生じることを特徴とする請求項15〜26の何れかに記載の方法。
  28. ヒトを含む哺乳類に注射または注入するのに適した医薬溶液の調製のための請求項1〜14の何れかに記載の複合体の使用。
  29. ヒトを含む哺乳類に、静脈内へ、および/または局所へ、および/または腫瘍内への投与経路で注射または注入するのに適した医薬溶液の調製のための請求項28に記載の使用。
  30. 放射能免疫複合体または数種の放射能免疫複合体および/または他の形態の放射線医薬品治療法、化学療法、外部光線療法または外科手術と組み合わせた、悪性疾患を処置するための請求項28に記載の使用。
  31. リポソームを、このリポソームの内部に位置するイオン透過担体およびキレート化剤とともに含むリポソーム溶液を含有するバイアルと、
    溶液で
    1以上の、α粒子を放出する原子量150を超える放射性核種、および/または
    α粒子放出体である 212 Bi用のジェネレーターとしての 212 Pb
    を含有するバイアル
    を含み、
    放射性標識を容易にするように混合できることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の複合体を調製するためのキット。
  32. リポソームを、このリポソームの内部に位置するイオン透過担体およびキレート化剤とともに含むリポソーム溶液を含有するバイアルと、
    溶液で
    1以上の、α粒子を放出する原子量150を超える放射性核種、および/または
    α粒子放出体である 212 Bi用のジェネレーターとしての 212 Pb
    を含有する第二のバイアルと
    受容体親和性を有する分子を含有する第三のバイアル
    を含み、
    放射性標識および受容体親和性の分子での標識を容易にするように混合できることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の複合体を調製するためのキット。
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