JP4933474B2 - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の動弁装置、とりわけロッカアームとリンクロッド及び揺動カムとの各枢支部の潤滑性能を向上させることのできる内燃機関の動弁装置に関する。
この種の従来の内燃機関の動弁装置としては、機関運転状態に応じて吸気弁あるいは排気弁のバルブリフト及び作動角を可変にする可変機構を備えたものがあり、その一つとして以下の特許文献に記載されたものがある。
概略を説明すれば、この動弁装置は、一気筒当たり2つの吸気弁を有するものに適用されたもので、クランク軸の回転に同期回転する駆動軸の外周に、軸心が駆動軸の軸心から偏心した駆動カムが固設されていると共に、前記駆動軸の外周に円筒状のカムシャフトが同軸上に回転自在に設けられている。
このカムシャフトは、両端部に一対の吸気弁に対応した左右一対の揺動カムが一体に設けられており、この両揺動カムに前記駆動カムの回転力が多節リンク状の伝達機構を介して伝達されて、各吸気弁をバルブリフターを介して開閉作動させるようになっている。
前記伝達機構は、揺動カムの上方に配置されて、制御軸に固定された制御カムに揺動自在に支持されたロッカアームと、一端部が駆動カムに回転自在に連係しかつ他端部がロッカアームの一端部に回転自在に連結されたリンクアームと、前記揺動カムとロッカアームとを連係するリンクロッドとから構成され、このリンクロッドは、一端部がロッカアームの他端部にピンやピン孔からなる第1枢支部を介して回動自在に連結され、他端部が前記一方の揺動カムのカムノーズ部側にピンやピン孔からなる第2枢支部を介して回転自在に連結されている。
そして、前記駆動軸の回転駆動に伴って駆動カムが偏心回転することにより、リンクアームを介してロッカアームが制御カムを支点として揺動し、さらにかかるロッカアームの揺動運動をリンクロッドが直線運動に変換して揺動カムを駆動軸を支点として揺動させる。これによって、該揺動カムの下面に有するカム面がバルブリフターを介して両吸気弁を開閉作動させるようになっている。
また、機関運転状態の変化に応じて前記制御軸が正逆回転制御されることにより制御カムが偏心回動して、ロッカアームの揺動支点を変化させる。これにより、各バルブリフター上面に対する各揺動カムのカム面の当接位置が変化して、各吸気弁のバルブリフト量と作動角を可変制御するようになっている。これによって、機関低回転時の燃費などの向上と高回転時の出力トルクの向上などが図れ、機関性能を十分に引き出すことが可能になる。
特開2002−256832号公報
ところで、前記従来の動弁装置にあっては、前記揺動カムを、バルブスプリングのばね力等に起因する大きなフリクションに抗してロッカアームやリンクロッドによって揺動させるようになっていることから、ロッカアームとリンクロッドとの第1枢支部であるピンやピン孔並びに揺動カムとリンクロッドとの第2枢支部であるピンやピン孔にそれぞれ大きな摩擦抵抗が発生する。
しかし、かかる第1、第2枢支部に対する積極的な潤滑手段が講じられていないため、これら各枢支部の潤滑性能が不十分である。特に、第1枢支部は、揺動カムから十分に離れた上方に位置していることから、動弁装置の作動で飛散した潤滑油も十分に掛からないため、潤滑性が低下している。
この結果、前記第1枢支部や第2枢支部を構成するピンの外周面やピン孔の孔縁に摩耗が発生して、各部のガタが発生するおそれがある。
本発明は、前記従来の動弁装置の実情に鑑みて案出されたもので、請求項1に記載の発明は、クランク軸から回転力が伝達される駆動軸と、電動モータにより所定回転角度範囲内で正逆回転制御される制御軸と、円筒状を呈し、軸心位置が所定量だけ前記制御軸の軸心から偏倚して設けられた偏心部材と、該偏心部材の外周に支持孔を介して揺動自在に設けられたロッカアームと、前記制御軸の内部から前記ロッカアームの支持孔に向けて開口した潤滑油通路と、前記ロッカアームに回転自在に枢支したリンクアームと該リンクアームを介して前記ロッカアームに揺動力を付与する駆動カムと、前記駆動軸に揺動自在に設けられ、揺動することによって機関弁を開閉作動させる揺動カムと、該揺動カムのカムノーズ部と前記駆動軸を挟んだ反対側の部位に、ピンを介して回動自在に連結されると共に、前記ロッカアームに、ピンを介して回動自在に連結されたリンクロッドと、を備え、
前記揺動カムのカムノーズ部を、前記ロッカアームとリンクロッドとの枢支点となる前記ピンと前記駆動軸の軸心とを結ぶ直線よりも、常に、前記制御軸側に配置したことを特徴としている。
この発明によれば、前記制御軸の内部に形成された潤滑油通路を通ってロッカアームの支持孔から流出した潤滑油が、揺動カムの重力方向上面上、つまり揺動カムの上面に滴下し、この滴下した潤滑油が揺動カムの揺動力によって前記ロッカアームとリンクロッドとの第1枢支点となる前記ピンの方向へ跳ね上げられて、該ピンの周りが強制的に潤滑される。
また、前記第1枢支点であるピンの周りを潤滑した潤滑油は、重力によってリンクロッドの外面を伝って揺動カムとリンクロッドとの間の第2枢支点である前記ピンに供給されるので、該ピンの周りも強制的に潤滑させることができる。
以下、本発明に係る内燃機関の動弁装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。
この実施形態の動弁装置は、1気筒あたり2つの吸気弁を備えかつ該各吸気弁のバルブリフトを機関運転状態に応じて可変にする可変機構を備えた内燃機関に適用されている。
すなわち、この動弁装置は、図1、図2及び図4に示すように、シリンダヘッドに図外のバルブガイドを介して摺動自在に設けられた一対の吸気弁2,2と、機関前後方向に配置された内部中空状の支軸である駆動軸3と、各気筒毎に配置されて、前記駆動軸3の外周面に同軸上に回転自在に支持されたカムシャフト4と、前記駆動軸3の所定位置に固設された駆動カム5と、前記カムシャフト4の両端部に一体に設けられて、各吸気弁2,2の上端部に配設されたバルブリフター6,6に摺接して各吸気弁2,2を開作動させる一対の揺動カム7,7と、駆動カム5と揺動カム7,7との間に連係されて、駆動カム5の回転力を揺動カム7,7の揺動力(開弁力)として伝達する伝達機構8と、該伝達機構8の作動位置を可変にする制御機構9とを備えている。
前記吸気弁2,2は、シリンダヘッド1の上端部内に収容されたほぼ円筒状のボアの底部とバルブステム上端部のスプリングリテーナとの間に弾装されたバルブスプリング10,10によって閉方向に付勢されている。
前記駆動軸3は、機関前後方向に沿って配置されて、両端部がシリンダヘッド1の上部に設けられた図外の軸受によって回転自在に軸支されていると共に、一端部に設けられた従動スプロケット1や該従動スプロケット1に巻装された図外のタイミングチェーン等を介して機関のクランク軸から回転力が伝達されており、この回転方向は図1中、矢印方向に設定されている。
前記各カムシャフト4は、駆動軸3の軸方向に沿ってほぼ円筒状に形成され、内部軸方向に前記駆動軸3の外周面に回転自在に支持される支軸孔4aが貫通形成されていると共に、中央位置に形成された大径円筒状のジャーナル部4bが図外のカム軸受によって回転自在に軸支されている。
前記駆動カム5は、ほぼ円盤状に形成されて、その一側部に固定用の筒状部5aが一体に設けられており、この筒状部5aが駆動軸3の軸方向の所定位置で固定用ピン11を介して駆動軸3上に固定されていると共に、外周面が偏心円のカムプロフィールに形成されて、軸心Yが駆動軸3の軸心Xから径方向へ所定量だけオフセットしている。
前記各揺動カム7は、図1〜図3に示すように同一形状のほぼ雨滴状を呈し、基端部側がカムシャフト4の支軸孔4aを介して前記駆動軸3の軸心Xを中心として揺動するようになっていると共に、揺動カム7の下面には、該揺動カム7の揺動位置に応じて各バルブリフター6の上面所定位置に当接するカム面7aがそれぞれ形成されている。
また、揺動カム7の基端部、つまり前記支軸孔4aを挟んだカムノーズ部7b側と反対側にボス部7cが一体に形成され、該ボス部12には、後述するリンクロッド15の他端部15bと連結する第2枢支部であるピン21が挿通されるピン孔7dが両側面方向へ貫通形成されている。
さらに、この駆動側の一方の揺動カム7の上面には、図3に示すように、凹状の油溜部12が形成されている。この油溜部12は、揺動カム7の上面長手方向に沿って形成されて、中央が最深部となるほぼ円弧溝状に形成されている。
前記伝達機構8は、図1、図2及び図4に示すように、駆動軸3の上方に配置されたロッカアーム13と、該ロッカアーム13の一端部13aと駆動カム5とを連係するリンクアーム14と、ロッカアーム13の他端部13bと一方の揺動カム7のカムノーズ部7bとを連係するリンクロッド15とを備えている。
前記ロッカアーム13は、中央の筒状基部の内部に支持孔13cが横方向から貫通形成され、この支持孔13cに挿通した後述のロッカシャフトである制御軸17の外周面に一体に固定された制御カム18を介して揺動自在に支持されている。また、ロッカアーム13の一方側アームである一端部13aは、先端部の側部にピン19が一体に突設されている一方、他方側アームである他端部13bは、先端部の内部にリンクロッド15の一端部15aと連結する第1枢支部であるピン20が嵌入するピン孔が形成されている。
前記リンクアーム14は、比較的大径な円環部14aと、該円環部14aの外周面所定位置に突設された突出端14bとを備え、円環部14aの中央位置には、前記駆動カム5の外周面に回転自在に嵌合する嵌合孔14cが形成されている一方、突出端14bには、前記ピン19が回転自在に挿通するピン孔が貫通形成されている。
前記リンクロッド15は、プレス成形によって一体に形成され、中央部が横断面ほぼコ字形状に折曲形成されており、内側がコンパクト化を図るために、ほぼく字形状に折曲形成されていると共に、両端部15a,15bが前記ロッカアーム13の他端部13bのピン孔と前記揺動カム7のボス部7cのピン孔7dにそれぞれ挿通した前記各ピン20、21を介して回転自在に連結されている。
すなわち、リンクロッド15は、ほぼ上下方向に配置されて、上端側の一端部15aがロッカアーム13の他端部13bにピン20によって回転自在に連係されている一方、下端側の他端部15bが一方の揺動カム7のボス部7cに、前記ピン孔7dに挿通したピン21によって揺動カム7に回動自在に連係している。
前記各ピン20,21は、それぞれの両端部がリンクロッド15の両端部15a、15bのピン孔15c、15d及びロッカアーム13の他端部13bのピン孔や揺動カム7のピン孔7dに摺動自在に保持されていると共に、各一端部のフランジ部及び他端部に嵌着されたスナップリングによって抜け止めされている。
また、前記揺動カム7のカムノーズ部7bは、図4及び図5に示すように、前記ロッカアーム13とリンクロッド15とを連結するピン20の軸心Qと前記駆動軸3の軸心Xとを結ぶ直線Sよりも、前記制御軸17側に配置されている。
前記制御機構9は、図1に示すように、駆動軸3の上方位置に配置され、かつ図外の軸受に回転自在に支持された前記制御軸17と、該制御軸17の外周に一体に固定されてロッカアーム13の揺動支点となる偏心部材である前記制御カム18と、前記制御軸17を傘歯車機構22やボール螺子機構23を介して正逆回転制御するアクチュエータである電動モータ24(DCモータ)とを備えている。
前記制御軸17は、駆動軸3と並行に機関前後方向に配設されていると共に、一端部に設けられた電動モータ24により所定回転角度範囲内で正逆回転制御されるようになっている。
一方、前記制御カム18は、図4に示すように、円筒状を呈し、軸心P1位置が所定量α分だけ制御軸17の軸心P2から偏倚している。
また、電動モータ24は、機関の運転状態を検出するコントローラ25(ECU)からの制御信号によって駆動するようになっており、このコントローラ25は、マイクロコンピュターが内蔵され、クランク角センサやエアーフローメータ,水温センサ及び制御軸17の回転位置を検出するポテンションメータ等の各種センサからの検出信号に基づいて現在の機関運転状態を演算等により検出して、前記電動モータ24に制御信号を出力している。
そして、この実施形態では、図1及び図2に示すように、前記駆動カム5やリンクアーム14とロッカアーム13のピン19回りを潤滑する第1潤滑油供給回路と、前記制御カム18とロッカアーム13の回りを潤滑する第2潤滑油供給回路が設けられている。
前記第1潤滑油供給回路は、図2に示すように、駆動軸3の内部軸方向に形成されて、図外の軸受内部を介して機関のメインオイルギャラリーから潤滑油が供給される油通路26と、前記駆動軸3の前記カムシャフト4のジャーナル部4bに対応する周壁位置に径方向に沿って貫通形成されて、油通路26からカムシャフト4の内周面と駆動軸3の外周面との間に潤滑油を供給する油孔27と、前記駆動カム5の薄肉部とこれに対応する駆動軸3の周壁とに径方向に連続して形成された油孔28と、リンクアーム14の突出端14bの内部に形成されて、一端が油孔28に連通し、他端が突出端14側の内部から前記ピン19の外周面とピン孔との間に開口した油通路孔29とから構成されている。
前記第2潤滑油供給通路は、制御軸17の内部軸方向に形成されて、軸受内部から導入孔31を介して潤滑油が供給される導入通路30と、前記制御カム18の肉厚部内に径方向に沿って貫通形成されて、一端が前記導入通路30に開口し、他端が該制御カム18の外周面とロッカアーム13の支持孔13cとの間に開口した導入孔32とから構成されている。
以下、本実施形態における可変機構の作動を簡単に説明すれば、機関低回転域などには、かかる機関運転状態を検出したコントローラ25からの制御信号によって電動モータ24を介して制御軸17が一方向へ回転駆動される。このため、制御カム18は、図4A、Bに示すように、肉厚部が制御軸17に対して一方向へ回動して、かかる回動角度位置に保持される。
これにより、ロッカアーム13の他端部13b側が下方向へ回動する。このため、各揺動カム7は、リンクロッド15を介してボス部7c側(基端部側)が強制的に押し下げられ、これによってカムノーズ部7b側が上昇し、全体が図中反時計方向へ相対的に回動する。
したがって、駆動カム5が回転してリンクアーム14がロッカアーム13の一端部13aを引き上げると、その動きによってリンクロッド15を介して揺動カム7を時計方向へ揺動させるが、前述のように、揺動カム7の姿勢が反時計方向に相対的に回動しているので、バルブリフター6のリフト量は十分小さくなる。
よって、吸気弁2,2のバルブリフト量(L1)が小さくなると共に、開時期が遅くなり、排気弁とのバルブオーバラップが小さくなる。このため、例えば低負荷域の燃費の向上と機関の安定した回転が得られる。
一方、機関高回転域に移行した場合は、コントローラ25からの制御信号によって電動モータ24により制御軸17が他方向へ回転駆動される。したがって、制御軸17が、図5A、Bに示すように、制御カム18を所定回転角度位置まで回転させ、肉厚部を図示のように右下方向へ移動させる。
このため、ロッカアーム13の他端部13b側が右方向へ移動し、リンクロッド15を介して揺動カム7のボス部7c側を強制的に引き上げて、揺動カム7全体を図中時計方向に相対的に回動させる。
したがって、各揺動カム7の各バルブリフター6の上面に対する各カム面7aの当接位置がカムノーズ部7b側に移動する。このため、駆動カム5が回転してロッカアーム13の一端部13aを、リンクアーム14を介して引き上げると、前述のように、揺動カムの姿勢が時計方向に相対的に回動しているので、バルブリフター6のリフト量は大きくなる。
よって、各吸気弁2のバルブリフト量(L2)が大きくなって、開時期が早くなると共に、閉時期が遅くなる。この結果、例えば、高負荷域における吸気充填効率が向上し、十分な出力が確保できる。
次に、この実施形態における第1、第2潤滑油供給回路による各部の潤滑作用について説明する。
すなわち、まず、第1潤滑油供給回路では、油通路26内に供給された潤滑油は、油孔27を通ってカムシャフト4の支軸孔4aと駆動軸3の外周面との間に供給されてこの部位を潤滑すると共に、この潤滑油がさらにカムシャフト4の外端縁と駆動カム5の筒状部5aとの対向端縁との間を通って(矢印)揺動カム7のカム面7aとバルブリフター6の上面との間を潤滑する。
また、油通路26から油孔28に流入した潤滑油は、駆動カム5の外周面とリンクアーム14の嵌合孔14cとの間に供給されて潤滑し、さらにここから油通路孔29を通ってピン19の回りを潤滑する。
一方、第2潤滑油供給回路側では、導入通路30内に供給された潤滑油は、導入孔32から制御カム18の外周面と支持孔13c内周面との間に供給されて、この部位を潤滑すると共に、ここから流出した潤滑油(図2中矢印)が図4B及び図5Bに示す液滴Oとなって、その重力下方の一方の揺動カム7の上面に滴下付着し、滴下した潤滑油の一部は油溜部12に捕集される。
そして、図4A及び図5Aに示すように、吸気弁2,2の閉弁作動時、すなわち、揺動カム7のカムノーズ部7bが跳ね上がった際に、該揺動カム7の上面に付着した潤滑油及び油溜部12内の潤滑油が跳ね上げられて、その液滴Oが前記ロッカアーム13の他端部13bとリンクロッド15の一端部15aとを連結するピン20の周囲に付着して、該ピン20回りを積極的に潤滑する。
また、かかるピン20回りに付着した潤滑油は、リンクロッド15の内外周面を伝って流下して、下方側のピン21回りを潤滑する。
したがって、かかる各枢支部であるピン20,21回りの潤滑性能が向上して、該ピン20,21の外周面や各ピン孔の摩耗の発生が防止され、各部のガタの発生を抑制できる。
特に、カムノーズ部7b側の油溜部12内に多量の潤滑油が捕集されることから、揺動カム7の跳ね上げ時にピン20回りに十分に潤滑油を供給することが可能になり、潤滑性能が一層向上する。
しかも、機関作動時において、各揺動カム7,7は、前述のように、それぞれカムノーズ部7b、7b側を押し下げるのではなく、一方のカムノーズ部7bと反対側のボス部7cを引き上げることによって各カムノーズ部7b、7b側が下方移動することによって吸気弁2,2を開作動させるようにしたので、一方側の揺動カム7に、前記ロッカアーム13やリンクロッド15などを介して開弁方向への揺動力を付与した場合でも、バルブスプリング10,10のばね力によって駆動軸3上をカムシャフト4、つまり両揺動カム7,7が傾くことがなくなる。
すなわち、各揺動カム7,7のカムノーズ部7b、7bの一方側を直接的に押し下げて吸気弁2,2を開弁させる場合には、揺動力が伝達される一方側の揺動カム7によって一方の吸気弁2をバルブスプリング10のばね力に抗して押し下げると、揺動力が直接伝達されない他方側の揺動カム7はバルブスプリング10のばね力によって上方へ押圧されていることから、カムシャフト4が駆動軸3の軸心に対して傾いて、該駆動軸3の外周面に片当たりするおそれがある。
しかし、本実施形態のように、揺動カム7のカムノーズ部7bと反対側のボス部7cを、バルブスプリング10,10の付勢方向(図2中F1、F1方向)と同一方向(図2中、F2方向)へ引き上げることによって、前記傾きの発生が防止されるのである。
これによって、駆動軸3に対する片当たりの発生が防止されて、駆動軸3の外周面とカムシャフト4の内周面との間の摩耗の発生が防止されるのである。
さらに、前記傾きが抑制されることによって、意に反したバルブリフトの変化を小さく抑制することができる。また、2つのカム面7a、7aのリフト差の発生が抑制され、もって2弁間のリフト差の発生が抑制され、機関性能が安定する。
また、本実施形態では、揺動カム7,7を支持する支軸を、駆動軸3によって構成すると共に、該駆動軸3に駆動カム5を一体的に固定したため、部品点数を削減でき、コストの低減化と装置の小型化が図れる。
図6及び図7は本発明の第2の実施形態を示し、前記一方側の揺動カム7のカムノーズ部7b側を、前記リンクロッド15の他端部15bをピン20を介して回動自在に連結すると共に、前記リンクロッド15よって前記カムノーズ部7b側を押し下げて吸気弁2、2を開弁させるように形成したものである。
また、前記揺動カム7のカムノーズ部7bは、図示のように、前記ロッカアーム13とリンクロッド15とを連結するピン20の軸心Qと前記駆動軸3の軸心Xとを結ぶ直線Sよりも、前記制御軸17側に配置されていることは、第1の実施形態と同様である。
したがって、この実施形態によれば、前記第1実施形態と同様に揺動カム7の跳ね上げ時に潤滑油をピン20回りに供給できるので、潤滑性能の向上が図れることは勿論のこと、リンクロッド15の他端部15bは、装置の内側に向いた揺動カム7のカムノーズ部7b側に連結されていることから、該リンクロッド15自体も内側向きに配置されることになる。この結果、装置全体のコンパクト化が図れる。
前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
(1)前記揺動カムの重力方向の上面に、油溜部を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の動弁装置。
この発明によれば、滴下した潤滑油を油溜部に一旦溜めて、揺動カムの跳ね上げ時に、該油溜部内の多くの潤滑油をロッカアームとリンクロッドとの枢支点に跳ねかけて供給することから、より潤滑性能が向上する。
(2)前記揺動カムのカムノーズ部側に、前記リンクロッドとの枢支点を設け、前記リンクロッドよって前記カムノーズ部側を押し下げて機関弁を開弁リフトさせるように形成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の動弁装置。
この発明によれば、リンクロッドは、装置の内側に向いた揺動カムのカムノーズ部側に連結されていることから、該リンクロッド自体も内側向きに配置されることになる。
この結果、装置全体のコンパクト化が図れる。
(3)前記揺動カムを支持する支軸を、機関のクランクシャフトによって回転駆動される駆動軸によって構成すると共に、該駆動軸に、前記リンクアームと連係する偏心駆動カムを一体的に固定したことを特徴とする請求項1〜(2)のいずれかに記載の内燃機関の動弁装置。
この発明によれば、部品点数を削減でき、コストの低減化と装置の小型化が図れる。
(4)前記ロッカシャフトには、ロッカアームの揺動支点となる偏心制御カムが設けられ、前記ロッカシャフトを回動制御することにより前記偏心制御カムを回動位置を制御して、ロッカアームの揺動支点を変化させることにより、前記機関弁のバルブリフト量を変化させるように形成したことを特徴とする請求項1〜(3)のいずれかに記載の内燃機関の動弁装置。
この発明によれば、機関弁のバルブリフト量を機関運転状態に応じて可変制御することができ、これによって、機関性能を十分に発揮することができる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、前記吸気弁側ばかりか排気弁側に適用することも可能であり、また動弁装置としては、可変機構を備えない通常の動弁装置に適用することも可能である。
また、バルブリフタは、前記実施形態のような上下動タイプだけではなく、一支点を中心に揺動する、いわゆるスイングアームタイプのバルブリフタであってもよい。
本発明に係る動弁装置の第1の実施態様を示す斜視図である。 本実施形態の動弁装置の展開図である。 本実施形態に供されるカムシャフト及び揺動カムの斜視図である。 Aは本実施形態における可変機構による低リフト制御時の開弁状態を示す作用説明図、Bは同閉弁状態を示す作用説明図である。 Aは本実施形態における可変機構による高リフト制御時の開弁状態を示す作用説明図、Bは同閉弁状態を示す作用説明図である。 Aは第2の実施形態における可変機構による低リフト制御時の開弁状態を示す作用説明図、Bは同閉弁状態を示す作用説明図である。供される1つの揺動カムを示す斜視図である。 Aは同第2の実施形態における可変機構による高リフト制御時の開弁状態を示す作用説明図、Bは同閉弁状態を示す作用説明図である。
符号の説明
2…吸気弁
3…駆動軸(支軸)
4…カムシャフト
7…揺動カム
7b…カムノーズ部
7c…ボス部
8…伝達機構
9…可変機構
12…油溜部
13…ロッカアーム
14…リンクアーム
15…リンクロッド
17…制御軸(ロッカシャフト)
19…ピン
20…ピン(枢支部)
21…ピン(枢支部)
26…油通路
30…導入通路
33…導入孔
S…直線

Claims (2)

  1. クランク軸から回転力が伝達される駆動軸と、
    電動モータにより所定回転角度範囲内で正逆回転制御される制御軸と、
    円筒状を呈し、軸心位置が所定量だけ前記制御軸の軸心から偏倚して設けられた偏心部材と、
    該偏心部材の外周に支持孔を介して揺動自在に設けられたロッカアームと、
    前記制御軸の内部から前記ロッカアームの支持孔に向けて開口した潤滑油通路と、
    前記ロッカアームに回転自在に枢支したリンクアームと
    該リンクアームを介して前記ロッカアームに揺動力を付与する駆動カムと、
    前記駆動軸に揺動自在に設けられ、揺動することによって機関弁を開閉作動させる揺動カムと、
    該揺動カムのカムノーズ部と前記駆動軸を挟んだ反対側の部位に、ピンを介して回動自在に連結されると共に、前記ロッカアームに、ピンを介して回動自在に連結されたリンクロッドと、
    を備え、
    前記揺動カムのカムノーズ部を、前記ロッカアームとリンクロッドとの枢支点となる前記ピンと前記駆動軸の軸心とを結ぶ直線よりも、常に、前記制御軸側に配置したことを特徴とする内燃機関の動弁装置。
  2. クランク軸から回転力が伝達される駆動軸と、
    電動モータにより所定回転角度範囲内で正逆回転制御される制御軸と、
    円筒状を呈し、軸心位置が所定量だけ前記制御軸の軸心から偏倚して設けられた偏心部材と、
    該偏心部材の外周に揺動自在に支持されたロッカアームと、
    前記制御軸の内部に導入された潤滑油を前記ロッカアームの支持箇所に供給するように開口した潤滑油通路と、
    前記ロッカアームに回転自在に枢支したリンクアームと
    該リンクアームを介して前記ロッカアームに揺動力を付与する駆動カムと、
    前記駆動軸に揺動自在に設けられ、揺動することによって機関弁を開閉作動させる揺動カムと、
    該揺動カムのカムノーズ部と前記駆動軸を挟んだ反対側の部位に、ピンを介して回動自在に連結されると共に、前記ロッカアームに、ピンを介して回動自在に連結されたリンクロッドと、
    を備え、
    前記揺動カムのカムノーズ部を、前記ロッカアームとリンクロッドとの枢支点となる前記ピンと前記駆動軸の軸心とを結ぶ直線よりも、常に、前記制御軸側に配置したことを特徴とする内燃機関の動弁装置。
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