JP4118736B2 - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば内燃機関の吸気弁や排気弁のバルブリフト量や作動角等を機関運転状態に応じて可変制御する可変機構を備えた動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の動弁装置としては、以下の特許文献1に記載されているものが知られている。
【0003】
概略を説明すれば、この動弁装置は、いわゆるデスモドロミックカム駆動型の可変バルブタイミング機構(VVT)であって、クランクシャフトから回転力が伝達されるカムシャフトに同期回転可能な開放回転式カムと閉鎖回転式カムが設けられていると共に、カムシャフトから離間した位置に第1旋回軸を含む制御部材が設けられている。また、前記第1旋回軸には、ロッカアームが揺動自在に枢支されており、このロッカアームは、第1旋回軸から延びる第1、第2のアームを備えている。この第1アームの先端側と第1旋回軸との中間位置に、前記開放回転式カムに当接しつつ転動するローラが設けられ、第2のアームの末端に設けられた前記閉鎖回転式カムに当接しつつ転動するローラが設けられており、この2つのカムとローラの接触により、前記ロッカアームを積極的に作動させる。そのため、前記ロッカアームをバルブ閉鎖位置に戻すための従来のカム駆動型機構で必要とされるような戻しスプリングが不要になる。
【0004】
また、前記カムシャフトには、スイングアームを介して吸気弁を開閉作動させる揺動カムが設けられており、前記スイングアームは、一端部がピボットによって枢支されていると共に、他端部に前記吸気弁のステムエンドが当接されている。また、スイングアームのほぼ中央位置に、前記揺動カムが当接しつつ転動するローラが回転自在に支持されている。
【0005】
【特許文献1】
特表2003−500602号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のデスモドロミック駆動型の動弁装置にあっては、揺動カムの揺動に伴いローラを介してスイングアームが揺動して吸気弁を開閉作動させるようになっているが、前記スイングアームを用いると、吸気弁の最大バルブリフト付近で、ローラの回転方向が反対方向へ急変して、局部的に大きな滑り摩擦を受ける。
【0007】
すなわち、吸気弁の閉状態から最大バルブリフトに至る過程では、ローラは揺動カムが下降するに連れて一方向の接線力を揺動カムから受けるため一方向(反時計方向)に回転しているが、最大バルブリフトでは揺動カムの下降位置も最大限になり、その瞬間揺動が停止し、次の瞬間から揺動カムが上昇することからローラは今度は他方向(時計方向)に回転させられようとする。すなわち、回転方向が急変する。このとき、ローラには回転イナーシャがあるので、回転を急に停止させて逆方向に回転することができない。したがって、一瞬ではあるが、イナーシャの作用で一方向へ回転を継続する瞬間が存在し、この結果、局部的に大きな滑り摩擦抵抗が発生して、経時的にローラの外輪に大きな摩擦による損傷が発生するおそれがある。
【0008】
ところが、この従来の装置では、ローラ部分に対して潤滑油を積極的に供給する工夫がなされておらず、単に通常の動弁系に対する潤滑油の供給量だけになっており、この供給量だけでは十分に潤滑することが困難である。したがって、かかるローラ部分での摩耗が激しくなって、耐久性の低下を招来するおそれがある。
【0009】
また、前記ローラ部分に通常に供給された不十分な量の潤滑油は、その後、該ローラ部分からそのまま下方に落下してしまい、該ローラと一体に形成されたスイングアームから吸気弁のステムエンドに対して潤滑油が供給されにくい、といった問題もあった。
【0010】
本発明は、前記従来の動弁装置の技術的課題に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明にあっては、とりわけ、揺動カムとリンク部材とを、ピンによって回動自在に連結すると共に、前記機関弁のバルブリフトが大リフトになった時点で、前記ピンが前記ローラに対して最も近接するように構成すると共に、前記駆動カムからリンク部材への駆動伝達経路に設けられた制御軸内に潤滑油を通流させる油通路を形成し、該油通路からリンク部材の表面に流出した潤滑油を、該リンク部材の表面から前記ピンを介して前記ローラに滴下させることを特徴としている。
【0011】
この発明によれば、機関作動中に動弁系に供給された潤滑油は、揺動カムの揺動作用に伴ってリンク部材の外面等を伝ってピン方向へ流下するが、機関弁が大リフトになった状態では、前記ピンがローラに最も近接することから、ピンから滴下した潤滑油がローラ部分へ積極的に供給されることになる。
【0012】
このため、この大リフト付近で、ローラの回転方向が急変して局部的に大きな滑り摩擦を受けたとしても、ローラ部分には前記ピンから供給された多くの潤滑油によって効果的に潤滑されることから、ローラ部分の摩耗の発生を防止でき、この結果、ローラの耐久性の低下を防止できる。
【0014】
しかも、この発明によれば、リンク部材を介してピンに対する潤滑油の供給経路を、可変機構に必要な制御軸を利用したことから、前記ピンに対するより積極的な潤滑油の供給が可能になると共に、別途に潤滑油の供給経路を設ける必要がないので、部品点数の増加がなく、製造作業能率の低下や、コストの高騰を抑制できる。
【0015】
請求項に記載の発明は、とりわけ、前記揺動カムのカムノーズ部を前記機関弁の上方に配置すると共に、前記駆動カムからリンク部材への駆動伝達経路に設けられた制御軸内に潤滑油を通流させる油通路を形成し、該油通路から前記リンク部材の表面を伝った潤滑油を、カムノーズ部を介して機関弁の軸端側に滴下させることを特徴としている。
【0016】
この発明によれば、揺動カムの作動中に、該揺動カムのカムノーズ部を利用して、機関弁の軸端部側、つまり軸端側であるステムエンドとスイングアームの一端部との当接個所に潤滑油が積極的に供給することから、該当接個所の潤滑性能が向上して摩耗の発生を防止できる。
【0017】
請求項に記載の発明は、とりわけ、前記リンク部材を横断面ほぼコ字形状に形成すると共に、前記駆動カムからリンク部材への駆動伝達経路に設けられた制御軸内に潤滑油を通流させる油通路を形成し、前記油通路からリンク部材に流出した潤滑油をリンク部材のコ字形内面に伝うように構成したことを特徴としている。
【0018】
この発明によれば、油通路から流下した潤滑油は、リンク部材のコ字形内面に捕集された形になることから、ピンや揺動カムのカムノーズ部へ潤滑油を十分に供給することが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る内燃機関の動弁装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。この実施形態では、内燃機関の動弁装置が吸気弁側に適用され、かつ吸気弁のバルリフト量を機関運転状態に応じて可変制御するようになっている。
【0020】
すなわち、この動弁装置は、図1及び図2に示すように、シリンダヘッド1に図外のバルブガイドを介して摺動自在に設けられた吸気弁2と、該各吸気弁2のバルブリフト量を可変制御する可変機構3と、該可変機構3の作動位置を制御にする制御機構4と、該制御機構4を回転駆動する駆動機構5と、前記可変機構3の作動を吸気弁2に伝達するスイング機構6とを備えている。
【0021】
前記吸気弁2は、ステムエンド2aにコッタを介してスプリングリテーナ7が固定されていると共に、該スプリングリテーナ7に上端部が弾持されたバルブスプリング8のばね力によって閉弁方向に付勢されている。
【0022】
前記可変機構3は、シリンダヘッド1上部の図外の軸受に回転自在に支持された中空状の駆動軸11と、該駆動軸11に圧入等により固設された偏心回転カムである駆動カム12と、駆動軸11の外周面に揺動自在に支持されて、前記スイング機構6を介して吸気弁2を開作動させる揺動カム13と、駆動カム12と揺動カム13との間に連係されて、駆動カム12の回転力を揺動カム13の揺動力として伝達する伝達手段とを備えている。
【0023】
前記駆動軸11は、機関前後方向に沿って配置されていると共に、一端部に設けられた図外の従動スプロケットや、該従動スプロケットに巻装されたタイミングチェーン等を介して機関のクランク軸から回転力が伝達されており、この回転方向は図中、時計方向(矢印方向)に設定されている。また、駆動軸11の内部軸方向には、シリンダヘッド1の内部に形成されたオイルギャラリーと軸受内部を介して連通する第1の油通路14が形成されていると共に、揺動カム13の位置に対応した周壁には、前記油通路14と連通する油孔15が直径方向に沿って形成され、この油孔15から流出した潤滑油によって揺動カム13の内周面との間の潤滑がなされるようになっている。
【0024】
前記駆動カム12は、ほぼリング状を呈し、外端面に筒状部が一体に設けられ、内部軸方向に駆動軸挿通孔が貫通形成されていると共に、軸心Yが駆動軸11の軸心Xから径方向へ所定量だけオフセットしている。また、この駆動カム12は、駆動軸11に対し筒状部に直径方向から挿通された図外の固定用ピンによって固定されている。
【0025】
前記揺動カム13は、ほぼ雨滴状を呈し、基端部13a側が駆動軸11に回転自在に支持されていると共に、一端部のカムノーズ部16側にピン孔が貫通形成されている。また、下面には、カム面17が形成され、カムシャフト16側の基円面と、該基円面からカムノーズ部16側に円弧状に延びるランプ面と、該ランプ面からカムノーズ部16の先端側に有する最大リフトの頂面に連なるリフト面が形成されている。また、前記カムノーズ部16は、吸気弁2のステムエンド2aの上方向に位置するように配置されている。
【0026】
前記伝達手段は、駆動軸11の上方に配置されたロッカアーム18と、該ロッカアーム18の一端部18aと駆動カム12とを連係するリンクアーム19と、ロッカアーム18の他端部18bと揺動カム13とを連係するリンク部材であるリンクロッド20とを備えている。
【0027】
前記ロッカアーム18は、中央に有する筒状の基部が支持孔を介して後述する制御カム に回転自在に支持されており、筒状基部の外端部に突設された前記一端部18aには、ピン21が嵌入するピン孔が貫通形成されている一方、前記他端部18bには、リンクロッド20の一端部20aと連結するピン22が嵌入するピン孔が形成されている。
【0028】
前記リンクアーム19は、比較的大径な円環状の基部19aと、該基部19aの外周面所定位置に突設された突出端19bとを備え、基部19aの中央位置には、前記駆動カム12が回転自在に嵌合する嵌合孔が形成されている一方、突出端19bには、前記ピン21が回転自在に挿通するピン孔が貫通形成されている。
【0029】
前記リンクロッド20は、図3にも示すように、左右の2枚の金属板及びそれを繋ぐ中央部20cがプレス成形によって一体に成形され、ロッカアーム18側が左右2枚の金属板だけで中央部20cのない形状に形成されていると共に、リンクロッド20の中間は中央部20cを含み横断面ほぼコ字形状に折曲形成されている。また、両端部20a,20bには、前記ロッカアーム18の他端部18bと揺動カム13のカムノーズ部16の各ピン孔に挿入した各ピン22,23の端部が回転自在に挿通するピン挿通孔20d、20eがそれぞれ貫通状態に形成されている。
【0030】
前記制御機構4は、図1及び図2に示すように、駆動軸11の上方位置に図外の軸受ブラケットに回転自在に支持された制御軸24と、該制御軸24の外周に固定されてロッカアーム18の支持孔に摺動自在に嵌入されて、ロッカアーム18の揺動支点となる制御カム25とを備えている。
【0031】
前記制御軸24は、駆動軸11と並行に機関前後方向に配設されていると共に、所定位置のジャーナル部24aが前記軸受ブラケットに回転自在に軸受されている。また、制御軸24の内部軸方向には、シリンダヘッド1内の図外のオイルギャラリーから潤滑油が導入される第2の油通路26が形成されている。一方、前記制御カム25は、円筒状を呈し、軸心P2位置が制御軸24の軸心P1からα分だけ偏倚している。
【0032】
前記駆動機構5は、シリンダヘッド1の後端部に固定された図外のハウジングの一端部に固定された電動モータ27と、ハウジングの内部に設けられて電動モータ27の回転駆動力を前記制御軸24に伝達するボール螺子伝達手段とから構成されている。
【0033】
前記電動モ−タ27は、比例型のDCモータによって構成され、駆動シャフト27aが機関の運転状態を検出するコントローラ28からの制御信号によって回転駆動するようになっている。
【0034】
このコントローラ28は、クランク角センサ31やエアーフローメータ32、水温センサ33や、制御軸24の回転位置を検出するポテンショメータ34等の各種のセンサからの検出信号をフィードバックして現在の機関運転状態を演算などにより検出して、前記電動モータ27に制御信号を出力している。
【0035】
前記ボール螺子伝達手段は、図2に示すように、前記図外のハウジング内に電動モータ27の駆動シャフト27aとほぼ同軸上に配置されたボール螺子軸35と、該ボール螺子軸35の外周に螺合する移動部材であるボールナット36と、前記制御軸24の一端部に直径方向に沿って連結された連係アーム37と、該連係アーム37と前記ボールナット36とを連係する連係リンク38とから主として構成されている。
【0036】
前記ボール螺子軸35は、外周にボール循環溝が形成されていると共に、電動モータ27の駆動シャフト27aと結合され、かかる結合によって電動モータ27の回転駆動力を前記ボール螺子軸35に伝達する。
【0037】
前記ボールナット36は、ほぼ円筒状に形成され、内周面にボール循環溝と共同して複数のボールを転動自在に保持するガイド溝が螺旋状に連続して形成されていると共に、各ボールを介してボール螺子軸35の回転運動をボールナット36に直線運動に変換しつつ軸方向の移動力が付与されるようになっている。
【0038】
前記スイング機構6は、一端部40aの下面が吸気弁2のステムエンド2aの上端面に当接したスイングアーム40と、該スイングアーム40の他端部40bを揺動自在に枢支するピボット41とから構成されている。
【0039】
前記スイングアーム40は、ほぼ中央に形成されたローラ保持孔42内にローラ43が回転自在に設けられていると共に、他端部40bの下面に球面状の嵌合溝40cが形成されている。また、前記ローラ43は、外輪43aと、両端部がローラ保持孔42の対向壁に固定された支軸43bと、該支軸43bの外周に保持されたニードルベアリング43cとによって回転自在に支持されており、ローラ保持孔42から突出したその外輪43aの上端部が前記揺動カム13のカム面17に転接している。
【0040】
前記ピボット41は、図1に示すようにいわゆる油圧ラッシアジャスタ型に形成され、シリンダヘッド1の所定位置に形成された固定用孔1a内に嵌装固定された有底円筒状のボディ45と、該ボディ45の内部に摺動自在に嵌装されて、内部の高圧室47aaとリザーバ室47bとを連通孔46aを介して連通するほぼ円筒状のシート部46と、ボディ45の内部に摺動自在に設けられて、先端球面状の先端部48aがボディ45の前端開口から突出したプランジャ49と、前記高圧室47a内に配置されて、リテーナ50aを介して保持されたスプリング50のばね力によって前記連通孔46aを閉止するチェックボール51とを備えている。
【0041】
また、前記プランジャ48の先端部48aは、前記スイングアーム40の嵌合溝40cに摺動自在に嵌合していると共に、先端中央にリザーバ室47bに供給された潤滑油内のエアーを排出するエアー抜き孔48bが貫通形成されている。
【0042】
そして、シリンダヘッド1内のオイルギャラリー54から油圧が供給された潤滑油は、前記ボディ45とプランジャ48に形成された油孔51を介して外周面からリザーバ室47b内に流入し、プランジャ48の上方への移動に伴ってリザーバ室47b内からチェックボール50を押し開いて高圧室47aに流入してプランジャ48をシート部46を介してさらに上方へ突出させるようになっている。
【0043】
また、前記リンクロッド20の他端部20bと揺動カム13のカムノーズ部16を連結する前記ピン23は、図1に示すように、前記吸気弁2のバルブリフトが大リフトになった時点で、前記ローラ43の上端部に対して最も近接するように配置構成されている。
【0044】
前記制御軸24と制御カム25には、前記油通路26と連通する連通路52が連続して貫通形成されていると共に、ロッカアーム18の筒状部には、一端が前記連通路52の端部と連通しかつ他端が他端部18bの一側面18cに臨んで開口された油孔53が貫通形成されている。また、この油孔53は、前記一側面18cからリンクロッド20の一端部20aに対してやや上向き方向に指向して形成されている。
【0045】
以下、本実施形態の作用を説明すれば、まず、例えば、機関の低回転運転領域には、コントローラ28からの制御信号によって発生した電動モータ27の回転トルクは、ボール螺子軸35に伝達されて、該ボール螺子軸35を回転させるが、この回転に伴って各ボールがボール循環溝とガイド溝との間を転動しながらボールナット36を最大一方向へ直線状に移動させる。これによって制御軸24は、連係リンク38と連係アーム37とによって図5、図6に示す位置に回転駆動される。
【0046】
したがって、制御カム25は、軸心P2が制御軸24の軸心P1の回りを同一半径で回転して、肉厚部が駆動軸11から右上方向に離間移動する。これにより、ロッカアーム18の他端部18bとリンクロッド20の枢支点は、駆動軸11に対して上方向へ移動し、このため、各揺動カム13は、リンクロッド20を介してカムノーズ部16側が強制的に引き上げられて全体が時計方向へ回動する。
【0047】
よって、駆動カム12が回転してリンクアーム19を介してロッカアーム18の一端部18aを押し上げると、そのリフト量がリンクロッド20を介して揺動カム13に伝達されて、スイングアーム40のローラ43に伝達されるが、そのバルブリフト量は充分小さくなる。
【0048】
したがって、かかる機関の低回転領域では、吸気弁2のピークバルブリフト量L1が、図5及び図7に示すように最も小さくなり、該吸気弁2の開時期が遅くなり、排気弁とのバルブオーバラップが小さくなる。このため、燃費の向上と機関の安定した回転が得られる。
【0049】
また、機関高回転領域に移行した場合は、コントローラ28からの制御信号によって電動モータ27が逆回転し、この回転トルクがボール螺子軸35に伝達されて回転すると、この回転に伴ってボールナット36が各ボールを介して反対方向へ直線移動する。したがって、制御軸24は、制御カム25を図5に示す位置から時計方向へ回転させて、図1及び図4に示すように軸心P2を下方向へ回動させる。このため、ロッカアーム18は、今度は全体が駆動軸11方向寄りに移動して他端部18bが揺動カム13のカムノーズ部16をリンクロッド20を介して下方へ押圧して該揺動カム13全体を所定量だけ反時計方向へ回動させる。
【0050】
よって、駆動カム12が回転してリンクアーム19を介してロッカアーム18の一端部18aを押し上げると、そのリフト量がリンクロッド20を介して揺動カム13及びスイングアーム40に伝達され、そのバルブリフト量は大きくなる。
【0051】
したがって、かかる高回転領域では、吸気弁2のバルブリフト量L2が、図1及び図7に示すように最大に大きくなり、各吸気弁2の開時期が早くなると共に、閉時期が遅くなる。この結果、吸気充填効率が向上し、十分な出力が確保できる。
【0052】
また、この実施形態では、揺動カム13の揺動時に、前記第2の油通路26から連通孔52から流出した潤滑油は、図1の実線矢印で示すように、ロッカアーム18の円筒部側面を経た後、該ロッカアーム18の他端部一側面18cを伝ってリンクロッド20の一端部20aの内面及び上方のピン22方向へ流れる。つまり、矢印Z1で示すように、重力によって下方へ流下するものもあれば、矢印Z2で示すように、ロッカアーム18の揺動運動によって上方ないし側方に振り飛ばされる流れもある。また、破線矢印で示すように、油孔53から流出した潤滑油も他端部一側面18cを伝ってリンクロッド20の一端部20aの内面及びピン22方向へ流れる。これらの潤滑油は、さらにリンクロッド20の内面を伝って下方のピン23方向へ流下し、ピン23の部分に潤滑油が集合するが、吸気弁2が大リフトになった状態では、前記下方のピン23がローラ43の上端部に最も近接することから、下方のピン23重力によって矢印Q1にように滴下し、また慣性力によって矢印Q2に示すように滴下した潤滑油がローラ43やニードルベアリング43cなどへ積極的に供給されることになる。
【0053】
このため、この大リフト付近で、ローラ43の回転方向が急変して局部的に大きな滑り摩擦を受けたとしても、該ローラ43には、前記ピン24から供給された多くの潤滑油によって効果的に潤滑されることから、ローラ43部分の摩耗の発生を防止でき、この結果、ローラ43の耐久性の低下を防止できる。
【0054】
また、前記リンクロッド20の内面を伝って流下した潤滑油は、ピン23の他に、揺動カム13のカムノーズ部16の外面にも流れて、そのまま吸気弁2のステムエンド2aとスイングアーム40の一端部40aとの当接個所に滴下して、ここにも積極的に供給される。このため、該当接個所の潤滑性能が向上して摩耗の発生を防止できる。ここで、カムノーズ部16が図中ステムエンド2a側にある点が効果的といえる。
【0055】
さらに、リンクロッド20は、中央部20cがほぼコ字形状に折曲されているので、ロッカアーム18の他端部18bの揺動に伴い一側面18cを伝って流下したり飛散した潤滑油は、この中央部20cの内面で効果的に捕集された形で受け止められて、そのまま他端部20b方向へ流下する。このため、この潤滑油を、ピン24や揺動カム13のカムノーズ部16を介してローラ43やステムエンド2aの当接個所へ十分に供給することが可能になる。
【0056】
特に、図1から明らかなように、ローラ43に導かれた潤滑油は、落下してしまい、うまくステムエンド2aには流れていかない。このような状況のもとで、カムノーズ部16から供給することによる効果は極めて大きい。
【0057】
しかも、潤滑油の供給経路を、可変機構3に必要な制御軸24を利用したことから、前記ピン23などに対するより積極的な潤滑油の供給が可能になると共に、別途に潤滑油の供給経路を設ける必要がないので、部品点数の増加がなく、製造作業能率の低下や、コストの高騰を抑制できる。
【0058】
また、前記第1の油通路14から油孔15を通って駆動軸11の外周面と揺動カム13の内周面との間を潤滑した潤滑油は、揺動カム13の外面を伝ってカムノーズ部16方向へ流れ、ピン23の周囲を潤滑しながら前記リンクロッド20を伝った潤滑油と合流しながら、そのままローラ43の外輪43aやステムエンド2a側に滴下する。したがって、ローラ43やステムエンド2aに対する潤滑性能がさらに向上する。これも大リフト時にピン23がローラ43に最も近接配置されることによって潤滑性能が格段に向上するのである。
【0059】
また、前記ピボット41のリザーバ室47bに流入した潤滑油は、プランジャ48のエアー抜き孔48bから流出して、プランジャ48の先端部48aとスイングアーム他端部40bの嵌合溝40cとの間を十分に潤滑する。このため、かかる部位の潤滑性能が向上して、摩耗の発生が防止できると共に、スイングアーム40の常時円滑な揺動作用が得られる。
【0060】
また、前記リンクロッド20をプレス成形によって形成したことから、型成形などの場合に比較して製造加工作業が容易になり、コストの低廉化が図れると共に、リンクロッド20の軽量化も図れる。
【0061】
前記各実施形態から把握できる請求項以外の技術的思想について、以下に記載する。
(イ) 前記リンク部材をプレス成形によって形成したことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の動弁装置。
【0062】
プレス成形によって形成したので、製造加工が容易になると共に、リンク部材の軽量化も図れる。
(ロ) 前記ピボットは、油圧ラッシアジャスタを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の動弁装置。
【0063】
機関弁とスイングアームとの間の零ラッシが可能になると共に、この油圧を利用してピボットとスイングアームとの間に潤滑油を積極的に供給できるのでかかる部位の潤滑性能が向上する。また特別な潤滑油供給経路が不要になるので、この点でコストの増加を抑制できる。
【0064】
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、ピン23に対する潤滑油の供給経路として、さらに異なる経路とすることも可能である。また、本発明は、吸気弁側の他に排気弁側あるいは両方の弁側に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動弁装置の一実施形態を示す図2のA矢視図である。
【図2】同実施形態の要部を示す斜視図である。
【図3】Aは本実施形態に供されるリンクロッドの側面図、Bは正面図、Cは前記BのB−B線断面図である。
【図4】本実施形態の動弁装置による吸気弁の最大リフト制御時の作用説明図である。
【図5】本実施形態の動弁装置による吸気弁の最小リフト制御時の作用説明図である。
【図6】本実施形態の動弁装置による吸気弁の最小リフト制御時の作用説明図である。
【図7】本実施形態による吸気弁のバルブリフト特性図である。
【符号の説明】
2…吸気弁(機関弁)
2a…ステムエンド
3…可変機構
4…制御機構
5…駆動機構
7…スイング機構
11…駆動軸
12…駆動カム
13…揺動カム
18…ロッカアーム
20…リンクロッド
20a、20b…両端部
23…ピン
24…制御軸
25…制御カム
26…第2油通路
40…スイングアーム
40a、40b…両端部
41…ピボット
43…ローラ

Claims (3)

  1. 回転駆動力が伝達される駆動カムと、
    該駆動カムの回転力が往復運動に変換されて、該往復駆動力がリンク部材を介して伝達される揺動カムと、
    一端部が機関弁に当接していると共に他端部がピボットに枢支され、両端部間に前記揺動カムが当接するローラを回転自在に保持したスイングアームとを備え、
    前記駆動カムの回転に伴いリンク部材を介して前記揺動カムが揺動することにより、機関弁を開閉作動させる内燃機関の動弁装置であって、
    前記揺動カムとリンク部材とを、ピンによって回動自在に連結すると共に、前記機関弁のバルブリフトが大リフトになった時点で、前記ピンが前記ローラに対して最も近接するように構成すると共に、
    前記駆動カムからリンク部材への駆動伝達経路に設けられた制御軸内に潤滑油を通流させる油通路を形成し、該油通路からリンク部材の表面に流出した潤滑油を、該リンク部材の表面から前記ピンを介して前記ローラに滴下させることを特徴とする内燃機関の動弁装置。
  2. 回転駆動力が伝達される駆動カムと、
    該駆動カムの回転力が往復運動に変換されて、該往復駆動力がリンク部材を介して伝達される揺動カムと、
    一端部が機関弁に当接していると共に他端部がピボットに枢支され、両端部間に前記揺動カムが当接するローラを回転自在に保持したスイングアームとを備え、
    前記駆動カムの回転に伴いリンク部材を介して前記揺動カムが揺動することにより、機関弁を開閉作動させる内燃機関の動弁装置であって、
    前記揺動カムとリンク部材とを、ピンによって回動自在に連結すると共に、前記機関弁のバルブリフトが大リフトになった時点で、前記ピンが前記ローラに対して最も近接するように構成すると共に、
    前記揺動カムのカムノーズ部を前記機関弁の上方に配置すると共に、前記駆動カムからリンク部材への駆動伝達経路に設けられた制御軸内に潤滑油を通流させる油通路を形成し、該油通路から前記リンク部材の表面を伝った潤滑油を、カムノーズ部を介して機関弁の軸端側に滴下させることを特徴とする内燃機関の動弁装置。
  3. 回転駆動力が伝達される駆動カムと、
    該駆動カムの回転力が往復運動に変換されて、該往復駆動力がリンク部材を介して伝達される揺動カムと、
    一端部が機関弁に当接していると共に他端部がピボットに枢支され、両端部間に前記揺動カムが当接するローラを回転自在に保持したスイングアームとを備え、
    前記駆動カムの回転に伴いリンク部材を介して前記揺動カムが揺動することにより、機関弁を開閉作動させる内燃機関の動弁装置であって、
    前記揺動カムとリンク部材とを、ピンによって回動自在に連結すると共に、前記機関弁のバルブリフトが大リフトになった時点で、前記ピンが前記ローラに対して最も近接するように構成すると共に、
    前記リンク部材を横断面ほぼコ字形状に形成すると共に、前記駆動カムからリンク部材への駆動伝達経路に設けられた制御軸内に潤滑油を通流させる油通路を形成し、該油通路から前記リンク部材に流出した潤滑油を該リンク部材のコ字形内面に伝うように構成したことを特徴とする内燃機関の動弁装置。
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