JP2008128121A - 内燃機関のバルブリフタ - Google Patents

内燃機関のバルブリフタ Download PDF

Info

Publication number
JP2008128121A
JP2008128121A JP2006314952A JP2006314952A JP2008128121A JP 2008128121 A JP2008128121 A JP 2008128121A JP 2006314952 A JP2006314952 A JP 2006314952A JP 2006314952 A JP2006314952 A JP 2006314952A JP 2008128121 A JP2008128121 A JP 2008128121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
cam
oil hole
valve lifter
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006314952A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Ishii
真一 石井
Akira Hidaka
章 日高
Keisuke Takeda
敬介 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2006314952A priority Critical patent/JP2008128121A/ja
Publication of JP2008128121A publication Critical patent/JP2008128121A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

【課題】バルブリフタに形成された油孔の入口開口縁に対する揺動カムの押圧力による油膜切れを抑制して摩耗などの発生を防止する。
【解決手段】駆動カムが設けられた駆動軸6と、吸気弁4の上端部に設けられたバルブリフタ8の冠部19の上面19aを転接しながら押圧して、前記吸気弁を開作動させる揺動カム9と、前記駆動カムの回転運動を揺動運動に変換して前記揺動カムに伝達する伝達機構10とを備え、機関運転状態に応じて揺動カムによる吸気弁のリフト量を可変にする可変動弁装置において、バルブリフタの冠部に上下方向へ貫通した油孔21を形成すると共に、該油孔を前記冠部上面の揺動カムが転接押圧して最大高面圧領域となる部位を避けた位置に形成した。
【選択図】図4

Description

本発明は、機関の吸気弁や排気弁である機関弁のリフト量を機関運転状態に応じて可変制御できる可変動弁装置を備えた内燃機関に適用されるバルブリフタの改良技術に関する。
この種の従来の内燃機関のバルブリフタとしては、以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
概略を説明すれば、このバルブリフタが適用された内燃機関はレシプロ型の一般的なものであり、前記バルブリフタは、吸気弁のステムエンドとカムシャフトに有する回転カムとの間に介装された直動型であって、シリンダヘッドの保持孔内に摺動自在に配置された円筒状のリフタ本体と、該リフタ本体の上端部に一体に設けられて、上面に前記回転カムが転接するほぼ円盤状の冠部と、該冠部下面のほぼ中央位置に突設されて、前記吸気弁のステムエンドが当接する円柱状のボス部とから構成されている。
また、前記冠部の所定位置には、上面に滴下した潤滑油をリフタ本体の内部から前記ボス部とステムエンドとの当接部位やバルブスプリングなどに潤滑油を供給する2つの油孔が上下方向にそれぞれ貫通形成されている。
この各油孔は、前記回転カムが前記油孔を通過する際の面圧が、油孔以外を通過する際の最大面圧を越えない位置に形成されており、冠部の外周側の対称位置に形成されている。すなわち、前記回転カムが吸気弁を開作動させるためのリフト時の面圧は、シリンダヘッドに対するカムシャフトなどのレイアウトの関係などからして、冠部上面のほぼ中央位置(ボス部位置)が最も大きくなり、冠部の外周部側が最も小さくなるように設定されている。したがって、各油孔を、前記面圧の十分に小さくなる冠部の外周部側の位置に形成している。
これによって、前記回転カムの転接押圧時における各油孔付近での面圧の上昇が十分に抑制されて、冠部上面に付着している潤滑油の油膜切れの発生が防止され、つまり潤滑性能の低下が防止されて、前記入口孔縁の摩耗の発生を防止できるようになっている。
特開2006−57637号公報
しかしながら、前記従来のバルブリフタにあっては、各油孔の形成位置が回転カムの面圧が十分に小さくなる冠部の外周部側になっているが、これを本出願人が先に出願した例えば特開平11−107725号公報に記載された可変動弁装置を備えた内燃機関に適用した場合は、前記各油孔の形成位置では、逆に揺動カムによる面圧が高くなる位置になっていることから、油孔付近での面圧が大きくなってしまう。
すなわち、前記可変動弁装置に用いられる揺動カムは、駆動軸やカムシャフトなどの各構成部品のレイアウトの関係などから、そのトラベル領域はバルブリフタの冠部中心付近が揺動カムの基円面(ベースサークル面)の当接するトラベル開始地点となり、ここから冠部の径方向の外周部側に転接してほぼ外周縁付近でトラベルの折り返し点になっていると共に、かかる折り返し点付近で開弁リフト量が最大となる。
したがって、前記揺動カムによる冠部上面に対する面圧分布は、冠部中心側が最も小さく、外周縁側の前記折り返し付近で最も大きくなる。
このため、前記従来のバルブリフタを前記公報記載の可変動弁装置に適用した場合には、外周側に位置する油孔の入口開口縁付近で面圧が最大になってしまうことから、油孔の入口開口縁付近での油膜切れが発生し易くなり、この結果、摩耗が発生するおそれがある。
本発明は、バルブリフタを前記可変動弁装置に適用することを前提として、冠部の油孔付近での潤滑性能の低下を防止して、摩耗などの発生を抑制し得る内燃機関のバルブリフタを提供することを目的としている。
本発明は、前記従来のバルブリフタの技術的課題に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明は、クランクシャフトによって回転駆動され、外周に偏心駆動カムが設けられた駆動軸と、機関弁の上端部に設けられたバルブリフタの冠部の上面を摺動押圧して、前記機関弁を開作動させる揺動カムと、前記駆動カムの回転運動を揺動運動に変換して前記揺動カムに伝達する伝達機構と、機関運転状態に応じて前記伝達機構の姿勢を変更して前記揺動カムによる前記機関弁のリフト量を可変にする制御機構と、を備えた内燃機関の可変動弁装置において、前記バルブリフタの冠部に上下方向へ貫通した油孔を形成すると共に、該油孔を前記冠部上面の前記揺動カムが摺動押圧して最大高面圧領域となる部位を避けた位置に形成したことを特徴としている。
この発明によれば、油孔を揺動カムによる最大高面圧領域となる部位を避けた位置に形成したことから、揺動カムのカム面が前記油孔の入口開口縁に当たったとしても、その面圧が低いことから潤滑油の油膜切れの発生を抑制することが可能になり、常に僅かながらも油膜が形成された状態になる。したがって、かかる油孔の入口開口縁の摩耗などの発生が防止される。
請求項2に記載の発明は、前記油孔を、前記揺動カムが一方向へ揺動ストロークして機関弁を開作動させた後に、他方向へ揺動ストロークする折り返し点となる部位を避けた位置に形成したことを特徴としている。
前記揺動カムの揺動ストロークの折り返し点付近では、揺動速度が0地点の境界潤滑から固体潤滑となる位置であるため、この折り返し点付近での潤滑の油膜切れが発生し易くなる。したがって、この折り返し点付近に油孔を形成すると、高面圧に加えてさらに油膜切れが発生し易くなって、油孔の入口部開口縁の摩耗が発生し易くなるが、本発明では、油孔を折り返し点から避けた位置に形成したため、潤滑油の油膜切れの発生が防止されて、摩耗の発生を抑制できる。
請求項3に記載の発明は、前記油孔を、バルブリフタの前記冠部下面のほぼ中央に突設されたボス部の外周面位置から前記折り返し点までの間の位置に貫通形成したことを特徴としている。
油孔の形成位置をさらに特定して高面圧が作用しない位置としたため、より摩耗の発生を抑制できる。
請求項4に記載の発明は、前記油孔を、前記ボス部の外周面にほぼ沿って貫通形成し、前記油孔の内周面を前記ボス部の外周面に連続するように形成したことを特徴としている。
この発明では、油孔の入口開口縁に対する揺動カムの面圧が十分に低い状態になり潤滑性が十分に確保されると共に、冠部上面に付着した潤滑油が油孔内に流入すると、そのままボス部の外周面に沿って流下してボス部と機関弁のステムエンドとの当接部に直接的に供給され、また、ここからスプリングリテーナとバルブスプリングとの当接部などに速やかに供給される。したがって、これらの部位を効果的に潤滑することができる。
以下、本発明にかかる内燃機関のバルブリフタの実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1及び図2は本発明に係るバルブリフタの第1の実施例を示し、図3〜図5はこのバルブリフタが適用されたV型6気筒のレシプロ内燃機関の可変動弁装置を示している。
この可変動弁装置は、図3中左側が吸気側、右側が排気側であって、排気側は通常の動弁機構になっているが、吸気側に吸気弁のバルブリフトを機関運転状態に応じて可変制御するようになっており、基本構造は前記特開平11−107725号公報に記載されているものと同様である。
すなわち、この可変動弁装置は、シリンダヘッド1に筒状のバルブガイド2を介して摺動自在に設けられ、吸気ポート3の燃焼室側開口端を開閉する1気筒当たり2つの吸気弁4と、シリンダヘッド1の上部に設けられた軸受5に回転自在に支持された中空状の駆動軸6と、該駆動軸6に圧入等によって固定された偏心回転カムである一気筒当たり2つの駆動カム7と、駆動軸6に揺動自在に支持されて、各吸気弁4を、バルブリフタ8を介して開閉作動させる一対の揺動カム9と、前記駆動カム7と揺動カム9との間に連係されて、駆動カム7の回転力を揺動運動に変換して前記揺動カム9に揺動力として伝達する多節リンク式の伝達機構10と、該伝達機構10の作動位置を可変制御する制御機構11とを備えている。
前記各吸気弁4は、バルブステム4aのステムエンド4b付近に固定されたスプリングリテーナ12の下面とシリンダヘッド1のデッキ上面との間に弾装されたバルブスプリング13のばね力によって閉弁方向に付勢されている。
なお、一気筒当たり2つの排気弁14は、排気側カムシャフト15に設けられた回転カム16によってバルブリフタ17を介して開閉作動されるようになっている。
前記駆動軸6は、機関前後方向に沿って配置されて、一端部に設けられた図外の従動スプロケットや該従動スプロケットに巻装されたタイミングチェーン等を介して機関のクランクシャフトから回転力が伝達されており、この回転方向は図3中、反時計方向に設定されている。
前記駆動カム7は、円盤状を呈し、内部軸方向に駆動軸挿通孔が貫通形成されていると共に、軸心Yが駆動軸6の軸心Xから径方向へ所定量だけオフセットしている。
前記バルブリフタ8は、図1及び図2に示すように、鋼材によって一体に形成され、薄肉円筒状のリフタ本体18と、該リフタ本体18の上端部に一体に有する円盤状の冠部19と、該冠部19の下面中央に突設されて、下端面20bが前記各吸気弁4のステムエンド4bの上端面に当接するボス部20とから主として構成されている。
このバルブリフタ8は、リフタ本体18がシリンダヘッド1の吸気ポート3の上方位置に傾斜状に形成されたガイド孔1a内を上下摺動自在に保持されている一方、冠部19の上面19aが平坦状に形成されている。また、前記リフタ本体18の内周面と冠部19下面との結合面が円弧状のアール面8aに形成されていると共に、冠部19下面とボス部20の外周面20aとの結合面も円弧状のアール面8bに形成されている。前記ボス部20は、ほぼ円柱状に形成されて、軸心Zが冠部19の中心と同軸上に配置されていると共に、下端面20bが平坦状に形成されている。
また、前記冠部19の所定位置には、一つの油孔21が上下に貫通形成されている。この油孔21は、所定の内径を有していると共に、冠部19の上面19a側の入口開口部21aの開口縁21bが傾斜面状あるいは円弧面状の面取りされている。また、この油孔21の形成位置については、以下の揺動カム9のカム面9bによる面圧と関係から決定されるので後ほど詳述する。
なお、このバルブリフタ8は、揺動カム9の転接時の押圧力によってガイド孔1a内を円周方向にもゆっくりと回転するようになっている。
前記揺動カム9は、ほぼ雨滴状を呈し、ほぼ円環状の基端部に形成された支持孔が駆動軸6に挿通されて回転自在に支持されていると共に、先端部のカムノーズ部9aにピン孔が貫通形成されている。また、揺動カム9の下面には、カム面9bが形成され、基端部側の基円面(ベースサークル面)と該基円面からカムノーズ部9a側に円弧状に延びるランプ面と該ランプ面の先端側に有する最大リフトのリフト面とが形成されており、該基円面とランプ面及びリフト面とが、揺動カム9の揺動運動によって各バルブリフタ8の冠部19上面19aを転接するようになっている。また、揺動カム9は、基円面から頂面方向へ摺動するカムリフト側の揺動方向が前記駆動軸6の回転方向と同一方向に設定されている。
前記伝達機構10は、図3に示すように駆動軸6の上方に配置されたロッカアーム22と、該ロッカアーム22の一端部22aと駆動カム7とを連係するリンクアーム23と、ロッカアーム22の他端部22bと揺動カム9とを連係するリンクロッド24とを備えている。
前記各ロッカアーム22は、後述する制御カムにカム孔を介して回転自在に支持された筒状基部と、該筒状基部の前後端部に突設された一端部22a及び他端部22bから構成されている。
また、ロッカアーム22は、一端部22aがリンクアーム23の他端部に連結ピン25を介して回動自在に連結されている一方、他端部22bがリンクロッド24の一端部と連結ピン26を介して回動自在に連結されている。
また、前記リンクアーム23は、比較的大径な円環状の基部と、該基部の外周面所定位置に突設された突出端とを備え、基部の中央位置には、前記駆動カム7の外周面に回転自在に嵌合する嵌合孔が形成されている一方、突出端が前記連結ピン25を介してロッカアーム一端部22aに回転自在に連結されている。
さらに、前記リンクロッド24は、ほぼ中央がく字形状に折曲形成され、両端部には前記ロッカアーム22の他端部22bと揺動カム9のカムノーズ部9aに前記連結ピン26及び27によって回転自在に連結されている。
なお、各ピン25〜27一端部には、リンクアーム23やリンクロッド24の軸方向の移動を規制するスナップリングが設けられている。
前記制御機構11は、駆動軸6の上方位置に同じ軸受5に回転自在に支持された制御軸28と、該制御軸28の外周に固定されてロッカアーム22の揺動支点となる制御カム29とを備えている。
前記制御軸28は、駆動軸6と並行に延設されて、一端部に設けられた図外の電磁アクチュエータによって所定回転角度範囲内で回転するように制御されており、前記電磁アクチュエータは、機関の運転状態を検出する図外のコントローラからの制御信号によって駆動するようになっている。コントローラは、クランク角センサやエアーフローメータ,水温センサ等の各種のセンサからの検出信号に基づいて現在の機関運転状態を演算等により検出して、前記電磁アクチュエータに制御信号を出力している。
前記各制御カム29は、夫々円柱状を呈し、図3に示すように軸心位置が制御軸28の軸心から所定量だけ偏倚していると共に、その軸方向の長さがロッカアーム22の基部の幅長さとほぼ同一に設定されている。
そして、前記バルブリフタ8の冠部19に穿設された油孔21は、前記揺動カム9によって前記制御機構11を介して各吸気弁4が大リフト制御されている際における上面19aに対する最大高面圧を避けた位置に形成されている。
具体的には、まず吸気弁4の閉弁状態から開弁状態を経て再び閉弁状態に戻る場合の揺動カム9の揺動軌跡(トラベル)を、図4〜図6を参照して検討すると、この図6は縦線が揺動カムによるバルブリフタの面圧、横線が揺動カムのトラベル長さを表している。この図6の実線矢印で示すように、冠部上面19aにカム面9bの基円面が当接している位置(図4のA地点)からトラベルが開始されて、ランプ面が転接する時点までは低面圧領域になるが、さらに、頂面(リフト面)が転接する領域になると、図6の破線で示すように、このリフト域(開弁域)では一定の区間だけ高面圧領域が続く。その後、揺動カム9による最大に開弁された位置から折り返し点(図5のB地点)に達するが、この地点までが高面圧領域となり、ここから反転して頂面からランプ面に移行するまで高面圧領域になる。その後、ランプ面から基円面側に移行すると、急激に低面圧状態になると共に、吸気弁4はバルブスプリング13のばね力が作用して閉弁方向へ移動する。
したがって、本実施例では、油孔21の形成位置を、前記折り返し点(B地点)から前記ボス部20の形成域を避けた領域、つまりボス部20の中心Zから前記折り返し点(B地点)までの領域L2に対してボス部20の外周面20aまでの領域L1をほぼ避けた領域(一点鎖線領域)に形成されており、具体的には、前記一点鎖線の領域の横方向のほぼ中央位置に形成されている。
以下、本実施例の可変動弁装置の作動を簡単に説明すれば、機関始動時及び低回転低負荷時には、機関運転を検出したコントローラからの制御信号によって、電磁アクチュエータにより制御軸28が制御カム29を一方向へ回転させて肉厚部を上方側へ移動させるため、ロッカアーム22は、その揺動支点中心位置が移動して他端部22bが揺動カム9のカムノーズ部9aを、リンクロッド24を介して上方へわずかに引き上げて揺動カム9全体を所定量だけ図3の時計方向の位置に回動させる。
この状態で駆動カム7と伝達機構10及び揺動カム9による吸気弁4の開閉作動を説明すると、揺動カム9の基円面がバルブリフタ8の冠部上面19aに位置している場合は、ベースサークル領域であって吸気弁4が閉作動状態にある。
この状態から、駆動カム7の回転駆動に伴いリンクアーム23が右上方向へ移動してロッカアーム22の一端部22aを押し上げる。したがって、ロッカアーム22は、反時計方向へ揺動して他端部22bでリンクロッド24を下方へ押圧し、これによって揺動カム9が反時計方向へ揺動することによりカムリフトが開始されてリフト上り区間になる。ここから、駆動カム7がさらに回転すると、揺動カム9は反時計方向へ揺動して頂面がバルブリフタ8の冠部上面19aに当接した段階で、最大に開弁した状態となる。駆動カム7がさらに回転すると、揺動カム9は反転してリフト下り区間になり、さらに揺動カム9の同方向の揺動によってベースサークル領域(閉弁領域)になる。
したがって、この吸気弁4のバルブリフト特性は、小リフト特性となるため、吸気のガス流動が強化されて、燃費が改善される。
一方、例えば、機関高速高負荷域に移行した場合は、コントローラからの制御信号によって電磁アクチュエータがさらに回転駆動し、したがって、制御軸28が制御カム29を時計方向に回転させ、軸心P1を図3〜図5に示すように下方向位置に移動させる。このため、ロッカアーム22は、今度は全体が駆動軸6方向(下方向)に移動して他端部22c揺動カム9のカムノーズ部21を、リンクロッド24を介して下方へ押圧して該揺動カム9全体を所定量だけ反時計方向へ回動させる。したがって、揺動カム9のバルブリフタ8の冠部上面19aに対するカム面9bの当接位置が左方向に移動する。このため、駆動カム7が回転してロッカアーム22の一端部22aを、リンクアーム23を介して押し上げると、バルブリフタ8に対するそのリフト量は大きくなる。
よって、かかる高速高負荷域では、カムリフト特性が低速低負荷域に比較して大きくなり、各吸気弁4のバルブリフト量も大きくなるとともに、各吸気弁4の開時期が早くなる一方、閉時期が遅くなる。この結果、吸気充填効率が向上して十分な出力が得られる。
また、前記機関の作動に伴って冠部上面19aに滴下して付着した潤滑油は、かかる冠部上面19a上を伝って前記油孔21に入口開口部21aから流入してそのまま冠部19の下面及びボス部20の外周面20aを伝って、ボス部20の下端面20bと吸気弁4のステムエンド上端面との当接部に供給される。また、その一部がスプリングリテーナ12の上面から下面側に流下してバルブスプリング13の上端部との当接部及びバルブスプリング13の下端部とシリンダヘッド1のデッキとの当接部に供給されて、これらの部位を効果的に潤滑する。なお、冠部19の下面に付着した潤滑油は、ボス部20との結合部がアール面8bになっていることから、ボス部20の外周面20a側へ滑らかに案内される。
さらに、この実施例では、油孔21を揺動カム9による最大高面圧領域(固有潤滑領域)となる部位を避けた位置に形成したことから、揺動カム9のカム面9bが前記油孔21の入口開口縁21bに当たったとしても、その面圧が低いことから潤滑油の油膜切れの発生を抑制することが可能になり、常に僅かながらも油膜が形成された状態になる。したがって、かかる油孔21の入口開口縁21bの摩耗などの発生が防止される。
特に、この実施例では、油孔21を揺動カム9の揺動ストローク時の前記折り返し点(B点)(固有潤滑領域)を確実に避けた位置に形成したことから、揺動カム9が油孔9の入口開口縁21bに当たっても、油膜切れの発生をさらに効果的に防止することが可能になり、入口開口縁21bの摩耗の発生をさらに防止することができる。
また、前記バルブリフタ8は、揺動カム9の揺動ストロークに伴って僅かに回転することにより油孔21の位置が変化することから、本実施例のようなV型機関のようにバンク角によってバルブリフタ8が傾斜状に配置されているものであっても、冠部上面19aに付着した潤滑油は流動して油孔21内に流入し易くなる。このため、前記各部への潤滑油の供給効率の低下が防止される。
図7及び図8は本発明の第2の実施例を示し、油孔21の形成位置を変更したものである。
すなわち、油孔21を前記ボス部20の外周面20aに沿った位置、つまり面取りされたアール面8bの位置に上下方向へ貫通形成したもので、油孔21の出口開口部の内側孔縁21cがボス部20の外周面20aに連続的に結合されている。
したがって、この実施例によれば、前述のように油孔21に流入した潤滑油は、油孔21の内周面からそのままボス部20の外周面20aに直接的に伝ってボス部20とステムエンド4bとの当接部やバルブスプリング13などに速やかに供給される。このため、これらの各部の潤滑性能が向上して摩耗などの発生を効果的に防止することが可能になる。
また、油孔21をボス部20に近接した位置に形成したため、ボス部20が補強材として機能するので、油孔21の形成による冠部19の剛性の低下を防止できる。
本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、吸気弁側ばかりか排気弁側に適用することも可能であり、また油孔21を複数形成することも可能である。
本発明の第1の実施例のバルブリフタを示す縦断面図である。 同バルブリフタの平面図である。 本発明のバルブリフタが適用される可変動弁装置を示す内燃機関の要部断面図である。 本実施例における可変動弁装置の大リフト制御時における揺動カムの揺動開始点及び終了点を示す可変機構の断面図である。 同揺動カムの揺動カムの折り返し点を示す可変機構の断面図である。 揺動カムのトラベルとバルブリフタに対する面圧との関係を示す特性図である。 本発明の第2の実施例のバルブリフタを示す縦断面図である。 同バルブリフタの底面図である。
符号の説明
1…シリンダヘッド
4…吸気弁
4c…ステムエンド
6…駆動軸
7…駆動カム
8…バルブリフタ
9…揺動カム
9b…カム面
10…伝達機構
11…制御機構
13…バルブスプリング
18…リフタ本体
19…冠部
19a…上面
20…ボス部
20a…外周面
21…油孔
21a…入口開口部
21b…入口開口縁
22…ロッカアーム
23…リンクアーム
24…リンクロッド

Claims (4)

  1. クランクシャフトによって回転駆動され、外周に偏心駆動カムが設けられた駆動軸と、
    機関弁の上端部に設けられたバルブリフタの冠部の上面を転接しながら押圧して、前記機関弁を開作動させる揺動カムと、
    前記駆動カムの回転運動を揺動運動に変換して前記揺動カムに伝達する伝達機構と、
    機関運転状態に応じて前記伝達機構の姿勢を変更して前記揺動カムによる前記機関弁のリフト量を可変にする制御機構と、を備えた内燃機関の可変動弁装置において、
    前記バルブリフタの冠部に上下方向へ貫通した油孔を形成すると共に、
    該油孔を、前記冠部上面の前記揺動カムが転接押圧して最大高面圧領域となる部位を避けた位置に形成したことを特徴とする内燃機関のバルブリフタ。
  2. 前記油孔を、前記揺動カムが一方向へ揺動ストロークして機関弁を開作動させた後に、他方向へ揺動ストロークする折り返し点の部位を避けた位置に形成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブリフタ。
  3. 前記油孔を、バルブリフタの前記冠部下面のほぼ中央に突設されたボス部の外周面位置から前記折り返し点までの間の位置に貫通形成したことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のバルブリフタ。
  4. 前記油孔を、前記ボス部の外周面にほぼ沿って貫通形成し、前記油孔の内周面を前記ボス部の外周面に連続するように形成したことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関のバルブリフタ。
JP2006314952A 2006-11-22 2006-11-22 内燃機関のバルブリフタ Pending JP2008128121A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006314952A JP2008128121A (ja) 2006-11-22 2006-11-22 内燃機関のバルブリフタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006314952A JP2008128121A (ja) 2006-11-22 2006-11-22 内燃機関のバルブリフタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008128121A true JP2008128121A (ja) 2008-06-05

Family

ID=39554221

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006314952A Pending JP2008128121A (ja) 2006-11-22 2006-11-22 内燃機関のバルブリフタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008128121A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4257227B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP3989867B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2006152926A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP5088240B2 (ja) エンジンの動弁機構
JP2008150973A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP3953668B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP3975032B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2008128122A (ja) 内燃機関のバルブリフタ
JP4177866B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
US20090050086A1 (en) Variable valve driving apparatus of internal combustion engine
JP4933474B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP4142544B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2004360466A (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2018076840A (ja) 多気筒内燃機関の可変動弁装置
JP3699820B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2008128121A (ja) 内燃機関のバルブリフタ
JP4118736B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
US20040237920A1 (en) Valve actuation apparatus for internal combustion engine
JP4105970B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2009228556A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2009281164A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP4516452B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP4153806B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP3833834B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP3917747B2 (ja) 内燃機関の動弁装置