JP4932307B2 - 耐熱性合金部材、燃料電池用合金部材、燃料電池用集電部材、セルスタック、及び燃料電池 - Google Patents

耐熱性合金部材、燃料電池用合金部材、燃料電池用集電部材、セルスタック、及び燃料電池 Download PDF

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本発明は、Crを含有する耐熱合金の表面を被覆層により被覆してなる耐熱性合金部材、燃料電池用合金部材、燃料電池用集電部材、セルスタック、及び燃料電池に関する。
次世代エネルギーとして、近年、例えば、燃料電池セルのスタックを収納容器内に収容した燃料電池が種々提案されている。固体電解質形燃料電池は、複数の燃料電池セルを電気的に接続したセルスタックを収納容器内に収容して構成され、燃料電池セルの燃料極側に燃料ガス(水素)を流し、空気極(酸素極ともいう。)側に空気(酸素)を流して550〜900℃の高温で発電する。燃料電池セル間を電気的に接続するためには、従来からフェルト状や板状の集電部材が用いられている。
このような集電部材としては、導電率の高い合金が採用され、さらに高温下で使用されることから、耐熱合金が望ましく採用され、このような導電率の高い耐熱合金として、Crを10〜30質量%含有する合金が一般的に用いられる。しかしながら、Crを含有する合金からなる集電部材を燃料電池セル間に介装し、複数の燃料電池セルを電気的に接続した場合、燃料電池を長期間発電させると、集電部材中のCrが集電部材の外部に拡散してしまい、拡散したCrは空気極と固体電解質との界面に達し、活性を劣化させてしまう。この現象は、いわゆるCr被毒といわれ、燃料電池セルの発電能力の低下を招くこととなる。
このようなCr被毒を防止するため、従来、Crを含有する合金の表面をMn、Fe、Co、Niで被覆することが行われている(特許文献1参照)。
特表平11−501764号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているようにCr含有合金の表面をMn、Fe、Co、Niで被覆した場合、Cr含有合金中のCrが外部に拡散することをある程度抑制することができるものの、未だCrの拡散が多いという問題があった。また、Cr含有合金の表面をMn、Fe、Co、Niで被覆した場合、Mn、Fe、Co、Niは発電温度にて酸化され、導電性が低いという問題があった。
以上の現状に鑑み、本発明の目的は、所要の導電性の保持とCr拡散防止効果の向上とが可能な耐熱性合金部材、燃料電池用合金部材、燃料電池用集電部材、セルスタック、及び燃料電池を提供する。
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る耐熱性合金部材の発明は、Crを10〜30重量%含有する耐熱性合金の表面が亜鉛を含有するCr拡散防止層により被覆され、該Cr拡散防止層が酸化亜鉛の被覆層により被覆され、前記被覆層の少なくとも一部が+3価以上の金属元素を含有して導電性が付与されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の耐熱性合金部材において、前記被覆層の導電性が付与された部分が、Al及びFeのうちの少なくとも1種類を含有することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の耐熱性合金部材において、前記被覆層の導電性が付与された部分が550℃〜900℃の温度で1Scm−1以上の導電率を有することを特徴とする。
請求項4に係る燃料電池用合金部材の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の耐熱性合金部材を燃料電池用として用いたことを特徴とする。
請求項5に係る燃料電池用集電部材の発明は、燃料電池セルから集電を行う集電部材であって、請求項4記載の燃料電池用合金部材からなることを特徴とする。
請求項6に係るセルスタックの発明は、複数の燃料電池セル間を、請求項5記載の燃料電池用集電部材を介装して、電気的に接続してなることを特徴とする。
請求項7に係る燃料電池の発明は、請求項6記載のセルスタックが収納容器内に収納されてなることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、Crを10〜30重量%含有する耐熱性合金の表面が、亜鉛を含有するCr拡散防止層により被覆されているため、Cr拡散防止層によりCrの拡散が防止され、Cr拡散防止層が酸化亜鉛の被覆層により被覆され、被覆層の少なくとも一部に+3価以上の金属元素が固溶して導電性が付与されているため、所要の導電性の保持とCr拡散防止効果の向上とが可能な耐熱性合金部材を実現することができる。
請求項2に係る発明によれば、上記請求項1の効果に加えて、Al又はFeは+3の価数をとりうるため、添加によって容易に導電率を向上させることが可能な耐熱性合金部材を実現することができる。
請求項3に係る発明によれば、上記請求項1又は2の効果に加えて、被覆層の導電性が付与された部分が550℃〜900℃の温度で1Scm−1以上の導電率を有するため、例えば、燃料電池の作動温度範囲内で適切な導電部材として使用することが可能な燃料電池用合金部材を実現することができる。
請求項4に係る発明によれば、請求項1乃至3の効果を有する燃料電池用合金部材を実現することができる。
請求項5に係る発明によれば、請求項1乃至4の効果を有する燃料電池用集電部材を実現することができる。
請求項6に係る発明によれば、燃料電池用集電部材が請求項5の効果を有するため、集電部材による電圧低下等を抑制し、従来よりも電力の有効利用が可能なセルスタックを実現することができる。
請求項7に係る発明によれば、請求項6記載のセルスタックが収納容器内に収納されてなるため、従来よりも電力の有効利用が可能な燃料電池を実現することができる。
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明による燃料電池用集電部材の一実施例を示す斜視図であり、図2及び図3は図1に示す燃料電池用集電部材20の被覆層202の被覆状態を示す説明図である。図2は図1に示すA−A線断面図であり、図3は図1に示すB−B線断面図である。燃料電池用集電部材20は、図1に示すように、例えば耐熱性合金の板を櫛刃状に加工し、隣り合う刃を交互に反対側に折り曲げて構成されている。
この燃料電池用集電部材20は、Crを含有する合金(以下、集電基材という。)201の表面に、亜鉛を含む酸化物からなり、少なくとも一部に導電性が付与されている被覆層202が設けられており、集電基材201と被覆層202との間には、Znを含有するCr拡散防止層(図示せず)が形成されている。尚、本発明の燃料電池用集電部材20は、図1に示すような形状のものに限定されるものではなく、例えば、円筒状、メッシュ状のものであってもよい。
集電基材201としては、導電性及び耐熱性の高いCrを10〜30重量%含有する合金、例えばFe−Cr系合金、Ni−Cr系合金等が採用されている。また、被覆層202は酸化亜鉛からなり、後述するように、Al及びFeの少なくとも1種を含有して形成されている。
また、Cr拡散防止層は、スピネル構造、コランダム構造、ウルツ鉱構造及び岩塩構造のうち少なくとも一種、またはこれらと類似の構造を持つ金属酸化物である。特に、Cr拡散防止層は、Zn−Mn系スピネルからなるもので、Fe、Cr等の元素を含有しても良い。Zn−Mn系スピネル、例えば、(Zn,Mn)Mnからなる、ZnとMnを含む金属酸化物は、Crを固溶しにくいために、Crの拡散を抑制する効果を有している。
被覆層202はZnOを含有するものであり、純粋なZnOは絶縁体であるが、Zn1+δOは陽イオン過剰型のn型半導体となり、価数の高い不純物元素を添加することによっても、n型の不純物半導体となる。ここで、ZnO中のZnは、+2価のイオンとなっているため、+3価以上のイオンとなる金属元素を固溶させることによって導電性が付与される。具体的には、以下の欠陥方程式で表されるメカニズムで電子が伝導電子となる。
Figure 0004932307
上記の式(1)は、過剰のZnの寄与を表す欠陥方程式であり、格子間Znの存在により1個の伝導電子が生じ、導電性に寄与することを示している。式(2)は、Znの格子サイトにAl3+が置換した状態の欠陥方程式であり、2個の伝導電子を放出することを示している。式(3)は、式(1)と式(2)の反応が同時に起きた場合の欠陥方程式であるが、伝導電子が増加することがわかる。
+3価以上となりうる金属元素の内で、特にAl、Feを固溶させた酸化亜鉛は、Cr拡散防止効果、導電性共に優れる。また、集電部材に用いられる被覆層は、通常、大気中、発電温度近傍で、1S・cm−1以上の導電率を有することが好ましく、上記の被覆層202は、発電温度近傍550℃〜900℃の大気中において、この導電率に関する条件を満足することができる。
集電基材201中のCrは気化し外部に拡散してしまうので、Cr拡散防止層は、集電基材201の少なくとも表面全面を覆うように、緻密に設けることが好ましい。Cr拡散防止層は2μm以下、特には1μm以下であれば、ある程度絶縁性であっても集電部材としての導電性に影響を与えることがない。
本発明のCr拡散防止層、被覆層202は、ディッピングによる場合は、Zn又はZnOを含有するペースト中に集電基材201を浸漬し、熱処理により、或いは発電時の加熱により、Cr拡散防止層、被覆層202を形成することができる。
即ち、Cr拡散防止層がZn−Mn系スピネルからなる場合には、例えば、Mnを含有する集電基材201を用いて、これを、例えば、Zn又はZnOとFe又はAlとを含有するペースト中に浸漬し、熱処理することにより、例えばZn−Mn系スピネルからなるCr拡散防止層が形成され、ZnO中にFe又はAlを含有する被覆層202を形成することができる。
また、Mnを含有しない集電基材201を用いる場合、これを、例えば、Zn又はZnOと、Fe又はAlと、Mnを含有するペースト中に浸漬し、熱処理することにより、Zn−Mn系スピネルからなるCr拡散防止層が形成され、ZnO中にFe又はAlを含有する被覆層202を形成することもできる。
さらに、集電基材201にZn−Mn系スピネルからなるCr拡散防止層を形成した後、Cr拡散防止層が形成された集電基材201を、例えば、Zn又はZnOと、Fe又はAlとを含有するペースト中に浸漬し、熱処理することにより、ZnO中にFe又はAlを含有する被覆層202を形成することもできる。
被覆層202は、ディッピング(Cr拡散防止層用の亜鉛を含有する液中に集電基材201を浸漬する浸漬塗布法)に加え、メッキ、蒸着等の方法を用いて形成されるが、コスト的にはディッピングが望ましい。
被覆層202の厚さは、集電基材201の耐用時間にもよるが、ディッピングの場合、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。厚さを5μm以上とすることにより、エアーの巻き込みなどによる空隙発生を防止できる。又、厚さを50μm以下とすることにより、集電基材201との熱膨張差による内部応力を最小限に抑制できると共に、形成を容易にすることができる。
図4は本発明による燃料電池セルの斜視図であり、図5は燃料電池セルを集電部材により電気的に接続してなるセルスタックを、図1の集電部材のB−B線断面に平行な断面の図である。本発明によるセルスタックは、図5に示すように、燃料電池用集電部材20が、図4に示す燃料電池セル1間に配置されて複数の燃料電池セル1を電気的に接続する構成を有する。
燃料電池セル1は、図4に示すように、平板状の支持基板10と、平板状の支持基板10の周囲に設けられた燃料極層2、固体電解質層3、空気極層4、インターコネクタ5、及び空気極材料層14とを備え、支持基板10は、さらに内部に、燃料電池セル1の積層方向に交わる方向(セル長さ方向)に伸びた複数の燃料ガス通路16を有するように構成される。
支持基板10は、例えば、多孔質かつ導電性の材料からなり、図4に示すように横断面が平坦部と平坦部の両端の弧状部とからなっている。平坦部の対向する面の一方とその両端の弧状部を覆うように多孔質の燃料極層2が設けられており、この燃料極層2を覆うように、緻密質な固体電解質層3が積層されており、さらに、この固体電解質層3の上には、燃料極層2に対向するように、多孔質の導電性セラミックからなる空気極層4が積層されている。また、支持基板10の電極層2、4が設けられた面に対向する面には、緻密なインターコネクタ5が形成されている。このインターコネクタ5の表面には、空気極材料からなる空気極材料層14が形成されている。ここで、空気極材料は、例えばペロブスカイト構造のLa(Fe,Mn)O、(La,Sr)(Co,Fe)O等の酸化物からなる。ただし、この空気極材料層14については、必ずしも形成する必要はない。図4に示すように、燃料極層2及び固体電解質層3は、インターコネクタ5の両サイドまで延び、支持基板10の表面が外部に露出しないように構成されている。
このような構造の燃料電池セル1は、燃料極層2の空気極層4に対面している部分が燃料極として作動して発電する。即ち、空気極層4の外側に空気等の酸素含有ガスを流し、且つ支持基板10内のガス通路16に燃料ガス(水素)を流し、所定の作動温度まで加熱することにより、空気極層4で下記の式(4)の電極反応が生じ、また燃料極層2の燃料極となる部分では例えば下記の式(5)の電極反応が生じることによって発電する。
空気極: 1/2O+2e → O2− (固体電解質) (4)
燃料極: O2− (固体電解質)+ H → HO+2e (5)
かかる電極反応によって発生した電流は、支持基板10に取り付けられているインターコネクタ5を介して集電される。
このような複数の燃料電池セルの間には、図5に示すように、本発明による燃料電池用集電部材20が介装されて電気的に接続され、これによりセルスタックが構成されている。即ち、燃料電池用集電部材20が、一方の燃料電池セル1の空気極層4に多孔質の導電性セラミックからなる導電性接合材25により接合されると共に、隣設する他方の燃料電池セル1の空気極材料層14に導電性接合材25により接合され、これにより、複数の燃料電池セル1が電気的に直列に接続され、セルスタックが構成されている。導電性接合材25としては、通常、空気極材料が用いられ、例えばLa−Co系等の導電性ペロブスカイト型複合酸化物や、Ag、Ag−Pd等が用いられる。
このようなセルスタックは、図示しないが燃料ガスが供給されるマニホールド内に配置され、マニホールド内に供給された燃料ガスが燃料電池セル1のガス通路16内を通過していくことになる。
燃料電池は、上記のセルスタックを収納容器内に収容し、この収納容器に、都市ガス等の燃料ガスを供給する燃料ガス導入管及び空気を供給するための空気導入管を配設することにより構成される。このようなセルスタック及び燃料電池により、電圧低下の少ない長期信頼性に優れた燃料電池を得ることができる。
尚、上記では、本発明の燃料電池用合金部材を集電部材20として用いた場合について説明したが、収納容器内に収容される他の耐熱性合金からなる部品、例えば、上記したマニホールド用として、また改質器用として、さらには収納容器を形成する壁部材として用いることができる。
また、上記形態では、本発明の耐熱性合金部材を燃料電池用合金部材として用いた場合について説明したが、本発明の耐熱性合金部材を燃料電池以外のものに用いても良い。例えば、酸素センサのリード部等の高温雰囲気で導電性を有するもの、具体的には、従来高温雰囲気で導電性を示すものとして使用されていたPtの代用として使用することができる。因みに、酸素センサ等のリード部では、高温で導電性を確保するため、Pt等の貴金属を用いており、高価であったが、本発明の耐熱性導電部材を用いることにより、安価とすることができる。
まず、ZnO粉末とFe粉末又はAl粉末とを表1のモル比率となるように調合した。調合粉末と、バインダー(PVA20%水溶液)と溶媒(IPA)と直径15mmのZrOボールとをポリポットに入れ、回転ミルにて16時間混合した。混合液を温度130℃で乾燥した混合粉を40メッシュパス後、3×4×50mmのテストピース形状に1t加圧でプレスし、温度1050℃又は1300℃で2時間焼成し、テストピースを作製した。このテストピースを大気中、温度550〜900℃において4端子法で導電率を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0004932307
表1から、Fe又はAlが添加された試料2〜8は、添加されていない試料1に対し、導電率が著しく向上しており、燃料電池セル間を電気的に接続する基材として十分な導電性を備えている。試料を、粉末X線回折法及び波長分散型EPMA(Electron Probe Micro-Analysis)法を用いて分析した結果、異相が無く、添加元素が一様に分布していることが示され、添加元素はZnOに固溶していると考えられる。
まず、ZnO粉末と、Fe粉末又はAl粉末とを表2に示すモル比率になるように調合した。Alを添加した粉末については、調合した粉末(以下、調合粉という。)を、混合し、温度1300℃で2時間仮焼し、粉砕して粉砕粉を得た。次に、調合粉又は粉砕粉と、アクリル系バインダーと、希釈材としてのミネラルスピリッツと、分散剤としてDBPとを調合し、被覆層の形成に用いるディッピング液を作製した。
Figure 0004932307
次に、厚さ0.4mm、幅20mm、長さ120mmのFe−Cr系耐熱性合金板(Fe75質量%含有、残部Cr、Mn、Ni含有)からなる集電基材を、ディッピング液との濡れ性を高めるべく、大気中750℃で熱処理し、さらに、ディッピング液中に浸漬し、集電基材全面に塗布し、乾燥させた。さらに、温度130℃で30分、引き続いて温度500℃で2時間脱バインダー処理を行い、温度1050℃で2時間、炉内で焼付を行い、厚みが約20μmの被覆層を形成した。集電基材と被覆層との間には、厚みが約1μmのCr拡散防止層が形成されていた。
次に、平均粒径0.5μmのLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8粉末(LSCF)と、アクリル系バインダーと、グリコール系溶剤とを添加して得られたスラリー中に、被覆層が形成された集電部材を浸漬し、同様の焼付け処理を行い、被覆層表面に厚さ約20μmのLSCF膜を形成し、テストピースとした。このテストピースの被覆層の近傍の断面をEPMA分析により確認した。EPMA分析には、日本電子製のJXA−8100を用いた。測定条件として、加速電圧15kV、プローブ電流2.0×10−7A、分析エリア50μm×50μm、分光結晶にLFを用いた。図6は、被覆層近傍のCrの分布についてのEPMA分析結果を示す図である。
図6から、Fe又はAlが添加された酸化亜鉛からなる試料10、11は、無添加の酸化亜鉛からなる試料9と同様に、Crの拡散を効果的に抑制することがわかった。即ち、被覆層内及びLSCF膜内のいずれからもCrはほとんど検出されなかった。また、LSCF膜はCrと容易に反応して反応生成物を形成するため、被覆層から外部にCrが拡散した場合でも、LSCF膜で必ずCrの反応生成物を形成し、外部に拡散することはない。
本発明による燃料電池用集電部材の一例を示す斜視図である。 図1に示すA−A線に沿った燃料電池用集電部材の断面図である。 図1に示すB−B線に沿った燃料電池用集電部材の断面図である。 本発明による燃料電池セルの断面斜視図である。 本発明による燃料電池セルスタックの説明図である。 実施例2にかかる燃料電池用集電部材の被覆層近傍のEPMA分析結果を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池セル
2 燃料極層
3 固体電解質層
4 空気極層
5 インターコネクタ
10 支持基板
14 空気極材料層
16 ガス通路
20 集電部材
25 導電性接合材
201 集電基材
202 被覆層

Claims (7)

  1. Crを10〜30重量%含有する耐熱性合金の表面が亜鉛を含有するCr拡散防止層により被覆され、該Cr拡散防止層が酸化亜鉛の被覆層により被覆され、前記被覆層の少なくとも一部が+3価以上の金属元素を含有して導電性が付与されていることを特徴とする耐熱性合金部材。
  2. 前記被覆層の導電性が付与された部分が、Al及びFeのうちの少なくとも1種類を含有することを特徴とする請求項1記載の耐熱性合金部材。
  3. 前記被覆層の導電性が付与された部分が、550℃〜900℃の温度で1Scm−1以上の導電率を有することを特徴とする請求項1又は2記載の耐熱性合金部材。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の耐熱性合金部材を燃料電池用として用いたことを特徴とする燃料電池用合金部材。
  5. 燃料電池セルから集電を行う集電部材であって、該集電部材が、請求項4記載の燃料電池用合金部材からなることを特徴とする燃料電池用集電部材。
  6. 複数の燃料電池セル間に、請求項5記載の燃料電池用集電部材を介装して、電気的に接続してなることを特徴とするセルスタック。
  7. 請求項6記載のセルスタックが収納容器内に収納されてなることを特徴とする燃料電池。
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