JP4932096B2 - 除草活性成分を含有する顆粒水和剤及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジニトロアニリン系化合物を除草活性有効成分とする水和剤用粒剤(顆粒状水和剤)及びその製造方法に関する。さらに詳しく言えば、分散性及び懸垂性に優れ、長期間保存しても安定であり、徐放性で残効性が長く、魚毒性が軽減され、安定した除草効果を示す顆粒水和剤及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
下記式(1)
【化3】
Figure 0004932096
(式中、R1は水素原子、C1〜C4の直鎖または分枝鎖のアルキル基、C3〜C4のアルケニル基、またはC3〜C4のアルキニル基を表わし、R2はC1〜C6の直鎖または分枝鎖の、塩素原子またはOCH3で置換されていてもよいアルキル基、C3〜C4のアルケニル基、またはC3〜C4のアルキニル基を表わし、R3は水素原子、CH3、またはCH2OCH3を表わし、R4はC1〜C4アルキル基、CF3または塩素原子を表わす)
で示されるジニトロアニリン系化合物は除草活性を有し、広範囲の畑地一年生イネ科及び広葉雑草に対して防除効果を示す土壌処理除草剤として使用されている。
【0003】
ジニトロアニリン系除草剤は、従来、乳剤、フロアブル剤、水和剤、微粒剤等として調製されている。しかし、乳剤は、有機溶剤を用いるため、引火性、毒性、刺激性等の問題がある。また、フロアブル剤は、懸濁状の製剤であって粘稠な液体製剤であるため、容器から取り出しにくく、使用後も容器内にかなりの量の薬剤が残るため、その廃棄に問題がある。また、成分が沈降したり、固結するなど保存安定性の面でも問題が多い。水和剤は、粉末を水に懸濁させて散布液を調製する際に微粉が舞い上がり、作業者の健康上好ましくない、計量が不便である等の欠点がある。微粒剤は直接散布するが、水に希釈してから散布する剤型と比べると、単位面積当たりの製剤の処理量が多く、輸送や保管の面で不利である。
【0004】
近年、多くの薬剤で、これらの従来の剤型における問題点を解消すべく、顆粒水和剤(顆粒状水和剤)が開発されている。顆粒状水和剤は、1)顆粒状のため粉立ちが少なく作業者への安全性が高い、2)見掛け比重が大きく包装容器がコンパクトになり輸送保管費が安くなる、3)粉末状水和剤に比べ流動性がよく、取り扱い性に優れる。また、容器への付着が少なく、薬剤を残さず袋から取り出せる、4)高濃度製剤が可能である、5)紙袋等が利用でき、使用後の容器の処分が容易であるなど、環境に関する面や作業上の安全面でも優れており、農業用組成物の調製において益々重要なものになってきている。
【0005】
ジニトロアニリン系除草剤についても顆粒状水和剤のかたちでの供給が望ましいが、通常の方法では実用に耐え得る顆粒状水和剤を製造することが困難であった。すなわち、ジニトロアニリン系化合物は一般に融点が低いため、昇温下で保存した場合などに、顆粒が過度に軟化したり部分的に溶融してケーキングや融合を起こし易い。その結果、取扱性が著しく低下する。また、顆粒状水和剤は、水で希釈した際に水中で速やかに崩壊し分散することが要求されるが、ケーキングや融合を起こしたものは水中で崩壊分散しなくなるなど実用上使用が不可能になる。
【0006】
かかる問題を解決するために種々の製造方法が提案されている。特開昭59-112903号公報には、ジニトロアニリン系化合物を特定の界面活性剤と混合溶融し、シリカを含む担体と天然の膨潤性粘土とを配合した後、粉砕・湿式凝集を経て、ヒュームドシリカで被覆する方法が記載されている。特開平1-56602号公報には、ベンフルラリン等のジニトロアニリン系化合物を合成シリカ等と混合した後、分散剤、カルボキシメチルセルロース・カルシウム等の崩壊剤及び増量剤を配合し、ディスクペレッタや流動層式造粒器で造粒する方法が記載されている。特開平6-199610号公報及び特開昭7-252107号公報では、ジニトロアニリン系化合物に他の除草剤成分、担体、湿潤剤、懸濁剤、分散助長剤を配合し、液体窒素等を用いた冷却条件下に混練または磨砕した後、押出し造粒する方法が記載されている。
【0007】
しかし、特開昭59-112903号公報の方法は、湿式凝集により粒状化した上にシリカ被覆した粒剤であるため、水中に投じた際の崩壊性が低い。特開平1-56602号公報の方法は、流動床造粒等によるため、良好な分散性を示すものの、粉立ちが起こり流動性が不十分であるという問題がある。また、特開平6-199610号公報及び特開昭7-252107号公報は、液体窒素温度での混練等を必要とするため特別な製造設備が必要であり、冷却にコストが掛かる。さらに、押出し造粒された製品は、密度が大きく摩擦に対して強いものの分散性に乏しい、懸垂性が低いなどの問題がある。
【0008】
その他に、特開平3-264502号公報では、常温で固体である農薬有効成分に、担体としてカオリン系クレーを配合した処方を開示している。特開平3-163006号公報では融点が70℃以下の農薬有効成分に関して、湿式法シリカの焼成品に吸収させ、水溶性担体、及び鉱物質担体から選ばれる1種類以上を配合した処方を開示している。しかし、これらの方法でも、粒の崩壊性および懸垂性が経時的に劣化しやすく、一般的には実用上耐えうるような顆粒状水和剤を得ることは難しい。
【0009】
さらにまた、農薬活性成分に製剤の0.1 〜10質量%のアニオン型界面活性剤及びベントナイトを配合した粒状農薬水和剤が提案されているが(特開昭62-263101号公報)、製造が困難であり、更に保存中に懸垂性が劣化するという問題を有していた。
【0010】
さらに、有用なジニトロアニリン系化合物には蒸気圧の高い化合物が多く、こうした化合物を有効成分とする除草剤では、薬剤を散布後、気候条件によっては有効成分の揮散により、残効性が短くなり、除草効果が不安定になることがある。上述した各種の製剤方法は、製剤の保存安定性、懸垂性、水分散性の改善を主目的に行われており、蒸気圧の高いジニトロアニリン系化合物を使用した場合における問題点を解消するための検討はほとんど行われていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ジニトロアニリン系化合物を有効成分として含有する除草剤を顆粒状の水和剤として提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ジニトロアニリン系化合物の顆粒状水和剤について、その水分散性、懸垂性、保存安定性、残効性、除草効果の不安定性を改良すべく鋭意研究した。その結果、湿式法シリカにジニトロアニリン系化合物を含浸させて、分散剤、湿潤剤、高い膨潤力の膨潤性粘土等と混合し、乾式粉砕後、加水混練、押出し造粒することにより、製剤安定性、水分散性、懸垂性が良好で、放出が制御され、魚毒性が軽減され、残効性が長く安定した除草効果を示す顆粒状水和剤が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は下記の顆粒状水和剤及びその製造方法を提供する。
(1) 湿式法シリカに含浸させた下記式(1)
【化4】
Figure 0004932096
(式中、R1は水素原子、C1〜C4の直鎖または分枝鎖のアルキル基、C3〜C4のアルケニル基、またはC3〜C4のアルキニル基を表わし、R2はC1〜C6の直鎖または分枝鎖の、塩素原子またはOCH3で置換されていてもよいアルキル基、C3〜C4のアルケニル基、またはC3〜C4のアルキニル基を表わし、R3は水素原子、CH3、またはCH2OCH3を表わし、R4はC1〜C4アルキル基、CF3または塩素原子を表わす)
で示されるジニトロアニリン系除草活性成分、膨潤性粘土、分散剤及び湿潤剤を含む混合物を押出し造粒することにより得られる顆粒水和剤。
【0014】
(2) ジニトロアニリン系除草活性成分20〜65質量部に対し、湿式法シリカ4〜65質量部、膨潤性粘土1〜20質量部、分散剤1〜15質量部及び湿潤剤0.1〜5質量部を含む前記1に記載の顆粒水和剤。
(3) ジニトロアニリン系除草活性成分40〜60質量部に対し、湿式法シリカ8〜55質量部、膨潤性粘土3〜12質量部、分散剤3〜10質量部及び湿潤剤0.2〜2質量部を含む前記2に記載の顆粒水和剤。
【0015】
(4) ジニトロアニリン系除草活性成分の蒸気圧が1mPa(25℃)以上である前記1に記載の顆粒水和剤。
(5) ジニトロアニリン系除草活性成分がペンディメタリン、トリフルラリンまたはベンフルラリンである前記4に記載の顆粒水和剤。
(6) 湿式法シリカが含水無晶形二酸化ケイ素である前記1に記載の顆粒水和剤。
【0016】
(7) 含水無晶形二酸化ケイ素の吸油量(JIS K6220)が220〜350ml/100gである前記6に記載の顆粒水和剤。
(8) 膨潤性粘土が、モンモリロナイトである前記1に記載の顆粒水和剤。
(9) モンモリロナイトの膨潤力が40〜100ml/2gである前記8に記載の顆粒水和剤。
(10) 分散剤が、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩およびリグニンスルホン酸塩から選ばれる1種類以上である前記1に記載の顆粒水和剤。
(11) 湿潤剤が、ジオクチルスルホコハク酸塩およびアセチレンジオールから選ばれる1種類以上である前記1に記載の顆粒水和剤。
(12) ジニトロアニリン系除草活性成分1質量部に対して、湿式法シリカを0.2〜1質量部含有する前記1乃至11のいずれかに記載の顆粒水和剤。
【0017】
(13) 下記式(1)
【化5】
Figure 0004932096
(式中、R1は水素原子、C1〜C4の直鎖または分枝鎖のアルキル基、C3〜C4のアルケニル基、またはC3〜C4のアルキニル基を表わし、R2はC1〜C6の直鎖または分枝鎖の、塩素原子またはOCH3で置換されていてもよいアルキル基、C3〜C4のアルケニル基、またはC3〜C4のアルキニル基を表わし、R3は水素原子、CH3、またはCH2OCH3を表わし、R4はC1〜C4アルキル基、CF3または塩素原子を表わす)
で示されるジニトロアニリン系除草活性成分をその融点以上に加熱して湿式法シリカに含浸させ、膨潤性粘土、分散剤及び湿潤剤と混合した後、粉砕し、水を加えて混練し、混練物を押出し造粒することを特徴とする顆粒水和剤の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、湿式法シリカに含浸させた前記式(1)のジニトロアニリン系除草活性成分、膨潤性粘土、分散剤、湿潤剤の混合物を押出し造粒法で造粒することにより得られる水和剤用粒剤及びその製造方法である。以下、構成成分及び製造方法について詳述する。
【0019】
(A)構成成分
本願発明に用いることのできるジニトロアニリン系除草活性成分は、
下記式(1)
【化6】
Figure 0004932096
(式中、R1は水素原子、C1〜C4の直鎖または分枝鎖のアルキル基、C3〜C4のアルケニル基、またはC3〜C4のアルキニル基を表わし、R2はC1〜C6の直鎖または分枝鎖の、塩素原子またはOCH3で置換されていてもよいアルキル基、C3〜C4のアルケニル基、またはC3〜C4のアルキニル基を表わし、R3は水素原子、CH3、またはCH2OCH3を表わし、R4はC1〜C4アルキル基、CF3または塩素原子を表わす)で示されるジニトロアニリン系化合物である。ジニトロアニリン系化合物は1種類もしくは2種類以上混合してもよい。
【0020】
本発明では、従来は使用が困難だった、蒸気圧の高い、具体的には1mPa(25℃)以上であるジニトロアニリン系化合物を用いることができる。このようなジニトロアニリン系化合物の例としては、下記式(a)のN−(1−エチルプロピル)−2,6−ジニトロ−3,4−キシリジン〔一般名:ペンディメタリン;融点58℃;蒸気圧4mPa(25℃)〕、下記式(b)のN,N−ジプロピル−α,α,α−トリフルオロ−2,6−ジニトロ−p−トルイジン〔一般名:トリフルラリン;融点49℃;蒸気圧6.1mPa(25℃)〕、下記式(c)のN−ブチル−N−エチル−α,α,α−トリフルオロ−2,6−ジニトロ−p−トルイジン〔一般名:ベンフルラリン;融点66℃;蒸気圧8.76mPa(25℃)〕等が挙げられる。
【0021】
【化7】
Figure 0004932096
【0022】
ジニトロアニリン系化合物は、製剤中に通常20〜65質量%、好ましくは40〜60質量%含まれる。20質量%未満では十分な効果が得られない。65質量%を超える製剤とすることは困難であり、また、高温時に塊状化や有効成分の揮発等が起こるようになり、本発明の特長が損なわれる。
【0023】
上記のジニトロアニリン系化合物は湿式法シリカに含浸させて用いる。湿式法シリカはケイ酸塩を酸溶液中で加水分解し析出させることにより製造されるもので、四塩化ケイ素を酸水素炎中で加水分解する乾式シリカと対比される。通常は含水無晶形二酸化ケイ素である。構造的には乾式シリカは表面にSi−OHが多いのに対し、乾式シリカではSi−OHが少なく、構造そのものの自由度が小さい。本発明では湿式法シリカを用いることにより優れた効果を発揮する。
湿式法シリカは、平均粒径1〜150μm、見かけ比重0.05〜0.30、吸油量220〜350ml/100gの範囲が好ましい。なお、本発明における含水ニ酸化ケイ素の吸油量とは、JIS K−6220の方法によるものであり、含水ニ酸化ケイ素をアマニ油と練り合わせて堅練り状とするのに要するアマニ油の量を意味する。
【0024】
このような湿式法シリカは市販の製品が利用でき、例えば、トクシール(トクヤマ社製)、カープレックス(塩野義製薬社製)、ニップシール(日本シリカ社製)、シペルナート(デグッサジャパン社製)等の含水二酸化ケイ素が用いられる。
【0025】
ジニトロアニリン系除草活性成分を湿式法シリカに含浸させるには、ジニトロアニリン系化合物を溶融温度以上に加熱して液状とし、これをシリカと混合すればよい。シリカは、好ましくは、ジニトロアニリン系化合物に対し質量比で0.2〜1倍の範囲で用いる。
【0026】
膨潤性粘土は膨潤力(日本ベントナイト工業会、JBAS-104-77容積法による。)40ml/2g以上、好ましくは45ml/2g以上の膨潤性粘土が好ましい。膨潤力が40ml/2g未満では十分な効果が得られない。膨潤力の上限は特に制限されないが、通常は、100ml/2g以下、好ましくは80ml/2g以下である。
膨潤性粘土としては特にモンモリロナイトが好ましい。モンモリロナイトとは、天然のベントナイトから物理化学的プロセスによって抽出した高純度のナトリウムモンモリロナイトである。モンモリロナイトを用いることにより水分散性等の経時的劣化が顕著に防止される。
膨潤力は通常のベントナイトのナトリウムタイプで10〜30ml/2g、カルシウムタイプで3〜7ml/2gであるが、ベントナイトを精製した高純度モンモリロナイトでは45〜80ml/2g程度のものが市販製品として入手できる。
【0027】
膨潤力45〜80ml/2gにあてはまるモンモリロナイトとしては、例えば、クニミネ工業(株)社のクニピアG及びクニピアF、白石工業(株)のオスモスN(膨潤力:45〜80ml/2g)等が挙げられる。1種類のみの使用でも2種類以上を併用してもよい。
膨潤性粘土は、水和剤組成物中において、通常は1〜20質量%、好ましくは3〜10%程度の範囲で用いる。1質量%未満では、本発明の効果が十分に発揮されない。20質量%以上では水和剤としての効率が悪い。
【0028】
本発明の水和剤はさらに1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%程度の分散剤を含む。分散剤は、一般に用いられているアニオン活性剤およびノニオン活性剤を含有することができる。分散剤に用いられる界面活性剤は、湿潤剤としても有効な場合が多い。
【0029】
アニオン系界面活性剤の例としては、各種のアルキルスルホコハク酸塩、縮合リン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルエ−テル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリ−ルフェニルエ−テル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリ−ルエ−テル酢酸エステル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル硫酸エステル塩等が挙げられ、その塩としてアルカリ金属塩、アンモニウム塩あるいはアミン塩等が挙げられる。
【0030】
また、ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルアリ−ルエ−テル、ポリオキシエチレンアルキルアリ−ルフェニルエ−テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ−ル、アセチレンジオール等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0031】
これらの分散剤の中で、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、リグニンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩は、アルキル基が置換されていても、無置換のナフタレンのどちらでも特に問題ない。ホルマリンの縮合度すなわち分子量についても特に制限はない。
【0032】
リグニンスルホン酸ナトリウムは、一般に汎用されている通常の製品を使用することができ、そのグレードは特に限定されるものではないが、好ましくは、糖類の含有量が少なく、リグニン純度の高い製品が望ましい。
これらはそれぞれ単独でまたは2種以上混合して使用することができる。また、その他の種類の分散剤を併用してもよい。
【0033】
本発明の水和剤はさらに0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜2質量%程度の湿潤剤を含む。
好ましい湿潤剤の例としては、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、アセチレンジオールが挙げられる。これらはそれぞれ単独でまたは2種以上混合して使用することができる。その他の種類の湿潤剤を添加してもよい。
【0034】
本発明の水和剤は必要に応じて増量剤、及び粉砕助剤、造粒性改良剤、分解防止剤、安定剤、防腐剤、着色剤、消泡剤、前記式(1)以外の除草剤及び農薬成分等を含んでもよい。
【0035】
増量剤としては、鉱物質粉末あるいは、水溶性粉末を含有させることができる。鉱物質粉末としては、ケイソウ土、タルク、クレー、炭酸カルシウム等が用いられる。水溶性粉末としては、糖類、尿素、各種塩類等が用いられる。糖類としては、乳糖、果糖及びぶどう糖等が挙げられ、塩類としては、硫酸、燐酸、塩酸、硝酸もしくは炭酸のアルカリ金属塩およびアンモニウム塩等が挙げられる。これら増量剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0036】
本発明の顆粒状水和剤に配合し得る農薬活性成分としては、常温で固体の農薬活性成分が好ましく、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調節剤等が挙げられ、これらの化合物は単独でまたは2種以上混合して用いることができる。農薬活性成分の具体的例として次のものを挙げることができる。
【0037】
本発明に用いられる殺虫剤としては、例えば、トリクロルフォン、モノクロトホス、アセフェート、カルボフラン、ベンスルタップ、ブプロフェジン、メトールカルブ、プロポクシュア、イミダクロプリド、アセタミプリド、ミルベメクチン、カルバリル、クロルフルアズロン、ジメチルビンホスまたはピリミジフェン等が含まれる。
【0038】
本発明に用いられる殺菌剤は、例えば、フサライド、イプロジオン、プロベナゾール、イソプロチオラン、トリシクラゾール、ピロキロン、カルプロパミド、オリブライト、アゾキシストロビン及び7−フルオロ−1,2,5,6−テトラヒドロ−4H−ピロロ[3.2.1−i.j]キノリン−4−オン等のいもち剤;ジクロメジン、フルトラニル、メプロニル、チフルザミド、フラメトピル、2−(4−フルオロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−3−トリメチルシリルプロパン−2−オール、ペンシキュロン等のもんがれ剤;または、テクロフタラム、ベノミル、メタラキシル、マンネブ、ジネブ、チアジアジン、チウラム、ポリカーバメート、キャプタン、TPN、チオファネートメチル、ビンクロゾリン、フルアジナム、PCNB、トリアジン、クロロタロニール及びカルボキシン等のその他の殺菌剤である。
【0039】
除草剤としては、例えば、ピラゾレート、ベンゾフェナップ、ピラゾキシフェン、ピリブチカルブ、ブロモブチド、メフェナセット、ベンスルフロン−メチル、クロルニトロフェン、クロメトキシフェン、ダイムロン、ビフェノックス、ナプロアニリド、オキサジアゾン、オキサジアルギル、ベンタゾン、ジメピペレート、ジチオピル、イマゾスルフロン、キノクラミン、MCPA、2,4−D、MCPB、キンクロラック、ピラゾスルフロン−エチル、ペントキサゾン、テニルクロール、クミルロン、シノスルフロン、シメトリン、シハロホップ−ブチル、エトベンザニド、カフェンストロール、エトキシスルフロン、アジムスルフロン、シクロスルファムロン、インダノファン、ピリミノバックーメチル、オキサジクロメホン、4−(2−クロロフェニル)−N−シクロヘキシル−4,5−ジヒドロ−N−エチル−5−オキソ−1H−テトラゾール−1−カルボキシアミド(NBA061)、ベンゾビシクロン、メチルN−[4−(ベンゾチアゾール−2−イルメトキシ)−2−メチルフェニル]カルバマート及びメチル N−[4−(ベンゾオキサゾール−2−イルメトキシ)−2−メチルフェニル]カルバマート等の水田除草剤;または、リニュロン、ジウロン、メトリブジン、プロメトリン、シマジン、アイオキシニル、アラクロール及びブロマシル等の畑地用または非農耕地用除草剤が挙げられる。
【0040】
植物調節剤は、例えば、イナベンフィド、パクロブトラゾールまたはウニコナゾールである。
上記の如き農薬活性成分の製剤中の配合割合は、農薬活性成分の種類等に応じて広い範囲にわたり変えることができるが、一般に1〜40質量%、好ましくは5〜25質量%の範囲内とすることができる。
【0041】
(B)製造方法
本発明の顆粒状水和剤は以下の方法により製造される。
初めに、除草剤化合物原体(ジニトロアニリン系化合物)をその融点以上に加熱して溶融させる。ジニトロアニリン系化合物を液状に保ったまま、湿式法シリカに含浸させる。得られた粉末を室温に戻した後、さらに、膨潤性粘土、分散剤、湿潤剤、増量剤等を加え均一に混合し、微粉砕する。微粉砕は、例えば、エアーミル等の乾式粉砕機により行うことができる。
【0042】
次いで、得られた微粉砕物に適量の水を加え、混合混練をした後、押出し造粒機を用いて造粒し、乾燥して目的物を得る。混練の際に用いる水の量は全質量に対して通常10〜70%、好ましくは20〜65%の範囲内である。乾燥については、熱風式乾燥機、熱伝導式乾燥機、輻射式乾燥機等を用いることができる。
【0043】
本発明においては、モンモリロナイトがジニトロアニリン原体を吸着した湿式法シリカの周りを均一に覆うように形成することが重要である。スプレードライ、流動床造粒、パングラニュール等の他の造粒方法では物性の良い製剤は得られない。
【0044】
上記のプロセスにおいて微粉砕を湿式粉砕によって行うことも可能である。
初めに、除草剤化合物原体(ジニトロアニリン系化合物)をその融点以上に加熱して溶融させる。ジニトロアニリン系化合物を液状に保ったまま、湿式法シリカに含浸させる。さらに、含浸物を分散剤等を溶解させた水と混合し、懸濁させた後、湿式粉砕法により所望の粒径まで粉砕する。湿式粉砕は、例えばサンドミル、ダイノミル等の湿式粉砕機により行うことができる。次いで得られた微粉砕物と膨潤性粘土、湿潤剤、増量剤等を混合混錬した後、押出し造粒を用いて造粒し、乾燥して目的物を得る。乾燥については、熱風式乾燥機、熱伝導式乾燥機、輻射式乾燥機等を用いることができる。
【0045】
その他にも、粒度の細かい湿式法シリカを使用することも可能である。
初めに、除草剤化合物原体(ジニトロアニリン系化合物)をその融点以上に加熱して溶融させる。ジニトロアニリン系化合物を液状に保ったまま、湿式法シリカに含浸させる。この際、湿式法シリカとして、あらかじめ微粉砕をして粒度の細かい湿式法シリカを使用する。含浸後、所望の粒径以上の粒子を取り除く。その際には、振動篩あるいは超音波振動篩等を用いることができる。さらに、膨潤性粘土、分散剤、湿潤剤、増量剤等を加え均一に混合した後、適量の水を加え、混合混錬をした後、押出し造粒機を用いて造粒し、乾燥して目的物を得る。混錬の際に用いる水の量は全質量に対して通常10〜70%、好ましくは20〜65%の範囲内である。乾燥については、熱風式乾燥機、熱伝導式乾燥機、輻射式乾燥機等を用いることができる。
【0046】
本発明の顆粒状水和剤は、一般に、粒径が0.2mm〜2.0mm、好ましくは0.5mm〜1.2mmの範囲内の大きさにすることができる。
本発明の顆粒状水和剤の包装容器としては、例えば、水溶性のフィルムの袋、防湿クラフト紙の袋等を例示することができるが、これらに限定されるものでない。また、包装容器中に乾燥剤を封入してもよい。
【0047】
【実施例】
以下、実施例、比較例及び試験例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の例において、「%」及び「部」はそれぞれ「質量%」及び「質量部」を意味する。また、用いた原料は以下の通りである。
【0048】
(1)湿式法シリカ:
塩野義製薬株式会社「カープレックス80」(平均粒子径8.1μm;見かけ比重0.17;吸油量251ml/100g)
(2)膨潤性粘土
(a)モンモリロナイト:クニミネ工業(株)「クニピアF」
(膨潤力45ml/2g以上。実施例及び比較例1にて使用。)
(b)ベントナイト:クニミネ工業(株)「クニゲルV1」
(膨潤力12ml/2g。比較例2にて使用。)
(3)ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩:
花王株式会社「デモールN」
(4)リグニンスルホン酸ナトリウム:
ウェストヴァーコ(Westvaco)社「Polyfon H 」
(5)ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム:
三井サイテック株式会社「AEROSOL OT-B」
(6)アセチレンジオール:
エアープロダクツジャパン(株)「surfynol 104S」
【0049】
実施例1
ペンディメタリン原体220部を70℃で溶融させ、溶融したペンディメタリン原体を70℃の保温下で湿式法シリカ100部に含浸させた。次いで、含浸物80部と、モンモリロナイト9部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩6部、リグニンスルホン酸ナトリウム1部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1部、アセチレンジオール0.5部を加え均一に混合した後、エアーミルにより微粉砕した。得られた微粉砕物に質量比で約60%の水を加え、ニーダーを用いて混練をした後、0.6mmのスクリーンを装着した横押出し型の造粒機を用いて造粒し、流動層乾燥器により乾燥後、297μm〜1000μmの篩で整粒して目的物を得た。
【0050】
実施例2
ペンディメタリン原体220部を70℃で溶融させ、溶融したペンディメタリン原体を70℃の保温下で湿式法シリカ100部に含浸させる。次いで、含浸物80部と、モンモリロナイト9部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩6部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1部、アセチレンジオール0.5部を加え均一に混合した後、エアーミルにより微粉砕する。得られた微粉砕物は、実施例1からリグニンスルホン酸ナトリウムのみ除いたものに相当する。次いで、この微粉砕物に質量比で約60%の水を加え、ニーダーを用いて混練をした後、0.6mmのスクリーンを装着した横押出し型の造粒機を用いて造粒し、流動層乾燥器により乾燥後、297μm〜1000μmの篩で整粒して目的物を得た。
【0051】
実施例3
ペンディメタリン原体220部を70℃で溶融させ、溶融したペンディメタリン原体を70℃の保温下で湿式法シリカ100部に含浸させる。含浸物80部と、モンモリロナイト9部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩6部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1部を加え均一に混合した後、エアーミルにより微粉砕する。得られた微粉砕物は、実施例1からリグニンスルホン酸ナトリウムとアセチレンジオールを除いたものに相当する。次いで、この微粉砕物に質量比で約60%の水を加え、ニーダーを用いて混練をした後、0.6 mmのスクリーンを装着した横押出し型の造粒機を用いて造粒し、流動層乾燥器により乾燥後、297μm〜1000μmの篩で整粒して目的物を得た。
【0052】
比較例1
含浸処理を行わない他は実施例1と同様にして顆粒状水和剤を製造した。
すなわち、ペンディメタリン原体55部、湿式法シリカ25部、モンモリロナイト9部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩6部、リグニンスルホン酸ナトリウム1部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1部、アセチレンジオール0.5部を加え均一に混合した後、エアーミルにより微粉砕した。次いで、得られた微粉砕物に質量比で約60%の水を加え、ニーダーを用いて混練をした後、0.6mmのスクリーンを装着した横押出し型の造粒機を用いて造粒し、流動層乾燥器により乾燥後、297μm〜1000μmの篩で整粒して目的物を得た。
【0053】
比較例2
モンモリロナイトの代わりにベントナイトを用いた他は実施例1と同様にして顆粒状水和剤を製造した。
すなわち、ペンディメタリン原体220部を70℃で溶融させ、溶融したペンディメタリン原体を70℃の保温下で湿式法シリカ100部に含浸させた。含浸物80部と、ベントナイト(膨潤力:16ml/2g)9部、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩6部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1 部、アセチレンジオール0.5部を加え均一に混合した後、エアーミルにより微粉砕した。次いで、得られた微粉砕物に質量比で約60%の水を加え、ニーダーを用いて混練をした後、0.6 mmのスクリーンを装着した横押出し型の造粒機を用いて造粒し、流動層乾燥器により乾燥後、297μm〜1000μmの篩で整粒して目的物を得た。
【0054】
比較例3
膨潤性粘土を用いない他は実施例1と同様にして顆粒状水和剤を製造した。
すなわち、ペンディメタリン原体220部を70℃で溶融させ、溶融したペンディメタリン原体を70℃の保温下で湿式法シリカ100部に含浸させる。含浸物80部と、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩6部、リグニンスルホン酸ナトリウム1部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム1部を加え均一に混合した後、エアーミルにより微粉砕する。ついで得られた微粉砕物に質量比で約60%の水を加え、ニーダーを用いて混練をした後、0.6mmのスクリーンを装着した横押出し型の造粒機を用いて造粒し、流動層乾燥器により乾燥後、297μm〜1000μmの篩で整粒して目的物を得た。
【0055】
以上の実施例及び比較例より得られた製剤について、水分散性、懸垂性、保存安定性、除草効果、残効性、揮散性及び魚毒性を試験した。試験手順、評価基準及び試験結果は以下の通りである。
【0056】
試験例1:水分散性試験
100mlの標準硬水(342ppmのカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの含量)で満たされた100mlシリンダーの中に100mgの試料を入れ、栓をする。投入後、1分間静置する。次いで、2秒間に1回の割合で、メスシリンダーの反転を行い、顆粒状水和剤が均一に分散するのに要する回数を測定する。水分散性はメスシリンダーの反転回数が少ないほど良好であることを意味する。測定は、顆粒状水和剤の調製直後と、40℃1ヶ月、3ヶ月保存後に実施した。試験結果を後記表1に示す。
【0057】
試験例2:懸垂性試験
250mlの標準硬水(342ppmのカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの含量)で満たされた250mlシリンダーの中に500mgの試料を入れる。このシリンダーに栓をして、固体が均一に分散するように倒立させる。均一に分散したら、静置し、15分後にシリンダーの中央部より25mlを採取する。その採取液を液体クロマトグラフィーにより分析し懸垂率を算出する。懸垂率は下記の式により求める。懸垂性は懸垂率(%)の値が高いほど(最高100)良好であることを意味する。測定は、顆粒状水和剤の調製直後と、40℃1ヶ月、3ヶ月保存後に実施した。
【0058】
【数1】
懸垂率(%)=[(A×10)/B]×100
Aは採取した検液中の農薬活性成分量を表わし、Bは試料が均一に分散した場合の理論値(最初の試料中の農薬活性成分量)を表わす。試験結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
Figure 0004932096
【0060】
上記表1から明らかな通り、本発明の顆粒状水和剤は、優れた水分散性、懸垂性、保存安定性を有する。
【0061】
試験例3:芝生地雑草に対する除草活性試験
ポットに殖壌土と適量の混合肥料を充填し、検定植物としてメヒシバ(イネ科メヒシバ属)、カヤツリグサ(カヤツリグサ科)を播種した後、軽く覆土した。実施例及び比較例で調製した顆粒状水和剤を500倍希釈した水溶液を、面積当たりの処理薬量が0.225 g/1m3となるように土壌表面に均一に処理した後、下部吸水によって検定植物を生育させ、処理後90日目、 120日目、 150日目に肉眼観察を行って除草効果を判定した。除草効果の判定は下記の判定基準に従った。肉眼観察結果を下記表2、3に示す。また比較のために、市販のペンディメタリン フロアブル(商品名:ウェイアップフロアブル、ペンディメタリン45%、BASFアグロ社製)を用いて上記と同様の処理薬量で除草効果を判定した結果も表2、3に併せて示す。
表中、除草効果の判定基準は;5…殺草率100%(完全枯死)、4.5…殺草率90〜100%、4…殺草率70〜90%、3…殺草率40〜70%、2…殺草率20〜40%、1…殺草率0〜20%、0…殺草率0%(無害)とする。実用性を考慮すると4.5 以上の評価が望ましい。
【0062】
【表2】
Figure 0004932096
【0063】
【表3】
Figure 0004932096
【0064】
試験例4:芝に対する安全性試験(コウライシバ)
口径15cmのポットにまき土と殖壌土とを等量混合したものを充填し、ポットの口径に合わせて裁断したコウライシバのマットを定植した。定植後1ヶ月目にポット内の芝が十分根を下ろしたことを確認し、茎葉部を地上1cm程度に刈り込んだ後に実施例及び比較例で調製した顆粒状水和剤を500倍希釈した水溶液を、面積当たりの処理薬量が0.45g/m3となるように土壌表面に均一に散布した。薬剤処理後30日目、90日目に各薬剤の芝の生育に対する影響を観察した。芝に対する薬害の程度を試験例3の判定基準に従い評価した。肉眼観察結果を下記表4に示す。また比較のために、市販のペンディメタリン フロアブル(商品名:ウェイアップフロアブル、ペンディメタリン45%、BASFアグロ社製)を用いて上記と同様の処理薬量で薬害の程度を判定した結果も表4に併せて示す。
【0065】
【表4】
Figure 0004932096
【0066】
表2、表3及び表4より明らかなように、コウライシバに対する薬害がなく、かつ、メヒシバ、カヤツリグサに対する効果は薬剤処理後150日目までの長期残効性を示す。つまり、除草効果を落とすことなく薬剤投下量を減少させることが可能であり、環境への負荷も減少する。
【0067】
試験例5:揮散性試験
試験方法:ろ紙をシャーレに敷き、そこに実施例1及び比較例1で調製した顆粒状水和剤を100倍希釈した水溶液を、面積当たりの処理薬量が0.225 g/1m3となるようにろ紙上に均一に滴らし、40℃恒温槽中に放置した。経時的にHPLCを用いて残存量を測定した。結果を表5に示す。
また、比較のために、市販のペンディメタリン フロアブル(商品名:ウェイアップフロアブル、ペンディメタリン45%、BASFアグロ社製)を用いて上記と同様の処理薬量で操作したときの結果も表5に併せて示す。
【0068】
【表5】
Figure 0004932096
【0069】
表5の結果は、比較的気温の高い条件下ではあるが、本発明の製剤は、比較例、市販ペンディメタリン フロアブルと比較して、揮散性が抑制されていることを示している。
【0070】
試験例6:魚毒性試験
試験水槽(600mm幅×295奥行×360mm高さ)に50Lの薬剤溶液を入れ、その中に体長約5cmのコイ10匹を入れた。薬剤溶液濃度は5〜6段階とし、半数致死濃度が求められるように予備試験結果から設定した。薬剤溶液処理48時間後に、へい死した魚体数を数えて致死率を算出し、半数致死濃度を求めた。
【0071】
【表6】
Figure 0004932096
【0072】
表6から明らかなように、本発明の製剤は、ペンディメタリン原体、市販フロアブルと比較して、魚毒性が著しく軽減されていることを示している。
【0073】
【発明の効果】
以上のように、本発明に従い、ジニトロアニリン系化合物を湿式法シリカに含浸させて、分散剤、湿潤剤、膨潤性粘土等と混合し、乾式粉砕後、加水混練し、押出し造粒し乾燥して顆粒状水和剤にすることにより、水分散性、懸垂性、保存安定性が優れているだけではなく、魚毒性が軽減され、かつ残効性が長くなり、安定した除草効果を得ることができる。この結果、除草効果を落とすことなく薬剤投下量を減少できるため、環境に対する負荷が減少する。また、押出し造粒法を採るため、粒剤の製造方法として汎用性が高く製造規模の大小に拘わらず利用できる。このため、優れた除草剤を低コストで製造できる。

Claims (12)

  1. 湿式法シリカに含浸させた下記式(1)
    Figure 0004932096
    (式中、R1は水素原子、C1〜C4の直鎖または分枝鎖のアルキル基、C3〜C4のアルケニル基、またはC3〜C4のアルキニル基を表わし、R2はC1〜C6の直鎖または分枝鎖の、塩素原子またはOCH3で置換されていてもよいアルキル基、C3〜C4のアルケニル基、またはC3〜C4のアルキニル基を表わし、R3は水素原子、CH3、またはCH2OCH3を表わし、R4はC1〜C4アルキル基、CF3または塩素原子を表わす)で示されるジニトロアニリン系除草活性成分、モンモリロナイト、分散剤及び湿潤剤を含む混合物を押出し造粒することにより得られる顆粒水和剤。
  2. ジニトロアニリン系除草活性成分20〜65質量部に対し、湿式法シリカ4〜65質量部、モンモリロナイト1〜20質量部、分散剤1〜15質量部及び湿潤剤0.1〜5質量部を含む請求項1に記載の顆粒水和剤。
  3. ジニトロアニリン系除草活性成分40〜60質量部に対し、湿式法シリカ8〜55質量部、モンモリロナイト3〜12質量部、分散剤3〜10質量部及び湿潤剤0.2〜2質量部を含む請求項2に記載の顆粒水和剤。
  4. ジニトロアニリン系除草活性成分の蒸気圧が1mPa(25℃)以上である請求項1に記載の顆粒水和剤。
  5. ジニトロアニリン系除草活性成分がペンディメタリン、トリフルラリンまたはベンフルラリンである請求項4に記載の顆粒水和剤。
  6. 湿式法シリカが含水無晶形二酸化ケイ素である請求項1に記載の顆粒水和剤。
  7. 含水無晶形二酸化ケイ素の吸油量(JIS K6220)が220〜350ml/100gである請求項6に記載の顆粒水和剤。
  8. モンモリロナイトの膨潤力が40〜100ml/2gである請求項1に記載の顆粒水和剤。
  9. 分散剤が、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩およびリグニンスルホン酸塩から選ばれる1種類以上である請求項1に記載の顆粒水和剤。
  10. 湿潤剤が、ジオクチルスルホコハク酸塩およびアセチレンジオールから選ばれる1種類以上である請求項1に記載の顆粒水和剤。
  11. ジニトロアニリン系除草活性成分1質量部に対して、湿式法シリカを0.2〜1質量部含有する請求項1乃至11のいずれかに記載の顆粒水和剤。
  12. 下記式(1)
    Figure 0004932096
    (式中、R1は水素原子、C1〜C4の直鎖または分枝鎖のアルキル基、C3〜C4のアルケニル基、またはC3〜C4のアルキニル基を表わし、R2はC1〜C6の直鎖または分枝鎖の、塩素原子またはOCH3で置換されていてもよいアルキル基、C3〜C4のアルケニル基、またはC3〜C4のアルキニル基を表わし、R3は水素原子、CH3、またはCH2OCH3を表わし、R4はC1〜C4アルキル基、CF3または塩素原子を表わす)で示されるジニトロアニリン系除草活性成分をその融点以上に加熱して湿式法シリカに含浸させ、モンモリロナイト、分散剤及び湿潤剤と混合した後、粉砕し、水を加えて混練し、混練物を押出し造粒することを特徴とする顆粒水和剤の製造方法。
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