JP4926362B2 - N−アシルホモピペラジン類の製造方法 - Google Patents
N−アシルホモピペラジン類の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒素原子に置換基を持たないホモピペラジン類をN−アシル化してN−アシルホモピペラジン類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、窒素原子に置換基を持たないホモピペラジン類をN−アシル化してN−アシルホモピペラジン類を製造する方法としては、例えば、ホモピペラジンを、塩酸などの酸存在下で無水酢酸などのアセチル化剤と反応させてN−アセチルホモピペラジンを製造する方法(例えば、特許文献1参照。)、ホモピペラジンを酪酸メチルと反応させてN−ブチリルホモピペラジンを製造する方法(例えば、特許文献2及び非特許文献1参照。)が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−106676号公報
【特許文献2】
米国特許第6313294号明細書
【非特許文献1】
ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.),63,10015(1998)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来法において特許文献1に記載の方法では、反応で副生する酢酸及び原料として使用した酸を大量のアルカリで中和しなければならず、また目的物のN−アシルホモピペラジン類を中和により生成する酢酸塩等の無機塩と分離するために抽出等の操作が必要となり、反応後の処理が煩雑である。また特許文献2に記載の方法では、原料のエステル類は工業的規模での入手が困難であったり又は入手が容易なカルボン酸から予め製造する必要があるため高価又は反応工程が長くなる等、工業的生産においては経済的に問題がある。
【0005】
本発明は、窒素原子に置換基を持たないホモピペラジン類をアシル化してN−アシルホモピペラジン類を製造する方法において、工業的入手が比較的容易で安価な原料を使用し、簡便に好収率でN−アシルホモピペラジン類を製造できる方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、工業的に入手容易な有機カルボン酸を原料とし、これを窒素原子に置換基を持たないホモピペラジン類と、反応で生成する水を除去しながら反応させると、簡便な操作、例えば、反応終了後の反応混合物を蒸留するだけで高純度のN−アシルホモピペラジン類を好収率で製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、窒素原子に置換基を持たないホモピペラジン類を有機カルボン酸と、生成する水を除去しながら反応させることを特徴とするN−アシルホモピペラジン類の製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる窒素原子に置換基を持たないホモピペラジン類としては、例えば、一般式(1):
【0009】
【化3】
(式中、R1は水素原子又はアルキル基を表す。)で示される化合物が挙げられる。一般式(1)中、R1はホモピペラジンが炭素原子に有する水素原子又は当該水素原子に置換するアルキル基である。R1で表されるアルキル基としては、直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、ヘキシル基等が挙げられる。窒素原子に置換基を持たないホモピペラジン類の具体例としては、例えば、ホモピペラジン、2−メチルホモピペラジン、5−メチルホモピペラジン、6−メチルホモピペラジン、2−エチルホモピペラジン、6−エチルホモピペラジン、6−プロピルホモピペラジン、2−イソブチルホモピペラジン、6−ヘキシルホモピペラジン等が挙げられる。
【0010】
また有機カルボン酸としては、例えば一般式(2):
R2−COOH (2)
(式中、R2はアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。)で示される化合物が挙げられる。一般式(1)中のR2で表されるアルキル基としては、直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜8のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられ、またアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。有機カルボン酸の具体例としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、トルイル酸、ナフトエ酸、フェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸等が挙げられる。好ましい有機カルボン酸は一般式(2)中のR2がアルキル基である脂肪族カルボン酸である。
【0011】
そして本発明によれば、反応に使用する窒素原子に置換基を持たないホモピペラジン類及び有機カルボン酸に対応するN−アシルホモピペラジン類が製造できる。例えば、反応に使用する窒素原子に置換基を持たないホモピペラジン類及び有機カルボン酸としてそれぞれ上記一般式(1)で示される化合物及び上記一般式(2)で示される化合物を使用したときには、一般式(3):
【0012】
【化4】
(式中、R1及びR2は上記と同じ。)で示される化合物が製造できる。その具体例としては、例えば、N−アセチルホモピペラジン、N−プロピオニルホモピペラジン、N−ブチリルホモピペラジン等が挙げられる。
【0013】
反応における窒素原子に置換基を持たないホモピペラジン類と有機カルボン酸の使用割合は、有機カルボン酸1モルに対してホモピペラジン類が0.80〜2.00モル、好ましくは1.30〜1.50モルである。
【0014】
溶媒の使用は特に必要でないが、本発明の効果を阻害しない限り、有機溶媒を用いることもできる。当該有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等を挙げることができる。溶媒の使用量は、有機カルボン酸1重量部に対して通常0〜5重量部、好ましくは0〜1重量部である。
【0015】
本発明においては、生成する水を除去しながら反応させることが、目的物であるN−アシルホモピペラジン類を収率良く製造する上で重要である。水の除去は、反応により生成する水を留出させて反応系外に除去するのが簡便であり好ましい方法であるが、当該方法に限定されない。
【0016】
本発明の反応は、例えば、次のようにして実施することができる。窒素原子に置換基を持たないホモピペラジン類に、攪拌下、通常10〜110℃、好ましくは60〜100℃で有機カルボン酸を添加する。その後、通常110〜200℃、好ましくは160〜180℃に保持して生成する水を反応系外に留去しながら反応させればよい。またキシレン等の水と共沸組成を形成する溶媒を反応系に共存させて、生成する水を当該溶媒と共沸させて留出除去してもよい。反応圧は減圧、常圧及び加圧のいずれでもよく、常圧で反応させるのが簡便である。
【0017】
反応終了後、例えば、得られた反応混合物を蒸留するだけで高純度のN−アシルホモピペラジン類を得ることができる。
【0018】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において「%」は、特記する以外はモル%である。
【0019】
実施例1
ホモピペラジン296.5g(2.93モル)を、温度計及び滴下ロートを備えたガラス製4つ口フラスコに仕込み、その中に液温100℃で酢酸123.2g(2.05モル)を滴下し、反応で生成する水を留出させて除去しながら160〜177℃で2時間40分反応させ、次いでキシレン76.9gを176〜179℃で1時間40分で滴下した後、共沸脱水を176〜181℃で1時間20分行って反応させた。反応終了後の反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところN−アセチルホモピペラジンの収率は80.7%であった。得られた反応液を蒸留して純度99.7%のN−アセチルホモピペラジン213.1g(収率73.1%)を得た。
【0020】
実施例2
ホモピペラジン278.8g(2.76モル)及びキシレン41.8gを、温度計、滴下ロート及びディーンスターク管を備えたガラス製4つ口フラスコに仕込み、その中に液温100℃で酢酸115.8g(2.05モル)を滴下し、反応で生成する水をディーンスターク管から除去しながら139〜179℃で6時間10分反応させた。なお、キシレンはディーンスターク管より反応系内に戻した。反応終了後の反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところN−アセチルホモピペラジンの収率は79.7%であった。得られた反応液を蒸留して純度99.0%のN−アセチルホモピペラジン200.3g(収率73.0%)を得た。
【0021】
実施例3
ホモピペラジン2500g(24.96モル)を、温度計及び滴下ロートを備えたガラス製4つ口フラスコに仕込み、その中に液温60℃で酪酸1520g(17.25モル)を滴下し、反応で生成する水を留出させて除去しながら160〜165℃で3時間反応を行った。反応終了後の反応液をガスクロマトグラフィーにて分析したところN−ブチリルホモピペラジンの収率は78.4%であった。反応液を蒸留して純度99.5%のN−ブチリルホモピペラジン1960g(収率66.7%)を得た。
Claims (4)
- ホモピペラジン類がホモピペラジンであり、有機カルボン酸が酢酸であり、並びにN−アシルホモピペラジン類がN−アセチルホモピペラジンである請求項1記載の方法。
- ホモピペラジン類がホモピペラジンであり、有機カルボン酸が酪酸であり、並びにN−アシルホモピペラジン類が、N−ブチリルホモピペラジンである請求項1記載の方法。
- 110〜200℃で反応させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
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