JP4925649B2 - 摺動部材用フェノール樹脂成形材料及びこれを用いた樹脂製摺動部品 - Google Patents

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Description

本発明は、摺動性、耐熱性、寸法精度を損なうことなく、耐疲労性に優れた各種摺動部品に好適な、信頼性の高い摺動部材用フェノール樹脂成形材料及びその成形材料により成形されたフェノール樹脂製摺動部品に関するものである。
フェノール樹脂成形材料は耐熱性、寸法精度及びコストのバランスに優れた材料として各種の分野において幅広く用いられている。しかしながら、摺動分野においてはフェノール樹脂の耐熱性は重要視されているものの、摩擦係数低減化のために、黒鉛、フッ素樹脂粉末などの摺動性付与材を多量に添加する必要がある。しかし、そうすることによって、摺動による繰り返し疲労性が低下し、信頼性が落ちるという問題が生じていた。そこで、摺動性と耐疲労性の両特性の優れた摺動部材用樹脂成形材料が求められている。
従来、導電性摺動材組成物として、オレフィンの単独重合または共重合によって得られる合成樹脂を基材として、ニッケル粉またはニッケル被覆材と、炭素繊維との容量比を特定の範囲に選定して、摩擦係数が小さく、耐摩耗性が優れ、同時に体積抵抗率が小さいことを目的としたものが知られていた(特許文献1)。しかしながら、この組成物では、耐熱性に欠けており、また、耐疲労性が劣っていた。
また、電気部品、機械部品等に好適な優れた耐熱性を有し、かつ成形性を改善した熱可塑性樹脂組成物を得ることを目的として、熱可塑性樹脂を基材として、酸化不融化処理したポリフェニレンサルファイド樹脂粉末を配合したものが知られている(特許文献2)。この文献においては、樹脂成分として、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルサルフォン、ポリアセタールおよびポリカーボネートが記載されており、また、成形品外観をさして要求され用途分野に対しては、ガラス繊維や炭素繊維の併用ができることも記載されている。しかしながら、この樹脂組成物では、炭素繊維は高弾性繊維であるため、疲労性の向上効果は小さく、また相手金属への攻撃性も上がるなど、特に高速、高面圧条件下での摺動性においては不十分であり、摺動性、耐熱性および耐疲労性において優れるという、バランスの取れた摺動性部材用の樹脂組成物を得ることはできなかった。
さらに、高荷重、高速領域の摺動に際して、相手材を傷つけることなく、摩擦係数が小さく、優れた摺動特定を有し、かつ材料物性に優れた潤滑性樹脂組成物として、樹脂を基材として、特定の寸法の炭素繊維および固体潤滑剤を配合したものが知られている(特許文献3)。この文献には、樹脂は格別限定されるものではないことが記載され、多くの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂が列挙されており、また、その一例示として、フェノール樹脂が挙げられている。しかしながら、この樹脂組成物では、摺動性、耐熱性および耐疲労性において優れるという、バランスの取れた摺動性部材用の樹脂組成物を得ることはできなかった。
特開昭61−168645号公報 特開昭63−275667号 特開平3−275764号
本発明は、以上のような従来技術の有する問題を鑑みてなされたものであり、高速、高面圧下においても摺動性が良好であり、耐疲労性を向上させると共に、耐熱性に優れたフェノール樹脂成形材料を提供し、また、その成形材料により得られる摺動部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を克服するため鋭意研究した結果、レゾール型フェノール樹脂に、摺動性付与材として、特定の黒鉛と、特定の有機補強繊維を配合することによって、目的とする成形材料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、まず、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂に大別されるフェノール樹脂の内、レゾール型フェノール樹脂を用いることを特徴とする。具体的な構成として、本発明は、レゾール型フェノール樹脂、摺動性付与材及び有機補強繊維を含む摺動部材用フェノール樹脂成形材料に関し、前記摺動性付与材として、カップリング処理を施した黒鉛と、前記有機補強繊維として、耐熱温度が200℃以上である有機補強繊維とを必須の構成成分として含有することを特徴とする。
本発明の他のフェノール樹脂成形材料は、レゾール型フェノール樹脂、摺動性付与材及び有機補強繊維を含む摺動部材用フェノール樹脂成形材料であって、前記摺動性付与材として、カップリング処理を施した黒鉛と、前記有機補強繊維としてアラミド繊維及び/又はポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とを必須の構成成分として含有することを特徴とする。
さらに、本発明は、前記摺動性付与材が、更に、フッ素樹脂粉末及び/又は二硫化モリブデンを含有することを特徴とする摺動部材用フェノール樹脂成形材料をも、その要旨とするものである。
また、本発明に従う摺動部材用フェノール樹脂成形材料の好ましい態様の一つによれば、前記レゾール型フェノール樹脂が、ベンジリックエーテル型であり、さらに好ましい態様は、前記レゾール型フェノール樹脂が、フェノール核結合官能基として、メチレン基、メチロール基及びジメチレンエーテル基を有し、かつ、それらの結合官能基の合計モル数を基礎として、前記メチロール基が10〜20モル%の割合において存在するとともに、前記ジメチレンエーテル基が40〜60モル%の割合において存在するものであることを特徴とする。
さらに、本発明に従う摺動部材用フェノール樹脂成形材料の他の好ましい態様の一つは、フェノール樹脂100質量部に対し、摺動性付与材が80〜250質量部、有機補強繊維が10〜120質量部の割合で配合されていることを特徴とする。
加えて、本発明は、上記の各摺動部材用フェノール樹脂成形材料を、成形して得た樹脂製摺動部品に関するものである。
本発明の摺動部材用フェノール樹脂成形材料は、摺動性、耐熱性および耐疲労性に優れている。したがって、この成形材料から得られる摺動部品は、高速・高面圧の用途においても使用が可能となり、従来、信頼性において樹脂化が不可能であった油潤滑を前提にした金属部品の樹脂化にも好適に使用され、オイルレス化が可能となる。
本発明において用いられるフェノール樹脂は、摺動時の急激な温度上昇に対し、ガス化成分の少ないレゾール型フェノール樹脂が好適であり、なかでも靭性があり、疲労特性に対し効果の高いベンジリックエーテル型が好ましく、フェノール核結合官能基としてメチレン基、メチロール基、ジメチレンエーテル基を有し、かつ、これらのフェノール核結合官能基の合計モル数を基礎として、メチロール基が10〜20%、ジメチレンエーテル基が40〜60モル%の割合で存在するものが好ましい。また、これらの官能基のモル%は、NMRによるフェノール核結合官能基の比率によって求められる。
ここで、レゾール型フェノール樹脂、特にベンジリック型フェノール樹脂自体は、よく知られたものであるが、その概要について、以下に説明する。
レゾール型フェノール樹脂は、フェノールとホルムアルデヒドをアルカリ性触媒で反応させることにより得られる。ベンジリック型フェノール樹脂は、このレゾール型フェノール樹脂の一種であり、フェノール核結合官能基として、メチレン基、メチロール基およびジメチレンエーテル基を分子内に有するものである。ここで、ベンジリックエーテル型フェノール樹脂は、例えば酢酸亜鉛、酢酸鉛、ホウ酸亜鉛、塩化亜鉛等の酸性2価金属塩触媒の存在下に、フェノール類とアルデヒド類とをフェノール類1モルに対してアルデヒド類0.5〜3.0モル、好ましくは0.8〜1.8モル、より好ましくは0.8〜1.5モルの割合で反応させることによって調製される。そして、前述した本発明の主たる目的を経済的かつ効果的に達成するには、前記ベンジリックエーテル型フェノール樹脂の調製において、得られる樹脂の含水量を1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下に調整することが望ましい。更にはかかる含水量の調整と併せて、メチロール基とイソシアネート基との反応による二酸化炭素の発生を抑制すべく、フェノール核1個当たりのメチロール基の付加比率を0.5以下、好ましくは0.3以下に調整することがより望ましい。ここでいうフェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、ノニルフェノール、P−t−ブチルフェノール 、レゾルシノール、カテコール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びフェノール、クレゾール、レゾルシノール、ビスフェノールA等の製造時に副生する精製残渣などがある。一方アルデヒド類としては、例えばホルマリン、パラホルムアルデヒド、アセタール、グリオキザール、ベンズアルデヒド及びフルフラールなどがある。また、好適な有機溶剤としては、例えばマロン酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、エチルセロソルブアセテート、エチレンジアセテート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びγ−ブチロラクトンなどがある。なお、これらのフェノール類、アルデヒド類及び有機溶剤はいずれも上記例示物に限定されるものではなく、又それぞれは単独で用いてもよいし2種以上を組み合せて用いてもよい。
本発明で使用される摺動性付与材としては、必須の構成成分として、カップリング処理を施した黒鉛が用いられる。本発明において、カップリング処理は、使用する前の黒鉛に、予めカップリング剤を均一に混合することを示す。このカップリング処理を施すことによって、黒鉛と樹脂との接着性を向上させることにより、耐摩耗性及び機械的強度の向上を図ることができるようになる。処理するカップリング剤は、特に限定されるものではないが、シラン系、チタネート系等が挙げられ、シラン系のカップリング剤がフェノール樹脂との密着性の点で好ましい。また、カップリング剤の配合量としては、黒鉛100質量部に対して、0.5〜5.0質量部が好ましい。
本発明で使用する黒鉛として、天然の黒鉛および人工の黒鉛のいずれでも利用できる。天然の黒鉛は、結晶化度の違いから、真の黒鉛の結晶化度に一番近いリン片状黒鉛と、次いで結晶化度の高いリン状黒鉛、及び土状の黒鉛に類別されるが、いずれの黒鉛でも使用できる。この黒鉛粒子の平均粒子径は1〜150μmの範囲が好ましく、更に好ましくは5〜50μmである。
本発明で、カップリング処理を施した黒鉛と、必要に応じて併用される摺動性付与材としては、特に限定されるものではなく、摺動性を付与しうる公知の各種が用いられるが、本発明の他の構成との組合せにおいて、特にフッ素樹脂及び/又は二硫化モリブデンが、所期の摺動性と共に対疲労性などの諸特性を改善するのに好ましい。これらは、単独で用いることも2種を組み合わせて用いることもできる。なお、これらを併用する場合は、カップリング処理を施した黒鉛の性能を妨げないために、カップリング処理した黒鉛を、摺動性付与材全体の70質量%以上配合することが好ましい。
本発明において用いられる有機補強繊維は、摺動時に発生する発熱を考慮し、また高温時の強度低下を抑えるべく、耐熱温度が200℃以上であるアラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維が好ましい。これらは、単独で用いることも2種を組み合わせて用いることもできる。
また、かかる摺動性付与材、有機補強繊維の配合量は、一般的に、フェノール樹脂100質量部に対し、80〜250質量部、有機補強繊維が10〜120質量部の割合で配合されることが好ましい。なお、これらの配合量は、成形品の用途等の目的に沿って、当業者の設計事項として決定され得るものであり、摺動性を重視するならば摺動性付与材を多く配合し、耐疲労性を重視するならば有機補強繊維を多く配合する必要がある。具体的には、有機補強繊維を、フェノール樹脂と摺動性付与材との合計量に対して、摺動性を重視する場合は5〜30質量%、耐疲労性を重視する場合は40〜70質量%配合することが好ましい。
本発明のフェノール樹脂成形材料には、所望により従来フェノール樹脂成形材料において慣用されている各種添加剤、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの離型剤、酸化マグネシウムなどの硬化促進剤、顔料、カップリング剤、溶剤などを配合することができる。
本発明の熱硬化性樹脂成形材料の製造方法は、特に限定されないが、加圧ニーダー、ミキシングロール、二軸押出機等で加熱溶融混練した混練物をシート状にし、ペレタイザー、パワーミル等を用いてペレットもしくは粉砕して製造される。また、こうして得られた成形材料は、射出成形、移送成形及び圧縮成形等のいずれにも適用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例に記載の「部」及び「%」は特に断らない限り「質量部」及び「質量%」を示す。
<実施例1>
表1に示すように、ベンジリックエーテル型フェノール樹脂(表中BEと記す)100部、シラン系カップリング剤で処理した黒鉛200部、アラミド繊維30部、硬化促進剤及び離型剤等の添加剤15部を配合し均一混合した。その後、ミキシングロールにて均一に加熱混練して、シート状にし、ペレタイザーにて4mm角のペレット化を行い、成形材料を得た。
得られた成形材料を以下の条件で射出成形を行い、下記の試験片を得た。
シリンダー温度:前部85℃、後部40℃
金型温度:175℃
硬化時間:60秒
得られた試験片を用いて、摩擦摩耗試験、引張り強さ、引張り疲労限界強さ、荷重たわみ温度について評価を行った。その結果を表1に示す。なお各種特性評価については下記に基づいて実施した。
(1)摩擦摩耗試験
スラスト式摩擦摩耗試験機(東測精密工業製、AFT−6−A)を用いて、下記条件にて試験を行い動摩擦係数、並びに各試験片及び摩擦相手金属の摩耗量を測定した。
荷重:0.98MPa
速度:0.5m/sec
試験環境:常温、無潤滑
摩擦相手方金属材:S−45C
(2)引張り強さ
JISK7113規格に準じて、引張り強さを測定した。
(3)引張り疲労限界強さ
疲労試験機(島津製作所製、4880型)を用いて、下記条件にて測定を行い、1×10サイクル以上の試験回数となる最大の荷重を限界強さとする。
周波数:20Hz
繰返し波形:正弦波
試験温度:25℃
チャック間距離:40mm
引張り疲労限界保持率:(引張り疲労限界強さ/引張り強さ)つまり、引張り強さに対して、1000万回荷重を加えても、破断しない最大荷重の比率。
(4)荷重たわみ温度(熱変形温度)
JISK7191に準じて、荷重たわみ温度を測定した。
<実施例2>
摺動性付与材として、更に、フッ素樹脂粉末を50部配合した以外は、実施例1と同様にして、成形材料を製造し評価した。
<実施例3及び4>
表1に示すように、実施例3においては、ベンジリックエーテル型フェノール樹脂の代わりに、アンモニアレゾール型フェノール樹脂を用い、又実施例4においては、アラミド繊維の代わりにポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(表中PBO繊維と記す)を用いた以外は実施例1と同様にして、成形材料を製造し評価した。
<実施例5>
配合割合を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にして、成形材料を製造し評価した。なお、実施例1〜4は、摺動性を重視した配合(具体的には、アラミド繊維などの、耐熱温度が200℃以上の有機補強繊維配合量を少なめにして、カップリング処理した黒鉛配合量を多くした。)であり、実施例5は耐疲労性を重視した配合(具体的には、アラミド繊維含有量を多めにして、カップリング処理した黒鉛配合量を少なめにした。)である。
<比較例1〜3>
ベンジリックエーテル型フェノール樹脂、シラン系カップリング剤で処理した黒鉛、アラミド繊維を、表2に示すように、ノボラック型フェノール樹脂、未処理の黒鉛、綿繊維に変更した以外は実施例1と同様にして、成形材料を製造し評価した。
<比較例4>
アラミド繊維を、表2に示すように、炭素繊維に変更した以外は実施例5と同様にして、成形材料を製造し評価した。
なお、本発明者は、摺動性を重視した場合の目標基準として、動摩擦係数:0.2以下、自己摩耗量:15.0mg以下、金属磨耗量1.0mg以下、引張り強さ55MPa以上、引張り疲労限界強さ30Mpa以上であり、かつ引張り疲労限界保持率50%以上、熱変形温度200℃以上を設定し、耐疲労性を重視した場合の目標基準として、動摩擦係数:0.27以下、自己摩耗量:20.0mg以下、金属磨耗量1.5mg以下、引張り強さ:90MPa以上、引張り疲労限界強さ50Mpa以上であり、かつ引張り疲労限界保持率50%以上、熱変形温度200℃以上を設定した。
Figure 0004925649
Figure 0004925649
表1から明らかなように、摺動性を重視した設計の実施例1〜4のいずれもが、摺動性、耐熱性を損なうことなく、耐疲労性が向上した特性を示した。これに対して、従来の設計で摺動性を重視した比較例1〜3については、耐疲労性の向上効果が認められなかった。
また、耐疲労性を重視した設計の実施例5は、摺動性は若干劣るものの、優れた耐疲労性を示した。これに対して、従来の設計で摺動性を重視した比較例4については、耐疲労性の値が実施例5と比較して見劣りする結果になったばかりでなく、炭素繊維に起因する軽視できない金属摩耗量の値を示し、相手金属に対する攻撃性が懸念される結果となった。
以上説明したように、本発明によれば、従来の摺動部材用フェノール樹脂成形材料に比べ、耐熱性、摺動性を損なうことなく耐疲労性の向上が図られ、摺動時における摩耗形態の中で重要な因子である疲労摩耗の要素を低減することができ、メンテナンスフリー化を可能とし、また、自動車分野においては信頼性の点で油潤滑下のもと金属を使用していた各種摺動部品において樹脂化が可能となり、オイルレス化が促進され、環境面においても好適である。

Claims (5)

  1. レゾール型フェノール樹脂、摺動性付与材及び有機補強繊維を含む摺動部材用フェノール樹脂成形材料であって、前記摺動性付与材として、カップリング処理を施した黒鉛と、前記有機補強繊維として、アラミド繊維及び/又はポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維とを、必須の構成成分として含有することを特徴とする摺動部材用フェノール樹脂成形材料であって、前記摺動性付与材が、更に、フッ素樹脂粉末を含有することを特徴とする摺動部材用フェノール樹脂成形材料
  2. 前記レゾール型フェノール樹脂が、ベンジリックエーテル型であることを特徴とする請求項1に記載の摺動部材用フェノール樹脂成形材料。
  3. 前記レゾール型フェノール樹脂が、フェノール核結合官能基として、メチレン基、メチロール基及びジメチレンエーテル基を有し、かつ、これらのフェノール核結合官能基の合計モル数を基礎として、前記メチロール基が10〜20モル%の割合において存在するとともに、前記ジメチレンエーテル基が40〜60モル%の割合において存在するものであることを特徴とする請求項に記載の摺動部材用フェノール樹脂成形材料。
  4. フェノール樹脂100質量部に対し、摺動性付与材が80〜250質量部、有機補強繊維が10〜120質量部の割合で配合されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の摺動部材用フェノール樹脂成形材料。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の摺動部材用フェノール樹脂成形材料を、成形して得たフェノール樹脂製摺動部品。
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