JP4924229B2 - 内燃機関のegrシステム - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のEGRシステムに関する。
内燃機関からのNOxの排出量を低減する技術として、排気の一部を吸気系に戻し内燃機関に再度吸入させるEGRシステムが知られている。また、ターボチャージャを備えた内燃機関において、ターボチャージャのタービンより上流の排気通路とターボチャージャのコンプレッサより下流の吸気通路とを接続するHPL通路を介して排気の一部を内燃機関に戻すHPLEGR手段と、タービンより下流の排気通路とコンプレッサより上流の吸気通路とを接続するLPL通路を介して排気の一部を内燃機関に戻すLPLEGR手段と、を併設し、内燃機関の運転状態に応じてHPLEGR手段とLPLEGR手段とを併用又は切り替えてEGRを行うEGRシステムも開発されている(例えば特許文献1を参照)。なお、HPLはHigh Pressure Loopを表し、LPLはLow Pressure Loopを表す。HPL通路を流れるEGRガスの圧力は比較的高く、LPL通路を流れるEGRガスの圧力は比較的低いことから、このような名称が用いられる。
特開2002−21625号公報 特開2000−130218号公報 特開2005−146919号公報 特開2004−44484号公報
このようなEGRシステムとしては、例えば、内燃機関の運転状態が低負荷の時には主にHPLEGR手段によってEGRを行い、高負荷になるほどHPLEGR手段によって内燃機関に戻される排気(HPLEGRガス)の量を減少させるとともにLPLEGR手段によって内燃機関に戻される排気(LPLEGRガス)の量を増加させEGRを行い、内燃機関の運転状態が高負荷の時には主にLPLEGR手段によってEGRを行うようにしたEGR制御を実行するEGRシステムが考えられる。
ところで、HPLEGRガスとLPLEGRガスとではその温度特性が異なる。HPL通路は内燃機関本体近傍に設けられ、その経路長が比較的短いため、HPLEGRガスはHPL通路を経て内燃機関に戻るまでの流通過程で比較的冷却されにくい。そのため、HPLEGRガスの温度は比較的高温になる傾向がある。これに対して、LPL通路はその経路長が比較的長く、さらにLPLEGRガスの流通経路上にはインタークーラが配置されているため、LPLEGRガスはLPL通路を経て内燃機関に戻るまでの流通過程で比較的冷却され易い。そのため、LPLEGRガスの温度は比較的低温になる傾向がある。
上記のようなEGR制御を行うEGRシステムにおいて、内燃機関がある運転状態から該運転状態と比較してHPLEGRガス量及び/又はLPLEGRガス量の目標値が異なる別の運転状態に移行する過渡時に、このようなHPLEGRガスとLPLEGRガスとの温度特性の相違に起因して、実際の吸気温度が目標吸気温度からずれる場合がある。なお、ここでいう吸気温度とは、内燃機関の気筒に吸入される吸気の温度を意味するものとする。吸気マニホールドにおける吸気温度としても良い。以下の説明においても特別の記載のない限り同様とする。
例えば、内燃機関の運転状態が高負荷から低負荷へ移行する過渡時は、運転状態が移行
する直前まで低温のLPLEGRガスが吸気系を流通しているため、吸気系機関部材は低温の状態になっている。更に、運転状態が低負荷に移行した直後からの一定期間は、直前まで吸気系に導入されて未だに内燃機関に吸入されていない低温の残留LPLEGRガスが内燃機関に吸入されることになる。これらの要因により、運転状態が低負荷に移行して高温のHPLEGRガスが吸気系に流入し初めても、吸気温度は即座には上昇しにくい。そのため、実際の吸気温度が目標吸気温度より低い状態が生じる場合がある。吸気温度が目標吸気温度より低い場合、筒内温度が想定よりも低くなるため、着火遅れや失火等の燃焼不安定を招いたりHCの排出量が増加したりする虞がある。なお、ここでいう筒内温度とは、内燃機関の筒内のガスの平均的な温度を意味するものとする。
一方、内燃機関の運転状態が低負荷から高負荷へ移行する過渡時は、運転状態が移行する直前まで高温のHPLEGRガスが吸気系を流通しているため、吸気系機関部材は高温の状態になっている。更に、運転状態が高負荷に移行した直後からの一定期間は、直前まで吸気系に導入されて未だに内燃機関に吸入されていない高温の残留HPLEGRガスが内燃機関に吸入されることになる。これらの要因により、運転状態が高負荷に移行して低温のLPLEGRガスが吸気系に流入し初めても、吸気温度は即座には低下しにくい。そのため、実際の吸気温度が目標吸気温度より高い状態が生じる場合がある。吸気温度が目標吸気温度より高い場合、筒内温度が想定よりも高くなるため、スモークやNOxの発生量が増加する虞がある。
本発明はこのような問題点に鑑みて考案されたものであり、内燃機関の運転状態に応じてHPLEGR手段及びLPLEGR手段を併用又は切り替えてEGRを行うEGRシステムにおいて、内燃機関の運転状態が変化する過渡状態における燃焼の不安定化、HC排出量の増加、スモークやNOxの発生量の増加等の不具合を抑制する技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の内燃機関のEGRシステムは、
内燃機関の排気通路に設けられたタービンと吸気通路に設けられたコンプレッサとを有するターボチャージャと、
前記タービンより上流の排気通路と前記コンプレッサより下流の吸気通路とを接続するHPL通路を介して排気の一部を内燃機関の燃焼室に戻すHPLEGR手段と、
前記タービンより下流の排気通路と前記コンプレッサより上流の吸気通路とを接続するLPL通路を介して排気の一部を内燃機関の燃焼室に戻すLPLEGR手段と、
前記内燃機関の運転状態に応じて前記HPLEGR手段及び前記LPLEGR手段を併用又は切り替えてEGRを行うEGR制御手段と、
を備えたEGRシステムであって、特に以下の特徴点を有する。
すなわち、前記EGR制御手段は、前記内燃機関の運転状態が高負荷になるほど前記LPLEGR手段によって前記燃焼室に戻される排気の量を多くするとともに、前記内燃機関の運転状態が低負荷になるほど前記HPLEGR手段によって前記燃焼室に戻される排気の量を多くする。
例えば、内燃機関の運転状態が低負荷の時にはHPLEGR手段のみを用いて、或いは、HPLEGR手段とLPLEGR手段とを併用するが主にHPLEGR手段を用いてEGRが行われる。また、内燃機関の運転状態が高負荷側になるに従って全EGRガスのうちHPLEGRガスの割合が小さくされるとともにLPLEGRガスの割合が大きくされる。つまり、HPLEGR手段とLPLEGR手段とを同程度に併用してEGRが行われる。内燃機関の運転状態が更に高負荷になるとLPLEGR手段のみを用いて、或いは、HPLEGR手段とLPLEGR手段とを併用するが主にLPLEGR手段を用いてEG
Rが行われる。更に高負荷側においてEGRが停止される運転領域が設定されても良い。
このようなEGR制御が行われるEGRシステムにおいては、上述したように、内燃機関の運転状態がある運転状態から当該運転状態と比較してHPLEGRガス量及びLPLEGRガス量の少なくとも一方の制御量が異なる別の運転状態に移行する過渡状態、換言すれば、内燃機関の運転状態がある運転状態から当該運転状態より高負荷側又は低負荷側の運転状態に移行する過渡状態において、HPLEGRガスとLPLEGRガスとの温度特性の相違に起因して吸気温度の変化に遅れが生じ、実際の吸気温度が移行後の運転状態に対応する目標吸気温度からずれる可能性がある。
例えば、本発明のEGRシステムでは、内燃機関の運転状態がある運転状態から該運転状態より低負荷側の運転状態に移行する過渡状態、すなわち減速過渡時において、EGR制御手段の制御によりLPLEGRガス量が減少させられるとともにHPLEGRガス量が増加させられる。この時、運転状態が移行する直前まで流入していたLPLEGRガスの影響で吸気系が低温になっているため、低温のLPLEGRガスが減量され、高温のHPLEGRガスが増量されても、即座には吸気温度が上昇しにくい。
これに対し、本発明のEGRシステムは、減速過渡時において前記内燃機関の筒内温度を上昇させる筒内温度上昇手段を備えている。これにより、減速過渡時に筒内温度が想定より過剰に低くなることが抑制されるので、燃焼室における燃料の燃焼が安定化し、着火遅れや失火等の燃焼不良を抑制することができるとともに、未燃燃料の発生が抑制され、HCの排出量の増加を抑制することができる。
一方、本発明のEGRシステムでは、内燃機関の運転状態がある運転状態から該運転状態より高負荷側の運転状態に移行する過渡状態、すなわち加速過渡時において、EGR制御手段の制御によりHPLEGRガス量が減少させられるとともにLPLEGRガス量が増加させられる。この時、運転状態が移行する直前まで流入していたHPLEGRガスの影響で吸気系が高温になっているため、高温のHPLEGRガスが減量され、低温のLPLEGRガスが減量されても、即座には吸気温度が低下しにくい。
これに対し、本発明のEGRシステムは、加速過渡時において前記内燃機関の筒内温度を低下させる筒内温度低下手段を備えている。これにより、加速過渡時に筒内温度が想定より過剰に高くなることが抑制されるので、燃焼室における燃焼温度が過剰に高くなることが抑制され、スモークやNOxの発生量の増加を抑制することができる。
なお、内燃機関の運転状態に応じてHPLEGR手段とLPLEGR手段とを併用又は切り替えるEGR制御については、全EGRガス量のうちのHPLEGRガス量とLPLEGRガス量との比率を運転状態に応じて連続的又は段階的に変化させる制御であっても良い。また、EGRが行われる内燃機関の運転状態の領域を、HPLEGR手段のみを用いてEGRを行う運転領域(HPLEGR領域)と、HPLEGR手段及びLPLEGR手段を併用してEGRを行う運転領域(MIXEGR領域)と、LPLEGR手段のみを用いてEGRを行う運転領域(LPLEGR領域)と、に分割し、内燃機関の運転状態の属するEGR領域に応じてHPLEGR手段とLPLEGR手段とを切り替える制御であっても良い。
この場合、内燃機関の過渡状態における筒内温度制御としては、例えば、内燃機関の運転状態がLPLEGR領域からMIXEGR領域又はHPLEGR領域に移行する過渡状態において筒内温度上昇手段により筒内温度を上昇させるとともに、内燃機関の運転状態がHPLEGR領域からMIXEGR領域又はLPLEGR領域に移行する過渡状態において筒内温度低下手段により筒内温度を低下させる制御を行うことができる。
これにより、実際の吸気温度が運転状態に対応する目標吸気温度と比較して低くなり易い、LPLEGR領域からMIXEGR領域又はHPLEGR領域への移行時において、失火等の燃焼不良を抑制できる。更に、実際の吸気温度が運転状態に対応する目標吸気温度と比較して高くなり易い、HPLEGR領域からMIXEGR領域又はLPLEGR領域への移行時において、スモークやNOxの発生量の増加を抑制できる。
本発明おいて、筒内温度上昇手段又は筒内温度低下手段として種々の手段を採用し得る。
例えば、筒内温度上昇手段としては、燃焼室内における燃料の燃焼温度を上昇させる手段を採用できる。具体的には、燃料噴射時期を進角させる手段、パイロット噴射量を増加させる手段、有効圧縮比を高くする手段(例えば吸気バルブの閉弁時期を進角させる、可変圧縮比機構により機械圧縮比を高くする等)、内部EGR量を増加させる手段(例えば、排気バルブの閉弁時期を進角させる、排気バルブの閉弁時期を遅角させる、バルブオーバーラップ量を増加させる、マイナスオーバーラップ量を増加させる、排気絞り弁を絞る、VNターボシステムにおけるノズルベーンの開度を絞る等)、吸気バルブの開弁時期を遅角させる手段、等を採用し得る。
また、筒内温度上昇手段としては、内燃機関の筒内に吸入される吸気の温度である吸気温度を上昇させる手段を採用することもできる。ここでいう吸気温度とは、例えば吸気マニホールドにおける吸気の温度である。具体的には、HPL通路にHPLEGRクーラをバイパスするバイパス通路を有する構成において当該HPLEGRクーラのバイパス通路を流れるEGRガスの量を増加させる手段、LPL通路にLPLEGRクーラをバイパスするバイパス通路を有する構成において当該LPLEGRクーラのバイパス通路を流れるEGRガスの量を増加させる手段、吸気通路にインタークーラをバイパスするバイパス通路を有する構成において当該インタークーラのバイパス通路を流れる吸気の量を増加させる手段、全EGRガス中のHPLEGRガスの比率を高くする手段、等を採用し得る。
筒内温度低下手段としては、燃焼室内における燃料の燃焼温度を低下させる手段を採用できる。具体的には、燃料噴射時期を遅角させる手段、パイロット噴射量を減少させる手段、有効圧縮比を低くする手段(例えば吸気バルブの閉弁時期を遅角させる、可変圧縮比機構により機械圧縮比を低くする等)、内部EGR量を減少させる手段(例えば、バルブオーバーラップ量を減少させる、排気絞り弁を開き側にする、VNターボシステムにおけるノズルベーンの開度を開き側にする等)、等を採用し得る。
また、筒内温度低下手段としては、内燃機関の筒内に吸入される吸気の温度である吸気温度を低下させる手段を採用することもできる。具体的には、HPL通路にHPLEGRクーラをバイパスするバイパス通路を有する構成において当該HPLEGRクーラのバイパス通路を流れるEGRガスの量を減少させる手段、LPL通路にLPLEGRクーラをバイパスするバイパス通路を有する構成において当該LPLEGRクーラのバイパス通路を流れるEGRガスの量を減少させる手段、吸気通路にインタークーラをバイパスするバイパス通路を有する構成において当該インタークーラのバイパス通路を流れる吸気の量を減少させる手段、全EGRガス中のHPLEGRガスの比率を低くする手段、等を採用し得る。
以上説明したように、本発明では、内燃機関の運転状態がある運転状態から当該運転状態より低負荷側又は高負荷側の運転状態に移行する過渡状態等において、吸気温度が目標吸気温度より低くなり易い減速過渡状態では筒内温度を上昇させる制御が行われ、吸気温度が目標吸気温度より高くなり易い加速過渡状態では筒内温度を低下させる制御が行われ
る。
ここで、後者の場合に、筒内温度を低下させる制御を実行することによって筒内温度が低下し過ぎ、かえって失火等の燃焼不良を招いてしまうことを抑制するために、筒内温度上昇手段により筒内温度を上昇させる制御を実行する場合と比較して、筒内温度低下手段により筒内温度を低下させる制御を実行する場合の制御量(制御ゲイン)を小さくしても良い。
詳細には、ある減速過渡時において前記筒内温度上昇手段によって前記筒内温度を上昇させる制御を行わない場合に、実際の吸気温度と前記内燃機関の運転状態に応じて予め定められる目標吸気温度との間に生じる温度差の絶対値と、
ある加速過渡時において前記筒内温度低下手段によって前記筒内温度を低下させる制御を行わない場合に、実際の吸気温度と前記内燃機関の運転状態に応じて予め定められる目標吸気温度との間に生じる温度差の絶対値と、
が互いに同程度であるような減速過渡時及び加速過渡時について、
当該減速過渡時において前記筒内温度上昇手段によって筒内温度を上昇させる時の筒内温度上昇幅と比較して、当該加速過渡時において前記筒内温度低下手段によって筒内温度を低下させる時の筒内温度低下幅を小さくしても良い。
例えば、内燃機関の運転状態がより低負荷側の運転状態に移行する時に一時的に実際の吸気温度が目標吸気温度より10℃低くなる減速過渡状態と、内燃機関の運転状態がより高負荷側の運転状態に移行する時に一時的に実際の吸気温度が目標吸気温度より10℃高くなる加速過渡状態と、を比較した場合、当該減速過渡時において筒内温度上昇手段が燃料噴射時期を1deg進角させるならば、当該加速過渡時において筒内温度低下手段は燃料噴射時期を0.5deg遅角させる。筒内温度上昇手段、筒内温度低下手段として燃料噴射時期を補正する手段の他に、上述した各種の手段を採用した場合においても同様である。
このように、筒内温度を低下させる制御における操作量を相対的に小さくすれば、筒内温度低下手段による筒内温度低下制御の実行に起因して筒内温度が低下し過ぎることを抑制でき、失火等の燃焼不安定を招いてしまう可能性を低減できる。
本発明のEGRシステムは、上述した筒内温度上昇手段の代わりに、減速過渡時において内燃機関の筒内の不活性成分量を減少させる不活性成分量減少手段を備えた構成とすることもできる。この構成によれば、減速過渡時に筒内の不活性成分量が少なくなるため、燃焼が安定化する。これにより、吸気温度が想定よりも低くなり易く燃焼が不安定化し易い減速過渡時においても、燃焼不安定化やHC排出量の増加を抑制することができる。
また、本発明のEGRシステムは、上述した筒内温度低下手段の代わりに、加速過渡時において内燃機関の筒内の不活性成分量を増加させる不活性成分量増加手段を備えた構成とすることもできる。この構成によれば、加速過渡時に筒内の不活性成分量が多くなるため、NOxの発生量を低減できる。これにより、吸気温度が想定よりも高くなり易くNOx発生量が増加し易い加速過渡時においても、NOx発生量の増加を抑制することができる。
ここで、不活性成分とは、例えば二酸化炭素や水等の非可燃物質や、吸熱性があり燃焼温度を低下させる作用を示す成分である。
上記構成において、不活性成分量低減手段としては、例えば、前記HPLEGR手段及び前記LPLEGR手段によって前記燃焼室に戻される全EGRガス量を減少させる手段
を採用できる。一方、不活性成分量増加手段としては、例えば、前記HPLEGR手段及び前記LPLEGR手段によって前記燃焼室に戻される全EGRガス量を増加させる手段を採用できる。
この場合、全EGRガス量を増減する手段としては、例えば、HPL通路に設けられHPLEGRガスの量を調節するHPLEGR弁の開度を調節する手段や、LPL通路に設けられLPLEGRガスの量を調節するLPLEGR弁の開度を調節する手段等を例示できる。特に、HPLEGRガス量はLPLEGRガス量と比較して応答性良く変化する傾向があるため、HPLEGRガス量を制御することによって全EGRガス量を増減させることが好適である。
上記構成では、内燃機関の運転状態がある運転状態から当該運転状態より低負荷側又は高負荷側の運転状態に移行する過渡状態等において、吸気温度が目標吸気温度より低くなり易い減速過渡状態では不活性成分量を減少させる制御が行われ、吸気温度が目標吸気温度より高くなり易い加速過渡状態では不活性成分量を増加させる制御が行われる。
ここで、後者の場合に、不活性成分量を増加させる制御を実行することによって筒内の不活性成分量が増加し過ぎ、かえって失火等の燃焼不良を招いてしまうことを抑制するために、不活性成分量減少手段により不活性成分量を減少させる制御を実行する場合と比較して、不活性成分量増加手段により不活性成分量を増加させる制御を実行する場合の制御量(制御ゲイン)を小さくしても良い。
詳細には、ある減速過渡時において前記不活性成分量減少手段によって前記不活性成分量を減少させない場合に、実際の吸気温度と前記内燃機関の運転状態に応じて予め定められる目標吸気温度との間に生じる温度差の絶対値と、
ある加速過渡時において前記不活性成分量増加手段によって前記不活性成分量を増加させない場合に、実際の吸気温度と前記内燃機関の運転状態に応じて予め定められる目標吸気温度との間に生じる温度差の絶対値と、
が互いに同程度であるような減速過渡状態及び加速過渡状態について、
当該減速過渡時において前記不活性成分量減少手段によって不活性成分量を減少させる時の減少幅と比較して、当該加速過渡時において前記不活性成分量増加手段によって不活性成分量を増加させる時の増加幅を小さくしても良い。
例えば、内燃機関の運転状態がより低負荷側の運転状態に移行する時に一時的に実際の吸気温度が目標吸気温度より10℃低くなる減速過渡状態と、内燃機関の運転状態がより高負荷側の運転状態に移行する時に一時的に実際の吸気温度が目標吸気温度より10℃高くなる加速過渡状態と、を比較した場合、当該減速過渡時において不活性成分量減少手段がHPLEGR弁開度を10%閉弁方向に変化させるならば、当該加速過渡時において不活性成分量増加手段がHPLEGR弁開度を5%開弁方向に変化させる。
このように、不活性成分量を増加させる制御における操作量を相対的に小さくすれば、不活性成分量増加手段による不活性成分量増加制御の実行に起因して筒内の不活性成分量が増加し過ぎ、失火等の燃焼不安定を招いてしまう可能性を低減できる。
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて本発明を構成し得る。
本発明により、内燃機関の運転状態に応じてHPLEGR手段及びLPLEGR手段を併用又は切り替えてEGRを行うEGRシステムにおいて、内燃機関の運転状態が変化する過渡状態における燃焼の不安定化、HC排出量の増加、スモークやNOxの発生量の増
加等の不具合を抑制することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施例に係るEGRシステムを適用する内燃機関とその吸気系及び排気系の概略構成を模式的に示す図である。内燃機関1は4つの気筒2を有する水冷式4サイクルディーゼルエンジンである。
気筒2内でピストン(図示略)と気筒内壁面とによって区画形成される燃焼室(図示略)は、吸気バルブ(図示略)によって開閉される開口部(図示略)を介して吸気ポート(図示略)と連通し、各気筒2の吸気ポートは吸気マニホールド17において集合し、吸気通路3と連通している。吸気マニホールド17には、吸気の温度を測定する吸気温度センサ25が設けられている。吸気マニホールド17と吸気通路3との接続部近傍には、後述するHPL通路41が接続されている。HPL通路41の接続箇所より上流の吸気通路3には、吸気通路3を流通する吸気の量を調節する第2スロットル弁9が配置されている。第2スロットル弁9より上流の吸気通路3には、吸気を冷却するインタークーラ8が配置されている。インタークーラ8より上流の吸気通路3には、ターボチャージャ13のコンプレッサ11が配置されている。コンプレッサ11より上流の吸気通路3には、後述するLPL通路31が接続されている。LPL通路31の接続箇所より上流の吸気通路3には、吸気通路3に流入する新気の量を調節する第1スロットル弁6が配置されている。第1スロットル弁6より上流の吸気通路3には、吸気通路3に流入する新気の量を測定するエアフローメータ7が設けられている。吸気通路3には、さらに上流においてエアクリーナ(図示略)が接続されている。以下、吸気通路3、吸気マニホールド17、及びこれらに配置されたインタークーラ8やコンプレッサ11等を「吸気系」と総称する場合もある。
このように構成された吸気系では、エアクリーナを通過して塵や埃等が除去された空気が吸気通路3に流入する。吸気通路3に流入した空気は、コンプレッサ11を通過して加圧された後インタークーラ8を通過して冷却されるとともに、後述するLPLEGR装置30及びHPLEGR装置40によって吸気通路3に導かれたEGRガスと混合しつつ吸気マニホールド17に流入し、吸気マニホールド17の各枝管を介して各気筒2の吸気ポートへ分配される。吸気ポートへ分配された吸気は、吸気バルブが開弁した際に各気筒2の燃焼室内へ吸入される。
前記燃焼室は排気バルブ(図示略)によって開閉される開口部(図示略)を介して排気ポート(図示略)と連通し、各気筒2の排気ポートは排気マニホールド18において集合し、排気通路4と連通している。排気マニホールド18と排気通路4との接続部近傍には、HPL通路41が接続されている。HPL通路41の接続箇所より下流の排気通路4には、ターボチャージャ13のタービン12が配置されている。ターボチャージャ13はタービン12を通過する排気の流路面積を可変にするノズルベーン5を備えた可変容量型のターボチャージャである。タービン12より下流の排気通路4には、排気浄化装置10が配置されている。排気浄化装置10は、流入する排気の酸素濃度が高い時には排気中のNOxを吸蔵し、排気の酸素濃度が低くなると吸蔵していたNOxを放出して還元し浄化する吸蔵還元型NOx触媒と、排気中の粒子状物質(PM)を捕集し、捕集したPMを適時に酸化し除去可能なパティキュレートフィルタと、排気中のHCを吸着し酸化し浄化する酸化触媒と、を有して構成される。なお、排気浄化装置10の構成はこの例に限られない。排気浄化装置10より下流の排気通路4には、排気通路4を流通する排気の量を調節す
る排気絞り弁19が配置されている。排気絞り弁19より下流の排気通路4には、LPL通路31が接続されている。なお、排気絞り弁19がLPL通路31の接続箇所より下流の排気通路4に配置されている構成も採用可能である。以下、排気通路4、排気マニホールド18、及びこれらに配置されたタービン12や排気浄化装置10等を「排気系」と総称する場合もある。
このように構成された排気系では、内燃機関1の各気筒2で燃焼した既燃ガスが排気ポートを介して排気マニホールド18に排出され、排気通路4に流入する。排気通路4に流入した排気はタービン13を回転駆動した後排気浄化装置10において含有する有害物質を浄化されるとともに、その一部が後述するLPLEGR装置30及びHPLEGR装置40によってEGRガスとして吸気通路3に導かれる。排気浄化装置10において浄化された後に排気は大気中に放出される。
各気筒2には燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁(図示略)が設けられている。各燃料噴射弁による燃料噴射時期、燃料噴射量、燃料噴射回数等の開閉動作は燃料噴射制御装置24によって制御される。
内燃機関1には、タービン12より上流の排気通路4を流れる排気の一部をコンプレッサ11より下流の吸気通路3に導き、該排気を内燃機関1の燃焼室に戻すHPLEGR装置40が備えられている。HPLEGR装置40は、タービン12より上流の排気通路4と第2スロットル弁9より下流の吸気通路3とを接続するHPL通路41を有し、該HPL通路41を介して前記排気の一部を吸気通路3に流入させる。HPLEGR装置40によって燃焼室に戻される排気を以下「HPLEGRガス」という。
HPL通路41の途中にはHPLEGRガスを冷却するHPLEGRクーラ43が配置されている。HPLEGRクーラ43より下流側(吸気通路3側)のHPL通路41には、HPL通路41の流路面積を変更するHPLEGR弁42が配置されている。HPLEGR弁42の開度を調節することによってHPL通路41を流れるHPLEGRガスの量が調節される。なお、HPLEGRガス量を調節する手段としては、第2スロットル弁9の開度を調節したりノズルベーン5の開度を調節したりすることによって背圧を調節する手段を採用することもできる。本実施例においては、HPLEGR装置40が本発明におけるHPLEGR手段に相当する。
内燃機関1には、タービン12より下流の排気通路4を流れる排気の一部をコンプレッサ11より上流の吸気通路3に導き、該排気を内燃機関1の燃焼室に戻すLPLEGR装置30が備えされている。LPLEGR装置30は、排気絞り弁19より下流の排気通路4とコンプレッサ11より上流の吸気通路3とを接続するLPL通路31を有し、該LPL通路31を介して前記排気の一部を吸気通路3に流入させる。LPLEGR装置30によって燃焼室に戻される排気を以下「LPLEGRガス」という。
LPL通路31の途中にはLPLEGRガスを冷却するLPLEGRクーラ33が配置されている。LPLEGRクーラ33より下流側(吸気通路3側)のLPL通路31には、LPL通路31の流路面積を変更するLPLEGR弁32が配置されている。LPLEGR弁32の開度を調節することによってLPL通路31を流れるLPLEGRガスの量が調節される。なお、LPLEGRガス量を調節する手段としては、第1スロットル弁6の開度を調節してLPL通路31の上流と下流との差圧を調節する手段を採用することもできる。本実施例においては、LPLEGR装置30が本発明におけるLPLEGR手段に相当する。
このように構成されたHPLEGR装置40及びLPLEGR装置30によってEGR
が行われると、水や二酸化炭素等の不燃性且つ吸熱性を有する不活性ガス成分が吸気中に混入されるので、燃焼室における燃料の燃焼温度が低下し、NOxの発生量が減少する。
内燃機関1には、内燃機関1を制御する電子制御装置(ECU)20が併設されている。ECU20は、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等を備えたマイクロコンピュータである。ECU20には、上述したエアフローメータ7、吸気温度センサ25の他、内燃機関1のウォータージャケットを循環する冷却水の温度に対応した電気信号を出力する水温センサ14、アクセルペダルの操作量に対応した電気信号を出力するアクセル開度センサ15、内燃機関1のクランクシャフトが所定角度(例えば10°)回転する度にパルス信号を出力するクランクポジションセンサ16等のセンサ類が電気的に接続され、各センサからの出力信号がECU20に入力される。また、ECU20には、燃料噴射制御装置24、第1スロットル弁6、第2スロットル弁9、ノズルベーン5、排気絞り弁19、LPLEGR弁32、HPLEGR弁42等の機器類が電気的に接続され、ECU20から出力される制御信号によってこれら各機器が制御される。
ECU20は、上記各センサから入力される信号に基づいて内燃機関1の運転状態や運転者の要求を取得する。例えば、ECU20は、クランクポジションセンサ16から入力される信号に基づいて内燃機関1の回転数を算出し、アクセル開度センサ15から入力される信号に基づいて内燃機関1の負荷を算出する。このようにして取得した運転状態に応じて、目標燃料噴射時期、目標燃料噴射量、目標吸気温度等を読み込み、それら各パラメータの実際値が目標値になるように上記各機器を制御する。
ここで、本実施例のEGRシステムにおいて行われるEGR制御について説明する。
図2に示すように、本実施例のEGRシステムでは、内燃機関1の運転状態に応じてHPLEGR装置40及びLPLEGR装置30を併用又は切り替えてEGRを行う。図2において、横軸は内燃機関1の機関回転数を表し、縦軸は内燃機関1の機関負荷を表す。図2に示すように、本実施例のEGR制御では、内燃機関1の運転状態が低負荷且つ低回転の時には主にHPLEGR装置40を用いてEGRを行う。また、機関負荷又は機関回転数が高くなるほどHPLEGR装置40を用いて行われるEGR量(HPLEGRガス量)を減少させるとともに、LPLEGR装置30を用いて行われるEGR量(LPLEGRガス量)を増加させて、HPLEGR装置40及びLPLEGR装置30を併用してEGRを行う。また、内燃機関1の運転状態が高負荷乃至高回転側の時には主にLPLEGR装置30を用いてEGRを行う。
図2において、「HPL」と表示された領域が、主にHPLEGR装置40を用いてEGRが行われる運転状態の領域を表す。この領域を以下「HPLEGR領域」と呼ぶ。また、「LPL」と表示された領域が、主にLPLEGR装置30を用いてEGRが行われる運転状態の領域を表す。この領域を以下「LPLEGR領域」と呼ぶ。HPLEGR領域とLPLEGR領域との間の「MIX」と表示された中負荷又は中回転の領域が、HPLEGR装置40及びLPLEGR装置30を併用してEGRが行われる領域を表す。この領域を以下「MIXEGR領域」と呼ぶ。上述のように、MIXEGR領域では内燃機関1の運転状態が高負荷又は高回転側の運転状態になるほどHPLEGRガス量が減少させられるとともに、LPLEGRガス量が増加させられる制御が行われる。換言すると、高負荷又は高回転側になるほど全EGRガス中のHPLEGRガスの割合(HPLEGR比率)が低くされるとともに、全EGRガス中のLPLEGRガスの割合(LPLEGR比率)が高くされる。
各運転状態に対応するHPLEGRガス量やLPLEGRガス量の目標値は、内燃機関1が当該運転状態で定常運転している時のNOx発生量、スモーク発生量、HC発生量、
燃料消費率等の機関性能や排気性能に関する諸特性が所定の規制値や所望の目標値を達成するように適合作業によって予め定められ、ECU20のROMに記憶される。ECU20は取得した内燃機関1の運転状態に基づいて、当該運転状態に対応するHPLEGRガス量やLPLEGRガス量の目標値をROMから読み込み、HPLEGR装置40やLPLEGR装置30によって燃焼室に戻される排気の量がそれぞれの目標値になるように、HPLEGR弁42、LPLEGR弁32、第1スロットル弁6、第2スロットル弁9、排気絞り弁19、ノズルベーン5等の開度を制御する。本実施例においては、上記のEGR制御を行うECU20が本発明におけるEGR制御手段に相当する。
ところで、HPLEGRガスとLPLEGRガスとはその温度特性が異なる。HPL通路41は内燃機関1の本体近傍に設けられ、その経路長が比較的短いため、HPLEGRガスはHPL通路41及び吸気通路3を経て内燃機関1に戻るまでの流通過程で比較的冷却されにくい。従って、HPLEGRガスの温度は比較的高温になる傾向がある。これに対して、LPL通路31はその経路長が比較的長く、さらにLPLEGRガスの流通経路上にはインタークーラ8が配置されているため、LPLEGRガスがLPL通路31及び吸気通路3を経て内燃機関1に戻るまでの流通過程で比較的冷却され易い。従って、LPLEGRガスの温度は比較的低温になる傾向がある。
本実施例のように内燃機関1の運転状態に応じてLPLEGRガス量及びHPLEGRガス量を変化させるEGR制御を行うEGRシステムにおいては、内燃機関1の運転状態がある運転状態から該運転状態と比較してHPLEGRガス量及び/又はLPLEGRガス量の目標値が異なる別の運転状態に移行する過渡状態において、このHPLEGRガスとLPLEGRガスとの温度特性の相違に起因して、吸気温度の変化に遅れが生じ、実際の吸気温度が移行後の運転状態に対応する目標吸気温度に対して一時的にずれた状態になる場合がある。なお、ここでいう吸気温度は、内燃機関1の気筒2に吸入される吸気の温度を意味するものとする。本実施例では、吸気温度センサ25によって検出される吸気マニホールド17における吸気の温度をこの意味での吸気温度としている。以下の説明において、特別の記載のない限り、「吸気温度」はこの意味で用いられる。
例えば、内燃機関1の運転状態が高負荷から低負荷へ移行する減速過渡時においては、LPLEGRガス量の目標値が減少するとともに、HPLEGRガス量の目標値が増加する。ここで、運転状態が移行する直前まで吸気系を流通しているEGRガスは、移行後の運転状態の定常時において吸気系を流通するEGRガスと比較して、低温のLPLEGRガスを相対的に多く含み、相対的に低温である。従って、運転状態が移行した直後の吸気系の温度は、移行後の運転状態の定常時と比較して相対的に低温の状態になっている。吸気系にはインタークーラ8等の熱容量の大きな機関部材が配置されているため、運転状態が移行した後、相対的に高温のEGRガスが吸気系に流入し始めても、吸気系の温度は即座には上昇しにくい。
さらに、運転状態が移行した直後、運転状態が移行する直前までに既に吸気系に流入している相対的に低温のEGRガスが、運転状態が移行した後の相対的に高温のEGRガスによって掃気されるまでの一定期間は、この相対的に低温のEGRガスが燃焼室に吸入される。そのため、運転状態が移行した後、相対的に高温のEGRガスが吸気系に流入し始めても、この一定期間は吸気温度が上昇しにくい。
このように、内燃機関1の減速過渡時においては、実際の吸気温度が、移行後の運転状態に対応する目標吸気温度と比較して低くなる傾向がある。吸気温度が目標吸気温度より低い場合、筒内温度が想定よりも低くなるため、着火遅れや失火等の燃焼の不安定化を招いたり、HCの排出量が増加したりする可能性がある。
一方、内燃機関1の運転状態が低負荷から高負荷へ移行する加速過渡時においては、LPLEGRガス量の目標値が増加するとともに、HPLEGRガス量の目標値が減少する。ここで、運転状態が移行する直前まで吸気系を流通しているEGRガスは、移行後の運転状態の定常時において吸気系を流通するEGRガスと比較して、高温のHPLEGRガスを相対的に多く含み、相対的に高温である。従って、運転状態が移行した直後の吸気系の温度は、移行後の運転状態の定常時と比較して相対的に高温の状態になっている。吸気系にはインタークーラ8等の熱容量の大きな機関部材が配置されているため、運転状態が移行した後、相対的に低温のEGRガスが吸気系に流入し始めても、吸気系の温度は即座には低下しにくい。
さらに、運転状態が移行した直後、運転状態が移行する直前までに既に吸気系に流入している相対的に高温のEGRガスが、運転状態が移行した後の相対的に低温のEGRガスによって掃気されるまでの一定期間は、この相対的に高温のEGRガスが燃焼室に吸入される。そのため、運転状態が移行した後、相対的に低温のEGRガスが吸気系に流入し始めても、この一定期間は吸気温度が低下しにくい。
このように、内燃機関1の加速過渡時においては、実際の吸気温度が、移行後の運転状態に対応する目標吸気温度と比較して高くなる傾向がある。吸気温度が目標吸気温度より高い場合、筒内温度が想定よりも高くなるため、スモークやNOxの発生量が増加する可能性がある。
これに対し、本実施例のEGRシステムにおいては、内燃機関1の減速過渡時に、燃料噴射弁による燃料噴射時期を、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する基本燃料噴射時期(低負荷基本燃料噴射時期)より進角させる。これにより、燃焼室における燃料の燃焼温度が高くなり、筒内温度が上昇するため、減速過渡時において吸気温度が移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する目標吸気温度(低負荷目標吸気温度)より低くなっている状況においても、燃焼が不安定化したりHCの排出量が増加したりする不具合を抑制できる。
図3は、減速過渡時に上述の燃料噴射時期進角制御を実行した場合の燃料噴射時期、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。
図3(B)に示すように、吸気温度は内燃機関1の運転状態が高負荷から低負荷へ移行した時点(t=t1)で即座に低負荷目標吸気温度TINLO1に変化せず、一定の遅れ期間を経過した時点(t=t3)で低負荷目標吸気温度TINLO1に達する。そのため、図3(A)の破線で示すように、筒内温度が、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する目標筒内温度(低負荷目標筒内温度)TCYLLO1より低くなっている状況で燃焼が行われることになり、燃焼が不安定化したりHC排出量が増加したりする不具合が生じる可能性がある。
それに対し、本実施例では、図3(C)の実線で示すように、吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に達するまでの過渡期間(t=t1〜t3)中、燃料噴射時期を低負荷基本燃料噴射時期θFLO1より進角側の減速過渡時燃料噴射時期θFTDに制御する。これにより燃焼温度が上昇するため、図3(A)の実線で示すように、燃料噴射時期の進角補正を行わなかった場合の筒内温度変化(破線で表示)と比較して、より短時間で筒内温度が低負荷目標筒内温度TCYLLO1に変化する(t=t2)。よって、減速過渡時の燃焼不安定やHC排出量の増加を抑制することができる。吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に達した時点(t=t3)で、燃料噴射時期の進角補正は解除され、低負荷基本燃料噴射時期θFLO1に制御される。
ここで、減速過渡時燃料噴射時期θFTDは、図3(C)の実線で示すように低負荷基本燃料噴射時期θFLO1に対して一定値だけ進角させた値としても良いし、或いは、吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に漸近していくのに応じて、図3(C)の一点鎖線で示すように低負荷基本燃料噴射時期θFLO1に対する進角補正量を連続的又は段階的に、徐々に小さくしても良い。
一方、本実施例のEGRシステムにおいては、内燃機関1の加速過渡時に、燃料噴射弁による燃料噴射時期を、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する基本燃料噴射時期(高負荷基本燃料噴射時期)より遅角させる。これにより、燃焼室における燃料の燃焼温度が低くなり、筒内温度が過剰に高くなることが抑制されるため、加速過渡時において吸気温度が移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する目標吸気温度(高負荷目標吸気温度)より高くなっている状況においても、スモークやNOxの発生量が増加することを抑制できる。
図4は、加速過渡時に上述の燃料噴射時期遅角制御を実行した場合の燃料噴射時期、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。
図4(B)に示すように、吸気温度は内燃機関1の運転状態が低負荷から高負荷へ移行した時点(t=t1)で即座に高負荷目標吸気温度TINHI2に変化せず、一定の遅れ期間を経過した時点(t=t3)で高負荷目標吸気温度TINHI2に達する。そのため、図4(C)の破線で示すように、燃料噴射時期を内燃機関1の運転状態が移行した時点(t=t1)で即座に高負荷基本燃料噴射時期θFHI2に変化させても、図4(A)の破線で示すように、筒内温度が、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する目標筒内温度(高負荷目標筒内温度)TCYLHI2より高くなっている状況で燃焼が行われることになり、スモークやNOxの発生量が増加する不具合が生じる可能性がある。
それに対し、本実施例では、図4(C)の実線で示すように、吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に達するまでの過渡期間(t=t1〜t3)中、燃料噴射時期を高負荷基本燃料噴射時期θFHI2より遅角側の加速過渡時燃料噴射時期θFTAに制御する。これにより燃焼温度が低下するため、図4(A)の実線で示すように、燃料噴射時期の遅角補正を行わなかった場合の筒内温度変化(破線で表示)と比較して、より短時間で筒内温度が高負荷目標筒内温度TCYLHI2に変化する(t=t2)。よって、加速過渡時のスモークやNOxの増加を抑制することができる。吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に達した時点(t=t3)で、燃料噴射時期の遅角補正は解除され、高負荷基本燃料噴射時期θFHI2に制御される。
ここで、加速過渡時燃料噴射時期θFTAは、図4(C)の実線で示すように高負荷基本燃料噴射時期θFHI2に対して一定値だけ遅角させた値としても良いし、或いは、吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に漸近していくのに応じて、図4(C)の一点鎖線で示すように高負荷基本燃料噴射時期θFHI2に対する遅角補正量を連続的又は段階的に、徐々に小さくしても良い。
ここで、図3に示した減速過渡状態において本実施例に係る燃料噴射時期の進角制御を行わなかった場合に想定される実際の吸気温度(TINHI1)と目標吸気温度(TINLO1)との差ΔTD=(TINHI1−TINLO1)と、図4に示した加速過渡状態において本実施例に係る燃料噴射時期の遅角制御を行わなかった場合に想定される実際の吸気温度(TINLO2)と目標吸気温度(TINHI2)との差ΔTA=(TINLO2−TINHI2)と、の間に、図5に示すように、|ΔTD|≒|ΔTA|の関係が成り立つような減速過渡状態及び加速過渡状態の組に関して、当該減速過渡時に実行される燃料噴射時期の進角補正量ΔθFD=(θFTD−θFLO1)と、当該加速過渡時に実
行される燃料噴射時期の遅角補正量ΔθFA=(θFTA−θFHI2)との間に、|ΔθFD|>|ΔθFA|の関係が成り立つように減速過渡時燃料噴射時期θFTD及び加速過渡時燃料噴射時期θFTAを定めても良い。つまり、筒内温度を低下させる制御の制御量(制御ゲイン)を筒内温度を上昇させる制御の制御量(制御ゲイン)より小さくしても良い。こうすることで、加速過渡時に筒内温度が過剰に高くなることを抑制すべく筒内温度を低下させる制御を行った場合に、筒内温度が低下し過ぎて逆に失火等の燃焼不良を招いてしまう可能性を極力低減することができる。
以下、ECU20によって減速過渡時及び加速過渡時に行われる上述の燃料噴射時期の補正制御について、図6に基づいて説明する。図6は、過渡時の燃料噴射時期の補正制御を行うためのルーチンを示すフローチャートである。このルーチンはECU20によって内燃機関1の稼働中所定時間毎に繰り返し実行される。
まず、ステップS101において、ECU20は内燃機関1の運転状態を取得する。具体的には、各種センサからの出力信号に基づいて内燃機関1の機関負荷及び機関回転数を取得する。
次に、ステップS102において、ECU20はステップS101で取得した内燃機関1の運転状態に基づいて、内燃機関1が定常状態、減速過渡状態、又は加速過渡状態のいずれであるかを判定する。定常状態であると判定された場合、ECU20はステップS107に進む。減速過渡状態であると判定された場合、ECU20はステップS103に進む。加速過渡状態であると判定された場合、ECU20はステップS105に進む。
ステップS103において、ECU20は吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に一致したか否かを判定する。本ルーチンでは、吸気温度と低負荷目標吸気温度TINLO1との差の絶対値が所定の許容範囲内に収まっている場合に、吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に一致したと判定する。ステップS103で肯定判定された場合、ECU20はステップS107に進む。一方、ステップS103で否定判定された場合、ECU20はステップS104に進む。
ステップS104において、ECU20は燃料噴射時期を低負荷基本燃料噴射時期θFLO1より進角させて減速過渡時燃料噴射時期θFTDに制御する。その後、ECU20はステップS103に戻る。本実施例においては、ステップS104を実行するECU20が本発明における筒内温度上昇手段に相当する。
ステップS105において、ECU20は吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に一致したか否かを判定する。本ルーチンでは、吸気温度と高負荷目標吸気温度TINHI2との差の絶対値が所定の許容範囲内に収まっている場合に、吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に一致したと判定する。ステップS105で肯定判定された場合、ECU20はステップS107に進む。一方、ステップS105で否定判定された場合、ECU20はステップS106に進む。
ステップS106において、ECU20は燃料噴射時期を高負荷基本燃料噴射時期θFHI2より遅角させて加速過渡時燃料噴射時期θFTAに制御する。その後、ECU20はステップS105に戻る。本実施例においては、ステップS106を実行するECU20が本発明における筒内温度低下手段に相当する。
ステップS107において、ECU20は燃料噴射時期をステップS101で取得した内燃機関1の運転状態に対応する基本燃料噴射時期に制御する。
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2に係るEGRシステムを適用する内燃機関とその吸気系及び排気系の概略構成は実施例1のものと同様である。以下では、実施例1と同一又は同等の構成要素については説明を省略し、実施例1で用いた名称及び符号を用いる。実施例2では、燃料噴射弁が主たる燃料噴射であるメイン噴射と、該メイン噴射に先立って行われる少量の燃料噴射であるパイロット噴射と、の複数回の燃料噴射を1サイクル中に行う燃料噴射制御が燃料噴射制御装置24によってなされる。
本実施例2のEGRシステムにおいては、内燃機関1の減速過渡時に、燃料噴射弁によるパイロット噴射量を、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する基本パイロット噴射量(低負荷基本パイロット噴射量)より増加させる。これにより、十分な噴射量のパイロット噴射による予備燃焼が行われた後、メイン噴射燃料が噴射されるので、安定した燃焼が行われる。従って、減速過渡時において吸気温度が移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する目標吸気温度(低負荷目標吸気温度)より低くなっている状況においても、燃焼不安定やHC排出量の増加を抑制できる。
図7は、減速過渡時に上述のパイロット噴射量増量制御を実行した場合のパイロット噴射量、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。
図7(B)に示すように、吸気温度は内燃機関1の運転状態が高負荷から低負荷へ移行した時点(t=t1)で即座に低負荷目標吸気温度TINLO1に変化せず、一定の遅れ期間を経過した時点(t=t3)で低負荷目標吸気温度TINLO1に達する。そのため、図7(A)の破線で示すように、筒内温度が、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する目標筒内温度(低負荷目標筒内温度)TCYLLO1より低くなっている状況で燃焼が行われることになり、燃焼が不安定化したりHC排出量が増加したりする不具合が生じる可能性がある。
それに対し、本実施例では、図7(C)の実線で示すように、吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に達するまでの過渡期間(t=t1〜t3)中、パイロット噴射量を低負荷基本パイロット噴射量QFPLO1より増加させた減速過渡時パイロット噴射量QFPTDに制御する。これにより、筒内温度が上昇するため、図7(A)の実線で示すように、パイロット噴射量の増量補正を行わなかった場合の筒内温度変化(破線で表示)と比較して、より短時間で筒内温度が低負荷目標筒内温度TCYLLO1に変化する(t=t2)。よって、減速過渡時の燃焼不安定やHC排出量の増加を抑制することができる。吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に達した時点(t=t3)で、パイロット噴射量の増量補正は解除され、低負荷基本パイロット噴射量QFPLO1に制御される。
ここで、減速過渡時パイロット噴射量QFPTDは、図7(C)の実線で示すように低負荷基本パイロット噴射量QFPLO1に対して一定値だけ増加させた値としても良いし、或いは、吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に漸近していくのに応じて、図7(C)の一点鎖線で示すように低負荷基本パイロット噴射量QFPLO1に対する増量補正量を連続的又は段階的に、徐々に小さくしても良い。
一方、本実施例2のEGRシステムにおいては、内燃機関1の加速過渡時に、燃料噴射弁によるパイロット噴射量を、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する基本パイロット噴射量(高負荷基本パイロット噴射量)より減少させる。これにより、筒内温度が過剰に高温になることが抑制される。従って、加速過渡時において吸気温度が移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する目標吸気温度(高負荷目標吸気温度)より高くなっている状況においても、スモークやNOxの発生量の増加を抑制できる。
図8は、加速過渡時に上述のパイロット噴射量減量制御を実行した場合のパイロット噴射量、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。
図8(B)に示すように、吸気温度は内燃機関1の運転状態が低負荷から高負荷へ移行した時点(t=t1)で即座に高負荷目標吸気温度TINHI2に変化せず、一定の遅れ期間を経過した時点(t=t3)で高負荷目標吸気温度TINHI2に達する。そのため、図8(A)の破線で示すように、筒内温度が、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する目標筒内温度(高負荷目標筒内温度)TCYLHI2より高くなっている状況で燃焼が行われることになり、スモークやNOxの発生量が増加する可能性がある。
それに対し、本実施例では、図8(C)の実線で示すように、吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に達するまでの過渡期間(t=t1〜t3)中、パイロット噴射量を高負荷基本パイロット噴射量QFPHI2より減少させた加速過渡時パイロット噴射量QFPTAに制御する。これにより、筒内温度が過剰に上昇することが抑制されるため、図8(A)の実線で示すように、パイロット噴射量の減量補正を行わなかった場合の筒内温度変化(破線で表示)と比較して、より短時間で筒内温度が高負荷目標筒内温度TCYLHI2に変化する(t=t2)。よって、加速過渡時のスモークやNOx発生量の増加を抑制することができる。吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に達した時点(t=t3)で、パイロット噴射量の減量補正は解除され、高負荷基本パイロット噴射量QFPHI2に制御される。
ここで、加速過渡時パイロット噴射量QFPTAは、図8(C)の実線で示すように高負荷基本パイロット噴射量QFPHI2に対して一定値だけ減少させた値としても良いし、或いは、吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に漸近していくのに応じて、図8(C)の一点鎖線で示すように高負荷基本パイロット噴射量QFPHI2に対する減量補正量を連続的または段階的に、徐々に小さくしても良い。
ECU20によって減速過渡時及び加速過渡時に行われる上述のパイロット噴射量の補正制御のルーチンについては、実施例1等と同様であるので詳細な説明を省略する。
次に、本発明の実施例3について説明する。実施例3に係るEGRシステムを適用する内燃機関とその吸気系及び排気系の構成は、実施例1の構成に加えて、更に吸気バルブ及び排気バルブの開閉動作特性を可変制御する可変動弁機構(VVT)を備えたものである。
本実施例3のEGRシステムにおいては、内燃機関1の減速過渡時に、吸気行程における吸気バルブの閉弁時期を、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する基本吸気バルブ閉弁時期(低負荷基本吸気バルブ閉弁時期)より進角させ、下死点近傍の時期を吸気バルブの閉弁時期として制御する。これにより、圧縮行程における有効圧縮ストローク長を十分に確保されるので、有効圧縮比が高くなり、圧縮端温度が上昇する。従って、筒内温度が上昇し、減速過渡時において吸気温度が移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する目標吸気温度(低負荷目標吸気温度)より低くなっている状況においても、燃焼が不安定化したりHCの排出量が増加したりする不具合を抑制できる。
図9は、減速過渡時に上述の吸気バルブ閉弁時期進角制御を実行した場合の有効圧縮比、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。
図9(B)に示すように、吸気温度は内燃機関1の運転状態が高負荷から低負荷へ移行した時点(t=t1)で即座に低負荷目標吸気温度TINLO1に変化せず、一定の遅れ
期間を経過した時点(t=t3)で低負荷目標吸気温度TINLO1に達する。そのため、図9(A)の破線で示すように、筒内温度が、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する目標筒内温度(低負荷目標筒内温度)TCYLLO1より低くなっている状況で燃焼が行われることになり、燃焼が不安定化したりHC排出量が増加したりする不具合が生じる可能性がある。
それに対し、本実施例では、吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に達するまでの過渡期間(t=t1〜t3)中、吸気行程における吸気バルブの閉弁時期を低負荷基本吸気バルブ閉弁時期より進角側に補正するので、図9(C)の実線で示すように、当該過渡期間(t=t1〜t3)中の有効圧縮比が、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する基本有効圧縮比(低負荷基本有効圧縮比)ECRLO1より高い減速過渡時有効圧縮比ECRTDになる。これにより圧縮行程での圧縮端温度が高くなり、筒内温度が上昇するため、図9(A)の実線で示すように、吸気バルブ閉弁時期の進角補正を行わなかった場合の筒内温度変化(破線で表示)と比較して、より短時間で筒内温度が低負荷目標筒内温度TCYLLO1に変化する(t=t2)。よって、減速過渡時の燃焼不安定やHC排出量の増加を抑制することができる。吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に達した時点(t=t3)で、吸気バルブ閉弁時期の進角補正は解除され、有効圧縮比が低負荷基本有効圧縮比ECRLO1になる。
ここで、減速過渡時の吸気バルブ閉弁時期を低負荷基本吸気バルブ閉弁時期に対して一定値だけ進角させた値とすることによって、図9(C)の実線で示すように減速過渡時有効圧縮比ECRTDを低負荷基本有効圧縮比ECRLO1に対して一定値だけ高くしても良いし、或いは、吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に漸近していくのに応じて、吸気バルブ閉弁時期の低負荷基本吸気バルブ閉弁時期に対する進角補正量を連続的又は段階的に、徐々に小さくすることによって、図9(C)の一点鎖線で示すように減速過渡時有効圧縮比を低負荷基本有効圧縮比ECRLO1に対して連続的又は段階的に、徐々に近付けても良い。
一方、本実施例3のEGRシステムにおいては、内燃機関1の加速過渡時に、吸気行程における吸気バルブの閉弁時期を、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する基本吸気バルブ閉弁時期(高負荷基本吸気バルブ閉弁時期)より遅角させ、下死点以降の時期を吸気バルブの閉弁時期として制御する。これにより、圧縮行程における有効圧縮ストローク長が短くなるので、有効圧縮比が低くなり、圧縮端温度が低下する。従って、筒内温度が低下し、加速過渡時において吸気温度が移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する目標吸気温度(高負荷目標吸気温度)より高くなっている状況においても、スモークやNOxの発生量が増加することを抑制できる。
図10は、加速過渡時に上述の吸気バルブ閉弁時期遅角制御を実行した場合の有効圧縮比、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。
図10(B)に示すように、吸気温度は内燃機関1の運転状態が低負荷から高負荷へ移行した時点(t=t1)で即座に高負荷目標吸気温度TINHI2に変化せず、一定の遅れ期間を経過した時点(t=t3)で高負荷目標吸気温度TINHI2に達する。そのため、図10(A)の破線で示すように、筒内温度が、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する目標筒内温度(高負荷目標筒内温度)TCYLHI2より高くなっている状況で燃焼が行われることになり、スモークやNOxの発生量が増加する可能性がある。
それに対し、本実施例では、吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に達するまでの過渡期間(t=t1〜t3)中、吸気行程における吸気バルブの閉弁時期を高負荷基本
吸気バルブ閉弁時期より遅角側に補正するので、図10(C)の実線で示すように、当該過渡期間(t=t1〜t3)中の有効圧縮比が、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する基本有効圧縮比(高負荷基本有効圧縮比)ECRHI2より低い加速過渡時有効圧縮比ECRTAになる。これにより圧縮行程での圧縮端温度が低くなり、筒内温度が過剰に高くなることが抑制されるため、図10(A)の実線で示すように、吸気バルブ閉弁時期の遅角補正を行わなかった場合の筒内温度変化(破線で表示)と比較して、より短時間で筒内温度が高負荷目標筒内温度TCYLHI2に変化する(t=t2)。よって、加速過渡時のスモークやNOxの発生量の増加を抑制することができる。吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に達した時点(t=t3)で、吸気バルブ閉弁時期の遅角補正は解除され、有効圧縮比が高負荷基本有効圧縮比ECRHI2になる。
ここで、加速過渡時の吸気バルブ閉弁時期を高負荷基本吸気バルブ閉弁時期に対して一定値だけ遅角させた値とすることによって、図10(C)の実線で示すように加速過渡時有効圧縮比ECRTAを高負荷基本有効圧縮比ECRHI2に対して一定値だけ低くしても良いし、或いは、吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に漸近していくのに応じて、吸気バルブ閉弁時期の高負荷基本吸気バルブ閉弁時期に対する遅角補正量を連続的又は段階的に、徐々に小さくすることによって、図10(C)の一点鎖線で示すように加速過渡時有効圧縮比を高負荷基本有効圧縮比ECRHI2に対して連続的又は段階的に、徐々に近付けても良い。
ECU20によって減速過渡時及び加速過渡時に行われる上述の有効圧縮比の補正制御のルーチンについては、実施例1と同様であるので詳細な説明を省略する。
なお、本実施例では有効圧縮比を制御する手段として吸気バルブの閉弁時期を進角又は遅角させる方法を示したが、有効圧縮比を制御する方法はこれに限られない。例えば、気筒の物理的な容積を変更することが可能な機械式の可変圧縮比機構を組み込んだ内燃機関において、可変圧縮比機構を制御して機械圧縮比自体を変化させる方法を採用することもできる。
次に、本発明の実施例4について説明する。実施例4に係るEGRシステムを適用する内燃機関及びその吸気系及び排気系の概略構成は実施例3のものと同様である。
本実施例4のEGRシステムにおいては、内燃機関1の減速過渡時に、VVTを制御して、排気行程から吸気行程にかけて排気バルブ及び吸気バルブがともに開弁しているバルブオーバーラップ量を、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する基本バルブオーバーラップ量(低負荷基本バルブオーバーラップ量)より増加させる。これにより、燃焼室内に残留する既燃ガスの量(内部EGR量)が増加し、筒内温度が上昇する。従って、減速過渡時において吸気温度が移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する目標吸気温度(低負荷目標吸気温度)より低くなっている状況においても、燃焼が不安定化したりHC排出量が増加したりすることを抑制できる。
図11は、減速過渡時に上述のバルブオーバーラップ量増量制御を実行した場合の内部EGR量、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。
図11(B)に示すように、吸気温度は内燃機関1の運転状態が高負荷から低負荷へ移行した時点(t=t1)で即座に低負荷目標吸気温度TINLO1に変化せず、一定の遅れ期間を経過した時点(t=t3)で低負荷目標吸気温度TINLO1に達する。そのため、図11(A)の破線で示すように、筒内温度が、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する目標筒内温度(低負荷目標筒内温度)TCYLLO1より低くなってい
る状況で燃焼が行われることになり、燃焼が不安定化したりHC排出量が増加したりする不具合が生じる可能性がある。
それに対し、本実施例では、吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に達するまでの過渡期間(t=t1〜t3)中、バルブオーバーラップ量を低負荷基本バルブオーバーラップ量より増量補正するので、図11(C)の実線で示すように、当該過渡期間(t=t1〜t3)中の内部EGR量が、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する基本内部EGR量(低負荷基本内部EGR量)GEGRILO1より多い減速過渡時内部EGR量GEGRITDになる。これにより燃焼室内に残留する高温の既燃ガスの量が増加し、筒内温度が上昇するため、図11(A)の実線で示すように、バルブオーバーラップ量増量補正を行わなかった場合の筒内温度変化(破線で表示)と比較して、より短時間で筒内温度が低負荷目標筒内温度TCYLLO1に変化する(t=t2)。よって、減速過渡時の燃焼不安定やHC排出量の増加を抑制することができる。吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に達した時点(t=t3)で、バルブオーバーラップ量の増量補正は解除され、内部EGR量が低負荷基本内部EGR量GEGRILO1になる。
ここで、減速過渡時のバルブオーバーラップ量を低負荷基本バルブオーバーラップ量に対して一定値だけ増加させた量とすることによって、図11(C)の実線で示すように減速過渡時内部EGR量GEGRITDを低負荷基本内部EGR量GEGRILO1に対して一定量だけ増加させても良いし、或いは、吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に漸近していくのに応じて、バルブオーバーラップ量の低負荷基本バルブオーバーラップ量に対する増量補正量を連続的又は段階的に、徐々に小さくすることによって、図11(C)の一点鎖線で示すように減速過渡時内部EGR量を低負荷基本内部EGR量GEGRILO1に対して連続的又は段階的に、徐々に近付けても良い。
一方、本実施例4のEGRシステムにおいては、内燃機関1の加速過渡時に、VVTを制御して、排気行程から吸気行程にかけて排気バルブ及び吸気バルブがともに開弁しているバルブオーバーラップ量を、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する基本バルブオーバーラップ量(高負荷基本バルブオーバーラップ量)より減少させる。これにより、燃焼室内に残留する既燃ガスの量(内部EGR量)が減少し、筒内温度が過度に上昇することを抑制できる。従って、加速過渡時において吸気温度が移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する目標吸気温度(高負荷目標吸気温度)より高くなっている状況においても、スモークやNOxの発生量が増加することを抑制できる。
図12は、加速過渡時に上述のバルブオーバーラップ量減量制御を実行した場合の内部EGR量、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。
図12(B)に示すように、吸気温度は内燃機関1の運転状態が低負荷から高負荷へ移行した時点(t=t1)で即座に高負荷目標吸気温度TINHI2に変化せず、一定の遅れ期間を経過した時点(t=t3)で高負荷目標吸気温度TINHI2に達する。そのため、図12(A)の破線で示すように、筒内温度が、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する目標筒内温度(高負荷目標筒内温度)TCYLHI2より高くなっている状況で燃焼が行われることになり、スモークやNOxの発生量が増加する可能性がある。
それに対し、本実施例では、吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に達するまでの過渡期間(t=t1〜t3)中、バルブオーバーラップ量を高負荷基本バルブオーバーラップ量より減量補正するので、図12(C)の実線で示すように、当該過渡期間(t=t1〜t3)中の内部EGR量が、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する基本内部EGR量(高負荷基本内部EGR量)GEGRIHI2より少ない加速過渡時内
部EGR量GEGRITAになる。これにより燃焼室内に残留する高温の既燃ガスの量が減少し、筒内温度が過剰に上昇することが抑制されるため、図12(A)の実線で示すように、バルブオーバーラップ量減量補正を行わなかった場合の筒内温度変化(破線で表示)と比較して、より短時間で筒内温度が高負荷目標筒内温度TCYLHI2に変化する(t=t2)。よって、加速過渡時のスモークやNOx発生量の増加を抑制することができる。吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に達した時点(t=t3)で、バルブオーバーラップ量の減量補正は解除され、内部EGR量が高負荷基本内部EGR量GEGRIHI2になる。
ここで、加速過渡時のバルブオーバーラップ量を高負荷基本バルブオーバーラップ量に対して一定値だけ減少させた量とすることによって、図12(C)の実線で示すように加速過渡時内部EGR量GEGRITAを高負荷基本内部EGR量GEGRIHI2に対して一定量だけ減少させても良いし、或いは、吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に漸近していくのに応じて、バルブオーバーラップ量の高負荷基本バルブオーバーラップ量に対する減量補正量を連続的又は段階的に、徐々に小さくすることによって、図12(C)の一点鎖線で示すように加速過渡時内部EGR量を高負荷基本内部EGR量GEGRIHI2に対して連続的又は段階的に、徐々に近付けても良い。
ECU20によって減速過渡時及び加速過渡時に行われる上述の内部EGR量の補正制御のルーチンについては、実施例1等と同様であるので詳細な説明を省略する。
なお、本実施例では内部EGR量を制御する手段としてVVTによりバルブオーバーラップ量を増減する方法を示したが、内部EGR量を制御する方法はこれに限らない。例えば、排気バルブの閉弁時期を進角させることによって内部EGR量を増量できる。また、排気バルブ及び吸気バルブがともに閉弁しているマイナスオーバーラップ量を増加させることによって内部EGR量を増量できる。また、VVTによらずに内部EGR量を増減する方法も採用できる。例えば、排気絞り弁19やノズルベーン5の開度を調節して排気通路4の背圧を調節することによって内部EGR量を増減することができる。
次に、本発明の実施例5について説明する。実施例5に係るEGRシステムを適用する内燃機関とその吸気系及び排気系の構成は、実施例1の構成に加えて、更にHPL通路41のHPLEGRクーラ43より上流側と下流側とを連通するHPLEGRクーラバイパス通路を備え、HPL通路41を流れる排気(HPLEGRガス)にHPLEGRクーラ43をバイパスさせることが可能な構成を有する。また、HPLEGRクーラバイパス通路の途中にはHPLEGRクーラバイパス通路を流通するHPLEGRガスの量を調節可能なHPLEGRクーラバイパス弁が設けられている。HPLEGRクーラバイパス弁はECU20によってその開度が制御される。
本実施例5のEGRシステムにおいては、内燃機関1の減速過渡時に、HPLEGRクーラバイパス弁の開度を、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する基本HPLEGRクーラバイパス弁開度(低負荷基本HPLEGRクーラバイパス弁開度)より大きくする。これにより、全HPLEGRガス量のうちHPLEGRクーラバイパス通路を流通するガスの量(HPLEGRクーラバイパス量)が増加するので、HPLEGRクーラ43で冷却されるHPLEGRガスの量が減少する。従って、吸気の温度が低下しにくくなり、減速過渡時において吸気温度が移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する目標吸気温度(低負荷目標吸気温度)より低くなることを抑制でき、減速過渡時において燃焼が不安定化したりHC排出量が増加したりすることを抑制できる。
図13は、減速過渡時に上述のHPLEGRクーラバイパス量増量制御を実行した場合
のHPLEGRクーラバイパス量、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。
本実施例5では、内燃機関1の運転状態が高負荷から低負荷へ移行した時点(t=t1)で、HPLEGRクーラバイパス弁開度が低負荷基本HPLEGRクーラバイパス弁開度より大きくされるので、図13(C)に示すように、当該時点(t=t1)でHPLEGRクーラバイパス量が、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する基本HPLEGRクーラバイパス量(低負荷基本HPLEGRクーラバイパス量)GHPLCBLO1より多い減速過渡時HPLEGRクーラバイパス量GHPLCBTDになる。
これにより、HPLEGRクーラ43で冷却されるHPLEGRガスの量が減少するため、吸気温度が低下しにくくなるので、図13(B)の実線で示すように、HPLEGRクーラバイパス弁開度の増量補正を行わなかった場合の吸気温度変化(破線で表示)と比較して、より短時間で吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に変化し(t=t2)、従って、筒内温度も、図13(A)の実線で示すように、より短時間で低負荷目標筒内温度TCYLLO1に変化する(t=t2)。よって、減速過渡時の燃焼不安定やHC排出量の増加を抑制することができる。吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に達した時点(t=t2)で、HPLEGRクーラバイパス弁開度の増量補正は解除され、HPLEGRクーラバイパス量が低負荷基本HPLEGRクーラバイパス量GHPLCBLO1になる。
一方、本実施例5のEGRシステムにおいては、内燃機関1の加速過渡時に、HPLEGRクーラバイパス弁の開度を、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する基本HPLEGRクーラバイパス弁開度(高負荷基本HPLEGRクーラバイパス弁開度)より小さくする。これにより、全HPLEGRガス量のうちHPLEGRクーラバイパス通路を流通するガスの量(HPLEGRクーラバイパス量)が減少するので、HPLEGRクーラ43で冷却されるHPLEGRガスの量が増加する。従って、吸気の温度が低下し易くなり、加速過渡時において吸気温度が移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する目標吸気温度(高負荷目標吸気温度)より高くなることを抑制でき、加速過渡時においてスモークやNOxの発生量が増加することを抑制できる。
図14は、加速過渡時に上述のHPLEGRクーラバイパス量減量制御を実行した場合のHPLEGRクーラバイパス量、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。
本実施例5では、内燃機関1の運転状態が低負荷から高負荷へ移行した時点(t=t1)で、HPLEGRクーラバイパス弁開度が高負荷基本HPLEGRクーラバイパス弁開度より小さくされるので、図14(C)に示すように、当該時点(t=t1)でHPLEGRクーラバイパス量が、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する基本HPLEGRクーラバイパス量(高負荷基本HPLEGRクーラバイパス量)GHPLCBHI2より少ない加速過渡時HPLEGRクーラバイパス量GHPLCBTAになる。
これにより、HPLEGRクーラ43で冷却されるHPLEGRガスの量が増加するため、吸気温度が低下し易くなるので、図14(B)の実線で示すように、HPLEGRクーラバイパス弁開度の減量補正を行わなかった場合の吸気温度変化(破線で表示)と比較して、より短時間で吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に変化し(t=t2)、従って、筒内温度も、図14(A)の実線で示すように、より短時間で高負荷目標筒内温度TCYLHI2に変化する(t=t2)。よって、加速過渡時のスモークやNOx発生量の増加を抑制することができる。吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に達した時点(t=t2)で、HPLEGRクーラバイパス弁開度の減量補正は解除され、HPL
EGRクーラバイパス量が高負荷基本HPLEGRクーラバイパス量GHPLCBHI2になる。
ECU20によって減速過渡時及び加速過渡時に行われる上述のHPLEGRクーラバイパス量の補正制御のルーチンについては、実施例1等と同様であるので詳細な説明を省略する。
なお、本実施例ではHPLEGRクーラバイパス量を調節することによって吸気温度を調節するようにしているが、HPLEGRクーラバイパス通路及びHPLEGRクーラバイパス弁と同様の構成をLPLEGRクーラ33やインタークーラ8について備えた構成とすれば、本実施例と同様の構成により吸気温度を調節することができる。
次に、本発明の実施例6について説明する。実施例6に係るEGRシステムを適用する内燃機関とその吸気系及び排気系の概略構成は実施例1のものと同様である。
本実施例6のEGRシステムにおいては、内燃機関1の減速過渡時に、HPLEGR装置40及びLPLEGR装置30によって燃焼室に戻される全EGRガス量におけるHPLEGRガス量の比率を、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する基本HPLEGR比率(低負荷基本HPLEGR比率)より高くする。これにより、燃焼室に戻る全EGRガスにおいて高温のHPLEGRガスの占める割合が大きくなるため、EGRガスの温度が上昇する。従って、吸気の温度が低下しにくくなり、減速過渡時において吸気温度が移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する目標吸気温度(低負荷目標吸気温度)より低くなることを抑制でき、減速過渡時において燃焼が不安定化したりHC排出量が増加したりすることを抑制できる。このHPLEGR比率増加制御では、EGR率を変化させずにHPLEGR比率を高くする。従って、このHPLEGR比率増加制御はLPLEGR比率を低くする制御と同等である。
図15は、減速過渡時に上述のHPLEGR比率増加制御を実行した場合のHPLEGR比率、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。
本実施例6では、内燃機関1の運転状態が高負荷から低負荷へ移行した時点(t=t1)で、図15(C)に示すように、HPLEGR比率が、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する基本HPLEGR比率(低負荷基本HPLEGR比率)RHPLLO1より高い減速過渡時HPLEGR比率RHPLTDに変更される。
これにより、全EGRガスにおける高温のHPLEGRガスの占める割合が大きくなるため、吸気温度が低下しにくくなるので、図15(B)の実線で示すように、HPLEGR比率の増加補正を行わなかった場合の吸気温度変化(破線で表示)と比較して、より短時間で吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に変化し(t=t2)、従って、筒内温度も、図15(A)の実線で示すように、より短時間で低負荷目標筒内温度TCYLLO1に変化する(t=t2)。よって、減速過渡時の燃焼不安定やHC排出量の増加を抑制することができる。吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に達した時点(t=t2)で、HPLEGR比率の増加補正は解除されて低負荷基本HPLEGR比率RHPLLO1になる。
HPLEGR比率を増加させる手段としては、HPLEGR弁42の開度を大きくすることでHPLEGRガス量を増加させるとともに、LPLEGR弁32の開度を小さくすることでLPLEGRガス量を減少させる方法を例示できる。HPLEGRガス量を増加させる手段としては、ノズルベーン5や第2スロットル弁9の開度を小さくする方法も可
能である。また、LPLEGRガス量を減少させる手段としては、第2スロットル弁6の開度を大きくする方法も可能である。
一方、本実施例6のEGRシステムにおいては、内燃機関1の加速過渡時に、HPLEGR装置40及びLPLEGR装置30によって燃焼室に戻される全EGRガス量におけるHPLEGRガス量の比率を、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する基本HPLEGR比率(高負荷基本HPLEGR比率)より低くする。これにより、燃焼室に戻る全EGRガスにおいて高温のHPLEGRガスの占める割合が小さくなるため、EGRガスの温度が低下する。従って、吸気の温度が低下し易くなり、加速過渡時において吸気温度が移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する目標吸気温度(高負荷目標吸気温度)より高くなることを抑制でき、加速過渡時においてスモークやNOxの発生量が増加することを抑制できる。このHPLEGR比率低下制御では、EGR率は変化させずにHPLEGR比率を低くする。従って、このHPLEGR比率低下制御はLPLEGR比率を高くする制御と同等である。
図16は、加速過渡時に上述のHPLEGR比率低下制御を実行した場合のHPLEGR比率、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。
本実施例6では、内燃機関1の運転状態が低負荷から高負荷へ移行した時点(t=t1)で、図16(C)に示すように、HPLEGR比率が、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する基本HPLEGR比率(高負荷基本HPLEGR比率)RHPLHI2より低い加速過渡時HPLEGR比率RHPLTAに変更される。
これにより、全EGRガスにおける高温のHPLEGRガスの占める割合が小さくなるため、吸気温度が低下し易くなるので、図16(B)の実線で示すように、HPLEGR比率の低下補正を行わなかった場合の吸気温度変化(破線で表示)と比較して、より短時間で吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に変化し(t=t2)、従って、筒内温度も、図16(A)の実線で示すように、より短時間で高負荷目標筒内温度TCYLHI2に変化する(t=t2)。よって、加速過渡時のスモークやNOx発生量の増加を抑制することができる。吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に達した時点(t=t2)で、HPLEGR比率の低下補正は解除されて高負荷基本HPLEGR比率RHPLHI2になる。
ECU20によって減速過渡時及び加速過渡時に行われる上述のHPLEGR比率の補正制御のルーチンについては、実施例1と同様であるから詳細な説明を省略する。
なお、本実施例において、減速過渡時又は加速過渡時にHPLEGR比率を変更する代わりに、全EGRガス中のLPLEGRガスの比率(LPLEGR比率)を変更しても良い。この場合、HPLEGR比率の補正方向と逆になる。すなわち、減速過渡時にはLPLEGR比率を移行先の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する基本LPLEGR比率(低負荷基本LPLEGR比率)より低くする。これにより、全EGRガス中に占める低温のLPLEGRガスの割合が小さくなるので、吸気温度の低下を抑制できる。一方、加速過渡時にはLPLEGR比率を移行先の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する基本LPLEGR比率(高負荷基本LPLEGR比率)より高くする。これにより、全EGRガス中に占める低温のLPLEGRガスの割合が大きくなるので、吸気温度の上昇を抑制できる。
次に、本発明の実施例7について説明する。実施例7に係るEGRシステムを適用する内燃機関とその吸気系及び排気系の概略構成は実施例1のものと同様である。
本実施例7のEGRシステムにおいては、内燃機関1の減速過渡時に、HPLEGR装置40及びLPLEGR装置30によって内燃機関1の燃焼室に戻される排気の全量(全EGRガス量)を、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する基本全EGRガス量(低負荷基本EGRガス量)より減少させる。換言すれば、EGR率を基本EGR率より小さくする。これにより、吸気中の不活性成分の量が減少するので、安定した燃焼が行われる。従って、減速過渡時において吸気温度が移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する目標吸気温度(低負荷目標吸気温度)より低くなっている状況においても、燃焼不安定やHC排出量の増加を抑制できる。
全EGRガス量を減少させるには、例えば、HPLEGRガス量及び/又はLPLEGRガス量を減少させる手段を採れば良い。HPLEGRガス量を減少させるには、例えば、HPLEGR弁42の開度を閉じ側にする、ノズルベーン5の開度を開き側にする、排気絞り弁19の開度を開き側にする、第2スロットル弁9の開度を開き側にする、等の手段を採ればよい。LPLEGRガス量を減少させるには、例えば、LPLEGR弁32の開度を閉じ側にする、第1スロットル弁6の開度を開き側にする、等の手段を採ればよい。本実施例では、以下、HPLEGRガス量を減少させることで全EGRガス量を減少させる場合を例に説明する。以下の説明は他の手段によって全EGRガス量を減少させる場合にも適用できる。
図17は、減速過渡時に上述の全EGRガス量減少制御を実行した場合のHPLEGRガス量、筒内の不活性成分量、及び吸気温度の時間変化の一例を示す図である。
図17(A)に示すように、吸気温度は内燃機関1の運転状態が高負荷から低負荷へ移行した時点(t=t1)で即座に低負荷目標吸気温度TINLO1に変化せず、一定の遅れ期間を経過した時点(t=t3)で低負荷目標吸気温度TINLO1に達する。そのため、筒内温度が移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する目標筒内温度(低負荷目標筒内温度)より低くなっている状況で燃焼が行われることになり、燃焼が不安定化したりHC排出量が増加したりする不具合が生じる可能性がある。
それに対し、本実施例7では、図17(C)の実線で示すように、吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に達するまでの過渡期間(t=t1〜t3)中、HPLEGRガス量を、移行後の運転状態(低負荷側の運転状態)に対応する基本HPLEGRガス量(低負荷基本HPLEGRガス量)GHPLLO1より少ない量に制御する。これにより、全EGRガス量が減少するため、図17(B)の実線で示すように、全EGRガス量の減量補正を行わなかった場合の筒内不活性成分量の変化(破線で表示)と比較して、筒内の不活性成分量が少なくなる。よって、吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1より低い状況下においても、燃焼の不安定化やHC排出量の増加を抑制することができる。吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に達した時点(t=t3)でHPLEGRガス量が低負荷基本HPLEGRガス量GHPLLO1に制御されることで全EGRガス量の減量補正が解除され、低負荷基本全EGRガス量になる。上記減速過渡期間中のHPLEGRガス量を減速過渡時HPLEGRガス量GHPLTDとする。
ここで、本実施例では、吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に達するまでの過渡期間(t=t1〜t3)にわたって、HPLEGRガス量を高負荷基本HPLEGRガス量GHPLHI1から低負荷基本HPLEGRガス量GHPLLO1に連続的に変化させる例を示したが、HPLEGRガス量の変化のさせ方、従って全EGRガス量の変化のさせ方はこれに限らず、段階的に変化させても良いし、低負荷基本HPLEGRガス量GHPLLO1から一定値だけ少ない量に固定しても良い。
一方、本実施例7のEGRシステムにおいては、内燃機関1の加速過渡時に、HPLEGR装置40及びLPLEGR装置30によって内燃機関1の燃焼室に戻される排気の全量(全EGRガス量)を、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する基本全EGRガス量(高負荷基本全EGRガス量)より増加させる。換言すれば、EGR率を基本EGR率より大きくする。これにより、吸気中の不活性成分の量が増加するので、NOxの発生量が低減する。従って、加速過渡時において吸気温度が移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する目標吸気温度(高負荷目標吸気温度)より高くなっている状況においても、NOx発生量の増加を抑制できる。
全EGRガス量を増加させるには、例えば、HPLEGRガス量及び/又はLPLEGRガス量を増加させる手段を採ればよい。HPLEGRガス量を増加させるには、例えば、HPLEGR弁42の開度を開き側にする、ノズルベーン5の開度を閉じ側にする、排気絞り弁19の開度を閉じ側にする、第2スロットル弁9の開度を閉じ側にする、等の手段を採ればよい。LPLEGRガス量を増加させるには、例えば、LPLEGR弁32の開度を開き側にする、第1スロットル弁6の開度を閉じ側にする、等の手段を採ればよい。本実施例では、以下、HPLEGRガス量を増加させることで全EGRガス量を増加させる場合を例に説明する。以下の説明は他の手段によって全EGRガス量を増加させる場合にも適用できる。
図18は、加速過渡時に上述の全EGRガス量増加制御を実行した場合のHPLEGRガス量、筒内の不活性成分量、及び吸気温度の時間変化の一例を示す図である。
図18(A)に示すように、吸気温度は内燃機関1の運転状態が低負荷から高負荷へ移行した時点(t=t1)で即座に高負荷目標吸気温度TINHI2に変化せず、一定の遅れ期間を経過した時点(t=t3)で高負荷目標吸気温度TINHI2に達する。そのため、筒内温度が移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する目標筒内温度(高負荷目標筒内温度)より高くなっている状況で燃焼が行われることになり、NOx発生量が増加する可能性がある。
それに対し、本実施例7では、図18(C)の実線で示すように、吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に達するまでの過渡期間(t=t1〜t3)中、HPLEGRガス量を、移行後の運転状態(高負荷側の運転状態)に対応する基本HPLEGRガス量(高負荷基本HPLEGRガス量)GHPLHI2より多い量に制御する。これにより、全EGRガス量が増加するため、図18(B)の実線で示すように、全EGRガス量の増量補正を行わなかった場合の筒内不活性成分量の変化(破線で表示)と比較して、筒内の不活性成分量が多くなる。よって、吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2より高い状況下においても、NOx発生量を低減できる。吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に達した時点(t=t3)でHPLEGRガス量が高負荷基本HPLEGRガス量GHPLHI2に制御されることで全EGRガス量の増量補正が解除され、高負荷基本全EGRガス量になる。上記加速過渡期間中のHPLEGRガス量を加速過渡時HPLEGRガス量GHPLTAとする。
ここで、本実施例では、吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に達するまでの過渡期間(t=t1〜t3)にわたって、HPLEGRガス量を低負荷基本HPLEGRガス量GHPLLO2から高負荷基本HPLEGRガス量GHPLHI2に連続的に変化させる例を示したが、HPLEGRガス量の変化のさせ方、従って全EGRガス量の変化のさせ方はこれに限らず、段階的に変化させても良いし、高負荷基本HPLEGRガス量GHPLHI2から一定値だけ多い量に固定しても良い。
ここで、図17に示した減速過渡状態において本実施例に係る全EGRガス量の減量制
御を行わなかった場合に想定される実際の吸気温度(TINHI1)と目標吸気温度(TINLO1)との差ΔTD=(TINHI1−TINLO1)と、図18に示した加速過渡状態において本実施例に係る全EGRガス量の増量制御を行わなかった場合に想定される実際の吸気温度(TINLO2)と目標吸気温度(TINHI2)との差ΔTA=(TINLO2−TINHI2)と、の間に、図19に示すように、|ΔTD|≒|ΔTA|の関係が成り立つような減速過渡状態及び加速過渡状態の組に関して、当該減速過渡時に実行されるHPLEGRガス量の減量補正量ΔGHPLD=(GHPLTD−GHPLLO1)と、当該加速過渡時に実行されるHPLEGRガス量の増量補正量ΔGHPLA=(GHPLTA−GHPLHI2)との間に、|ΔGHPLD|>|ΔGHPLA|の関係が成り立つように減速過渡時HPLEGRガス量GHPLTD及び加速過渡時HPLEGRガス量GHPLTAを定めても良い。つまり、筒内不活性成分量を増加させる制御の制御量(制御ゲイン)を筒内不活性成分量を減少させる制御の制御量(制御ゲイン)より小さくしても良い。こうすることで、加速過渡時にNOx発生量を低減すべく筒内不活性成分量を増加させる制御を行った場合に、筒内不活性成分量が増加し過ぎて逆に失火等の燃焼不良を招いてしまう可能性を極力低減することができる。
以下、ECU20によって減速過渡時及び加速過渡時に行われる上述のHPLEGR比率の補正制御について、図20に基づいて説明する。図20は、過渡時の全EGRガス量の補正制御を行うためのルーチンを示すフローチャートである。このルーチンはECU20によって内燃機関1の稼働中所定時間毎に繰り返し実行される。
まず、ステップS901において、ECU20は内燃機関1の運転状態を取得する。具体的には、各種センサからの出力信号に基づいて内燃機関1の機関負荷及び機関回転数を取得する。
次に、ステップS902において、ECU20はステップS901で取得した内燃機関1の運転状態に基づいて、内燃機関1が定常状態、減速過渡状態、又は加速過渡状態のいずれであるかを判定する。定常状態であると判定された場合、ECU20はステップS907に進む。減速過渡状態であると判定された場合、ECU20はステップS903に進む。加速過渡状態であると判定された場合、ECU20はステップS905に進む。
ステップS903において、ECU20は吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に一致したか否かを判定する。本ルーチンでは、吸気温度と低負荷目標吸気温度TINLO1との差の絶対値が所定の許容範囲内に収まっている場合に、吸気温度が低負荷目標吸気温度TINLO1に一致したと判定する。ステップS903で肯定判定された場合、ECU20はステップS907に進む。一方、ステップS903で否定判定された場合、ECU20はステップS904に進む。
ステップS904において、ECU20はHPLEGRガス量を低負荷基本HPLEGRガス量より少なくする。これにより吸気中の不活性成分量が減少し、筒内の不活性成分量が減少する。その後、ECU20はステップS903に戻る。本実施例においては、ステップS904を実行するECU20が本発明における不活性成分量減少手段に相当する。
ステップS905において、ECU20は吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に一致したか否かを判定する。本ルーチンでは、吸気温度と高負荷目標吸気温度TINHI2との差の絶対値が所定の許容範囲内に収まっている場合に、吸気温度が高負荷目標吸気温度TINHI2に一致したと判定する。ステップS905で肯定判定された場合、ECU20はステップS907に進む。一方、ステップS905で否定判定された場合、ECU20はステップS906に進む。
ステップS906において、ECU20はHPLEGRガス量を高負荷基本HPLEGRガス量より多くする。これにより吸気中の不活性成分量が増加し、筒内の不活性成分量が増加する。その後、ECU20はステップS905に戻る。本実施例においては、ステップS906を実行するECU20が本発明における不活性成分量増加手段に相当する。
ステップS907において、ECU20はHPLEGRガス量をステップS901で取得した内燃機関1の運転状態に対応する基本HPLEGRガス量に制御することで、全EGRガス量を基本全EGRガス量に制御する。これにより、筒内の不活性成分量が内燃機関1の運転状態に対応する基本値になる。
なお、以上説明した各実施例は本発明を実施する場合の一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施例には種々の変更を加えたり、組み合わせたりすることができる。
例えば、実施例3及び4では、VVTを備えた構成において、吸気バルブ及び/又は排気バルブの開閉動作特性を変更し、有効圧縮比を高くしたり内部EGR量を増量したりすることによって、減速過渡時における筒内温度の低下を抑制する実施例を示したが、VVTを備えた構成の場合、筒内温度上昇手段として、吸気行程における吸気バルブの開弁時期を遅角させる手段を採用することもできる。これにより、筒内が負圧の状態で吸気バルブが開弁するので、吸気が筒内に流入する速度が速くなり、吸気の運動エネルギーが増大する。吸気の運動エネルギーは圧縮行程において熱エネルギーに変換されるので、圧縮端温度を上昇させることができる。これにより、減速過渡時に吸気温度が目標吸気温度より低くなっている状況においても、燃焼の不安定化やHC排出量の増加を抑制することができる。
実施例1におけるEGRシステムを適用する内燃機関とその吸気系及び排気系の概略構成を示す図である。 実施例1におけるEGR制御マップを示す図である。 実施例1において減速過渡時の燃料噴射時期の進角制御を実行した場合の燃料噴射時期、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。 実施例1において加速過渡時の燃料噴射時期の遅角制御を実行した場合の燃料噴射時期、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。 実施例1に係る過渡時の燃料噴射時期の補正制御において補正方向によって制御量を相違させる場合の補正方向と制御量との関係を示す図である。 実施例1における過渡時の燃料噴射時期の補正制御を行うためのルーチンを示すフローチャートである。 実施例2において減速過渡時のパイロット噴射量増量制御を実行した場合のパイロット噴射量、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。 実施例2において加速過渡時のパイロット噴射量減量制御を実行した場合のパイロット噴射量、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。 実施例3において減速過渡時の吸気バルブ閉弁時期進角制御を実行した場合の有効圧縮比、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。 実施例3において加速過渡時の吸気バルブ閉弁時期遅角制御を実行した場合の有効圧縮比、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。 実施例4において減速過渡時のバルブオーバーラップ量増量制御を実行した場合の内部EGR量、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。 実施例4において加速過渡時のバルブオーバーラップ量減量制御を実行した場合の内部EGR量、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。 実施例5において減速過渡時のHPLEGRクーラバイパス量増量制御を実行した場合のHPLEGRクーラバイパス量、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。 実施例5において加速過渡時のHPLEGRクーラバイパス量減量制御を実行した場合のHPLEGRクーラバイパス量、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。 実施例6において減速過渡時のHPLEGR比率増加制御を実行した場合のHPLEGR比率、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。 実施例6において加速過渡時のHPLEGR比率低下制御を実行した場合のHPLEGR比率、吸気温度、及び筒内温度の時間変化の一例を示す図である。 実施例7において減速過渡時の全EGRガス量減量制御を実行した場合のHPLEGRガス量、筒内不活性成分量、及び吸気温度の時間変化の一例を示す図である。 実施例7において加速過渡時の全EGRガス量増量制御を実行した場合のHPLEGRガス量、筒内不活性成分量、及び吸気温度の時間変化の一例を示す図である。 実施例7に係る過渡時の全EGRガス量の補正制御において補正方向によって制御量を相違させる場合の補正方向と制御量との関係を示す図である。 実施例7における過渡時の全EGRガス量の補正制御を行うためのルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 気筒
3 吸気通路
4 排気通路
5 ノズルベーン
6 第1スロットル弁
7 エアフローメータ
8 インタークーラ
9 第2スロットル弁
10 排気浄化装置
11 コンプレッサ
12 タービン
13 ターボチャージャ
14 水温センサ
15 アクセル開度センサ
16 クランク角度センサ
17 吸気マニホールド
18 排気マニホールド
19 排気絞り弁
20 ECU
24 燃料噴射制御装置
25 吸気温度センサ
30 LPLEGR装置
31 LPL通路
32 LPLEGR弁
33 LPLEGRクーラ
40 HPLEGR装置
41 HPL通路
42 HPLEGR弁
43 HPLEGRクーラ

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられたタービンと吸気通路に設けられたコンプレッサとを有するターボチャージャと、
    前記タービンより上流の排気通路と前記コンプレッサより下流の吸気通路とを接続するHPL通路を介して排気の一部を内燃機関の燃焼室に戻すHPLEGR手段と、
    前記タービンより下流の排気通路と前記コンプレッサより上流の吸気通路とを接続するLPL通路を介して排気の一部を内燃機関の燃焼室に戻すLPLEGR手段と、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記HPLEGR手段及び前記LPLEGR手段を併用又は切り替えてEGRを行うEGR制御手段であって、前記内燃機関の運転状態が高負荷になるほど前記LPLEGR手段によって前記燃焼室に戻される排気の量を多くするとともに、前記内燃機関の運転状態が低負荷になるほど前記HPLEGR手段によって前記燃焼室に戻される排気の量を多くするEGR制御手段と、
    前記内燃機関の運転状態がある運転状態から該運転状態より低負荷側の運転状態に移行する減速過渡時に前記内燃機関の筒内温度を上昇させるための所定のパラメータの値を当該移行先の運転状態に応じて予め定められる目標値よりも筒内温度をより短時間で上昇させる方向へ補正する筒内温度上昇手段と、
    前記内燃機関の運転状態がある運転状態から該運転状態より高負荷側の運転状態に移行する加速過渡時に前記内燃機関の筒内温度を低下させるための所定のパラメータの値を当該移行先の運転状態に応じて予め定められる目標値よりも筒内温度をより短時間で低下させる方向へ補正する筒内温度低下手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関のEGRシステム。
  2. 請求項1において、
    前記筒内温度上昇手段は、減速過渡時に、前記燃焼室内における燃料の燃焼温度を上昇させるための所定のパラメータの値を前記移行先の運転状態に応じて予め定められる目標値よりも燃焼温度が高くなる方向へ補正する手段であり、
    前記筒内温度低下手段は、加速過渡時に、前記燃焼室内における燃料の燃焼温度を低下させるための所定のパラメータの値を前記移行先の運転状態に応じて予め定められる目標値よりも燃焼温度が低くなる方向へ補正する手段である
    ことを特徴とする内燃機関のEGRシステム。
  3. 請求項1において、
    前記筒内温度上昇手段は、減速過渡時に、内燃機関の筒内に吸入される吸気の温度である吸気温度を上昇させるための所定のパラメータの値を前記移行先の運転状態に応じて予め定められる目標値よりも吸気温度が高くなる方向へ補正する手段であり、
    前記筒内温度低下手段は、加速過渡時に、内燃機関の筒内に吸入される吸気の温度である吸気温度を低下させるための所定のパラメータの値を前記移行先の運転状態に応じて予め定められる目標値よりも吸気温度が低くなる方向へ補正する手段である
    ことを特徴とする内燃機関のEGRシステム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    ある減速過渡時において前記筒内温度上昇手段によって前記筒内温度を上昇させない場合に、実際の吸気温度と前記内燃機関の運転状態に応じて予め定められる目標吸気温度との間に生じる温度差の絶対値と、
    ある加速過渡時において前記筒内温度低下手段によって前記筒内温度を低下させない場合に、実際の吸気温度と前記内燃機関の運転状態に応じて予め定められる目標吸気温度との間に生じる温度差の絶対値と、
    が互いに同程度であるような減速過渡状態及び加速過渡状態について、
    当該減速過渡時に前記筒内温度上昇手段によって筒内温度を上昇させる時の筒内温度上昇幅と比較して、当該加速過渡時に前記筒内温度低下手段によって筒内温度を低下させる時の筒内温度低下幅を小さくする
    ことを特徴とする内燃機関のEGRシステム。
  5. 内燃機関の排気通路に設けられたタービンと吸気通路に設けられたコンプレッサとを有するターボチャージャと、
    前記タービンより上流の排気通路と前記コンプレッサより下流の吸気通路とを接続するHPL通路を介して排気の一部を内燃機関の燃焼室に戻すHPLEGR手段と、
    前記タービンより下流の排気通路と前記コンプレッサより上流の吸気通路とを接続するLPL通路を介して排気の一部を内燃機関の燃焼室に戻すLPLEGR手段と、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記HPLEGR手段及び前記LPLEGR手段を併用又は切り替えてEGRを行うEGR制御手段であって、前記内燃機関の運転状態が高負荷になるほど前記LPLEGR手段によって前記燃焼室に戻される排気の量を多くするとともに、前記内燃機関の運転状態が低負荷になるほど前記HPLEGR手段によって前記燃焼室に戻される排気の量を多くするEGR制御手段と、
    前記内燃機関の運転状態がある運転状態から該運転状態より低負荷側の運転状態に移行する減速過渡時に前記内燃機関の筒内の不活性成分量を減少させる不活性成分量減少手段と、
    前記内燃機関の運転状態がある運転状態から該運転状態より高負荷側の運転状態に移行する加速過渡時に前記内燃機関の筒内の不活性成分量を増加させる不活性成分量増加手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関のEGRシステム。
  6. 請求項5において、
    ある減速過渡時において前記不活性成分量減少手段によって前記不活性成分量を減少させない場合に、実際の吸気温度と前記内燃機関の運転状態に応じて予め定められる目標吸気温度との間に生じる温度差の絶対値と、
    ある加速過渡時において前記不活性成分量増加手段によって前記不活性成分量を増加させない場合に、実際の吸気温度と前記内燃機関の運転状態に応じて予め定められる目標吸気温度との間に生じる温度差の絶対値と、
    が互いに同程度であるような減速過渡状態及び加速過渡状態について、
    当該減速過渡時に前記不活性成分量減少手段によって不活性成分量を減少させる時の減少
    幅と比較して、当該加速過渡時において前記不活性成分量増加手段によって不活性成分量を増加させる時の増加幅を小さくする
    ことを特徴とする内燃機関のEGRシステム。
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