JP4333264B2 - ディーゼルエンジンの制御装置 - Google Patents

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本発明は、ディーゼルエンジンの制御装置に関し、特に、自動変速機の変速等により出力される一時的なトルクダウン要求に対する制御技術に関する。
近年の車両では、エンジンと有段式の自動変速機(A/T)とを独立して制御するのではなく、CAN等の双方向通信システムにより両者を連携して統合的に制御するものが公知である。例えば急発進時や急加速時のようにアクセル開度が大きい場合の変速時には、A/Tのコントロールユニットからエンジンのコントロールユニットへトルクダウン要求信号を出力して、エンジンの一時的なトルクダウンを実行することにより、変速フィーリングの向上を図ることができる(特許文献1参照)。ガソリンエンジンでは、通常、点火時期のリタード(遅角)によりトルクダウンを実現している。
特開平10−238377号公報
一方、点火プラグの無いディーゼルエンジンでは、一般的に、燃料噴射量の一時的な減量によりトルクダウンを行う。しかしながら、NOx吸着触媒やDPF等の排気浄化触媒を備えたディーゼルエンジンにおいて、所望の排気浄化性能が得られるように排気浄化触媒へ流入する排気の空燃比を制御している場合、上述したような燃料噴射量の一時的な減量によりトルクダウンを行うと、排気の空燃比が一時的に大きく上昇し、排気浄化性能の低下を招くおそれがある。このような排気浄化性能の低下を低減・回避するように、触媒容量を大きくすると、排気浄化触媒の大型化やコスト上昇を招いてしまう。
上記の特許文献1にも記載されているように、ディーゼルエンジンにおいて、燃料噴射時期を制御することにより、エンジントルクをある程度増減できることは知られている。しかしながら、単に燃料噴射時期を進角又は遅角することによるエンジントルクの変更量は非常に限られており、上述したような一時的なトルクダウンに適用することは困難であると考えられていた。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、トルクダウン要求に対し、排気の空燃比が一時的に大きく上昇することを回避しつつ、トルクダウンを良好に実現し得る新規なディーゼルエンジンの制御装置を提供することを主たる目的としている。
ディーゼルエンジンの一時的なトルクダウン要求を出力するトルクダウン要求手段と、メイン燃料噴射に先立ってパイロット燃料噴射を行う多段燃料噴射手段と、を有する。上記トルクダウン要求に応じて、パイロット燃料噴射時期からメイン燃料噴射時期までの噴射間隔を増加する。より具体的には、トルクダウン要求に応じて、メイン燃料噴射時期を遅角するとともに、パイロット燃料噴射時期を進角する。
このようにトルクダウン要求に応じて燃料噴射時期を補正することにより、一時的なトルクダウンによる排気の空燃比の変動を解消又は十分に低減することができ、トルクダウンに伴う排気浄化性能の低下を解消又は十分に低減することができる。
図1は、この発明が適用されるディーゼルエンジン1の全体的構成を示している。このディーゼルエンジン1は、比較的多量の排気還流(EGR)を行うもので、排気通路2と吸気通路3のコレクタ部3aとを結ぶEGR通路4に、例えばステッピングモータにて開度が連続的に可変制御可能なEGR弁6を備えている。上記EGR弁6の開度は、エンジンコントロールユニット5によって制御され、運転条件に応じた所定のEGR率を得るようになっている。たとえば、低速低負荷域ではEGR率が最大となり、回転速度、負荷が高くなるに従い、EGR率が減少していく。
上記吸気通路3の吸気ポート近傍には、運転条件に応じて燃焼室内にスワールを生成するスワールコントロールバルブ9が設けられている。このスワールコントロールバルブ9は、図示せぬアクチュエータを介して上記コントロールユニットの制御信号に応じて開閉駆動されるもので、例えば低速低負荷域で閉じられ、燃焼室内にスワールが生成される。
ディーゼルエンジン1は、コモンレール式の燃料噴射装置10を備えている。このコモンレール式の燃料噴射装置10においては、サプライポンプ11により加圧された燃料が高圧燃料供給通路12を介して蓄圧室(コモンレール)13にいったん蓄えられたあと、この蓄圧室13から各気筒の燃料噴射ノズル14に分配され、各燃料噴射ノズル14の開閉に応じてそれぞれ噴射される。上記蓄圧室13内の燃料圧力は、図示せぬプレッシャレギュレータによって可変的に調整されるようになっており、蓄圧室13には、燃料圧力を検出するために燃料圧力センサ15が設けられている。さらに、燃料温度を検出する燃料温度センサ16がサプライポンプ11の上流側に配置されている。なお、燃焼室には、公知のグロープラグ18が配置されている。
また、このディーゼルエンジン1は、排気タービン22とコンプレッサ23とを同軸上に備えたターボ過給機21を有している。上記排気タービン22は、排気通路2のEGR通路4分岐点より下流側に位置し、かつこの排気タービン22のスクロール入口に、容量調整手段としての可変ノズル24を備えた容量可変型の構成となっている。すなわち、可変ノズル24の開度を小さくした状態では、低速域のような排気流量の少ない条件に適した小容量の特性となり、可変ノズル24の開度を大きくした状態では、高速域のような排気流量の多い条件に適した大容量の特性となる。上記可変ノズル24は、制御圧力(制御負圧)に応動するダイヤフラム式のアクチュエータ25によって駆動され、かつ上記制御圧力は、デューティ制御される圧力制御弁26を介して生成される。なお、上記排気タービン22の上流側に、排気空燃比を検出する広域型の空燃比センサ17が配置されている。
また、上記排気タービン22下流側の排気通路2には、排気中のCOやHC等を酸化する酸化触媒27と、NOxの処理を行うNOxトラップ触媒28と、が順に配置されている。上記NOxトラップ触媒28は、流入する排気の排気空燃比がリーンであるときにNOxを吸着し、流入する排気の酸素濃度を低下させると、吸着していたNOxを放出して触媒作用により浄化処理するものである。上記NOxトラップ触媒28の下流側には、さらに、排気微粒子(particulate matter:PM)を捕集除去する触媒付きの微粒子捕集フィルタ(Diesel particulate filter:DPF)29が設けられている。この微粒子捕集フィルタ29としては、例えば、コーディエライト等のフィルタ材料にハニカム状の多数の微細な通路を形成するととともに、その端部を交互に閉塞してなるウォールフローハニカム構造(いわゆる目封じ型)のフィルタが用いられている。上記微粒子捕集フィルタ29の入口側および出口側には、それぞれ入口側および出口側での排気温度を検出するフィルタ入口側温度センサ30、フィルタ出口側温度センサ31が、配置されている。さらに、排気微粒子の堆積に伴い微粒子捕集フィルタ29の圧力損失が変化するので、微粒子捕集フィルタ29の入口側と出口側との間の圧力差を検出する差圧センサ32が設けられている。圧力差を直接に検出する差圧センサ32に代えて、入口側および出口側にそれぞれ圧力センサを設けて圧力差を求めることも勿論可能である。なお、上記微粒子捕集フィルタ29のさらに下流側には、図示せぬ排気消音器が配置されている。
また、吸気通路3に介装された上記コンプレッサ23の上流側には、吸入空気量つまり新気量を検出するエアフロメータ35が配設され、さらにその上流に、エアクリーナ36が位置している。上記エアクリーナ36の入口側には、外気圧つまり大気圧を検出する大気圧センサ37が配置されている。上記コンプレッサ23とコレクタ部3aとの間には、過給された高温の空気を冷却するインタークーラ38が設けられている。
さらに、上記吸気通路3のコレクタ部3a入口側に、新気量を制限する吸気絞弁41が介装されている。この吸気絞弁41は、ステッピングモータ等からなるアクチュエータ42を介して、エンジンコントロールユニット5の制御信号により開閉駆動される。また、上記コレクタ部3aには、過給圧を検出する過給圧センサ44と、吸気温度を検出する吸気温度センサ45と、が設けられている。
上記燃料噴射装置10の噴射量や噴射時期、EGR弁6の開度、可変ノズル24の開度、などを制御するエンジンコントロールユニット5には、上述のセンサ類のほかに、アクセルペダルの踏込量を検出するアクセル開度センサ46、エンジン回転数を検出する回転数センサ47、冷却水温度を検出する水温センサ48、などのセンサ類の検出信号が入力されている。
上記の燃料噴射装置10は、燃焼騒音の低減化等を図るために、メイン燃料噴射に先立ってパイロット燃料噴射を行うこと、つまり1サイクル中にパイロット燃料噴射とメイン燃料噴射とをこの順に行うことにより、燃焼を緩慢にする多段燃料噴射を行うことができる(多段燃料噴射手段)。このような多段燃料噴射の技術は公知であるので、詳細な説明は省略する。
図2を参照して、CAN通信システム等により、エンジン1を制御する上記のエンジンコントロールユニット(エンジン制御部)5と、有段式の自動変速機50を変速制御するA/Tコントロールユニット(変速機制御部)51とは、2本の通信線52,53により双方向通信可能に接続され、情報を共有しつつ互いに連携して制御を行うことができる。例えば、急発進・急加速時のようにアクセル開度が大きい場合の変速時には、A/Tコントロールユニット51は、エンジンコントロールユニット5へトルクダウン要求信号を出力する(トルクダウン要求手段)。このトルクダウン要求信号に基づいて、エンジンコントロールユニット5は、後述するようにトルクダウンを実行し、エンジンの発生トルクを一時的に小さくする。これと同期してA/Tコントロールユニット51は、車速等に基づいて最適な変速ポイントで変速制御を行う。これらの制御により、変速ショックのない円滑な変速を行うことができる。
図3は、トルクダウン制御を簡略的に示すタイムチャートであり、(A)は従来例に対応し、(B)は本実施例に対応している。酸化触媒27,NOxトラップ触媒28及びDPF29等の排気浄化触媒による排気浄化処理を高いレベルで行うことができるように、好ましくは運転状態に応じて排気浄化触媒に流入する排気の空燃比λを所定の目標値の近傍に維持するように制御する(空燃比制御手段)。従って、従来例(A)のように、トルクダウン要求に応じて燃料噴射量を一時的に低下することによりエンジンのトルクダウンを行うと、トルクダウンに伴って排気の空燃比λが一時的かつ不用意に上昇し、排気浄化性能の低下を招いてしまう。このような排気浄化性能の低下を抑制・回避するために、触媒容量を大きくすると、触媒の大型化やコストアップを避けられない。
図3(B)に示す本実施例では、トルクダウンにより排気の空燃比λが不用意に変動(上昇)することのないように、燃料噴射制御を利用してトルクダウンを実現している。具体的には、トルクダウン要求に応じて、メイン燃料噴射時期Main_ITを遅角側へ補正するとともに、パイロット燃料噴射時期Pilot_ITを進角側へ補正している。つまり、パイロット燃料噴射時期Pilot_ITからメイン燃料噴射時期Main_ITまでの噴射間隔ΔITを増加側へ補正している(燃料噴射時期補正手段)。また、トルクダウン要求に応じて、メイン燃料噴射量Main_Qを量側へ補正するとともに、パイロット燃料噴射量Piot_Qを量側へ補正している(燃料噴射量補正手段)。但し、トルクダウン要求によって、メイン燃料噴射量Main_Qとパイロット燃料噴射量Piot_Qとを合わせたトータルの全噴射量が変動することのないようにしている。つまり、トルクダウン要求による全噴射量の増減を禁止している。
このような噴射制御を行うことにより、トルクダウン要求に対する燃料噴射量の増減を解消又は十分に低減し、一時的なトルクダウンの実行による排気の空燃比λの不用意な上昇を防止又は十分に低減して、排気の空燃比λを目標値近傍に維持することができる。従って、一時的なトルクダウンによる排気浄化性能の低下を回避又は十分に抑制することができる。
また、従来例のように燃料噴射量の低下によりトルクダウンを行った場合、図4(A)に示すように、筒内圧特性にばらつきが生じてしまうものの、本実施例ような燃料噴射時期・噴射量の補正によりトルクダウンを実現した場合、図4(B)に示すように、筒内圧特性を凹凸の少ない滑らかな特性とし、良好な燃焼を実現することができる。なお、図4(B)の破線は燃焼がない場合の筒内圧特性を示している。
本実施例では、図4(B)に示すように、主トルクを発生させる主燃焼と、主燃焼に先立ってなされる予備燃焼とを行わせ、前記予備燃焼は、圧縮上死点(TDC)近傍で起き、また、前記主燃焼は、前記予備燃焼が終了した後に開始するように、燃料噴射(a,b)を制御する。
すなわち、圧縮行程でまず燃料を噴射し(a)、TDC近傍での筒内温度(圧縮端温度)を高めるための予備燃焼を行う。運転条件に応じて、予備燃焼の熱発生が起こる噴射量は異なるが、少なくとも予備燃焼の熱発生が確認でき、主燃焼のための燃料噴射時の筒内温度が自己着火可能な温度を上回るために必要な量の燃料を噴射する。また、各運転条件において予想される圧縮端温度に応じて予備燃焼のための燃料噴射量、及び時期を変えることで、予備燃焼の安定性を向上できる。
続いて、予備燃焼が終了してから、主燃焼が開始するように、主燃焼のための燃料をTDC以降に噴射する(b)。つまり、予備燃焼によって筒内温度を高めることで、主燃焼のリタード限界を広げて、目標温度への制御性を向上させる一方、予備燃焼が確実に終了した後に主燃焼の燃料を噴射することで、主燃焼のための着火遅れ期間を確保し、主燃焼の予混合燃焼割合を高くして、スモークの排出を抑制する。
予備燃焼の開始時期から主燃焼の開始時期までの間隔は、エンジン回転速度にもよるが、少なくとも20°CA以上は離れていないと、予備燃焼(予備燃焼による熱発生)が完全には終了しない。このような間隔の設定により、主燃焼の悪化を抑制して、スモークの悪化を防ぐことができる。また、膨張行程で主燃焼が開始することから、燃焼速度は非常に遅く、主燃焼の燃焼終了は50°ATDC以降となる。主燃焼の終了時期をできるだけ遅くすることで、主燃焼が緩慢になり、燃焼騒音の悪化を抑制できる。
したがって、予備燃焼によって主燃焼のリタード限界が広がることから、主噴射の噴射時期をリタードしてもλ一定で安定した燃焼を実現できる。本実施例ではこのような燃焼を利用してトルクダウンをλ一定で実現している。
次に、エンジンコントロールユニット5により実行されるメイン燃料噴射時期のより具体的な演算処理の一例を、図5及び図6を参照して説明する。エンジン運転モードstate_ATSは、各種センサ類の出力信号に基づいて、6つの運転モードstate1〜6の中から選択・判定される。この運転モードstate_ATSに応じて排気の空燃比λ等が制御される。例えば、排気の空燃比λは、通常の運転モードstate1では1.3以上となり、リッチスパイク(NOx再生)モードstate2では0.9より低く制御され、昇温モードstate3あるいは硫黄被毒解除モードstate4では、1.0(ストイキ)近傍に維持され、DPF再生モードstate4では例えば1.05〜1.3の範囲に制御され、焼損回避モードstate6では、1.3より低く制御される。
基本値演算部S1では、アクセル開度等に基づいて演算される要求燃料噴射量QFTRQと、エンジン回転数Neと、運転モードstate_ATSとに基づいて、基本パイロット燃料噴射時期Piot_IT0が演算される。ここでは、運転モード毎に個別に設定されたマップM1〜M6を利用して基本パイロット燃料噴射量Piot_IT0を求めている。
補正部S2では、A/Tコントロールユニットから入力されるトルクダウン要求KTRQ_DUETと、運転モードstate_ATSと、に基づいて、メイン燃料噴射時期の補正量を算出する。トルクダウン要求KTRQ_DUETの値が小さいほど要求されるトルクダウン量が大きくなる関係にある。そして、要求されるトルクダウン量が大きくなるほど、メイン燃料噴射時期の遅角量を大きくしている。また、排気の空燃比λがリーンである(1より大きい)運転モードstate1,5,6では、排気の空燃比λがリッチ又はストイキである(1以下である)運転モードstate2〜4の場合に比して、遅角量を大きくしている。
加算部S3では、S2で算出された補正量(負の値)を基本メイン燃料噴射時期に加算して、最終的なメイン燃料噴射時期を算出する。ここでは進角側を正の値としているため、メイン燃料噴射時期は遅角側に補正される。
次に、パイロット燃料噴射時期の演算処理の一例を、図5及び図7を参照して説明する。上記のメイン燃料噴射時期の演算処理と同様、基本値演算部S1では、要求燃料噴射量QFTRQとエンジン回転数Neと運転モードstate_ATSとに基づいて、基本パイロット燃料噴射時期Piot_IT0が演算される。補正部S2では、トルクダウン要求KTRQ_DUETと運転モードstate_ATSとに基づいて、パイロット燃料噴射時期の補正量を算出する。図7に示すように、要求されるトルクダウン量が大きくなるほど、パイロット燃料噴射時期の進角側への補正量を大きくしている。加算部S3では、S2で算出された補正量(正の値)を基本パイロット燃料噴射時期に加算して、最終的なパイロット燃料噴射時期を算出する。これにより、トルクダウン要求に応じて、パイロット燃料噴射時期が進角側に補正される。
次に、パイロット燃料噴射量の演算処理の一例を、図5及び図8を参照して説明する。上記のメイン燃料噴射時期の演算処理と同様、基本値演算部S1では、要求燃料噴射量QFTRQとエンジン回転数Neと運転モードstate_ATSとに基づいて、基本パイロット燃料噴射量Piot_Q0が演算される。補正部S2では、トルクダウン要求KTRQ_DUETと運転モードstate_ATSとに基づいて、パイロット燃料噴射量の補正量を算出する。図8に示すように、要求されるトルクダウン量が大きくなるほど、パイロット燃料噴射量の増加側への補正量を大きくしている。加算部S3では、S2で算出された補正量(正の値)を基本パイロット燃料噴射量に加算して、最終的なパイロット燃料噴射量を算出する。これにより、トルクダウン要求に応じて、パイロット燃料噴射量が増量側に補正される。
次に、メイン燃料噴射量の演算処理の一例を、図5及び図9を参照して説明する。上記のパイロット燃料噴射量の演算処理と同様、基本値演算部S1では、要求燃料噴射量QFTRQとエンジン回転数Neと運転モードstate_ATSとに基づいて、基本メイン燃料噴射量Main_Q0が演算される。補正部S2では、トルクダウン要求KTRQ_DUETと運転モードstate_ATSとに基づいて、メイン燃料噴射量の補正量を算出する。図9に示すように、要求されるトルクダウン量が大きくなるほど、メイン燃料噴射量の減量側への補正量を大きくしている。加算部S3では、S2で算出された補正量(負の値)を基本メイン燃料噴射量に加算して、最終的なメイン燃料噴射量を算出する。これにより、トルクダウン要求に応じて、メイン燃料噴射量が減量側に補正される。
このように、トルクダウンに応じて、パイロット燃料噴射量を増加するとともに、メイン燃料噴射量を減少させているため、全噴射量が大きく増減することがなく、排気の空燃比λが不用意に大きく変動することがない。なお、メイン燃料噴射量の演算処理の簡素化を図るために、パイロット燃料噴射量の増量分を単に基本メイン燃料噴射量から減じる処理としても良い。
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。例えば、上記実施例では自動変速機の変速によるトルクダウン要求に対して本発明を適用しているが、他のトルクダウン要求、例えば手動式変速機の変速によるトルクダウン要求に本発明を適用しても良い。
また、上記実施例では実質的に燃料噴射時期・噴射量の補正のみによりトルクダウンを実現しているが、燃料噴射量の低下等の手段を併用してトルクダウンを実現するようにしても良い。更に、特定の運転状態、例えば排気の空燃比λを目標値に制御・維持する必要がある運転状態state2〜6の場合に限り、燃料噴射の補正によるトルクダウンを行い、通常のリーン運転モードstate1では、主として燃料噴射量の低下によりトルクダウンを行うようにしても良い。
本発明の一実施例が適用されるディーゼルエンジンを示す概略構成図。 本実施例に係る自動変速機の変速によるトルクダウン要求の入出力を示す説明図。 従来例(A)及び本実施例(B)に係るトルクダウン制御を示すタイムチャート。 従来例(A)及び本実施例(B)に係る筒内圧の変化を示す特性図。 本実施例に係る燃料噴射時期・噴射量の演算処理を簡略的に示す制御ブロック図。 トルクダウン要求に応じたメイン燃料噴射時期補正用マップの一例を示す特性図。 トルクダウン要求に応じたパイロット燃料噴射時期補正用マップの一例を示す特性図。 トルクダウン要求に応じたパイロット燃料噴射量補正用マップの一例を示す特性図。 トルクダウン要求に応じたメイン燃料噴射量補正用マップの一例を示す特性図。
符号の説明
1…ディーゼルエンジン
5…エンジンコントロールユニット
27…酸化触媒(排気浄化触媒)
28…NOxトラップ触媒(排気浄化触媒)
29…DPF(排気浄化触媒)
51…A/Tコントロールユニット(変速機制御部)

Claims (5)

  1. ディーゼルエンジンの一時的なトルクダウン要求を出力するトルクダウン要求手段と、
    メイン燃料噴射に先立ってパイロット燃料噴射を行う多段燃料噴射手段と、
    上記トルクダウン要求に応じて、メイン燃料噴射時期を遅角するとともに、パイロット燃料噴射時期を進角することで、パイロット燃料噴射時期からメイン燃料噴射時期までの噴射間隔を増加する燃料噴射時期補正手段と、を有することを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
  2. 排気通路に設けられる排気浄化触媒へ流入する排気の空燃比を制御する空燃比制御手段を有することを特徴とする請求項に記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  3. 上記トルクダウン要求に応じて、メイン燃料噴射量を減量するとともに、パイロット燃料噴射量を増量する燃料噴射量補正手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  4. 上記トルクダウン要求手段は、有段式の自動変速機を変速制御する変速機制御部であって、変速に応じてトルクダウン要求を出力する請求項1〜のいずれかに記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  5. 上記多段燃料噴射手段は、パイロット燃料噴射の燃焼が終了してからメイン燃料噴射を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のディーゼルエンジンの制御装置。
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